■2017年06月

■イラク戦「外伝」

 引き分けに終わったイラク戦から一週間以上たちましたが、試合が終わってしばらくたってから、監督が試合の直前や試合中に選手たちに出していた指示の内容のような、非常に重要な情報が出てくることがしばしばあります。

あるスポーツ専門紙から、ハリルホジッチ監督が代表選手たちにハードなトレーニングをさせすぎて、それがシリア戦・イラク戦で故障者が続出した原因ではないかという疑問が提起されています。

http://number.bunshun.jp/articles/-/828296

その記事を読むまで知らなかったのですが、ハリル監督はイラク戦に向けた2週間近い合宿中に、相当ハードな走り込みを選手たちにやらせたそうです。

しかしサッカー選手のコンディション調整法の常識として、1シーズンを乗り切るための持久力を養う目的で肉体に高い負荷をかける走り込みのようなトレーニングは、シーズン開幕前のオフ期間中に行うべきものであり、シーズン中は疲労回復をうながすためのジョギング以外、ハードな走り込みは避けるものです。(レギュラーポジションが取れないなどといった理由で、試合出場機会の少ない選手は除く)

運動をすることによって疲労が蓄積したり、筋肉の細かい破壊が起こったりしますが、肉体による回復が追いつかないほどハードなトレーニングを続けてしまうと、大きなケガの原因になりかねないからです。

特に、1年に及ぶハードなシーズンを終えたばかりの欧州組に厳しい走り込みを課すのは、無謀な行為と言えるでしょう。

実際、37℃以上という酷暑のなかでのゲームとなったイラク戦において、欧州組の久保・酒井宏両選手が相次いで負傷したことも痛い失点の原因となり、当初予定していた追加点をあげるための交代選手も使えず引き分けに終わってしまったのは不運だったという報道もありましたが、シリア・イラクとの2連戦でケガ人が続出したことは、直前合宿におけるハリル監督のまずい練習プランによって起こるべくして起こった可能性が高いです。

そのシリアとのテストマッチから久保選手の動きが重く、相当疲れているように見えましたし、昨年11月サウジ戦直前にやったオマーンとのテストマッチでも、原口選手が初めからヘトヘトの状態でピッチに入ってきて、「何かがおかしい」とは思っていました。

当時原口選手はW杯予選3試合連続ゴール中で、ハリルジャパンの事実上のエースFWだった時期です。今月のシリアとのテストマッチ時においては、調子が下降ぎみだった原口選手に代わり、予選2試合連続ゴール中の久保選手が、エースFWになっていました。

エースFWに強い期待をかけるあまり、ハリル監督がハードな練習をやらせすぎて、本番の試合で使いものにならない状態にしてしまったのではないでしょうか。

もしそれが事実だとしたら、ハリル監督には科学的かつ効果的なトレーニングを実施するための知識が欠けています。

当研究所だって、本当はハリル監督の良いところをほめる記事を書きたいのですが、サッカー監督としての能力を疑うようなところばかりが目についてしまいます。

さらに、シリア戦前後の記者会見で「戦術トレーニングをやる時間が1日しかなかった」「オートマティズム(選手の連動性)を高める時間が少なすぎる」と言っていましたが、日本代表監督に就任してから2年もの時間がありましたよね。

代表チームはW杯の開催サイクルに合わせて4年スパンで強化が行われますが、実際に活動できる日数はそれほど多くありません。

ですから、W杯の開幕ゲームから逆算して長期計画を立てて、攻守両面での組織力やオートマティズムを高めるトレーニングをやったり、若手に実戦経験を積ませたりして育成していくのが、プロの代表監督としての仕事なのです。

ハリル氏の場合、2次予選から目先の試合に勝つことだけを考えて、過去の実績を持つベテラン偏重の選手起用をしたり、中盤でパスをつないで失点することを恐れ、リードしたらひたすらロングボールを放り込む「タテポンサッカー」をやってきたから、W杯開幕が1年後に迫っているにもかかわらず、オートマティズムの欠如に大慌てしているのです。

8月31日になって「夏休みの宿題がぜんぜん終わっていない」と騒ぎ始める小学生じゃないんですから。


当ブログ過去記事・二手三手先を考えてサッカーをするということ(その1)) 

当ブログ過去記事・二手三手先を考えてサッカーをするということ(その2)) 


ハリル監督は毎度毎度ハッタリで、「私には最低2つ以上のタクティクス(戦術)がある」と言うのですが、フォーメーションや先発メンバーを大きく変えることはあっても、攻撃では「タテポンサッカー」しか見たことがありません。

本大会まで監督をやるつもりなら今からでも遅くはないので、オートマティズムを高めるようなトレーニングを開始するべきです。

代表選手たちも、監督の指示を鵜呑みにするんじゃなくて、ゲーム中に自分たちの頭で考えて戦術を選択できるようになることを強く求めます。

このイラク戦も、日本が前半8分に先制したあと、自陣に引いて「タテポンサッカー」をやり始めたらイラクに押し込まれて防戦一方になったのですから、「無失点で抑えていればOK」じゃなくて、イラクの攻勢をしのいだあと、先制ゴールをあげたときと同じようにバックラインを押し上げてパスサッカーで追加点を狙わないと。

ともかくハリルジャパンの最大の弱点は監督でしょうね。

 37℃の酷暑の中で、現地時間17時キックオフというのも強い疑問が残りました。

試合直前に、停電のおそれが「わずかながら」あるので、日没前のキックオフとなったという報道がありましたが、過去にU-16アジア選手権決勝をナイトゲームでやった実績がある以上、にわかには信じられません。

UAEやカタールのような金満産油国はお金に困っていないので、自分たちがプレーしやすい夜に試合を組みますが、イラク・シリア・ヨルダン・イエメン・アフガニスタンなどのように、金銭的余裕がない中東諸国はジャパン・マネーにつられ、日本国内で高いTV視聴率が見込める夜7~11時(現地時間では昼から夕方)に、日本とのW杯予選試合が組まれることが圧倒的に多いです。

事実、ブラジルW杯アジア最終予選でもイラクとやっていますが、2013年6月にやったイラクホーム扱いの試合は、停電の心配が無い産油国であるカタール開催だったにもかかわらず、現地時間17時30分キックオフだったことを忘れるわけにはいきません。

結局、日本でのTV視聴率を最優先させた結果、37℃という過酷な環境で日本代表選手に試合をさせてケガ人が続出し、ロシアW杯へ行くための勝ち点まで失ってしまったのですから目も当てられません。

これについては当研究所が、この予選が始まる前から警告していました。


当ブログ過去記事・アジア最終予選の組み合わせ決定!) 


この時期のテヘランは寒暖差が激しく、日中は37℃以上の酷暑となりますが、日没後は25℃以下まで気温が下がりグッと過ごしやすくなりますので、キックオフを3時間遅らせるだけでこの試合の結果に大きな違いが出た可能性があります。

もし日本代表がW杯行きを逃せば、我々サポーターが深く失望するのはもちろん、広告代理店もW杯での代表戦中継においてTVコマーシャル枠を販売する機会を喪失することになりますし、テレビ局もスポーツ新聞も売り上げが激減して誰も得をしません。

今でも代表戦中継を取り仕切っているのは電通さんだと思いますが、何が本当の利益なのか良く考えて、中東での代表選キックオフ時間を選んで欲しいです。

特にサッカー選手は生身の人間なのですから、「鬼十則」を押しつけるのはやめて頂きたいです。

 というわけでイラク戦の「外伝」をお届けしてきましたが、日本サッカー協会は、ハリルホジッチ監督続投で行くことを決めたようですね。

現在首位を走っているチームの監督を代える必要がどこにあると言う人もいるようですが、最終予選全10試合が終わった時点での順位が重要なのであって、今の段階で何位だとかはあまり意味がありません。

実際、次に当たるオーストラリアは日本が勝ち点1リードしているものの、最終戦はタイとのホームゲームで勝ち点3が計算できるので、日本戦は引き分けでも良しという考え方もできます。

日本が最終戦で当たるサウジは、日本との試合前にUAEとのアウェー戦を残していますが、もしそのゲームに勝ってしまうと、日本がオーストラリア戦でW杯行きを決められなかった場合、サウジはホームでの最終戦は引き分けでもW杯出場、日本はグループA3位とのプレーオフ行きとなってしまいます。

オーストラリア・サウジ両国が必ず守備を固めて引き分け狙いで来ると決めつけるのは危険ですが、相手が引いてカウンター狙いで来るところを、必ずゴールを奪って勝たなければならない日本が攻めるという展開は、「2試合のうち、どっちかに勝てばいいんだろ」と言うほど、簡単な状況ではありません。

しかも、ひたすらロングボールを放りこむカウンターサッカーしか戦術がないハリルジャパンは、相手に引かれて背後のスペースを消された状態で得点するのが苦手です。

ハリル監督は、スペースがあろうがなかろうが攻撃の選手に「ウラヘ抜けてボールを受けろ」しか言いませんし。


当研究所関連記事・良いカウンターアタックとは) 


だから当研究所はハリル監督を更迭し、引いた相手を崩すためにパスサッカー戦術も使える監督さんが日本代表に必要だと考えたわけです。

当研究所の懸念が外れて、日本代表が無事にW杯へ行けることを願っていますが、協会もメディアもふくめた日本サッカー界全体が、不都合な事実から目をそむけ、「根拠なき楽観論」へ流されているような気がしてなりません。




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■本田選手のこと

 今日は本田圭佑選手について述べたいと思います。

私の本田選手に対する評価は、2010年南アフリカW杯から14年ブラジルW杯まで先頭に立って日本サッカー界を引っ張り、「脱アジア化」を成し遂げた大功労者というものです。

このたび、3シーズン半におけるACミランでの彼の挑戦は終わりを告げましたが、成功という結果を残すことができなかったのは残念でした。

彼が当初ミランで望んでいたポジションはトップ下だったのですが、ブラジル代表カカーなど他の選手の存在であったり、監督がトップ下を置かないシステムを使ったりした関係で希望がかなわず、特にセードルフ監督時代以後、右ウイングという本来彼には不向きなポジションを任されることが多くなってしまいました。

若い頃の彼はドリブルのスピードは並でしたが、強いフィジカルコンタクト能力で追いすがる相手を跳ね飛ばして中盤でボールをキープしつつ、自らのパスでチームの攻撃を組み立て、ゴールもあげるプレーヤーでした。

しかしロシアリーグやW杯アジア予選レベルで当たる相手には「中盤の王様」として振る舞うことができたのですが、フィジカルコンタクトの強さ・上手さが数ランク上のセリエAに移籍すると、相手に体を寄せられてあっさりとボールを失ってしまうシーンが目立つようになります。

そこから人の見ていないところで相当な努力をしたのでしょう、1~2シーズン経過する頃にはフィジカルコンタクト能力がさらにアップし、相手に体を寄せられても簡単にボールを失うことは減りました。

ただ、残念ながら右ウイングとしては最後まで成功することはできませんでした。

加齢によってスピードが落ちたこともあり、右サイドを独力でタテに抜いてチャンスメークすることができないため、ほぼ100%ピッチ中央方向へカットイン・ドリブルしてくることを相手に完全に読まれており、真横にドリブルしながらあげるクロスはすべてはね返され、ミドルシュートも決まらないというプレーを繰り返すようになります。

