■日本代表の今年最初のゲーム

 日本代表のワールドカップイヤー最初のテストマッチ・対アメリカ戦が11日(アメリカ時間10日)、サンフランシスコで行われ、日本は2-3で敗れました。

いつものようにゲームを振り返りましょう。

日本代表は立ちあがりの5分こそ勢いがあったものの、それ以降はアメリカの攻守にわたる組織プレーにぐいぐい圧倒され、完全にゲームを支配されてしまいました。

アメリカの速く激しいプレスにパスが全く回らず、たちまちボールを失うと、アメリカの組織的で速いパス回しに全く守備がついていけませんでした。

前半24分、左サイドからのクロスが入ったとき中澤選手がトウェルマンを簡単にフリーにしてしまい、彼がヘッドで楽々とボールを落とすと、フリーで走りこんできたポープがゴール右に蹴り込んでゴール。 早くもアメリカが先制。

先制点を奪って以降も、アメリカの組織力は全く衰えません。

前半39分には、ワンツーを狙ったトウェルマンのパスからサッカーの教科書に出てくるお手本のような第三の動きでゴール前中央に抜け出たデンプシーが楽々ゴール。アメリカが2-0とします。

後半開始後もアメリカペースで、5分に右コーナーキックから、中澤が足を滑らせてマークをずらしてしまったスキをついて、どフリーのトウェルマンがダイビング・ヘッドのシュートを日本ゴールへ突き刺して3-0。

 しかし、後半も10分すぎになると、アメリカのプレスが弱まり日本もいくらかボールが回せるようになりました。

15分、右サイドの加地選手があげたクロスを巻選手がアメリカDFとの競り合いに勝ってヘディングシュートを決め3-1とします。

1点を返したことで勢いをもりかえした日本代表は、アメリカを攻めたてますが、なかなか良い形からシュートへつなげられません。

ロスタイムにCKから中澤の体勢を崩しながらのシュートが決まるも時すでに遅し。アメリカが3-2で逃げ切りました。

 管理人スパルタクは、日本とアメリカの実力はほぼ互角、アウェーという条件からアメリカの勝利が順当とみていましたが、実力差どおりの結果になってしまいました。

たとえ不利な条件でも最悪引き分けにするか、勝って日本代表がレベルアップしたというところを見せて欲しかったのですが...

 ただ、結果と内容についてはあまり気にしていません。

アメリカ代表がシーズンオフあけの三試合目?なのに対し、日本代表はこれが最初のゲームで、選手個々も試合カンが戻っていないのか、プレーひとつひとつの判断が遅すぎました。

今回のゲームでは「自分はフリーでプレーする。相手はフリーでプレーさせない。」というサッカーの初歩の初歩が全くできていませんでしたから、ヘッドで楽に落とされてフリーの選手のシュートを食らい、教科書どおりの第三の動きで中央突破され、セットプレーからズドンとやられるのは当然の結果でしょう。

 しかし、これが日本とアメリカの今現在の実力差なんだということから目をそらすべきではありません。 

ピッチが滑りやすかったとか、照明がサッカー場とは違うとか、そんなことは言い訳になりません。相手だって条件は一緒です。

特に前半戦は、アメリカの組織的守備と日本の攻撃の組織力とを比較した場合、明らかにアメリカの守備組織の方が上回っていました。

アメリカの速くて激しいプレスに日本の選手は全くパスを回せなくなり、バック・パスに逃れるか、パニックになったように前方へ精度の低いロングキックをするだけでした。

これがアメリカの狙っているサッカーであり、日本はまんまとハメられたのです。

今回のアメリカ代表戦は仮想オーストラリア戦であると以前言いましたが、オーストラリア代表監督のフース・ヒディンクが狙っているのも、正にこの形でしょう。

オーストラリアもまず、速く激しいプレスをかけて日本のパス回しを封じようとするでしょう。

特にフィジカルの弱い中村選手がいつものように激しいプレスを嫌がって、サイドかボランチのラインまで逃げるようになると、中盤がポッカリ空いて、日本のパスはほとんど回らなくなると思います。

パスが回らなくなると日本の選手は中盤やサイドでの個人技によるドリブル突破で局面の打開をはかろうとするでしょうが、フィジカルの強いオーストラリアの選手のプレスにますます引っかかって相手の思うツボとなるでしょう。

最後に日本代表は、ヤケクソのような前線へのアバウトなロングパスでどうにかしようとするでしょうが、日本より身長が高くフィジカルも強いオーストラリア代表のバック陣に跳ね返されるだけとなります。

