■日本、中国に我慢の勝利!!

 日本代表、東アジア選手権の二戦目はホスト国・中国との試合でしたが、1-0で見事勝利を得、勝ち点3をゲットしました。

対戦相手の中国は、前回W杯予選に2007年アジアカップと不振を極め、2010年W杯アジア予選は1次から相当気合が入っていて、3次予選の初戦でアジアカップ王者のイラクと対戦、中立地で引き分けに持ちこむなど、最近かなり勢いづいていました。

メンバーも、チャールトンでプレーするシェン・シこそいませんでしたが、ほぼベストメンバーを組んできました。

日本としては、こちらのゴールキックが相手CKになり、日本のゴール前でファールを受けても相手のFKになってしまい、こちらのゴールがオフサイドで取り消されるといった、レフェリーのホームタウン・デシジョン(地元びいき)も計算に入れて、引き分けを獲得できれば収穫ありと考えていましたが、1-0で勝利して勝ち点3をゲットするなど、最高の結果となりました。

素晴らしいです。

 それでは試合経過を振り返りましょう。

前回の反省からか、試合の立ちあがりから日本が積極的にプレス守備をかけ、やや日本ペース。

前半17分、駒野選手が左サイドを突破してクロス、これは飛びこんだ田代選手にあわずGKがクリア、しかし、山瀬選手がクリアボールの落ち際をボレーシュート!これが見事に決まって日本先制。

ここから先制した日本がやや引き気味になり、それに乗じて身長180cmオーバーの選手をズラリ揃える中国が、自分たちのフィジカルの強さを生かすためにロングやミドルパスを前線へどんどん放りこむ得意の攻撃パターンで日本を押し込みます。

これに対して日本はクリアするのがせいいっぱい。

しかし、中国選手のシュート精度の悪さ、バイタルエリアにおけるファンタジーの無さに救われます。中澤・今野両選手からなるCBも集中してがんばりました。

 そして後半。

前半の攻め疲れからか、中国の足がだんだんと止まりはじめ、ここからようやくスタミナで勝る日本が自分たちのサッカーを出来るようになりました。

相手DFラインの前で細かくつなぎながら、何度か相手GKと一対一の決定的場面をつくりますが、シュートが外れたり、オフサイドにかかったりで決まらず。(田代のゴールはオフサイドでは無いと思いますが)

日本が「ゲームを殺す」ことができません。

後半39分、リー・ウェイフェンに小突かれた鈴木選手がエキサイト、両チームが小競り合いをはじめると、敗戦ムードでどんより沈んでいたスタンドが急に活気づきます。

これが中国代表の闘志に再び火をつけ、怒涛の反撃開始。

ロスタイムも5分!と、レフェリーも味方します。

それでも中国のゴリゴリのパワープレーをなんとかしのいで試合終了。
日本が貴重な勝ち点3をゲットしました。

 今回の勝因は、個の能力で日本が中国を上回ったからだと思います。

GKのクリアがこぼれてくる方向をあらかじめ予測し、鮮やかなボレーシュートを決めた山瀬のポジショニング能力と決定力、中澤の守備能力、そして1~2点は失点を防いだであろう楢崎選手のGKとしての高い能力。

そして選手個々が中国よりスタミナで上回り、走り勝つサッカーをすることができました。

ダブルボランチに変えて守備が安定したことも良かったです。逆にワントップはあまり機能しなかったように思います。

アウェーで中国を下し、日本はアジアサッカー界で依然、先頭集団を走っていることを証明できました。

素晴らしい結果です。

 で、日本がアジア予選を突破して、W杯に出場するのが最終目標というのであれば、これ以上書くことはありません。

今は勝利の余韻にだけひたりたいんだという方は、ここでブラウザを閉じた方が良いでしょう。

しかし、岡田監督は「W杯3位以上」という目標を設定していますので、ここからはW杯で3位以上をねらえるレベルのサッカーを基準として、この試合を振りかえって見たいと思います。

