■日本代表、決勝トーナメント進出!!

 日本代表の決勝トーナメント進出がかかったデンマーク戦は見事に3-1で日本が勝利!

日本はグループリーグEを2位で通過し、決勝トーナメント進出を決めました。

日本がベスト16に進んだのは2002年大会に続きこれで2度目。

中立地開催でのワールドカップでは初の快挙となります。

 私もユーロ92でデンマークがドイツを破って優勝するのをリアルタイム(正確にいうと録画中継)で見ましたが、1992年といえばまだ日本代表がW杯に一度も出たことのない時代であり、わが日本代表が将来デンマークをワールドカップで破って決勝トーナメント進出を達成するとはその当時想像すらしていませんでした。

日本がデンマークにあっさり勝ったような印象をもたれる方もいるかもしれませんが、2010年W杯欧州予選でも、イブラヒモビッチがいるスウェーデンを予選敗退に、C.ロナウドやナニがいるポルトガルをプレーオフに追いやってトップ通過を果たしたのがデンマークでした。

試合前の戦力評価では、日本のホームで引き分け、デンマークホームでデンマーク勝利ぐらいの差があると考えていましたが、中立地において3-1で日本の勝利という結果は歴史に残る大金星でしたし、世界を驚かせたと思います。

試合内容もその結果にふさわしい充実したものでした。


それでは歴史に残る一戦を振りかえりましょう。

 前半立ち上がり、日本代表はスイス合宿前に使っていた4-2-3-1で前からプレスをかける戦術を採用し、勝ちに行く姿勢を前面に押し出しました。

しかし、日本のDFとMFのラインがやや間延びしたところを使われて、デンマークの速くて組織的なパス回しに何度か崩されそうになります。

7分、デンマークの左サイドからのクロスが駒野に当たってコースが変わり、ゴール前のトマソンがシュートしようとしますがヒットせず。続くCKは中澤の前に入ったクロルドルップにシュートされますがゴール左へそれてヒヤっとさせられます。

これを見た日本代表はカメルーン戦・オランダ戦で機能した4-3-3に戻してブロックをつくる堅守速攻型へチェンジ。ようやく守備が安定しました。

デンマークが日本をやや押しこみ、日本が速攻から反撃をうかがう展開となります。

9分、ゴール前に入れたボールを飛び出した松井がわずかに触れてコースを変えますが、デンマークのGKがよく反応して防ぎました。

14分、左サイドでボールを受けたトマソンがファーサイドへシュート、ゴール右外ギリギリを通過します。

17分、日本の速攻から右サイドやや遠めのエリアでFKのチャンスを得ます。これを本田が得意の無回転シュートでデンマークゴールへ叩きこみ、日本にとって大きな大きな先制点。

29分、再び日本の速攻からゴール正面でFKを獲得。デンマークの警戒が本田に集まるところ、今度は遠藤がコントロールシュートを決めて日本にとってこれまた大きい追加点をあげます。

 後半も前半と同様、ゴールしなければ決勝トーナメントへ行けないデンマークが攻め、ブロックをつくって堅守からの反撃を狙う日本という展開。

3分、遠藤のFKからのボールが意外にのびたのかGKソーレンセンがキャッチミス、こぼれたところを闘莉王がシュートしましたが外れます。

13分、J.ポウルセンが中盤から強烈なミドルシュートを放ちますが、川島がナイスセーブ。

18分、デンマークはエリクセンを入れて4トップにし、日本のゴール前にロングボールを放りこむゴリゴリのパワープレーに出てきます。

24分、日本の左サイド奥でいったん相手からボールを奪ったものの、再び相手にボールを渡してしまい、ロンメダールのクロスをトマソンがシュートしますがヒットせず。

35分、日本のペナルティエリア内での競り合いで長谷部が相手選手を倒したと判定されPKに。トマソンのキックを一度は川島がはじきますが再びトマソンにプッシュされ2-1とされます。

しかしデンマークのスタミナ消耗も激しく彼らの足が止まった42分、本田がペナルティエリアに持ち込んでフェイントで相手をかわしGKと一対一。これを右にいた岡崎にラストパスしてシュート!

