■2016年11月

■日本代表、ロンドン世代でサウジに勝利(その2)

 前回のつづき

 選手個々で特筆すべき活躍だったのは、まず清武選手。
トップ下として攻撃の組み立ての中心となり、パスを大迫・原口・久保らに上手く散らしていきました。プレッシャーのかかる中、先制ゴールとなるPKも落ち着いて良く決めてくれましたね。
ただ、代表でもクラブでも定位置を確固たるものにするためには、ボランチやサイドの選手がボールを持っているとき、その選手をサポートして常にグラウンダーでパスが受けられるポジショニングを取ることと、どんなに厳しいプレスをかけられてもバイタルエリアで正確にボールをトラップして前を向き、ゴールにつながるパスあるいはシュートの数をどんどん増やしていくことです。
セビージャで出場機会を与えられても、ミスを恐れているのか無難なヨコパス・バックパスが多いのは残念。レギュラーポジションが欲しいのであれば、勇気を出してゴールに貢献するようなパスに挑戦していくことが欠かせません。試合に出られないときは90分間走り切れる持久力を保つためのトレーニングを欠かさないことも重要です。

原口選手は、香川選手が触ってコースが変わったボールを正確にシュートして決勝ゴールをゲット。
守備も非常にがんばっていましたが、代表・クラブでの連戦の疲労がたまっているのか体が重そうで、ドリブルにいつものキレがなかったように見えました。オマーンとの試合でも彼の動きがあまり良くなかったので、もしかしたらと思っていたのですが、練習中に監督・コーチ陣が早く気づき、カシマでのテストマッチは休ませて完全休養にあてるべきでした。

大迫選手は、味方からのパスを受けてポストプレーで前線に基点をつくり、味方が押し上げる時間をつくるなど攻撃面で大きな貢献。
ただ、前半15分をすぎてチームに得点が無かったので、ゴールを焦るあまり前へ前へと行きすぎ、チーム陣形を間延びさせて選手同士の距離が遠くなったことでパスがつなぎにくくなり、逆に得点から遠ざかってしまったことについては今後の課題です。
チーム全体としても大迫選手のポストプレーに頼りすぎのところもあったので、2列目の3人がもっとがんばらないといけません。

長友選手は、左サイドをかけあがって原口選手の決勝点をナイスアシスト。
守備もまずまずでしたが、失点は彼の責任ではないものの、西川選手が相手のシュートを弾いたあと、すばやく自分の体を前へ向けることができていたら、うまくクリアできていた可能性があります。

森重選手は後半37分、相手のスルーパスをカットしたプレーはとても良かったです。
前半17分に相手がドリブルからシュートしたシーンは、山口選手がついていたので対応が難しかったとは思いますが、相手のボール保持者にもっと寄せた方が良かったのではないでしょうか。相手選手の能力がもっと高かったら、ドリブルでブチ抜かれて失点していた可能性があります。

長谷部選手は、自分のパスで攻撃をビルドアップするという課題に意欲的に取り組んでいた点は評価できますが、さらなる努力を求めたいです。浮き球のミドルパスの精度にやや問題があり、グラウンダーのショートパスをもっと大事にしてトップ下や両サイドハーフに辛抱強く入れていった方が、ベターだと思われます。
また、トップがゴールを焦るあまりゴール前へ行くタイミングが早すぎて、陣形が間延びしてしまったり、守備時にコンパクトなブロックをつくれなくなっている時は、ピッチ上の監督として修正の指示をチームメイトに出して欲しいです。
前半バックからパスを受けたとき、トラップが大きくなったことが1度あり、UAE戦の決勝点となったPKを誘発したプレーを思い出してヒヤっとしました。つねに足元にボールがピタッと吸い付くようなトラップをお願いします。

後半から右サイドハーフとして投入された本田選手は、2点目の起点になったパスは良かったのですが、その他のパスやシュートの精度には欠けました。片方を必ずタッチラインで切られるサイドは守備がしやすい反面、攻撃で相手を崩すのは高い技術やスピードが要求され、ピッチ中央部よりも難易度が高くなります。
持久力や足元の技術を回復させるトレーニングをしっかりやり、攻撃的なボランチとしてピッチ中央部でプレーすれば、まだまだ彼も代表で生きると思うのですが...。

 逆に後半からトップ下に入った香川選手は、まったくと言っていいほどゲームに参加できていませんでした。 ボランチやサイドバックがボールを持ったらそちらへ寄っていってパスを受け、そこからワントップやサイドの選手にパスを散らして攻撃を組み立てるのがトップ下の仕事であり、香川選手のプレーで一番改善すべき点であると以前指摘しました。
CLのスポルティング戦まではそうした課題を解決しようという姿勢が見えていたのですが、どうしてやめてしまったのでしょうか。
代表やクラブでの生き残りのために「パスが出せるトップ下」という新たな武器を身につけることをギブアップしたということであれば、トップ下で起用するのはもうやめにすべきです。
現時点においてボールを前へ運ぶ能力のない彼をトップ下に入れるとチームの攻撃力がガタ落ちになってしまうというのは、この試合の後半やオーストラリア戦などで何度も何度も証明されています。
もし彼を生かしたいなら、2トップのセカンドストライカーとして大迫選手のようなセンターFWタイプと組ませるべきで、クラブチームも出場機会を求めてそういうシステムを使っているところへ移籍した方が良いのではないでしょうか。
現在の絶不調の原因が足の故障にあるなら試合や練習を休んで完全に治るまで治療に専念すべきですし、背番号10が過度のプレッシャーになっているなら来年から別の番号で心機一転、一からやり直したらどうでしょうか。

久保選手は、不慣れな右サイドハーフとして起用されましたが、数度シュートシーンはあったもののあまり機能せず。
ゴールが欲しいあまり前へ行くタイミングが早すぎ、彼自身もともとパス展開力があるタイプではないので、陣形が間延びしてチームがボールをポゼッションしている割には効果的なパスがつながらない原因となっていました。
前半5分にヒザを痛めて満足に強いボールが蹴れなくなったように見えましたが、正直に申し出てベンチに交代を求めるべきだったのではないでしょうか。先発のチャンスを絶対に逃したくないという思いが強かったのでしょうが、実質10人で戦わないといけないチームに大きな迷惑がかかってしまうことになりますし、自分自身にとっても選手生命に影響を与える様な大ケガにつながりかねません。まだ若いのですからこれからいくらでもチャンスはあります。ベンチも彼の異変に早く気づいて交代させないといけません。

酒井宏選手は、後半ロスタイムにアルシャムラニへのマークがずれて危うく失点するところでした。
自分の体をもっと相手につけて競るべきでしたし、もしジャンプのタイミングが遅れてしまったのだとしても、絶対に手を使わずにアルシャムラニの体に自分の胸あたりをまず密着させ、空中を飛んでいる相手の体をボールの落下地点から押し出すようにジャンプすれば、相手に強いヘディングシュートを打たれることはないはずです。また、クロスの精度もなかなか改善されませんね。

吉田選手は、失点シーンで相手のファーストシュートをなんとか足に当てることはできなかったものでしょうか。攻撃面では、ヘディングシュートを最悪でもクロスバーの下へ飛ばして欲しいですし、ロングパスもミスが目立ちました。

        ☆        ☆        ☆
 
 サウジ戦に向けて当研究所が推奨していたシステムは以下のようなものでした。 

               大迫  
           

      原口      清武      小林祐
                       (斎藤) 

            山口   長谷部   
                 

     SB     森重    吉田   酒井宏
    

                西川


 右サイドハーフ以外は、ほぼそのままサウジ戦の先発メンバーとなり(左SBは長友選手の状態を練習でチェックできないので、一番調子の良い選手が出ればいいと考えて空欄にしておきました)、負ければW杯予選敗退もあり得るという非常に重要な試合で、このシステムで勝利という結果が得られたことについてはうれしく思っていますし、ハリルホジッチ監督の決断を評価しています。

