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■2017年11月

■日本代表、欧州遠征は2連敗

 読者の皆様、ご無沙汰しております。

さて、ハリルジャパンの欧州遠征ですが、残念ながら2連敗に終わりました。

ブラジルとベルギーが対戦相手でしたが、ブラジルはドイツ・スペインと共に現時点における世界三強を形成しているというのが当研究所の評価であり、タレントぞろいのベルギーも戦力的に日本より格上なのは明白でした。

ポゼッション(パス)サッカーを信奉している管理人スパルタクですが、今の日本代表がポゼッションサッカーをやってブラジルやベルギーに勝てると無邪気に信じてしまうほどの夢想家ではありません。

ハリルジャパンがカウンターサッカーでブラジル・ベルギーを相手にどれだけやれるかを最大の注目点としてゲームを見ていましたが、2連敗という実力差通りの順当な結果になってしまいました。

 欧州遠征の初戦となったブラジルとのテストマッチは、日本代表の選手たちが悪い結果に終わることを恐れ、弱気で消極的なプレーに終始してしまったことが最大の敗因だったように思います。

試合の立ち上がりは、日本の各選手が相手のボールホルダーに体を寄せ厳しくプレスをかけて、自由に攻撃できないようにしていましたが、ブラジルの選手たちがパスのつなぎをスピードアップさせたりドリブルなどの個の能力によって、プレスをかける日本の選手が1人はがされると、その後方に控える選手たちが相手に抜かれることを極度に恐れ、ドリブルで前進する相手に際限なくズルズルと後退するようになって、ブラジルに好き放題やらせてしまいました。

ネイマールのPKで先制点を奪われると、こうした傾向はもっとひどくなり、堅守速攻どころかブラジルの攻撃をほとんど止められずに次々と失点を重ね、前半でゲームは決まってしまいました。

攻撃面でも日本の選手は失敗を異常に恐れていたように見えます。

マイボールになって、前方にフリーの味方がいるのに、日本のボール保持者は前方へのパスがミスになってブラジルの逆襲を食らうことを恐れているのか、すぐにはタテパスを入れず、モタモタしているうちにフリーの味方がいなくなって、横パス・バックパスに逃げるシーンが目立ちました。

これでは速攻なんて夢のまた夢です。

「相手に抜かれることを恐れ、ひたすらズルズル下がる守備」と、「タテパスがミスになってカウンターを食らうことを恐れ、ひたすら横パス・バックパスに逃げる攻撃」の組み合わせ。

まるで2014年ブラジルW杯におけるザックジャパンのコートジボアール戦・コロンビア戦のVTRを見ているかのようでした。

「ノーリスク・ノーリターン」とか「虎穴に入らずんば虎子を得ず」なんて言ったりしますが、カウンターサッカーだろうがポゼッションサッカーだろうが、失敗や悪い結果を恐れて選手が攻撃・守備の両面でやるべきことをやらなければ、試合に勝てるわけがありません。

当研究所は、ザックジャパンがブラジルW杯で敗退した最大の原因は、選手たちが失敗を恐れ弱気で消極的なプレーに終始してしまったことだと指摘しました。

(当ブログ過去記事・日本代表のブラジルW杯総括(その1)

ブラジルW杯直後に日本サッカー界で「ザックジャパンはポゼッションサッカーのせいで負けた」とさんざん言われましたが、日本の選手たちにカウンターサッカーをやらせてみても、弱気で消極的なプレーのせいでこういう内容のゲームをやってしまうわけで、改めて当研究所の指摘が正しかったことが証明されたように思います。

どういう戦術を選択するかに関わらず、ミスプレーや悪い結果にビビッてこういう弱気で消極的なサッカーをやっている限り、ロシアW杯での日本代表の成功はあり得ません。

逆に、ブラジルはポゼッションサッカーをやらせてもカウンターサッカーをやらせてもピッチ内の状況に応じた使い分けが見事で、2014年W杯直後に日本サッカー界で言われた、「ブラジルでスペイン代表が敗退したから、ポゼッションサッカーという戦術はもう終わりだ」という主張が今さらながら馬鹿馬鹿しくなるぐらいのクオリティでした。

