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■2019年10月

■タジキスタン戦「外伝」

 今回はお約束通り、タジキスタン戦「外伝」をお送りいたしますがその前に、前回代表チームの強化過程において「継続性」と「新しいことへのチャレンジ」とのバランスをどう取っていくかというお話をしたのですが、記事を読み返してみて抽象的でわかりにくかったかなと感じたので、誰を呼んでどういうポジションで起用するのかという点について、具体的に述べてみたいと思います。

W杯アジア二次予選が始まる前に、実質U-22代表で臨んだコパアメリカがあったのですが、そこを起点にしてもし自分が監督ならどうするかですが、二次予選では相手の良さを消すために自分たちがやりたいサッカーのスタイルを変えなければいけないレベルの相手は存在しないように思いますので、勝利という結果を出しながら少しづつ新しい選手を試したり若い選手に経験を積ませつつ、攻守両面でチーム組織やコンビネーションの熟成を図っていき、三次予選でのトップシード(ポッド1)を獲得するためにはFIFAランキングでアジア2位以内に入らないといけませんので結果も求められますが、日本の三次予選進出が決定したあとの「消化ゲーム」で若い選手や新システムを試すなどよりリスクをかけたチャレンジをする、これが二次予選を通じた代表チーム強化の基本戦略となります。

それを踏まえた上で、コパアメリカで通用した選手は、ウルグアイやエクアドルよりかなり力が劣る二次予選の相手にも通用する可能性が高いので、基本的にいじる必要はないと考えます。

ダブルボランチは、ウルグアイ戦以降に起用されかなり良いパフォーマンスを見せてくれた柴崎・板倉両選手で。

特に板倉選手は、W杯の本大会で当たる相手の攻撃力を想定すれば、是非とも成長して欲しいプレーヤーであり、長い目で見て積極的にチャンスを与えていきたいところ。

クラブでは主にセンターバック(CB)としてプレーしており、代表で違うポジションに起用することに不安を感じる人もいるかもしれませんが、足元の技術など彼の潜在能力を考えれば大きな問題にはならないと思いますし、練習中にポジショニングなどの戦術面で問題が見られるようなら監督が指導すれば良いだけの話。むしろ代表でボランチとして活躍することでクラブでも同じポジションで使ってもらえるようになるかもしれません。

二次予選開幕前にパラグアイとのテストマッチもありましたからそこでも試してみて、問題がなければミャンマー戦でも継続して起用し、経験を積ませつつ成長を促したでしょう。

右サイドハーフは、壁にブチ当たっている堂安選手ではなくヘンクの伊東選手の方が二次予選開幕前の時点においては実力が上と評価していたのは、コパアメリカ総括記事のフォーメーション図で示した通りです。

日本にとって二次予選初戦を勝利でスタートすることは非常に重要なので、あとはベストメンバーで固めて万全を期し、勝ち点3を狙いに行きます。

よってミャンマー戦のスタメンは以下のようになります。


(4-2-3-1)


         大迫



  中島     南野      伊東


 
       板倉   柴崎  
      


  長友   冨安   吉田   酒井



         権田




 つづいてホームのモンゴル戦ですが、モンゴルはこのグループでもっとも力の劣る相手で、自分たちの勝手知ったるホームゲームということもあり、二次予選で日本が勝つためのハードルが一番低いゲームと考えます。

この試合のすぐあとに連戦で日本が勝つためのハードルが二番目に高いアウェーのタジキスタン戦が控えていることも考慮しなければなりません。さらに大迫選手がケガで招集できなくなり、W杯本大会での戦いを想定するなら、この試合で大迫選手の後継候補となるセンターFWタイプの新しい選手を試しておきたいところです。

まずミャンマー戦で及第点以上の出来だったのであれば、権田・吉田・冨安・酒井・板倉・柴崎・南野・中島・伊東の各選手は継続性を重視して変えません。

ただし冨安選手本人やフィジカルコーチから「太もものウラに張りがあってモンゴル戦は出来れば回避したい」という申告があれば、代わりに植田選手を起用します。

次に予定される試合の重要度を考えてベテランの長友選手には休養を与えつつ、彼の後継者を育成するために安西選手を左サイドバック(SB)に起用して経験を積ませ、ワントップには大迫選手の後継候補の1人として札幌の鈴木武蔵選手にチャンスを与えてみます。

それについても試合前のエントリーで提案したとおりで、もし鈴木選手がゴールをあげることができれば良い自信となり、成長モードへのスイッチが入るかもしれません。

モンゴル戦のスタメンは以下の通り。


(4-2-3-1)


         鈴木



  中島     南野      伊東


 
       板倉   柴崎  
      


  安西   冨安   吉田   酒井
      (植田)


         権田




試合中にモンゴルの攻撃力もチェックして大丈夫と判断すれば、4ゴール以上あげてゲームの勝敗がほぼ決まった時点で、ゲームキャプテンとして外せなかったベテランの吉田選手にかえて植田選手(冨安選手を休ませるために植田選手を先発させていれば畠中選手)を入れて経験を積ませ、同じくベテランの右SB酒井選手を休ませるために遠藤選手を入れましょうか。

アクシデントでもない限り後半30分すぎまでは攻撃陣の選手交代はナシで、連携を高めるためにゴールを重ねていってもらいます。

相手との実力差を考えれば、上記のスタメンでも早い時間帯に先制ゴールをあげられたはずですが、もし守備を固める相手に苦戦し前半を終わって0-0という状況なら、攻撃面で機能していないところに手を加えていきます。

たとえば新しく試した鈴木選手の決定力に問題があるようなら、即戦力として実績のある永井選手をワントップに、あるいはモンゴル戦前の記事で提案したように、堂安選手を代わりに入れトップ下に、南野選手をワントップにあげるシステムを試すのも一つの選択肢です。

 10月シリーズ最後のタジキスタン戦ですが、モンゴル戦で機能した選手はやはり継続性を重視していじりません。そしてモンゴル戦で休ませたベテラン選手を復帰させて、日本が勝つためのハードルが二番目に高いゲームに臨みます。



(4-2-3-1)


         鈴木
        (南野)


  中島     南野      伊東
        (堂安)           
        (鎌田)
        
       板倉   柴崎  
      


  長友   吉田   植田   酒井
 (安西)      (冨安)


         権田



現実に起こったシナリオで、モンゴル戦で3アシストと出色の出来だった伊東選手を変える手はないでしょう。もちろん継続して起用し、この試合でも結果を出してもらうことでさらなる成長を促します。

もしモンゴル戦でゴールをあげて自信をつけたようであれば鈴木選手をやはり継続起用。

鈴木選手がモンゴル戦で機能せず、トップ下堂安・ワントップ南野のシステムが機能したのであればそれを継続し、そのシステムがモンゴル戦で今一つだったということであれば、ワントップ南野はそのままでトップ下に鎌田選手を試してみます。

ここまでで問題が発生していなければ板倉選手はかなりの経験値を積むことができているはずなので、もちろん継続起用。むしろ前半戦にフィジカルの強いタジキスタンに押され気味になって苦戦する時間帯が少なくて済んだかもしれません。

CBは、大事をとってモンゴル戦を回避していれば冨安&吉田のコンビですが、現実のシナリオは後半ロスタイムにハムストリングスをやってしまったので、植田選手にがんばってもらいます。

モンゴル戦の出来が非常に良く、長友選手を上回っていると判断できれば左SBに安西選手を継続起用しても良いでしょう。

久保選手は?という声が聞こえてきそうですが、彼はまだ大人のフットボーラーとしての肉体が完成しきっていませんし、18歳という年齢も考慮すれば、クラブでの成長度合いを見ながら焦らずに育てていくべき段階ではないでしょうか。焦らずとも二次予選中に起用できる機会は今後きっとあると思います。

長期的な視野に立った強化戦略を持たず、攻守のシステムやチームの骨格となるような選手の多くを1試合ごとにとっかえひっかえしていると強化から継続性が失われて「行き当たりばったり」となり、大した収穫は得られなかったということになりかねませんが、かといって継続性を重視しすぎていつも同じ顔ぶれでスタメンを固定していると、新陳代謝が失われチームの成長が停滞しかねません。

