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■2018年10月

■せっかく上手くいっている日本の育成を台無しにするもの

 今月行われたウルグアイとのテストマッチでは、中島・南野・堂安ら20代前半の若手選手の躍動は目覚ましいものがありました。

代表でもクラブでも対戦相手に研究され対策を立てられても彼らがそれを克服して成長していけるかどうか、これからが本当の勝負でしょうが、それでもシュート・ドリブル・パスといった足元の技術はもちろん、ゴールチャンスでのプレーの正確性をもたらす精神的な落ち着きなど、これまでの世代に比べ、長年日本サッカーの弱点であった総合的な「個の能力」の部分がアップしているところは間違いないと思います。

現在、U-19日本代表がU-20W杯出場権をかけてアジア予選を戦っていますが、影山ジャパンの各選手も高い技術に加え、フィジカルコンタクトの戦いにも強くなっており、やはり個の能力がアップしてきていると感じました。

先月U-17W杯出場を大会優勝で決めた森山ジャパンもそうですが、いま日本の育成が非常に上手く行っている印象を受けます。

日本の育成が生み出した「ダイヤの原石」たちがJリーグで順調に育ち、いずれは世界的なプレーヤーへと羽ばたいていってくれることを望みます。

ところが、この良い流れに水を差しかねないのが、Jリーグが進めようとしている野放図とも言える「外国人枠の拡大」です。

この問題についての当研究所の考え方は(過去記事・有望な若手選手にチャンスを与えることの大切さ)で述べたとおりです。

現在JリーグはJ1各クラブに外国人の出場枠を「5人」とする案を提示し、今月25日の理事会で決定する方針と報じられております。

上記の記事中にあるように、同時出場可能な外国人(日本代表としてプレーする資格を持たない選手)は4人までとするのが、外国人選手をJリーグに受け入れるメリットが若手を含む日本人選手の出場機会を奪ってしまうデメリットを上回るギリギリのところではないかと当研究所は考えるのですが、Jリーグが言っている「5人」というのは「アジア枠」や「提携国枠」を除いた数字で、実際にはスタメンの過半数をはるかに超える7人以上の外国人が同時にピッチに立てるようにするものです。

Jリーグ側は、若手日本人の出場機会減少というデメリットを緩和するため、13~21歳に下部組織に在籍した選手をJ1クラブは2人以上保有しないといけないとする「ホームグロウン制度」も導入する予定ですが、これでは「ちゃんと努力しましたよ」というアリバイ作り程度で、若手の成長チャンス確保策としては不十分すぎると思います。

Jリーグは「競争力アップのため」と言っていますが、なぜこれほどまでに外国人選手を増やそうと前のめりになっているのか理解できません。

もちろん当研究所が最優先に考えているのは「日本サッカー=(日本人選手)の競争力アップ」ですが、Jリーグの言う「競争力」は別のことを意味しているのかもしれません。

これに関して、外国人選手を多くJリーグでプレーさせて「コンテンツとしての競争力」をアップさせることで視聴者を増やし、それによって投資した資金を早く回収したいJリーグを独占中継しているネット配信会社から要望があり、ヴィッセル神戸のオーナーである三木谷さんも外国人枠の拡大に賛成であるという分析記事を最近読みました。

その記事の内容が事実かどうかはわかりませんが、もしそうであればそれはビジネスの話であって、当研究所が最重要視している「日本サッカー、あるいは日本人サッカー選手の競争力アップ」の話とズレが出てくるのは当たり前ですね。

確かにイニエスタ出場予定試合はどこもスタジアムが満員になっており、Jリーグ側がビジネス面でよだれダラダラになるのはわかるのですが、日本サッカーの競争力アップとは基本的には関係ないですし、行き過ぎた外国人選手枠の拡大策は、才能ある日本の若手選手から試合に出場して成長するためのチャンスを奪ってしまい、これまでせっかく上手くいっている日本の若手育成を台無しにしかねないと思います。

高額の移籍金を払って、ちょっと峠を越えたベテランも含む有名外国人選手をたくさん連れてきさえすれば、その国のサッカー選手の競争力が上がるというものではないということは中国リーグを見ればわかりますし、そもそもJリーグのどのクラブもイニエスタ・クラスの外国人選手を6人も7人も連れてこられる資金力を持っているというわけではありません。