この試合のスタメンを見て「驚きの采配」とか「大きな賭けに出た」と報じたマスコミもありましたが、プレー内容を冷静に分析して1年以上前から本田選手の右ウイングからのコンバートを8月のUAE戦後からトップ下に清武選手を起用することを提案してきた当研究所にしてみれば、勝利の確率が一番高いと思われる極めて論理的なシステムでした。

今年6月のキリンカップで「(北京)世代の成功・失敗の経験から得られた知恵をより若い世代に継承させつつ、ロシアW杯に向けてゆっくりと着実に日本代表の世代交代を進めていくことが、日本サッカー界全体の強化にとって極めて重要」であり、「これをW杯の予選で勝利という結果を出し続けながら成功させなければならないという意味において、日本代表は大切な時期に差し掛かっている」と指摘しましたが、迷走を続けていたハリルジャパンに、ようやく光るい兆しが見え始めたように思います。

(当ブログ過去記事・キリンカップが突きつけた課題) 

ただ若い選手は経験が少ない分、チームが危機に陥ったときの乗り越え方がわからなかったりするので、まだまだベテランの力も必要ですし、再びポジションを奪い返すためにきっとハードワークしてくれるはずです。

そういう健全な競争が日本代表を、さらに強くしていくわけですから。

 W杯アジア最終予選の前半戦で非常に重要な試合となったこのサウジ戦、勝利という結果は順当なものでしたが、ロシアで好成績を残すためには、試合内容の方でまだまだ改善すべき点が多いです。

特にゴールを焦るあまり、縦パスを急ぎすぎてしまい、ボールをチームとしてポゼッションしている割には、質の高いシュートチャンスが少なかったところは反省点です。 

たとえ監督からそういう指示があったのだとしても、「タテに速いサッカー」や「デュエル」が機能していないなと感じたら、ピッチ内の選手たちが自分の頭で考えて監督さんの同意を得てから、1.5~2秒ぐらいボールをキープしてタメをつくってみたり、コンパクトな守備ブロックをつくってゾーンで守るような臨機応変さが欲しいです。

それが世界で勝つために求められる「サッカーの基礎から応用力のピラミッド」のうちの、応用の部分です。

世代交代を含めたハリルジャパンのチームづくりが遅れていますし、若手に経験を積ませて日本代表の選手層をもっと厚くするためにも、来年3月のUAE戦までに何試合かテストマッチを組めないものでしょうか。欧州組だけでも試合はできますから、来年1月あたりに比較的温暖なスペインやフランスなどの地中海沿岸都市で、テストマッチができたら良いのですが...。

 最後にこの試合を裁いた審判団のジャッジは正常でした。それだけにあのUAE戦を担当したカタール人レフェリーの異常さが際立っています。

◇    ◇     ◇     ◇     ◇     ◇    ◇

        2016.11.15 埼玉スタジアム2002

          日本 2 - 1 サウジ


     清武(PK)45'        ウスマン 90'+
     原口   80'


     GK 西川         GK アルウワイス

     DF 長友         DF ハッサン.F
        森重            ウサマ.H
        吉田            ウマル.H
        酒井宏          アルシャハラニ
               
     MF 長谷部        MF アルハイバリ
        山口            (アルルワイリ 70)
        清武             S.アルファラジ
       (香川 65)          アルシャハリ
                       (アルムワラド 57)
     FW 原口             アルジャッサム
        大迫            (アルシャムラニ 79)
       (岡崎 90+)         アルアビド
        久保       
       (本田 46)       FW アルサハラウィ


        ☆        ☆        ☆

 これまで当研究所はあまり足元の技術の話はしてこなかったのですが、攻撃面で日本人選手の個の能力を高める目的で、ワールドクラスのドリブラーを育成するための特集記事を書きたいと思います。

図をいくつか作成しなければいけないので、今月末か来月あたまのアップを予定しています。

原口(ヘルタ)・宇佐美(アウクスブルク)・斎藤(横浜M)・中島(F東京)の各選手から建英君ピピ君に至るまで、日本のドリブラーの皆さん、お楽しみに!



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■日本代表、ロンドン世代でサウジに勝利

 ロシアW杯アジア最終予選、前半戦の最後の試合となったサウジアラビア戦が昨日行われ、2-1で日本代表が勝利しました。

今回対戦したサウジ代表は、選手全員が国内リーグでプレーしています。

日本との実力差はほぼ互角、やや日本の方が上回るかというのが当研究所による試合前の評価でしたが、こちらにとって有利なホームゲームでの勝利は順当な結果であり、最低限のノルマは果たした格好です。その順当な結果を得るのも、様々なことが原因で決して楽なものではありませんでしたが。

日本代表の試合内容の方は、もちろん評価すべき点はあるものの解決すべき課題も少なくなかったと思います。

「首位のサウジに2-1で勝ったんだから、試合内容も素晴らしかったに決まっている」という、相対評価をする人が圧倒的に多いのでしょうが、あるチームなり選手なりの試合内容を本当に正しく評価するためには、絶対評価でなければならないというのが当研究所の考え方です。

絶対評価をするための判断材料となるものは、「サッカーの基礎から応用までのピラミッド」を、どれくらい試合中に実行できていたかです。(図1)

図1
基礎が大切
(クリックで拡大)

当研究所が提唱する、この「絶対サッカー観」については、いずれ詳しく説明したいと思います。

        ☆        ☆        ☆

 これまで日本代表の主力だった本田・岡崎・香川選手らがスタメンから外れた反面、清武・原口・大迫選手ら、より若いプレーヤーがW杯予選という公式戦で中心となって初めてチームを引っ張り、勝利という結果を出して見せたという意味で、世代交代が決定的な試合となりました。  

特にトップ下に入った清武・センターFW大迫の両選手を中心にゲーム内容は評価できる部分もあるのですが、課題も少なくありませんでした。

「ロシアW杯へ行くために絶対に勝ちたい大事な試合」というのもわかるのですが、日本の選手の多くが緊張のためかプレーが硬く、結果を出さなければという焦りもあったように見えました。

日本サッカー界の目標が「W杯へ出場できればOK」であるなら、この内容でもいいのでしょうが、「W杯で決勝トーナメントへ進出する」であるなら、このサッカーをベースにもっともっと改善していかなければなりません。

サッカーの基礎から応用までのピラミッドで、W杯の決勝Tへ行くために100点満点中75点を取らなければいけないとすれば、この試合の日本代表の出来は60点ぐらいだったでしょうか。

 攻撃面では、前半15分ぐらいまではまずまずの内容でしたが、20分以降になると縦に入れるパスを急ぎすぎてしまい、味方に通る可能性がほとんどゼロの雑なダイレクトパスが多くなっていきました。

ゴールが欲しくて焦っているのかFWが前へ前へと急ぎすぎていて、チーム陣形の間延びが原因で、3トップ+トップ下とボランチから後ろの選手との距離が遠くなり、長くて通すのが難しいパスを出さざるを得なくなってしまったため、前半35分過ぎまではチームでボールをポゼッションしている割には中盤で有効な攻撃の組み立てができず、質の高いシュートチャンスがあまりつくれませんでした。

自分のところへボールが来たら、前方の選手がパスを受ける準備ができていようがいまいが、ろくに前を見ずとにかくロングパス・ミドルパスというケースがとても多かったように思います。

そこでボールを1秒でも1.5秒でもキープして、味方が敵選手の間にあるスペースでパスを受けるために移動する時間を稼いであげれば、より相手ゴールに近いところでゴールにつながるようなラストパスを出す起点がつくれるようになりますし、あるいは相手バックラインのウラヘダイアゴナルランする味方も、オフサイドにならずに確実にボールが受けられるようタイミングを合わせやすくなります。

優柔不断のボール保持者がモタモタとドリブルして、相手選手がぜんぶ自陣へ戻ってしまうようなムダなタメをつくってしまうのも困るのですが、ゴールを奪うための急所となるようなスペースで味方がパスを受けるために移動する時間さえつくれないというのも困りものです。