誰をどのポジションで起用するか賛否両論あるかと思いますが、「上手くいっているところはいじらず、上手くいっていないところは修正する」という大原則を守りながら、代表チームの強化過程における「継続性」と「新しいことへのチャレンジ」とのバランスの取り方を、私なりに提案してみました。

決して「後出しジャンケン」ではなく、私が提示した選手起用のシナリオが一番上手くいくケースでは、ボランチの板倉選手・右SHの伊東選手・ワントップの鈴木選手が実績や経験を積むことで成長しチーム戦力も厚みが増しているはずです。新しい選手のテストが上手くいかなかった最悪のケースでも、現状とさほど変わりはないのではないでしょうか。

それでも若くて経験の浅い選手が失敗を通して学ぶことは多かったはずです。ならばリスクを少しづつとりながら新しい選手をテストする価値は十分あったように思います。

次の試合は、二次予選で日本が勝つためのハードルが一番高くなることが予想されるキルギスとのアウェー戦となります。二次予選の最大の山場とも言える試合で、ここで初めて鈴木選手や安西選手など代表経験がほとんど無いプレーヤーを試すのはリスクがありますよね。

だからこそ、試合ごとの重要性・難易度、勝利という結果を出しながら、ケガを防ぐために予選中どこでベテランを休ませ、どこで若い選手に経験を積ませるのか、そういったもろもろのことを総合的に判断しながら、代表チームの「強化の継続性」と「新しいことへのチャレンジ」とのバランスをとりながらチームの強化を図っていくことが死活的に重要ではないかと考えます。

 それではタジキスタン戦「外伝」、一つ目のトピックは日本代表のユニホームについて。過去記事をサルベージするのが面倒なのでやりませんが、このことに触れるのは確か二度目です。

この試合、日本は2ndの白いユニを着用していましたが、タジキスタンの1stユニは赤なので、1stの青いユニを着用して試合をしても色のバッティングは起こらず何も問題無かったはずですが、何か特別な理由でもあったのでしょうか。

イタリア代表が、ユーロ予選のホーム・ギリシャ戦で大昔に一度だけ着たことのあった緑色のユニを着て、非難が殺到というニュースもありました。

アズーリというニックネームは有名ですが、言わずと知れたイタリアの1stユニは青で、それだけチームカラーというのはサポーターにとって大切ということであり、アズーリの緑色ユニを非難した人たちの気持ちは良くわかります。

それと同様、日本代表も青という自分たちのチームカラーを大事にし、できうるかぎりチームカラーである青の1stユニを着用して試合をして欲しいのです。

大昔セレソンのカナリア色のユニを見ただけで圧倒されてしまい、試合をやる前から日本のチームが0-3で負けたような気分にさせられていた時期もあったように思うのですが、強いチームのユニホームはカッコよく見えるもので、伝統的に赤いユニを着用していたタイ代表も日本サッカーへのあこがれのせいなのでしょう、2018年ロシアW杯の予選あたりから1stユニを日本と同じ青に変更するなど、「ジャパン・ブルー」のユニホームをあこがれと畏怖をもって見つめるアジアのチームが増えてきました。

そのアドバンテージをわざわざ自分たちから手放して、白いユニを着る必要はないと思うんですよね。

Jリーグでもリーグ機構側からの指導なんでしょうが、両チームの1stユニの色がバッティングしていないのに、わざわざ2ndユニを着用して試合をしているアウェーチームをよく見かけますし、プロ野球のマネなのか、ひどい場合には「限定ユニ」と称してチームカラーとはまったく別の色の1stユニをホームゲームで着用してみたり、ホーム側の1stユニが中間色だったりタテジマなどで2つの色がほぼ同じ面積で使われているために、スタンドなど遠くからだとアウェーチームの1stユニでも2ndユニでも似たような色合いに見えてしまう恐れが生じ、両チームとも2ndユニを着て試合をしている例もあったように思います。

浦和が「レッズ」という愛称で呼ばれたり、同じ青でも横浜と磐田のブルーは違いますし、代表にかぎらずクラブもチームカラーは大事にしてほしいもの。

ホームチームと色がバッティングしていないのであれば、アウェーチームもなるべく1stユニを着用して欲しいですし、シャツはバッティングしていないのにパンツかソックスのどちらかが同じ色なら自動的にすべてを2ndユニにするのではなく、アウェーチームに1stと2ndユニを組みあわせることを許可し、デザイン的に問題ないならシャツは1stでパンツやソックスを2ndにするなどして、やはりできるだけチームカラーを大事にして欲しいです。

またJクラブの増加で1stユニに中間色だったりタテジマなどで2つの色を同じ面積で使うチームも増えてきたので、3rdユニまで準備してホーム側が必ず1stユニを着用できるような配慮も必要ではないでしょうか。

たとえば中間色の水色を1stユニに2ndユニに白を使っているチームが、青と白のタテジマや青もしくは白が1stユニのチームとアウェーで戦う場合、1stを使っても2ndを使っても、スタンドなど遠くから見た場合に視認性が悪くて区別がつきづらいことがあります。

そういう場合は黄色や赤など色の系統がまったく別の3rdユニを用意すれば解決できますし、商業的にもそっちの方がオイシイんじゃないですか。

日本代表もJクラブもそうなんですが、W杯の出場権を取ったときや何かの大会で優勝したときに、自分たちの誇りある「戦闘服」であるユニホームを安っぽいTシャツで隠して記念撮影するナゾの習慣も好きになれません。

これもチームカラーをないがしろにしているとしか思えず、個人的にはすぐにでもやめてもらいたいです。

 二つ目のトピックは、黙とうの世界標準について。

タジキスタン戦では、日本で起こった台風の犠牲者に対する黙とうがキックオフ直前に行われたのですが、両チームがセンターサークルを囲むように向かい合って、レフェリーの笛を合図に黙とうをしたのですが、これが世界標準のやり方ですよね。

これに対し日本では、両チームが入場してメインスタンド前に一列に並んだあと、黙とうが行われる場合がほとんどです。

どちらが正解でどちらが不正解という問題ではないのですが、個人的には両チームが向かい合ってやる世界標準のやり方の方が、しっくりきますね。

 三つ目のトピックは、タジキスタン戦直前のマスコミ報道で、やれ水道の水が不衛生で生で飲めなくてタイヘンだなどと、毎度のことながら海外旅行では良くあることを「危機」として煽っていましたが、実は来年3月に予定されるモンゴルとのアウェー戦が、自然環境的にはこのアジア二次予選で一番過酷なものになるかもしれません。

モンゴルの首都ウランバートルの3月下旬の気候は、日中で0~5℃、夜になるとマイナス10℃以下まで下がることがあり、標高も1300mの高地にあり、スプリントを繰り返せば息があがり選手にとっては空気の薄さが気になるかもしれません。

モンゴル代表がホームゲームで使っている人工芝のMFFフットボールセンターも国立競技場も、国際基準のナイター照明設備が備わってはいないはずで、来年3月31日が平日でも日本との試合はデーゲーム開催になると思われますが、マイナス10℃はサッカーをやるのにふさわしい環境とは言えませんし、ロシアリーグでもマイナス15℃を下回ると、チーム側が試合開催を拒否できるルールがあります。

日本の代表選手たちの健康のことを第一に考えれば、まかり間違っても日本サッカー協会がモンゴルサッカー協会に要請して、日本のTVのゴールデンタイムに合わせるために、照明設備を整えてナイトゲームができるようにしてもらうなんてことをやってはいけません。




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■日本代表、タジキスタンに我慢の勝利(その3)

 今回は、10月シリーズにおける森保監督の采配について考察していきます。

10月はW杯アジア二次予選としてホームでモンゴル戦、アウェーでタジキスタン戦が行われたわけですが、どういう選手を招集し、誰をどのポジションで起用するかという点で、森保監督の意図がわかりづらいケースが多かったように思います。

