■日本代表、カメルーンに我慢の勝利

 昨日、大分で行われたテストマッチ、日本対カメルーンは、押されながらも良く我慢した日本が2-0の勝利をあげました。

カメルーンは、バルセロナのエトオに代表されるように、スペイン・イングランド・ドイツ・フランスなど欧州主要リーグでプレーする選手ばかり。

実力的にはもちろんカメルーンの方が上で、日本のホームで引き分け、カメルーンのホームで日本の負け、ぐらいの差はあると想定していました。

そのカメルーンにホームとはいえ2-0、しかもこちらは海外組抜きでの勝利ですから、貴重な経験を積めたと思いますし、自信を持って良いでしょう。

 試合展開の方は、前半は日本とカメルーンがほぼ五分五分の展開。

20分すぎから、大久保選手の左サイドからの突破で、日本がリズムを引き寄せると、25分、左サイドのFKから遠藤選手が強くて速いボールを蹴り、ニアに飛びこんだ闘莉王選手がヘッドでフリック、それが見事にゴールイン! 日本が先制します。

ここからカメルーンがようやくエンジンがかかってきます。

27分にジョブに左サイドを抜かれ、シュートを許すも、ゴール前を通過。

31分、カメルーンのロングスローに駒野選手がかぶってしまい、中澤選手がなんとかクリアしたボールをマクンがシュート。これはバーの上を通過していきました。

後半は、カメルーンが一方的に日本を押し込む展開。

カメルーンはシュートやCKを雨あられとふらせますが、川口選手の固い守りとシュート精度がイマイチなため、同点に追いつくことができず。

43分、日本がようやくつかんだ右CKのチャンス。
中村憲選手のボールはクリアされますが、こぼれ球を山瀬選手が豪快ミドル!
これが決まって試合を決定づけました。

 次に試合内容を見ていきます。まず攻撃から。

この試合ではセットプレーからの攻撃が非常に効果的でした。

ここ半年ぐらい、セットプレーにおける遠藤のキックに、ますます磨きがかかっていると思います。

最近彼は、キーパーが出られそうで出られない場所へ、強くて速いボールを落とすキックを多めにしているような印象を受けますが、闘莉王の先制点を引き出したのも、このようなキックでした。

アジアカップ準決勝、サウジ戦の日本の一点目も、CKから遠藤が、キーパーが出られそうで出られない場所へ強くて速いボールを蹴り、これを中澤がヘッドで叩きこんだ形でしたが、これはCK・クロスのお手本としてサッカーの教科書に載せたいぐらいの、基本に忠実なきれいなプレーでした。
(ビデオで確認してもらうと良くわかります)

逆に中村俊選手は、セットプレーからふわっとした山なりのボールを多用していますが、どれもキックが長すぎで、ゴールラインから外へ出てしまうか、落とし場所がGKに近すぎてほとんどキャッチされています。

奇襲作戦として山なりのふわっとしたボールというのはアリだと思いますが、中村俊選手の場合、奇襲作戦ばっかりで基本プレーというものが無いので、まったく奇襲になっていません。

試合中、GKにほとんどキャッチされているのですから、少し工夫して欲しいものです。

 CKからのこぼれ球からゴールを決めた山瀬のポジショニングも良かったです。

CK・FKの時、ペナルティエリア前の”D”のエリア付近に、ボレーシュートがうまい選手を最低一人は配置しておくのは、戦術としてのお約束です。

山瀬のように、相手がクリアしたボールからゴールを狙うためです。

残念ながら日本サッカー界では、こうした基本戦術を実践しているチームが少ないようですが、基本に忠実にプレーすれば、山瀬のようにちゃんと”ごほうび”がもらえるというわけです。

 中盤の組み立てに関しては、前半こそ、まずまず上手くいっていましたが、後半はまったくボールを回せなくなってしまいました。

日本代表が3-5-2っぽくシステムを組みなおしたこともありますが、カメルーンが後半になって本気モードで、中盤のプレスをはじめたことが原因だと思います。

カメルーンはフィジカル能力で日本代表をかなり上回っていました。

そのため、日本代表が中盤でパス回しをしても、誰か一人が長い時間持ってしまうと、カメルーンの選手に体を寄せられ、フィジカルの強さでボールを奪われてしまっていました。

これが、いつもの組織的なボール回しが出来なかった最大の原因でしょう。

アジアカップ総括のエントリーで、「フィジカルの弱い選手は、いつもフリーでプレーすることが大事」と言いましたが、誰か一人でも持ちすぎてしまうと、フリーでプレーできなくなり、ボールを失ってしまうわけです。

そのためには、カメルーンのようなレベルの高いチームのプレスを上回るスピードで、こちらがポジショニングを修正し、チーム全体としての連動性をもっと高いレベルにしないと、パスがつながっていきません。

そうしたことが出来るようになれば、
今回のカメルーン戦でも、1点取った後、カメルーンの厳しいプレスをすばやいパス回しで日本がかわせるようになれば、W杯でベスト8、あるいはベスト4という成績が見えてくると思います。

