■日本、ブラジルに完敗でグループリーグ敗退に終わる

 決勝トーナメント進出への最後の望みをかけて戦ったブラジルとのグループリーグ最終戦は、皆さんもご存知のとおり1-4の完敗に終わり、1分2敗のグループリーグ最下位で決勝トーナメント進出はなりませんでした。

 試合の方は立ち上がりからブラジルの猛攻を受けるも、川口選手のファインセーブ連発によって綱渡りで失点を防ぐといった展開。

しかし先制したのは日本。

前半34分に稲本選手の捨て身のパスが左サイドの三都主選手に通り、彼がすばやくパスを送ると、ゴール前にいた玉田選手が受けてウラへ抜け出し、ゴール左上に強烈なシュートを突き刺します。

ですが、前半ロスタイムの大事な時間にシシーニョからロナウドとヘッドでつながれて、日本のDF陣は完全にボールウオッチャー。

最後は簡単にフリーになったロナウドに痛すぎる同点ゴールを浴びます。

 後半は同点にされたことでがっくりきたのか、日本の運動量が激減し、ブラジルからボールを取り返そうともしません。

「勝ちたくないの?だったらこちらから行くよ」とばかりにブラジルの攻撃力爆発。

ジュニーニョのミドルから始まり、左サイドを突破してきたジウベルトには落ちついて流し込まれ、トドメは日本のDFラインの前から中澤をかわしてのロナウドの正確なシュート。

日本代表のドイツでの戦いは終わりました。

試合終了後、ピッチで倒れこんで空を見上げて悔し涙を流していた中田英選手が非常に印象的でした。

 さて、ワールドカップ一ヶ月前のキリンカップから私は、日本代表に関しての強い批判は封印してきました。

大会直前に日本代表の問題点を指摘しても今さら修正する時間もないでしょうし、いたずらにマイナスイメージを日本代表や日本社会に振りまくだけ、だったらポジティブな面を取り上げて自信を持って大会に臨めるようにプラスのイメージを与えるべきだと考えたからです。

しかし日本のドイツでの戦いは終わりました。
封印をとき、いつものスタンスで記事を書きたいと思います。

 ブラジル戦における日本の試合内容は、先制点をあげたシーンは素晴らしかったと思いますが、日本とブラジルの基礎能力の差を嫌というほど見せつけられるものとなりました。

それでもブラジルは終始、流している状態で日本に「レッスンを与えて」いましたが。

サッカーの基礎の話はこれまでの記事でさんざん書いてきたので、ブラジルのどこが基礎能力が高いのかはいちいち触れませんが、ブラジル代表は攻守にわたるチーム戦術・個人技の双方について、サッカーの基本をほぼ完璧にマスターしていました。

基本を完璧にした上で、しっかりとした基礎を土台に応用問題も難なくクリアしてみせるのがブラジルでした。

私はワールドカップの期間中、「日本代表は基礎を思い出せ」とずっと言ってきましたが、裏を返せば、サッカーの基礎もできておらず自国のサポーターから「サッカーの基礎を思い出せ」と言われているようなチームが、基礎は完璧にマスターしていて当たり前、難しい応用問題をどれだけ解いて見せるかが勝負というレベルのブラジル相手に勝つ確率など、本当に万が一だったと思います。

たとえば、グラウンダーのショートパスをつなぐというサッカーの基本中の基本をとってみても、ブラジル代表の各選手は局面局面で正しくポジショニングを取って、正しい姿勢で正確なパスを出し、正しい姿勢で球を受け、パス・ドリブル・シュートなど次のプレーにつなげていました。

しかし日本代表は、まず局面局面での正しいポジショニングが取れない。

取れたとしても正しいポジションをとるのが遅いから、いつも高速で走りながら球を受けなくてはならなくなる。 だからトラップミス・パスミスとなりやすい。

パスの出し手としても、味方が平気でブラジルの選手の陰にいて”ちんたら”歩いているので、無理やりグラウンダーのパスを通そうとすると、ブラジルの選手にボールをぶつけてしまう。

結局、パスの出し手も受け手も正しいポジショニングというのが分かっていないから、刻々と変化する局面局面で、どこへパスを出したら良いか、どこでパスを受けたらよいかが分からない。

だからブラジルがいとも簡単にパスを何本も通してみせるのに、日本は基本のショートパスを通すことさえ一苦労という状態。

パスの出し手がパスの受け手が通りすぎた後のスペースにボールを送って、パスの受け手がヒールキックで何とかつないで綱渡りのパス回しでポジショニングミスをごまかし、それを”ファンタジー”と勘違いしていたのが日本のサッカーだったと思います。