2試合で勝ち点6という結果はともかくとしても、モンゴル戦は相手との実力差を考慮に入れれば得点が少なかったですし、タジキスタン戦も特に前半は攻撃のシステムが機能したとは言えません。

エースFWの大迫選手が故障という非常事態を迎え、この10月シリーズに向けて招集されたのは、永井・浅野・鎌田の3選手でした。

同じスピード系FWでプレースタイルがかぶっている永井・浅野両選手を招集したことについてやや疑問に思ったのですが、永井・浅野両選手は、それぞれモンゴル戦・タジキスタン戦でヘディングシュートから得点をあげており、一応森保監督の策がハマった形にはなっています。

FWは、足だろうが頭だろうがゴールという結果を出してくれれば文句はありませんし、彼らがスピードを生かしたプレーだけでなく、ヘッドでもゴールを量産できるようになれば、どんな形からでも得点できてFWとしてプレーの幅が広がったという意味では、むしろ喜ばしいことです。

しかし、森保ジャパンの最終目標であるはずの「カタールW杯でベスト8以上」を念頭に置いた上で、W杯の決勝トーナメントで当たるであろう対戦チームに所属する欧州四大リーグレベルの屈強なセンターバックを相手にしても、高い確率で永井・浅野両選手がヘディングで得点できるということを森保監督が確信して彼らを代表に招集し、永井・浅野両選手にヘディングで得点させる攻撃システムを採用して現在チームづくりをしているということであれば理解できなくもありませんが、本当にそうだったのでしょうか?

モンゴル戦・タジキスタン戦ともにサイドからの浮き球のクロスで多くのゴールが生まれましたがそういう攻撃をするのであれば、上背があってヘディングに強いタイプのFWを最低1人は招集して試合に出せるようにしておくべきだったように思います。

ここで思い出されるのがザックジャパンで、4-2-3-1のセンターFWを磐田の前田選手が務めアジアカップ2011優勝も果たすのですが、前田選手はアジア予選の段階までは機能していたのに、ブラジルW杯を迎える前に加齢による衰えで結果が出せなくなり、急遽、若い柿谷選手や大迫選手を起用したものの経験不足は否めずに本大会は不発に終わり、世界レベルのセンターFWがいなかったこともザックジャパン敗退の一つの原因となりました。

今は大迫選手以外に四大リーグレベルのセンターFWが見当たらず、その大迫選手も3年後には32歳になります。ケガでW杯に出場できなかったり、カタールW杯を迎える前に加齢による衰えが出てしまう可能性もあり、3年後を見据えた長期戦略で四大リーグレベルのセンターバックを相手にしてもゴールが奪えるようなセンターFWタイプの選手を育成していくことは不可欠だと思われます。

日本サッカー界では、セカンドストライカータイプは続々と出現してくるのですが、典型的なセンターFWタイプの選手はなかなか出てきてくれません。

ならばニューカッスルの武藤選手でも札幌の鈴木武蔵選手でもシントトロイデンの優磨選手でも誰でも良いんですが、森保監督が3年後のW杯で活躍する可能性が高いとイメージできる選手を代表に呼んで、二次予選の段階から実戦で使って、四大リーグレベルのDFを出し抜いて得点できるFWになれるよう育てていくしかありません。

コパアメリカを総括した記事で、

(森保監督は)現時点における選手間の実力差に基づいたベストな11人を先発としてピッチに送り出してやらなければなりませんし、そうした選択でのミスは許されません。

と書きました。

世界で3番目にハイレベルな真剣勝負の場であるコパアメリカは、日本サッカー界にとって若手の成長のために捨てて良い大会ではない、現時点でのベストメンバーを呼ぶべきだと言いましたが、W杯行きの切符がかかったアジア二次予選はもちろん勝利という結果が求められるものの、若手の育成のために多少の失敗や冒険が許される大会です。

現時点における実績で上から順番に森保監督が選んだ「ベストメンバー」が、永井・鎌田・浅野の3選手だったのかもしれませんが、コパアメリカと違い、W杯アジア予選の段階では実力順に上から順番に23人の日本人プレーヤーを選べば良いというものではないと思います。

武蔵・優磨の両選手が代表FWとして現時点では経験も実力も十分ではないことはわかっていますが、一番重要なのはカタールW杯の最初の試合がキックオフされる時点で、どういうタイプの選手をどのポジションで起用し、どういうシステムで得点してどういうシステムで失点を防ぐのか、日本代表がやりたいサッカーの一応の完成形ができあがっていることです。

誤解して欲しくないのは、スピード系のFWを代表に呼んではいけないと主張しているのではありませんし、スピード系のFWが本来得意ではないヘッドでもゴールをあげられることはむしろ喜ばしいことです。

森保監督が3年後のW杯で、あまり上背のないスピード系のFWに浮き球のクロスから得点を取らせるようなサッカーをやりたいと考え、永井選手や浅野選手を代表に呼んで今そういうサッカーをやっているのであれば一応スジは通っていますし、カタールW杯で結果が出るなら言うことはありませんが、森保監督が意図するところは本当にそうなのでしょうか?

単純に上から実力順で選手を呼んだ結果プレースタイルが似通った選手ばかりになってしまうよりも、様々なタイプの対戦相手から得点を奪って勝つために、ある程度違ったタイプのFWを代表に招集して育てていった方が良いのではないでしょうか。

また2試合でワントップとしてテストされた鎌田選手ですが、今後はトップ下として他の選手と競わせるべきでしょう。

 次に右サイドハーフ(SH)のポジションですが、モンゴル戦で3アシストと出色の出来だった伊東選手をタジキスタン戦でベンチに置いた采配についても疑問でした。

ベルギーリーグで結果を出している伊東選手がタジキスタン相手に通用しないとは考えにくいですし、むしろ彼が先発だったら右サイドの攻撃が機能してもっと早く先制ゴールをあげられた可能性があります。

代わりに出た堂安選手が結果を残してくれればまだ納得できたのですが、攻撃面で貢献することはほとんどできませんでした。

モンゴル戦で好調だった伊東選手を引き続き起用してタジキスタン戦でも結果が出せれば、彼を良い意味で「調子に乗らせる」ことができますし、こういうときにサッカー選手はぐんと成長するもの。堂安選手もベンチから伊東選手のプレーを見ることで学ぶことも多いはずです。タジキスタン戦に出した伊東選手がダメならそこで堂安選手ら別の選手に再びチャンスを与えればいいわけですから。

東京五輪を目標に、森保監督は堂安選手を育てるためにあえて先発起用を続けているのかもしれません。

堂安選手は、相手の対策によって左足でのドリブルやシュートを封じ込まれた場合にどう活路を切り開いていくか、彼が今乗り越えるべき課題はそれなんですが、今年1月のアジアカップ2019から工夫も成長もほとんど見られず、同じ失敗を繰り返しているだけであり、そんな状態の彼に右SHの指定席を与えるのは、彼にとっても代表チーム全体にとっても大きなマイナスです。

 代表チームの強化で最も重要なことの一つは「強化の継続性」と「新しいことへのチャレンジ」とのバランスをどう取っていくかだと思います。

継続性を重視しすぎるとスタメンが固定されやすく、レギュラー組とサブ組の間にミゾができて、どんなに不調でもポジションが約束されているレギュラー組は慢心して努力することをやめ、どんなにがんばってもチャンスが与えられないサブ組は腐ってやる気を失い、結果としてチーム全体の競争力はダウンしてしまいます。(ジーコジャパンの「腐ったミカン事件」が典型)

逆に長期的な視野に立った強化の継続性というものを持たず、目先の勝利のため1試合ごとに選手やシステムを新しいものにとっかえひっかえしていると、若い選手が継続的に成功体験を積み上げながら成長していくことができず、アジア予選を突破したのはいいが後に残されたのは「おっさんジャパン」と揶揄されるような高齢化したチームで、W杯の本番直前になってそれに気づき愕然とするというハリルジャパンのような失敗を招いてしまいます。(そんなチームを決勝Tへ導いた西野さんはエラかった)

