■日本代表、香港に快勝!

 アジアカップ2011予選、対香港戦は6-0と日本の快勝に終わりました。

対戦相手の香港は、かつてイギリスの植民地だったこともあって東アジアでもっとも古くサッカーが伝わったところの一つで、大昔は東アジアサッカー界をリードする存在でした。

香港サッカーリーグ最多優勝を誇るサウスチャイナ(南華体育協会)は、アジアでも珍しい欧州型の総合スポーツクラブです。

こうした歴史を持つ香港ですが今はすっかり落ちぶれて、代表チームもほとんどが自国リーグの選手。

日本がホーム・アウェーとも問題なく勝てる相手。香港の戦力をそう評価していました。

ただ日本がW杯3位以上を目標にするなら、香港レベルの相手であれば最低限ホームでは4点差以上の大差で勝利するぐらいでなければと思っていました。

その点、6-0という結果は良かったです。

 それでは試合展開をざっと振り返りましょう。

試合は予想通り、終始日本ペースで進みました。

香港はロングボールを長身FWにあわせる伝統のイングランドスタイルで挑んできましたが日本のDF陣にほとんどはね返され、プレスから中盤でボールを奪い、ショートパスによるすばやい攻めを展開する日本がゲームを支配します。

18分、ボールを持ってバイタルエリアで前を向いた長谷部選手がスルーパス、これを受けた岡崎選手がファーポスト隅に流し込んで早くも日本先制。

29分、岡崎のシュートのはね返りを拾った長友選手がドリブルで中へ切れこみそのままシュート!
これがゴールに突き刺さり2-0。

後半も同様の展開。

6分、CKから大久保選手がクロスを入れ、これを中澤選手が教科書通りに地面に叩きつけるヘッドで決めて3-0。

22分、またしてもCKから味方に当たったボールがプライム・スコアリング・エリアにいた闘莉王選手の前にこぼれてきて、これを彼が押し込み4-0。

30分、右サイドを突破した徳永選手のクロスをフリーになった岡崎が冷静に決めて5-0。

32分、佐藤選手のシュートをGKが前へこぼし、これを岡崎が詰めて6-0。
岡崎は代表戦久方ぶりのハットトリックを達成しました。

 続いて内容を見ていきましょう。まずは攻撃からです。

攻撃の内容に関しては良かったと思います。

点を取るために重要なのは、いかにしてオフサイドにならずに相手DFラインの裏へ、味方選手とボールを送り込んで敵GKと一対一の状況をつくるか、そういう状況をいかに多くつくるかということだと思います。

(もちろん、時には自分の前にDFがいてもシュートを打つ必要がありますし、それをゴールネットに突き刺してしまうのがワールドクラスの選手です)

そういう状況が一番つくりやすいのは、敵センターバックの前のスペースで味方がフリーでボールを足元に持って前を向くことであり、それが可能になればスルーパスを出しても良いし、ワンツーで自分が裏へ抜け出しても良い、個人技でドリブル突破しても良いし、フェイントで相手をゆさぶることでシュートコースを空け、DFの前からシュートを打っても良いわけです。

そして、敵センターバックの前のスペースで味方がフリーでボールを足元に持って前を向くという状況をつくりやすいのが、グラウンダーのショートパスを中心にして人とボールが動くポゼッションサッカーです。

シュートから逆算していけばこうなります。

(もちろん中央突破ばかりではなく、サイド攻撃も重要ですが)

この試合の先制点のシーンも、相手が引いていたのでセンターバックではなくボランチの前のスペースだったと思いますが、バイタルエリアでフリーでボールを持って前へ向いた長谷部が、受け手がシュートに持っていきやすいグラウンダーでスルーパスを出し、これを香港DFラインの裏へ抜け出した岡崎が受けてゴールを決めるという形でしたが、まさに理想的な崩しの形でした。

以前は中村俊もグラウンダーではなく浮き球でラストパスを出すことが多かったのですが、バルサに代表されるようにグラウンダーのショートパスの使い方が世界トップレベルであるスペインリーグへ移籍した効果でしょうか、グラウンダーのショートパスでとても質の高いラストパスを出すようになりましたね。