優秀な外国人選手と競うことで日本人選手の競争力がアップするというのが当初の説明だったのに、中途半端な実力の外国人選手ばかりがJリーグに増えてスタメンの過半数がそんな外国人選手で占められ、そのために若い日本人選手から出場機会が失われてしまうのであれば、日本サッカーの強化という面から最悪のシナリオと言えます。

そうなると、優秀な日本人選手は出場機会を求めて19~20歳ぐらいでベルギーやオランダなどの欧州クラブへと移籍し、Jリーグは中途半端な実力の外国人多数と、欧州へ進出する実力を持たない日本人選手、欧州で通用しなくなって戻ってきたベテラン日本人選手で構成される、空洞化したリーグとなってしまう危険性をはらんでいると思います。

そんなリーグは、サポーターにとって「コンテンツ的」に魅力的といえるでしょうか。

当研究所は、代表とJリーグは日本サッカー強化のための車の両輪だと考えているので、そうした事態を懸念します。

ヴィッセル神戸のオーナーである三木谷さんがどれくらいサッカーにお詳しいか存じ上げませんが、確かにイニエスタやファンマ・リージョを連れてきたのはすごいと思いますし、Jリーグに投資してくださって私からも感謝を申し上げたいのですが、高額の移籍金を払って外国人選手・監督を連れてきさえすれば、クラブが強くなるかというと必ずしもそうではないのが現在の神戸ですね。

むしろ神戸はどういうサッカーを理想とするのかというクラブ哲学が先にあって、そのサッカーをやるためにポジションごとにどういう選手を育てていくかを決め、時間とお金をかけてカンテラ(育成組織)を充実させて、幾多の挫折を乗り越えて辛抱強くクラブ哲学を貫いていった先に、常勝軍団・神戸はあると思います。

もし三木谷さんがバルサを理想とされておられるならなおさらですし、そうして育てられた日本人選手と組んでこそ、イニエスタもリージョも最大限の力を発揮できると思います。

 というわけでまとめます。

Jリーグの野放図とも言える外国人枠拡大策は、日本サッカー(=日本人サッカー選手)の強化という観点から見てメリットよりもデメリットの方がはるかに多いように思われますし、せっかく上手くいっている日本の育成を台無しにしかねないと思います。

ここまで「育成日本復活」を掲げている日本サッカー協会(JFA)会長の田嶋さんの顔が全く見えないのですが、JFAはJリーグの外国人枠拡大やホームグロウン制度の問題をもう一度よく検討し直していただきたいです。




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■日本代表、ウルグアイとの打ち合いを制して勝利!

 昨日、埼玉スタジアムでウルグアイとのテストマッチが行われ、日本が4-3で勝利しました。

対戦相手のウルグアイについては今さら解説の必要はないかと思いますが、欧州四大リーグでプレーする選手を多く抱える南米の強豪国です。

南米というと、ブラジルのような攻撃サッカーのイメージが強いかと思いますが、ウルグアイは伝統的にカウンターサッカーの国で、古くはローマのフォンセカ・ユーべのモンテーロ・アトレチコのフォルランから現代表のスアレス・カバーニ・ゴディンに至るまで、優れたFWとセンターバックが育つ国という印象があります。(などと書くと、フランチェスコリやレコバのファンだった人から怒られるかな)

自国開催にめっぽう強いコパアメリカは別として、1950年のW杯優勝(いわゆるブラジルにとってのマラカナンの悲劇)以後、世界レベルでは長らく低迷していたのですが2010年W杯で見事な復活を遂げ、それ以後はコンスタントに世界の強豪としての地位を保っています。

ウルグアイは日本から見て格上の相手ですが、ロシアW杯でベルギーに悔しすぎる惜敗を喫したことを踏まえ、次回W杯でベスト8以上を狙うなら、自分たちに有利なホームでは何としても勝っておきたい相手でした。

相手はほぼ地球の裏側から遠征してきているという点は割り引かないといけませんが、日本がウルグアイに勝利したという結果は良かったですし、改善点は多々あるものの、試合内容もおおむね良かったと思います。

