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■2019年01月

■日本代表、イランに3-0の完勝

 昨日アジアカップ準決勝、日本対イラン戦がUAEのアルアインで行われ、日本が3-0で完勝しました。

今回の対戦相手イラン代表は、ロシア・カタール・イングランド等でプレーする国外組にイランリーグでプレーする選手を合せたチームであり、日本との実力差は、ホームで日本の勝利、アウェーで引き分けが一番確率の高い結果と見ていました。

(これまで何度か指摘していますが、FIFAランキングは必ずしも正確に各国の実力を反映しているとは言えず、当研究所は独自の格付けを使用しております)

それを踏まえれば、中立地で日本の勝利という結果は順当なものでしたし、日本代表の試合内容も非常に良かったと思います。

日本人選手の技術やアジリティなど「個の能力」のストロングポイントに、組織的なパスサッカーを組み合わせれば、おのずからこれぐらいの結果は出ると思っていましたし、こういうレベルやインテンシティの高いサッカーをこの大会でも見たいとずっと思っていました。

ワクワクするような日本のサッカーが戻ってきましたね。

それでは日本の試合内容がどうだったか、いつものように振り返ります。

なおこの試合のレフェリーのジャッジは正常でした。


    ☆       ☆       ☆


 イランも4-1-4-1の組織的な守備ブロックをつくって守ってくる良いチームでしたが、攻撃面では日本の守備ブロックをパスで崩すような組織力は無く、ワントップのアズムンへのロングボールが主要な攻撃手段であり、吉田・冨安のセンターバックコンビの能力からして、日本がミスによる自滅さえしなければそう簡単には失点しないだろうと予想していました。

中盤でのボールの奪い合い、主導権争いもフィジカルコンタクト能力でアジアトップクラスのイランと互角以上の戦いを見せてくれ、非常に良かったですね。

日本の選手たちは普段プレミア・ブンデス・ベルギーリーグでプレーする選手を相手に戦っているわけですから、ロシアやカタールリーグ等でプレーする相手でも落ち着いて対処することができたと思います。

そうなってくると日本がイランの堅守を破ってゴールできるかどうかが焦点となっていましたが、イランの守備ブロックの中で、各選手が連動しながら勇気を持ってショートパスをつなぎ、非常に素晴らしい攻撃を見せてくれました。

サウジ戦のエントリーで、

「使う」「使われる」という表現はあまり好きではありませんが、キープ力があって相手ゴールまでボールを運べる「使う選手」が足りず、味方からパスを受けてゴールを奪う「使われる選手」の比率が多すぎて、チーム全体としての「ボールを相手ゴールまで運ぶ力」が落ちてしまっているからです。



と述べました。

この試合で久しぶりに先発した大迫選手は「使われる」のはもちろん、ポストプレーで味方が攻撃のポジションを取るために押し上げる時間をつくりつつ、チャンスメークのためのパスを出すような「使う」プレーも高いレベルでこなせるため、日本の攻撃が見違えるように良くなりました。

先制ゴールは、相手のミスパスを拾った柴崎選手のタテパスを受けた大迫選手がポストプレーからDFラインのウラへランする南野選手へパス、南野選手はペナの角で相手と交錯して一度倒れますがすぐさま立ち上がってボールを拾いクロス、これを大迫選手がヘッドでゴールに流し込んだものでした。

イランの選手たちが審判に詰め寄って集中を欠いているスキをついた日本の選手たちはしたたかでしたね。

追加点も、南野選手が相手陣内で奪ったボールがペナに走りこむ大迫選手へ渡り、大迫選手がボールをヒールで戻すと、南野選手のパスが相手の手に当たってPK獲得。

ダメ押しの3点目は、相手のパスミスを拾った原口選手から柴崎選手へ渡り、バイタルにいる南野選手へタテパスを入れると、その落としを拾った原口選手がドリブルで相手をタテにブッチぎって左足でシュートを叩き込んだもの。

どのゴールも各選手が連動して相手DF組織を崩す素晴らしい攻撃から生まれたものでした。

 修正点があるとすれば前半21分、やはりGK権田選手が細かくつなごうとして出したパスがミスになり、アズムンに決定的なシュートを許してしまったシーン。

それまで日本の良い流れで試合を進めることができていたのに、この1つのミスから相手が勢いづいてしまい、しばらくイランが攻勢をかける時間帯が続いたのは、もったいなかったですね。

もう一点は、急いで走ればタッチに出さずにマイボールにできるのに、わざわざスローインを選択するケースがけっこうありますが、オシム元監督が言っていたように、スローインを投げる者を除くとピッチ内では数的不利になってしまうので、必ずしもスローインが自分たちにとって有利とは限りません。

特に自陣で余裕があるときは、わざと相手に当たったボールを外に出してスローインを選択するようなプレーは避けた方が良いでしょう。

ダメ押しでもう一点。この大会なかなかカウンターアタックが決まらないのですが、コレクティブなカウンター攻撃を練習した方が良いかもしれません。


    ☆       ☆       ☆


 選手個々の評価は、いつもは及第点(平均点)以上の出来だった選手と、落第点の選手についての短評を載せていますが、この試合で及第点未満だった選手はおらず、プレー時間が短かく評価の対象外だった選手以外は全員、及第点以上の出来だったと思います。

日本の各選手は、自分が任されているポジションがやるべき仕事を高いレベルできっちりこなし、攻守両面で団結した一つのチームになっていました。

その中でも特筆すべき活躍だったのは、トルクメニスタン戦に続いてまたしてもドッペルパック達成の大迫選手。
彼の卓越したポストプレーのおかげで味方が攻撃のポジションを取るために押し上げる時間ができるので、南野・原口選手ら2列目の攻撃陣が見違えるように機能し始めましたし、クロスを自分のナナメ後方のゴール枠内へ流し込むヘディングシュートという彼の得意な形からチームがのどから手が出るほど欲しかった先制ゴールをゲット。PKの場面では、ヤマをかけて先に左に飛んだGKベイランバンドを冷静に見切って、ゴール右へ正確なキックを決めてくれました。文句なしにマン・オブ・ザマッチの大活躍。

南野選手は、大迫選手とのコンビネーションから相手守備陣を何度も崩し、大迫・原口両選手をアシストするなど、チャンスメークでこちらも大活躍。
倒れずに踏ん張ればゴールになる確率の高いチャンスがつくれるのに、シミュレーションぎみに倒れてFKをもらいに行き「シメシメ」みたいな顔をしながらソックスを直すような消極的な選手のプレーはあまり評価しないのですが、一度倒れてもすぐ起き上がり、ボールを拾ってクロスをあげたことが値千金の先制ゴールにつながり非常に良かったです。
ドリブルがやや強引すぎて相手3~4人に囲まれてボールロストしてしまうケースがあるので、そういう時は早めの判断で味方を生かすようなパスが出せれば、リターンをもらって自分がシュートすることも含め、もっと簡単に相手を崩すことができると思います。

原口選手は後半ロスタイム、南野選手のパスを受けるとドリブルで相手をタテにブチ抜いて左足で日本の勝利を決定づけるトドメのゴール。ロシアW杯時の好調さが徐々に戻ってきている感じです。

柴崎選手は、前の試合までミスパスや無駄なバックパスが多かったのですが、攻撃のビルドアップのために前に出すショートパスや得点につながった攻撃の起点となるパスをテンポよく繰り出し、良い出来でした。もう少し味方のボール保持者へのサポートを早くするともっと良くなると思います。
ただ、前半21分に自分たちのペナの中でアズムンと一対一になった場面で、中を切りに行ったのは正しいですし一歩間違えばPKもありますから対応は難しかったと思いますが、自分の股間にボールを通されて抜かれてしまったのは守備的MFとして避けたいプレーでした。

権田選手は同じ前半21分のピンチ、柴崎選手が抜かれ吉田選手の足の間を抜けてきたアズムンのシュートを左足一本でビッグセーブ。 後半15分にもジャハンバフシュのFKをよく防ぎましたが、前者のピンチは権田選手が細かくパスをつなごうとしすぎて相手に奪われたことがそもそもの発端。相手選手が自陣に6人以上侵入している時は無理につなごうとせず前へ大きく蹴り、できれば相手陣内深くでのスローインにして陣地を稼ぐような約束事を決めておくべき。

冨安選手の守備力がアジアトップクラスの強豪であるイランに十分通用したのは大きな収穫でした。
ただ1度だけアズムンにゴール前の空中戦で競り負けたことがありましたが、ボールの落下地点までの助走の取り方や空中での体の使い方を身につければ、まだまだ空中戦に強くなれます。

酒井選手は守備ではサイドに流れてくるアズムンとフィジカルでガチガチ戦い、攻撃では後半24分に右サイドをドリブルで突破してもう少しで原口選手のゴールを演出というプレーを見せてくれましたが、後半立ち上がりにハンドを取られて自分たちのゴール前でFKを与えた場面、ボールが当たると痛いのはわかりますがやはり逃げずに手を後ろに組んで体の正面でブロックして欲しいですし、後半に相手のスルーパスで簡単に右サイドを破られた場面が一回あったのも修正点でしょう。



    ☆       ☆       ☆



 アジアカップ、日本の準決勝の相手は強敵イランでしたが、足元の技術やアジリティなど日本人選手のストロングポイントと組織的なパスサッカーがうまく融合して、3-0で完勝できたのは良かったですし、サッカーの楽しさがギュッとつまった内容が非常に濃い、レベルの高い見ごたえのある試合でした。

このレベルの試合をずっと見たいと思っていましたし、日本代表ならできるはずと思っていたんですが、久しぶりに観ていて楽しいゲームでした。

こうした良いサッカーをこれからもずっと継続していってくれることを強く望みます。

 ただし、日本代表はまだ何も手に入れていません。次の試合に勝つために残された時間で最善の準備をして欲しいです。





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■日本代表、若きベトナムに手こずりながらも勝利

 昨日アジアカップ準々決勝、日本対ベトナム戦がUAEのドバイで行われ、日本が1-0で勝利しました。

今回の対戦相手ベトナム代表は、全員が国内リーグでプレーしています。

日本がホームでもアウェーでも勝てる相手、特に日本のホームや中立地では大差での勝利が求められる相手と見ていました。

この試合は得失点差争いがからむリーグ戦ではなく、
1ゴールでも上回れば勝ちぬけのトーナメント戦であり、必ずしも大量得点差での勝利は必要ありませんが、このレベルの相手にどれくらいゴールできるかは攻撃の完成度を計るうえでの指標となりますので、日本の攻撃はまだまだ良くなる余地があると言えるでしょう。

