■日本代表、オランダに惜敗

 日本代表のワールドカップ第二戦、対オランダ戦がダーバンで行われ、日本は0-1で惜敗しました。

オランダ代表は、欧州チャンピオンズリーグで優勝したインテルで司令塔をつとめるスナイデルや、準優勝チーム・バイエルンのサイドアタッカー・ロッベンに代表されるように世界のスター選手がそろった強豪です。

残念ながら日本より格上のチームということは認めざるを得ないですし、0-1という結果は順当でした。

カメルーン対デンマークの結果はまだわかりませんが、デンマークがオランダに2点差で敗れていることを考えると、この試合で勝ち点が取れなかったのはとても残念でしたが、日本代表は自分達ができることを精一杯やったと思います。

 それでは試合を振りかえってみます。

前半はオランダが圧倒的にボールを支配し、日本を押しこむ展開。

しかしながらダーバンの気候が蒸し暑かったのかそれとも日本のカウンターを恐れていたのか、オランダの動きはいかにも重たそうで100%の状態ではありませんでした。

日本もコンパクトな陣形で守備ブロックをつくり、危険なエリアでオランダに決定的な仕事をさせず、オランダはボールは長時間保持するもののシュートは少なかったです。

前半、日本の辛抱強い守備がとても良かったと思います。

9分、スナイデルのFKはゴール上へ外れます。

11分、左サイドでパスを受けた長友が切れこんでミドルシュート!惜しくもゴール右へ外れます。

13分、ファンデルファールトのFKは闘莉王がクリア。

25分を過ぎると攻め疲れたのかオランダの運動量が減り、前線での動きも少なくなって攻撃がうまくいかない様子。

このあたりから日本も少しづつ攻撃できるようになります。

36分、遠藤のFKに闘莉王がゴール前で競り勝ちますがヘディングシュートは外れました。

37分、オランダのゴール前で本田・遠藤とつながって最後は松井が受けましたがトラップミス、しかしバイタルエリアから強引に打ったミドルシュートはGK正面。

ロスタイム、ファンデルファールトがゴール前でバウンドする嫌なミドルシュートを打ちますが、GK川島が丁寧にキャッチ。

 後半キックオフ。

オランダは控え室で監督からカツが入ったのか、再び攻勢に出てきます。

日本は前半で「オランダ相手でもいける!」という手応えがあったせいか、後半の入り方がやや浮ついていたようでした。

8分、相手の強いクロスを闘莉王がクリア、これを拾ったオランダの選手がバックパスし、フリーになったスナイデルが強烈なミドルを打ちます。GK川島はよく手に当てましたが不運にもボールは日本ゴールへ吸いこまれてしまいました。

後半立ち上がりの嫌な時間帯で、絶対にやりたくない先制点を与えてしまいました。

先制したオランダは自陣に引いて、慎重に勝ち点3を確保する戦術に変更します。

それに対し日本が同点に追いつこうと攻める展開。

11分、ピッチ中央へ切れこんで放った大久保のシュートはGKがキャッチ。

20分、再び大久保がピッチ中央からロングシュートを放ちますがクロスバーの上。

日本代表が同点にするべく前掛かりになったために、後半25分すぎからチーム陣形が間延びをしはじめます。

そこをオランダがカウンターで突いて、いつ失点してもおかしくない状態に。

ファンマルヴァイク監督は27分にエリア、38分にアフェライと攻撃の選手を投入し、オランダはあまり人数をかけずに2点目3点目を取って試合を決めてしまおうともくろみます。

40分、オランダのカウンターからアフェライへスルーパス、GKと一対一の決定的な場面は川島が危うくセーブ!!

43分、またしても日本のウラをオランダに突かれてアフェライがシュート、川島にあたって後ろへこぼれたところをゴールラインぎりぎりで中澤がクリアするも蹴りそこね、最後は闘莉王がクリアしてCKへ逃れます。

45分、闘莉王が頭で落としたボールを岡崎が拾ってシュート、残念ながらクロスバーの上。

そしてタイムアップ。

日本は強豪オランダ相手に善戦したものの、0-1で惜敗という結果になりました。

 それでは試合内容を分析します。

まず守備からですが、この前のカメルーン戦からさらに進歩していました。

カメルーン戦はコンパクトな守備陣形が前半45分しか続かなかったので、後半はカメルーンの怒涛の攻撃に押されっぱなしになって、反撃の糸口がぜんぜんつかめませんでした。

