■日本、クロアチアと消耗戦のすえドロー

 W杯ドイツ大会、日本の第2戦である対クロアチア戦は、0-0の引き分けとなりました。

第1戦を落とし、絶対に負けられない試合でしたが相手にPKを与えてしまい、可能性として負けもあった試合を引き分けに持ち込んだのは評価できますが、最低でも最終戦のブラジル戦を勝たなくてはならないという状況は同じで、依然苦しい状況は変わりません。

 試合のほうは、前半、初戦と違って少しだけ落ち着きを取り戻した日本がパスをつなげるようになり、ボール支配率ではやや日本がリードといったところ。

しかし、チャンスの質と数ではクロアチア。 コーナーキック数も圧倒的に差をつけられました。

前半21分には宮本選手がプルショを倒し、PK献上。
キッカーはスルナでしたがこれを川口選手がスーパーセーブ!

これが入っていれば日本のワールドカップは終わっていたかもしれません。

その後もクラニチャルのミドルシュートがバーに当たったり、クラスニッチのシュートをまたもや川口が横っ飛びでセーブするなど、きわどい場面がいくつもありました。

対する日本は小笠原・中田英両選手のミドルシュートぐらいで、相手を決定的に崩すまでには至らず。

前半は0-0で後半へ折り返します。

 後半開始そうそう、日本にビッグチャンスがありました。

右サイドを突破した加持選手が中央へ絶妙のクロスを折り返し、これを柳沢選手があわせましたが、相手GKの股間をぬけてゴール右へ外れました。

その後、30度近い暑さのために両チームとも消耗し、プレーの正確度が低下しました。

クロアチアはセットプレーを生かしてヘッドから得点を狙うもことごとく外し、日本も中田英の良いミドルシュートがありましたが、GKにキャッチされました。

 そしてとうとうタイムアップ。
両チームは勝ち点1づつを分け合いました。いや勝ち点2を失ったというべきでしょうか。

 それでは次に、日本代表の試合内容を見てみましょう。

攻めに関しては、まったくダメだったオーストラリア戦に比べると、いくぶんかパスを回せるようになりました。

しかしポールを受けた各選手は、どこへパスを出すべきかまだ迷っています。
そうした判断の遅れが、日本の攻撃からリズムやダイナミズムを奪っています。

また、まわりの選手の足も止まりがちで、そのことがいっそう日本の攻撃からリズムを失わせています。

まだまだ日本本来のサッカーとは言えません。

グラウンダーでパスが出せるスペースにいて自分より相手ゴールに近い選手が見えたら自動的にパスをして、その選手からリターンがもらえるスペースへ動いてサポートのポジションをとったほうが、迷って迷って結局バックパスをするのより何倍も得点チャンスが生まれると思います。

 クロスをあげるときも、こちらが1で相手が2以上という局面では無理をして抜こうとせず、相手のサイドの選手の前から余裕を持って十分な体勢からあげるアーリークロスをもっと使うべきだと思います。

オーストラリア戦・クロアチア戦ともに、サイドからのクロスが少なすぎて、ほとんどチャンスをつくれていません。

サイドを攻める選手がドリブル突破にこだわりすぎてボールを失い、ほとんどクロスをあげられないからです。

たとえ突破できたとしても、相手の人数が多くスペースも小さいところで無理に抜いてあげるクロスは、体勢が崩れているので精度が低く、チャンスに結びついていません。

あるいは、いったん抜きにかかったが相手の数が多くて断念し、いったんドリブルやパスで戻してからようやくあげるクロスも、ボールをこねくり回しているうちに、相手のDFにポジショニング修正の時間を与えるだけで、やっぱりチャンスに結びついていません。

相手のDF陣の態勢が整っていないうちに、正確なアーリークロスを味方にあわせるという攻撃をもっと増やすべきだと思います。

良いアーリークロスが入るようになると、相手はそれを警戒して前へ出てくるので、コーナーフラッグ付近にスペースができます。そこでドリブル突破からサイドをえぐるようにすると効果的だと思います。


 前回の記事で指摘したシュートに関しては、まだゴール前で味方にパスすることばかり考えている消極的な選手がいます。

試合の後半で玉田選手が左サイドを突破し、相手GKと一対一になりましたが、あれぐらいの角度になると日本のFWのほとんどが、ほぼ100%味方へのパスを選択しますね。

玉田も例外ではなく、あの場面で味方へのパスを選びましたが、ゴール前の高原?は相手DFの陰にかくれている状況で、高原を狙ったパスは彼の前にいた相手DFに思いきりぶち当たってしまい、得点チャンスをむざむざ失ってしまいました。

玉田は2004年アジアカップで、角度のないところから素晴らしいゴールを決めているはずです。 思い切ってシュートを打って欲しかったですし、たとえ相手GKにはじかれても、高原の前へこぼれて、高原がそれを押し込んでいたかもしれません。

