■日本代表、若い力の躍動で快勝

 キリンカップ2009の初戦、対チリ戦が大阪・長居スタジアムで行われ、日本代表が4-0で快勝しました。

今回の対戦相手・チリは、ホームでアルゼンチンを1-0と破り、現在パラグアイ、ブラジルに続いて南米予選3位につけている強豪です。

日本との実力差は、もしH&AのW杯予選プレーオフで当たったら東京で引き分け、サンチアゴでチリの勝利、と見ていました。

ただ今回来日したチームは、スペインやイタリアでプレーする主力を欠いた1.7軍ぐらいでしたし、それを踏まえればホームの日本が絶対に勝たなければいけない相手だったと思います。

そこで日本が4-0で勝利できたということは、結果としてはとても良かったと思いますし、試合内容の方もなかなか良かったのではないでしょうか。

 試合経過は、前半立ちあがりは両チーム互角、ロングボールからのサイド攻撃によってややチリが優勢な展開か。

しかし、中盤での激しいプレスから試合の主導権を日本が取り返します。

前半20分、本田選手が中盤から強烈なミドルシュートを放ち、GKが前へこぼしたところを予測して詰めていた岡崎選手がプッシュして日本が先制します。

24分、中盤で相手からボールを奪いカウンター攻撃。
前線へ上がっていた中澤選手が絶妙のクロスをゴール前へ流し込み、岡崎が冷静に決めて2-0。

39分、玉田選手のミスパスからチリの逆襲を食らうも、チリ選手のシュートはワクを外れて命びろい。

 後半3分、チリにこちらの左サイドを崩されて正確なセンタリングを許すものの、パレデスのヘッドはまたしてもゴールマウスを外れます。

7分、右CKからうまくフリーになった阿部選手のヘッドが決まって、3-0。

このあと選手交代などもあり、両チームともやや中だるみ状態。

しかし、ロスタイムに矢野選手ががんばってマイボールにしたところを山田選手が右へ展開、これを本田がうまく流し込んで試合にトドメをさす4点目。

直後にホイッスルとなりました。

 それでは日本代表の試合内容をチェックしてみたいと思います。まずディフェンスから。

この試合は、中東のチームとは違って前線から激しくプレスをかけてくるウズベキスタン対策として組まれたものではないかと思います。

ですが、今回のチリ代表は昨年1月に対戦したときよりも、プレスディフェンスは少し弱かったように感じました。

逆に日本代表のプレスディフェンスの方が激しくかつ効果的だったと思います。

チリのボール保持者に対しまず一人がアタックをかけ、相手がバランスを崩したところでもう一人がボールを奪ってしまうという、W杯2002年大会のスペイン代表がやっていたような組織的ディフェンスがとても良く機能していました。

1.7軍のチリの攻撃がそれほど組織的ではなかったこともあって、日本のこうした守備によってチリの攻撃面での良さをほとんど消していました。

 ただ、サイドに流れたチリの選手がロングパスを受けて展開する攻撃には、特に駒野選手のサイドでは1対1の戦いに苦しんでいたようです。

相手のロングパスからの攻撃は、どうしても1対1の個の勝負となりやすいので、なるべくそれに負けない、周りがカバーを早くして2対1の数的有利の状況をできるだけつくっておきたいところです。

 チリの選手はさほど大きくは見えませんでしたが、ボールを受ける前に自分の腰や肩で日本の選手をドンと押して、相手のバランスを崩してからプレーするということをやっていました。

1対1のフィジカル勝負があまり得意ではない日本の選手にとって、とても参考になるプレーだと思います。

 攻撃面でも、ショートパスで相手を崩していく攻撃はかなり良かったと思います。

後半のなかば以降、点差がついて試合がダレてくるとボールを持ちすぎるシーンが多く見られましたが、それまではどこへ出すのか迷ってからパス、迷ってからパスみたいな悪い時の代表に見られがちなプレーもなく、リズム良く攻撃を組み立てられていました。

勝負どころと見るや、後ろからどんどん選手があがってきてボールにからんでいくプレーがとても積極的で効果的でした。

 得点シーンですが、先制の場面は、GKがボールをこぼすのを予測してしっかり詰めていた岡崎はさすがFWのプレーでしたし、本田の、あの距離からの正確なミドルシュートも、ゴールこそならなかったもののワールドクラスだったと思います。