しかし今回のオランダ戦は、後半25分過ぎまでコンパクトな守備陣形を維持することができ、特に前半の45分間はオランダに攻撃らしい攻撃をやらせませんでした。

DFとMFの二つのラインでブロックをつくり、その二つのラインの間に危険なタテパスが入ったところで相手に自由にやらせないような守備がとても良かったです。

前半はよく辛抱したと思います。

MFのラインがDFラインに吸収されることもほとんどなく、DFとMFの二つのラインを大部分の時間維持できていました。DFラインも勇気をもって押し上げるべきところは押し上げていましたね。

惜しむらくは後半立ち上がり、前半戦を終えて「オランダ相手でもやれる。攻撃だってある程度できるじゃないか!」という強い手応えをつかんだせいでしょうか、なんとなく浮ついた感じで試合に入ってしまい集中力をやや欠いていたようでした。

わずか数mですがDFとMFのラインが微妙に広がっていた感じでしたし、先制点を許したシーンではスナイデルをあの瞬間はまったくのフリーにしてしまいました。

このブログでバイタルエリアで前を向いたスナイデルのミドルシュートは要警戒だと何度も言ってきたわけですが、やはりやられてしまいました。

日本は同点にするためにここから反撃に出ますが、後半25分すぎからチーム陣形が間延びし、両センターバックの前のスペースがだんだん空いてきて危険な形となりました。

そのためオランダに三回ぐらい決定的な得点チャンスを与えてしまい、無失点で済んだのは幸運以外の何ものでもありませんでした。

同じグループのもう一試合カメルーン対デンマークの結果がどうなるかわかりませんし、オランダに1点差負けという結果が十分だったかどうかはわかりません。

2点目3点目を失うリスクをおかしても同点ゴールと勝ち点1を取りに行くか、それとも1点差のままで試合を終わらせてデンマークより得失点差で2上回る状態を保つべきかは難しい判断です。

もう少しで同点ゴールに手が届きそうなので総攻撃をかけたい気持ちはよくわかります。

しかし日本が大量失点差で負ければ、これから試合に臨むデンマークの心理的負担が軽くなってしまいますし、それがカメルーン対デンマーク戦の結果に影響を与える可能性もあります。

後半30分ぐらいからあそこまで失点の危険をおかして総攻撃をかけるという選択はどうだったのか疑問です。

少なくとも、コンパクトな陣形を維持してDFラインとMFラインの間に広いスペースを空けることだけは避け、できるだけ失点の可能性を減少させた上で同点ゴールを奪いに行く作戦をとるべきだったと思います。

目の前のオランダ戦だけでなく、グループリーグ三試合をトータルで考えて日本の決勝トーナメント進出の可能性を高めるためにはどうすれば良いのかを考えて選手はプレーをして欲しいです。

このことは今後ワールドカップで良い成績を残すためにも、日本サッカー界全体の教訓とするべきでしょう。

ともかく1点差負けという結果は幸運でもありましたし、選手は体を張ってよく守ったと思います。

 続いて攻撃ですが、選手同士の連動性があまりよくなく、効果的な攻撃の組み立てができていないです。

まあオランダ相手ですからやむをえないところはありますが、カメルーン戦でもカメルーンのパス成功率71%に対して日本は59%というデータが出ていて、この試合も効果的にパスがつながっていないように思われます。

味方のボール保持者に対して周りの選手が足を止めて敵選手の影にいるためにパスがつながらないシーンを見かけます。

特に交代で入った選手は相手のバイタルエリアで効果的に動いて、パスコースやスペースをつくってあげないとチャンスが生まれません。

前線で足を止めずに相手DFが自分についてきたら動く、またついてきたら動くということを絶えず繰り返して、フリーになり続けることが重要です。

また、ボール保持者もいったんボールを長時間キープしてどこへパスを出すか考えてから出す、という日本のサッカー選手にありがちな悪い習慣がしばしば顔をのぞかせます。

象徴的だったのは後半32分、交代で入った中村俊選手が3秒ぐらいゆったりとドリブルしてどこへパスを出すか考えているうちに、後ろから来たオランダの選手にボールを奪われて逆襲を食らったシーン。

ブブゼラで味方の「後ろから来ている」という指示が聞こえないのはわかりきったことですし、このレベルの相手に何秒もボールを持ってトロトロドリブルしていたら奪われるのは当り前。