この試合の審判団のジャッジは、サウジ戦とは違いノーマルだったように思います。

それではいつものように、日本代表の試合内容を振り返っていきましょう。


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 まず守備からですが、相手のフィジカルコンタクト能力が低かったこともありますが、中盤からガチガチ当たりに行ってボールをよく奪い返すことができていました。

ただ相手を甘く見たのか、後半ロスタイムまであと10分で1点リード、最低でも1-0でゲームをクローズしたいという状況で、日本はコンパクトな守備ブロックをつくることができず、同点に追いつこうと必死の反撃を試みるベトナムとオープンな「殴り合い」を続けてしまったのは反省点でしょう。

また前半37分のシーンが象徴的ですが、吉田選手の不用意なバックパスからあわや失点かという危ないシーンがこの大会でずっと続いています。

吉田選手にしろ権田選手にしろ、つなごうか大きく前へ蹴ろうか迷って判断が遅れ、そうこうしているうちに相手選手が間近に迫ってきたので細かくつなぐしかなくなり、余裕のないプレーがパスミス・トラップミスを誘発してボールロストし、相手に決定的なシュートを打たれています。

つなごうか大きく蹴ろうか迷ったときは大きく蹴るとチームの約束事として事前に決めておくべきです。それでタッチラインを割ってしまったり、相手ゴールキックになったとしても失点するより1億倍マシです。

監督さんからも「できるだけバックパスは避けろ」という指示があっても良いと思います。

 攻撃面については、ベトナムがコンパクトな守備ブロックを自陣に形成して「守ってカウンター」を狙ってきましたから、それをどう崩してゴールを奪うかが焦点となりましたが、サウジ戦とはうってかわり、人とボールを連動させて相手の守備組織を崩そうという意図のわかる攻撃が見られました。

そうした意味で、やっと正しい方向に進みだしたように思いますが、中盤での攻撃のビルドアップの局面でパスミスが非常に多く、スムーズに相手の守備組織を崩すことができませんでした。

パスをつないで攻撃するときのチームの共通理解がまだできておらず、それがミスの多いギクシャクしたプレーにつながっているように思います。

相手が自陣にコンパクトな守備ブロックをつくってきましたから、相手バックラインより前では基本的にすべて足元でパスをつなぎ、スペースに出すパスというのは相手に先に追いつかれてしまうので、まず使えないと思った方がいいです。

足元でパスをつなぐときも、ボール保持者に複数のパスコースを用意してやるため、常に微調整を繰り返しながら正しいポジショニングを取り続け、背後に相手選手を背負っているのでなければ、半身でパスを受けてすぐ前を向きます。

(背負っているときは、自分が受けたいスペースとはいったん反対方向に動き、自分のマーカーをはがしてから動きなおして、もともと自分が受けたかったスペースでパスを受ける)

そのときも、下を向いてボールをトラップし足からボールが離れている間(いわゆるオフの状態)に相手選手はプレスをかけてきますから、半身でボールを受けるときに、なるべくヘッドアップしてボールを間接視野で見ながらトラップして置きたい場所に止め、すぐにパスやドリブルが出来る状態を保てれば、相手もうかつに飛び込むことができませんし、前方の状況をよく確認できるのでミスの無い正確なパス出しもやりやすくなります。

足元が上手いと言われる日本人選手でも、欧州四大リーグのビッグクラブでレギュラー張っている選手とまだまだ差があるのはこういうところではないでしょうか。

さらに日本人選手がパスサッカーをやるときに非常にありがちなのは、相手が日本のボール保持者をサイドに追い込むように組織的にプレスをかけてきて、サイドの選手がパスを受けたものの前へ展開できずに「行き止まり」となり、ボランチなどピッチ中央にいる味方へパスを戻したのに、再びパスを出した選手にボールを戻してそのサイドが敵・味方の選手で大渋滞となり攻撃が行き詰ってしまうというパターン。

この試合でも何度かこういうシーンが見られましたが、これでは相手の思うツボです。

オランダのクラブの育成組織では、なるべく左から来たパスは右へ、右から来たパスは左にはたいて、ボールを敵選手の少ない方へ少ない方へ逃がすように、口を酸っぱくして指導されると思いますが、日本人選手は、たとえば左サイドから戻されたパスを中央でもらうと、わざわざ渋滞している左サイドへパスを戻すとか、ボディシェイプの基本ができておらず相手ゴールに背を向けてパスを受けるので、前方へターンできずに無駄なバックパスを繰り返すなど、効率的でない攻撃の仕方が目立ちます。

これも当研究所では再三指摘していることですが、相手バックラインの前に広がるバイタルエリアに侵入するタイミングが早すぎて、ウラのスペースが狭くなってしまう、バイタルエリアも敵味方の選手で渋滞して攻撃が行き詰ってしまうというシーンがこの試合でも見られました。

日本のボール保持者の前に、味方のフィールドプレーヤーが7~8人いて、バイタルエリアに4人も5人も待ち構えているという状況は、ゴール前にスペースが無くなってシュートチャンスをつくりにくいのみならず、中盤で数的優位がつくれずにバイタルエリアにいる味方へボールを供給しにくくなったり、ボールをロストした場合、相手のカウンターから失点しやすくなります。

ポジショナルプレー的に考えても非常にバランスの悪い攻撃の仕方と言えます。

ベトナムは中盤をフラットにした5-4-1というフォーメーションでしたから、ワントップの北川選手を相手の3バックが、原口・堂安の両サイドハーフ(SH)を相手のウイングバックが、南野選手がバイタルから下がって相手のセントラルMF(CMF)2人が見るようにさせ、長友・酒井の両SBをあげれば、相手のワントップを見ている吉田・冨安のコンビのところはもちろん、トップ下の南野選手とボランチの1人・SBの1人でつくるトライアングルのところで、相手のCMFとSHの2人に対して数的優位がつくれるわけです。

トップ下・ボランチ・SBのトライアングルで連動しながらパスを回して相手のMFラインを突破してたとえば柴崎選手が右ハーフスペースで前を向き、相手5バックを自分たちのゴールに向かって走りながら守らざるをえない状況をつくれたらしめたものです。
(そのために、あえてワントップに相手ゴールに近いところへ走りこませるタイミングを遅らせた)

柴崎選手はサイドレーンにいる右SHの堂安選手へパスし、堂安選手は中へカットインドリブルをしながらバックラインのウラへチョコンとパスを出して、ダイアゴナルランで抜け出したワントップの北川選手が相手GKとの一対一を制してゴールを決めたり、堂安選手をオーバーラップして追い抜いた酒井選手へパスし、彼のクロスから中央で待ち構える選手が決めるなど、さまざまな攻撃パターンが考えられます。

相手と味方のフォーメーションを比較して、どう動けばどのエリアで数的優位をつくってパスを回し相手を崩せるか、それに対して相手がたとえば5-4-1から4-1-2-3に変えてきたらじゃあこちらはどうすれば良いかということを、ピッチ上の選手たちの判断で解決できれば素晴らしいですし、もちろんスカウティング等で相手が使えるフォーメーションを事前に予想しておいて、監督さんからの指示でやっても良いでしょう。

そういう頭の体操をオランダの選手はユース年代からやっているはずで、南野選手や堂安選手、遠藤選手や柴崎選手がバルサにしろバイエルンにしろマンチェスターCにしろ、グアルディオラ監督が率いるクラブに移籍したら、そういう戦術理解や頭の使い方を求められるわけです。

特に堂安選手はフローニンゲンでプレーしているのですから、そういう話は聞いたことがあるはず。

森保ジャパンは、ワンタッチパスを多用しておりそれ自体悪いことではありませんが、味方がパスを受けるための適切なポジショニングを取ることができていないのにワンタッチでパスをしてミスになったり、ボディシェイプが悪くなったボール保持者が苦しまぎれに出すヒールパスのように、受け手が自分へパスが来ると予測することが難しいプレーも見受けられます。

これまで述べてきたような高度に組織的な攻撃ができるようになったら、半身でボールを受けてワントラップしてからパスを出しても、ミスプレーを防ぎながら相手守備組織を十分崩すことができますし、日本代表のパスサッカーをもうワンランクもツーランクも上のレベルに引き上げることが可能となります。



    ☆       ☆       ☆


 選手個々で特筆すべき活躍だったのは、PKからゴールを決めた堂安選手。自分で獲得したPKを自らの責任で決めてチームを勝たせる決勝点をゲット。
流れの中からの攻撃ではややピッチ中央よりでプレーする時間が長すぎたでしょうか。右SBの酒井選手らとうまく連携してサイドを崩せればもっと良かったと思います。

原口選手は堂安選手のPK獲得をアシストする良いパスがありましたし、北川選手へのクロスもドンピシャでしたが、右足からあげるクロスの精度を欠いていたので改善をお願いしたいです。

 逆に、吉田選手は前半37分、ゴール前でのトラップミスからボールを奪われて、2度にわたって決定的なシュートを打たれる危険極まりないミス。そもそも相手のスローインから流れてきたボールを前へ蹴っておけば何でもないところを、「大事にいこう」としすぎてGKへバックパスしたことがこのミスの伏線でした。後半37分のバックパスも含め、この大会では吉田選手のGKへのバックパスから非常に危なっかしいプレーが続いています。相手選手が自陣にたくさんいてパスの出しどころがなく、つなごうか大きく蹴ろうか迷ったときは大きく前へ蹴ると事前に決めておくべきですし、それでタッチラインを割ってしまったり、相手ゴールキックになったとしても失点するより1億倍マシです。
ボランチのパス受けの動きが質・量ともに少なかったことも原因ですが、吉田選手からのグラウンダーのパスが何度もカットされてやはりピンチを招いていました。

柴崎&遠藤選手のダブルボランチのところが、相手のフォーメーションからして数的優位をつくれるところだったのですが、味方のバックがボールを持っている時のパスを受けるための動きの質・量が足らず、攻撃のビルドアップがなかなか上手くいかない原因に。
パスを受けるポジショニングやボディシェイプが悪いので、ボールをロストしたらたちまちショートカウンターを浴びそうなイチかバチかのワンタッチパスを味方に通したり、サイドで行き詰った味方からピッチ中央にいるボランチへ戻ってきたパスを再び同じサイドの選手に返したり、特に柴崎選手は相手ゴールに背を向けて味方と無駄なバックパスを繰り返してチームの攻撃を遠回りさせています。日本のゴール前で相手とのヘディングに競り負けたことも一度ありました。
森保ジャパンの発足からずっと柴崎選手のプレーの問題点を指摘し続けていますが、バルサのブスケツやシティのフェルナンジーニョに代表されるように、現代サッカーでは守備的MFのポジションは非常に重要になっており、求められるプレー水準も高いものになっています。ラ・リーガでプレーし続けるためにもがんばって欲しいです。

