■日本、スコットランドと雨中のドロー

 第1戦を落し、スコットランドがブルガリアに勝ったため、日本が優勝するためには3点差以上つけて勝利しなければならなかったキリンカップ第3戦、日本対スコットランドは、スコアレスドローに終わりました。

スコットランドは、レンジャースのファーガソンやウォルバーハンプトンのケニー・ミラーらを欠く、1.5軍から2軍のチームでした。

日本も国内組だけで条件は同じでしたが、やはりホームだけに絶対に勝たなければならない試合をドローにしてしまったのは残念でした。

 試合展開をざっと振り返ると、ゲーム開始直後こそスコットランドにペースを奪われましたが、15分ごろから日本が押しこみ、スコットランドは自陣に引いてカウンターを狙うような展開となりました。

24分には、加地選手の強烈なロングシュートがポストを直撃し、跳ね返りを久保選手が狙うもバーの上にはずれました。

43分には三都主選手→玉田選手とつないで、ゴール前中央に飛び込んできた小野選手がボールを受けて相手選手をうまくかわしてシュートするもGKにはじかれ、こぼれ球を小笠原選手がシュートしたものの相手選手に防がれサイドネットを揺らしただけでした。

このシーンはこの日最も得点に近づいた瞬間でしたが、小野はほんのワンタッチだけ多かったかもしれません。

 後半も日本が攻めて、スコットランドが引いてカウンターを狙うという展開。

7分、小笠原の強烈なFKはGKにうまくセーブされ得点ならず。

24分、小笠原がボールを奪われカウンターを食らいます。 ボイドが落したボールを走りこんだレイがシュートするも、うまくヒットせず川口選手がキャッチ。

ロスタイム、相手ゴール正面でのFKは、三都主がうまく蹴ったが相手GKもファインセーブで得点ならず、ここで試合終了のホイッスルとなりました。

 試合内容の方は、前回より守備がいくぶんか良くなりましたが、まだプレスはがんばれるはず。

本大会で当たる、ブラジル・クロアチア・オーストラリアはスコットランドより攻撃力は上ですから、運動量豊富にガチガチ守備に行って、相手に自由にやらせないようにしないと合格点はあげられません。

 攻撃の方は、前回より少し良くありませんでした。

その原因は、ブルガリア戦でも少しそうした傾向が出ていましたが、2トップとDF最終ラインまでの距離が間延びし過ぎて、コンパクトな陣形が崩れたことです。

DF陣は失点を警戒して下がり気味になり、得点が欲しくてたまらないFW陣は相手DF最終ラインのウラへウラへと早く飛び出そうと焦る結果、チーム全体が間延びして中盤がぽっかり空いてしまうというのは、日本代表が調子を崩すいつものパターンです。

こうなると、選手ひとりひとりの距離が開きすぎて、パスを強く速くしないと通らなくなり、パスもトラップも難しくなります。

結果としてパスミス・トラップミスが多くなり、チャンスメークに失敗してフィニッシュまでいけず攻めのリズムを失うという、やっぱりいつものパターンとなります。

また、選手同士の距離が離れすぎてしまったために、パスの出しどころが少なく、ボール保持者が長くボールを持ちすぎてしまったことも、攻めのリズムを失わせた原因でした。

前回の試合と比べると、ブルガリア戦はチャンスメークはうまくいったがシュートを外してしまったために、なかなか得点できなかったのに対し、

今回のスコットランド戦は、チャンスメークがうまくいかなかったために、決定的なシュートシーンも少なくなって、得点できませんでした。

 スコットランドは引き分けでも優勝ですから引き気味で来たわけですが、引き気味ということは、相手DF最終ラインとキーパーまでのスペースが狭くなっているということです。

この状況で日本のFWが得点を焦ってウラばっかり狙っていると、相手もウラを取られるのを警戒しますから、このスペースがもっと狭くなってしまうわけです。 スペースが狭くなると、FWがウラを狙いそこへパスを通すのが難しくなります。

日本のFWが得点を焦ってウラばっかり狙う
       ↓
相手がウラを取られるのを警戒してスペースが狭くなる
       ↓
ウラへ抜け出すプレーが難しくなって得点チャンスが遠のく
       ↓
点が取れないから日本のFWが焦ってもっとウラばっかり狙ってしまう

