■日本代表、ベルギーにも大勝

 キリンカップ第2戦となる日本対ベルギーは、またしても4-0で日本の大勝、これで日本代表がキリンカップ優勝を決めました。

 対戦相手のベルギーは、かつてはW杯4位、欧州選手権準優勝に輝いたこともある強豪でしたが、今はすっかり落ちぶれてしまいましたね。

現在は、日本代表とほぼ互角ぐらいの実力でしょう。

エンツォ・シーフォというとても良い司令塔がいた1994年ごろまでが全盛期だったと思います。

さて、今回来日したメンバーは、イングランドやイタリアでプレーする主力や、10番を背負うベルギー代表の象徴ともいえるクラブ・ブルージュのソンクを欠く、1.5軍でした。

しかも日本代表は前の試合から3日間休めましたが、ベルギーは金曜日にチリと試合をしていて中1日しか休めないという、ひどいスケジュール。

日本が勝って当然の試合だったと思います。

そして4-0で日本が勝ったわけですが、やはり両チームとも失うものは無いテストマッチであり、相手は疲労でヘロヘロ。

そのあたりを差し引かないといけませんが、それでも4-0という結果は素晴らしかったと思います。
試合内容の方も、攻守にわたってまずまず良いものでした。

それでは得点経過をざっと振り返っておきましょう。

 前半はホームの日本がすばやくパスをまわし、攻撃を組み立てます。
ベルギーはどうも動きが重く、プレスもかからないので、日本にいいようにボールを支配されてしまいます。

21分、中村憲選手が左サイドへ展開、長友選手がドリブルでゴール前へ切れこみながら、角度のないところから強引にシュート!これが見事決まって日本先制。

23分、パスをもらった中村憲が切り返しでうまく相手選手を外して、強烈なシュート!
これがGKの手にあたりゴールイン。2-0とします。

 これでホッとしたのか、日本代表の足が止まり始めると、攻撃が停滞。
精度の低いロングパスでたびたび相手にボールをプレゼントし、だんだんリズムが悪くなっていきました。

流れが悪くなると、つまらないこんなプレーも出てくるもの。

31分、バックパスを受けた闘莉王選手がトラップミス、これをベルギー選手に奪われてGKと1対1の決定機をつくられますが、シュートはゴール右へわずかに外れていき、ヒヤリとさせられます。

 後半たちあがり、ベルギーは前半体力を温存していたのか、攻守にわたって運動量を増やしてきて、互角の展開に。

しかし15分、右サイドから大久保選手のクロスに岡崎選手がダイビングヘッド!
3-0としてベルギーの戦意を喪失させました。

32分、左サイドを突破した長友がグラウンダーのクロスを入れ、これを途中出場の矢野選手が押し込んでトドメの4点目。

交代枠を使い切った後、大久保がケガで退場し、相手より一人少なくなりましたが大勢に影響はなく、このままタイムアップとなりました。

 つづいて守備の方から試合内容を見ていきましょう。

守備に関しては、前試合にひきつづき良かったと思います。

激しくプレスをかけて相手を自由にやらせないようにしていました。

ベルギーは攻撃の組織力が低いため、ほとんど決定機もつくらせませんでしたね。

唯一の決定機は闘莉王のイージーミスからでしたが、これは集中力の問題でしょう。

前回チリ戦でも、ふとした瞬間に集中力が切れて相手にフリーでシュートを打たせてしまうことがありましたが、W杯予選の本番では致命的ミスとなりかねません。

キリンカップ2試合では失点にこそなっていませんが、相手の決定力の無さに救われたシーンも何度かあったと思います。

 攻撃に関しても、まずまず良かったです。

相手があまりプレスをかけてこず、かなり自由にやらせてもらった面もありますが、2-0になるまでは人とボールが良く動いて相手を崩し、シュートの雨あられをふらせていました。

パスのテンポも迷いがなくスムーズで、チリ戦に引き続いて各選手ともシュートへの積極性が見られ、こうした姿勢は非常に良いです。

長友のシュートも、これまでの日本人選手なら90%以上パスを選択していた角度ですし、チリ戦でペナルティエリア内に侵入してシュートが打てるシーンでパスを選択してチャンスをつぶしていた中村憲も思うところがあったのか、この試合では素晴らしいゴールを見せてくれました。

岡崎の勇気あるダイビングヘッドも良かったですね。

W杯予選では今年に入ってからのオーストラリア戦・バーレーン戦と、FWが点が取れていませんでしたから、キリンカップでの岡崎の台頭は代表にとって貴重だと思います。

今の調子が継続するかぎり、FWは岡崎を軸に考えて良さそうです。

 玉田・田中達・大久保と似たようなタイプのFWが多い代表にとって、タイプの違う矢野のゴールも収穫でしょう。

監督さんによっては同じタイプのFWを並べるのを嫌ったりしますが、私は現時点で一番調子の良いFWを使えば良いと考えますので、あまりそういうことは気にしません。

ただ、控えも含めて同じタイプばかりのFWを揃えていると、日本代表で言えば、上背は無いがドリブルと俊敏性を武器とするFWが苦手とする、あるいは通用しない相手と対戦したとき打開策が非常に狭まってしまいます。

