■中田英寿ラストメッセージを見て(その2)

 オシム氏の日本代表監督就任が正式に決定されるというニュースがあったので中断してしまいましたが、前回の続きです。

番組中のヒデの発言で、管理人スパルタクとやや意見が違ったのは、日本代表のDFラインを高く保つべきかどうかでした。

この問題は、W杯直前にマスコミでも報じられましたが、DFラインを低くして失点を防ぎたい守備陣と、「それでは攻めるとき相手ゴールが遠くなる」と言う攻撃陣との間で、意見の対立があったということでした。

ヒデは「DFラインを高く保てというのは、攻撃うんぬんというよりも、失点を防ぐためだ。 DFラインを下げれば敵選手を味方ゴールに近づけてしまい、一発のヘディングでやられてしまう。 だからDFラインを高く保って相手を味方ゴールから遠ざければ、それだけ危険が減る」と番組で主張していました。

「DFラインを高く保ってほしいのは、攻撃ではなく守備のため」というのは、私には初耳でした。

これに対してDFリーダーの宮本選手は、「重要なのはチームをコンパクトにすることで、場合によってはDFラインを低くするのはやむをえない」という考えでした。

私はどちらかというと、宮本選手の考え方に近いです。

ヒデの主張は間違いではありませんし、DFラインを高く上げると確かにヘディングシュート一発でやられることはないでしょうが、そのかわりDFラインの後ろに広いスペースが空きます。

こうなると、日本のDFラインの後ろのスペースにロングボールを落として、敵FWがオフサイドぎりぎりでウラへ抜け出したり、日本のDFと競り合った敵FWがヘッドでウラのスペースへボールを落とし、敵の二列目がオフサイドぎりぎりでウラへ抜け出すようなプレーがやりやすくなり、そうしたパターンからの失点の可能性が高まります。

ですから、DFラインを高くしても低くしても長所・短所があるのでDF陣が守りやすいほうを選び、そのどちらを選んだとしてもチームがDFラインからFWまでコンパクトさを保っていれば、さほど問題はないと思います。

 もちろん、ヒデの言うようにDFラインを高めに保つというのもアリですが、DFラインを高く保つか低くするかで選手同士がもめるのであれば、もっと早くにジーコが手を打つべきだったのです。

選手同士がもめて意見が二つに割れたら、どちらの道を選ぶか監督が決断すればW杯の直前になって、こんなゴタゴタはなかったでしょう。

ジーコジャパンがスタートした4年前に、負けても痛くもかゆくもないテストマッチをする機会は何度でもあったのですから、たとえばジーコが「しばらくは失点しても良いから、怖がらずにDFラインを高めに保とう。 テストマッチを繰り返すうちに高めのDFラインで失点を防ぐことに慣れてくれ。 もし高いDFラインで失点を防ぐことが不可能なことがわかったら、最終ラインの高さはDF陣の判断に任せる」と指示しておけば良かったのです。

にもかかわらずジーコが4年もの間、この問題をほったらかしにしたことが、日本代表の傷口を広げ、致命傷としてしまった感じがします。

 またヒデはオーストラリア戦の後半34分、FWの柳沢選手に代えてMFの小野選手を入れるという采配が、勝敗の大きな分かれ目だったと言っていましたが、私もあの采配には疑問でした。

日本は元気なFWを入れてオーストラリアにトドメをさしにいかなければならなかったのに、あの交代によって選手が混乱した、意思統一できなかったともヒデは言っていました。

ヒデの指摘を聞いていて、私は97年のフランスW杯予選・日本対韓国(国立)を思い出していました。

あの時、山口選手の美しいループシュートで先制し、試合終了まで20分以上ある段階で、当時の加茂監督はFWのロペス選手を下げ、DFの秋田選手を守備固めとして入れました。

しかしこれで選手たちの気持ちが守りに入って消極的になってしまい、先制点以降日本が押し気味だった試合の流れが、日本のFWが一枚減ったこともあって韓国へと向かい、韓国に押し込まれる展開となってしまいました。

そしてCKを与えてそこから同点ゴールを浴び、負けたわけではないのにガックリきた日本は、ロペスがいなくなってフリーで上がってきたCBのチェ・ソンヨンに逆転ゴールを決められました。

まるでW杯のオーストラリア戦は、あのときの日韓戦のリプレーのような展開でした。

一点リードの段階で守りに入った監督の弱気がピッチ上の選手に伝わり、選手たちも守りに入って消極的になってしまう。

一点を守ろうとすることだけが目標になるから、同点ゴールを浴びるとガックリして点を取り返そうという気力もなくなり、ガックリしたまま逆転ゴールを許してしまう。

現在の日本代表には、一点を守りきって勝つというサッカーは向いていないのかもしれません。

その意味で、加茂周氏が犯した過ちをジーコが再び繰り返してしまったと言えるのではないでしょうか。

 ヒデは「100%自分で満足できるパフォーマンスが出来なくなったり、ファンの期待に応えられなくなったら、自分としてはプロとして終わりだと思っている」と言っていました。

もう引退するという彼の決心は変わらないのでしょうし、私からも何も言うべきではないのでしょうが、やはり残念です。

ヒデは、年齢的・肉体的にはピークを過ぎていますし、ケガをあちこちにかかえているのかもしれません。

ですが、ポジショニング能力の質を高めれば、そうしたハンデをカバーしつつ、まだまだサッカー選手としてのレベルを上げていかれると思います。

日本人で世界最高峰レベルに一番近くて、手の届きそうな選手のひとりであるヒデが、世界最高峰レベルのサッカーを知らないまま引退してしまうのが残念でなりません。

それでは、ヒデの新しい人生が成功と幸福に満ちたものであるよう祈っています。



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