そうなってしまったのは、大迫・原口・久保という攻撃の選手の組み合わせも原因の一つでしょう。

この3人は、チャンスメークがまったくできないわけではありませんが、どちらかと言えばパスで味方を生かすよりも味方からパスを受けてドリブル突破やシュートを決めたいタイプでしょうし、こうなるとパスの出し手が清武選手1人になってしまうので、前方の3人に対するボールの供給ルートが非常に限られてしまいます。

特に右サイドに入った久保選手は、もともとパスでチャンスメークしたり味方のボール保持者をサポートするようなタイプではないので、適材適所とは言い難い監督さんの起用法でした。

そうなる可能性が高いだろうなと思って前回エントリーで当研究所は、右サイドハーフにボールキープ力があってクリエイティブな攻めのパスが出せる小林祐選手を推薦したわけです。

効き足が左である彼がトップ下の清武選手と連携しながらパスで右サイドからピッチ中央にかけての相手の守備を崩していけば、シュートチャンスはもっと多く、失点のピンチはもっと少なく、そしてもっと楽にこの試合に勝てたのではないでしょうか。

 守備面については、相手のボール保持者へプレスをかけることに力点を置いたやり方をしたために、前半はコンパクトな守備ブロックをつくりながらもややバラケすぎの感がありました。

そのため25分過ぎあたりからサウジにちょっと危ない場面をつくられていたように思います。

試合の後半は、非常にコンパクトな守備ブロックをつくることができていましたが、DFラインを下げ過ぎて、やや防戦一方になってしまったでしょうか。

おそらく監督さんからの指示で、先制点を守るためにあえてDFラインを引き気味にして、相手が同点ゴールを狙って前へ出てきたところをカウンターで追加点という戦術をとったのだと思いますが、対戦相手のレベルを考えれば、弱気な戦術のチョイスではないでしょうか。

そして試合終了間際になると4-4のコンパクトな守備ブロックがまったくつくれなくなり、相手にドリブルのスペースを与えてしまった結果、失点を許してしまったことは強く反省すべきです。

何としてもあのまま2-0でクローズさせなければいけない試合でした。

攻撃とのからみでは、ボールをまったくキープできない香川選手を後半20分から起用したことで、日本がチームとしてボールをポゼッションし、カウンター以外に効果的な厚みのある攻めがあまりできなくなったことも、失点の遠因となりました。

右サイドハーフで起用しないなら、せめて同じ時間帯からトップ下に小林祐選手を起用してチームとしてボールをキープしながら追加点を狙いつつ、時間を上手く消費すべきだったように思います。

本田選手が日本の2点目の起点となるパスを出しましたが、それ以外のパス・シュートの精度やボールをキープして前進する能力が全盛期よりもかなり落ちてしまっているため、やはり右サイドハーフを任せるのは厳しかったですね。トレーニングをしっかりやりながら別のポジションに活路を見出せば、まだまだ彼も生きると思うのですが。

 W杯出場がかかる大事な公式戦で、清武・原口・大迫選手らロンドン世代が中心となって戦った初めてのゲームということでやむを得ないところもあるのですが、結果を出そうと焦るあまり、動きが硬かったり冷静さを欠いていたプレーが少なくなかったのは今後の課題です。

日本代表がロシアW杯で決勝Tへ進出し、好成績を残したいと考えているなら、これからもっとプレッシャーのかかる試合などいくらでも来ます。

そのような重要な試合でも、平常心を保っていつもの実力を発揮することができるようになることを目標に、ワールドクラスのサッカー選手になるために必要な心・技・体の鍛錬を継続していって欲しいです。

このチームはもっと高いレベルのサッカーをやれるだけの潜在能力を十分持っています。

 選手個々の評価は次回にしましょう。





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■世代交代を強く印象づけたオマーン戦(その2)

 前回のつづき

 選手個々で特筆すべき活躍だったのは、まず清武選手。トップ下として攻撃の組み立ての中心になり、大迫ら前線の選手に好パスを出し続け、PKを含む1ゴール2アシストの大活躍。
フォーメーションを変更して清武選手がいなくなった後半、攻撃をうまく組み立てられなくなったのを見ても、中盤やバイタルエリアでボールが持てる彼の存在の大きさがわかります。セットプレー時に精度の高いボールが蹴れるキッカーとしても貴重で、当研究所は8月のUAE戦後、ずっと日本代表のトップ下に彼を推薦してきましたが、その期待にたがわぬプレーぶりでした。
 以下の点を改善していけばもっと良いトップ下になれます。 ボランチやサイドの選手がボールを持っているときは、そちらの方へ寄ってパスが受けられるポジショニングを必ず取る事、そしてボランチからバイタルにいる自分の足元へパスが入ったら確実にトラップして、できれば半身で受けて相手ゴールを向くことです。クラブで出場機会がないのであれば、OBLAトレーニングのような持久走を無理のないように注意しながら毎週最低2回は行うべきでしょう。

大迫選手は、ヘディングからのゴールも良かったのですが、トップ下からのボールを足元へ確実に収めて反転してからの正確なシュートが鮮やかでした。ゴール前での決定機に緊張して全身に力が入りすぎ、ゴールの枠から大きく外したシュートを打つ日本人選手が大変多いのですが、彼は適度にリラックスして冷静になって正確なシュートが打てるところがポイントが高いです。大迫選手が順調に成長していってくれれば、日本代表が長年探していたセンターFWという名のパズルの1ピースがカチッとハマるかもしれません。
 ただ、相手DFとの駆け引きはもっと改善できます。味方のボランチの位置まで下がってくるのはセンターFWとして動きすぎです。バックラインと一直線に並んでいる時間を少なくして、あえて相手ゴールから遠ざかることで、相手DFラインのウラのスペースを広く空けるような動きを常に意識してやること。ケルンの試合でもそうなんですが守備のときに手を使って相手をひっぱるのがクセになっているようで、それを繰り返しているとすぐにイエローカードが累積して大事な試合に出られなくなってしまいます。並走する相手からボールを奪う時は、自分の太ももの外側を相手の太ももに当てて、相手のバランスを崩して奪うよう当研究所は推奨していますが、これは「ボールを奪う時に100%ファールを取られない必勝マニュアル」ではありませんので、原口選手が与えたオーストラリア戦でのPKのように、どこでやるかは十分注意して欲しいです。

小林祐選手はボランチとしての起用でしたが、得点力があるところを見せてくれました。彼は攻めで気の利いたパスが出せますし、正確なシュートを打つために欠かせないゴール前での落ち着きや度胸も評価が高いです。ボランチとしては永木選手よりかなり攻撃センスがあるように見えます。 守備面でも今のところ目立ったミスはありませんし、攻撃的な大型ボランチとして今後が楽しみになってきましたが、左足が使えるので、日本代表が人材不足に悩んでいる右サイドハーフで起用しても面白いのではないでしょうか。

斎藤選手は左サイドを中心に攻撃面で動き回ってまずまずの出来。ただ、もう少しインパクトのある活躍が欲しかったですね。前半18分のプレーは、ペナルティエリアの中でボールをワンタッチもちすぎてしまったためにシュートチャンスを逸してしまいました。

永木選手は、相手からボールを奪い返すプレーはなかなか良かったと思いますが、攻撃に移った際のパス展開力に不満が残りました。そのあたりを今後どれくらい伸ばしていけるかが課題です。

出場時間が短かった原口選手は、本来であれば評価の対象外にするところですが、良い機会ですので普段のプレーで気になっている点を一つ。彼が左サイドからドリブルでカットインしてミドルシュートを打つ時、そのほとんどがゴールの左へ大きくそれていってしまい、まったく入る気がしません。こういう場合は、カットインドリブルから右足のインにかけたコントロールシュートを、ゴールの右上スミに決めるようなプレーをまず覚えるべきです。