「強化の継続性」と「新しいことへのチャレンジ」とのバランスが上手く取れている23人こそ、W杯アジア予選の段階における「日本代表のベストメンバー」であるというのが当研究所の考え方です。

では「強化の継続性」と「新しいことへのチャレンジ」とのバランスをどう取っていけば良いのかと言えば、「上手くいっているところはいじらず、上手くいっていないところは修正する」が大原則だと思います。

また上手くいっていないところでも、「将来の伸びしろ」が大きいと思われる若い選手を辛抱強く使い続けることが必要なケースもありますが、いくらチャンスを与えてもまったく成長が見られない場合は、いったん見切りをつけて別の選手にチャンスを与えることも重要です。

前述の例で言えば、アジアカップ2019以降に壁にブチ当たって伸び悩む右SHの堂安選手のところで伊東選手を試しモンゴル戦で結果を出したのですから、継続性を重視して次のタジキスタン戦ではいじらない。

大迫選手がいれば話は別ですが、彼が負傷でおらずその代役も見当たらないセンターFWのポジションは上手くいっていないことが明白ですから、FW陣を即戦力だけで固めるのではなく、武蔵選手でも優磨選手でも良いので、森保監督がこれはと思う若いプレーヤーにもチャンスを与えてみる。

それによって結果を出した選手は「継続性」を重視して引き続き起用してやり、いくらチャンスを与えてもダメなら別の新しい選手にチャンスを与えるようにすれば、「強化の継続性」と「新しいことへのチャレンジ」とのバランスを上手く取れるようになるはずです。

現在の森保ジャパンは「強化の継続性」と「新しいことへのチャレンジ」とのバランスをどう取るのか、そのロジックに一貫性がないように見え、どういう選手を招集し、誰をどのポジションで起用するかという点で、森保監督の意図が理解しづらい一番の原因になっているように思われます。

W杯本大会では格上との対戦も予想されますが、ロシアW杯の日本VSセネガルでは、ペナの中で柴崎選手がボルドーでプレーするサバリとの一対一から簡単にクロスを通されてしまったことがオイペンでプレーしていたワゲのゴールにつながっており、柴崎選手を軸としたダブルボランチでは守備力の不足が懸念されます。

攻撃力の高い格上との対戦ではあえて柴崎選手を外し、例えば板倉プラス遠藤のような守備力を重視したダブルボランチを送り出すオプションを準備しておく必要があるように思います。

板倉選手はクラブの試合で不用意なスライディングタックルをしてしまうなど経験不足のところがあるのはわかっていますけど、W杯での格上チームとの対戦を想定するなら、センターバックもできる板倉選手の体の大きさやフィジカルコンタクトの強さは非常に魅力的で、アジア二次予選でもプレッシャーのかからない試合で起用するなど長期的な視野をもって育てていくべきではないでしょうか。

これは別の機会にでも触れますが、中島選手はもっとゴールに近い位置からドリブルを始めれば彼の攻撃力を最大化できると思うのですが、そのためにはバイタルエリアにいる中島選手の足元に正確にパスをつけられる高い技術を持ったダブルボランチが必要になりますし、そういう意味でも板倉選手にチャンスを与えたいのです。

W杯アジア二次予選の8試合のうち、ホームのモンゴル戦は日本が勝つためのハードルが一番低い試合でしたから、センターFWとして武蔵選手や優磨選手に、ボランチとして板倉選手にチャンスを与えるには絶好の機会でしたし、そこで結果を出せれば、二次予選で日本が勝つためのハードルが二番目に高いアウェーのタジキスタン戦で継続して起用しても良かったと思います。

11月のアウェーのキルギス戦は、二次予選で日本が勝つためのハードルが一番高い試合(理由は後述します)から、ここで実績のない新しい選手を試すのは少々リスクがありますよね。

だからこそ、さほどプレッシャーのかからないホームのモンゴル戦で試しておきたかったのです。

モンゴル戦ではハムストリングスをやって冨安選手が退場してしまいましたが、試合後のコメントでは少なくとも吉田選手は冨安選手が負傷してしまった太ももに試合前から張りがあったことを知っていたみたいですね。

(もし森保監督ら首脳陣がそれを知っていて出場させたのであれば問題)

欠場したらポジションを失うのではないかという不安があって自分からはなかなか言い出せなかったのかもしれませんし、W杯出場がかかった試合のように多少の無理をしないといけないケースもありますが、冨安選手に限らず全てのプレーヤーに言えることは、これ以上無理をしたら体が壊れるという自分の限界点をしっかり把握し、自分が次に出る予定の試合の重要性も加味しながら、休むべきところは休む勇気も大事だということです。

ベルギーやポルトガルでプレーするDFがモンゴルリーグのFWに簡単にやられるのは想像しにくいですし、なおさらモンゴル戦こそ植田選手や安西選手をスタメンから試して経験を積ませるチャンスだったように思います。


    ☆       ☆       ☆


 タジキスタンとのアウェー戦は、3-0という試合結果は順当でしたが、日本代表の試合内容は、特に前半戦に課題を残しました。

タジキスタン戦について、前半と後半を分けて考える必要はないという意見もありますが、タジキスタンレベルの相手に勝つことが今の日本にとっての最終目標であるならば、そういう考え方でも良いのかもしれません。

しかし日本の目標はW杯でベスト8以上の成績を残すことであり、W杯でタジキスタンレベルの相手と対戦する可能性はまずない以上、この試合の内容に満足してはいけないと思います。

W杯の決勝Tで当たるような相手は、前半の元気いっぱいのタジキスタンが相手でも、技術でもフィジカルコンタクトでも圧倒して1ゴール2ゴールとたたみかけられるレベルにあります。

ベスト8以上の成績を残すということはそういうレベルの相手に勝たなければいけないということです。

 次の試合の相手はキルギス代表ですが、アウェーのタジキスタン戦では0-1の敗戦で番狂わせを許したものの、アジアカップ2019では開催国UAEを完全アウェーの環境のもと延長戦まで追い詰めた実力の持ち主で、当研究所はこのグループ最強のライバルと見ています。

昨年11月のテストマッチでは4-0で日本が勝利していますが、あのときと同じ相手だからと甘く見ていると足元をすくわれかねません。

キルギスの首都ビシケクでのナイトゲームだと、11月は0℃くらいまで気温が下がる可能性もあるので、特に国内組はそれに対する準備が必要かもしれません。

 次回は、タジキスタン戦の「外伝」のようなものをお届けします。




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■日本代表、タジキスタンに我慢の勝利(その2)

前回の続き

 選手個々で特筆すべき活躍だったのは、まず権田選手。
前半23分にパンシャンベとの一対一から浴びたシュートを左手一本でビッグセーブ。もしこれが決まっていたらこの試合の結果が違っていたものになっていた可能性があります。後半もファインセーブ連発でチームのクリーンシートに大きく貢献。まさにマンオブザマッチ級の活躍でした。

南野選手は、トップ下としてプレーした前半はあまり良いパスが来なくて苦戦したものの、ワントップに上がった後半の8分に中島選手のクロスを正確にヘッドしてチームがノドから手が出るほど欲しかった先制ゴールを入れてくれました。その2分後には相手GKの鼻先で酒井選手のクロスを難しい体勢から右足でコースを変えてドッペルパック達成。苦戦するチームを救いました。
ただ前半にも決定機はあったのでまだシュート精度は向上させられます。

後半19分から交代出場の浅野選手は、やはり酒井選手のクロスを定石通りGKの直前でバウンドするようにヘディングシュートして試合を決定づける3点目をゲット。
ただし23分に自陣深くでの不用意なパスミスから相手の逆襲を許した場面は反省点です。

