■まだ何も手に入れてない

 アジアチャンピオンズリーグ(ACL)の決勝第一ラウンドにのぞむため、浦和レッズが直前合宿地のドバイ入りしました。

私は浦和サポではありませんが、Jリーグ代表としての浦和がACL優勝を是が非でも勝ち取ってくれることを祈っています。

 さて、決勝の相手はイランのセパハン・イスファハンとなりましたが、準決勝で韓国の一和を破った直後、「セパハン? 優勝は浦和で決まりでしょ」みたいな声が一部であがっていたと思います。

もう冷静さを取り戻したころでしょうから、ちょっと指摘しておきたいのですが、前回のACL優勝は韓国のクラブでしたが、「浦和はアジア最強・Kリーグの一和を破ったんだから、もう優勝したも同然だろう」という考え方をするのであれば、それは非常に危険だと思います。

 これと同じようなことが今年おこなわれたアジアカップでもありました。

準決勝のカードは、第一戦がイラク-韓国、第二戦が日本-サウジでしたが、
日本のマスコミや選手から「決勝は韓国とやりたいし、韓国を破って優勝したい」という声が盛んに上がっていました。

ところが準決勝第一戦で韓国は負けました。

その結果を見て日本はサウジとの試合にのぞんだわけですが、その瞬間、選手団・マスコミなど日本の多くのサッカー関係者が、危険な心理的エアポケットにハマり込んでしまったのではないでしょうか。

決勝で当たると強く予想していた韓国が負けたことから、ホットしたというか拍子抜けしたというか、日本側に微妙な心のスキが出来て、そこから潜在意識として「これでアジアカップ二連覇中の日本に敵がいなくなった。もう三連覇は決まったようなものだ」という油断が生まれ、目の前の強敵サウジに対する注意が薄れてしまったのではないでしょうか。

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しかし、サウジは日本へのリベンジに燃えていました。

実際の試合では積極果敢にファイトして先手先手を打ってくるサウジに対し、日本は消極的に相手を受けて立ってしまい、酷暑のなか常にリードを許す苦しい展開で、ついにサウジに追いつけず、三連覇の夢は空しく潰えました。

試合後、勝って泣き崩れるサウジの選手がいましたが、日本の選手にそこまでの熱い気持ちがあったでしょうか。(中澤選手だけは本気で悔しがっていたようでしたが)

これを貴重な経験として、日本のサッカー関係者が同じ失敗を二度と繰り返してはいけないと思います。

「韓国のチームに勝つこと」と「アジアのタイトルを取ること」、どちらが日本にとって一番大切な最終戦略目標かと言えば、言うまでも無く後者です。

ましてや「韓国のチームに勝つこと=優勝決定」ではありません。

日本人は「木を見て森を見ず」というか、手段が目的化するというか、何かを一生懸命にやっているうちに、いつのまにか最終目標が入れ違ってしまっていることがあります。

日本サッカーがアマチュアだったころ、韓国には本当に良く負けましたから、「韓国はアジア最強。だから韓国を破ればアジア一」「クラシコとしての日韓戦には絶対に負けられない」という強い思い入れを持っている人もおられるのでしょう。

しかし、韓国に限らず、特定の相手を過剰にリスペクトする事と、相手を弱小と見下して油断する事とは、同じコインの裏表であり、どちらも良い事とは思えません。

私は韓国もイランやサウジ、イラク、オーストラリアなど、アジアのライバルの一つと考えるべきだと思っていますし、「アジアカップにしろACLにしろ、アジアのタイトルを狙えば、黙っていても自然と強敵と当たることになっている。それが韓国でありイラク、豪州、サウジ、イランである」と自然体に構えた方が良いと思います。

 実際、日本・韓国・イラン・サウジなど、アジア列強リーグのクラブ同士の戦力差は、ほんのわずかしかありません。

イランリーグのビッグクラブは、何と言っても赤のペルセポリス(ピルジィ)と青のエステグラルであり、セパハンは新興勢力なのかもしれません。

セパハンはリーグ優勝ではなくて、イランFAカップの王者としてACL出場権を得たのですが、リーグ優勝一回に対し、FAカップ優勝三回という実績からもわかるように、カップ戦(勝ちぬき戦)を得意とするクラブのようです。

川崎とのゲームを少し観ましたが、非常に粘り強い守備が特徴で、高い守備力からアウェーゴール勝ちやPK戦勝ちを狙うような、僅差の競り合いに強く、カップ戦の勝ち方を知っているチームのようです。

06年のイランFAカップでも、ペルセポリスとH&Aで1-1・1-1の五分に渡り合い、PK戦を4-2で勝って、ACLに出てきました。

ACLも”リーグ”を名乗っていますが、決勝ラウンドはノックアウト方式の勝ちぬき戦ですし、たとえそうでなくても、サウジやUAEのクラブを倒してここまで勝ちあがってきたセパハンは、決勝戦にふさわしい強敵です。

私には決して楽に勝てる相手とは思えません。

浦和はACL決勝戦への挑戦権を得ただけであり、まだ何も手に入れていないと思います。

「言われずともわかっている」とお叱りを受けるかもしれませんが、浦和の選手・サポの皆さんには、兜の緒を締めなおして、悔いの無いよう心して決戦にのぞんでほしいと希望します。




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