■日本、オーストラリアに逆転負け

 2006年W杯ドイツ大会、日本の初戦となったオーストラリア戦は、1-3の逆転負けとなりました。

この試合を見て感じたことは、日本代表は何もかもが消極的だった、ということでした。

 今年最初のテストマッチとなったアメリカ戦直後の記事で、私はこう予言しました。

特に前半戦は、アメリカの組織的守備と日本の攻撃の組織力とを比較した場合、明らかにアメリカの守備組織の方が上回っていました。
アメリカの速くて激しいプレスに日本の選手は全くパスを回せなくなり、バック・パスに逃れるか、パニックになったように前方へ精度の低いロングキックをするだけでした。

これがアメリカの狙っているサッカーであり、日本はまんまとハメられたのです。

今回のアメリカ代表戦は仮想オーストラリア戦であると以前言いましたが、オーストラリア代表監督のフース・ヒディンクが狙っているのも、正にこの形でしょう。

オーストラリアもまず、速く激しいプレスをかけて日本のパス回しを封じようとするでしょう。

特にフィジカルの弱い中村選手がいつものように激しいプレスを嫌がって、サイドかボランチのラインまで逃げるようになると、中盤がポッカリ空いて、日本のパスはほとんど回らなくなると思います。

パスが回らなくなると日本の選手は中盤やサイドでの個人技によるドリブル突破で局面の打開をはかろうとするでしょうが、フィジカルの強いオーストラリアの選手のプレスにますます引っかかって相手の思うツボとなるでしょう。

最後に日本代表は、ヤケクソのような前線へのアバウトなロングパスでどうにかしようとするでしょうが、日本より身長が高くフィジカルも強いオーストラリア代表のバック陣に跳ね返されるだけとなります。

こういうパターンにハマると日本が勝つ可能性は限りなく低くなります。 運が良くて引き分けでしょう。 W杯の本番で、こういったゲームをやってしまえば、決勝トーナメントに行ける確率は限りなく小さくなります。



また、マルタ戦直後の記事では、

ワールドカップのアジア予選にしろアジアカップにしろコンフェデにしろ、日本代表はエンジンのかかりが遅く、テンションが低いまま漠然と大会の第1試合に臨んでしまい、苦戦するという特徴が見られます。

昨年のW杯の予行演習ともいうべきコンフェデでも、第1戦のメキシコ戦にボーッとした感じで臨んで日本の目が覚める前にメキシコにやられてしまい、欧州チャンピオンのギリシャに勝ち、ブラジルと引き分けたにもかかわらず、決勝トーナメント進出を逃しました。

これではいけません。W杯は短期決戦であり、本番で同じ事が起こったら挽回は難しくなります。

W杯の本番では、第1戦のオーストラリア戦から全力で立ち向かって、相手から勝ち点3を取らなくてはなりません。

 体調管理とともにモチベーションの管理もしっかりとやって欲しいです。後で後悔しないためにも。



と警告しておきましたが、実際オーストラリア戦は予言したとおりの試合となってしまい、

このブログを日本サッカー協会関係者が見ているわけもないでしょうからどうしようもありませんが、私がこうなる可能性が高かった事がわかっていながら、どうすることもできなかったのは、非常にもどかしいです。

 グループリーグの初戦、気温30度以上の暑さ、相手にゲームを支配されて受身になる展開、数少ないチャンスから日本が先制点を奪う、という試合はこのオーストラリア戦の前にも見たことがあります。

2004年アジアカップ初戦のオマーン戦です。

しかし展開は一緒でも結果は違いました。

オマーン代表はゲームを支配しながらも決定力がなかったので、日本は勝つことができましたが、オマーンより数段チーム力が上のオーストラリア相手では、リードを守りきることはできませんでした。

 ほとんどの時間、ゲームとボールを支配され、チャンスもシュート数も圧倒的にオーストラリアの方が上。

日本は相手を崩して決定的なシュートチャンスをつくることがほとんどできませんでした。 これでは試合に勝つのは難しいです。

それでも後半30分ぐらいまで、相手GKのミスという幸運で1-0でリードしていたものの、「このままオーストラリアに失点を許さなければ1-0で日本の勝利。しかし、1点でも取られたら逆転されるのは時間の問題だろう」と考えていました。

 オーストラリア戦で、日本代表は自分たちの持ち味をまったく出せなかったと思います。 日本の持ち味、それは能力の高いMFを中心にすばやくショートパスを回して相手を崩すスタイルです。

しかし、それが全くできませんでした。

守って守ってロングボールでカウンターを狙う、点を取ったら守りきって勝つという昨日の試合の戦い方は、この四年間で日本代表が積み重ねてきた戦い方ではありませんでした。