さらにミラン入団時に背番号10を要求し、「セリエAやCLでの優勝を目指す」と宣言してミラニスタの期待を煽りまくり、自分で成功へのハードルを極限まで高くしてしまったことも裏目に出てしまったように思います。

本田選手は若い頃から「目標はW杯優勝」みたいな大風呂敷を広げ、自分を並大抵ではない努力をしないといけない状況に追い込むことで成長してきた選手です。

右肩上がりでサッカー選手としての能力が上がっていた若い頃はそれでも良かったのですが、30代に近づくにつれ、スピードや持久力など身体機能の衰えが見え始めると、各ポジションの中で最もスピードと運動量が要求されるウイングとして成功するのに、もはや努力すればどうにかなるという段階は過ぎてしまったことが明らかとなります。

結果として本田選手を「低迷する名門クラブをスクデットやビッグイヤー獲得へと導く救世主」と見ていたミラニスタは期待を大きく裏切られたと感じ、怒り狂うことになってしまったのではないでしょうか。

さらに、どんなに右サイドでの一対一に勝てなくても、再び右ウイングとしてピッチに立ち、やっぱり右サイドでの一対一に勝てないということをエンドレスで繰り返してチームも負け試合が増えていくわけですから、世界一サッカーを見る目が厳しいミラニスタのフラストレーションがたまりにたまってついに限界を超え、彼らの怒りが大爆発してしまったように思います。

プロの世界は「実力」と「結果」が全てですから、サイドでの一対一で「4勝6敗」は十分評価されますが、「0勝10敗」は許されませんし、それをエンドレスで続けていくことは絶対に許されません。

彼を応援する立場の人間として、ミラニスタから「パンキナーロ」(ベンチ要員)と名づけられて、ピッチに出ただけでブーイングを浴びせられるのを見るのは正直つらいものがありました。

 本田選手は、どうして右ウイングというポジションにそれほどまでにこだわっていたのでしょうか。

クラブからそのポジションを任された以上、絶対に成功しなければ自分のプライドが許さないという考えがあったのか、それともミランからそれ以外のポジションでプレーすることを許されなかったのでしょうか。

もしトップ下以外で、彼のプレーの特徴やストロングポイントを生かすのであれば、左・真ん中・右のどちらから攻めるのか、速攻をかけるのか遅攻でじっくり攻めるのか、それともボールを落ち着かせて嫌な流れを断ち切るか、自分のパスでチーム全体を操るボランチ(イタリア語でいうレジスタ)が適任だったように思います。

ゴールを決めるFWが会社で言えば契約を取ってくる「営業」だとしたら、ボランチは社長室から指示を飛ばす「経営者」といったところでしょうか、

もちろんボランチだって機を見て攻め上がり、味方からリターンをもらって自分でゴールを決めることだってできますけどね。

ミランでしたら、4-3-1-2の“3”のポジションからチームを操ったピルロという偉大な“王様”がいたのですから、もしそのポジションで成功できていたら、「ピルロの後継者」として本田選手のミランにおける評価が現在とまったく違ったものになっていたかもしれません。 4-1-2-3でしたら、“2”のインサイドハーフも良いと思います。

 これで思い出すのが「フランクフルトのカイザー(皇帝)」の二つ名を持つ長谷部選手です。

カイザーというニックネームはもちろん、3バックのリベロのポジションから上がって攻撃を組み立てたドイツのレジェンド・ベッケンバウアーから来ているのでしょうが、長谷部選手に対するクラブ関係者・マスコミ・サポーターからの評価が非常に高いことをうかがわせます。

フランクフルトを率いるニコ・コバチ監督の現役時代、クロアチア代表は当時のクラニチャル監督が3バックを採用しており(2006年ドイツW杯で日本と対戦し0-0の引き分け)、彼の弟でバイエルンでプレーしていたロベルト・コバチが3バックの真ん中をやっていたので、そうした影響でニコ・コバチ監督も「3バック使い」なのかなと思うのですが、長谷部選手をリベロのポジションで使って今シーズンはかなりの成功を収めました。

ドルトムントで香川選手が成功したことでドイツにおける日本人選手の評価がグンと上がったのですが、それ以前にブンデスリーガへやってきた長谷部選手は相当苦労したはずです。

でも、「環境に適応するために自分を変える勇気」をつねに持ち、いくつものクラブを渡り歩いて、監督から任されたポジションならどこでもやるという長谷部選手の姿勢が、さまざまな経験を積むことを可能にし、チームの最後尾から豊富な経験にもとづいて的確にチームをコントロールする「ピッチ上の指揮官」として高い評価を受けるようになったわけです。

カイザーとまで呼ばれるようになった長谷部選手が、バイエルン戦で大ケガをしてしまったことが本当に残念だったのですが、やはり「サッカー選手はゲームに出てナンボ」「そのポジションで成功してチームを勝たせ、サポーターを幸せにしてナンボ」だと思います。

若手→中堅→ベテランと、サッカー選手としてのキャリアが進むたびに、自分の身体能力にも変化が起こってくるわけですが、それに適応するためにポジションやプレースタイルを変えることは決して恥でも負けでもありません。

前回W杯で優勝したドイツ代表を中盤の底から支えたシュバインシュタイガーをはじめ、多くのスター選手も経験してきたことです。


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■またしても同じミスを繰り返したハリル監督(その2)

前回のつづき

 選手個々で特筆すべき活躍だったのは、先制ゴールをあげた大迫選手。CKから難しい体勢だったとは思いますが、技ありのバックヘッドでチームがのどから手が出るほど欲しかった先制点をゲット。
 しかし、ポストプレーで懸命に前線で攻撃の基点をつくろうとしていましたが、強風のためボールの落下地点を見極めるのが難しかったのか、それともイラクに研究し尽くされていたのか、意図したように基点がつくれませんでした。
ハリルジャパンは、相手ゴールまでボールを運ぶ唯一の手段が「大迫選手にロングボールを当てたポストプレー」なのですが、相手チームに研究されてそれが封じ込められてしまうと、この試合みたいに点が欲しくてもボールをなかなか相手ゴールまで運べない、だからゴール確率の高いシュートチャンスがつくれないという状況に陥ってしまいます。 「大迫選手へのロングボール」以外のプランBがなければ、次のオーストラリア戦は相当厳しいと思いますが、吉田選手を前線にあげて、彼の頭めがけてロング蹴っている時点でハリル監督のプランBも「終わって」います。
 ポストプレーをするために大きくサイドへ動いたあと味方のボール保持者を見て立ち止まっているだけというシーンも多いので、ウイングやサイドバックに任せるところは任せ、自分は相手センターバックの前を中心としたピッチ中央方向へ速やかに移動して、味方からアシストをもらってシュートできるようなポジショニングを取るべきです。
 
 本田選手は、CKから大迫選手のゴールをナイスアシスト。
先制ゴールをあげるまで右ウイングの彼のところでボールをキープしてタメをつくり、ある程度は攻めで貢献できていました。
 ただ、37℃の酷暑という特殊な条件下で、両チームともスローなサッカーをせざるを得なくなったため、本田選手のスピード不足が問題にならなかったという面があり、夏でも冷涼な気候が予想されるロシアW杯では、速いテンポの高速サッカーが展開されることが見込まれ、本大会を見据えれば本田選手の右ウイングは有効な選択肢ではないと思います。
実際、本田選手はスピードや技術で右サイドをタテに抜くことができず、ほぼ100%カットイン・ドリブルしてくることが確実なのを相手に研究し尽くされており、イラクが相手であっても個の能力で抜けないのですから、W杯で当たる欧州・南米の強豪相手ではなおさらです。 ACミランでの3シーズン半ですでに答えは出ており、彼は絶対にそれを認めないでしょうから、指導者が決断しないと。 どうしても彼を起用したいならシリアとのテストマッチで機能したセントラルMF(インサイドハーフ・ボランチ)に置くべき。
 後半ロスタイムに相手ゴール前でフリーでシュートしたシーンがありましたが、シリア戦でも指摘したように、シュート直前に相手GKをチラッと見て、GKの真正面にシュートを打ってしまうのは、岡崎選手と同様に「北京世代」の特徴なのですが、原因を早く分析・修正してゴール決定力を上げて欲しいです。

 原口選手はトップ下として運動量豊富に動き、味方の攻撃を助けていました。
彼は「熱いハート」が長所ですが、シュートやアシストなど得点チャンス時にマイナスに働いてしまい、全身に無駄な力が入って、シュートが大きくゴールから外れてしまったり、スルーパスが強すぎて味方が追いつけず、ボールがそのままゴールラインを割ってしまったりしています。十分わかっていると思いますが、ワールドクラスのプレーヤーになるためには、どんな時でも正確なシュートやパスができるように、自分のメンタルをコントロールする方法を覚える必要があります。

 遠藤選手は豊富な運動量で主に守備面でがんばっていました。
しかし相手と一対一でボールを競り合ったとき、あまりにも簡単につぶれてしまうケースがあり、もしレフェリーがファールを取ってくれなかった場合、失点につながりかねないピンチになってしまう可能性があります。

 逆に吉田選手は痛恨の判断ミスから失点の原因に。
たとえCKになったとしてもクリアしておけば何でもないところを、相手選手を自分の体でブロックして味方GKに取らせようとしたら、ボールが止まりそうになって川島選手と交錯、こぼれたボールを相手にゴールへプッシュされるという極めて消極的なプレーが痛い失点につながってしまいました。 当研究所がいつも言っているように「サッカーは、弱気で消極的な選手・チームが罰をうけるスポーツ」であるとつくづく思います。

 昌子選手もまずまずの出来でしたが、やはり自分の体で相手選手をブロックして、相手が蹴ったボールをゴールラインの外へ出して、味方のゴールキックにしようとする消極的なプレーが目立ちましたが、これも一歩間違うと後ろにいる相手にボールを奪われ、そのままゴールへ向かってドリブルされて失点しかねない危険なプレーです。ボールの勢いが強ければ、そのまま出しても構いませんが、弱い時はセーフティにタッチラインの外へ蹴った方がリスクは低いです。
「1点を取ったらそれを守り切って勝ちたい」というハリル監督の弱気で消極的なサッカーに対する考え方が、吉田・昌子の両センターバックに伝染してしまった感じです。

 交代出場の倉田選手は、先発組が体力面でキツイ中、再びリードを奪うために攻撃の中心となることが期待されました。
しかし、チームがロングボールをひたすら前線へ放り込んでいたこともありましたがほとんど機能せず、失望させられるような出来でした。

        ☆        ☆        ☆

 相手との実力差を考えれば、何としても勝ち点3が欲しかったイラク戦ですが、引き分けという結果は残念でしたし、試合内容も最悪だったと思います。

その原因のほとんどはハリルホジッチ監督の采配ミスにあり、選手たちが希望していたパスサッカーで先制ゴールをあげたところまでは良かったのですが、その後はハリル監督の指示どおり、1点を守り切るため自陣深くへ引いて、あとはひたすら前線へロングボールを放り込む「タテに速いサッカー」をやり、わざわざ自分たちから相手にゲームの主導権を渡し、相手の攻めに最後まで守り切れず、痛い勝ち点2を落してしまいました。