南野選手も前の試合よりは存在感がありましたが、相手5バックの前のセンターレーンにワントップの北川選手と一緒に入ってしまう時間が長く、ゴール前が渋滞してチームの攻撃が行き詰ってしまう一因に。
相手のフォーメーションを考えれば、相手のセントラルMF2人の前に一度降りて、味方のダブルボランチと連携して数的優位をつくりながらパスをつなぎ、自分かボランチの一人が相手MFラインを突破して前を向くような攻撃が出来れば、もっと攻撃がスムーズになったように思います。
シュートを打つ時も相手GKの位置や動きを見る余裕があれば良いのですが、この大会で一本でも決まればリラックスして立て続けに決まるようになるかもしれません。

北川選手は、あまり早いタイミングで相手DFのウラのスペースへ走りこむと、相手の5バックがベタ引きになってしまいますし、隣り合ったポジションの味方ともっと連携を深める必要があります。シュートを打つ時もJリーグでやっているときのような“平常心”でやれば、決まるのではないでしょうか。

名前の挙がらなかった選手は及第点の出来か、プレー時間が短く評価の対象外です。


    ☆       ☆       ☆


 アジアカップ、日本の準々決勝の試合は、ひたむきに走り回る、若くて失うものの無いベトナム代表の粘り強い守備に手を焼きましたが、もちろん勝利という結果は良かったのですが、組織的なパスサッカーで相手の守備ブロックを崩す場合の選手同士の共通理解やコンビネーションがまだまだ不足しており、その問題が解決されればもっと早い時間帯に先制ゴールをあげ、相手の足が止まった後半には複数の追加点を入れてもっと楽にこのゲームをクローズさせられたように思います。

ただ、攻撃戦術はようやく正しい方向へ向かい始めましたし、選手たちの勇気を買いたいと思います。

こういう意図のある攻撃をオマーン戦から継続してやっていれば、この試合はもっとクオリティの高い攻撃が出来たのではないでしょうか。

チームも選手個々も成長するために、攻守に高いレベルで連動したサッカーを継続していって欲しいです。





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■日本代表、サウジとのスキャンダラスな一戦を制す

 昨日、日本代表のアジアカップ2019決勝トーナメント1回戦となるサウジアラビアとのゲームが行われ、日本が1-0で勝利しました。

対戦相手のサウジアラビア代表は全員が自国リーグでプレーしています。

その戦力を評価すれば、ホームで日本の勝利、アウェーで引き分けが一番確率が高い試合結果と見ていました。それを踏まえれば、中立地で日本の勝利という結果は順当でしたが、試合内容は悪かったと思います。

守備はともかく、日本は攻撃の形をまったくといって良いほどつくれず、数少ないセットプレーからのワンチャンスをゴールに結びつけ、それを最後まで守り切っての苦しい勝利でした。

また試合に勝ったからこそ負け惜しみで言っているのではないということをわかってもらえると思いますが、この試合を裁いた審判団には「政治力」がかかっていたように見え、明らかに相手に当たって出たのに日本のCKをまったく認めないなど、ジャッジが両チームにとって公平中立なものとは決して思えませんでした。

それではこのスキャンダラスな試合での日本代表のゲーム内容がどうだったか見ていきましょう。


    ☆       ☆       ☆


 守備面に関しては良かったと思います。というか、ほぼ90分間守備しかしていないゲームでしたね。

コンパクトな守備ブロックをつくって自分たちが守るべきスペースを限定し、相手に攻撃での自由を与えていませんでした。

中盤でもっとプレスをかけてボールを奪ってから攻撃につなげることができればなお良かったのですが、日本の選手が正当なボディコンタクトからボールを奪っても、主審がすべて日本のファールにしちゃいましたから、やむを得なかったかもしれません。

 攻撃に関しては組織力が極めて低く、選手同士に連動性のかけらも見られませんでした。

チームとしてのボールキープ力がなく、前へポンポンロングボールを蹴ってしまい、周囲の味方が攻め上がるための時間がつくれないので、あっという間にボールをロストしては相手の波状攻撃を浴びてしまいました。

数少ないセットプレー以外、相手からゴールを奪う手段が皆無に等しく、もし1点でも失っていたら精神的にガタガタッといって、立て続けに逆転ゴールを許してしまうと、そこで「終わり」というサッカーになってしまっています。

この試合はオマーン戦に出た“主力組”が戻ってきたわけですが、オマーン戦の課題として当研究所が指摘していたことがまったく改善されていません。

むしろウズベキスタン戦に出ていた“サブ組”の方がクオリティの高いサッカーをやっていました。

この試合に関して、UAEの新聞が「ウズベキスタン戦に出ていた日本代表の方が見ごたえがあって流動性のあるサッカーをやっていた」と書いていたそうですが良く見ていますね。私も同感です。

いくらジャッジがひどかったとしても、もっと攻撃のやりようはあったはず。

一本調子でロングを放り込んではすべて相手にボールを拾われ、波状攻撃を浴びてアップアップの展開だったわけですから、時間帯によっては攻め急がずに、ボールをチームでポゼッションする遅攻を上手く使い分けられたら、もっと楽に勝てたと思います。

そのためには、味方のボール保持者をサポートして複数のパスコースを確保するための正しいポジショニング(下図)を取り、トライアングルをつくりながらボールをアタッキングサードまで運んでいくことが必要になりますし、そうしたチーム戦術は、特別な才能に恵まれていなくてもできるはずです。


適切
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ダイアモンド



守備はともかく攻撃面では試合内容に何ら見るべきものはなく、より高度なサッカーをするためのチャレンジをすべて避けていました。

こういうレベルの低いサッカーをやって結果が出たとしても選手の成長は見込めませんし、長い目で見て日本サッカーの発展のためにならないと思います。



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 選手個々で特筆すべき活躍だったのは、守備に決勝点ゲットに大活躍だった冨安選手。
若い彼が守備でアジアの強豪相手に十分通用したことは大きな収穫でした。当研究所は「センターバックは専門職であり身長は最低でも185㎝以上欲しい」とずっと言ってきましたが、中澤・闘莉王のコンビ以来、ようやく世界で戦えるCBがそろってきたように思います。攻撃陣がパッとしない中、クレバーな動きでマークを外して値千金の決勝点もゲット。

遠藤選手は、中盤でのボール奪取力が非常に素晴らしかったですね。ボランチとして攻守のバランスを考えたポジショニングを取りバック陣を助けていました。あとは「顔出しの動き」の質と量を高めてボール保持者に常にパスコースを用意する動きができればなお良いです。
 
吉田選手は、顔面で相手シュートをセーブするなどディフェンスリーダーとして奮闘。
ただ自陣左サイドでの軽い対応から一発で抜かれたプレーは反省点ですし、マイボールになった時、味方がまったくいないところへロングボールを蹴って自分たちでゲームを苦しくしていました。

 逆に柴崎選手は、CKから冨安選手のゴールをアシストしたのは良かったのですが、流れの中でのプレーでは、一本調子でタテに速いパスを出してしまうのでチームとしてボールをキープすることがまったくできず、相手の波状攻撃を90分間受け続けてしまう一因に。チーム全体としてボール保持者にパスコースをつくるような動きができなかったこともありますが、攻撃的なボランチの重要な仕事として、自分のところでタメをつくってボールをキープし、味方が攻撃のためのポジショニングを取る時間を稼ぐような緩急をつけたプレーが欲しいです。

南野選手は、攻撃面でほとんど機能していません。基本的に「フィニッシャー」なので南野選手にボールを供給してくれる味方が必要なのですが、中島選手が負傷離脱中で、チーム内にボールキープ力のあるパスの出し手がほとんどいないことが機能しない原因となっています。

原口選手は前半35分のプレーで 相手ボール保持者と一対一になっている長友選手をカバーしたときのポジショニングがおかしく、長友選手の右ナナメ後方にポジショニングしていれば、アルムワラドのドリブル突破を許してシュートを浴びることを防げたと思います。

酒井選手は相手セットプレー時に、ファーポスト側へボールが来ると対応が遅れて相手のマークを外してシュートを打たれることが多いのは改善点です。

武藤選手はまったく必要のないラフプレーが原因で大切な次の試合を累積警告で出場できなくなってしまいました。
後半14分のカウンターシーンでは、ニアポスト側へ切り返したためシュートコースが無くなってしまいましたが、最初にファーポスト側に切り返すことはできなかったでしょうか。
   


    ☆       ☆       ☆



 森保監督の采配について分析しますと、審判団がサウジの12・13番目の選手になっていましたから、あえてこういうゲームをやったのかもしれませんが、それにしても守備はともかく攻撃戦術のクオリティが低すぎます。

攻撃面での組織や選手同士の連携といったものがまるで見られず、セットプレー以外に相手からゴールを奪う手段が見当たりません。

ウルグアイとのテストマッチで見られたあのワクワク感が完全に消えてしまいました。

ウルグアイ戦での森保ジャパンの攻撃が素晴らしかったのは、チーム戦術というよりも“ドリブルお化け”のボールを相手ゴールまで運ぶ力がスゴすぎるおかげだったことが明らかになりつつありますが、攻撃戦術=中島選手というのでは困ります。

むしろ中島・大迫両選手が使えない“飛車角落ち”の苦しい状況だからこそ、チーム全体で組織的にボールをキープして相手ゴールまで運び、各選手が連動して相手の守備組織を崩し、得点を狙うような戦術が必要だと思います。

トルクメニスタン戦の記事でも指摘しましたが、中島選手が抜けたことでボールを相手ゴールまで運ぶ力が落ちており、森保監督が“主力組”として送り出すメンバーも、システムとしてあまり機能していません。

「使う」「使われる」という表現はあまり好きではありませんが、キープ力があって相手ゴールまでボールを運べる「使う選手」が足りず、味方からパスを受けてゴールを奪う「使われる選手」の比率が多すぎて、チーム全体としての「ボールを相手ゴールまで運ぶ力」が落ちてしまっているからです。

前述のようにトップ下といっても南野選手は司令塔タイプの「使う選手」ではなく「使われる選手」であり、2列目に「使う選手」がいなければ南野選手にボールが供給されず、彼本来の力を発揮することは出来ません。

