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■2017年12月

■見て2時間損した

 今月開催されたE-1(旧・東アジアカップ)ですが、クッソつまらなかったので華麗にスルーするつもりだったものの、ブログの方に読者さんからコメントが寄せられていたので、ちょっと触れておきます。

ハリルジャパンについて言えば、まあひどかったですね、最終戦が。

日本のサッカー選手は重要な試合であればあるほど、先制点をあげたとたん「追加点を狙おう」という積極的な考えは一切ブッ飛んで、1点のリードを試合終了のホイッスルが鳴るまで守り切ることだけで頭が一杯になってしまい、自分たちのミスから失点することを極度に恐れ、守備でも攻撃でもプレーが逃げ腰になり、相手に同点に追いつかれたというだけで「豆腐メンタル」が崩壊し、大逆転をやすやすと許してしまうという大きな弱点を抱えています。

2006年ドイツW杯の初戦となったオーストラリアとのゲーム(1-3)しかり、2014年ブラジルW杯の初戦となったコートジボアールとのゲーム(1-2)しかり。

日本の優勝がかかったE-1の最終戦も、まるでこの2つの試合の録画映像を見ているかのようでした。

小林悠選手のPKで先制点をあげたところまでは攻守ともにまずまずだったのですが、日本の選手たちがいつものように「この1点をこのまま最後まで守り切れたら優勝だ」という考えで頭が100%になってしまったんでしょうか、相手のボールホルダーが前進してきても抜かれることをひたすら恐れて一対一から逃げ、ズルズル下がるだけの守備と、前方へのパスを中盤でカットされて逆襲を食らうのを恐れているのか、味方がパスを受ける態勢が整っていようがいまいが、前をろくに見ずに、慌てふためいて長いボールを前線へ蹴り込むせいで、攻撃のパスが3本とつながらない「タテに速い攻撃」。

海外組もJリーグ組とメンタル面の強さは似たり寄ったりなんですが、このゲームに出た選手をロシアW杯で使っても、ドイツW杯やブラジルW杯の悲劇をもう一度繰り返すことになると思います。

ブラジルW杯が終わった直後、日本サッカー界では「ザックジャパンはポゼッションサッカーのせいで負けた」という声で一杯になりました。

当研究所は「ザックジャパンの敗因はポゼッションサッカーではない。初戦が一番重要だからといって本田選手が先制ゴールをあげたあと、その1点を最後まで守り切ろうとするあまり、ミスを恐れて守備でも攻撃でも極めて消極的なプレーに終始したからだ」と、繰り返し繰り返し主張してきました。

ポゼッションサッカーではなくカウンターサッカーのハリルジャパンが、E-1の優勝がかかった一戦でこのような無様な負け方をしたことによって、当研究所の主張の正しさが改めて証明されたように思います。

 「いや、あの試合を見れば、個の能力で相手の方が完全に上だったでしょ」という人がいるかもしれませんが、私は同意しません。

フィジカルコンタクトの強さや身長の高さでは相手の方が上でしたが、これは今に始まったことではありませんし、ザックジャパン時代は、日本人の足元の技術の高さを生かしたサッカーで相手を上回って、2勝・1PK勝ち・1分けと韓国を圧倒していたのです。

2010年10月12日 テストマッチ ソウル 韓国 0-0 日本 

2011年1月25日 アジアカップ準決勝 ドーハ 日本 2-2 韓国
                               3 PK 0
2011年8月10日  テストマッチ 札幌 日本 3-0 韓国
   
2013年7月28日   東アジアカップ ソウル 韓国 1-2 日本


2点目をあげたゴール前FKを除けば、韓国人選手の足元の技術は平凡で、11人の平均値を取れば日本の方が上だったと思いますし、戦術面でもロングボールをワントップのキム・シンウクに当ててという攻撃でそれほど高度なものではありませんでした。

E-1の1戦目2戦目で日本が勝利している北朝鮮と中国に対し、韓国は中国と引き分け、北朝鮮とは相手のオウンゴールでようやく勝利と、他の3か国と比べレベルが特別に高いサッカーをやっていたわけでもありません。

にもかかわらずハリルジャパンが大差で敗れたのは、日本の選手がキックオフ直後にあげた1点を最後まで守り切って1-0で勝とうという弱気で消極的な考えで頭が一杯になり、韓国の選手との一対一に敗れて失点することを恐れ、相手のボールホルダーへ体をぶつけてボールを奪い返すための戦いから徹底的に逃げて、相手がやりたい放題攻撃するのをピッチ内のすぐ近くから指をくわえて見ているだけだったからです。

もし日本の選手が、やれ「伝統の一戦」だとか「永遠のライバルだから絶対に負けられない」みたいなバカげた考えを捨てて、北朝鮮や中国と試合をするのと同じ平常心で韓国ともゲームをやっていれば、まったく違った結果となっていたでしょう。

日本代表の選手たちは普段Jリーグで見せてくれている実力の50%ぐらいしか、E-1の最終戦で発揮できていなかったと思います。

いいですか、ロシアW杯アジア最終予選の韓国の成績がどうだったか調べてみてください。

「韓国はアジア最強で永遠のライバル」なんてバカげた思い込みをもっていないカタールや中国は、ロシアW杯の予選で韓国と1勝1敗と五分の戦いをしており、イランに至っては韓国を完全に「お得意様」にしていて、ブラジルW杯予選ではH&Aで2連勝、ロシアW杯予選でも1勝1分で優勢を保っていました。

W杯に出れないカタールや中国と同じことがどうしてハリルジャパンにできないんでしょうか?