デンマークの戦意を喪失させるのに十分なゴールゲットで試合を決定づけました。

そしてタイムアップ。

日本は中立地開催でのワールドカップで初の決勝トーナメント進出を達成しました。

 さて、この試合の勝敗を分けたポイントについてですが、まず第一にデンマークと勝ち点は同じだったものの得失点差で日本が1上回って直接対決にのぞめことが大きかったと思います。

特に日本がオランダ戦を0-1で我慢できたことがとても大きかったです。

これによって勝たなければ絶対に決勝Tへ行けなくなったデンマークがリスクをおかして日本に攻撃をかけるために前へ出てきてくれました。

前掛かりになったデンマークの後ろにスペースが空き、日本代表の堅守速攻型の戦術がハマリやすい状況をつくることができました。

逆に日本が先にゴールしなければ決勝Tに進出できない状況になり、自陣に引いたデンマークを崩さなければならない状況であったら日本は大変苦しかったことでしょう。

 次に日本は立ち上がり、スイス合宿の前に使っていた4-2-3-1で前からどんどんプレスをかけていく戦術をとったわけですが、試合を見ていて私はとても驚きましたし「これはまずい」と思いました。

案の定、チーム陣形がやや間延びしたところをデンマークに突かれて組織的な速いパス回しから何度か崩されそうになりました。

岡田監督の指示で前半10分ぐらいまでにはDF・MF・FWのスリーラインでコンパクトな陣形をつくる戦術に戻しましたが、この危険な10分間に相手に先制点を許さなかったことも勝敗を分けるカギになりました。

その点はラッキーだったと思います。

 三つ目は、本田選手のフリーキックで日本が先制できたことです。

3-0から追加点をあげるよりも、同点の状態から均衡を破るゴールをあげることの方がより大きなエネルギーを必要としますが、世界の強豪相手に均衡状態を破れるだけの決定力を持っているのが本田選手の素晴らしいところです。

のちほど述べますが、サッカーは守備側に有利なスポーツであり、実力が拮抗しているのであれば先制点を取った方ががぜん優位に立ちます。

遠藤選手のFKも見事でしたが、1本目で本田選手にあれだけのキックを見せられたことで、デンマークのGKも壁に入った選手も遠藤選手が蹴った瞬間、完全に意表を突かれていたようでした。

先制され追加点まで奪われたデンマークはとても焦り、時間がたつごとにシュートやパスの正確性がどんどん低下していきました。

典型的な番狂わせのパターンです。

カメルーン戦における本田選手の先制点がすべての始まりとなっていますが、均衡を破る先制点がその後の守備だけでなく味方の攻撃をも有利にするということですね。

 つづいて守備面から試合内容を分析します。

日本代表のコンパクトな陣形からブロックをつくる守備戦術がとても素晴らしいです。

オランダ・デンマークと日本が強豪相手に互角かそれ以上に渡り合えたのも、すべてはこの守備がベースだと思います。

キックオフからの10分間で見られたように、デンマークも本来は高い組織力に裏づけられたポゼッションサッカーによる破壊力ばつぐんの攻撃を誇るチームです。

ですがオランダにしろデンマークにしろ、日本の組織的な守備によって彼らの最大のストロングポイントであるハイレベルの組織的攻撃や個の能力の高さをかなりの程度まで無力化できています。

相手がボールをまわしても日本の守備ブロックを崩すのは容易ではないので、相手の体力を奪い、疲労させるという効果もあります。

我慢強さと持久力に優れる日本人選手にとってこの守備戦術はとても相性が良いようです。

決勝トーナメントへ行ってもこの守備戦術を継続するべきでしょう。

相手が4トップにしてきたこともありますが、後半30分過ぎぐらいからだんだんMF3人がDFラインに吸収されかかったところは修正点でしょう。

 また前回記事でお願いしたとおり、「90分間こぼれ球への集中を切らさず必ず日本の選手が先にボールに触る、相手にシュートやクロスなどで自由なプレーを許さずワンプレーごとに相手に競り勝って絶対にマイボールにする」ということもよくできていました。