これはホームでのイラク戦やアウェーでのオーストラリア戦とまったく同じ采配ミスだということは、前回記事で述べた通りです。

先発メンバーの顔ぶれや交代出場選手のチョイスも疑問だらけであり、それも引き分けに終わってしまった大きな要因です。

対戦相手の強弱やピッチ内の状況に関係なく、ロングボールをひたすら前へ放り込む「タテに速い攻撃」と、マークの受け渡しはしているようですがほぼマンマークに近い守備「デュエル」という、20年以上前のカビが生えたような古臭い戦術しか使えず、選手のプレーの特徴や長所短所・選手間の優劣を正確に見抜いて、適材適所のポジションで起用するということもできないハリル監督。

唯一彼が優れている点は、自分を本当の実力以上に大きく見せる弁舌能力で、日本サッカー協会(JFA)の幹部も選手もそれにだまされてしまっているのではないでしょうか。

「だまされている」という言葉が悪ければ、過大評価しすぎていると言い直してもいいです。

ハリル監督は、代表選手の招集発表記者会見のとき、いつも大演説をぶつのですが、話は長いですけど中身は大したこと言っていません。

欧州サッカーのデータをしばしば引用するところを評価する人もいるようですが、「体脂肪率が何%以下でないとダメ」だとか「欧州のトップGKは身長190㎝以上」だとか、それだけなら日本の中学生だって言えますし、そもそもそんなデータにあまり意味はありません。

欧州各国リーグでやっている日本代表選手たちも、自分が所属するクラブの監督さんの指導法と比較してみてどうでしょうか。ハリル監督が練習中に出す指示内容やトレーニングメニューも、大したことないんじゃないですか。

代表の各選手に匿名でアンケートを取り、ハリル監督の練習内容や指示についてどう思うか、協会で調べてみたらどうでしょうか。

日本代表OBでハリルジャパンの試合映像を検証し、あんな内容のサッカーでW杯へ本当に行けるのか、徹底的に議論した方が良いです。

 ハリルさんが日本代表監督になった直後、彼の半生記を読んだのですが、カウンターサッカーでフランス2部のリールを1部にあげて、翌シーズン3位になるのですが、それが認められてパリサンジェルマン(PSG)の監督になったものの成功できませんでした。

PSGは優勝を義務づけられたリーグアンのビッグクラブですから、他のクラブが自陣に引いてカウンターを狙ってくるところを、ポゼッションサッカーで崩して勝ち点を取らなければなりません。

しかしカウンターサッカーしか手持ちの戦術がないハリル監督は相手の守備を崩せず、PSGを解任されたのではないでしょうか。何だか今の日本代表に通じるような話ですが、彼の実績らしい実績と言えばこれだけです。当時リーグアンは、スペイン・ドイツ・イングランド・イタリアの欧州四大リーグよりワンランク落ちるリーグだったことも付け加えておきます。フランス人選手は四大リーグでプレーすることによって「レ・ブルー」(フランス代表)を強くしていったのです。

彼はアルジェリア代表でブラジルW杯ベスト16という成績を残してはいますが、日本代表でやっている彼のサッカーの内容を見る限り、それはアルジェリアの選手個々の能力が高かったおかげじゃないでしょうか。もし本当に優秀な監督であったのなら、どうしてアルジェリア協会はハリル監督との契約を延長せず、W杯のあと簡単に手放してしまったのでしょうか。

当研究所は常に、やっているサッカーの中身で監督や選手・チームを評価します。


基礎が大切


「サッカーの基礎から応用までのピラミッド」に基づき、ハリル監督がこれまで2年間、日本代表でやってきたサッカーの内容から判断して、このまま続けていっても、日本サッカー界にとってプラスになる要素は少ないと思われ、大変残念ですがこのタイミングで彼を解任すべきだと考えます。

後任は手倉森コーチを暫定監督にし、W杯出場権を獲得出来たら、テグさんを含め改めて内外からもっとも適任の人を代表監督に招聘したらどうでしょうか。

リオ五輪での采配を見る限り、あともう一息で結果がついてきませんでしたが、カウンターサッカーとパスサッカーの使い分けが出来ていた点や、コンパクトな陣形によるゾーンディフェンスを構築できていた点は評価しています。

私見ですが、このままハリル監督がタテポンサッカーを続けるのであればW杯出場の可能性は30%、選手選考と戦術の選択を間違えず、これから2か月の時間を使ってしっかりチーム組織を整備するという条件つきで、手倉森監督なら60~70%と見ます。

次のオーストラリア戦をシミュレーションするなら、大迫選手への浮き球のロングボールは身長が高くフィジカルの強い相手に跳ね返されて日本はシュートチャンスをほとんどつくれず、セットプレーやゴール前での混戦から相手に力づくでボールを押し込まれて失点、最後まで同点に追いつくことはできず痛恨の敗戦といったところでしょうか。

もしオーストラリア戦で最悪の結果となった場合、ハリル監督を解任して新監督にチームを託したとしても、たった2~3日で新しい戦術を選手に教え込み、自信と積極性を失ってしまったチームを立て直して、何が起こるかわからない酷暑のサウジアラビアに乗り込んでW杯出場権を獲得するというのは、より困難なミッションとなります。

だから監督を解任するのは今のタイミングしかないと考えるわけです。協会のほうで次の代表監督にふさわしいと評価する別の人物を用意しているのであれば、その方でも良いでしょう。

 報道によれば、日本サッカー協会の田嶋会長は「ハリル続投」という判断を下したようですが、それならば、もしハリル監督でW杯に行けなかった場合に、会長の責任問題となることは避けられません。

「会長の仕事は代表監督の人事だけではない」という言い訳は通用しませんし、ハリル監督で本当にW杯へ行けるというポジティブな理由と確信をお持ちなら、これ以上申し上げることはありませんが、「もし今ハリルを代えて失敗したら怖いから」という消極的な理由で続投を選ぶのであれば、良い結果が得られる可能性は低いと思います。

シャープや東芝のように、優秀な従業員も技術も持っていながら、リーダーの誤った判断でダメになっていく日本企業が増えています。

「液晶一本足打法」のシャープの場合、液晶テレビ製造というビジネスが儲からなくなり、赤字を垂れ流して銀行からの借金ばかりが増えているのに、自分たちが長年やってきたビジネスモデルを変えて失敗するのが怖くて厳しい現実から目をそむけ、いつまでも「現状維持」を選択し続け、グズグズしているうちに気づいたらもう取り返しのつかない状態になって事実上の倒産・外資による買収という結末になってしまいました。

欧米やアジア企業の場合、チャンスと見たら積極果敢に新しいビジネスや商品の開発に乗り出しますし、この先成功する見込みがないと判断したら、スピーディにその事業から撤退して損失を限定するのも速く、どのビジネスが成功する確率が高いのかを見極める判断力に優れた人がリーダーになるような企業風土を持っているところが多いです。

日本サッカー協会はどうでしょうか?

つづく


◇    ◇     ◇     ◇     ◇     ◇    ◇

  2017.6.13 ワルジシュガー・シャヒード・ダストゲルディ
                             (テヘラン)

          イラク 1 - 1 日本


          カミル 78'       大迫 8'


        GK カッシド       GK 川島

        DF アドナン       DF 酒井宏
           スラカ          (酒井高 76)
           イブラヒム         吉田
           サリム           昌子
                          長友
        MF ヌーリ
          (アットワン 70)   MF 遠藤
           アブドルアミル      井手口
           カミル           (今野 62)
          (ラサン 76)        原口 
           アブドルザフラ     (倉田 70)
           ヤシン
          (タリク 59)      FW 本田
                           大迫
        FW アブドルラヒム       久保



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■またしても同じミスを繰り返したハリル監督

 昨日、W杯アジア3次予選のイラクVS日本戦が中立地であるイランのテヘランで行われ、1-1で日本は引き分けてしまいました。(イラク国内がほぼ内戦状態のため)

対戦相手のイラクは、国内組の選手を中心にイタリアやUAE・サウジ等でプレーする海外組を合わせたチーム。日本との実力差は、ホームでもアウェーでも日本が勝たなければいけないレベルの相手と見ていました。

当然、中立地開催であれば絶対に勝ち点3を取らなければいけないゲームだったのですが、引き分けという結果に終わってしまったことは大変残念でした。

試合内容も最悪だったと思います。

        ☆        ☆        ☆

 それではこの試合のゲーム内容を分析していきますが、ハリルホジッチ監督は、昨年10月にホームでやったイラク戦とまったく同じ失敗を繰り返してしまいましたね。

日本は、たちあがりから各選手がうまく連動したパスサッカーでゲームを支配。前半8分にCKから大迫選手のゴールで先制点をあげたところまでは非常に良かったです。

まとまった陣形を保ったまま選手同士が適切な距離を保ってサポートし合うパスサッカーは、自陣と敵陣の間を長い距離走って往復する必要性が少なくなるため、あのような気候に適した攻撃戦術と言えます。

ここまで非常にうまくいっていたのですから、イラクに攻められる時間帯はあってもそのままパスサッカーで行って、2点目3点目を取ってこのゲームの結果を確定してしまえば良かったのです。

ところが毎度毎度のことながら、ここからが大問題。

1点を守ろうという意識が強すぎる日本は、急に守備ブロックを自陣深くに下げてしまい、パスサッカーのイラクにゲームの主導権を握られます。

攻撃は先制ゴールをあげるまでとはガラっと変わって、バックからひたすら浮き球のロングボールを前線の大迫選手へ放り込む、いつものタテポンサッカーへ。

しかし、大迫選手のポストプレーは相手にすでに研究し尽くされているようで、ほとんど前線で基点をつくれませんでしたし、ロングボールを蹴ったあと自陣から長い距離を走らなければならない味方の押し上げがどうしても遅れるので大迫選手も孤立して、追加点をゲットできるようなチャンスはほとんどつくれなくなっていきます。

相手ボールになったらなったで、今度は押し上げた選手が自陣へ向って長い距離を走って戻らなければならないので、気温37℃以上の酷暑の中でこのような戦術を選手にやらせるのは「愚か」の一言。

後半は、いったんイラクの攻勢が止まり、日本も何度か攻撃できるようになりますが攻めに厚みを欠き、追加点は奪えません。

そうこうしているうちに、バックとGKとの連携ミスから同点ゴールを許してしまいます。

ここまで、グラウンダーのパスを使ったコレクティブ・カウンターから先制点をあげたあと、1点を守ろうとする弱気なハリル監督の指示で、ロングボールをひたすら前線へ放り込むタテポンサッカーへ戦術を変更して、まったくシュートチャンスをつくれなくなり、後半に同点ゴールを許したホームのイラク戦とほとんど同じ展開。

違ったのは、試合終了間際にハリル監督の采配ミスを帳消しにしてくれる山口選手のミラクルゴールがなかったことだけ。

だからこの試合の前に、口を酸っぱくして言ったのです。

1点を守ろうとして中盤を省略したタテポンをやると、相手の攻撃を押し返して追加点をあげるための攻め手がなくなり、専守防衛の守備陣もついに耐え切れず、ホームでのイラク戦やアウェーのオーストラリア戦みたいに自滅するよと。


当ブログ過去記事・イラク戦をどう戦うべきか?