酒井選手は、南野選手の2点目をアシストした正確なアーリークロスが見事の一言。何度も切り返すと相手も次のプレーの予測が容易ですが、ダイレクトのクロスだと困難なのでやっぱり破壊力抜群ですね。浅野選手のゴールを演出したクロスも、GKが出てこられないプライム・ターゲットエリアのファーサイド側に正確に落としたことが勝因。酒井選手も含めチーム全体としてクロスの落としどころに改善が見られます。

 逆に吉田選手は後半23分にA.ジャリロフのキックフェイントに引っかかりゴール中央方向への切り返しについて行けず危険なシュートを打たれたのは強く反省すべきところで、もっとレベルの高い相手なら失点していた可能性があります。ペナの中でパスを受けたA.ジャリロフはサイド方向へボールを持ち出しましたから仮にシュートを打たれてもゴールの角度が狭くなっていくので権田選手も予測して対応するのが比較的容易ですし、それほど怖いプレーではありません。むしろゴール中央方向へ切り返されるとゴールへの角度が広がり権田選手の対応が難しくなること、サッカー選手はできるだけ得意な利き足でシュートしたいと考え、A.ジャリロフの利き足が左であることが頭に入っていれば、ゴール中央方向へ切り返してからの左足のシュートをまず切るような対応をすべきでした。
失点の確率が高くなるゴール中央方向へのシュートや相手の利き足のシュートをまず切るという「ワンサイドカット」はゴール前の一対一における守備側の基本であり、プレミアでプレーする経験豊富な吉田選手らしからぬ軽率なミスです。
後半に2回、自陣内深くでのパスミスからピンチを招いたのも頂けません。特に後半16分のパスミスから招いた相手のショートカウンターは失点につながりかねないものでした。
攻撃面では前半31分にフリーでヘディングシュートさせてもらえた場面は少なくともゴールのワク内に入れて欲しかったです。

植田選手も吉田選手とまったく同じ個人戦術のミスがありました。後半16分に吉田選手のパスミスから始まった相手のショートカウンターの場面、ペナの直前でパスを受けたM.ジャリロフはゴール角度が狭くなっていくサイド方向へボールを持ち出したので慌てる必要はありませんでしたが、フェイントにひっかかってゴール中央方向への切り返しについていけず、シュートを打たれたのはやはり大問題。
失点の確率が高くなるゴール中央方向へのシュートや相手が得意な利き足でのシュートを警戒してまず切るという基本であったり、M.ジャリロフの利き足が左で中央方向へ切り返す確率が高いということが頭に入っていれば、あのシュートは打たれていなかったはずです。
吉田選手もそうなんですが、たとえモンゴルのようにアジア最弱レベルとの対戦であっても試合が始まる前に相手チーム23人全員の利き足を頭に入れておくのはプロとして当然の準備ですし、スカウティングのデータとしてチームから事前に与えられていなかったのであれば、森保監督を始めとするベンチのミス。仮に情報が無かったとしても、試合直前のウォームアップ練習中やキックオフ後に相手選手全員の利き足をチェックしておくのはプロとして当たり前です。
別の局面では、ボールを奪えると思って一発で飛び込んだところ、ドリブルする相手に先にボールを突かれて入れ替わられてしまい、カウンターを浴びる場面もありました。
植田選手は空中戦は強いのですが、地上での一対一の駆け引きや判断力に課題を抱えているのは以前指摘した通りで、この部分で冨安選手に差をつけられていますね。

堂安選手は、いつものように右サイドハーフ(SH)でプレーしましたが90分間まったくと言って良いほど機能せず。相手は2人がかりで左足のカットインドリブルを切ってきましたが、堂安選手はサイドをタテを突破することができず、さらに伊東選手のように右足で正確なパスやクロスを出すこともできないので、彼のところにボールが渡ると「行き止まり」となり、バックパスするしか選択肢がありません。相手に研究されて左足でのドリブルやシュートを封じ込まれた場合にどう活路を切り開いていくかが彼が今乗り越えるべき課題となっていますが、以前からまったく工夫が見られません。
森保監督は堂安選手をファーストチョイスと考えているようですが、プレーに改善の兆しすら見られないのに右SHの指定席を与え続けるのは彼自身のためにもならないと思います。

中島選手は、南野選手の先制ゴールをアシストするなどクロスの精度が向上してきているのは素晴らしいのですが、「中島選手のドリブル対策」として12番ジャホギール・エルガシェフがほぼマンツーマンでついてきて中島選手がボールを持つと常に2~3人の相手が密集して取り囲み、思うようにプレーできなかったのはやむを得ないことです。むしろ中島選手が3人もの相手を引き付けてくれたことで、別の局面で簡単に日本の数的優位ができたはずで、球離れを早くしてシンプルに逆サイドにパスを展開すれば、もっと容易に相手を崩すことができたはずですが、ボールを持ちすぎて相手3人が待ち構えているところにドリブルでわざわざ突っ込んでいってロストするなど、チーム全体の攻撃をかえって難しくしていました。
守備面でも、自分がマークすべき相手のボール保持者を追いかけても中途半端にやめてしまったり、空中戦の競り合いをやる前からあきらめてしまって見ているだけの場面があったりと、ポルトのコンセイソン監督が見たら再び怒鳴られかねないプレーが目立ったのも残念でした。

鎌田選手は、後半トップ下にまわると8分の南野選手のゴールの起点となるなどプレー内容が良くなりましたがワントップを務めた前半はほとんど機能せず。
23分には自らのミスからボールロストして相手にカウンターのチャンスを与えてしまいました。体の大きさがある割にはフィジカルコンタクトの闘いに弱く、簡単にボールを奪われるシーンも目立ちます。ブンデスで結果を出すためには、フィジカルコンタクトの争いに負けないスキルを身につける必要があるように思います。

橋本選手は、気迫を前面に出してガチガチ当たってくるタジキスタンの選手にやや押され気味で、相手のボール保持者への詰めが甘くなる場面もありました。
相手のカウンターを警戒して攻守のバランスを考えたポジショニングを取っていたのは理解できますが、チームがパスで攻撃をビルドアップしていくときに、もっと積極的に関与して欲しいです。

名前のあがらなかった選手は及第点の出来か、プレー機会が少なく評価の対象外ですが、3-0という試合結果は順当だったものの、試合内容が思わしくなかったことを反映して及第点以上のプレーができていた選手が少なかったですね。

 次回は、森保監督の采配について分析します。




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■日本代表、タジキスタンに我慢の勝利(その1)

 昨日タジキスタンの首都ドゥシャンベで行われたW杯アジア二次予選、日本代表の第三戦ですが、日本が3-0でタジキスタンを降しました。

サッカーにおける日本とタジキスタンとの関係についてさらっと触れておくと、1991年に起こったソビエト連邦の崩壊にともない独立国家となった直後に成立した新生タジキスタンサッカー協会(TFF)は、ザッケローニ監督が指揮していたときのセリエA・ウディネーゼの戦術を熱心に研究していたとかで、2011年にブラジルW杯アジア二次予選で日本と対戦した時に、ザックジャパンを大歓迎してくれました。

それがきっかけとなり日本サッカー協会とTFFとの協力関係が始まって現在も継続しているはずで、中央アジアのなかでも日本サッカーへのリスペクトが非常に強い国となっています。

そんなタジキスタンの代表チームですが、国内リーグでプレーする選手たちをベースにブルガリアやインドネシア等でプレーする海外組をあわせたチームで、戦前の実力評価としては、ホームでもアウェーでも日本が勝たなければいけない相手、特に日本のホームでは大差での勝利が必要な相手と見ていました。

今回はアウェーでの対戦となりましたが、3-0で日本の勝利という結果は順当でした。

ただ日本の試合内容の方は、後半はまずまずでしたが前半はあまり思わしくなかったですね。

それではいつものように試合内容を分析していきましょう。


    ☆       ☆       ☆

 
 久しぶりにタジキスタン代表のサッカーを見たのですが、8年前に対戦したときは同国のビッグクラブ・イスティクロルを率いるラフィコフ監督が指揮しており、アバウトなロングボールを多用するカウンターサッカーのチームでしたが、今回対戦したチームはウズベキスタンから指導者を招聘し、ある程度のパスサッカーもできるようになっていて進歩が感じられました。