 続くベルギーとのテストマッチでは初戦の反省が見られ、相手に抜かれることを恐れずに厳しいプレスをかけて相手に自由に攻撃をさせないということがかなり出来るようになりました。

しかし攻撃面で大きな課題が残ったように思います。

ハリルジャパンは、ボールをゴール前へ運ぶ「攻撃の形」やバイタルエリアで相手守備陣を崩してゴールを奪う「得点パターン」といったようなものがほとんど見られず、このレベルの相手と試合をすると、相手が致命的なミスでもしてくれない限り「ゴールの匂い」がほとんどしません。

ロシアW杯アジア予選では、ワントップの大迫選手へロングボールを放り込んで、彼のポストプレーで前線の起点をつくることでボールを相手ゴール前まで運ぶというのがハリルジャパンの数少ない攻撃戦術でしたが、大迫選手といえどもブラジル・ベルギー代表クラスのセンターバックが相手だと、ほとんどポストプレーをやらせてもらえず、攻めの起点をつくるのに苦労していました。

アジア予選でロングボールを多用するクオリティの低い攻撃をハリルジャパンがやってきたツケがここで回ってきたように思います。

この試合ではロングボールを放り込む単調なカウンター攻撃が通用しなかったせいでしょうか、「ポゼッションサッカー」という語が適切でないなら「パスサッカー」で攻撃する場面が少なくなかったのですが、選手同士の連携とかやりたいプレーの共通理解といった面で練習や実戦経験の不足が見て取れ、だったらアジア予選の段階からハリルジャパンが格下相手にこういうサッカーをやっておけば、この試合ではもっと高いレベルのパスサッカーを強豪ベルギーの胸を借りて試せたのにと思いました。

また攻撃面での「核」というか、攻めの中心となってチャンスメークしたりゴールしたりする選手が見当たらないことも気になります。

結局ゲームのほうは、攻撃が機能せず得点を奪うことができないでいるうちにシャドリにドリブルで崩され、最後はロメル・ルカクにきっちり決められて2連敗。

「カウンターサッカーしか戦術の引き出しがないハリル監督は、相手に先制されるとそれを打開する手段を持たない」と当研究所はさんざん言ってきたわけですが、その通りになってしまいましたね。

これは余談ですが、もちろん日本代表を応援して見ていたのですが、改めてデ・ブルイネの上手さ・強さにはホレボレさせられました。ゲームに勝つために一切の無駄をそぎ落とした質の高いプレーの数々を見るたびに、彼の上手さに本当に感心させられます。

 相手が世界の強豪ということもあって、日本人選手はたとえテストマッチでも手を抜かずに全力でプレーしますが、「要領よくやった者の勝ち」という価値観を持つ人たちのほうが世界では圧倒的に多いので、この2試合の結果・内容を額面通り受け取ることはできません。

ブラジルも、ケガを避けながら日本からもらえる高額のファイトマネーをゲットするために、7割ぐらいの力加減でゲームに入り、PKで先制した後はカウンターサッカーに切り替えてかなり流していたように見えました。

ネイマールを下げてメンバーをガラリと入れ替えた後半はなおさらで、「後半だけならブラジルに勝った」なんて何のなぐさめにもなりません。

ベルギーのプレスディフェンスの厳しさや一対一の競り合い・攻撃時のパスワークの速さも、W杯の本番ではこんなものではないでしょうし、テストマッチとW杯の予選・本戦のような公式戦の結果・試合内容は分けて考える必要があります。

ザックジャパンも、テストマッチでオランダに引き分け、ベルギーに勝ったことで勘違いしてしまった面があったように思います。

ハリルジャパンの欧州遠征は、相手との実力差からして「順当」と言える2連敗という結果に終わりました。

本番で好成績を残したいなら、日本代表がたとえ負けてもロシアW杯グループリーグ敗退という実際の痛みをもたらすことがないテストマッチでさえ、必ずしも本気でプレーしていない相手に対して極度に失敗を恐れて腰がひけたような内容の試合をやり、こういう結果に終わってしまったという点について、日本サッカー界は重く受け止めるべきではないでしょうか。

それでは、当研究所は再び冬眠に入ることにします。




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