 逆に丸山選手は、センターバックとして空中戦に競り負けて相手のポストプレーを許してしまったプレーが1度ありましたし、後半42分に相手選手ともつれて簡単に転倒してピンチになりそうになったことも問題です。パスやクリアも相手にそのままボールを渡してしまうようなミスが散見され、しばらく経験を積ませないと実戦での起用はきついかもしれません。空中戦の強さやパスの正確性では植田選手の方が現時点では上ではないでしょうか。

酒井高選手は、相手と競りながらのバックパスからピンチを招きそうになったり、ファールスローをとられて相手ボールにしたりと相変わらずイージーミスが多いです。相手の浮き球のパスをダイレクトでクリアしておけば何でもないのに、わざわざペナの中でワンバウンドさせてから処理しようとしたのも、いつ自分の背後から追い抜いてきた相手FWにボールをかっさらわれるかわからない危なかっしいプレーです。キックの技術に自信がないのかもしれませんが、GKが近くにいると自分がクリアすべきボールでもすべてGKに任せようとするクセは本当に直さないといけません。

酒井宏選手はアタッキングサードに侵入すると、体に無駄な力が入るのでクロスやパスがどうしても不正確になってしまいます。相手のペナの中にいる味方にパスを出すときには、適度に体から力を抜いて「どうぞ決めてください」という柔らかいパスを出せる、そんな心の余裕が欲しいです。

浅野選手はPKを獲得したのはラッキーでしたが、自分の前方にゴールとGKしかいない決定機にまたしてもシュートせずにパスに逃げてしまったのにはガッカリしました。FWに入ったときも、いくら監督から「ウラヘ抜けろ」と指示されたのだとしても、いつもウラヘウラヘのワンパターンではゴールできません。相手ゴールから遠ざかる動きで敵のバックを引きつけ、DFラインのウラを広く空けておいてから、味方のボールホルダーがバイタルエリア付近で前を向いたタイミングでウラへ向かってダイアゴナルランすべきで、そういうDFとの駆け引きも覚えないと。
右サイドハーフとして守備ブロックをつくる時に、逆サイドにボールがある時はピッチ中央へしぼって守備ブロックの横のコンパクトさを保つことも忘れてはいけません。
浅野選手に宿題を出しておきます。もしアーセナルで活躍したいのなら「マシューズ・フェイント」が完璧にできるように徹底的に練習しておいてください。まずは右足のアウトでボールを押し出して相手の右を抜くフェイントが完璧にできるように練習し、それができるようになったら左足で相手の左を抜くフェイントを完璧にできるようになるまで練習します。浅野選手が自分の武器であるスピードを120%生かしたいならマシューズフェイントの修得は必須です。浅野選手に直接コンタクトが取れる方がこれを読んでいたら彼にそう伝えておいてくださると非常にありがたいです。

岡崎選手は2トップのセカンドストライカーとして起用されましたが、シュートシーンはほとんどなく、相手に競り負けてボールロストが目立ち、あまり意味のないバックパスも多かったですね。

本田選手はまたしても右ウイングでの起用でしたが、清武選手とからむ場面もあったものの、自分がやりたい理想のプレーに足元の技術や体力・スピードがついてきていません。右サイドの一対一で相手を1度も抜けないどころか、後半10分のプレーが象徴的ですが、このレベルの相手にさえ簡単にデュエルで負けてボールを失ってしまうことが2~3度ありました。キックの技術が低下しており、シュートもラストパスも直前にいる敵選手にボールをぶつけてしまうミスが多すぎます。
本田選手のコメントを見る限り、サッカー選手としての自分の実力を客観的に評価するということがまったくできていません。彼の脳内ではビッグクラブで大活躍するメッシやスアレス・C.ロナウドクラスの選手のつもりなのかもしれませんが、世界のサッカーレベルを甘く見てオフシーズンに怠けていた結果、技術・体力トレーニングが決定的に不足しており、それがサッカー選手としての彼の衰えに拍車をかけています。
代表でもクラブでも右ウイングとしてひどいプレーを繰り返してチームに多大なる迷惑をかけているのに、自分にとって不都合な事実から一切目をそらし、現実からかけ離れた誇大妄想のような発言を繰り返しています。
おそらく今、本田選手にとって耳に心地よい事しか言わない「イエスマン」のみに囲まれた“桃源郷”の中で、自分が見たくない現実からすべて逃避して、白昼夢を見ながらさまよっているような状態なんじゃないでしょうか。
それはミラニスタへのブーイング批判や、スソにポジションを奪われたのは自分のプレーが悪かったからではなく契約があと1年しか残っていないからという言い訳、さらに本田選手が代表で良いプレーをするためには彼のミスを指摘する周囲の声が耳に入らないようにすることが重要などといった、責任転嫁のコメントからも良くわかります。
自分に対する賞賛しか聞きたくないといわんばかりの本田選手ですが、大きな勘違いをしています。応援の反対は批判ではありません。無関心です。 自分の貴重な時間や金を使ってスタジアムに来てサポーターがブーイングするのは、チームなりその選手なりを応援しているからであり、本当に嫌いなら無視すれば良いだけの話です。長友選手や岡崎選手・長谷部キャプテンら親しい友人が忠告してあげないと、このままでは本田選手は取り返しのつかないところまでダメになってしまうでしょう。
現時点において、本田選手のプレーはFWをやれるようなクオリティにはありませんし、それを本人が自覚できないなら、監督がベンチに下げるという決断を下すしかありません。

        ☆        ☆        ☆

 オマーンとのテストマッチは、4-0の勝利という結果も良かったですし、日本代表の試合内容も攻守両面で組織的かつ効果的なものであり、改善点はあるもののまずまず良かったと思います。

後半立ち上がりからチームのインテンシティが落ち、守備ブロックがバラけたこともあって相手に攻められる時間帯をつくってしまったことは反省点です。

前半は4-2-3-1のトップ下に清武選手がいたので、センターFWである大迫選手の2ゴールを引き出すなど攻撃が上手く機能しましたが、彼を外して4-4-1-1みたいなシステムになるとあまり機能しませんでしたね。

もし2トップにするならセカンドストライカータイプばかりを並べるのではなく、センターFWタイプの大迫選手に、浅野・久保選手らセカンドストライカータイプを組み合わせるべきだと思いますが、清武選手や原口選手が好調なので、現状ではトップ下をなくして4-4-2にする必然性を感じません。

 この試合では、清武・大迫・小林祐選手らの活躍が際立った反面、本田・岡崎両選手のプレーにはあまり関係なくゲームが進んで行き、世代交代を強く印象づける試合となりました。

特に、当研究所が今年8月のUAE戦後からトップ下に強く推薦していた清武選手の活躍が目立ちました。

香川選手はクラブで自分の課題を解決して復活してくれることを信じていますが、今は清武選手を信頼してトップ下を任せるべきです。

もちろん、体が小さくて守備力の低い選手を守備的MFに起用するような間違ったロジックではなく、その選手のプレーの特徴を正しく見極めて適切なポジションで起用することが大前提なんですが、ハリルホジッチ監督は小林祐選手や植田選手など若いプレーヤーをもっと信頼して、勇気を出して使って欲しいですね。

「ノーリスク・ノーリターン」という言葉があるように、負けるリスクを怖がってベテランばかりを使っていると、彼らの肉体の衰えが原因で、試合に勝つというリターンが得られないどころか、逆に負けてしまう可能性が高くなってしまいます。日本代表の強化が今まで停滞していた大きな原因の一つがベテラン偏重の選手起用にあると思います。

21歳でW杯予選やCLリーグでゴールをあげているキミッヒ(ドイツ代表&バイエルン)みたいな選手が、この日本からもっともっと出てきてほしいです。

        ☆        ☆        ☆

 いよいよ15日に迫ったサウジ戦をどう戦うかですが、攻守の戦術はこのオマーン戦のやり方から変える必要はないと思います。

DFラインをできるだけノーマルに設定しながら、コンパクトな守備ブロックをつくってゾーンで守り、組織的なプレスでボールを奪い返したら、ダブルボランチ+トップ下を中心にショートパスをつないで攻めるべきです。

相手はオランダ人監督なので、こちらの陣形の弱点を突くようにゲーム中に柔軟にフォーメーションを変えてくる可能性があるので、どう対応すべきか各選手とも心の準備はしておくべきでしょうし、オーストラリア戦の失点シーンのように数的不利な状況をつくられてサイドを突破されそうになった場合は、ボールがあるサイドとは逆のボランチ1枚がDFラインまで降りて、ゴール前の危険なスペースやフリーになっている敵選手をケアすると良いのではないでしょうか。

システムはこんな感じで...