ユトレヒトでのガーナ戦でもゴールこそなりませんでしたが、試合前半に中村憲にグラウンダーで絶妙のスルーパスを送りGKと一対一の形をつくりましたが、とても良いことだと思います。

 これまでの日本代表は、中盤の組み立てはまずまず出来るようになっていました。

しかし、敵のバイタルエリアに侵入して相手の最終ラインをどう崩してゴールするかというところで工夫が足りないという壁にぶつかっています。

今回は相手が格下だったというのもありますが、中央突破・サイド攻撃の双方で相手の最終ラインをうまく崩すことができたと思います。

これを土台として、もっと強い相手にもこうした攻撃ができるように着実にステップアップしていって欲しいです。

そのためには相手の最終ラインを崩す時にもっとワンツーを使うべきです。この基本が今の日本代表には足りません。

 また、チーム全体としてシュートに対する意識が高かったのも大変良かったと思います。

外れるのを怖がってシュートを打たないというのでは何も始まりませんし、この試合、シュートのはね返りから2点取ったようにリスクをおかして打てばセカンド・チャンスも出てきます。

 問題点はあまりありませんでしたが強いて言えば、フリーでボールを受けて前を向ける状況なのに相手ゴールに背を向けてボールを受けるというシーンが何回か見られたのが気になりました。

ボールを受けた時の第一の選択肢は「ボールと一緒に前を向くこと」であり、それができないときに初めて後ろ向きのボールキープを考えるべきです。

正しい選択をするためにはボールを受ける前にまわりを良く見て、正しいボディシェイプでボールを受けなくてはいけません。

この基礎ができていないと、香港相手にはごまかせてもオランダレベルの強豪相手にはごまかせなくなります。

 守備に関しては、相手の技術にやや問題があったこともあって、プレスから簡単にボールを奪えていました。

ただ、中村俊のアバウトなパス出しからボールを失い、カウンターを食らいかけたのが気になりました。

 個人レベルでは岡崎の成長が著しいですね。

自分を育ててくれたホームスタジアムのサポーターの前でハットトリックを決めて見せるあたりは、立派な「孝行息子」です。

どの選手を呼び誰を使うかは監督の専任事項ですが、監督にもやはり好みのタイプというのがあるので、「おや?」と首をかしげたくなる選手選考は誰しもあると思います。オシムさんにもありました。

ファンの方には申し訳ないですが、FWとして見るなら今の大久保選手はやはり修行不足。

前半・後半にそれぞれ一本づつ、外す方が難しいと思われる決定的なシュートチャンスをふかしていました。(前半のやつはオフサイド判定でしたが)

彼についてはジーコジャパン時代からシュート決定力の低さが気になっているのですが、依然メンタル面の問題を克服できていないようです。

Jリーグで活躍して代表に再チャレンジして欲しいと思いますし、国内組を使うならやはりJリーグで得点ランク上位にいるような実績を残している選手を代表で使ってあげて欲しいというのが、サポーターとしての心理です。

中盤に遠藤・長谷部・中村俊を揃えておくのであれば、フレッシュな選手を入れてもそんなにリスクは高くなかったと思います。

 今回の香港戦は、結果・内容ともに良かったと思います。

ただ、W杯で決勝トーナメントを勝ちぬくためには、W杯に出てこれるようなレベルの相手にも、こうした内容のサッカーができるようになる必要があります。

残された時間は少ないですが、着実な前進が望まれます。



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      2009.10.8 アウトソーシング・スタジアム・日本平


          日本  6  -  0  香港

         岡崎  '18
         長友  '29
         中澤  '51
         闘莉王 '67
         岡崎  '75
         岡崎  '77


         GK 西川       GK 張春暉

         DF 中澤       DF 李志豪
            闘莉王        景煌
            駒野         コルデイロ
           (徳永 60)      沈國輝
            長友        (利偉倫 53)

         MF 遠藤       MF 盧均宜
            長谷部        林嘉緯
            中村俊       (李威廉 69)
                          白鶴
         FW 玉田
           (松井 33)    FW 李康廉
            大久保        陳肇麒
           (佐藤 75)      チャオ鵬飛
            岡崎        (高文 45)





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