■日本代表、カタールにもったいなさすぎるドロー

 ベトナム・タイ・マレーシア・インドネシアの東南アジア四カ国共同開催となった、アジアカップ2007が開幕しました。

日本はB組に入り、共同開催国ベトナムにカタール・UAEと決勝トーナメント進出をかけて争います。

 日本の初戦の相手はカタール。

日本が幸先よく先制したものの、試合終了直前に不用意なミスから同点ゴールを浴び、試合はドローに終わりました。

対戦相手のカタールは日本とほぼ互角の実力、やや日本の方が上かと分析していました。

試合結果を見れば分析の通りと言えますが、集中力が切れやすい、一番点を取られてはいけない時間帯に、不用意なミスからまんまと同点ゴールを浴びたわけで、大変残念な結果となってしまいました。

カタールはこの組で一番強い対戦相手だと思いますが、日本が本気で2010年W杯で結果を出すつもりなら、こんな試合をやっていてはダメです。

 さて、試合展開の方は、前半からボールを支配する日本のペース。

しかし、ボールを失うことを恐れているのか、なかなかラストパス・クロスが入らず、ボールを支配しているわりにはシュートが少ないという嫌な展開。

カタールは、引いてカウンター狙いという戦術を徹底させ、日本に決定的なチャンスはつくらせないものの、効果的な攻撃も無いという状態。

前半22分、左サイドを突破した中村憲選手からゴール前にいた中村俊選手にボールが渡り、ワントラップして狙い済ましたシュートが、すべりこんだ敵DFに防がれたシーンが前半唯一といって良い日本の得点チャンスでした。

 後半開始直後はカタールが攻勢に出て、それが10分ぐらい続いた後、今度は反対に日本が攻勢に出ます。

後半12分、ゴール前で競った高原選手が落としたボールを山岸選手がボレーで狙いますが、ゴールマウスをとらえることができません。

16分、中村憲が起点となって左サイドを突破した今野選手が中央へボールを流し込み、それを高原が落ち着いて決めて、ようやく日本が先制。

先制後も日本が試合を支配し、カタールは非常に苦しい展開。

しかし、後半43分、阿部選手の不用意な判断ミスから日本のゴール前でFKを与え、壁のつくりが甘いところをセバスチャンの弾丸フリーキックがつき抜けて同点ゴールを許してしまいます。

ロスタイムに羽生選手の惜しいシュートがあったものの外れ、日本の初戦はドローという結果となりました。

 次に試合内容について分析しますが、リスクをかけなければならないところで怖がってリスクをかけないために攻撃がなかなかうまくいかず、リスクをかけてはいけないところでリスクをかけて守備でピンチを招き、そこからゴールを奪われてみすみす勝ち点2を失ったという試合でした。

そのどちらも、原因は日本人選手の一番の弱点である消極性と自信の無さだとの一言につきます。

日本人選手の一番の弱点が消極性と自信の無さだということは、このブログでも繰り返し述べてきましたし、「消極性と自信の無さ」さえ克服できれば、「日本サッカーがかかえる問題の大半は解消したも同然だ」といっても過言ではないと思います。

この試合でも、敵陣深くでラストパスやクロスが出せるタイミングなのに、ボールを失うのが怖いのか、安易にバックパスや横パスを選択してしまう、

「誰かが味方のサポートをするだろう」といった感じでパス受けの動きをせず、自分にパスが出ると予想外でびっくりしたように応対する、

浮きダマが落ちてきても「誰かが競るだろう」といった感じで、敵がフリーでヘッドするのを見ているだけ、といった場面がたびたび見られました。

試合の後半にはだいぶ良くなりましたが、試合の前半からもっと積極的にプレーしてもらいたいものです。そうすれば日本の攻撃はもっと機能したはずです。

また、相手のゴール前で敵選手がちょっとでも当たってくるとすぐに倒れて、
フリーキックをゲットしたいという狙いがミエミエのプレーも少なくありませんでした。

試合が経過するにつれてレフェリーも日本側の意図を見抜き、あまりファールをとってくれなくなりました。

「わざと倒れてフリーキックをゲットしよう」という消極的なプレーをするのではなくて、もっと自信を持ってドリブル突破なり、シュートなり勝負して欲しいと思います。

その結果、倒されたという場合ならレフェリーもしっかりファールをとってくれるはずです。

こういうところにも、日本選手の消極性・自信のなさがうかがえます。
 
 日本が失点する直前も、日本のDFラインがリスクを冒さずにシンプルに前へ蹴るということをせず、FWの数を増やしてきたカタールの選手の前で横パスを繰り返していて「危ないな」と思っていました。

そして失点のシーンは、中盤の浮きダマを誰も競りにいかず、カタールにフリーでつながれてラストパスを出されたのがまず問題。

カタールのラストパスが出た場面で、カタールの選手よりボールに近かった阿部選手が先にボールに追いついてタッチに蹴り出すなり自分で処理すれば、何の問題も無かったと思うのですが、

あえてGKの川口選手に任せたものの、川口よりカタールの選手の方が先にボールにさわりそうになり、川口が前へ出てくる時間を稼ぐために阿部がカタールの選手に当たりに行ったのをファールと判定されてしまいました。