               大迫  
           

      原口      清武      小林祐
                       (斎藤) 

            山口   長谷部   
                 

     SB     森重    吉田   酒井宏
    

                西川


トップ下の清武・センターFW大迫の両選手は変える必要を感じませんし、左足が使えてクリエイティブな攻めのパスが出せ、ゴール前で落ち着いて正確なシュートが打てる小林祐選手を右サイドハーフで使ってみると面白いのではないでしょうか。クラブでボランチを任されていますから、守備力の面でもそれほど不安はないはずです。

ともかくサウジ戦は何としても勝利が欲しいです。埼玉スタジアムへ試合を見に行くサポーターの皆さん応援よろしくお願いします。

◇    ◇     ◇     ◇     ◇     ◇    ◇

    2016.11.11 茨城県立カシマサッカースタジアム

         日本 4 - 0 オマーン


      大迫   32'
      大迫   42'
      清武(PK)64'
      小林祐  90'+


     GK 西川        GK アルルシャイディ

     DF 酒井高       DF アルナハル
        丸山          (サングール 83)
        吉田           アルバルシ
       (森重 79)        マブルーク
        酒井宏         アブドルサラム
                      M.アルラワヒ
     MF 永木
       (小林祐 68)   MF アルサーディ
        山口           アルシュヤディ
        斎藤           ライド・イブラヒム
       (原口 74)        アルファルシ
        清武          (ナシブ 69)
       (久保 71)
        本田        FW アルラザイキ
       (浅野 61)       (サラム 63)

    FW 大迫
      (岡崎 61)



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■世代交代を強く印象づけたオマーン戦

  昨夜、オマーン代表とのテストマッチがカシマスタジアムで行われ、日本代表が4-0で完勝しました。

今回対戦したオマーンはスペイン5部でプレーする1人を除き、全員が国内リーグでプレーしています。ホームでもアウェーでも日本が勝利できる相手と見ていましたが、4点差をつけての勝利という結果は良かったです。

このゲームは勝負を度外視しても、世界を相手に戦える若手選手を発掘したり、代表の選手層を厚くしておきたいという目的がありましたが、そうしたことを含めた試合内容もまずまず良かったと思います。

若手選手(世界基準ではそれほど若くはないのです)が、内容のともなった結果を出して見せ、世代交代を強く印象づけたゲームとなりました。

図1
基礎が大切
(クリックで拡大)

チームとしても選手個々としても、どれくらい図1で示した「サッカーの基礎から応用までのピラミッド」を実際のプレーで表現できていたか、それを基準としていつものように日本代表の試合内容を分析していきましょう。


        ☆        ☆        ☆

 ゲームの立ち上がりはプレーヤーの動きが硬く、タテポンサッカーぎみでチャンスがなかなかつくれなかったのですが、慣れてくると次第にパスサッカーによる連動した攻撃が機能していきました。

サウジより2ランクは実力が落ちる相手だったこともありますが、オーストラリア戦の後半のように引きすぎてしまうこともなく、DFラインの高さをノーマルに設定することができたので、コンパクトな守備ブロックからボールをすぐさま奪い返すと、ダブルボランチ+トップ下を中心にして、選手1人ひとりがボールを持ちすぎずに、チームとしてボールをキープしながら攻撃することができていました。

当研究所が推薦していた清武選手がトップ下に起用され、センターFWを任された大迫選手の2ゴールをアシストするなど、
日本代表の4-2-3-1で、トップ下とセンターFWが機能した試合をみることができたのは超久しぶりじゃないでしょうか。

これまで大島・柏木両選手のように、守備力の低さに目をつぶってもパス展開力のある選手をボランチの1角に起用していたことで、UAE戦やイラク戦での守備力の低下を招いていましたがもうそれはやめて、長谷部・山口・小林祐・永木の各選手のうち、ダブルボランチに誰が起用されたとしても現在の守備力・ボール奪取力を落とさないようにしながらさらにそれを改善していき、なおかつ彼らのパス展開力をふくめた攻撃力を練習やゲームの中で高めていくべきです。

この試合では、DFラインを適切な高さに保ちながらコンパクトなブロックをつくってゾーンで守りながらプレスをかけていくことで、相手に攻撃面で付け入るスキをほとんど与えず、ボールを奪い返したらダブルボランチ+トップ下を中心にショートパスをリズム良くつないで、質の高いチャンスを数多くつくることができました。

これでも十分「縦に速い攻撃」ができていましたし、4ゴールの完封勝ちという結果も出すことができたのですが、今まで日本代表がアジアを圧倒することができていたのは、こういうサッカーをやっていたからですよね。

どうしてこういうサッカーを今まですっかり忘れていて、ロシアW杯アジア最終予選の初戦からできなかったのでしょうか。

攻撃も守備もこのサッカースタイルをベースにして、ここからクオリティを高めていけば、W杯の予選でもきっと良い結果が得られるはずです。

 では改善すべき点ですが、後半の立ち上がりから攻守両面でチーム全体のインテンシティがややダウンして、相手にゲームの主導権を握られる時間帯をつくられてしまいました。

前半で先制ゴールをあげるとホッと一安心してしまうのか、それともリードを守ろうとして気持ちまで守りに入ってしまうのかはわかりませんが、先月行われたW杯予選のイラク戦でもオーストラリア戦でも同様でしたね。

90分間ずっと日本が攻撃しっぱなしというゲームはあり得ませんが、後半戦の入り方に注意して攻守両面で前半と同じようなインテンシティを保ち、ゲームのコントロールを失って相手に一方的に攻められ、ついに失点なんてことにはならないように気をつけてほしいです。

守備面では、DFラインの高さやブロックのコンパクトさについては前半まずまずでしたが、後半はバラけてしまい、オマーンに攻撃でつけこむスキを与えていました。

4-4の守備ブロックをつくっているとき、MFの4人が自分のゾーンをあまりにも離れて相手ボールホルダーを追いかけ回しすぎると、守備ブロックのタテが間延びして中盤にスペースができてしまうので注意しなければなりませんし、相手ボール保持者がサイドにいて日本の守備ブロックが左右どちらかに偏っている場合、逆サイドの日本の選手がセンターサークル付近まで絞らないと、ブロックの横が間延びして相手にスペースを与えることになりますので、それも要注意です。

攻撃面では、後半「俺もゴールして結果を出したい」という意識が強くなりすぎたのか、FW陣が前へ行くタイミングが早くなり、それが原因で相手バックのウラのスペースがやや狭くなって、攻めにくい状態を自分たちでつくり出してしまったところは改善点でしょう。

 チャンスを与えられたフレッシュなメンバーが試合内容のともなった結果を出して見せたのとは対照的に、ベテラン選手は結果が出せなかったのはもちろんゲームそのものにもあまり深く関与できず、世代交代を強く印象づけるゲームとなりました。そのあたりも含めて選手個々の評価は次回にします。




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■サッカーで強くなるために一番重要なこと

 ハリルホジッチ監督が招聘されたとき、ザックジャパンのときよりも日本代表を強くしてほしい、少なくともザックジャパンの実力を土台にして、そこからチームの競争力を着実に上積みしていって欲しいと多くのサポーターが願ったはずです。もちろん私もその1人。