W杯で3位以上をねらえるレベルを基準としてこの試合の日本代表を見てみると、はっきりと課題が見えてきます。

それはまだまだメンタル面でのタフさが足りないということです。

マスコミが盛んに中国人観客の反日感情を書き立て、レフェリーもあからさまに中国寄りの判定で、この試合で日本代表が受けたプレッシャーはさぞ大きかったことでしょう。

しかし、W杯本大会のグループリーグ三試合はもちろん、決勝トーナメントの1試合目、そして準々決勝、準決勝でかかるプレッシャーはこの試合の比では無いはずです。

このシュートが決まれば、グループリーグを突破できる・準々決勝を突破して4位以上が確定するという場面で、日本の選手は氷のような冷静さでゴールを決めていかなければ、岡田監督が立てた目標を達成するのは夢のまた夢です。

PK戦にもつれこむことだってあるでしょう。

この時、常時W杯で3位以上が狙える国が相手となる可能性は高いです。 
イタリア・フランス・ドイツ・アルゼンチン・ブラジルなどなど...

そういう状況の中で、日本代表選手が冷静さと自分たちのサッカーを見失わないように、タフな精神力を身につけなければなりません。

 それでは今回の中国戦における日本代表はどうだったかと言えば、特に前半は、先制した後やや気持ちが受身になり、そこから中国にガンガン押し込まれると自分たちのサッカーを見失ってしまったように思います。

前半に限って言えば、06年W杯のオーストラリア戦とそっくりの展開でした。

うまい具合に日本が先制するのですが、そこから気持ちが守りに入ると、相手がフィジカルの強さを生かすべく前線にロングやミドルパスをどんどん放りこんできて、落としたところを二列目が拾ってチャンスに結びつけようとしてきます。

これで日本は完全に押し込まれてしまい、相手の攻撃をなんとか防いでも、相手のサッカースタイルにお付き合いするように、ロングボールを前線に放りこむ雑なサッカーをしてしまいます。

しかしこれは相手の得意な形であり思うツボ、相手はフィジカルの強さですぐさまセカンドボールを拾って、ふたたび前線に放りこんできて日本は防戦一方になるばかり。

日本はゲームのコントロールを失っていました。

強いプレッシャーがかかる試合、苦しい展開の試合では、日本代表は自分たちのサッカーを見失い、相手のサッカースタイルにつられて同じようなサッカーをしてしまい、相手の得意な土俵に引きずり込まれてしまうという現象がしばしば見られます。

相手がロングボールを放りこむパワープレーをはじめると、こちらもそれにつられてロングをポンポン放りこみ、相手がCBからFWまで間延びしたチームだと、こちらも間延びしてしまうといった具合です。

 私は中国戦の前半を見ながら、このまま無失点でいければ勝てるが、もし何かの間違いで中国に1点入ったら、あのオーストラリア戦のように引き分けでは済まないかもしれないと考えていました。

そのまま日本に負けてしまうのが中国、同点から逆転・ダメ押しとたたみ掛けられるのがヒディンク・オーストラリアの差です。

この試合、勝因は日本が個の力で中国に上回ったからと言いました。

ロングの放りこみで個の能力勝負に持ちこむ場合、中国の様に相手が日本より劣っているなら良いかもしれませんが、ビドゥカ・キューウェル・アロイージなどを抱え、個の能力で日本と互角かそれ以上のオーストラリアだととたんに通用しなくなります。

世界を見渡せば、イタリア・フランスやアルゼンチン・ブラジルなど個の能力で日本より上回るであろう国はたくさんありますし、アジアでそこそこ通用すれば良いのならともかく、W杯で3位以上を狙うならそういうサッカーをしていてはダメです。

 相手にパワープレーで押し込まれて苦しくても、冷静に自分たちのサッカーを見失うことなく、チームでボールをなるべくポゼッションしてボールを落ち着かせ、できれば反撃する。

それで得点できなくても相手の攻勢を弱め、相手の足が止まってくるのを待つ。

スタミナ勝負となれば、走り勝つサッカーをかかげる今の日本代表なら勝機が見えてくるでしょう。

そのためには、どんなプレッシャーのかかる試合でもタフな精神力で自分たちのサッカーを見失わないようにしなければ話になりません。

 今回の中国戦は前半は苦しい展開でしたが、ハーフタイムで岡田監督から「落ち着いてつなげ」という修正が入り、後半から自分たちのサッカーを少し取り戻すことができました。