国際試合のレフェリーとJリーグのレフェリーの判定基準は当然違うわけですから、何が起こるかわかりません。 阿部は絶対にファールにならないと判断したのだと思いますが...。

試合終了5分前の状況で、阿部がわざわざリスクが高いプレーを選択した原因は、「自分がやらずGKに処理してもらおう」という消極的な考えがあったのではないでしょうか。

このように、リスクをかけなければならないところでかけなかったために攻撃が今一つうまくいかず、リスクをかけてはいけない時間・場所でリスクをかけてしまったことが失点につながり、ドローという結果に結びついてしまったと言えるでしょう。

2003年フランスで行われたコンフェデレーションズ・カップでも、グループリーグ最終戦のコロンビア戦・引き分けでも日本が決勝T進出という状況で、宮本選手が自陣深くで非常にリスキーなヒールキックをして、それがミスとなってボールを奪われ、そのままそれが失点につながって予選リーグ敗退となったわけですが、まったくその反省が生かされていません。

代表選手がいつまでも経験の浅いルーキーみたいなことをやっていてはダメです。

 攻撃面でのその他のポイントでは、前半、日本の動きが硬く非常に消極的でしたが、後半10分すぎぐらいからは大分よくなりました。

アジアカップ2004年大会の初戦・オマーン戦の時より、連動性があってチームが組織として動けていたと思います。

ただ、いかんせんシュートが少なすぎです。
ゴールできなければ試合に勝てませんし、ゴールするためにはまず何よりシュートしないといけません。

特にクロスからのヘディング・シュートが少なすぎる、というより流れの中から出たヘディング・シュートはゼロだったような気がします。

その原因は、高原選手のワントップというシステムにあると思います。

ワントップだと二列目の中村俊・遠藤の両選手がもっと積極的にFWの役割をはたすように心がけないと、FWが一人になっている分、当然シュートが減ってしまうわけですが、もともと中村俊・遠藤の両人はパス主体で積極的にシュートを打つタイプではありません。

ましてやヘディング・シュートはもっと苦手でしょう。試合でほとんど見たことありません。

”パサー”という役割にこだわりすぎてチャンスメークはするけれども自分から積極的にシュートや得点を狙うことが少ない、オシムがいうポリバレント(多能性・マルチロール能力とも訳せるでしょう)が無いというのは、日本人MFの弱点です。

すると当然、クロスのターゲットが高原一人になってしまうわけで、これではヘディング・シュートもチーム全体のシュート数も少なくなってしまいます。

ワントップというシステムは「シュートに消極的な日本人」という弱点をもっと悪化させてしまうシステムだと思います。

やはり2トップに戻すべきではないでしょうか。

日本代表でワントップが機能したことは見たことありませんし、日本には向いていないようだから私は反対というお話は以前しました。

前回のコロンビア戦でも機能しませんでしたし、今回のカタール戦でも機能していなかったと思います。なぜオシムはワントップにこだわっているのでしょうか。

日本サッカー協会が「代表戦の視聴率が下がっているから、中盤にスターを並べてくれ」とオシムに頼んで、やってもらっているなら、本末転倒なのでやめて欲しいのですが。

 守備に関しては、酷暑の中まずまず組織的な守備が出来ていたと思いますが、敵をフリーでプレーさせない、五分五分のボールについては浮きダマでも何でも、必ず誰か一人が競りに行き、別の選手がこぼれダマの予測をして、なるべくマイ・ボールにするということをもっとがんばって欲しいと思います。

これが出来ていれば、失点はかなりの確率で防げるはずです。

 アジアカップ2007の初戦となったカタール戦は、攻守ともに日本代表が非常に消極的で自信が無さそうにプレーしているのが目につきました。相手が強かったというより、自滅した結果の引き分けと言えるでしょう。

次のUAE戦は絶対に勝たなければならない試合となりました。

一部のマスコミ報道では、まるで予選リーグ突破が絶望的になったかのように言う人がいますが、うろたえる必要は全くありません。

カタールはこのグループで一番力のある対戦相手であり、そことドローならば最低限の結果は残したと言えるでしょう。

UAEとベトナムにきっちり勝てば問題はありません。

日本代表の選手たちには、もっと自信を持って積極的にプレーをし、リスクをおかして積極的にチャレンジするところと、安全第一で絶対にリスクをおかしてはいけないところの判断をきちんとして欲しいと思います。

まず何より「攻守に積極的にプレーすること」を心がけることで、おのずから日本代表に結果はついてくると思います。

何百試合もサッカーの試合を見てきた経験から思うのですが、

サッカーの神様は、消極的で弱気で逃げ腰の選手やチームには、ついイジワルしたくなる性格のようです。

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 2007.7.9  ミーディン・スタジアム(ハノイ) 


  日本  1  -  1  カタール


  '61 高原       '88 セバスチャン


 GK 川口        GK サクル

 DF 中澤        DF シャマリ
   阿部          オバイド
   今野          ムスタファ
   加持          メシャル

 MF 鈴木        MF メサード
   中村憲        (マジディ 45)
  (橋本 82)       ウェサム
   遠藤         (マジド 75)
   山岸          タラル
  (羽生 74)       ヤセル 
   中村俊         ワリード
              (アデル 66)
 FW 高原
             FW セバスチャン



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