■日本代表、エクアドルに充実の勝利

 日本代表のワールドカップ出場メンバー決定まで残り試合が少ない状況で、昨日行われたテストマッチ・対エクアドル戦は、1-0で日本の勝利となりました。

 今回の対戦相手のエクアドル代表は、ラインを押し上げてコンパクトな陣形を保ちつつプレスをかけ、ボールをとったらショートパスをつないで崩しにかかる、現代的な戦術のチーム。

しかし、国内組中心の実質1.5~2軍といった感じで、それだけに引き分けも許されない相手でしたが、日本代表がきっちりと結果を残してくれました。

 試合の方は、ショートパスで攻撃を組み立てる日本がまず主導権を握ります。

前半20分に日本のプレスからボールを奪い、左サイドの三都主選手が精度の高いアーリークロスをゴール前へ入れて、久保選手がボレーで合わせたものの、おしくもゴール右へ外れます。

25分を過ぎると、エクアドルの時間となり、33分にテノリオの強烈なミドルシュートをGK川口選手が左手一本ではじき、それがクロスバーに当たって、ヒヤリとする瞬間もありました。

しかし、その後は日本が再び主導権を取り戻し、攻撃するも得点に至らず、前半は0-0で終了。

 後半はやや日本が一方的に攻める展開となります。

2分に久保がボレーを狙いましたが、ヒットせず。
20分には、玉田選手が後ろからの難しいボールを胸トラップ、反転しつつ素晴らしいシュートを打つも、GKに防がれます。

23分にも久保が三都主のクロスを頭で合わせたのですが、シュートが弱くGKにセーブされました。

攻めながらも得点がとれない状況で、ジーコ監督は30分すぎに佐藤選手を投入しますが、この采配がズバリ当たりました。

左サイドでボールを相手から奪うと、小笠原選手が三都主へスルーパス。これを三都主がゴール前のニアへグラウンダーで絶妙に流し込むと、GKの前へ飛び出した佐藤がうまくコースを変えて、待望のゴール!

結局これが決勝点となり、1-0で日本代表が勝利しました。

あと、これは別に気にする必要もないと思いますが、中南米チームからジーコ・ジャパンがあげた初めての勝利というオマケつきの試合となりました。

 それでは、日本代表の攻守の内容についてですが、非常に良かったと思います。

 まず攻撃からですが、ショートパスを多用した日本の持ち味を生かした攻撃ができました。

福西・小野・小笠原三選手のからんだ中盤の組み立ても、選手とボールがよく動いて、スムースに機能していたのではないでしょうか。

また、三都主のアーリークロスが精度が高くて、サイド攻撃を非常に効果的なものにしていました。

 あとは真中の選手がゴールにたたき込むだけでしたが、なかなか決まりませんでした。 それでも自分たちのやり方を信じて、粘り強く攻撃を続けたことが、佐藤の決勝ゴールを生んだように思います。

シュートを外したことに関しては気にする必要はないでしょう。 それよりも、本番までに少しでも決定力が上がるよう、各選手の努力に期待します。

 攻撃で課題があったとすれば、ボールを受けるためのポジショニング修正の動きをもっと速くして、もっと高度な攻撃を目指して欲しいという点です。

この試合では、エクアドルのプレスが速かったので、日本代表のパス回しもそれを打開するために、かなり速くなっていたのですが、ボールを受ける日本の選手の動きがそれについていけてない部分があって、結果的にミスパスになってしまう場面がありました。

必ずしも何十mも走る必要はありません。 数m移動すれば良いだけの局面も沢山あります。 

局面局面で先を読む能力をもっと高めて、早めに正しいポジショニングをとっておけば、もっと素早くショートパスを回して、相手の守備陣形をズタズタにすることが可能になります。

ブラジルのような強敵と戦うまでに、ぜひ日本代表が身につけておきたい能力です。

 課題の二つ目は、日本の持ち味を生かしたショートパスによる攻撃が、割合コンスタントに出来るようになってきましたから、今度は、相手がショートパスの組み立てを封じ込めにきた場合の対処方法を、覚えておくべきです。

エクアドルはラインを上げて、陣形のタテの長さをコンパクトにして、選手を密集させることでプレスをかけやすくして、日本のショートパスの攻撃を封じ込めにきました。 これは、セオリーです。

そして先ほど述べたように、日本のミスパスを誘ったり、プレスにかけてボールを奪ったりしていました。

こういうときは、相手が高く押し上げている最終ラインと相手GKの間のスペースが大きくあいているはずですから、そこへ浮き球のロングボールを落して、FWにオフサイドぎりぎりでウラへ抜け出すようにさせるとよいでしょう。

こうすると、たとえFWがゴールを決めることが出来なくても、相手のセンターバックがウラを取られるのを恐れて、ラインを下げるでしょうから、そうすると、相手の陣形が少し間延びして、敵センターバックから前にスペースが出来てきます。

こうなると、相手のプレスがかけにくくなりますから、日本の持ち味であるショートパスの攻撃がやりやすくなります。


そして、こちらのショートパスの攻撃が続いて、相手の陣形が再びコンパクトになってきたなと感じたら、またロングボールを相手のバックラインのウラへ落してやれば、良いわけです。 (ロングばっかりにならないように注意)