ところがハリルジャパンになってW杯アジア予選をすでに12試合戦ったわけですが、ザックジャパン時代より強くなったようには見えません。

W杯のアジア最終予選に限ってみても、攻撃的なポゼッションサッカーをかかげたザックジャパンは5勝2分1敗、8試合で総得点16・失点5という数字が残っていますが、「堅守速攻」のはずのハリルジャパンは最終予選4試合でもう既に4失点もしています。

ザックジャパン時代とは対戦相手が違いますし、UAE戦では相手に疑惑のゴールもありましたから単純に比較はできませんが、それを割り引いても日本代表のゲーム内容はザックジャパン時代から確実に落ちてしまったように見えます。

特に10月6日に埼玉スタジアムで行われたイラク戦における
日本代表の試合内容に、悪い意味で私は大きな衝撃を受けました。

組織的なゾーンディフェンスがまったくできないどころか、最終ラインでこちらのバックが相手選手とハイボールをヘディングで競っているとき、残りのバックはそれをボーッとみているだけで、チャレンジ&カバーの基本であるコペルトゥーラの隊形さえつくることができていません。

ベテランを中心としたハリルジャパンの主力メンバーは、ザックジャパン時代に相手ボールホルダーの位置によって体の向きをどう変えるかまで細かく指導を受けながら、コンパクトな守備ブロックをつくってゾーンディフェンスで守るやり方をみっちりと練習したはずですし、2013年8月にウルグアイとテストマッチをやったとき、日本のバックが相手のロングボールに一発でやられてスアレスやフォルランにゴールを次々と許してしまったので、ザッケローニ監督からコペルトゥーラをつくってチャレンジ&カバーをするやり方もちゃんと習ったはずなのに、たった2年でプロのサッカー選手が守備戦術を基本からキレイサッパリと忘れてしまっていたのには、本当に驚かされました。

どうしてこうなってしまったのでしょうか?

考えられる一つの原因は「研究万能主義」です。

日本サッカー界では、対戦相手を研究することが非常に重要視されており、その研究結果をもとに、次の試合で対戦する相手に応じた対策が立てられ、それを各選手に覚えさせて試合に臨むというプロセスが繰り返される傾向がとても強いように思います。

対戦相手を研究して対策を立てておくことが何よりも重要で、それさえやっておけば試合に勝てるという「研究万能主義」の裏返しとして、対戦相手の情報を入手できなかったり、相手に自分たちが研究されることを日本のサッカーチームは異常に恐れる傾向にもあるようです。

そのような研究万能主義には、大きな落とし穴があります。

図1
ムダ!
(クリックで拡大 以下同様)

図1のように、試合をやるたびに対戦相手を研究し、それに応じた対策を立てて試合に臨み、その試合が終わると次の対戦相手を研究して別の対策を立てるというプロセスを繰り返していると、ある試合のために準備された対策はその試合が終わったとたんにゆっくりと忘れられていき、選手個人としてもチームとしてもサッカーの実力がなかなか上積みされていかないという問題です。

例えば、UAEを研究して対策Aが立てられ、試合が終わると今度はタイを研究して対策Bが立てられて代表選手はそれを覚える代わりに、対策Aはだんだんと忘れ去られる。タイとの試合が終わると今度はイラクを研究して対策Cが立てられて選手が覚えさせられる代わりに対策Bは忘れられていく。

日本代表にしろJリーグの各クラブにしろ、日本サッカー界はこうしたプロセスの繰り返しなんじゃないでしょうか。

だから、ハリルジャパンになって「デュエル」とか「縦に速いサッカー」という「対策B」が立てられた結果、ザックジャパン時代に選手たちが必死に覚えたコペルトゥーラもゾーンディフェンスのやり方も、「もう覚えておく必要がなくなった対策A」として忘れ去られてしまったのではないかと思います。

ブラジルW杯後に「ザックジャパン負けたのはポゼッションサッカーのせいだ」という、ポゼッションサッカー悪玉論を主張する人たちが日本サッカー界にかなりいましたが、そういう人たちも、ポゼッションサッカーという「対策A」が失敗したのだから、対策Aのことはキレイサッパリ忘れて、次のW杯に備えてカウンターサッカーという「対策B」を代表選手たちに覚えさせろという考え方なのかもしれません。

 もちろん対戦相手を研究して相手に応じた対策を立てることは大事だとは思いますが、相手を研究しさえすれば絶対に勝てるというものではありませんし、それさえやっておけばW杯でドイツやアルゼンチンにも必ず勝てるというのであれば、世界のどのチームだって苦労はしません。

「研究万能主義」におちいってしまったチームのように、1試合ごとに対処療法的に、その場しのぎの対策を立てては忘れ、対策を立てては忘れというプロセスを繰り返すよりも、サッカーの試合に勝つために必要な基礎や応用力を日本のすべてのサッカー選手に、せめてユース年代を卒業する年齢までには確実に身につけさせることの方がよほど大事だというのが当研究所の考え方です。

図2
基礎が大切

図2は当研究所が考える、サッカーに勝つために選手が身につけておくべき能力です。

サッカー選手に必要とされる一番の基礎となるものは、ボールを自由に扱う技術(自分の意図通りにボールを蹴る・止める・ドリブルする・ヘディングする・フェイントをかける)・身体能力(瞬発的なスピード・アジリティ・ジャンプ力・持久力)・コンタクトスキル(相手とコンタクトして自分のボールを守るあるいは敵から奪う能力)の3つです。

当研究所は普段、足元の技術の話はほとんどしませんが、それを軽視しているわけではありません。

自分の思い通りにボールを蹴る・止める・ドリブルするということができない人は、戦術うんぬん以前の話であって、それは個人練習でもかなりの部分でスキルをあげることはできますし、それぞれでちゃんと練習しておいてくださいね、それができない選手は代表チームにはまったくお呼びではありませんということです。

そうした基礎をしっかりマスターした上で、個人戦術や2~4人の少人数グループの戦術というワンランク上の基礎を覚えます。

個人戦術で言えば、味方からパスを受ける時は出来るだけ半身で受けたり、自分の前に立ちはだかる敵選手がいない限り相手ゴールに向かって最短距離をドリブルする、守備では、相手ボールホルダーと自分が守るべきゴールとの線上に立ち片足を前に出して半身で構えるというところから始って、少人数グループの戦術ではパスをつないで攻撃する時は必ず三角形をつくり、守備のときも相手のボール保持者にチャレンジする味方をカバーするために残りの2人でトライアングルをつくって守る(コペルトゥーラ)ということを、どんな試合でも忘れずに必ず実行できるようにしておきます。

その次のステップが、11人の選手によるチーム戦術の習熟です。

コンパクトな守備ブロックをつくってゾーンディフェンスで守ったり、最近セットプレー時以外ほとんど見かけませんがマンマークで守ったり、攻撃ではパス(ポゼッション)サッカー、あるいはカウンターサッカーでゴールを狙ったりと、チームが意図した結果(勝利あるいは引き分け)を出せるように11人の選手が1つのチームとして統一された戦術のもとで戦うことができるようにならなければなりません。

そして最後は応用力です。

前述の3つのレベルの基礎を土台として、それに日本人選手の特徴やストロングポイントを生かして戦うような独創性をプラスしたり、例えば事前のスカウティングで相手がポゼッションで来ると思ったのにカウンターサッカーで来たので、当初のゲームプランを変更してこちらがポゼッションサッカーで自陣に引いた相手の守備ブロックを崩してゴールを奪うみたいに、選手たちが自分たちの判断でピッチ内の状況に応じて柔軟に対応し試合に勝つことができるような応用力を身につけさせます。

図2のピラミッドで示されたサッカー選手に求められる基礎から応用力までを日本人選手がしっかり身につけ、その選手が現役でプレーし続けるかぎり絶対に忘れることなくちゃんと実践できていれば、対戦相手の情報があろうがなかろうが、試合の相手がドイツだろうがアルゼンチンだろうがオーストラリアだろうがUAEだろうが勝てるはずです。