守備も組織戦術の面で進歩しており、12番ジャホギール・エルガシェフが右サイドハーフに入って中島選手にほぼマンツーマンでついていましたからフォーメーションがわかりづらかったですが、日本の4-2-3-1に対抗するようにタジキスタンも20番のジュラボエフ(交代後は8番のサイドフ)がより守備的にバランスを取り、7番のウマルバエフがより攻撃的な役割を担うダブルボランチを組む4-2-3-1をぶつけてきたように見えました。

そしてパスコースを切るようにボール保持者を追い込むことで中盤での攻撃のビルドアップを妨害する、考えられたプレッシング・ディフェンスをやってきたことで、特に前半の日本をあわてさせました。

モンゴル戦の記事で「急に対戦相手(タジキスタン)のレベルが上がってビックリしないように」とあらかじめ釘を刺しておいたのですが、やはり泡食っていたように見えました。

パスコースを切るようにプレッシングをかけられた場合は、それを上回るスピードで、味方のボール保持者にパスコースをつくるためのポジショニング修正をすれば、ちゃんとパスが回るようになるのですが、ただ自陣に引いてスペースを埋めようとするだけのモンゴルの守備レベルに慣れ切ってしまっていたのか、ボール保持者に対する日本の各選手のサポートが遅く選手間の距離も遠くて、パスコースの無いボール保持者からアバウトなロングボールやミドルパスが増え、相手の守備組織を効果的に崩すことができずに、ボールを持たせてもらっている割に質の高いシュートチャンスが少ないという、格上のチームが格下に苦戦する鉄板のパターンに陥り、前半は嫌なムードが流れていました。

相手がサイドで常に数的優位を保つような守り方をしてきたせいもありましたが、ボール保持者の判断も遅く、無駄なバックパスやさんざん切り返してからのクロスが多くなったことも相手の予測を容易にさせ、得点から遠ざかってしまう一因となっていました。

しかしホームチームに先制点を許さず、試合内容が悪いなりに0-0のまま前半を我慢できたところは、日本の成長を感じます。

ハーフタイムに森保監督から修正の指示があったのだと思いますが、後半は選手間の距離がより近くなり、味方のボール保持者へのサポートも早くなって、それがパス回しのテンポをあげ、ボールの持ちすぎを減らして良い意味でシンプルなプレーが増えていった結果、ようやく攻撃が機能するようになりました。

こういう攻撃を前半戦からやって欲しかったですね。

後半8分に中島選手のクロスから南野選手のヘッドで先制点をゲット。その2分後に酒井選手のアーリークロスを南野選手がGKの直前でコースを変えて2点目。37分にはやはり酒井選手のクロスを左サイドハーフとして途中出場の浅野選手がヘッドで決めて3-0。これでゲームの勝敗はほぼ決しました。

後半に攻撃が機能したもう一つの理由は、前半はワントップに鎌田選手、トップ下に南野選手が入っていましたが、後半は前後逆にしてワントップに南野選手・トップ下に鎌田選手を入れたこともあったように思います。

 守備に関しては、フィジカルコンタクトでも足元の技術でも劣勢ながら勇気を持ってファイトしてきたタジキスタンの選手との一対一に戸惑い、ボールロストする場面が前半は見受けられました。後半は先制点を奪えたこともあって自信をもって一対一の勝負で相手を圧倒していきましたが、前半からもっとファイトする姿勢が見たかったですね。

組織ディフェンスの面では、1試合を通して守備ブロックをつくらずにひたすら一対一のバトルを仕掛けていき、モンゴルとの試合のようにオープンな「殴り合い」のゲームを挑んでいきました(もっとも日本が一方的にモンゴルをボコりました)が、前半に一歩間違えば失点につながりかねない大ピンチもありました。もしこちらが先に失点していたらこのゲームの結果はガラッと変わっていた可能性があります。

このレベルの相手でもナメずに、コンパクトな守備体形をつくって守るべきところは守るというメリハリが必要だと思いますし、こうしたことからも、モンゴルから急に対戦相手の実力がアップしたことに対応できていなかったことがうかがえました。

 選手個々の評価は次回としましょう。



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■日本代表、モンゴルに大勝も課題を残す

 昨日カタールW杯アジア2次予選、日本代表の第二戦目であるモンゴルとの試合が埼玉スタジアム2002で行われ、日本が6-0で勝利しました。

今回の対戦相手モンゴル代表は選手全員が国内リーグでプレーしており、こう言っては申し訳ないのですがアジアサッカーで最弱レベルの国の一つです。

日本がホームでもアウェーでも大量点差で勝利しなければならない相手と見ていましたが、ドルゴルスレンギーン・ダグワドルジ氏(元横綱の朝青龍関)などの支援を受けて近年成長をみせつつあり、このW杯アジア2次予選の初戦ではホームとは言えミャンマーを1-0で破るという、モンゴルサッカー界にとっての金星をあげています。

そうしたことも踏まえ一応、警戒しながらこの試合を見ていましたが、やはりボールを自分の思った通りのところへ正確に蹴れるかどうかというレベルで課題を抱えているチームであり、日本の勝利という結果は順当なものでしたが、このレベルの相手に6点しか取れなかったことについては得点力の面で物足りなさを感じました。

「サッカーの基本」を突き詰めることができていれば、ゲーム後に吉田選手が指摘したようにあと2~3点はフツーに取れたと思いますし、取らなければいけない相手でした。

それでは日本代表の試合内容を分析していきましょう。


    ☆       ☆       ☆

 
 モンゴルは、日本の4-2-3-1というか4-4-1-1とのマッチアップでマークのズレを生じさせたくないためか、4-1-4-1のフォーメーションをぶつけてきました。

モンゴル代表のワイス監督は、「モンゴル人選手のフィジカルの強さ」を生かして日本に対抗したいとおっしゃっていましたが、フィジカルコンタクトが苦手な東南アジアの選手には通用するのかもしれませんが、欧州各国リーグで普段から体がデカくてフィジカルの強い白人・黒人選手と渡り合っている日本の選手たちにとってはほとんど苦にならず。

球際での一対一はほとんどこちらが勝利していましたし、守備面で問題が生じることはありませんでした。

こうなってくると「日本のゴールがいつ生まれるか」に焦点が集まりましたが、モンゴルは、ボールを前へ運ぶ攻撃の推進力の中心となっている中島選手に2~3人のマークをつける対策を取ってきました。

これに対して日本は、右サイドにボールを展開して伊東選手を中心に相手の守備組織を崩し、前半22分の南野選手の得点を皮切りにゴールを積み重ねていきました。

「サッカーにおいて、たった一つの事しかできないチーム・選手は、それを世界の誰も防ぐことができない場合を除き、たった一つの事しかできないという事それ自体が弱点となる」と当研究所はこれまで何度も言ってきました。

今回、相手の対策によって中島選手のドリブルによる左サイドからの攻撃のビルドアップが封じ込まれた格好になりましたが、そうした状況を踏まえて右サイドを上手く使って相手の守備組織を崩し、ゴールをあげて勝つことができたことは評価できます。

こうしたことをピッチ内の選手たちの判断で選択し実行したのであればなおさら素晴らしいです。

 ただしこのレベルの相手に6ゴールしか取れなかったということで、得点力の面で少々不満が残りました。

引いた相手が「ボール」と「考える時間」を十分与えてくれたせいか、逆に日本のボール保持者がどこへパスを出すのか迷ってしまい、バイタルエリアやサイドでフリーになっている味方にマークがつく前に使うことができずチャンスをつぶしてしまう場面も散見されます。

プレーの正確性を落とさないように注意しつつも、前方の味方がフリーでいるうちにテンポよくパスを出していくことができれば、前半の早い時間帯からもっと良い形で相手の守備を崩し、もっとゴール数を増やすことができていたはずです。