左サイドの原口選手・右サイドの堂安選手も「使う」「使われる」両方できると思いますが、どちらかといえば「使われるタイプ」でしょう。

もちろんワントップの武藤選手は「使われる選手」です。

本来なら攻撃的なボランチである柴崎選手が周囲の味方と連携しながら自分のところでボールをキープしてタメをつくり、2列目より前の選手が攻撃のポジションを取る時間をつくってやってからパス出しする「使う」選手になれれば良いのですが、受け手の準備が整っていようがいまいがダイレクトで前方へパスを出してしまうため、その多くがボールロストとなって、「使われる選手」に良い形でボールが届きません。

今の日本代表は、大会直前に強豪とテストマッチをやるようになったらまったく通用しなかったハリルジャパンのタテポンサッカーのようになってしまっており、西野さんがロシアW杯で卓越した技術でボールキープができる乾選手を抜擢してチームを生き返らせたことを思い出しますが、その時と同様、チーム全体のバランスを考えて「使われる選手」を減らして「使う選手」を増やすべきだと思います。

次戦は武藤選手が出場停止ですから、北川選手もポストプレーがあまり得意ではないという点では同じなのでシュート決定力の実績を買って南野選手をワントップに持ってきて、トップ下には強いフィジカルコンタクト能力でボールをキープして前へ運べる堂安選手、左サイドには乾選手を入れて、右サイドにはスピードとキープ力を兼ね備えた伊東選手はどうでしょうか。

もし伊東選手をジョーカーとして取っておきたいのであれば、右サイドの先発を原口選手にして、試合の終盤に伊東選手を右サイドに入れたら、その時間帯にへばってくるであろう左サイドの乾選手のところに原口選手を回せばよいかと思われます。

ここまで攻撃面で柴崎選手がほとんど機能しておらず、セットプレー時のキッカーさえ確保できるなら、遠藤・塩谷のダブルボランチで守備を安定させた方が良いかもしれません。塩谷選手にはミドルシュートでドカンがありますしね。



           南野



    乾      堂安    伊東
   (原口)         (原口)



        遠藤    塩谷



   長友   吉田    冨安   酒井


           権田



ウズベキスタン戦で効いていたボランチの青山選手がヒザの故障でチームを離脱してしまったのが痛いのですが、誰を代わりに招集するのでしょうか。

プレーをまったく見ておりませんが、ヘーレンフェーンの小林選手はいかがなものでしょうか。あるいはFWの駒が足りていないのでシントトロイデン鎌田選手を呼んでFWやトップ下に入れれば、苦しいチームを救うラッキーボーイになってくれるかもしれません。



    ☆       ☆       ☆



 審判団がサウジの12・13番目の選手になっていた苦しい試合でも勝利という結果を手に入れた選手たちはよく頑張ったと思いますが、この試合を見てショックだったことが2つありました。

1つ目は、攻守の組織戦術で日本はサウジに完敗だったこと。

サウジは、ファンマルバイク元監督時代からポゼッションサッカーに大転換しましたが、ボール保持者を複数の選手が適切な距離(10m以内)でサポートしつつ組織的にパスを回して多くのシュートチャンスをつくり、ボールをロストしてもそのエリアに多くの選手がいるのですぐに組織的なプレスをかけて短時間でボールを回収することができるという、バルサやオランダのパスサッカーを長年見てきた当ブログ管理人にとっては馴染みのある戦術でした。

今は個の能力、特にフィジカルコンタクト能力で勝っているので、どうにかこうにか得失点の帳尻を合わせて試合に勝つことができていますが、もし将来的にサウジ人選手の能力が日本人選手と並んだり上回ったりした場合、チーム戦術面で劣る日本は手も足も出なくなるでしょう。

また足元の技術に限って言えば日本人選手を上回っているサウジの選手も見られ、日本サッカー界全体がこの試合の内容を重く受け止め、足元の技術・フィジカル能力・戦術の理解力などで世界トップクラスの選手をこれから数多く育成していかないと、アジアレベルでさえ日本サッカーの優位性を保つことはできないと思われます。

W杯やチャンピオンズリーグの決勝戦で活躍するような日本人選手を輩出させたいなら、サウジの選手からプレスをかけられても冷静さを失わず、味方の足元へ正確無比なパスをつなぎ、質の高い組織的なサッカーを当たり前のようにできるような選手を育成しなければなりません。

 2つ目は、アジアナンバー1との評判だったイルマトフ主審でさえ、ああいう笛を吹くんだなということがわかったことです。

サウジの選手がシミュレーション気味に倒れれば、すべて日本のファールになるところから始まって、逆に堂安選手が倒されてもサウジのファールにはならず、相手に当たってボールが出たのに日本のCKがことごとく認められない、南野選手の胸か肩でのトラップからのシュートチャンスがハンドと判定されるなど、日本の得点チャンスは審判団によってトコトンつぶされていたように見えました。

誰がこの試合の審判団に「政治力」をかけて、あのようなジャッジをさせたのか知りませんが、決してその人たち自身のためにならないと思います。

また再三再四言っているように、日本サッカー協会はどうしてアジアサッカー界の腐敗を放置しているのでしょうか。

アジアサッカー連盟の規律委員会など権力のある部門に日本人関係者を送り込んで、すべてのチームにとって公平中立なジャッジが確保されるよう積極的に活動して欲しいです。

スポーツは「筋書きのないドラマ」だからこそ面白いのであって、ゲームをやる前からどちらが勝つか筋書きが決まっており、その筋書きが実現するように審判団があの手この手で「出来レース」を演出するような茶番劇ほど、クッソつまらないものはありません。

そんな茶番劇を2時間とか3時間かけて見るのは時間のムダですし、そんな試合がこれからも続くようなら代表戦を見るのはやめて、バルサやマンチェスターC戦を追っかけるようにします。

 次の試合の相手ベトナムも油断ならない相手ですが、失敗を恐れて消極的な守りに入ったサッカーではなく、日本代表が勇気を持ち、攻守両面で積極的にチャレンジする良いサッカーが見たいです。




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■日本代表、ウズベキスタンに逆転勝ち

 昨日、日本のグループリーグ最終戦となるウズベキスタンとのゲームがUAEのアルアインで行われ、2-1で日本が勝利しました。

今回の対戦相手ウズベキスタン代表は、国内組を中心にロシア・日本・中国など国外でプレーする選手をあわせたチーム。ホームでもアウェーでも日本が勝利できる相手と見ていました。

すでに両チームとも決勝トーナメント行きを決めているため、どちらも“控え”の選手が多いスタメン構成となりましたが、中立地で日本の勝利という結果は順当でしたし、試合内容の方も攻守両面で良かったと思います。

前半終了5分前という集中が切れやすい時間帯に失点したのは褒められたことではありませんが、前半のうちにすぐに同点に追いついたのが大きかったですね。

ウズベキスタンも日本のコンパクトな守備ブロックに手こずって攻撃の形が上手くつくれない中でやっと点が取れて喜んだのもつかの間の失点に、精神的にガクンと来たようで、日本は後半も良い流れを継続して逆転ゴールに結びつけました。

ちなみに「アジアカップ」「アルアイン」「ウズベキスタン」の組み合わせと言えば、やったのは同じ市内の別スタジアムでしたが、今から23年前のアジアカップ1996UAE大会のグループC、日本は第二戦でウズベキスタンと対戦し、名波・三浦カズ・前園のゴールで4-0と圧勝した試合を思い出しましたが、まだカズ選手が現役でやっているのがスゴすぎますね。

話が少々脱線しました。それでは日本の試合内容を振り返ってみましょう。


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 前回オマーン戦では、攻撃面で各選手の連携が取れておらず、特に後半はロングボールをポコポコ放り込む雑なサッカーとなり、オマーンにボールをポゼッションされて守備に走り回らされたところは大いに不満でした。

相手のカウンターを恐れているのか、中盤にフリーの味方がいても足元へパスをつけるのをためらいバックパス、1-0のスコアを最後まで守ろうとするかのようにロングボールを放り込んでは簡単にボールを失っていました。

早い時間に先制できたからこそ、その後は落ち着いてボールをポゼッションして中盤から攻撃をビルドアップし、逆に相手をこっちのパスで走り回らせて消耗させながら2点目3点目をゲットしてゲームを決めてしまった方が、1-0でもう守りを固めてカウンター狙い、相手にボールをポゼッションされ守備に奔走させられるよりも体力的に楽なのではないでしょうか。

試合終了10分前でも1点差のままという状況でCB2枚を残して総攻撃をかけるのは無謀というものですが、日本とオマーンとの力の差を考えれば、仮に1-1とされても精神的に動揺する必要はまったくありませんし、冷静に攻撃し直して再度リードを奪う得点をあげれば良いわけで、格下相手にはこちらがボールと主導権を握って攻めるゲーム運びを基本とすべきだと思います。

W杯にはまず出てこないであろうレベルの相手に「1-0のスコアを守りきろう、カウンターが怖いからパスカットされないようにロングを蹴っておこう」というのであれば、いくらピークをここに持ってくる必要がないとは言え消極的すぎるというか、W杯ベスト8以上を狙っているチームにしては志(こころざし)が低すぎます。

もしそういう消極的なメンタルの持ち方をしているならそれが、ロシアW杯で2-0からベルギーに1点返されたり、ブラジルW杯で1-0からコートジボアールに1点返されただけで、精神的にガタガタッと行って立て続けに逆転ゴールまで許してしまうことにつながっているのではないかと思うのです。

 で、この試合。

普段あまりやっていない“控え組”の選手がスタメンにズラリと顔をそろえたので、連携面でどうなるか不安だったのですが、攻守両面で内容は良かったですね。

守備は、中盤でのボールの奪い合いでフィジカルの強いウズベキスタンが相手でも勇気を持ってガチガチ当たりに行って、良い形から何度もボールを奪い、攻撃につなげていきました。

後半、体力的にバテて少し間延びしましたが、コンパクトな守備ブロックでウズベキスタンに思うような攻撃をやらせず。

課題があるとすれば、中央突破を狙った攻撃をしている時にボールを失うと、相手ゴール前からズルズル後退して、あっという間に自分たちのゴール前まで迫られてしまったことです。

特に相手ゴール前中央を攻めている時は、今この瞬間にボールを失っても良いようなポジショニング(ボールの後ろのどのエリアに何人残すか等)を各選手が考えつつ味方のボール保持者をサポートし、ボールをロストしたらすぐさま相手のボール保持者に寄せていき、できるかぎり早くボールを奪い返せるとなお良いです。

攻撃面でも、ちゃんと連携が取れていて意図がわかる良い攻撃が数多く見られました。

相手からボールを奪うと、中盤の底から青山選手や塩谷選手から前方へテンポよくパスが出て、リズムに乗った攻撃が出来ていましたし、左サイド乾・右サイド伊東の両選手がボールをキープできるので、チーム全体としても攻めの主導権を握ってサッカーをすることが出来ていました。