日本代表のテストマッチを心底楽しめたというのは4年ぶりぐらい、そんなワクワクするような試合でした。


     ☆       ☆       ☆


 日本の攻撃は、前の試合と比べると内容がかなり良くなりましたね。あまり注文をつけるところがありません。このブログの記事が短くなることは良いことです。

パナマ戦では攻撃の4人、大迫・南野・原口・伊東各選手の連携が今一つで、狭いスペースに密集して他の選手が使いたいスペースをつぶしてしまったり、逆にボール保持者にサポートが欲しい時に動きがバラバラで孤立させてしまったりしていたのですが、この試合の4人、大迫・南野・中島・堂安各選手は連携がうまく取れており、中盤での攻撃の組み立ても含め、縦パスを出すテンポもかなり良くなりました。

このような良い攻撃をこれからも継続していき、アジアカップ2019はもちろん2022年W杯に向け、プレーの正確性や破壊力をもっと高めていってほしいです。

改善点があったとすれば、パスのつなぎで細かいミスが見られることです。ボールの受け手から数mずれたところにチョンとつついた弱いパスを出し、ウルグアイの選手にひっかけられてカウンターを食いそうになる場面が見られます。

味方の足元でボールをつなぐときは、その選手の利き足なども考慮してパスの出しどころを考えながら、しっかりと強いパスを正確に足元につけてやること。

 守備は課題が多かったですね。弱い相手との試合では隠れていた問題が、強豪国との対戦で一気に噴出しました。

守備ブロックの作り方はだいぶ良くなってきましたが、ブロックをつくっても、相手のボール保持者を見ているだけでは好き勝手にパスを回されてしまいます。そうした受け身の守備のやり方ではダメです。(特に後半)

チームでコンパクトな守備ブロックが形成できている時でも、追い込む方向などチームの約束事に従い、ミスプレーを誘うために相手のボール保持者に体を寄せて、厳しいプレッシャーをかけ続けること。

日本代表の「ボール狩り」は、世界基準で見ればまだ物足りないですし、もっとレベルアップできます。

また、チームに攻から守へのトランジションが起こった時、効果的でないディレイをするだけで相手のボールホルダーへの寄せが甘い時がしばしばあるので、ネガティブ・トランジションが起こったら、誰か一人がまず相手ボール保持者の前に立ちはだかり前方へのドリブルやパスを妨害すべきです。

失点の原因ともなった、GKとバックラインのパスのつなぎも見ていて危なっかしい場面が多いです。

パスサッカーをやろうとしているチームはそれに過剰適応してしまい、「つなごう」という意識が強くなりすぎて、安全に大きく蹴るべき局面でも無理につなごうとして自陣深くでボールを失い、失点することがあるのですが、今の森保ジャパンもそんな感じです。

GKからパスを受ける選手は、360°絶えず周囲の状況を確認してフリーなら半身でパスを受けて前方を向き、相手選手を背負っていたり、背後から猛スピードで相手が迫ってきているならGKにパスを出さないでくれとサインを送るべき。ましてや自陣で相手を背負いながらボールと一緒に前方へターンしたり、相手FWをドリブルで抜こうとするのは絶対にタブーです。

ピッチをディフェンディングサード・ミドルサード・アタッキングサードに三分割したとき、それぞれのゾーンにおいて、ボールを失うリスクを冒すことが許される度合いはまったく違います。もちろんディフェンディングサードでは、ボールを失うリスクを冒すようなプレーは失点に直結するため、絶対に許されません。

よって何よりも安全第一に、大きく蹴ったほうが良いときは、判断を早くして余裕があるうちに、味方FW等の頭めがけて大きく蹴るべきです。

ロシアW杯では相手のセットプレーに対する守備の弱さが問題となりましたが、それも相変わらず。ゴール前での守備は、各選手が一対一で責任を持ってやって欲しいです。

後半、柴崎選手から青山選手に交代するとき、チーム全体が一瞬集中を切らしてしまい、そのスキを抜け目ない相手に突かれて失点したのは残念でした。

その場面では、長友選手か吉田選手がもっと早く前方へ出てボールホルダーにつめ、残りの選手がコペルトゥ-ラの隊形をつくって守れば防げたかもしれません。

後半のゴールラッシュでチームがイケイケになってしまい、試合終了数分前で1点リードという場面で、日本のボール保持者の前に5人も6人も張らせて攻めるのは、リスクマネジメントができていないと言わざるを得ません。

