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■2018年07月

■西野ジャパン、ロシアW杯総括

 読者の皆様、超お久しぶりです。
管理人スパルタクは、5月の中旬から骨折で2カ月入院していたので、その間ブログを更新することは不可能な状態でした。

 さて、本番直前の監督交代が注目された西野ジャパンでしたが、ロシアW杯の結果はとりあえず「吉」と出たみたいで、良かったですね。

数少ないハリル監督解任派だった当研究所としてもホッとしました。

ロシアW杯グループHは、大番狂わせの組となりましたが、その主役に日本代表がなったのは大変うれしかったです。


西野ジャパンがロシアW杯で成功できた要因は、ポゼッションサッカーを全否定せずに、ボールをキープできる選手を起用したことが第一でしょう。

具体的には、テクニックのある乾選手をスタメンから積極的に起用したことで、前監督から干されていた香川選手ら攻撃陣が一気に活性化しました。

開幕ゲームとなったコロンビア戦では、その香川選手がラッキーなPKゴールで先制。一時同点とされますが、本田選手のCKから大迫選手のゴールで大金星。

ただ、一部で言われたように「コロンビア相手に日本の攻撃サッカーが通用した」と判断するのは時期尚早でしょう。

やはり相手と11人対11人でやっても日本が勝って、初めてそう言えることになると思います。

続くセネガル戦は、大会前から当研究所が指摘していた通り、日本が勝たなくてはいけないゲームでしたし、実際に勝てたゲームでした。

相手に先行される苦しいゲームをドローにもっていたことは評価できますが、ミスが多く課題の残る試合でした。

西野監督は、相手が体力的にへばってくる後半25分ぐらいに、攻めの切り札として本田選手を投入し、彼が2試合で1ゴール1アシストの活躍を見せるわけですが、これも西野さんの采配がズバリ当たりましたね。

体力やスピードが落ちてきているベテラン選手でも、相手の運動量も落ちてきた後半残り20分間なら、そうしたハンデが目立たなくなるので、選手を適材適所で使うという意味で、本田選手のスタメン・右ウイング起用にこだわり続けた前監督には無いグッドアイデアでした。

そして物議をかもしたポーランド戦ですが、スタメンからして西野監督は決勝トーナメント進出を見越して主力を温存し、「引き分けで良し」的なゲームプランだったのは明らかでした。

そして日本がポーランドに、セネガルがコロンビアにそれぞれ0-1とリードされている状況で西野監督は、コロンビアの方がセネガルより実力で勝っており、追いつかれることはないと判断して、日本は負けているにもかかわらず、時間稼ぎのボール回しをして決勝T進出を決めました。

オウンゴールやPKなどの「事故」でセネガルがコロンビアに追いつく可能性もあったわけで、もし日本がグループリーグ敗退に終わっていたら、西野監督は国内はもちろん世界中から徹底的に叩かれたはずです。

しかし西野さんは「賭け」に勝ったのであり、決勝T進出という結果がそれを正当化すると判断したいと思います。

そうした意味で、日本のサッカー界は「ドーハの悲劇」から成長したということでしょう。

1994アメリカW杯アジア最終予選の最終節、それまで首位につけていた日本はイラクに勝てば初のW杯出場が決まるというところまで来ていました。

そして試合終了数分前まで2-1でリード、しかし2-1でも3-1でも勝ち点は2(当時は勝利=勝ち点2)で変わらないにも関わらず、日本はイラクゴールに向かって攻撃をかけてしまい、相手にボールを奪い返されて試合終了前の最後のワンプレー、イラクのCKからW杯初出場が吹き飛んでしまう同点ゴールを浴びてしまいます。

いわゆる「ドーハの悲劇」ってやつですね。

個人的には、ポーランド戦は相手に攻撃する余裕を与えないほど同点ゴールを目指して攻め立て、最低でもドローで終わらせて欲しいところでしたが、それができなかったということは実力が無かったということであって、「悔しかったら、日本代表はもっと強くなってみろや」ということです。