 守備に関しても、プレスディフェンスがかなり機能していて内容は良かったと思います。

この試合では守備を注目すると以前言いましたが、相手を失点0に抑えたことは、評価できます。

ただ、ブラジルやクロアチアのような攻撃力のある強敵に対しては、もっと激しいプレスを長い時間かけ続ける必要があります。 もちろん、オーストラリアが相手だとしても、プレスを弱めて良いということにはなりません。

そして50/50のボールに対しても、もっと激しく競って、こぼれ球をマイボールにしたいところです。

守備の課題についてはそれくらいですが、一点だけ気になったのは、ボランチの小野はプレスをがんばっていたのですが、福西の方が相手を見てしまってプレスをゆるめる局面が何回かあった事です。

おそらく彼としては、スペースを埋めてバランスをとる意図でやったことだと思いますし、フリーの敵選手のマークにつくよう味方に指示も出していました。その意図は理解できました。

しかしバックラインの陣形が整っている状況で、ボランチの前にボールを持つ敵選手がいたら、なるべく早く間合いをつめて、前方へのパスコースを切ることを最優先にすべきだと思います。 (できればプレーの先を読んで、相手がボールを受ける前に、移動を完了させてしまう)

前方へのパスコースを切って、股ぬきパスさえ気をつけておけば、そもそもスペースを埋めておく必要はなくなりますし、浮き球のパスを頭越しに出されてもボールが落ちてくるまでに時間があるので、他の味方選手が応対可能です。

それに彼がマークしていたスペースなり敵選手なりは、別の選手が見るように受け渡しておけばよいでしょう。

まず、相手のボールを持った選手をフリーで前を向かせないことが最優先課題だと思います。もしそれを許すと、相手の攻撃の選択肢が増えて、その後の応対が難しくなります。

そして後ろの陣形が整っているようだったら、一人目がプレスをかけて相手がバランスを失ったところを、味方の二人目がボールを奪うようにすれば、プレスがうまくかかると思います。

プレスがかけられない状況では、かならずピッチ中央方向を切り、逆にわざと外を少しあけて、相手を危険の少ないサイドへサイドへと追い込んでおけば、そう簡単にはやられないでしょう。

もちろん、サイドから敵のクロスが入ったとき、ゴール前のマークのずれは絶対に起こさないことが最低条件ですが。

 個人では精度の高いクロスを数多く出した三都主と、少ないチャンスを確実にものにした佐藤が良かったと思います。

小野は、自らのプレーがしっくりこないようなコメントを残していましたが、そんなことはありません。

守備では献身的にプレスをかけ、攻撃ではトップ下やサイドにうまくボールを散らして、基点となっていました。 たぶんトップ下の選手のように、ラストパスを多く出せなかった事が、「しっくりこない」原因ではないでしょうか。

しかしボランチの役目はそういうものですし、ラストパスが少なくても見る人が見れば、小野の貢献度の高さはすぐに理解するはずです。

それでも自分の持ち味を生かしたいのであれば、ゲームの流れの中でチャンスがあった時に、トップ下がボールを持って前へ向いたとき、小野がそれを追い越してボールを受け(同時にトップ下がボランチへ下がってカバー)、ラストパスやシュートという形をつくると、マークされがちなトップ下の負担を軽減し、小野自身もプレーの満足度があがり、日本代表の攻撃の幅がもっと広がると思います。

 では、最後にまとめますが、今回のテストマッチは、攻守に渡って内容がかなり良かったと思います。

先制点を入れるまで苦労しましたが、自分たちのやり方・持ち味を信じて最後まで粘り強く攻撃を続け、そのことによって、結果もきっちり出したところに、大きな意味があったと思います。

守備もまずまず安定していました。守備の弱いチームは、W杯での活躍はまず望めないだけに、これも重要です。

 W杯直前のテストマッチでは、これをベースとして海外組との融合をすすめつつ、もっともっと攻守にわたるサッカーのレベルをアップして欲しいと思います。

ブラジル・クロアチア・オーストラリアというタフなグループに入ったのですから、日本代表がこれ以上レベルアップして困るということはありません。

もっと貪欲に高いレベルのサッカーを追及して欲しいと思います。

------------------------------------------

   2006.3.30 九州石油ドーム(大分)


  日本  1  -  0  エクアドル

 '85 佐藤


GK 川口     GK モラ

DF 坪井     DF ペルラサ 
   宮本        ジョージ
   中澤        コルテス
             エスピノサ
MF 加地
   福西     MF ウルティア 
   小野       (サリタマ 85)
   三都主       ソレディスパ
   小笠原      (カイセド 67)
             アジョビ 
FW 久保        テノリオ
  (佐藤 77)
   玉田     FW  バルデオン
  (巻 77)       カルデロン
            (フィゲロア 67)
  

■コメント

■コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

 



管理人多忙につき、マメにレスを差し上げられません。
ゴメンナサイ。
もちろん、すべてのコメントは拝見させていただきますが、サイトポリシーに違反したものは、予告なく削除します。
悪しからずご諒承ください。

プロフィール

スパルタク

  • Author:スパルタク
  • FC2ブログへようこそ!

月別アーカイブ






   

ブログ内検索