 なぜこうなってしまったのかと言えば、W杯という大舞台で失敗したくないという思いが強すぎて、大事にいきすぎた結果、消極的になりすぎたのではないでしょうか。

日本の選手ひとりひとりが「ボールを大事にしたい。相手に奪われたくない」という思いが強すぎて、ドリブルが多くなって球ばなれが非常に遅くなりました。

それによって日本はいつもの攻撃のリズムを失い、自分たちの普段のサッカーを自分たちで放棄してしまいました。

ボールを持っている味方のまわりにいる選手も、消極的な”待ち”の姿勢ばかりで、パスを受けるためにサポートしやすい、ボール保持者に近いスペースに移動するのではなく、味方がドリブル突破で相手を抜いて局面を打開するのをひたすら待つという光景が見受けられました。

しかし、フィジカルでまさるオーストラリアのプレスディフェンスによってドリブルは阻止され、ほとんど機能しません。

 また、浮き球のロングボールの放り込みによる単純な攻撃も多用していました。

もしかしたら、ショートパスをカットされることを恐れたのかもしれませんが、ロングボールによる放り込みサッカーは、むしろ身長が高くフィジカルの強いオーストラリアが得意とするスタイルで、日本が得意とする攻めのパターンではありません。

ドリブルとロングボールの放り込みを多用したサッカーは、自分たちよりも相手に有利となり、結果としてチャンスらしいチャンスをほとんどつくれなかったと思います。

 また、暑さのせいもあったのか、守備も相手選手への体の寄せが足りなかったように思います。

パスコースを限定するだけで、体を寄せにいかないので、オーストラリアにどんどんパスをまわされて、ゲームを支配されてしまいました。

本来ならオーストラリアがやったような守備を日本がやりたかったのです。

球が相手のポストプレーヤーに入る瞬間、体を密着させないので、ポストプレーもかなり自由にやられました。

選手ひとりひとりの距離が離れ、攻守にわたってサポートしづらい状況、チーム組織をつくりづらい状況にもなっていました。

 結局のところ、攻めも守りも相手より走り負けたために、パスがつながらない、プレスをかけてボールを相手から奪い返せない、といった状態になってしまったことが敗因でした。

日本の選手は、暑いから最後まで足が止まらないように、体力をセーブしていたのかもしれませんが、もしそうなら本当に消極的な考え方だと言わざるをえません。

オーストラリア戦が終わっても次のクロアチア戦まで中5日もあります。
試合終了と同時にぶっ倒れるまで走り回っても、体力を十分回復させる時間があります。

にもかかわらず、あのような運動量の少なさでは、勝てるゲームも勝てなくなります。

実力を出し切らず、温存して敗退することほど、悔しいことはないのではないでしょうか。

サッカーの一番の敵は、消極性です。

 さあ、これで残りのクロアチア戦とブラジル戦は、勝ちにいかなければならなくなりました。

残り二試合ともクロアチア・ブラジルに攻守で走り勝ち、日本の持ち味を生かしたサッカーをして二連勝できるように、選手が試合後にぶっ倒れるぐらい全力を出し切った試合をしてほしいと思います。

オーストラリア戦のたった一回の負けで下を向いたままドイツから帰るのか、
それとも強い精神力で二連勝して、W杯の真剣勝負の場でチームの成長を世界に示すのか、いま日本代表の真価が試されていると思います。

私は、次のクロアチア戦で日本代表が精神面での成長をみせてくれることを、そして日本代表の選手たちを信じています。

(今回のオーストラリア戦でみられた、日本代表の問題点は、以下のエントリーでもふれています。 代表の悪い時のパターンは決まっているということです)


http://spartak.blog5.fc2.com/blog-entry-11.html

http://spartak.blog5.fc2.com/blog-entry-14.html

http://spartak.blog5.fc2.com/blog-entry-15.html

http://spartak.blog5.fc2.com/blog-entry-44.html

http://spartak.blog5.fc2.com/blog-entry-52.html

http://spartak.blog5.fc2.com/blog-entry-61.html

http://spartak.blog5.fc2.com/blog-entry-65.html

http://spartak.blog5.fc2.com/blog-entry-110.html

http://spartak.blog5.fc2.com/blog-entry-127.html

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2006.6.12 フリッツ・ヴァルター・シュタディオン
(カイザースラウテルン)


 オーストラリア 3  -  1  日本

 カーヒル  '84       中村 '26
 カーヒル  '89
 アロイージ '90+


GK シュワルツァー    GK 川口

DF ニール        DF 宮本
   ムーア           中澤
  (ケネディ 61)       坪井
   チッパーフィールド    (茂庭 56)
                (大黒 90+)
MF カリーナ
   エマートン      MF 三都主
   グレッラ          駒野
   ウィルクシャー       中田英
  (アロイージ 75)      中村
   ブレシアーノ        福西
  (カーヒル 53)       
   キューウェル     FW 高原
                 柳沢
FW ビドゥカ         (小野 79)
  

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