そういうシチュエーションでは両サイドバックは攻め上がりを自重して4バック+ダブルボランチでしっかり守り、攻撃にかける枚数はどんなに多くても4人ぐらいまでにしてカウンター中心に攻めるべきでしょう。

ロシアW杯のベルギーとの試合では、後半終了前最後のワンプレーで失点して悔しすぎる敗戦を喫したわけですが、その教訓が生かされていないのは残念です。


     ☆       ☆       ☆


 選手個々で特筆すべき活躍だったのは、中島選手。
南野選手の先制ゴールをアシストしたのを手始めとして、大迫選手のゴールもダイビングしたムスレラがキャッチできないほどの彼の強烈なミドルシュートが実質的なアシストになっていますし、ボールを持てば卓越したキープ力で相手選手を何人も引きつけてバイタルエリアへ運んで味方を楽にするなど、シュートにチャンスメークにと正に10番の働き。ゴール前左45°の「ショーヤ・ゾーン」を中心に、彼がボールを持つと何かが起こりそうで、プレーの一つ一つが楽しくて本当にワクワクさせてくれますね。

先日ポルティモネンセVSスポルティングの試合を見たのですが、スポルティングのCBで日本戦にも出ていたウルグアイ代表のコアテスを一対一でチンチンにやっつけるなど、私の知る限り、今ドリブル能力で彼の右にでる日本人選手はいないと思います。

そこで日本代表の他の選手にお願いですが、もちろん中島選手へのサポートプレーは必要なんですが、彼が相手バックをドリブルで一枚抜けば、あとはGKと一対一になってシュートできるという状況のときは、彼がドリブルしたいコースに味方選手が入ってスペースをつぶすようなことがないようにしてやってください。

後半、中島選手は遠目から確率の低いロングシュートを数多く打っていましたが、相手CBにもう少しドリブルで突っかけ、フェイントで相手を揺さぶって打ちたい方向にシュートコースを空けてから打つとゴールの確率はあがると思います。

南野選手は、伝統的にともかく早くシュートを打とうと焦って大きく外す日本人選手が多いなか、GKムスレラの逆を突いて正確に先制ゴールを決めてくれました。相手バックを背負ってもトラップ一つで相手をはがし、入れ替わりながら前方へ突破できる能力も評価が高いです。2点目も、堂安選手が打ったシュートの跳ね返りを浮かないように抑え、ムスレラの動きをよく見て決めたのが良かったですね。

大迫選手は 中島選手のシュートのこぼれ球を予測し、良く詰めてチームの2点目をゲット。ポストプレーのワンパターンだけでなく、バイタルでフリーになったら前を向いてシュートを打とうと心がけていたところも評価できます。これに、相手DFラインの裏で味方からのスルーパスを受けてシュートという形も増やしていくと、クラブでも数字としての結果が残せると思います。
ただし、ゴール以外に決定機が3度ありましたが、大きくゴールを外したのは残念。 南野・堂安・中島ら若手はベテラン世代よりもシュートの正確性がワンランク上なので、大迫選手もシュートの正確性をあげていかないと代表で生き残っていかれません。
相手のセットプレー時にゴール前での守備でゴディンに競り負け、あわや失点かというピンチの原因となっていました。ゴール前の守備では責任をもって一対一で負けないようにしてほしいです。

堂安選手は、攻めに転じたウルグアイのパスをインターセプトしてショートカウンターを発動、酒井選手とのワンツーで抜けるとゴディンをうまくかわし、正確にファーポスト側のゴールに流し込みました。彼は攻撃力はもちろんボール奪取力に優れるところも評価が高いです。