やはり後半の後半になると“控え”の選手が多いせいか足が止まり、防戦一方となりましたが、オマーン戦に出た“主力組”よりも、攻撃面で連携が取れていたのは良い意味でサプライズでした。

課題をあげるとすれば、味方からグラウンダーのスルーパスを受けるために相手DFラインのウラへ走りこむタイミングが早すぎることで、味方のボール保持者が相手のボランチより前にいる段階でダイアゴナルランを始めると、スルーパスのスピードを速くしなければ通らないので、受けるのが非常に難しくなりますし、相手DFラインのウラのスペースも狭くなってしまいます。

味方が相手バックの前、ボランチの後ろのスペースでボールをもって前を向いたタイミングで、DFラインのウラへダイアゴナルランしても十分間に合いますし、実際この試合でもそういうケースがあったのですが、こんどはボール保持者がパス出しを迷ってしまい、数秒モタモタしているうちに相手選手に囲まれてスルーパスを出すチャンスを失っていました。

相手バックラインの前からスルーパスを出す、DFラインのウラへダイアゴナルランしてそれを受けるというプレーは非常に重要な攻撃パターンですが、1試合にそれほど多くのチャンスがあるわけではありません。

実戦だけで上手くなるのは難しいですから、そういうシチュエーションからスルーパスを出すタイミング・受けるタイミングを合わせる練習を普段から数多くやって慣れておくことが極めて重要です。


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 選手個々で特筆すべき活躍だったのは、同点ゴールをあげた武藤選手。
武藤選手のストロングポイントはゴール前で自分をマークするDFとのクレバーな駆け引きでフリーになり、シュートを打つためのスペースをつくって得点を決めることだと思うのですが、普段からプレミアのバックを相手にしていれば、ウズベキスタンの選手のマークを外してヘディングシュートを決めるのは容易だったかもしれません。決めた時間帯も良く、相手は精神的にガックリ来たようでした。

塩谷選手は、勝手知ったるクラブのホームグラウンドで豪快な逆転ミドルシュートを決めてくれましたね。中盤で相手にガチガチ当たりに行って何度もボールを奪い返し、ミスはあったものの前方へ攻撃の起点となるパスを出し続けました。

青山選手は攻守のバランスを考えたポジショニングをしながら、精力的なパスを受ける動きから半身で後ろから来たパスを受けると、前方の味方がフリーでいるうちに、ミスを恐れず正確なパスをその足元につけるという作業を地道に繰り返すことで、チーム全体の攻撃に良いリズムをもたらしていました。
相手ゴール前で味方がボールを失った時、自分たちのゴール前までズルズルさがってしまうのではなく、チームメイトと協力しながら相手ボール保持者に適切に寄せることができれば守備はもっと良くなります。

室屋選手は、右サイドを突破してからの正確なクロスで武藤選手の同点ゴールをアシスト。右サイドバックのクロスがドンピシャで合ってゴールというのは代表戦では久しぶりに見た気がします。守備でもまずまず安定した出来で成長がうかがえました。

乾選手は、抜群のキープ力でボールを相手ゴール前まで運び、チームの攻撃を牽引。クラブで90分間試合に出られていない影響でしょうが、後半の後半になるとバテバテで、ボールコントロールのミスから相手のカウンターを誘発してしまうシーンが見られましたが、試合に出続けることでロシアW杯時の好調を取り戻せるはずです。

伊東選手は攻守にわたって出色の出来。サイドで積極的な守備からボールを奪うと、スピードを生かして自らシュートを放ったりチャンスメイクしたりと大活躍。右サイドはもちろん左サイドで主力組に入れてプレーさせても面白いと思います。

シュミット選手は後半40分、相手のアウトにかけたGKから逃げるようなシュートをファインセーブ。
前半40分の相手ゴールシーンでは、戻ってきた三浦選手にコーチングしてファーポスト側への相手シュートを切らせた上で、ニア側7ファー側3ぐらいの読みで相手のシュートに備えれば止めるチャンスがあったかもしれません。シュミット選手は身長が高いのでループシュートを打つのがそれだけ難しくなりますから、相手がペナに入ったタイミングで思い切って前進してシュートコースを消してしまえば、セーブできる確率はもっとあがります。

 逆に槙野選手は、左サイドタッチライン際のスルーパスに反応したロシアリーグでプレーするショムロドフにスピードでブッチ切られて失点の一因に。

三浦選手も90分を通して安定したプレーもあったのですが、やはり前半40分の失点シーンでは、ショムロドフのフェイントに惑わされて左右に振らされてしまいました。GKから特別なコーチングがないかぎり、角度の広いファーポスト側を切るようにして相手のシュートコースを限定することでGKを助けて欲しいです。
36分には相手のロングボールをヘッドでクリアすれば何でもなかったはずですが、ワンバウンドさせてショムロドフにボールを奪われシュートを許してしまいました。攻めではサイドチェンジのボールがそのままタッチを割ってしまうシーンもあり、フィード面でも精度アップをお願いします。

北川選手はシュートを3本打つことができたのは一歩前進ですが、やはり周囲との連携がまだまだ合っていません。

名前の挙がらなかった選手は及第点の出来か、プレー時間が短く評価の対象外です。


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 グループF組の首位通過をかけたウズベキスタンとのゲームは、2-1という結果は順当なものでしたし、日本の試合内容も攻守にわたって良かったと思います。

決勝Tに向けて主力選手を休ませ、サブ組の選手に実戦経験を積ませてチーム全体の戦力を底上げしつつ、勝って1位通過を決めるという森保監督のもくろみはすべて成功しました。

この試合に出た何人かの選手は、主力組に入れてスタメンで起用しても良いと思わせるようなプレーをしていましたし、オマーン戦に出た主力組よりも、控え組で臨んだこの試合の方が攻撃面での連携が良く取れていました。

決勝T1回戦はサウジが相手に決まりましたが、誰が出るにしろ、この試合の攻守における連携をベースにして、ここから更なるレベルアップをしていってほしいと思います。


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 最後に、ポルティモネンセの中島選手にカタールのクラブからオファーが来て、両クラブで条件面で合意に至ったという報道がありました。

言わずもがなの話ですが、どれだけ大金を積まれてもポルトガルはおろかJリーグよりレベルが落ちるカタールへ行くような回り道をする年齢的余裕は中島選手にありませんし、欧州四大リーグクラブへのレンタル移籍で移籍金に見合った自らの力を証明してその後に保有権を買い取ってもらうという手もあります。

クラブの首脳陣とも良く話し合って辛抱強く「楽しくサッカーができる」欧州クラブからのオファーを待って欲しいですね。





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■日本代表、乏しい内容でオマーンに辛勝

 昨日アジアカップ2019、日本代表の第二戦となるオマーンとのゲームがUAEのアブダビで行われ、日本が1-0で勝利しました。

対戦相手のオマーン代表は、国内組とサウジやカタールなどでプレーする国外組をミックスしたチーム。ホームでもアウェーでも日本が勝てる相手と見ていました。

以前のオマーンは、やわらかいテクニックを持った選手が多かった印象があるのですが、オランダ人監督が就任したせいか、ヨーロッパ的なスピードやパワーなどフィジカルの強さを重視した選手ばかりになり、サッカースタイルがヨルダンやイラクに似てきた感じがします。

そのような相手に中立地で日本が1-0で勝利したという結果は順当でしたが、試合内容は守備は良くなったものの、攻撃面では特筆すべきところがない内容の乏しい試合だったように思います。


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 日本代表の守備は、前の試合に比べるとピリッと引き締まって、かなり改善されました。

中盤でのボールの奪い合いでは、日本の選手たちがフィジカルコンタクトを恐れずに勇気を持って闘っていましたし、チーム全体としても、ほぼ90分間コンパクトな守備陣形を保ち、そこから相手のボールホルダーにプレスをかけていきました。

これを決勝戦まで継続していきながら1試合ごとにレベルを高めていって欲しいです。

 逆に問題だったのは攻撃面。

前回トルクメニスタン戦では、大きなサイドチェンジからのサイド攻撃が威力を発揮しました。

オマーンもコンパクトな守備ブロックをつくってきましたが、このレベルの相手は守備ブロックの左右へのスライドがやや緩慢なので、この試合でもトルクメニスタン戦同様、大きなサイドチェンジが当初は効果的でしたが、日本のバックからの大きなサイドチェンジがだんだんと前線へのロングパスになり、さらに攻撃が雑になって単純でアバウトなロングボールを放り込むだけになっていくと、オマーンもそれに慣れていって日本はまったく攻め手を失っていきます。

こういう攻撃のやり方では、日本人選手の特徴やストロングポイントを生かすことはできませんし、相手がアジアレベルであっても、違いをつくることができません。

後半になると、日本はチームとしてボールをキープすることすらできず、オマーンの攻勢に防戦一方となります。こうなると、どっちがプレミアリーグやブンデスでやっている選手を抱えているチームなのかわからないほど。

相手のシュートが、ブロックに入った長友選手の腕に当たったように見える場面もこの試合ではありました。故意ではないという判断かレフェリーはPKを取らなかったのですが、主審によってはPKを取られてもおかしくないケースであり、勝ち点3が取れたのはラッキーな面があったように思います。

いくら前の試合で上手くいったから、チームとしてダイレクトパスを使った攻撃がテーマになっているからといって、ひたすらそれをワンパターンで繰り返すのではなく、3度同じ攻撃を試してみて上手くいかなかったら、ピッチ上の選手たちで「何かがおかしい。相手にこちらの攻撃が読まれているかも」と判断し、チーム全体で話し合いながら攻撃のやり方を変えたり、ピッチ内の状況によって攻撃に緩急をつけていくような創意工夫が欲しいです。

プレーにのめりこんで90分間夢中になり一本調子のサッカーをやってしまうのではなく、ゲームから一歩引いて冷静になれる心の余裕を持ち、上空を飛ぶドローンのカメラからピッチ全体を見下ろすような感じで眺めるようになれれば、そういう判断ができるようになるはずです。

特にベテランの柴崎選手や原口選手にはそういう視点を持ってほしいですし、ピッチ内では先輩・後輩も、どこのクラブでプレーしているかも関係ありませんから、堂安選手が攻撃面でのリーダーとなって他の選手たちとコミュニケーションしつつ攻撃に緩急をつけてくれても全然かまいません。

後半ほとんどチームとしてボールをキープすることができなくなりましたが、ボール保持者を中心にピッチ内に1辺が10m以下のトライアングルやダイアモンドをいくつもつくり、それを保ったままパスでボールを前方へ運んでいけば、そんなに難しいことではありません。(下図)