事前の報道では、あくまでもタテポンサッカーをやらせたいハリル監督と、40℃近い環境でそれは無茶なので、ある程度ボールをポゼッションして相手を走らせることで自分たちの体力を温存したい選手側とで意見が食い違い、長い時間ミーティングが行われたそうですが、先制ゴールをあげるまでは選手側がやりたい戦術でいって、1点取ったあとはハリル監督の言うとおりにタテポンをやって、どうしても欲しかった勝ち点2を失ってしまったということじゃないでしょうか。

もしそうならハリル監督は、またしても采配ミスで選手たちの足を引っ張ったことになります。

ホームのイラク戦・アウェーのオーストラリア戦・そしてこの試合と何度同じミスを繰り返せば、学習するのでしょうか。

ハリル監督は、サッカーIQが低すぎます。

 監督の弱気なメンタリティが日本の各選手たちのプレーにも影響を与えていたように見え、クリアしておけば何でもないところを、CKから失点したくないという気持ちが強すぎたのでしょう、敵選手を自分の体でブロックして味方GKにボールをキャッチさせようとしたDFのプレーが致命的な失点につながってしまいました。

こういうプレー一つとっても、監督のサッカーに対する思想・哲学が反映されるものです。

1点を取ったらそれを守り切ってゲームを終えたいという、ハリル監督の消極的で弱気すぎる考え方は「勝者のメンタリティ」とは言えず、実際、勝利という結果につながっていません。

 また2次予選の段階からずっと指摘しているように、ハリル監督は選手の特徴や長所短所・選手間の優劣を正確に見抜いて、適材適所のポジションで起用するということができません。

 



                大迫           

      久保                  本田

                原口     
                 

             遠藤    井手口  
                  

      長友     昌子    吉田    酒井宏
    

                 川島



上記が、この試合の先発メンバー&フォーメーションです。

シリア戦後にハリル監督が「すべてが間違っていた」とコメントしていたので、「えっ、攻めの形がまったくつくれなかった前半戦と改善された後半戦との違いがわからなかったの?」と、私は嫌な予感がしていたのですが、良い攻撃の形をつくれていたシリア戦の後半のシステムをそのまま持ってこずに、ぶっつけ本番でこのようなスタメンにしたことについてはひとまず脇に置いておきます。

それにしても、2次予選の初戦でシンガポールと引き分けたときから、敗戦でのスタートとなった3次予選開幕のUAE戦、そしてもう少しで致命的な引き分けとなるところだったホームでのイラク戦で、さんざん機能しなかったにもかかわらず、性懲りもなくこの試合で右ウイングに本田選手を持ってくるハリル監督は学習能力というものが無いのでしょうか?

前述のように、キックオフからパスサッカーで攻めていたときは、本田選手のところでボールをキープしてタメをつくり、ある程度は攻めで貢献できていました。

しかし1点リードしたあとは、チームがタテポンサッカーになったこともあって、ほとんど機能せず。

本田選手はスピードや技術で右サイドをタテに抜くことができず、ほぼ100%カットイン・ドリブルしてくることが確実なのを相手に研究し尽くされており、イラクは2人がかりでインサイドを切ってきて、真横にドリブルしながらアバウトにあげるクロスはすべてはね返され、精度の低いシュートも決まらず。

さらにハリル監督は、自分が送り出した選手がピッチ内で異常な動きをしていても気づくことができません。

昨年11月にホームでやったサウジ戦で、前半5分に久保選手が足を痛め、強いボールをほとんど蹴ることができなくなったにもかかわらず、後半ロスタイムまで気づかずにプレーさせてしまうということがありましたが、この試合の後半でも足を痛めてしまった久保選手、そして酒井宏両選手にもっと早く気づき、交代させることはできなかったのでしょうか。

実際のゲームでは、後半17分に脳震とうを起こした井手口選手に変えて今野選手を投入し、25分にまだ動けていた原口選手に変えて倉田選手を入れたのですが、その直後に失点。

勝ち点3を取らなければならない日本は最低でもあと1ゴール必要になったのですが、そのタイミングで酒井宏選手が動けなくなってしまいます。

そこでハリル監督は、酒井高選手を代わりに投入したのですが、この采配はあり得ませんでした。どう考えてももう1点取りに行く選手起用ではありません。

もし私が監督だったら乾選手を入れて左ウイングとし、足を痛めてほとんど動けない久保選手はトップ下でボールのつなぎ役に徹してもらい、倉田・遠藤のダブルボランチにして、酒井宏選手が抜けた右サイドバック(右SB)には今野選手をもってきます。

これなら乾選手中心にもう1ゴール狙って十分攻撃できる布陣ですし、酒井宏選手が抜けた守備の穴も本職がセンターバックの今野選手で埋められるはずです。(下図)



                大迫           

      乾                  本田

                久保     
                 

             倉田    遠藤      
                  

      長友     昌子    吉田    今野    

                
                川島




過去記事をサルベージするのが面倒なのであえてやりませんが、これまで何度も指摘したように、ハリル監督は、代表各選手のプレーの特徴・長所短所・選手間の優劣を正確に見極めるということができないので、突然のアクシデントに見舞われたときに、臨機応変に選手を起用してピンチを乗り切るということもできません。

「右SBのポジションを争うのは酒井宏と酒井高。だから宏樹がダメなら高徳」という脳ミソがカチコチに硬直した発想しかできないのでしょう。

やはりハリル監督は、サッカーIQが低すぎます。

 この試合の会場となったダストゲルディスタジアムの芝の状態が心配だと盛んに報道されていましたが、上記の「イラク戦をどう戦うべきか?」で述べたとおり、ほとんど問題ありませんでした。

にもかかわらず、荒れたピッチ対策でひたすら浮き球のロングボール攻撃をやり続け、攻撃でパスを出せる選手ではなく、遠藤・井手口・倉田ら守備に強い選手ばかりをピッチに送り出したのだとしたら、いったいどこを見てサッカーをやっていたのかと言わざるを得ません。

「イラク戦は勝ち点3を取らなければいけない試合だ」ということを監督はちゃんと理解できていたのでしょうか。

ロングボールを前線へ放り込むタテポンサッカー(いわゆるタテに速い攻撃)とマンマークディフェンス(デュエル)という、20年前のカビが生えたような古臭いたった一つの戦術を、気温40℃近い酷暑の中だろうが、タイやイラクのように相手が自分たちより格下だろうが、前の試合と同じ失敗を何度も何度も繰り返そうが、ただひたすらやり続けることしかできないハリル監督。

「この選手はこのポジションで」「芝が悪いからロングボール攻撃しかできない」などと、一度思い込んだらどんなに自分のチームが上手くいっていなくても軌道修正することができず、頑迷に同じことを繰り返すことしかできないおじいちゃん、というのがハリル監督に対する評価です。

同じボスニア人でも、戦術の引き出しがいくつもあって、上手くいかなければ臨機応変に修正し、数学者のように論理的なチーム作りをしていたオシム前監督とは、似ても似つかないタイプの監督さんです。

90年代初めのヨハン・オフト時代から、歴代代表監督をずっと見てきましたが、 プロサッカー監督としての能力は最低クラスのように思われます。

実際にやっているサッカーの内容からして、J1下位からJ2レベルぐらいではないでしょうか。

 「最低限のノルマである勝ち点1を取ってW杯出場に王手をかけたのだから、次のオーストラリア戦に勝てば良いじゃないか」と考える人もいるでしょうが、オーストラリアより弱いイラクに勝てなかったのですから、いくらホームとは言え、8月のオーストラリア戦に勝つのは現状では相当厳しいと思います。

今のハリルジャパンには、「ゴールを奪うための明確な攻撃の形」というものが皆無であり、イラクより格段に守備力の高いオーストラリアから点を取るのは非常に困難です。点が取れなければ試合に勝てません。

サッカーというスポーツは、技術や身体能力のほかに「選手の自信や積極性」というものが勝敗を大きく分けます。

もしオーストラリアに勝てずに自信を失った状態でアウェーのサウジ戦を迎えれば、予想もしなかった最悪の結果もあり得ます。

残念ですが、ここでハリルホジッチ監督を解任し、新しい監督のもと、残り2か月の貴重な時間を使って新しい戦術を選手たちに授け、万全の態勢でオーストラリア戦を勝ちに行くべきです。

 選手個々の評価は次回とします。

つづく




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■シリアとのテストマッチ、課題と収穫(その2)

 前回のつづき

 選手個々で特筆すべき活躍だったのは、まず大迫選手。
相手選手が2人3人と囲んできてポストプレーをなかなか思うようにやらせてもらえなかったのですが、同点ゴールのシーンでは原口選手からのボールを受け、自分がつぶれながらオーバーラップする長友選手に絶妙のパス、なかなか破れなかったシリアの最終ラインを初めて崩したこのプレーは値千金でした。
DFラインのウラヘワンパターンで走りこむ味方が多い中、バックの前へ下がってパスを受け、DFラインの背後へスルーパスを出すことで、自分たちが攻めやすいようにDFラインのウラのスペースを広く保つことができるようなポジショニングも良く考えられています。あとはゴールだけでしょうか。
岡崎選手も彼のポジショニングやスペースの使い方をよく見習って欲しいです。

後半から出場の乾選手はゴールやアシストは無かったものの、卓越した個人技で左サイドで違いをつくり出しました。彼のところでボールをキープして攻めの基点をつくったり、ドリブルで対面の相手をはがしてサイドを突破し、シュートを打ったり、チャンスメークしたりと左サイドを制圧。メッシばりに、相手の股の間にボールを通して抜くドリブルもありましたね。
ただ、ペナルティエリア(PA)内にいる味方にパスを出してリターンをもらおうとしていたようですが、プレーが細かすぎて、味方がミスをしたり相手に防がれたりしてチャンスをつぶしていました。ドリブルでPAに入る直前まで来たとき、前方が敵味方でゴチャゴチャしていたら、みんなの頭を超すようなシュートに切り替えた方が良いと思います。イメージとしては、右足のインにかけたコントロール・シュートをゴール右上スミに決める感じです。

今野選手は、ゴール前へよく詰めて、同点ゴールを落ち着いてゲット。
まだ負傷箇所が本調子ではないのだと思いますが、中盤で攻撃を組み立てる際に、パスを引き出す動きはまずまず良かったのですが、もらったボールを前の選手に確実につなぐという部分では課題が残りました。
もっとも、彼がボールを持ってパスコースを探しているのに、まわりの選手がパスを受ける動きをしてくれないという場面もしばしばでしたから、彼だけの責任ではありません。

長友選手は、ポストプレーをした大迫選手からのパスをもらって左サイドを駆け上がり、絶妙のクロスから今野選手のゴールをお膳立てしました。

 逆に酒井宏選手は、ゴール前でマルドキアンへのマークを放してフリーでヘディングシュートを許してしまう原因に。
直前にいた昌子選手が相手のクロスにかぶってしまったこともありましたが、酒井宏選手が相手のエースFWをしっかりマークしていれば、防ぐことができた失点だったかもしれません。左サイドで相手選手がバックパスをした瞬間、日本の4バックが「ああ、これでもう大丈夫」と気をゆるめ、それぞれマークすべき相手を放した瞬間、倉田選手が抜かれたことで日本のバック陣がまったく準備できていないタイミングでクロスが入ってきて、それでやられてしまったように思います。
タイムアップの笛が鳴るまで90分間集中すること。たとえマイボールの時間帯でも一瞬でも気をゆるめれば、やられてしまうのがサッカーというものです。