東口選手はファインセーブが一本ありましたが、DFへのパスがずれて失点に直結しかねないミスがあったのはいただけません。

 逆に三浦選手は、自分の後ろに敵はいないという思い込みで行ったバックパスがカバーニへのプレゼントボールとなり痛い失点の原因に。前方へ大きく蹴ったボールが味方につながらないという「前向きなミス」なら、ただちに失点につながる可能性は低いですが、バックパスのミスという「後ろ向きのミス」は失点に直結します。「後ろ向きのミス」は心がけ次第でいくらでも防げるので、今後注意してほしいです。

酒井選手はマルセイユで対人守備が本当に上手くなりましたが、ウルグアイの先制ゴールの場面ではゴール前での一対一に競り負けて失点の一因に。クラブでのケガで体調が万全でないように見えたこともその理由かもしれません。

名前のあがらなかった選手は及第点か、プレー機会が少なくて評価の対象外です。「及第点」とは「良いプレーもあったけど、悪いプレーもあり、ギリギリ合格点です」という意味です。


     ☆       ☆       ☆



森保監督の采配については、勇気を持って実績がまだ無い若手を積極的に登用し、ウルグアイ相手に勝利という結果を出して見せた点については高く評価します。

ただ、この試合の日本のスタメンは、攻撃力の低い相手なら問題ないかもしれませんが、ウルグアイのようなワールドクラスの相手では、チーム全体として攻撃力過剰・守備力不足のように思います。

ウルグアイのような堅守のチームから4点取れるなら上出来以上であり、別の言い方をすると「点の取りすぎ」で、その分3失点して不安定なゲーム運びにつながっています。

チーム全体として攻撃力を少し削り、その分守備力を高めて、ウルグアイ相手に3-0でゲームを終わらせることができるようなチームにすると理想的ではないでしょうか。

つまり、相手の攻撃力が高い場合はダブルボランチに地上戦でも空中戦でも対人守備に強い選手を配置し、バック陣の前方に広がるバイタルエリアに相手のボールホルダーを近づけさせないフィルター役とすれば、無駄な失点はもっと少なくできるはずです。

これについてはロシアW杯の総括を踏まえたうえでの森保ジャパンの課題を述べた記事で指摘したとおりです。

     ☆       ☆       ☆


 注目されたウルグアイとのテストマッチですが、4-3で日本の勝利という結果は良かったですし、試合内容の方も守備で課題があったものの、攻撃面を中心に良かったと思います。

何よりも、中島選手を中心とする若手攻撃陣が見て楽しく、ワクワクするようなプレーをたくさん見せてくれたことに感謝したいですね。

チャンスを与えた若手がすべて成功するわけではありませんが、「過去の実績」によってブランド化したベテランばかりを起用しているとチーム強化が停滞し、このように伸びしろいっぱいの若手の台頭が妨げられることになります。

ただ、これはあくまでもテストマッチ。ウルグアイの選手たちも今は、ラ・リーガなどの四大リーグやチャンピオンズリーグなどクラブの試合の方が重要であり、そのためにケガをしないよう、代表のテストマッチではある程度のリミッターをかけてプレーしていたのも事実でしょう。

W杯のような「本気の公式戦」の借りは公式戦でしか返せないわけで、今回日本がウルグアイに勝ったことで、その挑戦権は獲得したといったところでしょうか。

森保ジャパンになってチームの方向性は間違いなく正しい方へ向かい始めたので、2019アジアカップや2022W杯に向け、攻守両面で精度やインテンシティを高めながら良いサッカーを継続していってほしいです。





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■日本代表、パナマに3-0も内容は今一つ

 昨日、パナマとのテストマッチが新潟で行われ、日本が3-0で勝利を収めました。

今回の対戦相手パナマは、アメリカやスペインでプレーする選手が多く、日本との実力差は、ホームでもアウェーでも日本が勝たなくてはいけない相手と見ていました。

そうした意味で3-0で勝利という結果は順当なものでしたが、特に攻撃面において、前回コスタリカ戦よりも試合内容が今一つだったように思います。

     ☆       ☆       ☆

 それでは日本代表の試合内容を見ていきましょう。まず守備から。

前回の試合で指摘した、DFラインの4人が連動してサイドにいる相手ボール保持者へスライドするゾーンディフェンスの「お約束」はいくぶん改善されましたが、DF4人×MF4人で形成する守備ブロックの作り方がまだおかしいですね。特に前半は。