大差をつけてほぼ勝敗が決まった後半はパス回しのリズムに問題が生じることはありませんでしたが、トップ下の南野選手にかえて鎌田選手をワントップに、ワントップの永井選手にかえて原口選手を左サイドハーフにし、左サイドハーフの中島選手をトップ下にもってくる新しいシステムを試したことも後半のゴール数が伸びなかった原因の一つでしょう。

これは現時点ではネガティブに考える必要はありません。

ほぼぶっつけ本番の新システムをいきなり機能させろという方が無茶というものですし、機能するかどうかしばらく見てみる必要があります。むしろ新しいトライをしたことを肯定的にとらえたいです。

同様に前半は、大迫選手にかえてワントップに永井選手、右サイドハーフの堂安選手にかえて伊東選手を持ってくる新システムを試したわけですが、伊東選手のスピードを生かしたサイド攻撃は十分機能したと思うのですが、永井選手はヘッドで1ゴールあげたものの彼のストロングポイントを生かしきれたとは言い難いですね。

こちらも新システム熟成のための時間をある程度とってあげて、どうなるか様子を見てみる必要があるでしょう。

次のタジキスタン戦は相手のホームですし、こちらが押し込まれて攻められる時間帯も出てくると思いますので、永井選手や浅野選手のようなスピード系のFWがストロングポイントを生かせるシチュエーションも生まれる可能性はあります。

もっとも、どういう形であれ点が取れればいいわけですから、一つの攻撃の形にこだわりすぎてゴールから遠ざかってしまえば本末転倒というものです。

 ミャンマー戦の記事で、クロスボールの入れ方やそれへの飛び込み方を課題としてあげておきましたが、この試合でもまだ改善すべき点が見られます。

前半の早い時間帯が特にそうだったのですが、ほとんどがゴールエリアの中へ行ってしまうなど、クロスボールを落とす位置がゴールに近すぎます。

なぜそれがいけないのかと言えば、クロスの落下点がゴールに近すぎれば、GKが前へ出て容易にキャッチやパンチングすることができますし、相手バックの前でシュートしたい味方もその場でジャンプしてヘディングしなければならないので、空中で相手に競り勝つのが難しかったり、たとえヘディングシュートできたとしても威力が弱まってしまうからです。

上記の記事でも指摘したように、クロスボールの落としどころはイングランドサッカー界で言う「プライム・ターゲットエリア」(下図の青い斜線のエリア)をまず狙うべきで、受け手がゴールエリアのラインとペナルティスポットとの中間点あたりでシュートできるようにクロスを入れれば、ヘディングする味方選手も勢いをつけて走り込み高くジャンプすることができるので、相手に競り勝って威力のあるシュートを打ちやすくなります。


PTA


そうした意味で前半22分の南野選手のゴールは、クロスを落とす位置・ヘディングシュートする位置として理想的でした。それでもクロスに走りこむタイミングがほんのちょっとだけ早すぎたでしょうか。

これも上記の記事で指摘したことですが、クロスの受け手が相手バックの前で合わせよう合わせようとワンパータンの動きしかしないのもゴール数が伸びなかったもう一つの要因です。

セリエA第四節のボローニャ対ローマ戦で、マークの外し方のお手本のようなプレーを見ましたので動画で紹介します。



(4:30から)


ローマの攻撃で右サイドからクロスが入ってくる場面ですが、ゴール前にいるボスニア代表のジェコはボローニャの4番デンスビルが自分を見た時に前を取る動きを見せて彼をわざと前方へ釣り出し、その背後に自分がフリーでシュートするためのスペースをつくります。

次にデンスビルがクロスをあげようとしているイタリア代表のペッレグリーニを確認するため視線を外した瞬間、ジェコは後退してまんまとフリーになり余裕をもったヘディングシュートでゴールしています。

ジェコが自分のすぐ背後にいてマークできていると錯覚しているデンスビルは、クロスが自分の頭を越したので後ろを振り返ると、どフリーになったジェコがヘディングシュートしていて、どうしようもありません。

守備側の選手が、サイドにいてクロスをあげようとしている攻撃側の相手とゴール前でそれを合わせようとする相手を同時に視界に入れることができないことを利用したポジショニング術で、四大リーグのクラブに所属して毎シーズン二ケタ得点をあげたいなら欠かせないテクニックの一つですが、こうしたちょっとハイレベルな応用プレーができる日本人FWというのはほとんどいないですね。

ジェコがやりたいことを事前に理解して正確なピンポイントクロスをいれたペッレグリーニもさすがです。

以上述べたようなサッカーの基本や応用を日本代表がおろそかにせず、しっかり突き詰めることができていれば、モンゴルレベルの相手なら9点10点取れていても決しておかしくはありませんでした。

そこは次戦以降で成長すべき課題です。


    ☆       ☆       ☆

 
 選手個々で特筆すべき活躍だったのはチーム全体を落ち着かせる先制ゴールをゲットしてくれた南野選手。
プライム・ターゲットエリアのど真ん中の位置から教科書のようなヘディングシュートを決めてくれました。バイタルやペナルティエリアの中でワンタッチでボールをはたいてチャンスメークの面でも大きくチームに貢献しました。CLのリバプール戦で1ゴール1アシストした好調さをこの試合も維持。

 伊東選手は、得意のスピードを生かして右サイドを切り裂き、3つのアシストを記録してこのゲームのマンオブザマッチ級の働き。
日本人選手の場合、何度もボールにタッチして切り返してからクロスを入れるパターンが多く、守備側も予測が容易でクロスをたくさん入れる割にゴールに直結しない原因の一つとなっていますが、南野選手や永井選手のゴールシーンでは伊東選手がダイレクトで正確なクロスを入れたことが勝因となりました。クロスの落としどころもゴールに近すぎるようなことがなく、プライム・ターゲットエリアに正確に入れた点が非常に良かったです。
 課題はシュートで、明らかにノーチャンスの場面で焦って強引なシュートをした結果外してしまうシーンが何度か見られましたが、そこは一旦切り返してゴールの角度を広げ良い体勢からシュートするとか、味方へのパスに切り替えるといった冷静な判断力が求められます。

 吉田選手もゴール前の混戦からこぼれてきたボールをヘディングでねじ込み、久しぶりの得点。相手のレベルもレベルでしたが守備面でも危なげなしです。

 長友選手も伊東選手のチャンスメークから10年ぶりの代表ゴール。中島選手が徹底マークを受けたものの、連携プレーで左サイドを突破するところまでは良かったのですが、クロスの精度はまだ改善できます。 

 永井選手も伊東選手からのダイレクトクロスを頭でゴール。ただバックラインの背後にあまりスペースが無かったこともあり、スピードという彼のストロングポイントを生かすまでには至らず。

 遠藤選手もCKからのボールを頭で合わせて代表初ゴール。得点にこそならなかったもののミドルシュートが鎌田選手のゴールを引き出しました。引いた相手には正確なミドルは重要な武器となります。
 相手のカウンターをケアするため攻守のバランスを上手く取るようなポジショニングができていたと思いますが、相手のファールという判定で助かったものの中盤で一度だけ悪いボールの失い方があったのは改善点です。

 鎌田選手も遠藤選手のミドルシュートを相手GKが前へはじいたところをしっかり予測して詰め、こちらも代表初ゴール。ワントップやトップ下として機能したとはまだ言い難いですが、チームやシステムにフィットするためにある程度の時間を与えるべきでしょう。

 中島選手が徹底マークされたため左サイドの攻撃がなかなか機能しなかったのですが、柴崎選手が右サイドの攻撃を活性化するため前進し、攻めのパスを出すなど積極的に攻撃に絡んで行ったのは良かったです。
ただ、味方の足元へ出したのかスペースに出したのかわからない中途半端なミスパスも二度ありました。ゴールに直結しない横パスであってもおろそかにせず、一本一本のパスの正確性を大事にして欲しいです。

