■新戦力を試した日本代表

 昨日行われたフレンドリーマッチ・対スコットランド戦は2-0で日本が勝利しました。

スコットランドは世界で最も古い代表チームの一つ。

98年W杯以来おもな国際大会に出場していませんが、ユーロ2008予選ではホーム・アウェーの両方でフランスに勝ち、本大会まであと一歩のところに迫った底力のある古豪。

もしW杯大陸間プレーオフで対戦するとしたら、日本のホームで引き分け、相手のホームでスコットランドの勝利ぐらいの実力差と評価していました。

しかし、W杯3位を目標にしているのですからそれでは困ります。下克上でなければ。

ましてや、来日したのがマンチェスターUのダレン・フレッチャーやレンジャーズのケニー・ミラー、ネイスミス、トットナムのハットンら主力が欠けた1.8軍?ですから、なんとしても日本の勝利が必要でした。

2-0で勝利という結果が残せたことは良かったと思います。

 試合展開を振り返ります。

立ち上がりはやや日本が優勢。

スコットランドはひたむきにボールを追いかける良い守備で、日本にスムーズな中盤の組み立てを許しません。最終ラインの守備も堅かったです。

攻めてはシンプルなショートパスによる組み立てで、こちらのプレスがうまくかかりませんでした。

ですが、こちらも最後の決定的なところは相手にやらせず、長旅の疲れか前半の半ばぐらいからスコットランドの足が止まると、ギクシャクしながらも徐々に日本が攻勢に出ていきました。

41分、左サイドから石川選手の折り返しをゴールやや左で受けた中村憲選手がワントラップ・シュート、しかし相手にはね返されます。

43分、変則的なワンツーから右サイドを突破した石川がシュートしますが、これも相手選手にブロックされます。

 後半は立ち上がりスコットランドにやや押し込まれましたが、中盤までは互角。

28分、日本のDFラインの裏へ出たボールが岩政選手に当たってフレッチャーのもとへ。
GKと一対一の決定的場面をつくられてしまいますが、川島が左足一本でファインセーブ!

このゲーム最大のピンチを乗りきってからは日本が一方的に押し込む展開となります。

37分、左サイドを突破した駒野選手から低く鋭いクロスがゴール前へ。
これをスコットランドの選手がクリアしきれず、オウンゴールで日本が待望の先制点をあげます。

45分、再び駒野からグラウンダーのクロスがペナルティエリア内の森本選手へと渡り、鋭い反転から放たれたシュートは防がれたものの、はね返りを本田選手がゴールに流し込んで追加点。

