■退屈な3位決定戦

 アジアカップ2007・3位決定戦となった日本対韓国戦は、120分戦っても0-0で決着がつかず、PK戦もサドンデスにもつれこみ、5-6で日本のPK負けとなりました。

サッカーという競技は本来、前・後半90分で勝負を決めるスポーツです。

もし90分で引き分けなら、再試合となるのが本来の姿。

イングランド伝統のFAカップは、今でもそうだと思いますが、だんだんとサッカーチームのスケジュールがタイトになってきて、のんびりと再試合なんてやってられなくなりました。

そこで、延長戦・PK戦というものが発明されたわけですが、それはあくまでも引き分けた両者のうち、どちらが次のラウンドに進むか決めるためのクジのようなもの。

日本では、90分での勝利とPK勝ちの価値を区別するこのような考え方は、あまり無いと思いますが、私は、準々決勝のオーストラリア戦も今回の試合も、日本は90分戦って相手と引き分けたと認識した上で、良い試合が出来たのか、出来なかったのかという評価をしています。

このエントリーのタイトルは、前・後半90分が終わった時点で決め、延長PKでどちらが勝ってもこれで行こうと考えていました。

もちろん、PK戦で韓国に負けたという事実をこの目でしっかりと見ましたし、それを受け入れますが。

以上の点を踏まえれば、川口選手が「相手のキックを止められなかったのは自分の責任」と自分を責めるのはやめて欲しいですし、ましてや羽生選手がPKを失敗したことについて、彼を非難すべきでもありません。

まわりが川口選手や羽生選手を批判したり、彼らが自分自身を責めても、何の問題の解決にもならないと思いますし、自信を失って今後のプレーに影響が出ることのほうが心配です。

川口選手の読みの素晴らしさは相変わらず凄かったと思います。

 さて、今回の対戦相手である韓国ですが、パク・ジソン、ソル・ギヒョン、イ・ヨンピョら海外組がケガなどで参加せず、チョ・ジェジンやイ・ウンジェ、イ・チョンスらベテラン組と若手を融合させたチームで大会に臨んできました。

韓国代表は久しぶりに見たのですが、海外組が参加していないのを差し引いても、年々、チーム力が減退しているように思います。

個の能力・組織力ともに、以前ほどのレベルではありません。

今大会を通しても、バーレーンに負けたり、決勝トーナメントに進んでも3位決定戦まですべて0-0でPK戦へ、という結果がそれを表しているように思います。

3位決定戦の内容も、見るべきものは正直ありませんでした。

ジーコジャパン時代ですと、ボール保持率で上回るのは韓国の方だったのですが、この試合は五分五分か、日本のほうが少し上回っていました。(もちろん退場者が出る前の話)

これは近年ではあまり無い現象でした。

 ただ、韓国にも増して、ひどい内容だったのが日本代表でした。

試合内容を、前回のサウジ戦が100だったとすれば、今回は40ぐらいだったと思います。

前回エントリーで、3位決定戦に向けた課題として、

ゴール前でのシュートから逃げない、弱気で消極的な自分自身との戦いに勝つという課題を、日本代表はこの大会の内に克服して欲しいと思います。



ということをあげておきましたが、

ゴール前でのシュートから逃げないという課題以前に、質の高いシュートチャンスを造るというところまでなかなかいけませんでした。

前線へロングボールを無造作に放り込む攻撃が多くなってしまったことで、アジアカップ開幕戦から準決勝までの、日本の持ち味を生かしたパスサッカーがまったくできていませんでした。

この試合では、相手ゴールから25m付近の、いわゆるバイタルエリア前までボールを持っていくことがなかなかできず、そのために質の高いチャンスを多くつくることができなかったのです。

 その原因が、酷暑・連戦と長距離移動からくる疲労という単純なものであれば、それほど心配することでは無いのですが、別の理由だと、問題はちょっと深刻だと思います。

たとえば、サウジとのたった一回の敗戦で、これまで積み上げてきた自分たちのサッカーへの自信がもろくも崩れ去り、我を失ってパニックのように前線へ放り込むだけのサッカーになってしまった、

あるいは、「伝統の一戦」「絶対に負けられないダービーマッチ」である日韓戦だから、緊張で冷静さを失い、自分たちが普段やっているサッカーが、あの瞬間すべてブッ飛んでしまった、(W杯ドイツ大会でのオーストラリア戦のように)

といったように。

自分たちのサッカーができなかった理由が、そのどちらか二つであるならば、問題の根は深いと思います。

私は「気合や根性が足りないから試合に負けるんだ」みたいな、非科学的で無意味な精神論・根性論はまったく支持しません。

しかし、心・技・体と言われるように、スポーツにメンタルの強さ、自分を信じる力というものは欠かせないと思います。

これまで何度も言っているように、日本のサッカー選手の最大の弱点は、消極性と自信の無さです。

それはメンタル面での問題であり、この弱点が解消されない限り、どんなにすぐれた戦術があっても、高いテクニックがあってもフィジカルが強くても身長が高くても、無用の長物だと思います。

どんなにすぐれた戦術があったとしても個人に高いテクニックがあったとしても、シュートを打つことから逃げてしまえば、絶対にゴールを奪うことはできません。

 この試合でも数少ないシュートチャンスを、「シュートを打てるタイミングなのに打たない」ということで、ことごとくつぶしてしまいました。

後はクロスを入れるタイミングなのに、お約束のようにバックパスをしていました。

これは疲労うんぬんはまったく関係無いと思います。

準決勝・サウジ戦の敗戦で、「リスクをおかしてでもゴールを狙わなければ勝てない」ということを我々は痛いほど学んだはずです。

これは日本サッカー界全体が、高い犠牲を払って得た経験・財産として、末永く受け継がれていかなければならないものです。


しかし準決勝で得た教訓・経験を、日本代表は3位決定戦で何も生かすことはできませんでした。

ここまできて、何を守ろうとしているのでしょうか。

3位決定戦の内容には、本当に失望しました。内容で見るべきものは何も無かったと思います。

 私は、PK負けで良かったと断言します。

アジアカップ予選という真剣勝負の公式戦が、日本にはまだまだ必要です。

ぬるい親善マッチでは力が発揮できても、真剣勝負の場では弱いメンタルが原因で負けてしまうのでは、W杯で勝ちぬいていくことなんかできません。

それでは親善マッチを何試合やったところで、代表強化へとつながりません。

つづく



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