それでも各選手のポジショニングやパスのスピードと方向の選択が悪く、バテバテでDFラインの前にポッカリと広大なスペースをつくっていた中国からダメ押し点が取れませんでしたが。

 後半、鈴木選手が相手に小突かれてもみ合いになりましたが、あそこは倒れて相手にレッドでもプレゼントするか時間を消費した方がマリーシアだったと思います。

逆に中国選手を突き飛ばしたので、「日本には10年勝っていないし今日も負けだ」というムードが充満していた観客と中国代表の闘志に火をつけてしまい、勝ったから良かったものの怒涛の反撃を呼びこんでしまったのは冷静さを求められるキャプテンとして残念だったと思います。

 中国戦は、現時点におけるギリギリの精神力を試され、どこまでやれるか限界を確認できたという意味で、日本代表にとって貴重な経験でした。

そしてW杯の準々決勝、準決勝でも自分を見失わないようなタフな精神力を今後養って欲しいと思います。

次回の韓国戦、クラシコだからといって頭がカーッとなってしまうと苦しくなるでしょう。
観客も韓国を応援するかもしれません。

中国戦の良い経験を胸に、ハートは闘志で熱く、しかし頭脳は氷のように冷静に、積極的なプレーを日本代表に期待したいと思います。

 最後に、中国の野蛮かつ汚いにもほどがあるプレーやそれをスルーするレフェリーには私自身怒り狂っていますが、日本のマスコミやテレビの解説者・アナウンサーは、レフェリーのホームタウン・デシジョンやプレー中の観客の応援やブーイングに、いちいち過剰反応しすぎじゃないでしょうか。

たとえば日本がW杯予選のプレーオフにまわって、FIFAの決定で南米のウルグアイや欧州のトルコとH&Aで戦わないといけなくなったとしたら、モンテビデオのセンテナリオスタジアムとか、イスタンブールのアリ・サミ・イェンスタジアムの熱狂的な応援とアウェーチームへのプレッシャーは、きのうの重慶なんて問題にならないと思います。

ジーコジャパン時代にハンガリーやラトビア、ウクライナに遠征しましたが、やはりレフェリーはかなり地元びいきでした。

FIFAが100%中立公平な判定は無理と考えているからこそのH&Aでしょうし、アウェーゴール2倍ルールでしょう。

レフェリーがホームでもアウェーでもほぼ公平で、ぶつかって倒れたらすぐファールを取ってくれて、観客のマナーも非常に良い日本は大変恵まれた国です。

しかし日本は、レベルの低いレフェリーが支配し、ラフプレーが横行するリーグを持つ国々に囲まれています。ここはサッカー先進地域ヨーロッパではなくアジアです。

私も以前CSでKリーグとかアジアクラブ選手権とかアジアン・フットボール・ショウなんかを見ていましたが、ラフプレーは、まあひどいものでした。

 汚いプレーには大反対ですし、不可解な判定をしたレフェリーに質問したり、軽く抗議したりするのは良いと思いますが、地元びいきだからといって日本側がイライラしたり、カーッとなって冷静さを失うのは、相手チームとそれを応援する観客の思うツボだと思います。



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  2008.2.20    重慶・奥林匹克体育中心



      中国  0  -  1  日本


                '17 山瀬


GK ゾン・レイ        GK 楢崎

DF チャン・シュアイ     DF 中澤
   スン・シャン          内田
   リー・ウェイフェン       駒野
   シュー・ユンロン       (加地 46)
                   今野
MF ワン・ドン
  (チャオ・ジュンツェ 54) MF 鈴木
   ドゥー・チェンユー       中村憲
   リュウ・ジェン         遠藤
  (ルー・チェン 60)       安田
   チョウ・ハイビン       (羽生 59)
  (ハオ・ジュンミン 76)     山瀬
                  (橋本 90+)
FW チュー・ボー
   ジュー・ティン      FW 田代




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