■日本代表にふさわしい監督とは?

 前回お約束したように、日本代表にはどんな監督がふさわしいかについて考えてみたいと思います。

まず世界の中において、日本代表が置かれている位置から考えてみたいと思いますが、もし日本を含む世界32ヶ国で「ワールドリーグ」が結成され、H&Aの総当りで世界一を争うとしたら、イタリア・アルゼンチン・フランス・ブラジル・ドイツなどは優勝を狙えるビッグクラブにあたるでしょう。

我が日本はどうかと言うと、選手個々の能力を単純に足していった戦力からすれば、残念ながら一部残留争いを戦うプロビンチア(地方の小クラブ)といったところだと思います。

それでは、小クラブが上位を狙うのは絶対に不可能なのでしょうか。
そうとも限りません。

たまに欧州各国リーグで、スター選手がほとんど見当たらず選手個々の能力的に見てビッグクラブより見劣りするにもかかわらず、リーグの上位4~5番手に入ってくるクラブがでてきます。

そのようなクラブにはだいたい共通の特徴があって、理論派の監督が、高度なサッカー戦術論に裏付けられた指導によって、攻守両面でチームの組織力を極限まで高め、選手ひとりひとりの能力ではビッグクラブにかなわなくても高い組織力でそれをカバーし、11人が力を合わせたチームの総合力勝負で、クラブを上位に進出させるというものです。

日本代表監督にふさわしいのは、まさにこういうタイプの人だと思うのです。

これはまったくシンプルな話で、ビッグクラブに対して選手個々の能力で劣るのに、小クラブが「個の自由」を前面に押し出して一対一の個人能力勝負を挑んだら、ビッグクラブにコテンパンにやられるのは当たり前です。

「自分の好きな日本代表選手なら、一対一でもカンナバーロやプジョルを抜いてくれる、ロッベンやリベリー、メッシだって一対一で止めてくれる」

そう思いたくなるのがファン心理でしょうが、日本代表史上、最高の個の能力を持っていたジーコジャパンは、ドイツでどんな運命を迎えたでしょうか。

個の能力でガチンコ勝負をいどんだブラジル戦は、残酷な現実を私たちにつきつけたと思います。

今回のバーレーン戦からもわかるように、アジアレベルにおいても決して日本は一対一で抜きん出ているわけではありません。

(その原因は技術の高低というよりフィジカルコンタクトの弱さでしょう)

それでも、多くの日本のサッカー指導者・解説者が盛んに一対一の勝負で負けるなと言います。

しかし、一対一で勝てなかった時どうすれば良いか、その対策まで用意している人は見たことがありません。

一対一で勝てないから、バーレーン戦のように試合に負けるまで何もしないというのでしょうか。

日本サッカー界は、サッカーをチームワークを生かしてやるスポーツ・団体競技ではなく、個人競技と勘違いしているのではないでしょうか。

(もちろん、日本人サッカー選手の個人能力の強化をあきらめてしまったわけではありません。
しかしながら、それは日本人全体の食習慣・生活習慣も含めた長期的な課題です。

今対策をたてれば日本人選手があと一年でアフリカや北欧の選手並のフィジカルコンタクトの強さを手に入れられる、というものでもないでしょう。個の能力が高まるまで日本代表が負けつづけても何も対策をとらないというのは愚かです。

もし日本人選手の個の能力が世界レベルに高まった時、高い組織力がいらなくなるということではなく、むしろチーム組織力が個の能力をいっそうひきたててくれることでしょう)

 私だったら、一対一で勝てないなら、その局面局面でこちらから見て常に二対一あるいは三対一をつくって、相手を抜いたり向こうの突破を防ぐという処方箋を用意します。

そのためには攻守にわたる高い組織力と、それを実現させるための豊富な運動量・スタミナが不可欠です。

こうした点をふまえると、オシムサッカーの方向性が実に的確で現在の日本代表にマッチしていたことがわかります。

だからこそ、高度なサッカー戦術論に裏付けられた指導によって、攻守両面でチームの組織力を極限まで高め、選手ひとりひとりの能力ではビッグクラブにかなわなくても高い組織力でそれをカバーし、11人が力を合わせてチームの総合力で勝負させるような、理論派の監督が日本代表にふさわしいのです。