決勝T1回戦の相手は、豊富なタレントをそろえW杯優勝を狙える戦力を持つベルギーでした。

2-3で惜しくも敗れたものの、そのベルギーを日本は苦しめる大善戦をしたことは評価できます。

しかし、後半の半分ぐらいをすぎて2点リードしている状況なら、そのまま日本が勝たないといけないゲームだったと思います。

それができなかったのは、フィリップ・トルシエ元代表監督が指摘したように「日本には守備の文化が無い」ことが原因でしょう。

たとえ2-0から相手に1点返されてもそこから10~15分間、相手の攻撃をしのいで無失点に抑えることができれば、相手も疲れて攻撃の勢いが弱まり、さらなる追加点を奪われることを防げる可能性が高まります。

西野ジャパンもベルギーに1点差に追いつかれた直後に「もう1点取られたらどうしよう」と動揺するのではなく、「守備のやり方をもう一度確認して立て直し、ここから落ち着いて15分間辛抱しよう」とピッチ上の選手たちで声をかけあっていれば、試合結果は違ったものになっていたかもしれません。

それを知っているからこそ、中東のGKは日本戦で失点すると仮病をつかってでも時間稼ぎをするわけで、日本サッカー界には失点した直後にチームが精神的にガタガタっと行ってしまい、続けざまに失点することを防ぐような「守備の文化」がないですね。

さらに最低でも2-2と追いつかなければいけないベルギーは、前へ出て攻めてくることがわかりきっているわけですから、こういうシチュエーションこそ守備を固めつつ少人数の攻撃の選手でカウンターをかけて、ベルギーの薄くなった守備網を突破して3-1にできていれば、相手の精神的ダメージは計り知れません。

日本サッカー界には「守備の文化」が無く、選手たちが「大事な試合」と考えているゲームであればあるほど、日本代表がリードしている状況で相手にたった1点返されただけなのに、精神的なもろさもあいまって守備が崩壊し、短時間のうちに同点ゴール・逆転ゴールを許してしまうという重大な問題を抱えています。

これは今回のベルギー戦に限らず、2006ドイツW杯のオーストラリア戦しかり、ブラジル戦しかり、さらには「初戦が一番大事」と意気込んで臨んだ2014ブラジルW杯のコートジボアール戦しかりだったわけです。

この「守備の文化」の欠如こそコートジボアール戦の最大の敗因であり、当研究所もブラジルW杯直後からさんざん指摘してきましたが、それを「ポゼッションサッカーのせいで負けた」と日本サッカー協会が誤って分析してしまい、日本サッカーのアイデンティティや日本人選手の長所を全否定して誕生したハリルジャパンの迷走につながっていきました。

もうこういう迷走は二度と繰り返して欲しくないですね。

最後に付け加えるとすれば、逆転ゴールを奪われるきっかけとなった試合終了間際の日本のCKですが、もちろん日本が決勝点を挙げる可能性があったわけで、それが間違いだったとは言えません。

しかし、後半も残り時間がわずかで、日本より実力が上のベルギーに対し2-2という状況であれば、延長戦さらにはPK戦による勝利を目指すことに目標を切り替え、たとえ日本の得点チャンスでも自陣に守備の人間を多めに配置しておく選択肢もあったのではないかと思います。

それもまた「守備の文化」や「経験」の欠如ということでしょうか。

 西野ジャパンのロシアW杯はベスト16に終わったわけですが、ハリルジャパンの迷走を受け、準備時間が極めて少ないなかで誕生したことを考えれば、「望外の成功」だったと言えると思います。

ポゼッションサッカーを全否定せず、日本サッカーのアイデンティティに一度立ち戻り、ボールをキープできる技術のある選手を起用しつつ、シチュエーションごとにカウンター攻撃を使い分けることも、まずまずできていたと思います。

あとは、リードしている状況で失点した後、短時間のうちに同点ゴール・逆転ゴールを続けざまに許してしまうようなことを防ぐ「守備の文化」を身に着けたり、W杯の決勝Tでは「PK戦は嫌だから90分でどうしても決着をつけたい」と常に考えるよりも、今大会で躍進したクロアチアのように「自分たちより実力が上の相手なら、90分間は同点でねばって延長戦やPK戦に持ち込んででも勝ちたい」と考えて実行できるような経験を積んでいくと、日本のサッカーはもっと強くなっていくことでしょう。

次回は、2022カタールW杯に向けて誕生した森保ジャパンの課題について述べたいと思います。



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