中村俊選手は特別フィジカルが弱いことをよく自覚して、当りに強いオランダの選手が体を寄せてくる前に判断よくパスをはたいてしまわないといけません。

シュートを少なくともワクに行かせる技術ももっともっと改善する必要があります。

 オランダから勝ち点が取れなかったことは非常に悔しいですが、1点差での負けは最善を尽くした結果と言えますし、選手は胸を張っていいと思います。

試合内容も守備面で引き続き改善が見られます。

攻撃面はもっと連動性を高めて欲しいです。

そして攻守両面で重要なのは、やはり90分間チーム陣形をコンパクトに維持し続けることです。

それではカメルーン対デンマークの試合結果が日本の決勝トーナメント進出に有利なものとなることを祈ります。


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    2010.6.19 モーゼスマヒダ・スタジアム(ダーバン)


      オランダ   1  -  0   日本


    スナイデル '53



   GK ステケレンブルク       GK 川島

   DF ファンデルヴィール      DF 駒野
     ハイティンハ           中澤
     マタイセン            闘莉王
     ファンブロンクホルスト      長友

   MF ファンボメル         MF 阿部
     デヨング             長谷部
     スナイデル           (岡崎 77)
    (アフェライ 83)         遠藤
                      松井
   FW ファンデルファールト      (中村俊 64)
    (エリア 72)           大久保
     カイト             (玉田 77)
     ファンペルシー
    (フンテラール 88)      FW 本田





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■コメント

■Re: 日本代表、オランダに惜敗 [けんぱ]

参考になるお話ばかりで、いつも更新楽しみにしております。さて、テレビの解説では本田選手万歳の一辺倒で批判めいた解説は耳にしないのですがオランダ戦失点のシーンの手前で、本田選手がスナイデル選手を追って下がってきたのにスナイデル選手が中にボールを預けた後はボールウォッチャーになり、スナイデル選手が中にポジションを移したのを気にせず攻撃に移りたいがためかボールを要求しているようにも見えました。あの位置で彼を自由にさせたことが運もあるでしょうが結果失点に繋がったと思えるのですがいかがでしょう?また、本田選手は当たりに強いことは伺えるのですが、ドリブルも動きが硬く見え、トラップもバタバタし綺麗に収まらないので敵に直ぐ詰められ戻す下げるで一杯々で前に向くこともままならず、ワントップのポジションに疑問を持ちます。前を向けないので遠めからのシュートも打てず、前を向いてボールに触れトップ下の方が長所を生かせるので良いのではと思うのですが…お時間に余裕がありましたら、管理人さんのご意見をうかがわせていただければ嬉しいです。

■デンマーク戦布陣(素人の考え) [youzy_yam]

素人なりに、デンマーク戦の布陣を考えてみました。
・ デンマークはカメルーンよりも強い。
・ デンマークの攻撃はハマリ型があり強力。
・ デンマークがドン引きになったら、得点は困難。
・ スコアレスドローは有り得ない。
以上の仮定からGL突破には先制点が必須となる。
・ カメルーン戦、オランダ戦で見せた、前線3人では得点能力貧弱。
・ 前線を4人にする。
・ 松井、本田は当確。CFは森本がいいと思う。
・ 残1人は、遠藤が妥当か? 俊輔は使わないほうが良い。
・ 遠藤はスピードに難有り。個人的には内田が見たい。
・ 内田はできれば、左サイドで使いたい。
・ デンマークは右サイドからの攻撃が強力。それを内田でもフォロー。
・ 内田は左サイドもプレイできるのだろうか?
・ 前線4人の布陣は、CF森本。トップ下は本田。
・ 右サイド高目の位置に松井。左サイドに内田。
・ ディフェンスは従来のまま。LSB長友、RSBは駒野。
・ 今野は無理でしょうか?
・ CBは中澤と闘莉王で決まり。
・ 守備的MF長谷部は当確。
・ もう一人は阿部でもいいが、背が低いのが気になる。
・ 中澤がサイドにつり出される場面が怖い。
・ 中澤が空けたポジションをフォローできる選手が欲しい。
・ 稲本が適任と思える。
・ システムは、4-2-3-1。内田が下がれば4-3-2-1。
・ 松井が高目で勝負するのなら4-2-2-2
FW: 森本
OMF: 内田 本田 松井
DMF: 稲本 長谷部
DF: 長友 闘莉王 中澤 駒野
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