という悪循環です。
こうなるとチャンスメークがうまくいかず、なかなかフィニッシュまでいかないので、攻撃がつまってしまうわけです。

 しかし、相手が深く引いているということは、逆を言えば相手のDF最終ラインより前にスペースがあるということです。

つまり、相手センターバックより前のスペースで足元へのショートパスをうまく使って攻撃を組み立てるべきなのです。


コンパクトな陣形を保って、選手同士がサポートしやすいような近い距離を保ちつつ、まず相手ボランチの前のスペース、次に相手センターバックの前のスペースへと味方選手とボールを送り込んで、中盤を組み立てます。

そしてFWや2列目の選手が、相手のセンターバックの前のスペースでボールをもらって前を向いて基点となり

相手DFの前からフェイントをいれてシュート、あるいはちょこんとグラウンダーのスルーパスを出して味方にウラへ飛び出させる、サイドへ開いて外の選手がもう一度中にクロスをいれてFWに飛び込ませるといった具合にです。

特に相手センターバックの前のスペースにポジショニングして基点がつくれると、相手はそのスペースを使われないように、最終ラインを上げてプレスをかけてくるでしょう。

そうなると、ウラのスペースが広くなって逆に味方FWが相手のウラを取りやすくなります。

押してもダメなら引いてみな、引いてもダメなら押してみなというわけですね。

ポジショニングの問題に関連して、日本の選手は正しいポジショニングをとるための動き出しが遅いように思います。

動き出しが遅いとダッシュで、局面局面での正しい位置へと移動しなければなりません。

自ら急スピードでダッシュしながら味方からの強いパスを正確にトラップしパスをつなぐのは難しく、ミスの確立が高くなります。

それに敵DFはゆっくり動く相手より急スピードで動いている相手を警戒しマークするものです。

敵DFにつかれ、急スピードで動きながら味方からの強いパスを受けて正確に次のプレーにつなげるのは、もっと困難になります。

今回のスコットランド戦で、球回しがギクシャクしてうまくいかなかったのは、これが原因だったと思います。

しかし、次のプレーを予測してゆっくり歩くだけで十分ですから動き出しを早くし、早め早めに正しいポジショニングをとっておけば、自分はほとんど動かず、ボディシェイプを変えるぐらいで余裕を持ってパスを受けることができます。

こうすれば、たとえ味方からのパスが強くてもトラップミスの確立は減るでしょうし、相手DFのマークをはずしやすくなります。

次のプレーを予測して早め早めに正しいポジショニングをとって、次の局面のために準備しておくということの大切さがわかっていただけると思います。

イングランドのクラブのエンブレムには "ready"という言葉が入っているものがありますが、前もって準備をしておくことの大切さを言っているのではないでしょうか。

DF陣は失点を警戒して下がり気味になり、逆にFWは得点を焦ってウラへウラへと抜け出す攻撃一辺倒になったりと、日本代表はどうもFWからDF最終ラインまでをコンパクトに一定に保つことがあまり得意ではないので、本番までに良くチェックして修正して欲しいです。

 今回の試合が国内での最後のテストマッチとなりました。 明日にはW杯に向けた召集メンバーが発表されます。

海外組がはいることで、日本代表の試合内容もがらっと変わってくることでしょう。

2006W杯ドイツ大会は、2002年の大会でトルコに敗れ、非常に悔しい思いをして中断せざるをえなかった旅のつづきです。
また98年大会で0-1と敗れたクロアチアに対するリベンジの戦いでもあります。

あの悔しさを今一度胸に刻んで、自信と強いハートをもって大会に臨んで欲しいと思います。



----------------------------------

2006.5.13 埼玉スタジアム2002

   日本 0  -  0 スコットランド



GK 川口      GK アレクサンダー

DF 三都主     DF ウィア
   加地         マーティ
   宮本        (マクナミー 80)
   中澤         アンダーソン
  (坪井 50)      ネイスミス
             (マレー 46)
MF 福西         コールドウェル
   小野
   小笠原     MF マクローチ
   遠藤        (ミラー 70)
  (佐藤 73)      ティーレ
             ( バーク 60)
FW 久保         セベリン
  (巻 62)      (レイ 46)
   玉田         フレッチャー

           FW マクファデン
             (ボイド 60)
  

■コメント

■コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

 



管理人多忙につき、マメにレスを差し上げられません。
ゴメンナサイ。
もちろん、すべてのコメントは拝見させていただきますが、サイトポリシーに違反したものは、予告なく削除します。
悪しからずご諒承ください。

プロフィール

スパルタク

  • Author:スパルタク
  • FC2ブログへようこそ!

月別アーカイブ






   

ブログ内検索