サッカーの基礎から応用までが確実に身についていれば、仮に日本代表選手全員が欧州でプレーしていて、W杯の予選の数日前にしか日本へ帰国できなくても、時間がないと言って大あわてしなくて済むはずなんです。

ただでさえ時間が限られているのに、長時間ミーティングをやって選手1人ひとりに対戦相手に応じたこまごまとした対策をいちいち覚えさせて、その試合が終わってしまえば忘れてしまうというプロセスを繰り返すのは壮大なムダです。

そうではなくて、試合の2~3日前に集合した選手に向って監督が、「今度のイラク戦は勝利が必要だ。しかし相手のカウンター攻撃にスキを与えないためにもコンパクトな守備ブロックをつくってゾーンで守る。DFラインはノーマルに設定しろ。 攻撃戦術は基本的にはパスサッカーで行くが、押し込まれているときに上手くボールが奪えたらコレクティブカウンターを狙え」とか、

「オーストラリアとのアウエー戦はできれば勝ちたいが最悪でも勝ち点1が欲しい。コンパクトな守備ブロックをつくってゾーンで守るのは同じだがDFラインをやや引き気味にさせられるかもしれないから覚悟しておけ。ただし下がりすぎるな。攻撃はコレクティブカウンターからゴールを狙うことになるだろうが、相手に先制されて引かれたらポゼッションサッカーで落ち着いて攻撃し同点に追いつけるように努力しろ」と指示すれば、

代表選手23人が同じピクチャーを頭の中に描いてすぐにでも試合に臨むことができ、W杯予選前の貴重な時間を対戦相手に応じた特別な練習や以前やった戦術を選手たちがちゃんと覚えているかどうか再確認するために使うことができるのです。

さらに欧州四大リーグで高いレベルのサッカーを経験した選手たちが引退後に指導者になることで、その選手が持つ高い基礎力・応用力が日本の子供たちに受け継がれ、日本サッカーの競争力を着実に積み上げていくことができます。

そうした地道な積み重ねを何年も繰り返して初めて、日本代表のW杯優勝が現実的な目標として見えてくるのではないかと思うのですが、ハリルジャパンはザックジャパン時代からサッカーの実力を上積みしているようには見えません。

むしろ今まで出来ていたことさえできなくなってしまっていて、それがW杯予選で思うような成績につながっていない原因なのではないでしょうか。

日本サッカー協会の田嶋会長は「育成日本の復活」を掲げていますが、それは正しいと思います。

しかしながら対戦相手を研究してつくった、その場しのぎの対策を試合のたびに選手に丸暗記させ、一夜漬けの勉強よろしく試験(試合)が終わったらすっかり忘れてしまうということを繰り返していたのでは、日本サッカーに本当の意味での実力をつけさせることはできません。

図2で示したサッカー選手に求められる基礎から応用力までのピラミッドを、すべての日本のサッカー選手がユース年代を卒業するまでに確実に身につけることの方が重要だと当研究所は考えています。

 最後に付け加えれば、「W杯の予選は内容よりも結果」とか「泥臭いサッカーをしても試合に勝つ」みたいなコメントを日本のサッカー選手からしばしば聞くのですが、強い違和感を覚えます。

彼らの言う「試合内容」や「泥臭いサッカー」が具体的に何を指しているかわかりませんが、図2のピラミッドで示した「サッカーで勝つために必要な基礎から応用」を、あるチームなり選手なりがどれくらい試合中に実行できているか、これが当研究所が考える「試合内容」であり、これは「勝利という結果」を得るために欠かせないサッカー選手の実力の裏付けとなるものであって、「勝利という結果」を得ることと引き換えに捨てるべきものでは絶対にありません。

ボールを自分の思ったとおり蹴る・止めるというところから始って、コンパクトな守備ブロックによるゾーンディフェンスで失点をゼロに抑えたり、相手の守備ブロックをかいくぐってDFラインのウラヘ味方とボールを確実に送り込んでゴールするために、11人の選手が連動した組織的なサッカーをするのは何よりも勝利という結果を得るためであって、サッカーで勝つために必要な基礎から応用力までをしっかりと身につけている集団こそが、真に実力のある強いチームなのです。

現代サッカーの戦術も、どうしたら効率よく試合に勝てるかをイングランド・ブラジル・オランダ・イタリア・スペインのようなサッカー先進国の人々が、150年近くかけて試行錯誤した結果生み出されたものであって、それに逆行するようなサッカーをしてしまえば、そのチームは退化することになり、勝利から遠ざかってしまう可能性が高いです。(既存戦術の常識を覆すような意図があるなら別ですが)

今から140年ほど前の近代サッカーの母国イングランドでは、今風に言えば、1-2-7のようなシステムでサッカーが行われていたそうです。つまり7トップです。

それから10年後に2-3-5の逆ピラミッドが生まれ、さらにその50年後3-2-2-3のWMシステムが誕生します。これでFWが3人にまで減りました。

第二次大戦後ブラジルとハンガリーで4-2-4が発明されますが、そこから4-3-3や4-4-2・3-5-2へと進化していってFWが2人になり、2000年代には4-2-3-1が考案されてとうとうFWはたった1人に。ついにメッシやトッティによるゼロトップが登場するわけですが、サッカー戦術の進化の歴史は、FWの数がどんどん減ってきた歴史とも言い換えることができます。

なぜなら、ゴール前にたくさんのFWがベッタリ張りついていると、攻撃のためのスペースがなくなり逆に得点しづらくなるからで、あえてゴール前のスペースを広く空けておいた方が点が取れるというのは、1-2-7からスタートして4-2-3-1からゼロトップに行きついたサッカー戦術の進化の歴史が、それを証明しているのです。

ところがロシアW杯アジア予選のシンガポール戦やUEA戦が典型的なんですが、日本代表はゴールが欲しくて欲しくてたまらないときに、4トップ5トップみたいな形になってゴール前にベッタリと張りつき、そこへひたすらサイドからクロスを放り込むサッカーをやってしまいます。(図3)

バランスが悪い


これが日本代表選手たちが言うところの「内容よりも結果」のサッカー、「泥臭いサッカー」なのだとすれば、サッカー戦術の進化の歴史に逆行していますし、事実W杯には絶対に出てこないレベルのシンガポールに引き分け、UAEには負けと、肝心の結果がまったくついて来ていません。

日本のサッカー選手がしばしば口にする「W杯の予選は内容よりも結果」というコメントは、まるで「サッカーがヘタクソであればあるほど、勝利という結果がついてくる」と言っているように聞こえ、強い違和感を覚えずにはいられません。

 大切なことなのでもう一度繰り返しますが、日本のサッカーが世界で勝つために一番重要なのは、「対策」と称した1試合かぎりの対処療法を覚えては忘れ、覚えては忘れを繰り返すことではなく、ユース年代を卒業するまでにすべての日本人選手が、サッカーの基礎から応用までを高いレベルでしっかりと身につけることです。

それができていれば、対戦相手がどこだろうと、刻々と変化するピッチ内の状況に応じて選手たちが自分の頭で考えて最善のプレーを選択し、高い確率で勝利という結果を得られるはずです。

選手たちがサッカーの基礎から応用までを高いレベルで実践できているゲームこそ「良い内容の試合」であって、サッカーの基礎や応用(=試合内容)を犠牲にすれば、勝利という結果がついてくると信じている選手がこの日本にいるのであれば、それは大きな、大きな誤解です。




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ポゼッションサッカー悪玉論は間違い

ポゼッションサッカー悪玉論は間違い(その2)

二手三手先を考えてサッカーをするということ(その1)

二手三手先を考えてサッカーをするということ(その2)

なぜパスサッカーなのか?(その1)

なぜパスサッカーなのか?(その2)



  

■オマーン戦・サウジ戦に向けた日本代表発表!

