■東アジア選手権、初戦は引き分け

 きょう17日から中国・重慶で始まった東アジア選手権。

日本の初戦は対北朝鮮戦でしたが、1-1の引き分けとなりました。

 対戦相手の北朝鮮は、国内組に日本・韓国・中国でプレーする海外組を加えて、ほぼベストメンバーを組んできました。

日本との力関係はだいたい互角、やや日本の方が上回るかと評価していましたが、日本は若い選手や控えにまわることが多い選手に経験を積ませるといった感じのスタメンを組みました。

それを踏まえると勝てなかったのは残念でしたが、引き分けという結果はまあ妥当と言えるでしょう。

 今回は試合の前にいくつか疑問点があります。

まず、選手団・マスコミから「北朝鮮は引いて守ってくる」ということが盛んに言われていましたが、誰がそんなことを決めたのでしょうか。北朝鮮の監督が「絶対そうする」と約束でもしてくれたのでしょうか?

岡田ジャパンの首脳陣がW杯予選のヨルダン対北朝鮮戦のビデオを見て、そう判断したのかもしれませんが、もし本当にそうであるならば、失点の半分の責任は首脳陣の判断ミスにあると思います。

私が見た限り、北朝鮮は立ちあがりから普通に攻めてきたように思います。

そして先制点をあげると、おそらく当初のゲームプランだったのでしょう、守備に重点をおいたプレーをしてきました。

やがて後半になるとスタミナ切れで足が止まり、日本に押し込まれっぱなしになりましたが、それについて彼らは予測していなかったと思いますが。

世界各国のチームは、ホーム・アウェー・ニュートラル、そして相手との力関係で、まったくサッカーのやり方を変えてくるのが普通です。

いつでも同じペースで同じように試合をする日本の方が少数派でしょう。

日本側が「自分たちがそうだから相手もそうだろう。北朝鮮はアウェーのヨルダン戦は引いていたからこの試合も...」と決めつけてしまうと、今日の日本代表のように、思わぬ北朝鮮の攻撃にあわててしまうことになります。

 また、今日の試合の主審・副審は韓国人でしたが、日本対北朝鮮の試合で、北朝鮮人と同じ民族である韓国人レフェリーというのは公平性の面でどうかと思います。

国家統一への思いが薄いアラブの場合とは同列に扱うことはできません。

こうしたことを防止するのは「政治」の仕事、つまり日本サッカー協会会長の仕事じゃないのでしょうか。

それでは試合を簡単に振り返ります。

 キックオフ直後から激しくプレスをかける北朝鮮の守備に日本が戸惑い、やや押されるという立ちあがり。 

前半6分、CKが跳ね返されたあと、北朝鮮が中盤でパスを組み立て直し、ポストプレーをするためやや下がったチョン・テセにボールが渡ると、マークについていた水本選手が足をすべらせ、その隙に前を向いたチョンが、内田・加地両選手の間からミドルシュート。

これが決まって北朝鮮が早々と先制。

北朝鮮が守備に重きをおくプレーに切り替えたため、15分あたりから何とか日本代表も落ち着きを取り戻しますが、中盤でのパスの組み立てがうまく行かず、押し込んでいる割にはクロスやシュートシーンをなかなかつくれずに時間だけが過ぎていきます。

41分にCKから中澤選手の惜しいヘッドがありましたが、ゴールマウスに張っていた北朝鮮の選手がクリア。

 後半も同じような展開。

しかし後半も10分を過ぎたあたりから、前半飛ばしすぎたのか北朝鮮の足が止まり始めます。

24分、後半から出場の安田選手が左サイドを突破してクロス、これを相手GKが何とかクリアするものの、そのボールを前田選手が押し込んで、日本が追いつきました。

その後も日本が優勢に試合をすすめますが得点には至らず、1-1の引き分けとなりました。

 つづいて試合内容を、まず攻撃から分析します。

前半は、中盤の組み立てがなかなかうまく行きませんでした。

前半は北朝鮮のプレス守備が非常に激しかったせいもありますが、羽生・山岸の両選手のポジショニングが適切では無かったと思います。

中盤の底にボランチの鈴木選手がいて、そのまわりを遠藤選手がサポートしていましたが、この二人から羽生と山岸は離れすぎていて、逆に言えばFWのラインに近すぎて、鈴木・遠藤と適切な距離を保てていませんでした。

チーム全体としては、DFラインからFWのラインまで間延びしてしまったことが、ボールがうまくまわらず、ミスパスが多かった原因となりました。

また、FWが前へ前へと焦ると、ウラを取られたくない相手DFはラインを下げますし、攻撃的MFも前へ前へと焦ると、相手のボランチを引き連れてきてしまうわけで、何でもかんでも前へ行けば点が取れるというものではありません。