ブロックがタテにも横にも間延びしており、無駄なスペースを相手に与えてしまっています。

MF4人の横幅がDF4人のそれよりかなり広くなってしまっていて、しかも4人のMFが横一線に並ばず、意味もなくジグザグにポジショニングするので、DFの4人との間にできるバイタルエリアに危険なスペースを与えてしまっています。

MF4人でつくるラインにしろDFラインにしろジグザグに並んでしまうと、中盤で相手に簡単にパスを通されたり、オフサイド崩れから失点したりする可能性が高まります。(下図)


ゾーンディフェンス誤2


森保監督からハーフタイムで修正が入ったのか、後半から良くなりましたが、キックオフ直後からちゃんとできるようにしておかないと、立ち上がりに痛い失点を食らいかねません。

これも後半から修正されましたが、相手のボール保持者へのプレッシャーも弱く、前進する相手のボール保持者に対し、Jリーグで見られるようなただズルズル下がるだけの守備が多かったですね。

 攻撃も前半はあまり機能しませんでした。

コスタリカ戦よりもグラウンダーのショートパスを出すテンポが悪く、無駄なバックパスが多くて攻撃が遠回りしており、大迫選手へのポストプレーに一本調子で頼りすぎでした。

そのどちらも、相手ゴールに背を向けてボールを受けるようにしていたことが攻めが上手くいかなかった原因です。

自分がフリーのときに同じタイミングでパスを受けても、相手ゴールに背を向けるのではなく半身になってパスを受けることで、自分に詰めてくる相手選手より先にボールを持って前を向ける回数は段違いに増えます。(下図)

ボディシェイプ
(クリックで拡大)

ボールをもって前を向いてしまえば、相手もうかつに飛び込んでこれなくなります。

パスを受けるときのボディ・シェイプ一つで、相手バックにつぶされるか、それともバイタルエリアで前を向いて決定的なパスが出せるか、ゴールが決められるかどうかの大きな差となって数字に表れてきます。

こうした基本をイニエスタやシャビはおろそかにしません。

前述したように、DFラインの4人とMFラインの3人ないし4人との距離が開きすぎていたことも、前方への正確なパスがなかなか通らず、攻撃の組み立てを難しくしていた原因となっていました。

以前危惧したように、この試合では攻撃の選手が早すぎるタイミングで相手バックラインと並んでしまうので、前線に人が多く集まりすぎでバイタルエリアの攻撃が渋滞していましたね。

逆に南野選手の先制ゴールシーンでは、相手バックの人数に対してこちらの選手は何人いましたか?
前線に張っている選手が多ければ多いほど、得点の可能性が高まるというものではないということがわかると思います。

さらにセンターFWがしばしばサイドへ大きく流れてボールを受けようとしていたので、サイドに選手が集まりすぎて、味方のサイドハーフ(SH)やサイドバック(SB)が使いたいスペースをつぶしていた面もありました。

こういう場合は、サイドの選手がCFが空けたピッチ中央のスペースへ行くなど、フォーメーション全体のバランス(ピッチ上における適切な選手の配置)を維持するためのポジションチェンジをすることで、効果的な攻撃をすることができます。

フォーメーション全体のバランスを維持することは、攻撃時にボールを失った瞬間、スムーズかつ速やかに適切な守備行動に移れるようにしておくためにも重要なことです。

近年のヨーロッパでは「ポジショナルプレー」という用語が流行っていますが、こういうところを見ても、日本サッカー界にはそうした思想や概念があまりないように思います。


     ☆       ☆       ☆


 選手個々で特筆すべき活躍だったのは、まず先制ゴールをあげた南野選手。
バイタルエリアでパスを受けて前方へターンする瞬間、DFに当たられても倒れずに個で強いところを見せ、シュートもコースを冷静に見切り、正確に決めたところがとても良かったです。