倉田選手はインサイドハーフとしての出場でしたが、良いスルーパスが1本あったものの、バックやアンカーからパスを引き出して、それを3トップへ供給するという役目に関しては物足りなさを感じました。味方からパスを引き出す動きが少なすぎますし、球離れが良い攻めのパスを味方へ正確に出すというシーンも少なかったです。後半は少し良くなったので、辛抱して経験を積ませる必要がありそうです。 
失点シーンでは、PAのカドで相手に簡単に抜かれてしまい、正確なクロスを許してしまいました。守備の一対一で絶対に負けないで欲しいです。

 良い面・悪い面が見られた選手としては、本田選手。
インサイドハーフにまわってからは、攻撃の基点となって良い攻めのパスを何本か出せていましたし、フィジカルコンタクトの強さを生かして相手からボールを奪い返すなど守備面でも良いシーンがありましたね。
ザッケローニ元監督も言っていたように、やはり今の本田選手にはインサイドハーフやボランチなどのセントラルMFが向いているように思います。
ただ、ミランでほぼ1年間ベンチ生活だったせいか、体のキレや実戦カンが欠けているように見えますので、セントラルMFとして使ってもらえるクラブへ移籍して1シーズンを通して試合に出続ける必要があります。
課題としては、パスを受けるための動きがまだまだ足りないことと、早すぎるタイミングで相手4バックの前のスペースに本田選手が入ってしまうと、そのエリアに人が多すぎて攻めで使いたいスペースがつぶれたり、相手のバックラインを下げることでウラのスペースも狭くなってしまうので、3トップも含めてバイタルエリアやゴール前へ行くタイミングをできるだけ遅らせることで、自分たちが攻めで使いたいスペースを残しておくことなどがあげられます。
後半29分にGKと一対一になった場面は絶対に決めないといけません、相手をよく見ずに決め打ちしたことでGKの正面にシュートが行ってしまいましたが、キックフェイントを入れてGKが動いた方向と逆のワク内に打つとか、ループシュートを狙うとか、きりかえして相手DFをかわしながらボールを左足に持ちかえて打つなどといった、ゴール前での心の余裕が欲しいです。

原口選手は、MF陣からなかなか良いボールをもらえなかったので苦しんだところもありましたが、何度かシュート場面に顔を出していましたね。ただミドルシュートの精度が低すぎます。自分の狙ったところへ正確にシュートが行くように、必要であれば専属コーチをつけてでもシュート時のキックフォームを1からつくり直す必要があるように思います。

昌子選手はまずまずの出来でした。失点シーンではかぶってしまいましたが、これから実戦経験を積んでいくことで問題なく解決されていくことでしょう。

久保選手は、どういうわけだか疲れているように見えました。昨年11月にやったオマーンとのテストマッチでも、原口選手がどういうわけかヘトヘトに疲れていたのですが、好調だからといってハリル監督が練習のさせ過ぎで、大事な試合前に消耗していなければいいのですが。

        ☆        ☆        ☆

 貴重なテストの機会となったシリア戦ですが、ハリル監督の人選にも問題があって、前半戦はほとんど攻撃を組み立てることができませんでした。

左ウイングに乾選手、右インサイドハーフに本田選手を投入した後半は、中盤で攻撃がちゃんと組み立てられるようになって、あとはゴールを決めるだけというシーンを何度もつくり出すことができたのは収穫でした。

ただ、攻撃の選手全員が相手DFラインのウラヘ一斉に動いてボールをもらおうとしてしまうので、バックラインのウラのスペースを自分たちで狭くして得点しづらい状況をつくってしまう場面もありました。

11人の敵選手を相手ゴール前にはりつけにして、両サイドからクロスを入れまくるというのは、決して良い攻めの形ではありません。

相手4バックの前のスペース、ゴール前のスペースに走りこむタイミングを十分考えながらやって欲しいです。

        ☆        ☆        ☆

 いよいよ13日に迫ったイラク戦ですが、どういう風に戦うべきかについては以前述べた通りです。

スタメンとフォーメーションについては、こんなのはどうでしょうか。

 

                 大迫           

      乾                   久保

            今野      本田     
           (倉田)       

                 山口  
                  

      長友     昌子    吉田    酒井宏
    

                 川島



足の状態に問題が無ければ左インサイドハーフに今野選手、ちゃんと守備をサボらずにやるという条件付きで右インサイドハーフは本田選手です。この2人に山口選手がからんで中盤で攻撃を組み立てて行き、3トップに攻めのパスを配球していきます。

守備時は乾・久保の両選手がインサイドハーフのところまで戻り、4-1-4-1みたいな形で守備ブロックをつくります。

イラク戦に向けた最後の注意点としては、「目の前のプレーに没頭するな、いつもゲーム全体のことを考えろ!」です。

今はゴールが欲しい時間帯なのか、それとも相手から波状攻撃を受けて苦しい時間帯なのか、前者ならボールを奪ったら前へ攻めのパスが必要ですし、後者ならいったんボールをどこかでキープして、味方が呼吸を整える時間をつくって、相手の攻勢を断ち切る必要があります。

今、攻撃や守備が上手くいっているのか、それとも上手くいっていないのか、もし上手くいっていないなら原因は何か? ゴール前へ走りこむタイミングが早すぎていないか、FW全員が一斉にワンパターンで同じ動きを繰り返していないか、 守備ブロックはタテヨコに十分コンパクトになっているか、相手のボール保持者を自由にさせていないか、11人の選手が目の前のプレーに夢中になってしまうのでなくて、つねにゲーム全体の事を考えてプレーできる「ピッチ上の監督」になって欲しいのです。

それができるようになれば、今度のイラク戦で必ず良い結果が得られるはずです。

◇    ◇     ◇     ◇     ◇     ◇    ◇

        2017.6.7 味の素スタジアム(調布)

          日本 1 - 1 シリア


        今野 58'      マルドキアン 48'



        GK 川島      GK アルマ

        DF 長友      DF ジェニヤト
           昌子         O.アルミダニ
           吉田         アルサリハ
           酒井宏       アルアジャン

        MF 山口      MF タミル
          (井手口 53)     アルマワス    
           香川         (アルドゥーニ 90+)
          (倉田 10)       Z.アルミダニ
           今野         (ナックダハリ 65)
          (浅野 63)       アルムバイド
                       (アルリファイ 78)
        FW 原口          ユーシフ
          (乾 59)       (ジャファル 90+)
           大迫
          (岡崎 85)   FW マルドキアン
           久保         (アルシュブリ 85)
          (本田 46)



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■シリアとのテストマッチ、課題と収穫

 昨日、日本代表はシリアとのテストマッチを行い、1-1で引き分けました。

シリア代表は、イラク・ヨルダン・中国などでプレーする海外組に国内リーグに所属する選手をあわせたチームで、日本との実力差はホームで日本の勝利、アウェーで引き分け程度と見ていました。

ホームでドローという結果は残念だったのですが、これはあくまでもテストマッチであり、決して良いこととは言えませんが、私はあまり悲観していません。

試合内容は、日本の方に課題がたくさん出たように思いますが、収穫もありました。

        ☆        ☆        ☆

 日本代表の先発メンバーは以下のようなものでした。

 

                大迫           

      原口                  久保

            香川      今野     
           (倉田)        

                 山口  
                  

      長友     昌子    吉田    酒井宏
    

                 川島



 シリアは、立ち上がりからフィジカルコンタクトの強さを生かしてガチガチ体をぶつけながら厳しくプレスをかけてきたので、仮想イラクとして非常に良いトレーニングになったように思いますが、日本は攻めで苦しみましたね。

シリアは日本をちゃんと研究して試合に臨んでくれたようで、大迫・久保両選手がポストプレーをやろうとすると、すぐさま2~3人の選手で取り囲み、前線で基点をつくったり味方にボールを落したりするプレーを徹底的につぶしにきました。

そうしたこともあって、日本は中盤でグラウンダーのパスを中心に、攻撃を組み立てようとしたのですが、選手同士のコンビネーション不足で良いパスがつながらず、前半はほとんどシュートチャンスをつくれませんでした。

これまでハリルジャパンが、浮き球のロングボールを多用したクォリティの低いサッカーをやってきた弊害がはっきりと表れた試合でした。

スタメンのMF陣を見れば、中盤でゲームをつくれそうなのが香川選手ぐらいしかいないのに、開始10分で負傷退場してしまったのは非常に痛かったですね。

代役の倉田選手に期待がかけられましたが、山口・今野両選手がボールを持ってパスコースを探していても、2人から遠すぎるポジションで立ち止まっていることが多かったです。それでは中盤で攻撃を組み立ててパスを3トップに供給することはできません。

そうではなくて、例えば右インサイドハーフの今野選手がバックからパスを受けるために下がり、バックから出たパスが今野選手に向って転がっている間に、倉田選手は次の展開を読んでピッチのやや右に寄り、今野選手の5~7mナナメ前方のグラウンダーのパスが受けられるポジションでサポートしてやり、前を向いた今野選手がダイレクトもしくはワントラップした後タイミング良くパスを出して、今度は倉田選手に向ってボールが転がっている間に、彼をサポートするために久保・大迫の両選手がグラウンダーのパスが受けられるバイタルエリアのポジションに移動、2人のFWのどちらかが倉田選手からのパスを相手4バックの前で受け、DFラインのウラヘ抜けるもう1人のFWのためにスルーパスを出したり、あるいは直接DFラインのウラヘ走りこんで倉田選手からのスルーパスもらってゴールを決めるような、何手先ものプレーを読んだ11人のプレーヤーによる連動性が欲しいのです。

相手の守備陣形を見た瞬間、どのルートを通してボールをバイタルエリアまで運び、最終的にDFラインのウラへ走りこむ味方にパスを通して相手GKとの一対一の形をつくるのか、日本代表の11人が同じピクチャーを頭の中で描くことができるような、共通理解にもとづく連動性です。

こうしたことが自然にできるように、これからも継続して練習していくことです。

ただ、ハリル監督が送り出したMF3人(香川選手を除く)では守備的過ぎて、それをやるにはちょっと荷が重かったかもしれません。

 前半戦で攻撃の形がほとんどつくれなかったことに業を煮やしたハリル監督は、後半からメンバーをガラっと変えました。

後半18分以降のメンバーを見てください。


 
                大迫           

      乾                    浅野

            倉田      本田     
                  

                井手口  
                  

      長友     昌子    吉田    酒井宏
    

                 川島


 後半キックオフから本田選手を右ウイングに入れたのですが、やはり機能せず。

しかし、後半14分に左ウイングに乾選手を入れ、18分に右ウイングに浅野選手を投入して、右ウイングの本田選手を右インサイドハーフにもってきたことで、がぜん日本の攻撃が良くなります。

特に、足元の技術がある乾選手のところで攻撃の基点がつくれるようになり、彼は個の能力でマッチアップしている相手をはがしサイドを崩してシュートやチャンスメークができるので、それが大きかったですね。