以前、日本人選手が自信を持ってシュートが打てる距離が短すぎると指摘しましたが、こういう積極性のあるシュートをどんどん打って欲しいです。

本田は、オランダでプレーすることでフィジカルも本当に強くなりました。そのことが、中盤における攻撃の組み立てにもプラスになっています。

2点目は、中澤のクロスが技ありでしたね。

ああいうシーンで日本人サイドバックの選手は、まず後ろ向きにトラップして一旦ボールを安全にキープしようとすることがほとんどなのですが、とても消極的ですしそのことでゴールチャンスを失っています。

中澤の場合、ボールを受けてすばやく前を向こうと努力し、迷わずに勇気を持って最初のタイミングでゴール前へグラウンダーのクロスを入れたのが大正解でした。

日本のすべての選手、特にサイドバック・ハーフの選手に、このプレーを見習って欲しいです。

もちろん、シュートを冷静に決めた岡崎も良かったのは言うまでもありません。

3点目の阿部のゴールも4点目の本田のゴールも、シュートが正確でとても良かったです。

 今回のチリ戦、相手は主力を欠いた1.7軍ぐらいでしたし、両チームとも負けても何も失うものは無いフレンドリーマッチでしたから、その分は割り引いて考えなくてはいけないのかもしれません。

それでもなお、ホームで4-0の勝利という結果はとても良かったと思いますし、日本代表の試合内容の方も攻守にわたってなかなか充実したものでした。

中澤・阿部・長谷部といったベテラン、主力選手が陰ながらしっかりチームを支えていたというのもありますが、岡崎や本田、さらに山田のような今勢いに乗る若手が躍動して、4-0という快勝につながりました。

このように現在勢いに乗って急成長している若い選手をW杯予選の大事な試合にこそ使って欲しいと思います。

日本人監督の場合、どちらかというとリスクをおかすよりも消極的な安全策が好きで、過去の実績最優先の「年功序列」で選手を使う傾向があり、また若手を試合に使って結果が出なかった場合、日本のマスコミも「なんで経験不足の選手を大事なところで使ったのか」と視野の狭い結果論で批判しがちです。

しかし、若手を我慢して大事な試合で使ってやらなければ、いつまでたっても経験不足のままです。

その点Jリーグの外国人監督は、過去の実績・年功序列に関係なく積極的に若手にチャンスを与えています。

浦和のフィンケ監督は山田や原口といった超若手選手を大胆に抜擢してチームにうまく活気を注入していますし、鹿島のオリベイラ監督もACLに大迫選手を出場させてゴールもあげさせています。

特にフィンケ監督の選手起用法は、まず日本人指導者ではやれないでしょうし、リスクをおかしてでも10代の選手に貴重な実戦経験を積ませている彼にとても感謝しています。

岡田監督にも、この良い流れを継続させていって欲しいです。

今なら、ケガ明けの玉田やチームでポジションを取れていない大久保より、岡崎の方がFWとしての能力は上です。

現在の良い調子が続く限り、W杯予選などの大事な試合で先発で使ってあげて欲しいと思います。

本田もオランダでもまれて、フィジカルもたくましくゴールに対しても貪欲・積極的になりました。

センターバックもベテランが多いので、若いバックアップの選手が欲しいところです。


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      2009.5.27  長居スタジアム(大阪)


        日本  4  -  0  チリ


       岡崎 '20
       岡崎 '24
       阿部 '52
       本田 '90+



     GK 楢崎       GK ピント

     DF 中澤       DF フエンテス
        駒野         セレセダ
        今野        (ロハス 67)
                    ハラ
     MF 阿部         メデル
        遠藤        (フエンサリダ 45)
       (橋本 61)
        中村憲     MF ミジャル
       (香川 83)      エストラーダ
        長谷部        バルディビア
       (山口 83)      (プッチ 45)
        本田
                 FW パレデス
     FW 玉田         ボセジュール
       (山田 39)      オレジャナ
        岡崎
       (矢野 71)




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