青山選手は、南野選手へのアシストを含め、自らのパスで攻撃を組み立てていましたがミスパスもちらほら見えます。
「攻めのパス」を心がけた結果かもしれませんが、ボランチから前方へのパスがミスになると相手のショートカウンターの餌食になることもしばしばなので、注意して欲しいです。

伊東選手は、後半ゴールをあげてからは攻撃プレーが格段に良くなったものの、前半はほとんど消えていました。
自分たちがブロックをつくって守っている時のポジショニングがあやふやで、チーム全体の守備ブロックが横に間延びしてしまう一因に。守備時のチーム戦術(ゾーンディフェンス)の理解に課題がありそうです。

川又選手は、後ろから追いすがってきた相手に倒されながらも、最後まで粘ってゴールをあげましたね。
ただ、自分たちのゴール前での守備時に「お見合い」をして、危ないシーンをつくられたのはいただけません。

三竿選手は、対人守備に強いところを見せ、相手からボールを良く奪っていました。チームの攻撃のビルドアップを助けるような効果的なパスが出せるようになると、もっと良い選手になれます。

 逆に、佐々木選手は前進する相手のボールホルダーに対しひたすらズルズル下がるだけで、これでは問題を先送りしているだけで根本的な解決になっていません。後ろでカバーする人数が整っているのであれば、勇気を持って「いける」と判断した瞬間にボールを奪いに行かないと。
Jリーグの他の選手でも、相手が前進した分だけズルズル下がり、自分も相手もペナの中に入って「もう下がれないよ」という状態から、相手にシュートをズドンと打たれて失点という情けない場面を見かけますが、世界には通用しない守備のやり方です。
攻撃参加したときのクロスの正確性も求めたいです。

室屋選手も、タイミングの良い攻撃参加もありましたが、ドリブルやパス・クロスのミスが目立ちます。世界と戦うときには決して見逃してはくれないミスなので、プレーの精度をもっと高めてほしいです。 

クラブでSHをやっている影響でしょうか、大迫選手はピッチを左右に大きく動きすぎで、味方のSHやSBが使いたいスペースをつぶしてしまっていました。
CFとしてプレーするときは、なるべくペナルティエリアの横幅からでない方がよいと思いますし、ボールを受けるとき、いつもゴールに背を向けて受けるのではなく、相手選手を背負わずにフリーでいる時は半身で受けて、すぐに前を向くべきです。こういうプレーを心がけることで、クラブでもゴールやアシストなど目に見える結果が大きく違ってくるはずです。

原口選手は、守備時に相手選手を追いかけすぎで、そのため肝心の攻撃時にヘトヘトで走れなくなっていました。
可能な時は味方とマークの受け渡しをするべきです。大迫選手もそうですが、ベテラン2人の気合がなんか空回りしていたように思います。

名前のあがらなかった選手は「及第点」か、プレー機会が少なくて評価の対象外です。


     ☆       ☆       ☆


 どうも世間的には「大絶賛」みたいですが、森保ジャパンの二戦目となったパナマとのテストマッチは、3-0の勝利という結果は順当だったものの、試合内容は一試合目と比べると今一つだったように思います。(特に攻撃面で)

クラブで出場機会に恵まれていなかったベテラン選手に実戦感覚や体のキレが不足していたことも一つの原因だったかもしれません。今後クラブでの出場機会が増えてくれば、解決される問題だとは思います。

次回はウルグアイとの試合になりますが、前回エントリーで、

「ウルグアイは実力的には日本より上ですけど、次のW杯でベスト8以上を狙うつもりなら、自分たちに有利なホームでは勝たなければいけない相手だと思いますが、ガチで勝ちにいくか、それとも若い選手に経験を積ませる場とするか、森保監督はこの試合をどう利用するのでしょうか」



と書きました。

私は、年齢に関係なく森保監督が実力でベストと信じる11人をスタメンとしてピッチに送り出すべきだと考えますが、さてどうなさるでしょうか。

ウルグアイとのテストマッチを楽しみにしたいと思います。



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■パナマ・ウルグアイ戦に臨む日本代表メンバー発表

 今月行われるテストマッチ2試合(12日 対パナマ 16日 対ウルグアイ)のために招集された、日本代表メンバーが発表されました。

以下の通りです。


 GK 
   東口 順昭 (G大阪)
   権田 修一 (鳥栖)
   シュミット・ダニエル(仙台)