 いや、日本代表のほとんどの選手は「基礎を思い出す」どころかはじめから基礎そのものを知らなかったのかもしれません。

だからといって選手を責めるというよりは、ジーコ監督も含めて、サッカーの基礎を教えられる指導者が日本サッカー界にいなかった、日本にそうした指導者がいないのならサッカー協会が世界から連れて来ることができなかったことの方が問題です。

 オーストラリア戦でみせた日本代表のサッカースタイルは、おそらくW杯ドイツ大会で最低レベルのものの一つだったと思います。 ジーコジャパンになってからのテストマッチも含めても最低レベルの試合となってしまいました。

それを本大会の大事な第一戦に持ってきてしまうとは...。

守備はただ相手の正面に立ってパスコースを消そうとするだけで、プレスをかけずほとんどフリーでやらせていました。

攻撃もロングの浮き球を前線に単純に放り込むか、ボール保持者がチームプレーを忘れて強引なドリブル突破を試みてオーストラリアの組織的プレス守備にひっかかって球を失うばかり。 そして味方がドリブル突破に成功するのをひたすら”待ち”の姿勢で傍観する残りのメンバー。

あの試合、日本代表はボール保持者とロングに走りこむ二人ぐらいしかサッカーをしていませんでした。

サッカーの組織化が進んだ現在、こんな時代遅れのサッカースタイルをとっている国などあるのでしょうか。 少なくともフィジカルの弱い日本人向きの戦術ではありませんし、創造性のかけらも見られないサッカーです。

日本対オーストラリア戦を見たクロアチア代表のニコ・コバチが「日本はやる気がない」と評したらしいですが、私も三試合を通して「攻撃も守備も日本代表はやる気があるのか?」と何度も思い悲しくなりました。

敵の選手が日本ゴールに向かって突進するのをちんたら歩いて近くで見ている選手。

ドリブルしながら敵に囲まれて孤立している味方選手を、一番近くにいる選手が”コーチング”と称して、遠い選手に動けと指示し、自分は味方へのサポートから逃げて、またもやちんたら歩いている。

クロアチア戦・ブラジル戦と、だんだんと日本らしいサッカーを取り戻していきましたが、もう手遅れでした。

ただ最後のブラジル戦にしても、自信をすっかり失った日本代表のパフォーマンスは、とうてい決勝トーナメントを戦い抜けるものではありせんでした。

 今大会の日本代表を見て浮かんだ言葉は軟弱。 
フィジカルも戦術も個人技も選手ひとりひとりの気持ちもすべて軟弱でした。

どうして、こんな甘ったれたチームになってしまったのでしょうか?

涙をこらえてインタビューに答える中村を見て泣いていたサッカー解説者もいましたが、私は悲しかったけれども涙も出ませんでした。

きわめて論理的な当然の結果になっただけだと思ったからです。

2002年大会でベスト16の経験をしたチームをジーコは引き継いだわけですが、この4年間でレベルが全く上がらなかったか、もしくは2002年より日本代表は退化してしまったのではないかと強く思います。

99年のワールドユース準優勝、2000年のシドニーオリンピックベスト8、2002年ワールドカップベスト16と、順調に成長してきた日本の黄金世代が、ちょうど脂の乗り切った成熟期にあった2006年大会。

十年二十年先を見越した日本サッカー界の発展のためにも大きな果実を収穫しなければならない大会でしたが、その結果は無惨でした。

私は少なくとも決勝トーナメント進出を達成するぐらいのポテンシャルを持ったチームだったと思います。

しかし2002年の夏以降、このチームに個人技とチーム戦術の基礎知識、そして成功への自信を与えられる監督が欠けていました。

次回はジーコ監督のこの4年間について述べてみたいと思います。

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2006.6.22  シュタディオン・ドルトムント

  
   日本  1   -   4  ブラジル


   玉田 '34        ロナウド  '45+
               ジュニーニョ '53
               ジウベルト  '59
               ロナウド   '81


 GK 川口      GK ジーダ
              (セニ 82)
 DF 三都主
    坪井      DF ルシオ
    加地         ジュアン
    中澤         シシーニョ
               ジウベルト
 MF 中田英     
    小笠原     MF  カカ
   (中田浩 56)    (ゼ ロベルト 71)
    中村         ロナウジーニョ    
    稲本        (リカルジーニョ 71)
               ジウベルト シウバ
 FW 巻          ジュニーニョ
   (高原 60)  
   (大黒 66)   FW ロナウド
    玉田         ロビーニョ
 



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