■中田英寿ラストメッセージを見て

 中田英寿選手(いや元選手と呼ぶべきでしょうか。どう呼んだらよいか難しいので以後は”ヒデ”で統一します)が引退するにあたっての心境を語った番組 ”ラストメッセージ”が先週放送されました。

ここのところ忙しかった管理人スパルタクはようやく録画しておいたその番組を見ることができましたので、その番組を見て考えたことを書いてみようと思います。

 まず印象に残ったのが、「トルシエのようにオーダー(命令・注文)を出すタイプの監督のほうが現在の日本代表には合っている」というヒデの言葉でした。

私も強くそう思います。つまりジーコは日本代表の監督としては早すぎたということです。

たぶんジーコは、技術・フィジカル・戦術眼・精神力といった個人能力がほぼ完成された選手を集めて、そうした個性がぶつかり合わないよう調整しながらチームを一つにまとめていくタイプの監督なんだと思います。

しかし日本代表のように、個人能力が基礎の段階でも完璧とは言えない選手の集まった、発展途上のチームを育てるのには向いていなかった。

ジーコが思っていたほど、日本代表の選手たちは
大人でもないし、完成されてもいませんでした。

やはり、選手たちが自分で正解を導き出せなかったときに、ヒントを与えたりお手本を見せたりして正解へと導き、個の能力とチームとしての組織力の双方を、基礎をおさえながら着実にアップさせられるタイプの監督が現在の日本代表には合っていると思います。

そして世界では劣勢にあるフィジカル能力をカバーするために高い組織力を日本代表に授ける必要がありました。

 ですが、ジーコがそういったタイプじゃなくて、「自由にやらせるから選手が個人個人で考えなさい」と言ってチームをつきはなしたので、日本代表に監督がいないような状態になってしまいました。

そしてチームが必要としている監督としての仕事をジーコの代わりにやろうとしていたのがヒデだったように思います。 それはあの番組を見て何度も感じました。

ところが、選手のひとりにすぎないヒデが監督のようにふるまうと、ジーコの自由放任主義をいいことにして、ぬるい仲良しクラブ状態だった他の選手たちとの摩擦が必然的に生まれてしまいます。

番組で、オーストラリア戦で逆転負けを喫して後がなくなったクロアチア戦前の紅白戦で、危機感があるのかないのかわからないような、ダラーっとした練習風景が映し出されていたのを見て、私はショックを受けました。

番組でヒデが「練習で厳しさをもてないチームだった」と指摘したように、私もジーコジャパン発足以来、このチームは練習でも試合でもダラーっとして緊張感に欠けるところがあると何度も感じてきましたが、それがあのせっぱつまった状況でも直らなかったからです。

そして、それを見たジーコがこの4年間で初めて激怒したという事実には更にショックを受けました。 これはジーコが自分のチームのコントロールを完全に失っていたことを意味します。

「選手たちが自分で考えて答えを出せればチームの成長はケタ違いになる」というジーコの考えの元に導入された4年間に及ぶ自由放任主義は、単にプロ精神に欠けた一部の代表選手を甘やかしただけで終わったように思います。

これでは100%自分たちの実力を発揮して、厳しいW杯の戦場で勝ちぬいていけるわけがありません。

監督が選手にナメられずに自らの本当の怒りを伝えられるのは人事をおいて他にありません。

本来なら監督が選手から嫌われても良いから、プロ精神の欠けた選手にカミナリを落とし、選手同士をどんどん競わせて実力のない選手は代表から外すといった、厳しさと緊張感が必要だったのです。

その厳しさがジーコには無かったために、日本代表がぬるま湯体質になってしまったのでした。

このように、本来なら監督がやらなければいけないチームマネジメントの仕事をジーコが意図的にやらなかったために、代わりにヒデが嫌われ役を引き受けなければならなかったことが、悲劇のはじまりだったと思います。

ジーコの人間性の良さを誉める人は本当に多いのですが、組織のトップは”良い人”というだけでは務まらないのもまた事実です。

たとえ選手に嫌われてもチームに厳しさと規律を与え、選手とチームの潜在能力を100%以上引き出せる人物こそ、今の日本代表監督にふさわしいのだと強く思います。

ヒデが、ドイツW杯に臨んだ今回の日本代表チームを「100%自分の力を出すやり方がわからないチーム」と評し、「日本代表がドイツで力を出し切れずに終わったことが非常に悔しい」と言ったことに強く共感しました。

私もずっと日本代表には厳しいことを言ってきましたが、川淵会長が言ったように選手の能力が足りなかったということだけが、ドイツでの敗因だとは思いません。

日本はクロアチアと引き分け、クロアチアはオーストラリアと引き分けています。 ですから日本・オーストラリア・クロアチアの三カ国同士の対戦は、勝ち・引き分け・負けのどの可能性もあったと思います。

ブラジル戦での負けは仕方ないとしても、日本・オーストラリア・クロアチアの三カ国が、残りの二チームとの試合を二勝で乗り切るか二敗で敗退するかは、監督の力量の差です。

監督がチームの実力をW杯の本番で100%引き出せたか引き出せなかったのかが勝負の分かれ目でした。

それにジーコとクラニチャルは失敗し、ヒディンクは成功した。
そのジーコを代表監督に据えたのは川淵会長だった。

ただ、それだけのことです。

つづく



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