ダイアモンド
(クリックで拡大)

なぜトライアングルやダイアモンドにするかといえば、ダイアゴナルパスを出しやすいからです。

横パスをカットされるといっぺんに2人の味方が相手に抜かれる危険性があり、縦パスは味方がゴール方向へ背を向けてボールを受けるので前方へターンするのに難易度が高く、相手も一番警戒している種類のパスなので相手ゴールに近づくほど成功させるのが難しくなります。(下図)

ボディシェイプ


しかしダイアゴナルパスなら、ゴール方向へ視界を確保しながら半身でボールを受けられるのでパスの受け手が前方へターンするのが容易ですし、もしパスがミスになったり相手にカットされてもトライアングルの底辺の2人、つまりパスの出し手ともう一人の選手が相手のボール保持者にすみやかにプレスをかけることができ、守備面でも安全性が高まります。

三角形をつくりながらパスを回して前進していくと、ポジションチェンジがあった場合を除き、自分の左・右ナナメ前方には誰がいて、自分の左・右ナナメ後方には誰がいるはずだということがわかるので、例えば自分の右ナナメ前方でパスをもらいたがっているのが誰で利き足がどちらかということをいちいち首を大きく振って見て確認しなくても、ミスなくスムーズにパスをつなぎやすいということもあります。(ポジショナルプレーの利点の一つ)

ウルグアイ戦を含む昨年のテストマッチでは、日本の選手が何のためらいもなくポンポンと前方へパスを出して良いリズムで攻撃できていましたが、今回のアジアカップでは前方に味方がフリーでいても、ミスによるボールロストと相手のカウンターを恐れているのか、ちょっと考えて結局バックパスを選択するケースが多く、パス出しや攻撃のリズムが悪くて昨年のテストマッチのような爆発的な攻撃力が影をひそめ、格下のはずのオマーンにボールをポゼッションされて思わぬ攻勢を受ける原因となっています。

それが単なるテストマッチと、負けると実際に痛みを伴う公式戦との違いであり、ブラジルW杯におけるザックジャパン最大の敗因だったわけです。

どん底からスタートした西野ジャパンはもう開き直って、ロシアW杯ではビビらずにチームでパスをつないで攻めたことが勝因でした。

ロシアW杯における、一つのチームとして団結し各選手が攻守に連動した日本のサッカーをもう一段上のレベルにあげるためには、常にトライアングルをつくりながらパスをつないで前進していく、ボールを奪われたらその形からすぐ奪いに行くというポジショナルプレー的な戦術を取り入れるべきだと思います。

前方へのパスがミスになると相手のカウンターが怖い、W杯やアジアカップのような公式戦でこそ、トライアングルをつくりながらパスを回していく組織サッカーが威力を発揮します。

日本人選手の精神的な余裕の無さといえば、中盤での攻撃の組み立てだけではなく、アタッキングサードにおける攻撃の最終局面も同様であり、「ワンタッチパス」が森保ジャパンの攻撃テーマの一つとなっていますが、強すぎる「ワンタッチパス」をワンパターンにひたすら出していくので、相手DFが対応できないのはもちろん、味方もパスに追いつけなくてチャンスをつぶしてしまうシーンをよく見かけます。

そういう場面でこそ心の余裕が大事であり、例えばバイタルでパスを受けたときに、相手チームの選手が血相を変えて自分にプレスをかけてきたとします。

そこでプレッシャーに負けていつもワンタッチでシュート性の強いパスを出してしまうのではなく、あえてトラップしてゼロコンマ何秒タメをつくってみる、すると相手選手が自分に突っ込んできたことによってバックラインが乱れ、味方へ決定的なパスを出す道ができていることがわかる、そのタイミングで相手バックのウラ3mに「どうぞ決めてください」とばかりにコロコロパスを出してやり、相手のGKやDFよりも先に味方がそのボールに追いつき、簡単にパスを受けてシュートを決める。

イニエスタやシャビみたいなワールドクラスの選手は、ゴール前の重要な局面ほど、力を抜いたゆっくりとしたシルキーパスを大切にします。

まじめすぎて、いつも力いっぱい強いパスを蹴ってしまう日本の選手もそうした精神的な余裕が欲しいですし、実戦的な練習を何度も繰り返してシルキーなパスを出すことに慣れることも重要です。


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 選手個々で特筆すべき活躍だったのは、まず原口選手。
ややラッキーな判定でゲットしたPKを自ら蹴って貴重な決勝ゴールをあげました。相手GKのヤマが当たってシュートと同じ方向に飛ばれましたが、正確にゴールやや上に蹴りこんだため、GKはノーチャンスでしたね。
チーム全体としては時間がたつにつれて攻撃が単調かつ雑になっていったので、ベテランの原口選手が気づいて攻撃に緩急をつけられたらもっと良かったです。

遠藤選手は、守備で非常に効いていました。中盤で相手選手にタテパスが入ってくると、その背後から足やヘッドで必ず跳ね返して相手に攻撃のビルドアップを許さず、前を向いたボールホルダーに対してもガチガチ一対一を仕掛けて良いところでボールを奪い返すと、攻撃の起点となるパスを出していました。代表戦における遠藤選手のベストゲームだったように思います。これを継続していって欲しいです。

代表公式戦で初のCBデビューとなった冨安選手は20歳とは思えない安定した出来で、スライディングタックルで相手のカウンターをつぶすなど守備ではほぼノーミスでした。前半20分に相手のカウンターからGK権田選手がかわされアルガッサニにシュートを打たれた時、あえてボールに触らなかったのは好判断。ヘタに触ってボールを止めていたらゴール前へ詰めていた相手へのプレゼントボールになっていた可能性がありました。
最終ラインからの正確なロングフィードで南野選手へのアシスト未遂という攻撃面でも貢献していましたが、後半はロングボール一辺倒になりがちでチームの攻撃が機能しなくなる一因に。

吉田選手も対人守備やラインコントロール等で、前の試合よりもチーム全体の守備を安定させることに貢献。しかし後半はロングボールの多用がチームの攻撃を単調かつ機能しないものにしていましたし、権田選手へ大きくバウンドする処理が難しいバックパスを出してしまう危うい場面も。

長友選手は、前半終了間際に相手の至近距離からのシュートを体を張ってブロック。
自分もボールが当たったお腹や太もものシャツやパンツをめくるとアディダス・タンゴの模様がそのままクッキリ残っていた経験がありますが、敵のシュートを体をはってブロックするととても痛いですし気持ちは良くわかります。
しかしプロなら両手を後ろに組んで体の正面で止めてほしいです。そうすればハンドかどうかなど相手に有無を言わせない守備ができますし、ワールドカップで本気でベスト8以上狙っているならシュートが当たると痛いなどと言っていられないはずです。

南野選手は、味方からのパスを受けて持ち味のゴール方向への鋭い抜け出しから再三シュートを放ち攻撃面で一番危険な男となっていました。ただ精神的な余裕のなさからシュートが始めからゴールの枠を外れていたり、GKに当ててしまうなど不正確で、これぞ公式戦ということなのでしょうが、こういう時こそ昨年のテストマッチの時のように、シュートを打つ前にゴールやGKの位置を確認する心の余裕が欲しいところです。

 逆に柴崎選手は相変わらずパスミスが多いですし、ボールを受けてそのまま前方へターンすればチャンスになるのに、相手ゴールに背を向けてパスの出し手にそのまま返す無意味なバックパスを連発してチーム全体の攻撃のリズムを悪くしてしまうことも多々あり、「自分の一発のパスで局面を打開してシュートチャンスを」という意図はわかるのですが、ボールの受け手のことを考えていない独りよがりなパスも見られます。「パスの出し手が出すのが難しく、パスの受け手が受けるのも難しいパス」を出すのは平凡なパサーですが、「パスの出し手が出すのが難しいが、パスの受け手が受けるのは容易なパス」を出せるのが本当に優れたパサーなのだと思います。

この試合は時間とともにロングボールをポンポン放り込む単調な攻撃パターンとなり、チームの攻めがだんだんと機能しなくなっていきましたが、こういう時こそベテランの柴崎選手が自分のパスでチーム全体にメッセージを発信して攻撃の緩急をつけてくれると助かるのですが...。
ポジショニング面で攻守のバランスのとり方、中盤の底からのパスの散らし方、自らのパスでチームの攻撃の緩急をつけたいときのやり方など、フランクフルトの長谷部選手やガンバ大阪のヤット選手の代表時代のビデオを見るなどして研究してみると良いかもしれません。

酒井選手は前半13分、相手の浮き球のパスをそのままヘッドで跳ね返していれば何でもなかったのに、わざわざワンバウンドさせたため相手選手にかっさらわれて自陣深くでオマーンにセットプレーのチャンスを与えてしまうミス。

北川選手は、ゲームにほとんど参加できていませんでした。チームメイトに自分のプレーの特徴やどういったサポートプレーをして欲しいかなどコミュニケーションをもっと密にとって、自分のことを理解してもらう必要があるのではないでしょうか。

武藤選手はゴール前に攻め込んだ時、その後の攻撃の選択肢の多さを考えればゴール中央方向にいた味方へボールを預けてリターンをもらうべきでしたが、反対のサイドにいた長友選手にパスを出してチャンスをつぶしてしまうところに実戦勘の無さを感じます。

いつものように、名前の挙がらなかった選手は及第点の出来か、プレー時間が短く評価の対象外です。


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 アジアカップ、日本の第二戦目はオマーンとのゲームでしたが、1-0で勝利という結果は順当だったものの、試合内容は特に攻撃面で渋~いというか、内容に乏しいゲームになってしまいました。

いくら前の試合で成功したからといっても、同じような攻撃をワンパターンで繰り返せば、さすがに相手も慣れてきて上手く対応されてしまいますし、ピッチ内の選手たちも目の前のプレーに90分間没頭してしまうのではなくて、ゲームを一歩引いた目で見て、自分たちの判断で攻撃に緩急やバリエーションを与えられると、もっと攻撃は良くなります。

そのためには、アジアカップはもちろんW杯においても、テストマッチと同じように心の余裕を持つことが重要です。(相手をナメて油断して良いという意味ではありません)

トルクメニスタンやオマーンレベルの相手でさえ精神的に一杯一杯になってしまうようでは、先が思いやられます。

 さて次回はグループリーグ最終戦となるウズベキスタンとのゲーム。

すでにこのグループは日本とウズベキスタンが決勝トーナメント行きを決めており「消化ゲーム」になっていますが、得失点差でウズベキスタンの方が上回っており、日本は勝たないと首位通過できません。