しかし、敵DFにパスしてしまっては、得点の可能性はゼロです。

代表すべての選手が日本人選手のそうした限界を打ち破って、積極的にゴール前へつめて、積極的にシュートして、積極的にゴールを狙って欲しいです。

 柳沢が決定的シュートを外した場面では、本人が「アウトサイドではなくインサイドで打つべきだった」とコメントしています。

シュートを積極的に打ったことは評価しますが、W杯の日本の試合を二試合見て強く感じるのが、

日本代表各選手が「W杯は特別な舞台なのだから、特別なことをしてやろう。そうしないとレベルの高いW杯では勝てない」という意識が強すぎるのではないかということです。

「W杯は特別」という気持ちが強すぎるから、基本のインサイドで合わせれば楽にゴールできるところを、難しいアウトサイドを使ってシュートし外してしまう。

「W杯は特別」という気持ちが強すぎるから、特別なパス・特別なクロスをあげようとして、考えすぎ・迷いすぎてボールを持ちすぎてしまい、結局、相手に守備のために戻る時間を与えるばかりで、攻めが機能しない原因となっています。

今の日本代表の試合を、数学のテストにたとえれば、難しい応用問題ばかりにこだわって、基礎問題をおろそかにしているのです。

2×3=6という掛け算九九の基礎・数学の基本を忘れて2×3=5と間違って覚えてしまっているのに、200×300=という応用問題ばかり解こうとしている。

しかし2×3=というかけ算九九の基礎があやふやだから、応用問題に2×3の計算が含まれていると応用問題を解く能力以前の問題で、200×300=50000と間違えてしまう。

だから基本問題も応用問題も間違えて、合格点に達することができない。

日本代表からは、アウトサイドの難しいキックやヒールキック、パスがきてもまたぐプレーといった、”サーカスプレー”をしないとワールドカップレベルのサッカーとは言えないといった考え方を強く感じます。

しかしインサイドキックで狙ったところに確実にパスする、確実にゴールのワクに入るシュートをするという基本がおろそかになっているのではないでしょうか。

以前にも言ったことですが、日本代表の選手はサッカーの基本をもう一度よく思い出して、基本を大事にしたプレーをして欲しいと思います。

W杯のような、手ごわい相手とのハイレベルな試合といった苦しい状況では、普段できていたこともなかなかできなくなります。

そうした苦しい状況のなかで、ものをいうのは普段から身についている基礎の力をどれだけ発揮できるか
です。

基本ができるようになれば次に応用問題を積み重ねても基礎がしっかりしているので、大きく崩れるようなことはないと思います。

 つづいて守備ですが、いくぶんか良くはなりましたが、まだプレスはがんばれるはず。

流れのなかでのクロスやセットプレーからの日本のゴール前にあがるボールに対しては、結果的に0点に押さえたのでがんばったとは思いますが、相手に先にヘッドを許すような危ないシーンがかなりありました。

しかし、こちらが相手に体を密着させていたのと、相手のプレーの不正確さでゴールされることはありませんでした。

次の試合でも、マークのズレを絶対に起こさず、ゴール前での競り合いに集中して欲しいと思います。

 また日本のDFやボランチが相手選手にパスしてしまうような、イージーかつ命取りになりかねないミスが目立ちました。

ボランチでボールを奪われれば、うしろはDFだけ。DFが奪われればGKだけしか残っていません。

2004年でしたか、フランスでのコンフェデ杯グループリーグ最終戦で、宮本がコロンビアの選手にボールを奪われてゴールを浴び、それで決勝T進出を逃しました。

判断を速くしてシンプルかつ確実に味方にパスをし、相手に囲まれて危ないと思ったらロングの放り込みでもタッチ外に蹴り出しても良いですから、安全第一でやって欲しいと思います。

 守備面で、最後に気になったのは、クロアチアがフィジカルの強いエースFWのプルショを、中澤よりフィジカルの弱い宮本に対してあからさまに狙い撃ちにしてぶつけてきましたが、そういうときは中澤にプルショのマークを受け渡して、中澤がマンマーク気味にプルショについたほうが良かったのではないかと思います。

前回の記事・クロアチア戦はどう戦うべきか?であげた日本の課題とその対策は、まだ完全にクリアできていませんし、次のブラジル戦でも引き続き日本代表がクリアしなければならない課題です。

 絶対に勝たなければならなかったクロアチア戦を引き分けにしてしまったことで、日本の決勝トーナメント進出のためには、グループリーグの最後の試合であるブラジル戦は、最低でも2点差以上の勝ちが必要になってしまいました。

もちろんクロアチア対オーストラリア戦の結果しだいで、ブラジル戦の結果は関係無く敗退の可能性があります。

 状況は非常に苦しいです。

日本がブラジルと戦えば、十回やって一回勝てるかどうかですが、なんとしてもその一回を6月22日に実現しなくてはなりません。

そのためには、攻守の基本と日本本来のサッカーを良く思い出して、最後まであきらめずに、すべてを投げ出してぶっ倒れる覚悟で戦って欲しいと思います。

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2006.6.18 フランケン・シュタディオン
      (ニュルンベルク)


    日本  0  -  0  クロアチア


 GK 川口        GK プレティコサ

 DF 宮本        DF シムニッチ
    三都主          R・コバチ
    加地           シミッチ
    中澤
              MF トゥドール       
 MF 中田英         (オリッチ 70)
    小笠原          スルナ
    中村          (ボシュニャク 87)
    福西           バビッチ
   (稲本 46)        N・コバチ
                 クラニチャル
 FW 高原           (モドリッチ 78)
   (大黒 85)
    柳沢        FW プルショ
   (玉田 61)        クラスニッチ

  

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