こういうパターンにハマると日本が勝つ可能性は限りなく低くなります。 運が良くて引き分けでしょう。 W杯の本番で、こういったゲームをやってしまえば、決勝トーナメントに行ける確率は限りなく小さくなります。

 後半の中ごろから日本もやっとパス回しができるようになりましたが、それは日本の攻撃の組織力がアップしたからではなく、アメリカのプレスディフェンスが弱まり、組織的守備力が落ちたからです。

日本代表の選手の一部に「最初からパスを回していけばよかった」などと話している人がいますが、彼はこの試合の分析がまったくできていません。

さも前半からパスを回そうと思えばできたような言い方ですが、前半の日本代表各選手の判断の遅さ・ポジショニングの不正確さでは、パスを回せるはずがありません。

それはパスを回そうとした日本がアメリカのプレスにことごとく引っかかって、ゲームを完全に支配されてしまった前半戦が証明しています。

あのように激しいプレスディフェンスを破るには、日本のマイ・ボールになったときに、ボールを持っている選手とその周りの選手が、アメリカのプレスよりも速いスピードで正確にポジショニングをとってトライアングルを形成することでパスコースを沢山用意し、

ボールを持っている選手も、相手のプレスより速いダイレクトのパスで、オートマチックにどんどんパスを回していかなければなりません。


(これが本番までにできるようにならなければいけません)

 しかし、今回の試合の日本代表の各選手は、ボールを受けてから次にどうするか考え、また次の選手もボールを受けてから考える、といった具合に、判断のスピードが遅すぎました。 これではアメリカのプレスディフェンスに簡単に引っかかります。

日本代表はW杯本大会までに、今回対戦したアメリカ代表のレベル程度のプレスディフェンスは崩せるだけの、攻撃面での組織力を持たなくては話になりません。 でなければW杯でベスト8以上なんて夢のまた夢です。

なにしろ今回のアメリカ代表は、海外組抜きなんですから。

それでもジーコが監督になって三年以上たつわけですが、小笠原・遠藤・福西の三選手で今回のアメリカのプレスディフェンスを崩せるような、高いレベルの組織的攻撃を見せてくれたことなんて記憶にありませんから、正直複雑な心境ですが...

 それにしてもアメリカ代表監督のブルース・アリーナはサッカーを良く知っている素晴らしい監督だと思います。

彼のつくるチームは攻守にわたって組織がしっかりしているから、選手が多少代わってもサッカーの質がそんなに変わりません。

こういうチームは好不調の波が小さく、前回2002W杯ベスト8で、2006ドイツ大会・北中米予選もメキシコを押さえてトップ通過という結果は、運が良かっただけのフロックでは決してありません。

なんと言ってもメキシコはドイツ大会のAシード国ですし、昨年のコンフェデで日本がやられた相手でもあります。

サッカー監督を料理人に例えると、どんな材料でも手に入るものでコンスタントにおいしい料理が作れるのがアリーナ監督だとすると、ジーコ監督は良い材料が手に入ったときだけおいしい料理ができるが、食材が悪いとマズイ料理しか作れないといったところでしょうか。

ブラジルのように才能あふれる選手が豊富に次から次へと出てくるわけではない日本にとって、どちらのタイプの監督が適しているのでしょうか。

 最後に選手個人に関しては、長谷部・巻・佐藤の三選手のひたむきさは非常に良かったと思います。

逆に久保・小野両選手はまだまだコンディションが万全ではないように見えました。今後に期待します。
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2006.2.10 SBCパーク(サンフランシスコ)

 アメリカ   3  -  2   日本

ポープ    ’24    巻  ’60
デンプシー  ’39    中澤 ’90+ 
トウェルマン ’50

GK ハートマン    GK 川口

DF ドゥニバント   DF 田中
  (ピアース 90+)   (長谷部 55)
   コンラッド       宮本
   ポープ         中澤

MF ザバニン     MF 三都主
   デンプシー       加地
  (オルセン 69)     福西
   ドノバン       (阿部 55)
   クレイン        小笠原
  (キャロル 78)     遠藤
   ヌーナン       (巻 46)
  (ロルフ 87)      小野
              (本山 68)
FW ウォルフ     
  (ジョンソン 58) FW 久保
   トウェルマン     (佐藤 46)
  (チン 68)

  

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■こんにちは [ふうすけ]

こんにちは、http://jump.sagasu.in/goto/bloog-ranking/に記事が取り上げられていたので、見にきました。オイラもブログに挑戦したいんだけど、ムズカシそうで、いろんなブログを見て研究中です!
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