決勝T1回戦の対戦相手がどこになるか、どの山型に入れば日本が優勝を目指すうえで有利なのかによっても変わってきますが、サッカーのいろんな大会を見てきた経験から言って、例え「消化ゲーム」であってもメンバーを大幅に落としてグループリーグ最終戦で無様な負け方をしたチームは、決勝T1回戦にそれが響いてあまり良い結果が出ないような気がしますし、トルクメニスタン戦・オマーン戦と日本は特に攻撃の形がうまくつくれていないこともあります。

個人的には、ウズベキスタン戦はあまりメンバーを落とさずにちゃんと勝ちに行き、日本代表の攻撃・守備両面の組織をさらに熟成させていった方が良いと思いますが、森保さんはどう考えるでしょうか。

U-21森保ジャパンがAFC・U-23選手権において0-4で敗れて以来、なんとなくウズベキスタンに苦手意識を持ったり過剰にリスペクトしたりしているような気がするのですが、もちろんグループ最強の敵ですし油断はなりませんが、「中盤での一対一のボールの奪い合いから絶対に勝つんだ」という強い気持ちをもち、普段の練習でやっているように心に余裕をもって闘えば勝てる相手だと思いますし、そもそもこんなところでやられていてはW杯ベスト8以上を目指すことなんてできません。




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■戦闘モードになりきれていなかった日本代表(その2)

前回のつづき

 チーム全体としてのゲームの進め方について。

前半は、各選手の球離れが遅くパス出しのリズムも悪かったので、相手が日本のプレーを予測して対処することを容易にしていたように思います。

後半からは、サイド攻撃を多用するとともに球離れが速くなり、攻撃のリズムが良くなったことも3ゴールにつながりました。

ただ3-1になってからホッとして攻撃の手を緩め、「今日はこれでお休み」状態になってしまうところは日本代表の伝統的な悪いクセです。

暑くてしんどいのはわかりますが、最低でも3点以上のリードが無ければサッカーでは安全圏に入ったとは言えず、攻撃の手を緩めたことで戦闘意欲を回復させたトルクメニスタンに攻められ1点差に追い上げられる一つの原因に。

守備でも、相手をナメていたのか守備時に日本の陣形が縦にも横にも間延びしていることがほとんどでした。

例え格下であっても、相手がボールを持っている時はチーム全体でコンパクトなブロックを形成し、一瞬のスキも与えない鉄壁の守備態勢を90分間維持しなければなりません。

ロスタイムまで残り10分となり最低でも3-2のまま勝ち点3を確保しなければいけなくなったときでもチーム全体がバタバタしており危ない場面もありましたが、ちゃんとコンパクトな守備ブロックをつくって守ることで、ゲームを危なげなく「日本の勝利」という結果でクローズさせることができるはずです。

暑い中、間延びした陣形から失点してそれを取り返さないといけない状況になれば、結局シンドイ思いをしなければならないのは自分たちです。


     ☆       ☆       ☆


 選手個々で特筆すべき活躍だったのは、ドッペルパックの大活躍だった大迫選手。
1点目は、左足のシュートフェイントで相手DFをすべらせた後、そのままボールを右に持っていって角度の広い方へシュートコースをつくり、右足でゴール右隅に沈着冷静に流し込んで格の違いを見せつけるような素晴らしい同点ゴール。2点目は、次のプレーを予測したポジショニングから長友選手のパスを正確にミートしての逆転ゴールで苦しむチームを助けました。

堂安選手は、南野選手のパスを受けると左足でターンしながらのシュートが見事に決まるビューティフル・ゴール。相手選手に当たってコースが変わるラッキーもありましたが、シュートは打たないと何も始まりませんので、チャンスでは迷いなく打つということは大事です。ただ、前半もうちょっとサイドを使った攻撃の回数を増すことができれば、もっと早い時間に点が取れていたのではないでしょうか。

原口選手は、後半に左サイドを広く使ったドリブルから相手を崩し、大迫選手の同点ゴールをアシスト。ゴール前で得点につながる決定的なパスを出すときに、力んで強すぎるボールを蹴ってしまう選手が多いのですが、大迫選手がトラップしやすい絶妙の強さのパスでした。堂安選手と同様に、前半からサイドをもっと使った攻撃ができていればなお良かったです。

長友選手も、やはり後半に左サイドを何度も攻略し、相手GKとDFの連携ミスをついてボールを奪うと大迫選手の逆転ゴールをお膳立てする好アシスト。

 逆に権田選手はファインセーブもあったのですが、前半17分に相手CKのボールにかぶってしまったところから始まって一試合を通して不安定な出来でした。27分には、相手へのプレスを怠りシュートコースを空けていた柴崎選手にも問題があったのですが、まったく予期していなかったようにアマノフのロングシュートに逆ステップを踏んで対応が遅れ、セービングミスから痛恨の失点。

後半33分の失点シーンも、相手17番アンナドゥルディエフへのマークを大きく離していた槙野選手がそもそも悪かったのですが、ゴール前に突進するアンナドゥルディエフとの一対一で権田選手はダイブを試みたものの、相手はボールをゴール中央方向へ持ち出し、ボールに触れなかった権田選手はシミュレーションぎみに倒れてきた相手と交錯してPK献上。

権田選手に限らず日本人GKにありがちなんですが、相手選手との一対一という状況で精神的なプレッシャーに耐え切れず、パニック的に早すぎるタイミングでフロントダイブしたところボールに触れず、相手の足を手で払ってPK献上という場面をJリーグで見ることが多いです。

一対一の状況になったら攻撃側が圧倒的有利なわけですから、GKは「ゴールを決められて当たり前」ぐらいの気持ちで、まず心に余裕を持つことが大切です。最近はやや陰りが見えますがドイツ代表のノイヤーを見ればわかるように、一対一になってもGKが自信満々で相手を威圧するようなオーラを出せば、逆に相手選手に「ゴールを決めなければ」というプレッシャーがかかり、それによってシュートミスの確率もあがります。相手が格下で個の能力で劣るならなおさらです。

そして周囲にフリーの敵選手がいるかなど条件によっても対応は変わってきますが、一対一になってもダイブするのはなるべく我慢し、ゴール中央方向を切って相手をシュートの角度が無いサイドへドリブルさせるように追い込み、相手のシュートは体全体を“面”のようにして当てることで防ぎます。GKが一度寝てしまったら挽回が利きませんので、ダイブするときは少なくともボールに触れるという100%の確信があるときだけすること。

私はかつてユベンティーノだったので、アンジェロ・ペルッツイやブッフォンなどGK大国イタリアの優秀なゴーリーをずっと見てきましたが、日本人GKはプロでも意外と近距離で相手と一対一になった時の正しい構えが出来ていないことが多く、まず手のひらを相手に向けて両手を腰の横に垂らし、両足は肩幅より少し狭くして軽く腰を落とし体全体で“面”をつくるように構えるのが基本の形です。

移動するときは、この体勢を維持したまま小股で機敏に移動し、グラウンダーのシュートは左右どちらかの手・足で防ぎ、股間へのシュートはどちらかの足で、腰から上のシュートは顔面も含めた体全体で跳ね返すことで防ぎます。この場合、頭から上は捨てることになりますが、ゴール上へのシュートはグラウンダーのシュートより難易度が高く外してくれることもあるので、ゴールの確率が高い方のシュートコースを消しに行きます。

GKはミスを引きずらないことも才能のうちなので、権田選手は次にチャンスを与えられたときに頑張って欲しいです。

槙野選手は、ワントップのアンナドゥルディエフを意味もなく大きく離していたため、前方で味方がボールを奪われて出されたたった一本のパスで決定的なピンチを招き、権田選手がPKを献上してしまう原因に。経験のあるベテラン選手が守備の個人戦術の基本をおろそかにしているようでは困ります。

ロシアW杯アジア最終予選、テヘランでのイラク戦でもGK川島選手(訂正)へのバックパスがミスになってとの連携ミスで勝ち点2を失う痛いゲームをやっていますが、吉田選手は後半27分、日本のDFラインのウラへのロングボールに抜け出そうとしたアンナドゥルディエフに対し、GK権田選手へのバックパスで対応しましたが、権田選手が相手と交錯するなどしてファンブルすれば即失点につながりかねない状況であり、あの場面では強いヘディングでゴールラインの外へ出すハッキリとしたプレーの方が良かったように思います。
この場面でも槙野選手がマークすべきアンナドゥルディエフを大きく離していたので、一発のロングでウラを取られたことがそもそものピンチの原因ということは指摘しておきます。

柴崎選手は、ボールロストが目立ちますし、味方の足元へ出したのかスペースへ出したのかあいまいなミスパスも多すぎました。
油断していたのか日本ゴールに向かってドリブルするアマノフのシュートコースを消すために詰めるのが遅れ、目の覚めるようなロングシュートを食らって相手に先制点を許す原因に。
スペイン国王杯のコルドバ戦だったでしょうか、柴崎選手が守備で相手とガチガチやりながらボールを何度も奪いに行き、ヘタフェの監督さんもそれを高く評価するコメントをしていたように思いますが、この試合では守備が弱い柴崎選手に戻ってしまいました。

コンビを組んた冨安選手はボランチが事実上「ぶっつけ本番」でしたから、経験のある柴崎選手から「自分が攻撃で前に出た時は、守備重視で味方のCBの前のスペースでバランスを取ってくれ」といったようなコーチングも欲しかったところ。

冨安選手は、ボランチとしてボールを蹴る・止めるという部分ではほぼノーミスでしたが、前方やサイドへ盛んに進出するなど少し「攻めすぎ」で、ボランチはペナルティボックスの横幅より外側へはなるべく出るべきではありませんし、もう一人のボランチが前方へ攻めに出ている時は、今この瞬間に味方がボールを失っても失点につながらないようなポジショニングを取るなど、攻守のバランスを考えて動くことも必要。
ただ、ほぼ未経験のボランチとしてぶっつけ本番だった割には及第点の出来であり、プロとして健康管理ができずに高熱を出して大事な大会の初戦に間に合わなかった同じクラブの先輩が一番悪いです。

森保監督の采配面では、交代枠を2つも残すのはもったいないような気がします。攻守に不調な柴崎選手を最後まで替えなかったのは親心だとしても、後半ロスタイムに大迫選手を武藤選手と入れ替えて時間を消費するようなことは、ベンチワークとしてやっても良かったのではないでしょうか。