この試合、サイドバックがクロスを上げるシーンは少なかったのですが、それでも数少ないクロスを上げるチャンスに、バックパスしてしまうクセが直っていません。

下の世代から、思い切りの良いサイドバックを抜擢してはどうでしょうか。

 守備に関しては、相当がんばったと思います。

アジアカップの総括で、4バック1ボランチでは、守備が苦しいと言いましたが、やっぱりオシム監督は修正してきました。

鈴木選手に加え、阿部選手もあげて、二人の守備的MFによるダブルボランチとしてきました。

闘莉王が戻ってきたことも大きく、守備が本当に固くなりました。
中澤-闘莉王は、アジア最強のセンターバックコンビの一つではないでしょうか。

 前半何分の出来事だったか忘れましたが、日本の左サイドをカメルーンの選手が突破してきて、まず駒野が相手にプレスをかけ、相手が駒野の左を抜きにかかったところを阿部が読んでボールを奪ったというシーンがありました。

阿部は、サウジのマレクに抜かれて決勝点を奪われたのですが、きっちりと修正してきたのはさすがでした。

ただ、チーム全体にこのような組織守備戦術が浸透しているようには見えなかったので、全員が出来るように練習を繰り返して欲しいと思います。

 守備の反省点があるとすれば、パスをつなぐことに夢中になりすぎるあまり、自陣深くで敵にパスをしてしまうシーンが多かったことです。

特に、カメルーンのFWがウヨウヨしている自軍ゴール前で、細かいパス回しで相手をかわそうとするシーンを見せられると、生きた心地がしません。

リスクをおかしてはいけない場所・時間では、簡単に前方へ蹴り出すことも必要だと思います。

 選手個人で見ると、前田・田中達・大久保の各選手が先発起用され、私も大変期待していました。(特に前田選手)

良い動きも見せていましたが、シュートシーンが少なすぎで、まだまだチームにフィットするには時間がかかりそうです。

特に大久保は、レフェリーがファールを取ってくれないと、厳しそうです。

今回、韓国から呼ばれたレフェリーは、Jリーグのレフェリーとは違って、フィジカルコンタクトで選手が倒れても、極力流していました。

そのせいか、大久保は思うようにプレーさせてもらえませんでした。
代表での生き残りのためには、何か対策が必要でしょう。

マン・オブ・ザ・マッチは、文句無く闘莉王でしょう。

中澤-闘莉王のコンビが相手では、カメルーンの強力攻撃陣もそう簡単には得点できないわけで、守備以外でも、おとなしくて控えめな選手が多い中、闘志むきだしでチームを奮い立たせ、得点源にもなる闘莉王の存在は、非常に大きいものがあります。

日本は、アジアカップ優勝を逃し、コンフェデで世界の強豪と対戦するチャンスまで失ってしまったのですが、アジアカップぎりぎりまで、過密日程でJリーグのゲームをやり、その結果、闘莉王は故障してアジアカップに出られなかった。

以前指摘したように、日本サッカー協会のトップの指導力に大きな疑問を抱かざるを得ません。

この問題に限らず、協会トップのいきすぎた金もうけ主義が、日本サッカー界全体の足を引っ張っていると思います。

 さて次回更新は、9月上旬のオーストリア遠征前後を予定しております。
特に楽しみなのは、スイスとのテストマッチです。

スイスは、2006W杯予選・本大会ともにフランスと同じ組に入り、直接対決でまったくの互角という成績を残しています。

どのくらい本気で来てくれるかわかりませんが、日本がスイスと引き分けられると、本当に良い経験になると思います。

アウェーのオーストリア戦も含めて、2試合で勝ち点2以上取れれば、たいしたものだと思います。


------------------------------------------

  2007.8.22  九州石油ドーム(大分)  


  日本  2  -  0  カメルーン


 '25 闘莉王
'89 山瀬



GK 川口       GK  ハミドゥ

DF 闘莉王      DF ソング
  中澤         アトゥバ
  加地         マトゥク
  駒野         ビキー
 (今野 45)     (フォトゥシーヌ 53)

MF 阿部       MF ムバミ
  鈴木        (イドリス 45)
 (橋本 74)      マクン
  遠藤        (ヌゲモ 53)
 (中村憲 63)     ムビア
  大久保
 (山瀬 50)    FW ジョブ
             (アテバ 74)
FW 前田         ドゥアラ  
 (高松 59)      (ヌゴム・コメ 60)
  田中達        エトオ
 (佐藤 59)



↑購読料代わりに一日一回ポチッとして頂けるとうれしいです。

  

■コメント

■コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

 



管理人多忙につき、マメにレスを差し上げられません。
ゴメンナサイ。
もちろん、すべてのコメントは拝見させていただきますが、サイトポリシーに違反したものは、予告なく削除します。
悪しからずご諒承ください。

プロフィール

スパルタク

  • Author:スパルタク
  • FC2ブログへようこそ!

月別アーカイブ

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク






   

ブログ内検索