やはり「ウイングプレーヤー」というものはこうでなくちゃいけません。

本田選手も、片側をタッチラインで限定されることなくピッチを180°広く使うことができるインサイドハーフのポジションから、攻めで良いパスを何本か出していました。フィジカルコンタクトの強さを生かして相手からボールを奪い返すシーンもありましたね。

私は、もう2年前から「本田選手をボランチにコンバートすべき」と提唱してきたわけですが、今の本田選手には、ボランチやインサイドハーフのようなポジションしか代表で生き残るチャンスはないということが再確認されたと思います。

ただACミランで控え選手としてほぼ1年間ベンチ生活をしていたことが原因と思われる、動きのキレや実戦勘が鈍っていることも感じましたね。

 後半のメンバーで良い攻撃ができたことで、イラク戦に向けて希望が出てきたのですが、相手バックラインを攻略してゴールを奪うための「攻撃の最終ステージ」のところで、日本代表のいつもの悪いクセがまたしても顔を出してくることになりました。それは以下の3点。

(1)3人のFWを中心に、相手DFのウラヘ走りこむタイミングが早すぎ

(2)相手4バックの前のスペースに人が多すぎ

(3)味方のボールホルダーに近づきすぎ

まず(1)についてですが、味方が相手ボランチの前やサイドのスペースでボールを持って前を向くと、こちらのFW全員が一斉にワンパターンの動きで相手のウラヘ走りこんでしまうので、相手4バックもつられてズルズル後ろに下がり、ウラのスペースがどんどん狭くなっていきました。こうなると相手のウラでスルーパスを受けるのが難しくなって逆にゴールから遠ざかってしまうことになります。

スルーパスを受けるためにDFラインのウラヘ走りこむのは、味方が相手4バックの前のスペースでボールを受けて前を向いたタイミングです。焦らなくてもそのタイミングで十分間に合います。

また相手ボランチの前やサイドのスペースで味方がボールを持って前を向いたら、少なくともFWの1人は相手4バックの前のスペースでその味方からパスを受ける動きをすること。

相手4バックの前のスペースでFWなりMFなりがパスを受けて前を向くことができれば、相手DFは必ず大慌てでプレスをかけてきます。そうなると相手のバックラインはジグザグ状態になり、別の味方がオフサイドにならずに相手バックのウラのスペースでスルーパスを受けやすくなるのです。

そのタイミングでDFラインのウラ5mでボールの転がりが弱まるようにポンとパスを出してやれば、味方と相手GKが一対一という形をつくりやすくなります。後はそれを決めるだけ。

日本のFWなりMFなりが相手4バックの前のスペースで味方からパスを受ける前にまわりをよく見ておき、誰がDFラインのウラヘ抜けてゴールを決める役目をするのか確認して、パスをもらって前を向いてから誰に出すか慌てふためかないように準備しておきます。

誰がバックの前で基点をつくってスルーパスを出すのか、誰がウラヘ抜けてボールをもらいゴールを決めるのか役割分担が出来ていないから、ボールをポゼッションする時間が長いばかりでゴールが決まらないのです。そうした役割分担を3人のFW+インサイドハーフ等がゲーム中の局面ごとにアイコンタクトするだけで「感じ合って」できるようにしておくこと。

もともと日本人は仲間が何を考えているのか、その「空気」を読むのが大得意のはずでしょう?

(2)に関しても(1)と同様、得点を焦るあまりゴール前へ走りこむタイミングが早すぎるということです。相手4バックの前のスペースに4人も5人もの味方がひしめいていると、相手選手まで引っ張ってきて攻撃で使いたいスペースをつぶしてしまい、自分たちで相手ゴール前に「2階建てバスを置く」ような状態をつくってしまうことになります。

乾選手がシュートしたら、相手DFじゃなくて味方の選手がナイスクリアしてしまうという場面がありましたが、人がウジャウジャ多すぎるからそうなってしまうのです。

よって相手バックの前のスペースに侵入する味方は多くても3人で十分。

3次予選の開幕戦となったUAEとの試合ほど極端ではなかったのですが、それと良く似たスペースの使い方のミスがこの試合でも見られました。(下図)

バランスが悪い


何度も何度も言いますが、理想的なスペースの使い方はこうです。(下図)


バランスが良い


(3)も、味方のボール保持者に対してわずか1~2mの距離でパスをもらおうとする選手が少なくないのですが、やはり多くの敵選手を狭いスペースへ引っ張ってきてしまい、かえって攻撃しづらくなっています。

日本の選手が狭いスペースでゴチャゴチャとくっついているので、相手の選手1人で日本の選手2人をマークできるようなマズイ状況をつくり出してしまっています。

スイッチプレーのような例外は除き、ボール保持者に対し3m以内に接近するのは極力避けること。5~7mの距離かつグラウンダーのパスを受けられるスペースにポジショニングすることでサポートすれば十分。ピッチを広く使うことで相手も守りにくくなります。

 守備に関しては、失点シーンは個人的なミスが原因でしたが、相手のボール保持者に誰もプレスに行かず、全員がズルズル下がるだけというシーンが見られ、コンパクトな守備ブロックからどういう決まり事でもってプレスをかけて相手からボールを奪い返すのか、もう一度再確認した方が良いです。

ボールを奪いに行って相手に簡単にかわされてしまうシーンも見られましたが、敵ボール保持者に対しての応対の仕方は、失点リスクが高いピッチ中央方向を切ってサイド方向へ追い込むようにしたり、相手の効き足側を切ってボール扱いが苦手な足の方向へ追い込むなどして、「いける」と思ったタイミングでボールを奪いに行きます。

当ブログ関連記事・手倉森ジャパンのリオ五輪・総括(その3)

そして1人がボールを奪いに行ったら、もう1人がカバーのポジショニングを取り、もし1人目が抜かれたとしても、ドリブルで抜きにかかった相手がボールを体から大きく離したりバランスを崩したタイミングで2人目がカットする「チャレンジ&カバー」も欠かせません。

シリアのフィジカルの強さにも手を焼きましたが、フィジカル争いの勝ち方は以前書いたとおりです。

当ブログ過去記事・おめでとう手倉森ジャパン

 選手個々の評価は次回にしましょう。

つづく


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■阿部選手は絶対に済州の選手と会ってはいけない

 5月31日に行われたACLの浦和VS済州戦で、済州が負けた腹いせに浦和の選手・スタッフに殴る蹴るの暴行を加えた事件の記憶もまだ生々しいのですが、ベンチから飛び出してピッチを横断し、浦和の阿部選手にヒジ打ちをした済州のペク・ドンギュが訪日し、阿部選手に謝罪する意向だと伝えられています。

しかしながら、阿部選手は絶対にペクと会ってはいけません。

韓国のマスコミが報じる済州の選手たちのコメントもいまだに、「槙野が3-0を意味する三本指を立てて俺たちを挑発してきたから自分たちは悪くない」「試合後、浦和の選手が済州側に謝罪してきた。だから悪いのは浦和の方だ」という、自分たちの罪を浦和になすりつけるウソばかり。

こういう状況で、阿部選手がペク・ドンギュと会ってしまうと、それがどう悪用されるかわかったものではありません。

阿部選手とペクが笑顔で握手する写真を日韓のマスコミに撮らせたあと、韓国サッカー協会と済州ユナイテッドはその写真を持ってAFCやFIFAに行き、「浦和も阿部も済州を許すと言っていた。だからAFCもFIFAも済州への処分は無しにしてくれ」などと浦和が知らないところでウソをばらまかれる危険性があります。

(これはロンドン五輪で領土問題プラカードをかかげて銅メダルを剥奪されそうになったパク・ジョンウと同じ手。結局日本が謝罪を受け入れてパクの銅メダル剥奪は無しになりましたが、その結果韓国サッカー界の日本に対する傲慢さが倍増し、済州の浦和に対する暴行事件へとエスカレートする伏線となります)

さらに「阿部も自分たちが悪かったと言っていた。だからAFCとFIFAは済州を挑発した浦和と槙野に厳しいペナルティを課して欲しい」と無実の罪をかぶせ、浦和がAFCやFIFAから重い処分を課せられる危険性さえあります。

だから阿部選手も浦和のすべての関係者も、ペクを含む済州の関係者と絶対に会ってはいけません。

もし謝罪を受け入れるのであれば、AFCとFIFAが済州とペクに厳罰を下したあとにすべきです。

 それにしても、日本の一部マスコミが済州と韓国サッカーに対するダメージコントロールのために「済州は謝罪した、謝罪した」と必死ですよね。韓国国内での報道では、済州自身は相変わらず自分たちの暴行の責任を浦和になすりつけているのに。恥というものがないんでしょうか、特に「朝日新聞の二軍」といわれる日刊スポーツとか。

あと、論理のスリカエであたかも浦和に罪があるかのように主張したり、済州の暴力をたった1%でも肯定した、張本勲氏と加部究氏はスポーツを論じる資格が無いと思います。

韓国人だろうが中国人だろうがアメリカ人だろうがドイツ人だろうが日本人だろうが、たとえ相手が誰であっても暴力はダメという当たり前のことがどうしてわからないのでしょうか。



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当ブログ過去記事・済州(チェジュ)の蛮行


  

■イラク戦をどう戦うべきか?

 今月13日に迫ったイラクとのW杯予選。日本代表はどう戦うべきなのか、今回はそれについて考察していきます。

まず日本が所属する予選グループBの現在の状況なんですが、W杯出場権争いは日本・サウジ・オーストラリアの3ヵ国に絞られた格好です。

よって今度のイラク戦は何としても勝ち点3が欲しいですし、そうでなければ、せっかくアウェーのUAE戦に勝った苦労が水の泡になってしまいます。この予選でイラクは、テヘランにオーストラリアを迎えたホーム扱いの一戦を引き分けており、決して油断できない相手です。 

 それではイラクに対してどう戦うべきかですが、昨年10月に埼玉でイラクとやった試合をおさらいしておくと、前半25分に清武選手を中心にグラウンダーのパスを使ったコレクティブ・カウンターから原口選手が先制ゴールをあげたところまでは良かったのですが、その後バックからロングボールを前線へひたすら放り込む攻撃を繰り返すようになり、日本はほとんどシュートチャンスをつくれなくなっていきます。

ハリル監督の守備戦術である“デュエル”も、イラクのショートパスを中心としたパスサッカーにかわされて空回りし、後半はイラクにゲームを支配され、セットプレーから同点弾を許してしまいます。

このまま致命的な引き分けとなってしまうのかと思われたロスタイム、山口選手の奇跡的なミドルが決まって、どうにかこうにか勝ったという試合でした。


当ブログ過去記事・日本代表、イラクに冷や汗の勝利) 


これは、当研究所がこの試合の記事をアップした後の報道で知ったことなのですが、日本が先制点をあげたあと、中盤でのパス回しからボールを奪われて失点することを恐れた弱気なハリル監督が、選手たちに「攻撃する時はロングボールを放り込め」と指示した結果まったく攻め手を失って、イラクにゲームの主導権を握られて、耐え切れずに失点してしまったということらしいです。

ハリル監督は、実は同じような采配ミスを次のアウェーのオーストラリア戦でもやっており、これもその試合の記事をアップした後のサッカーニュースで知ったことなんですが、この試合の日本はいつもの“デュエル”ではなくて、ゾーンディフェンスのコンパクトな守備ブロックから組織的にプレスをかけていって、ボールを奪ったらグラウンダーのパスを中心に、コレクティブカウンターをかけていく戦術がハマって、キックオフから5分で原口選手が先制点をあげるなど、前半は非常に上手くいっていたんです。いじる必要がないくらいに。