(逆に、個の能力が高い海外組を呼べば何とかなるだろうとか、ブラジル人を日本に帰化させればいいだろうといった発想しかできない人は危険だと思います)

欧州各国リーグを見ていると、たまにこういったタイプの監督がでてきます。

ただ、いつどこに出現するかわからないので、普段からスペイン・イングランド・イタリア・ドイツの主要リーグや、オランダ・ポルトガル・デンマークや東欧諸国などのリーグをモニターしていて、日本代表監督候補としてふさわしい人を何人かピックアップし、その情報を日本サッカー協会で常時プールしておけ、と以前のエントリーで言ったわけです。

オシムさんはヨーロッパサッカー界、特に東欧諸国に強い影響力を持っているのですから、ボスニアやスロベニア・チェコ・スロバキア・ルーマニアあたりにそういうタイプの監督がいないか、日本に呼んでくることはできないか、相談したらどうでしょうか。

 代表監督は日本人がふさわしいか外国人がふさわしいかという問題にもちょっとふれておこうと思いますが、別にそのどちらでもあっても、チーム組織力の高さで勝負するタイプの監督であれば問題ありません。

ただ、選手も監督も日本人ということになると、日本人が持つ長所・短所のうち、短所が原因となってピンチにおちいった時、その修正がきかず選手と一緒になって沈没してしまう危険性があります。

人は自分のプライドが邪魔して、なかなか自分の短所を認められないものです。

 たとえば日本人は、良く言えば慎重で思慮深く、悪く言えば失敗を極端に恐れ消極的です。

もともと何かのきっかけで選手が失敗することを恐れて消極的になってしまう傾向があるところに、監督まで弱気だと、チーム全体が消極的な守りの姿勢に入ってしまい、試合を落としてしまうということも多々あります。

フランスW杯アジア予選、国立での韓国戦でも、当時の加茂監督がタイムアップまでだいぶ時間があるというのに、1点リードの場面でFWを一枚減らしてDFを一枚増やして守備固めに入ったことがありました。

その結果、それまで攻勢だった日本が守勢一方になり、ついには逆転を許してしまいました。

決勝点を入れた韓国の選手は、日本がワントップになったことでフリーになれたストッパーだったはずです。

フランスW杯本大会でも、岡田さんが守備的な3-4-1-2でアルゼンチン・クロアチア戦にのぞんだのは十分理解できます。

しかし、ジャマイカ相手にも同じような布陣で行き、2点をリードされてから4-4-2にして攻めの枚数を増やすと、ようやく攻撃に積極性があらわれ中山選手がW杯初ゴールをあげましたが、試合をひっくり返すには時すでに遅しでした。

 外国人監督だと、こういった日本人特有の弱点を客観的に見つめ、修正を与えられる可能性があります。

日本人監督をざっと見渡しても、こういう弱点の他、経験・基礎戦術の理解と応用力で物足りなさをどうしても感じてしまいます。

特にスペースの使い方(コンパクトな布陣の重要性やショートパスをまわす時にどうスペースを利用すればよいかなど)に、戦術理解の不足が見られるような気がします。

 というわけで、日本代表監督にどういうタイプの人がふさわしいかについて述べてきました。

現在の岡田さんは、日本にふさわしいタイプの監督でしょうか。
彼が本当はどういうサッカーをやりたいのか、私は情報をもっていません。

6月からはW杯三次予選の四連戦が控えています。

「どうにか乗り越えてくれ」という消極的な逃げの姿勢ではなく、ハッキリとした決断が日本サッカー協会に求められていると思います。




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