 DF 
   吉田 麻也 (サウサンプトン:イングランド)
   槙野 智章 (浦和)
   三浦 弦太 (G大阪)
   長友 佑都 (ガラタサライ:トルコ)
   酒井 宏樹 (マルセイユ:フランス)
   佐々木 翔 (広島)
   室屋  成 (F東京)
   冨安 健洋 (シントトロイデン:ベルギー)

 MF 
   柴崎  岳 (ヘタフェ:スペイン)
   青山 敏弘 (広島)
   遠藤  航 (シントトロイデン:ベルギー)
   原口 元気 (ハノーファー:ドイツ)
   中島 翔哉 (ポルティモネンセ:ポルトガル)
   南野 拓実 (ザルツブルク:オーストリア)
   堂安  律 (フローニンゲン:オランダ)
   伊東 純也 (柏)
   三竿 健斗 (鹿島)

 FW 
   大迫 勇也 (ブレーメン:ドイツ)
   小林  悠 (川崎)
   浅野 拓磨 (ハノーファー:ドイツ)


 今回発表された代表メンバーを見てみますと、ロシアW杯を戦った西野ジャパンの主力選手が多く招集されていますね。

先月行われたコスタリカとのテストマッチでは招集が見送られた彼らも、その試合における若い選手たちの躍動感あふれるプレーに「自分たちも、うかうかしてられない」と、大いに刺激を受けたことでしょう。

逆に若い選手たちは、練習や実際のゲームでのプレーを通じ、スペインやドイツ・イングランドなどの欧州四大リーグでプレーする選手と、現在の自分との距離感を肌身で感じてほしいです。

この場合の“距離感”とは「サッカー選手としての実力において」という意味で、「四大リーグでプレーしている選手と比べて自分はここが実力不足だから、じゃあどうするか考えよう」とか、「自分のこの部分は彼らが相手でも互角にやれそうだ」とか「この部分は自信があるし、自分の方が勝っているのではないか」とか、そういうことを彼らのプレーを間近で見たり一緒にプレーすることを通じて感じ、これから自分が成長していくために生かしてほしいですね。

四大リーグでプレーし成功することを目標にしているプレーヤーであればなおさらです。

あるいは練習やゲーム以外でも、プロサッカー選手として成功するために必要な生活態度やモノの考え方・メンタルの整え方などなど、参考にすべきところはいっぱいあると思います。

森保監督は、前回招集したメンバーにロシアW杯の主力選手を加えることで、グループとしての化学反応を見たいとおっしゃっていましたが、「良い化学反応」はこういったことから起こってくるのではないでしょうか。

 ところで、ロシアW杯で活躍した主力選手で、クラブでなかなかゲームに出ることができていないプレーヤーが最近少なくありません。

欧州でプレーする日本人選手が増えたこともあり、今から10年前ではあまりなかったことですが、日本代表のW杯アジア予選やテストマッチで誰のプレーが良かったとか悪かったといったニュースが欧州各国でも流れるようになりました。

ですから、欧州各国クラブで出場機会の少ない選手が、代表でプレーするチャンスを与えてもらった場合、それを生かさない手はないです。

もしそこで良いパフォーマンスを見せることができれば、自分が所属するクラブの監督さんの目にとまり、クラブでも出場チャンスがめぐってくるかもしれません。

特に今回、ウルグアイ代表がかなり良いメンバーを揃えてくれたので、アトレティコ・マドリードのゴディンの守りを破ってゴールしたとか(ヒメネスがケガで来れなくなったのは残念)、バルサのスアレスやPSGのカバー二に仕事をさせなかったといったことになれば、絶好のアピールになるのではないでしょうか。

ウルグアイは実力的には日本より上ですけど、次のW杯でベスト8以上を狙うつもりなら、自分たちに有利なホームでは勝たなければいけない相手だと思いますが、ガチで勝ちにいくか、それとも若い選手に経験を積ませる場とするか、森保監督はこの試合をどう利用するのでしょうか。

楽しみにしたいと思います。




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