ところが後半開始から、またしても1点のリードを守ろうとする弱気なハリル監督が、守備ブロックを自陣深くへ下げ、酒井高選手などへオーストラリアの左サイドの選手にマンマークぎみにつけという指示を出したそうです。

その指示によって、前半はオーストラリアにボールを持たせていた日本が、後半は守備ブロックを下げ過ぎたことによって試合のコントロールを失い、パスサッカーのオーストラリアにガンガンに攻められて最後は右サイドを崩されてPK献上。

もしかしたら勝てていたかもしれない試合をドローにしてしまいました。


当ブログ過去記事・日本代表、オーストラリアと勝ち点1を分ける) 


ハリルホジッチ監督は、ご自分で「負けるのが大嫌い」とおっしゃっていますが、正確には「負けるのを怖がっている」のではないかと思います。

W杯3次予選の前半まで、どんなに不調でも「実績」のあるベテランに偏重した選手起用をしていたこともそうなんですが、臆病なぐらい失敗を恐れているように見えます。

(もちろん論理的に考え抜かれた「勇気ある采配」と、3次予選の開幕ゲームとなったUAEとの試合に守備力の低い大島選手をボランチという誤ったポジションで起用して負けるような「無謀な采配」とはしっかり区別して欲しいのですが)

ザッケローニ前監督も、選手起用がかなり保守的でそこだけは不満だったのですが、彼の場合、圧倒的な強さでW杯アジア予選を勝ち進んでいて、悪いところもないのに無理にいじって調子がおかしくなる恐れもありますから、それもやむを得なかったところはありました。

しかしハリル監督の場合は前半戦を折り返すまで、ベテラン偏重で結果が出ない、有望な若手も出てこず日本サッカーに明るい未来が見えてこないという、それこそ綱渡りの危うさでした。

 そして今度のイラク戦は「ピッチの状態が悪いから浮き球のロングボールを使った攻撃が多くなりそうだ」とハリル監督は言っていますね。

アジアでは最高レベルのピッチを持つ埼玉スタジアムでさえ、中盤でグラウンダーのショートパスを使った攻撃をほとんどせず、浮き球のロングボールを使ったタテポンサッカーしかやらないハリル監督が、そもそも芝のデコボコを気にする必要があるの?というツッコミはひとまず置いておきますが、中盤で変なボールの取られ方をして失点したくないということなのでしょう。

しかしそれではシュートチャンスをほとんどつくれず、あと数秒で致命的な引き分けに終わりそうだったホームのイラク戦と同じ失敗を繰り返しかねません。

香川選手や原口選手が言っているように、浮き球のロングをひたすら放り込むような極端な攻撃のやり方をする必要はありません。

会場となるダストゲルディ・スタジアムで行われたイラクVSオーストラリア戦の映像を見ましたが、両チームとも普通にグラウンダーのパスをつなげていましたし、少なくとも今年3月の時点でピッチの状態にそれほど大きな問題があるようには思えませんでした。

よって、中盤でグラウンダーのパスを使って着実に攻撃をビルドアップしていき、バイタルエリアで質の高いゴールチャンスを多くつくっていくことで、勝ち点3ゲットをめざすべきです。

バックラインを下げすぎず、DF4人・MF4人でゾーンディフェンスのコンパクトな守備ブロックをつくり、そこから組織的にプレスをかけていくような守り方をすべきでしょう。3月のタイ戦のように4-2-4みたいな中盤がスカスカのフォーメーションではいけません。

そのタイ戦ですが、右サイドに張った久保選手へロングボールを当てて攻めの基点をつくり、彼のクロスから香川・岡崎両選手がゴールをあげたところまでは良かったのですが、タイが久保選手をケアするようになると、攻め手をまったく失ってしまいました。

中盤でパスの受け手が「顔出し」の動きをしないので日本は攻撃のビルドアップがまったくできなくなり、バックやボランチは無理矢理グラウンダーのパスを通そうとして3m前にいる相手選手にことごとくボールをぶつけて、タイに逆襲から危ないシュートを雨あられと打たれるという、本当に情けない試合。

これまでロングボールをひたすら前方へ放り込むような、クォリティの低い攻撃戦術をやってきた弊害が如実にあらわれたゲームでした。


当ブログ過去記事・日本代表、不安の残る大勝劇

当ブログ過去記事・日本代表、不安の残る大勝劇(その2)
 

今のハリルジャパンは、「攻撃戦術=久保」あるいは「攻撃戦術=大迫」となってしまっており、そこを相手にケアされるとたちまち攻め手がなくなってしまいます。

こういうレベルの低いサッカーを避けるためには、たとえピッチの状態が少々悪くとも、普段から中盤でグラウンダーのショートパスを使って攻撃をビルドアップしていくことで選手の連動性や組織力を高め、相手の出方によって複数の攻撃戦術を使い分けることができるようにしておかなくてはダメです。

 長期的なビジョンに立った日本サッカーの強化という観点からも、「ピッチの状態が悪くて負けるのが怖いから、前へロングボールを大きく蹴っておこう」という発想のサッカーは絶対にやって欲しくありません。

地面がデコボコでボールがどうイレギュラーするかわからない石畳の道でストリートサッカーをやるような環境から、ワールドクラスの超絶テクニックをもったプレーヤーが生まれてくる例が少なくありません。

メッシ、ロナウジーニョ、ジダン、古くはヨハン・クライフなどもそうですよね。

「弘法も筆を選ばず」と言いますが、地面がデコボコでもボールを正確にコントロールして、蹴る・止める・ドリブルできるようにならないと相手に勝てないというストリートサッカーの環境が、本当に足元が上手い選手を産み出すのだと思います。

スペイン代表も、ボスニア代表のホームでゼニツァにあるビリノ・ポリェみたいな荒れたピッチを持つスタジアムでW杯予選を戦うことがありますが、イニエスタもブスケツもダビド・シルバもグラウンダーのパスをノーミスで出したりトラップしたりしますからね。もちろんドリブルも。

バルサも、芝の状態が悪いアウェーのスタジアムでは苦戦することもしばしばですが、だからといって彼らは自分たちのサッカー哲学を変えることはしません。

私は、ワールドクラスの技術を持つ日本人選手が出てきてほしいと強く願っているので、「ピッチが悪いからロングボールを放り込んでおけ」という逃げの発想ではなくて「どんなにピッチの状態が悪くても、その環境に適応できるような技術を身につけるべきだ」という考え方をします。

それを普段の練習や実際の試合でできるようにしなければ、意味がありません。それが日本が世界で勝つための近道だと思います。

日本人選手に「埼玉スタジアムのような整ったピッチでなければ、サッカーはできません」みたいな、ひ弱な内弁慶のプレーヤーになって欲しくありません。

 というわけで、今度のイラク戦を日本代表はどう戦うべきか考察してみました。

ザックジャパンは「自分たちのサッカー」=「ポゼッションサッカー」でしたが、ハリルジャパンは「自分たちのサッカー」=「ロングボールをひたすら放り込むカウンターサッカー」になってしまっています。

相手やピッチ内の状況によって、戦術を適切に使い分けることができていないという意味では、まったく進歩していません。

これではたとえロシアW杯に行けたとしても不安が残りますし、日本サッカーの長期的な発展にもプラスになるとは思えません。

 最後に、7日に行われるシリアとのテストマッチなんですが、1か月ぐらい前に「シリア戦はベテランを再生するために使う」というニュースを目にしました。

しかしベテラン選手の力量がどれくらいなのか、もうわかっていることですし、年齢的にこれから大きな伸びしろが見込めないのであれば、若い選手に追い抜かれて代表チームのレベルにもうついてこられないことが明らかになった時点で、無理に再生させる必要はないと思います。

それでは大きな伸びしろが期待できる若い選手が成長する機会を奪ってしまうだけなので、フレッシュなプレーヤーに実戦経験を積むためのチャンスを与えて欲しいです。

特にセンターバックと、守備力が高くて中盤の底から攻撃を組み立てるパスも出せるボランチの人材が不足しており、このテストマッチでW杯本大会でも使える選手を発掘して層を厚くしておきたいところ。

ハリル監督が招集したメンバーにケガ人がいないという前提で、4-2-3-1を組むならこんなのはどうでしょうか。イラク戦に出場して欲しいレギュラー陣はほぼお休みです。

                      
                                                 
                   FW           


         原口       乾       浅野     
        (乾)      (倉田)          


               今野    加藤  
                  

      長友     昌子    槙野    酒井高
    

                  中村
                 (東口)



GKと両センターバックは、経験を積ませるためです。

負傷明けの今野選手は実戦カンを取り戻してもらうための起用で、加藤選手にはボール奪取だけでなく攻撃の組み立ても期待します。

最近調子が落ち気味の原口選手を左SHで、乾選手はトップ下でも上手くやれるのではないかと思います。

今回召集されたメンバーで久保選手以外に右SHを任せられるプレーヤーが見当たらないので浅野選手にしておきましたが、守備力をもっともっとアップさせるという条件付きで、将来的に浦和の関根選手を入れても面白いんじゃないでしょうか。

私だったらマインツの武藤選手を呼んで、ワントップで試したかったのですが、今回は呼ばれていないのでセンターFWは空欄にしておきます。

ともかく、貴重なテストマッチなのですから有意義に使ってもらいたいものです。



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■済州(チェジュ)の蛮行

 今月13日に行われるW杯アジア予選のイラク戦を日本代表はどう戦うべきか、それについて考察した記事をアップすることを予告しておりましたが、昨日ACLの浦和VS済州戦で、済州の選手が負けた腹いせに浦和の選手に対して暴行を加えるという、ありえない暴挙に出ましたので、急きょ内容を差し替えてお送りします。

「済州の蛮行」については皆様もすでにご存じでしょうが、浦和リードで迎えた試合終了直前、浦和のコーナーキック時に小競り合いが起こり、まず先に済州の7番が浦和のズラタンのノドあたりに頭突きをしたのですが、それが済州による暴力行為の幕開けでした。

ズラタンが「自分は何もしていない、頭突きをしたのは相手だ」とアピールしたのに、レフェリーが両者にイエローカードを出したのは納得がいかないのですが、それをいったん脇に置いても、ベンチにいた済州の3番がビブス姿のままピッチに乱入し、そのまま反対サイドまでピッチを横断して浦和の阿部選手に走りながらエルボーをかまして、試合に出ていないのに一発退場。

私も世界のサッカーを見始めて25年以上になるのですが、こんな選手は見たことがありません。

まもなく主審が浦和の勝利を告げるタイムアップの笛を吹くと、ベンチにいた者も含めて済州の選手たちが一斉に浦和の選手に襲いかかり、「W杯の予選が控えているのにケガをさせられたらたまらない」とばかりに走ってロッカールームへ避難する槙野選手を複数の済州の選手がつかみかかって追いかけ回すという、反スポーツ行為がピッチのあちらこちらで展開されました。

多くの観衆が目撃者となる状況で、済州の選手が浦和の選手に対して集団で暴力行為を働いたという事実は動かすことができず、どういう理由であれ絶対に正当化することはできません。