当研究所は「ハリルホジッチ監督は、日本代表各選手のプレーの特徴や長所短所、選手間の優劣を見抜くことができない」と繰り返し指摘してきました。

そのハリル監督は、「パワー・瞬発力・技術・何もかも韓国の方が上だった」と試合後に白旗をあげていましたが、日本人選手と韓国人選手の優劣や長所・短所を正しく分析して、代表チームが勝てるようなサッカーをやっていたとは思えません。

私が監督だったら、先制した後すぐに選手たちが気持ちで守りに入っていることを見抜き、テクニカルエリアに出て「1点を最後まで守り切ろうとするな、攻守に積極性を保ち、2点目3点目を狙いに行け」と指示を出していたことでしょう。

 そのハリル監督の戦術や選手起用ですが、これもひどかったですね。

相手のボールホルダーに組織的にプレスをかけて、相手をタッチライン際へ追い込んでボールを奪い返すとか、ボールホルダーに味方のプレスがかかっていたり、相手がバックパスをしてボールを前へ蹴れないときはバックラインを押し上げ、ボールホルダーに味方のプレスがかかっていないときに、相手FWがウラへ走り出したらバックラインを下げてそれについていくというゾーンディフェンスのセオリーがまったくできておらず、デタラメもいいところ。

ワントップの小林悠選手が単独でプレスをかけても残りの選手はまったく連動しておらず、昌子・三浦の両センターバックは、味方のプレスがかかっていようがいまいが相手にウラを取られることを恐れズルズルとディフェンスラインを下げるばかり、ポストプレーをしようとしている相手から逃げまどってピッチを右往左往しているだけじゃ、そりゃやられますよね。

「まともにゾーンディフェンスができない選手を与えられているハリル監督がかわいそうだ」という本末転倒なことを言うサポもいるみたいですが、必要とあればゾーンディフェンスのやり方を練習からきっちり選手に指導するのが監督の仕事であり、そのためにハリル氏に高い給料を払っているわけです。

そもそもハリル監督の“デュエル”は、相手のフォーメーションに合わせてこちらの選手を当てはめていき、プレスをかけてボールを奪い返すマンマーク志向の強い守備戦術であって、相手の動き方によってはプレスをかける前線の選手とバックとの間に広いスペースが空いてしまう戦術です。

そしてマンマークベースであるがゆえに、この試合のように一対一の戦いに負けてしまうとあっけなく破綻してしまう守備戦術であるとも言えます。

コロンビアやポーランド・セネガルは、個の能力で日本を上回っているように思いますが、どうすんですかね。

選手としても監督としても、ハリル氏が経験した最も高いレベルのサッカーはフランスリーグだったわけですが、フランスはイタリアやスペインほど守備戦術が発達しているというイメージはありません。特にハリル氏がリールを率いていた15年以上前は。

むしろ、古くはパトリック・ビエラやクロード・マケレレ、今でいえばエンゴロ・カンテみたいな一対一にめっぽう強くて、広いスペースを豊富な運動量でカバーするフィジカルモンスターの守備的MFが個の能力で何とかするというのが、リーグアンの“守備戦術”みたいなイメージがあります。ギー・ルー監督が率いていたオーセールなんか、もうすぐ21世紀になろうかという時にかたくなにマンツーマンディフェンスを守っていましたから。

よってフランスリーグで育ったハリル氏は、そもそも高度なゾーンディフェンスの専門知識を持っていないのではないかという疑いを持っています。

ハリルジャパンの攻撃戦術にしても、受け手がボールを受ける態勢を整えていないのにタテパスを入れてミスになったり、逆に前にフリーの味方がいるのにパスカットされるのを恐れているのか、どこへパスを出すか迷ったあげくの横パス・バックパスと、相変わらずピッチ内の状況を見て適切な判断をするということができていません。

つまりパスを入れるタイミングが早すぎるか遅すぎるかで、ちょうどよいということがないんですね。

韓国は日本に「タテに速い攻撃」をやらせないようにするため、バックラインを下げ気味にしてウラのスペースを消していたんですが、ハリル監督の脳内では常に相手バックのウラには広大無限のスペースが広がっているらしくて、「相手のウラへロングを入れてそれを受けろ」という指示しか出さないので、選手が監督に気に入られてスタメンで使ってもらうためには、相手のウラへロング・ロング・ロングをやるしかないのかもしれませんが。

長いパスを当てるターゲットとしてのワントップに小林悠選手を起用したのも大いに疑問で、フィジカルコンタクトの強さや体の大きさに欠ける彼が生きるのは、フロンターレがやっているようなパスサッカーじゃないでしょうか。

JリーグでMVPを取った彼ですが、フィジカルコンタクトの争いがほとんどないJリーグ専用の選手で、今のままではコロンビアやポーランドなどの屈強なバックを相手に大活躍するイメージが持てません。

相手にリードされているのにフリーズしたようにベンチで座ったままで、ようやく交代カードを切ったかと思ったら守備的な選手とか、ハリル監督の采配は不可解なことが多すぎます。

 というわけで無様な結果に終わったE-1について、つらつら述べてきましたが、日本代表を25年以上追いかけてきて「代表戦なんか見て2時間損した」と思ったことは、この試合が初めてでした。

それでは日本のサッカーファンの皆さん、良いお年をお迎えください。




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