試合を決定づけました。

 それでは試合内容を分析します。今日は守備からです。

守備に関しては良かったと思います。

ゴール前でのマークのズレもほとんど無かったと思いますし、50/50のボールの競り合いも厳しく行っていました。

守備で良い意味での緊張感がピンと張りつめた、締まったゲームというのは好きです。

中盤のプレスは、前半の半ばぐらいまでうまくかからなかったのですが、相手が素早くシンプルなショートパスでつないできたのでやむをえないところがありました。

日本代表が、FWからDFまでやや間延びしたせいもあるかもしれません。

それでもチーム全体で辛抱してボールを追いかけ、最後の決定的なところはやらせなかったところが良かったと思います。

 ただ、中村憲をボランチに下げた後、彼が相手に囲まれて深めの位置でボールを失い、決定的なピンチを招いた点は課題です。

どれくらいリスクを冒して良いのかはピッチを三分割して考えないといけません。

即失点につながるので、自分のゴールに一番近いディフェンディング・サードは絶対にリスクを冒してはいけないエリアで、安全第一のシンプルなプレーが求められます。

場合によってはわざとスタンドへ蹴り込んでもかまいません。

チーム全体をミドルサード以前に押し上げているなら、DF・ボランチのラインがリスクを冒してはいけないエリアとなります。

 攻撃に関してもまずまず良かったです。

なんといっても急造チームですし、代表での実戦経験も少ないですから多少ギクシャクしたところがあったのは仕方なかったと思います。

得点シーンは、駒野が非常に質の高いクロスを入れた時点で0.7点取ったようなものでした。

もしスコットランドの選手が触らなくとも、後ろにいた森本がゴールしていた可能性が高いです。

「クロスは相手DFの頭より低く入れる」というのが基本ですが、これまでの日本代表はふわっとした遅くて山なりのクロスを多用していました。

山なりの遅いクロスは滞空時間が長いのでDFにポジショニングの修正時間を与えてしまい、特に強豪相手には効果的ではないと思います。

駒野のクロスは良いお手本となったのではないでしょうか。

 シュートへの意識の高さも良かったですね。

特に森本の反転してからのシュートが追加点を呼んだわけですが、従来の日本人選手であればほぼ100%パスを考える場面。

あれを素早く反転して強引にシュートへ持っていくあたりは、さすがにセリエAで揉まれているだけのことはあります。

 中盤の組み立ても急造にしてはまずまずでしたが、チーム全体としてやや間延びしたせいもあったのですが、各選手ともパスを引き出すためのポジショニングやパス出しの判断の遅さが課題となりました。

ダブル・ボランチでは、橋本選手がより攻撃的な役割を期待されていたと思うのですが、パスを引き出すポジショニング能力も攻撃のための配球力も物足りないです。

これではレギュラーポジションを奪取することは難しいですし、もっとがんばって欲しい。

その点、中村憲をボランチに下げてから攻撃がスムースになりました。

2列目では本田も同様。

ゴールやFKは良かったと思いますが、もっと味方からパスを引き出すために「顔出し」のポジショニングをとって欲しいです。

このあたりはチームが求めている役割と、「FWとして点を取りたい」という本人のプレーイメージとのギャップかもしれません。

 この試合は普段スタメンで出ていない選手の底上げの意味合いが強かったので、そうした選手個々のプレー内容をチェックしておきましょう。

まず川島ですが、相手FWとの一対一を防いだプレーは素晴らしい反応でした。
あれが入っていたら日本の勝利は無かったかもしれません。陰のマン・オブ・ザ・マッチです。

岩政・阿部のセンターバック陣も、まずまず合格点。

駒野は、クロスの質の高さが光りました。

ボランチはチームの心臓。稲本・橋本は顔出しとパスの配球をもっとがんばって欲しい。

今野はこれといった見せ場なし。

「スピード・スター」石川は、もっと早く代表に定着するかと思ったのですが「遅咲き」となってしまいました。でも岡田ジャパン初先発にしては、良い動きで相手をかき回していました。

右サイドをワンツーで抜け出し、シュートを放ったプレーは可能性を感じさせます。

本田もトップ下へ入ってからは良くなりましたし1ゴールも評価できますが、2列目に入るのであればもっとパスを引き出すプレーをして欲しい。
  
前田はワントップというシステムの問題もあるかもしれませんが、ほとんど何もやらせてもらえず。

森本はFWらしいエゴイストさを持っていて、今後の成長が楽しみです。

松井は香港戦よりは持ちなおしてきましたが、まだまだ本調子とは言えないようです。

 今回のスコットランド戦は、結果も良かったですし、内容もまずまず良かったと思います。

何よりチーム全体から攻守にわたってファイトする姿勢がほとばしっていました。急造チームながら、岡田ジャパンのチームコンセプトを理解し、それをやりぬこうとする意志もうかがえました。

このゲームを見て、W杯直前まで代表チームに特定の選手のための「指定席」をつくらず、全ての日本人選手に門戸を開いて、選手に良い意味での競争をさせた方がやはりチームに活気と進歩をもたらすように思いました。

実戦経験を積むことで大会までに急成長する選手もいそうです。

 ところで、以前「この試合をグラスゴーでできないものか」とお願いしました。

そして私が危惧した通り、来日したメンバーはほぼ2軍となってしまいました。

この試合がまったく無意味だったとは思いませんが、やっぱり「良い対戦相手はお金では買えない」ということであり、強いチームとやりたいなら最低限こちらから相手のところまで出向いていくことが必要なのではないでしょうか。


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        2009.10.10 日産スタジアム(横浜)


        日本  2  -  0  スコットランド


      O.G.(ベラ)'82
      本田    '90+



       GK 川島       GK ゴードン

       DF 阿部       DF コールドウェル
         岩政          マクマナス
         内田          ホイッテカー
        (徳永 65)       ベラ
         今野          L.ウォレス

       MF 稲本       MF コンウェイ
         (駒野 81)      (リオーダン 74)
          橋本         アダム
         (大久保 65)    (ヒューズ 67)
          中村憲        R.ウォレス
          本田        (コウィ 45)
          石川         ドランズ
         (松井 65)
                    FW ミラー
       FW 前田         (フレッチャー 45)
         (森本 56)





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