大事なことなので繰り返しますが、どういう理由であれ暴力という手段は絶対に使わない、使った者に対しては厳しく罰していく。これはスポーツにおける最低限のルールです。

レフェリーがタイムアップの笛が吹けばその瞬間から「ノーサイド」であり、敗者は潔く勝者を称え、もしピッチ上で勝利を喜ぶ相手を見て悔しさを感じたのだとしても、毎日の練習によって自分たちの競技力をアップさせ、あくまでもフェアプレーで次のチャンスに勝利を目指すのが、スポーツをやるすべての人間に求められる最低限の倫理・道徳というものでしょう。

にもかかわらず、済州の監督は「浦和が勝利を喜んで我々を挑発したのだから、浦和が悪い」みたいな弁解を試合後にしており、自分たちの悪行を棚に上げて浦和に自らの罪をなすりつける、ひきょうで恥ずべき言いわけをした済州には軽蔑しかありません。

 今回の蛮行事件を見てすぐに思い出すのが、2014年ブラジルW杯アジア最終予選の韓国対イラン戦です。

2013年6月18日に韓国のウルサンで行われたこの試合はイランが1-0で韓国に勝ったのですが、タイムアップ後のピッチ上でW杯出場権獲得を喜ぶイランの選手に韓国代表のスタッフ2人がエルボーやパンチをくらわすというこれまた前代未聞の事件が起こります。

そもそもこの試合前に、韓国代表のソン・フンミンが「イランを負かして血の涙を流させてやる」と、さんざん挑発したあげくの、みっともない負けゲームだったのですが、なおいっそう腹の虫がおさまらなくなった韓国サッカー協会が逆ギレして「イランが勝利を喜んで我々を挑発したのが悪い」などと自分たちの暴力行為を正当化、イランのケイロス監督への処分を求めFIFAに提訴するという予想外の行動に出ました。

そして裏でどんな汚い手段が使われたのか知りませんが、暴力をふるった韓国代表スタッフには何の処分も下されず、イラン代表にだけ罰金処分が下されるというFIFAによるありえない裁定結果に。

世界のサッカー界に「正義の神」は存在しないのでしょうか。

韓国は、代表レベルでもクラブレベルでも「試合に負けてムカついた、勝って喜ぶ相手を見てもムカつく、だから相手をぶん殴ってリベンジしてやる」という、スポーツマンシップのかけらのない恥ずべき蛮行を繰り返している世界で唯一の国です。

そして「韓国人の前で勝って喜ぶ相手が悪いのであって、自分たちが相手に暴力を振るったのは仕方のないことだ」と自らの罪を相手になすりつけるところまでが、「あの国の様式美」になってしまっています。

韓国対イラン戦の詳しい記事 → http://rocketnews24.com/2013/06/24/343574/

 例の旭日旗問題も実は「済州の蛮行」と非常に似ており、同じACLのサムスン・ブルーウイングスとの試合で川崎のサポーターが旭日旗をかかげて応援したところ、試合中にサムスン側のスタッフが川崎のサポーターから旭日旗を没収します。

試合は川崎が1-0でサムスンに勝ったのですが、自分たちが応援するチームが負けた腹いせか、もうすでに旭日旗が取り除かれてその場に無かったにもかかわらず、試合後にサムスンのサポーターがアウェイ側スタンドに乱入して川崎のサポーターを手で突き飛ばすなど暴力行為を働きます。

これは安全管理義務を怠ったサムスン側がアジアサッカー連盟(AFC)から処分されてもおかしくない事件でしたし、あとで分かったことですが、試合に負けてACL決勝トーナメント進出が苦しくなったサムスンも、サポーターが旭日旗をかかげたことを理由に川崎から勝ち点を剥奪するようAFCに要求していたのです。

「旭日旗に関して大漁旗だとか日本側の主張は一切関係ない、相手が差別されたといえばそれは差別なんだ。だから差別した川崎のサポが悪い」と初めから川崎のサポを悪人と決めつけるような報道がまず真っ先に出てきた日本のマスコミには首をかしげるばかりなんですが、

結局、自分たちのサポーターが川崎のサポに暴力行為を働いたことに焦ったサムスン側が自分たちの暴力を正当化するために、そしてサッカーで勝てなかった川崎から勝ち点を奪い取って自分たちが決勝Tへ行くために、「旭日旗は韓国人に対する人種差別だ。だから川崎を処分しろ」などという荒唐無稽な言いがかりをつけてきた、というのが旭日旗事件の本当の構図だと思います。

そもそも、アジアカップ2011の準決勝で、日本人を猿と人種差別するパフォーマンスをした韓国代表のキ・ソンヨンが、FIFAやAFCから処分を受けたくないばかりに、「スタジアムに旭日旗があったので、日本人に向けて猿マネのポーズをした」と自らの悪行を正当化する嘘をついたことが、すべての大元だったわけです。

そして、キ・ソンヨンがついた嘘を日本人に信じ込ませるように、「アジアカップで日韓戦をやったドーハのスタジアムに実際に旭日旗があった」というフェイクニュース(本当は2010年南アフリカW杯の日本VSオランダ戦の映像)を流したのが、日本のテレビ朝日だったというのも今回と非常によく似た構図でした。

当ブログ関連記事・旭日旗問題を考える(その1)

当ブログ関連記事・旭日旗問題を考える(その2)

 韓国は、どうしてこのようにスポーツのルールを破る野蛮な行為を繰り返すのでしょうか。 

それは彼らにとって「サッカー」や「歴史」が、「日本人を含む他の人種よりも韓国人の方が優越している」ということを証明する「マウンティング」の道具になってしまったからだと思います。

1990年代後半ごろのことですが、私には「どうしたら日本と韓国は和解できるのだろうか」と真剣に考えていた時期があって、「本当に仲直りするためには相手の事をよく理解しないといけない」と思って、韓国の歴史や文化を勉強したことがありました。

そのとき一番驚いたのが、韓国政府が作成した歴史教科書「国史」の1996年版を読んだときのことです。

政府が歴史教科書をつくって国民を洗脳的に教育したり、その教科書の内容が、私が勉強した世界史などとはまったく違う空想歴史小説みたいなものだったことにも驚いたんですが、李朝朝鮮時代のページに「韓民族はひとりひとりの力量において、日本人を上回っている」という、人種優越論が堂々と書かれていたことには一番驚きました。

人種や民族の別なく「優秀な人は優秀で、そうでない人はそうでない」というのがこの世界の普遍的な事実ですが、「韓国人は日本人より能力が上」というあからさまな人種差別思想を、政府みずから率先して国民にすりこんでいたことは驚愕の事実でした。

その背景には、1987年まで韓国では軍国主義の独裁政権が続いていて、軍を後ろ盾とする大統領が保導連盟事件光州事件に代表されるような虐殺事件を何度も起こしていたことがあります。

当然、国民の不満が高まるわけですが、そのはけ口として利用されたのが「プロサッカーリーグ創設」と「反日歴史教育」であり、韓国政府がつくった唯一の「国定教科書」を使って、日本人は韓国人より劣った人種で日本の文化はすべて韓国人が教えてやったものだとバカにし、日本はこれまで過去の植民地統治を謝罪したことも賠償金を支払ったこともないと嘘をついて子供たちが日本人を憎むように教育することで、大人になっても国民の不満が韓国の独裁政権に向わないように、日本人にだけ向かうように何十年もかけて仕向けていったのです。

この反日歴史教育はときの政府にとっては麻薬みたいなもので、1987年以後、韓国が民主化されたあとも政権支持率が下がってくると繰り返し利用されることになります。

韓国の国民の方も、これだけ自由に外国から情報を得られるようになったのに自分が見たいモノしか見たくないのか、「政府による反日歴史教育のウソ」という韓国の恥部を絶対に認めようとしない人が圧倒的に多いです。

この事実を知った時、自分たちの利益のために政府が先頭に立って国ぐるみで日本人への憎しみを煽っている韓国と仲直りするなんて不可能だと思いました。人間関係は片方だけでなくて両方が努力していかないと良くなるはずがありません。

このような歪んだ民族主義教育のせいで、多くの韓国人は「韓国人は日本人より能力が上」という差別思想を持っており、それを再確認する道具の一つがサッカーとなってしまっています。日本人を猿と見下すパフォをやったキ・ソンヨンもその1人でしょう。

だから韓国は「サッカー」で絶対に日本に勝たなければなりませんし、「歴史」で意見が食い違ったときは、「いつも間違っているのは日本人」でなければなりません。

そのためなら、どんなひきょうな手段を使うことも正当化する傾向にあります。

代表レベルでもクラブレベルでも韓国のチームが日本のチームに勝ったときは、韓国人は日本人より能力が上であることが「再証明」されたこととなります。日韓戦となったロンドン五輪の3位決定戦で、試合に勝ったパク・ジョンウがFIFAのルールを破って「独島(竹島)は韓国の領土」という政治的スローガンを掲げたように、日本人に対してこれ見よがしに「マウンティング」行為をするわけです。

これこそ「日本人より人種的に優越している」と考える韓国人が、「サッカー」と「歴史」をそれを証明するための道具と考えていることを示す典型的な例です。

逆に、日本のチームが韓国のチームに勝ってしまうと、「韓国人は日本人より能力が上」という彼らの民族的アイデンティティが崩壊することになってしまい(実際はそんなことないのですが)、「能力が低いはずの日本人が韓国人に勝つなんて不当だ」という強い感情を持つ彼らは、スポーツで勝てなかった代償行為として日本人に対して暴力を振るったり、旭日旗のような「歴史」を持ち出してきて川崎から勝ち点を奪い取ろうとするなど、別の形で日本人に対し「マウンティング」しようとするわけです。

W杯の予選試合に勝ったイランの選手を韓国代表のスタッフが殴ったのも、韓国人のイラン人に対する差別思想が根底にあるのでしょう。

 浦和と日本サッカー協会(JFA)は、暴力を伴うこのような野蛮な行為を二度と許さないためにも、済州ユナイテッドに厳しい処分が下されるようFIFAやAFCに強く要求すべきです。

もうすでに済州ユナイテッドの監督が自分たちの罪を浦和になすりつける行動に出ていますが、韓国サッカー協会はあの手この手で、済州に処分が下されることが無いように、FIFAやAFCに裏工作をしてくることが予想されます。前述したパク・ジョンウの五輪憲章違反行為のせいで韓国の銅メダル剥奪がIOCで検討されていたロンドン五輪のときのように。

ずうずうしくも、済州が処分されずに済むようにFIFAやAFCに対して韓国サッカー協会と一緒に要請してくれと、浦和やJFAに「協力」を求めてくるかもしれませんが、絶対に相手の甘い言葉に乗ってはいけません。

韓国が必死に許しを乞うたので日本はパクジョンウを許してやったのに、IOCが検討していたロンドン五輪韓国代表チームからの銅メダル剥奪が無くなったとたん、日本に助けてもらったことを一切なかったこととし、最近FIFA理事となった韓国サッカー協会会長のチョン・モンギュを中心に、旭日旗事件で日本側の意見をまったく無視して、川崎に無観客試合と罰金という重いペナルティを課すことで、仕返ししてくるような相手なのですから。



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