先制点を与えた後、北朝鮮が引き気味になった原因の半分は日本側にあると思います。

攻撃的MFは味方の守備的MFのラインと適切なサポート距離を保ち、FWは攻撃的MFのラインとのサポート距離に気をつける。

そうすることによって、相手DFラインを上げさせる、もし上げてこないならばその前のスペースを利用すれば良いわけです。

このあたりのスペースの使い方、正しいポジショニングの取り方が理解できていないところが、日本サッカー界の弱点だと思います。

 前半は、中盤とともにサイド攻撃もうまく行きませんでした。

相手が引き気味になった後、サイドから突破されるのを警戒していたのに、わざわざそこでの細かいパスまわしにこだわり過ぎて、結局相手にボールを引っ掛けてクロスのチャンスを失っていました。

相手が引き気味ということは、ゴール前へ上げるアーリークロスの距離も短くて済みます。ということはクロスの精度を高めることができるということです。

しかも北朝鮮のGKは相変わらずハイボールのキャッチングが不安定で、日本の両サイドはもっとシンプルに、アーリークロスを入れて中の選手に勝負させた方が得点のチャンスが増えたと思います。

これもスペースの使い方の応用問題と言えるでしょう。

 良かった点は、北朝鮮に走り勝ったということです。

北朝鮮は、後半も10分過ぎになるとガックリと運動量が減りましたが、日本代表は試合終了まぎわまで、あまりペースが落ちませんでした。

これが同点に追いつくことができた大きな要因のひとつです。

試合の立ちあがり、日本が北朝鮮の攻勢を落ち着いて受け止め、無失点に抑えることが出来ていれば、この試合勝てた可能性は高かったと思います。

 守備面では、日本のプレス守備もまずまずでしたが、フィフティ・フィフティのボールに対して、日本の選手の反応が遅かったり、全力で走れば相手より先にボールに追いつけるのに抜かれるのが怖いのか、わざとスピードを落として相手に持たせてしまう場面が目につきました。

タイとは違って、北朝鮮はフィジカルの強さでは日本と互角かやや上で、前の試合とは勝手が違いました。

日本もボディコンタクトで負けない、玉際の競り合いに負けないように、積極的な守備を心がけて欲しいと思います。

 失点のシーンは、まずチョン・テセのシュートを誉めるべきですが、酷かもしれませんが水本のミスも指摘しなければいけません。

その瞬間、中澤が左サイドに引きずり出されていたので、水本が抜かれた後、守備があまり強くないサイドバックの加地・内田しか残っておらず、そこから失点してしまいました。

中澤もあまりゴール前を空けて欲しくはないのですが、このあたり次回までの課題でしょう。

 この試合、若手や控え組が多く出場していましたが、羽生・山岸・加地あたりは今のままではキツイです。

代表の練習やJリーグの試合で、もっと自分を高めていって欲しいです。

水本も、CBとして特別背が高いわけではないし、フィジカルも抜群に強いわけではないので、
たとえば、誰にも負けない読みの速さ・正確さを身につけるとか、体の横幅を広くするような体づくりで、絶対的なフィジカルの強さを身につけるなどしないと、将来世界レベルでプレーするにはちょっとキツイと思われます。

彼は若いですから、まだいくらでも「伸びしろ」はありますので、がんばって欲しいものです。

ゴールした前田、ゲームの流れを変えた安田、後半の後半あたりから攻撃にかみ合ってきた田代など、その他の選手は、貴重な経験を積めたのではないでしょうか。

 というわけで今回の北朝鮮戦、岡田監督はバックアップ組に経験を積ませながら勝つというプランを考えていたようです。

勝てなかったのは非常に残念でしたが、経験を積ませる方はまずまずだったのではないでしょうか。



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  2008.2.17  重慶・奥林匹克体育中心

    日本  1 - 1  北朝鮮


  '69 前田       '6 チョン


GK 川島       GK リ・ミョングク

DF 水本       DF リ・ヨンイル
   加地          リ・クァンチョン
   中澤          パク・チョルジン
   内田          ハン・ソンチョル
  (駒野 77)       ナム・ソンチョル

MF 遠藤       MF パク・ナムチョル
   羽生         (チェ・チョルマン 78)
   山岸          アン・ヨンハ
  (安田 65)       ムン・イングク
   鈴木          キム・ヨンジュン
              (キム・クミル 68)
FW 播戸
  (前田 64)    FW チョン・テセ
   田代




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