サッカーはバレーボールやバスケットと違って、1試合でアタックが何十回も成功するスポーツではありません。

つまりやるべきことさえしっかりやっていれば、サッカーは守備側に有利なスポーツなわけです。

やるべきことというのは先ほど述べたカッコの中のことです。

グループリーグの3試合でもまれているうちに日本の守備力は素晴らしく成長しました。

 PKを与えてしまったシーンはやや日本に厳しい判定だったかもしれませんが、やはりペナルティエリアの中で手を使って相手を押すのは避けた方が良いでしょう。

あと前半19分に大久保選手が自陣深くでドリブル突破しようとして相手に奪われたシーンがありましたが、厳格なリスク管理が求められたこの試合であのような割に合わないリスキーなプレーをやってはいけません。

 攻撃面では何といっても本田選手の無回転フリーキックでした。

大会ベストゴールの一つにあげられるのは確実でしょう。

前回記事で、デンマークの組織的な守備網を崩しきって得点するのはなかなか難しいと考え、試合会場がボールがのびる高地ということもあって、相手DFラインの前からミドルシュートを狙ってはどうかと提案しましたが、相手DFラインの前からフリーキック2本で2得点ですから非常に効率の良い攻撃でした。

3点目はカウンターからでしたが、セットプレーから2得点・カウンターからもう1点と、堅守速攻型のチームとしては理想的な点の取り方・勝ち方ではないでしょうか。

本田選手はフリーキックだけではなく、ポストプレーで前線の基点となってやや攻撃面で組織力が欠ける部分をカバーしたり、パスでゲームをつくり岡崎選手のゴールをアシストしたりとまさに獅子奮迅の働きでした。

本田選手が他のチームメイトを生かし、チームも本田選手の個性を生かすことができていると思います。


チーム全体としてもパスをシンプルにまわしてチャンスをつくるということが少しづつ改善されています。

これからは日本も警戒され、対戦相手がうかつに前掛かりに攻めてくることは少なくなるかもしれません。

相手が守備ブロックをつくって待ち構えているところを崩さなければならないシーンも出てくるかもしれませんし、それができるかどうかはまだ未知数です。

さらなる攻撃面での組織力アップに期待します。

最近このブログで図解入りの解説がなくなって手抜きじゃないかと思っている読者の方もいるかもしれませんが、私が図解入りの記事を書くときというのは、たいてい日本代表が危機的状態になったときです。

それがなくなったということは、今の代表がうまく行っているということです。

 日本代表は強豪デンマークに勝利し、決勝トーナメント進出を勝ち取りました。

グループリーグの3試合で高いレベルの相手と真剣勝負をしながら日本は着実に成長しています。

デンマークに3-1での勝利という結果も素晴らしいですが、特に守備面では結果にふさわしい内容をともなっての勝利でした。

岡田監督は、日本代表は個の能力に頼った戦いをするのではなくチーム組織として戦う、日本の決勝トーナメント進出によってサッカーがチームスポーツであることを証明できたとおっしゃっていましたが、まさにそのとおりだと思います。

 さて2002年大会でも日本代表はベスト16に進出しそれも快挙ではありましたが、それ以上は前進できずに悔しい思いもしました。

ワールドカップの本当の戦いはいよいよこれからだと言えます。

決勝トーナメントはこれまでと戦い方が変わり、延長戦を含む120分でも決着がつかなければPK戦で勝敗がつくまで争い合う、相手チームとの一対一でのサシの勝負です。

最初の対戦相手はパラグアイとなりました。

日本代表はレベルの高い相手と真剣勝負を繰り返すうちに、1試合ごとにめざましい成長をとげています。

ワールドカップ本番で熟成されつつある、チームとして戦う日本代表のサッカーを最後までやりぬいて、粘り強く勝利を勝ち取って欲しいと思います。



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 2010.6.24 ロイヤルバフォケン・スタジアム(ルステンブルク)


    デンマーク  1  -  3  日本

   
    トマソン(PK)'81     本田 '17
                  遠藤 '30
                  岡崎 '87



    GK ソーレンセン     GK 川島

    DF アッガー       DF 駒野
      ヤコブセン        中澤
      クロルドルップ      闘莉王
     (ラルセン 56)      長友
      S.ポウルセン
                 MF 阿部
    MF C.ポウルセン       長谷部
      ヨルゲンセン       遠藤
     (J.ポウルセン 34)   (稲本 90+)
      カーレンベルク      松井
     (エリクセン 63)    (岡崎 74)
                   大久保
    FW トマソン        (今野 88)
      ベントナー      
      ロンメダール     FW 本田





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