 逆に中島選手はボールを持つと常に2人3人にマークされて思うようなプレーができなかったのはやむを得なかったのですが、前半35分に中盤でボールを持ちすぎて相手3人に囲まれロスト、危うくカウンターを仕掛けられそうになったのは問題。ボールを長く持ってドリブルで勝負をかけるようなエリアではありませんでしたし、ケガを防ぐ意味でも次のプレーをどうするかの選択や球離れを早くして欲しいです。
 CKのキッカーとして遠藤選手のゴールをアシストしたのは良かったのですが、クロス・ラストパスが長くなりすぎて味方に合わないシーンも多く、その課題を解決できれば守備側にとって本当に怖いプレーヤーになれます。

 名前のあがらなかった選手は及第点の出来か、プレー機会が少なく評価の対象外です。


    ☆       ☆       ☆


 森保監督の采配で少し気になったのは、後半まだ20分を残した段階で3人の交代枠をすべて使い切ってしまったことです。

モンゴルにほとんど攻められることはありませんでしたから大丈夫という判断だったのでしょうが、交代枠をすべて使い切ったあとに、もしGKが相手の危険なファールを受けて痛んだり、足の筋肉系のトラブルを起こすなどして交代させる必要が出た場合は、こちらが1人少なくなる上にフィールドプレーヤーにグローブをはめてもらってGKをやってもらわなければならなくなります。

テストマッチではなくW杯予選という公式戦で万が一のリスクに備えるためにも、交代枠をすべて使い切るのは後半ロスタイムまで残り10分以降にした方が無難ではないでしょうか。


    ☆       ☆       ☆


 W杯アジア2次予選、日本の第二戦目となったモンゴルとのゲームは、勝利という結果は順当でしたが、ボールを正確に蹴る・止めるの段階で四苦八苦しているレベルの相手に90分間で6ゴールという試合内容は、得点力の面で物足りなさを感じました。

ミャンマーやモンゴルのようなレベルの相手との試合はやるだけ無駄で、いくらやっても日本代表の強化にはつながらないと主張するサッカー記者さんがいますが、私はそうは思いません。

難関大学の入学試験では必須だが、入るのが易しい大学の入試では数学の基本中の基本である足し算引き算が出来なくても良いなんてことにはならないのと一緒で、相手がモンゴルであってもフランスやブラジルであっても求められるサッカーの基本なり応用は一緒であり、モンゴル相手に100点満点取れないチームがフランスやブラジル相手に合格点を取れるわけがありません。

モンゴルとの“試験”で日本代表は95点しか取れなかった、私にはそんなイメージで、どこで5点失ったかはこれまで述べた通りですが、それではフランスやブラジルのようなレベルの相手から合格点を取ってW杯ベスト8以上を達成するのは難しくなります。
 
ただ、今回代表で経験の浅い選手や新システムを試せたのは収穫でした。

次に対戦するタジキスタン代表は、モンゴルより数ランク上の実力の持ち主であり、急に対戦相手のレベルが上がってビックリしないよう、自分が所属しているクラブと同じリーグの相手とやるつもりで、日本代表の各選手がもう一度気持ちを引き締め直し、チームの勝利のためにファイトして欲しいです。
 



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■モンゴル・タジキスタン戦に招集された日本代表メンバー発表

 今月行われるカタールW杯アジア2次予選(10日対モンゴル@埼玉 15日対タジキスタン@ドゥシャンベ)のために招集された日本代表メンバーが発表されました。以下の通りです。



GK 
  権田 修一 (ポルティモネンセ:ポルトガル)
  川島 永嗣 (ストラスブール:フランス)
 シュミット・ダニエル(シントトロイデン:ベルギー)

DF 
  吉田 麻也 (サウサンプトン:イングランド)
  冨安 健洋 (ボローニャ:イタリア)
  長友 佑都 (ガラタサライ:トルコ)
  酒井 宏樹 (マルセイユ:フランス)
  植田 直通 (サークル・ブルッヘ:ベルギー)
  安西 幸輝 (ポルティモネンセ:ポルトガル)
  畠中 槙之輔(横浜M)

MF 
  中島 翔哉 (ポルト:ポルトガル)
  南野 拓実 (ザルツブルク:オーストリア)
  堂安  律 (PSV:オランダ)
  橋本 拳人 (F東京)
  柴崎  岳 (ラ・コルーニャ:スペイン)
  伊東 純也 (へンク:ベルギー)
  久保 建英 (マジョルカ:スペイン)
  板倉  滉 (フローニンゲン:オランダ)
  原口 元気 (ハノーファー:ドイツ)
  遠藤  航 (シュツットガルト:ドイツ)

FW 
  永井 謙佑 (F東京)
  鎌田 大地 (フランクフルト:ドイツ)
  浅野 拓磨 (パルチザン・ベオグラード:セルビア)


 
 今回招集されたメンバーを見てますと、FWのポジションが注目されます。

エースFWの大迫選手がクラブでの練習中に起きたケガのため外れ、フランクフルトの鎌田選手とパルチザンでプレーする浅野選手が久しぶりに呼ばれました。

対戦するモンゴルやタジキスタンがどういうサッカーをやってくるのか決めつけてしまうのは危険ですが、おそらくはゴール前を固めて守備に重点を置いた戦い方をしてくる可能性が高いのではないでしょうか。

もしそうなれば、相手DFラインのウラに抜けるスペースは少ないでしょうから、スピード系よりも高さがあるタイプのFWが最低でも一枚は欲しいですし、永井選手と浅野選手は同じスピード系でプレースタイルが重なってしまうこともあり、個人的には前回呼ばれていた札幌の鈴木選手は残しておいても良かったのではないかと思います。鎌田選手も上背はありますが、あまりヘディングでゴールを量産するようなタイプではないようですし...。

逆に言えば大迫選手以外、手薄になっているFWの層を厚くするため新しい選手を試すチャンスでもありますので、永井・鎌田・浅野の3選手には目の色を変えてやってもらいたいです。

「窮余の一策」というと語弊があるかもしれませんが、こういうスタメンも考えられそうです。





(4-2-3-1)


         南野



  中島     堂安      伊東
                
                
 
       橋本   柴崎  
      (板倉) (板倉)


  長友   冨安   吉田   酒井



         権田



 モンゴルとのゲームは、勝手知ったるホームの埼玉スタジアムですし、日本サッカーの持ち味を十分生かして、勝利をもぎとってくれることでしょう。

タジキスタンとの試合はアウェー戦となりますが、ドゥシャンベ・ツェントラルスタジアムは、ザックジャパン時代の2011年11月にブラジルW杯アジア2次予選で経験済みです。

当時は、あちこちで芝が生えておらず土がむき出しになっているようなひどいピッチコンディションだったのですが、ザックジャパンは自分たちのストロングポイントであるパスサッカーを貫き通して4-0で完勝しています。

(当ブログ過去記事・日本代表、アウェーでも大勝(その1)(その2)

現在のツェントラルスタジアムは人工芝が敷かれているようで、あの当時から比べればかなりマシになったようですが、人工芝対策は一応やっておいた方が良いでしょう。

もっともベルギーやオランダなど欧州各国リーグにも人工芝のスタジアムはありますから、冨安選手や堂安選手あたりはもちろん、日本代表各選手も育成年代から経験があるでしょうし、今回も森保ジャパンの強みを生かしたサッカーをフツーにやれるのではないかと思います。

 これは余談ですが、個人的には人工芝のピッチは好まないですね。

人工芝ピッチもハイブリッド型など、どんどん改良され進化していますが、選手がケガや火傷をしやすかったり、黒いゴムチップで汚れたりするタイプは支持できません。

国際サッカー連盟は、人工芝ピッチを推進しているみたいですが、極北地域のように天然芝がどうしても育成しないとか、貧しくて天然芝ピッチの維持費用が出せないなどの理由があるのなら致し方ないのかもしれませんが、どう考えても天然芝のピッチを維持できるぐらいの裕福な国に人工芝ピッチのスタジアムが増えつつある現状を見ると、残念なものがありますね。

 話を日本代表に戻しますが、この2試合も勝ち点6はMUSTですし、試合内容の方も将来の成長につながるものであるかが問われることになります。




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