     ☆       ☆       ☆


アジアカップ、日本の初戦となったトルクメニスタンとの試合は、かなり実力が劣る相手だったにもかかわらず、3-2での辛勝という結果は残念でしたし、試合内容もプロらしからぬ守備戦術の基本をおろそかにしたプレーが続出して、大事な公式戦なのに戦闘態勢がちゃんと整っていたのかなと疑問に思わざるを得ませんでした。

「日本代表のチーム力は常に一定である」という誤った前提に立ち、「アジアの実力がアップしてきたから」という言い訳で日本代表の問題点をごまかしてしまうと、物事の本質を見失ってしまいます。

しかし、前半は攻撃がなかなか機能しなかったのですが、乾選手らのアイデアで後半からサイド攻撃を増やしたことで3ゴールをあげたことは高く評価したいと思います。

この試合ではいくつか課題が見えたと思います。

(1)中島選手の離脱で、ボールを相手ゴールまで運ぶタテの推進力が落ちた

(2)昨年から指摘しているように、森保ジャパンは守備力が不足している。このレベルの相手でもCBとボランチの柴崎選手が守備の穴になっている。

(1)を解決するために、トップ下にボールキープ力がある乾選手を入れるか、堂安選手をトップ下にして、乾選手を左SH、原口選手を右SHにもってきて、相手によって2列目の3人がポジションチェンジをして攻めるのも一つのアイデアだと思います。

(2)に関しては、遠藤・塩谷のダブルボランチで、まずは失点を無くすことを優先させ、中盤でのボールの奪い合いにしっかり勝って、ボランチでボールロストすることなく2列目の3人に確実にパスをつなぐことに専念してもらいます。

というわけで、次のオマーン戦はこういうシステムはどうでしょうか。




           大迫



    原口     乾     堂安
   (乾)    (堂安)  (原口)



        遠藤    塩谷



   長友   吉田    冨安   酒井


           東口




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■戦闘モードになりきれていなかった日本代表

 みなさま、あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いします。

昨日アジアカップ2019の日本の初戦・対トルクメニスタン戦がUAEのアブダビで行われ、3-2で日本が勝利しました。

トルクメニスタン代表は、国内リーグの選手を中心にチェコやウズベキスタンなどでプレーする国外組をあわせたチーム。

日本がホームでもアウェーでも勝てる相手、特に日本のホームや今回のような中立地であれば大差の勝利が求められるレベルの相手でしたが、追いつ追われつのシーソーゲームの末に3-2で辛勝という結果は残念でしたし、ここにコンディションのピークを持ってこなくてよいと言っても試合内容が悪すぎたと思います。

格上のチーム(日本)が格下のチーム(トルクメニスタン)に苦戦する原因は3つあります。

(1)格下のチームの実力はそのままだが、格上のチームの実力が落ちてしまった

(2)格上のチームの実力はそのままだが、格下のチームの実力がアップした

(3)格上のチームの実力も下がったし、格下のチームの実力もアップした

テレビ中継を担当したアナウンサー氏が「アジアの実力がアップしている」を連呼していましたが、サッカーをあまりご存知でない方が2つのチームの戦力差を評価するとき、「その基準となるチーム(今回は日本代表)の強さは常に一定である」という誤った前提に基づき、「日本の強さは常に一定なのだから、日本が3-2と苦戦したということはトルクメニスタンの実力がアップしたからだ」という結論を導きがちです。

私はアジアカップ2004中国大会以来、久しぶりにトルクメニスタンのサッカーを見ましたが、その時と比べて選手個々の能力もチームの組織力も大差ないように見えました。

つまり苦戦したのは上記の(2)ではなく(1)、ウルグアイとテストマッチをやっていた昨年秋から日本のチーム力が落ちてしまったことが原因だと思います。

なぜそうなってしまったのか、中島選手の負傷離脱やキックオフ時点で32℃の猛暑だったという気候の問題もありますが、日本代表各選手が戦闘モードになりきれていなかったことが最大の要因だと分析しています。

それでは日本代表の試合内容がどうだったか、まず守備面から見ていきましょう。


     ☆       ☆       ☆


 ボールが無ければ攻撃できませんから一対一でのボール奪取はサッカーにおける戦いの基本中の基本なわけですが、日本の各選手はメンタルの面で戦闘態勢が整っておらず、個の能力で劣る相手に気迫負けして中盤でのボールの奪い合いや空中戦で押され気味でした。

地上での一対一では相手ボールホルダー(BH)に正対して片足を出してゆったりと構え、相手が得意な足の方向を切って苦手な方の足でボールをもたせるようにしてから奪う、チームの約束ごとで相手BHを追い込む方向が決まっているならその通りにやるのが基本ですが、抜かれることを恐れてへっぴり腰で相手に詰めようとする選手も散見されました。

ボールを失って攻撃から守備へと切り替わるネガティブ・トランジション時は特に集中が切れやすく得点につながる攻撃をしかけるチャンスというのは定石ですが、日本はその定石どおりに集中を失っていましたね。

日本はボールを失った直後かなり時間がたってもトルクメニスタンのBHに誰もプレスをかけにいかないか、プレスをかけたとしても詰める距離が甘いことが多く、フリーで正確なロングパスを出されて危険なカウンターを何度も浴びることになってしまいました。

相手BHのボールと自軍ゴールとを結んだ線上に立ち、相手のシュートコースを消すというのは個人の守備戦術の基本ですが、最初の失点シーンは、まさかシュートを打ってくることはないだろうと油断していたのか、ボランチの柴崎選手が相手BHに詰めるのが遅れ、GK権田選手も最初に逆ステップを踏んでしまいセービングミス。

両選手がメンタル面でちゃんと戦闘態勢が整っていたのかなと疑問に感じます。

2失点目もやはり個人の守備戦術における基本的なミス。

バックの守備戦術の基本は、(1)相手FWを自分の正面かつ適切な距離(数十cmから数m 相手の足の速さ等で変わる)でマークし、マークを嫌った相手がバックとバックの間やバックとボランチの間のスペースへ逃げたら、適切にマークを受け渡し(1)の状態をキープすることですが、CBの槙野選手が相手の17番アナドゥルディエフを意味もなく大きく離していたため、前方で味方がボールを奪われると一発のパスで決定的なピンチに。

最終的に権田選手が相手を倒してPKを取られることになりましたが、これも「今この瞬間にボールを失っても大丈夫なようなポジショニングを取ろう」という守備のリスクマネジメントの基本ができていないから。

ディフェンスリーダーの吉田選手も含めてメンタルの上で戦う準備がちゃんとできていたのかなと疑問に思うようなミスからの失点でした。

これまで指摘したような守備戦術の基本は、「特別なトルクメニスタン対策で、この試合が終わったら忘れても良い」ということではなくて、ユース年代までには完璧にマスターして、プロのサッカー選手である限りずっとやり続けなければいけないことです。

年末年始のオフが終わったらすっかり忘れていましたでは困ります。

 攻撃面では、バックラインをベタ引きにしてくることはそれほどなかったのですがトルクメニスタンのコンパクトな守備ブロックの攻略に手こずりましたね。

相手は5バックでサイドにもあまりスペースはありませんでしたが、原口・堂安の両サイドハーフにサイドバックやトップ下、ボールサイドのボランチがからんで人とボールを動かしサイドを崩していけば、クロスにボールウオッチャーになりがちな相手からもっと早く点が取れていたのではないでしょうか。

おそらくハーフタイムに監督さんから「サイドを使え」と指示があったと思いますが、前半のうちにピッチ上の選手たちからそういうアイデアが出てくれば日本代表も成長できます。

この試合、バイタルエリアにいる味方の足元にパスを出して中央突破を狙う攻撃が多かったのですが、それ自体は悪いことではありません。

ただ、パスの受け手が多くの相手選手に囲まれていたため、パスカットされないように出し手がかなり力んで強すぎるパスを出していたので受け手のトラップミスで多くのチャンスをつぶしていました。

バイタルエリアのようなスペースの狭いところでは、味方の足元に正確なトラップができるような強さのパスを出して、もし受け手がバックラインのウラへ抜ける味方へスルーパスが出せなくても、ボールと一緒にターンしてシュートできればそれで良し、そこで相手に倒されればゴール前の絶好の位置でFKが得られますし、パスの出し手も受け手ももうちょっと肩の力を抜いて冷静なプレーが欲しいところです。

また、バックやボランチがボールを保持している時、トップと両SHが一斉に相手のウラへ抜けてロングボールを受けようとするプレーもありましたが、相手の5バックが後退してもボランチがついていかないので、バイタルエリアに広いスペースができる瞬間もあったのに、日本のトップ下やダブルボランチが何も感じていなかったため、ロングを放り込んでただボールを失うだけになっていました。

そこでこちらのトップ下やボランチが、相手バックが味方からのロングボールを跳ね返してバイタルに落ちたボールを拾って二次攻撃につなげることができれば、別の形でチャンスをつくれたと思います。

最後に、日本人選手の要領の悪さを指摘したいと思います。

代表戦でもクラブチームの試合でもそうなんですが、例えばぺナルティエリアの中に自分がいたとして、味方からのクロスが数mズレただけで「もう俺の担当じゃねえや。どうせ相手と競ってもゴールにならないし」とばかりに立ち止まって見ているだけ。

味方からのパスがミスになってペナの中にいる相手にカットされても、やっぱり相手がペナの中からボールを持ち出すのを黙ってみているだけ。

右サイドからゴール前に向かって味方が攻撃している場面でも、反対の左サイドの選手は遠く離れた場所でそれをボーッと見ているだけ。

例えクロスがズレても、ヘッドでクリアしようとする相手とちゃんと競ることによってボールがペナの周辺にいる味方の前にこぼれれば、一点もののチャンスになるわけです。

例えパスがミスになっても、ペナの中にいる相手にプレスをかけてボールを奪い返せば、やはり高い確率で得点になるチャンスになります。

右サイドで攻撃している時、左サイドの選手がシュートやクロスのこぼれを予測してペナルティアーク付近で待っていれば、おいしいゴールチャンスが来るかもしれない。

味方がシュートを打ったら、GKが前へこぼすことも予測して詰めておく。

要領の良い南米の選手は、苦労して相手ゴール前にボールを運んだら、このように目の色をかえて得点を狙うわけです。

32℃とただでさえ暑いゲームだったわけですから、苦労して相手ゴール前にボールを運んだら、例えパスやクロスがミスになってもただでは転ばないような、要領の良いしたたかな攻撃をやって欲しいです。

得点チャンスで小さな一歩を踏み出す努力を惜しむかどうかで、長い年月では南米と日本サッカーのような大きな差となってあらわれてくるのだと思います。

今回は日本代表の課題が非常に多く、記事が長くなってしまいました。選手個々の評価は次回としましょう。





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