そうした場合に違うタイプのFWがいると攻撃のオプションに幅ができますし、そうした意味で矢野の成長に期待したいと思います。

 途中出場の本田も良い動きをしていました。

フィジカルも強く、オランダサッカーらしいチームの勝利やゴールに最短距離で向かうリアリズムを意識したプレー、実戦的なプレーをするところがとても良いです。

ヒールキックを多用し、パスをもらってもまたいでばかりいるサーカスプレーに走る選手を「オシャレ」と持ち上げる風潮が日本にありますが、絵的に派手ではあるものの、あまり実戦的ではないと思います。

ファンの方には申し訳ないですが、今なら大久保より本田を起用した方が良いのではないでしょうか。
ポジションの兼ね合いはあると思いますが。

大久保はこの試合でもそうでしたが、今こそ決定機という場面でいつも倒れてレフェリーからPKをもらおうとしますが、まったく頂けません。

もともとフィジカルが弱いのかもしれませんが、自分だけの力でシュート・ゴールまでもっていく自信が無いから途中で倒れてPKをもらおうとするのではないでしょうか。

フィジカルや技術うんぬんの前に、そういった精神力の弱さを克服しないかぎり、FWとしてドイツで成功するのは難しいのでしょう。

自分の殻を打ち破って、世界に通用するFWになって欲しいと思います。

 最後に、キリンカップという大会についてですが、こんな短期間にどうやって3試合こなすのだろうと疑問に思っていたのですが、日本代表の中3日で2試合はともかくとしても、まさか日本サッカー協会はゲストのチリとベルギーに中1日で2試合もさせる非人道的な大会にするとは思いませんでした。

これで日本が優勝しても、うれしくとも何ともありません。

日程がつまっていてゲストに中1日で試合をさせるぐらいなら、単発のテストマッチ2試合にすべきでしたし、どうしても3ヶ国対抗の大会にこだわるなら、もっと余裕のある日程を組んで、どのチームも中3日は最低限休めるようにしないといけません。

昨年、あるサッカー・ジャーナリストが伝統あるキリンカップをテストマッチと言うなと主張していましたが、今年のおざなりな大会スケジュールを見る限り、単なるテストマッチ以下だったかもしれません。

もしキリンカップの伝統を大事にしたいのであれば、それにふさわしい準備をするべきです。

 今回のベルギー戦、4得点で無失点という結果はとても良かったですし、試合内容もまあ良かったと思います。

ただ、W杯に出られるかそうでないかを左右する予選という本番の舞台では、キリンカップでのプレーができなかったでは意味がありません。

なかなか出来ることではありませんが、予選本番のように真剣に練習やテストマッチをやり、練習やテストマッチのように予選本番でも力が発揮できるように準備して欲しいです。

 今度の対戦相手・ウズベキスタンは結果こそ出ていませんが、前線から激しくプレスをかけてくるヨーロッパスタイルの組織サッカーを得意としており、決して試合内容が悪いわけではありません。

ウズベキスタンのプレッシングサッカーへの対処方は、前回対戦時のエントリーで書いてありますが、戦術で言えばバーレーンなんかよりよっぽど現代的で、まったく油断できない相手だと思います。

ACLでもウズベキスタンのクラブが躍進しており、「2010年W杯の世界最速出場なるか」なんて浮かれている場合ではありません。


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          2009.5.31 東京・国立競技場

         日本  4  -  0  ベルギー


        長友  '21
        中村憲 '23
        岡崎  '60
        矢野  '77


        GK 楢崎       GK スティーネン

        DF 中澤       DF シモンス
           闘莉王        スヴェルツ
          (山口 74)      フェルメーレン
           長友         ポコニョーリ
           内田        (フォッセン 69)
                       アルデルヴェイレルド
        MF 中村俊
          (本田 45)    MF ローランツ
           遠藤         (デンベレ 82)
          (阿部 62)       ハルン
           中村憲        デ・ラート
          (興梠 67)      
           長谷部      FW マルテンス
          (橋本 45)       ムヤンジ 
                       (フイセヘムス 62)
        FW 大久保
           岡崎
          (矢野 70)




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■コメント

■Re: 日本代表、ベルギーにも大勝 [諦めモード]

キリンカップの日程についてですが、ここ数年毎回毎回こんな感じですね。
参考URL: http://d.hatena.ne.jp/natuka_shinobu/20090601/1243859496
これで「正当な国際カップ戦タイトルだ」というのはおこがましいと、私も思います。
いっそ3チーム連れて来て、2試合×2日のトーナメントにしてしまえ、とか(笑)。
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本田。 スト4闘劇予選 こないだダイエット特集が目的で買った雑誌にも本田の特集がありました。 結局、その雑誌はダイエット特集よりも本田の方が面白かったです。 豚インフルの脅威(笑)に負けたまではいいとして連絡してなかっ明日が本番だそうだ。 ...(続きを読む) ?...

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