 今月に行われるオマーンとのテストマッチ(11日@カシマ)と、W杯アジア最終予選のサウジアラビア戦(15日@埼玉)のために召集された、日本代表メンバーが発表されました。

 

GK 西川 周作 (浦和)
   川島 永嗣 (メス:フランス)
   東口 順昭 (G大阪)

DF 吉田 麻也 (サウサンプトン:イングランド)
   森重 真人 (F東京)
   酒井 宏樹 (マルセイユ:フランス)
   長友 佑都 (インテルミラノ:イタリア)
   丸山 祐市 (F東京)
   植田 直通 (鹿島)
   槙野 智章 (浦和)
   酒井 高徳 (ハンブルガーSV:ドイツ)

MF 長谷部 誠 (フランクフルト:ドイツ)
   山口  蛍 (C大阪)
   清武 弘嗣 (セビージャ:スペイン)
   香川 真司 (ドルトムント:ドイツ)
   永木 亮太 (鹿島)
   小林 祐希 (ヘーレンフェーン:オランダ)
   井手口 陽介(G大阪)

FW 原口 元気 (ヘルタベルリン:ドイツ)
   本田 圭佑 (ACミラン:イタリア)
   浅野 拓磨 (シュツットガルト:ドイツ)
   岡崎 慎司 (レスター:イングランド)
   齋藤  学 (横浜M)
   大迫 勇也 (ケルン:ドイツ)
   久保 裕也 (ベルン:スイス)


 今回召集されたメンバーを見ますと、攻撃的なポジションで若い選手が多めに呼ばれていることに気がつきます。

MFでは、エールディビジで継続して試合に出られている小林祐選手やG大阪で頭角を現してきた井手口選手が呼ばれましたが、当研究所は特に小林祐選手に期待しています。

川崎の大島選手も将来有望な若手選手ですが、守備的MFとして起用するには守備力がかなり不足していますし、柏木選手と同様に、体の大きさという点からもそのポジションで起用するのは適切とは思えません。

彼らではW杯本大会で当たる高い攻撃力を持ったチームが相手だと守りきれない不安があることを、今年6月のキリンカップやW杯最終予選のUAE戦直前にすでに指摘しておいたのですが、その不安が早くも的中してしまいました。

当ブログ過去記事・キリンカップが突きつけた課題(その2)

当ブログ過去記事・ロシアW杯アジア最終予選に臨む日本代表発表! 

UAE戦ではダブルボランチの一角に入った大島選手が2失点にからみ、イラク戦では後半の立ち上がりに相手の攻撃に押され、ベンチが柏木選手に代えて山口選手を投入する準備をしている最中に、痛い同点ゴールを浴びてしまいました。

適材適所を考えるなら大島・柏木の両選手はトップ下のポジションで競争させるのが適切だと思いますが、長谷部・山口のダブルボランチだと現時点においては攻撃力に物足りなさを感じます。

前回オーストラリア戦では原口選手による先制ゴールの起点となるパスを出すなど、長谷部選手が攻撃面でも良い働きをしてくれたのですが、そろそろ彼の後継者を準備しておかなければいけない時期に差し掛かっています。

そこで、身長182㎝で守備的MFに求められる体の大きさを十分持っておりパス展開力もある小林祐選手に期待したいです。井手口選手は体の小ささが少々不安ですが、ボール奪取力に良いものを持っていますから彼にも期待です。

 FWでは大迫・久保の両選手が呼ばれましたが、日本では岡崎・香川などセカンドストライカータイプの選手が非常に多くて、欧州四大リーグでもワントップを張れるような正統派のセンターFWがなかなか出てきてくれないところが悩みなんですが、大迫選手がその課題を克服してくれるとありがたいです。

クラブではゴールゲッターのモデストをサポートするようなプレーが多いのですが、ワントップとして足元にボールを収めてバイタルエリアで攻撃の起点をつくったり、相手バックに競り勝って個の力でゴールすることができるような選手に成長していって欲しいです。

久保選手はどちらかというと2トップのフォーメーションの方が合っているような気がしますが、1トップを張れる実力があるということを証明してくれるならやはりありがたいです。

 ところで「点が取れないときは4トップを使うかもしれない」とハリルホジッチ監督は言っていますが、相手ゴール前に日本のFWが4人も5人もベッタリと張りつくような攻撃をやると、逆にゴールから遠ざかってしまうということは、2次予選のシンガポール戦やカンボジア戦、最終予選のUAE戦などで何度も何度も証明されていますから、そうした過ちをもう二度と繰り返してはいけません。(下図)

バランスが悪い
(クリックで拡大 以下同様)

1トップにしろ2トップにしろ、こちらのFWがあえて相手ゴールから遠ざかるようにポジショニングすることで自分をマークするバックを引きつけ、そうすることによって広く空いた相手DFのウラのスペースにダイアゴナルランする味方へタイミング良くスルーパスを出してゴールを狙わせ、中央突破とサイド攻撃を上手く使い分けていけば、質の高いシュートチャンスをたくさんつくれるはずです。(下図)

バランスが良い

こうした攻撃を最後まで辛抱強く繰り返すべきですし、大迫選手らFW陣にもそういう動きを求めます。

 まず11日にオマーンとのテストマッチが組まれていますが、
日本代表の選手層を厚くしておくためにも、勝負は度外視して将来有望な若手に経験を積ませるためのチャンスをどんどん与えてあげて欲しいです。攻守の戦術については、バックラインをノーマルに設定すること以外オーストラリア戦から変更する必要はありません。

4-2-3-1で行くならこんな感じで...。


               大迫  
           

      浅野      清武       斎藤
              (香川)
              (小林祐)       

           小林祐   永木   
                 (井手口) 

      長友   丸山    植田   酒井高
    

               川島
              (東口)

GKは川島選手を起用して、現時点で本当に西川選手の方が実力が上か、実戦から遠のいていることで川島選手が試合勘を失っているのかを見てみたいです。

センターバックはベテランの丸山選手のリードで若い植田選手にA代表での実戦経験を積ませます。

左サイドバックは久々の代表での試運転をかねて長友選手を45分ほど、右は守備で及第点に達していない高徳選手を出場させ、辛抱して育てていかないといけないでしょうね。

ダブルボランチは小林祐・永木両選手のコンビで、特に小林選手は守備ではボール奪取力を、攻撃ではパス展開力の面で高い能力を持っているというところをアピールして欲しいです。

トップ下は、疑り深い監督さんのために清武・香川両選手を45分づつ使ってみて、現時点ではどちらがこのポジションにふさわしいか、ボールキープ力・パス展開力の面でどちらが上かをテストすれば良いでしょう。

ここで小林祐選手を試すのもアリだと思います。

原口選手が現時点では確固としたレギュラーポジションを獲得していますので、本来左サイドハーフの斎藤選手を右でテストしてみたいですね。

そして左は浅野選手を。

シュツットガルトでもサイドでの起用が多くなっていますし、浅野選手自身もアーセナルの大先輩であるティエリ・アンリに衝撃を受けたとコメントしていたはずですが、ドリブルでカットインしてからのシュートやラストパス、あるいはタテに突破してからのマイナスのクロスなどといったウイングプレーを覚えると、FWとしてプレーの幅が広がりますし、何より彼の武器であるスピードが最大限生かせるのではないかと個人的には思っています。

ワントップには大迫選手を起用して、センターFWとしてどれくらいやれるかテストします。

オマーンとの試合で、若い選手が大活躍してくれることを楽しみにしていますが、このテストマッチで目覚ましい働きを見せた選手はパッとしないパフォーマンスを繰り返している既存の選手に代え、W杯予選のサウジ戦でも勇気を出して出場のチャンスを与えてみても良いのではないでしょうか。

 最後に、今回は召集されなかった宇佐美選手について。

クラブでまったく出場機会が得られていないのでそれもやむを得ないことですが、攻撃面において日本代表をアジアで頭一つも二つも抜けた存在に引き上げてくれるポテンシャルを持った選手だと思われるだけに、現在の状況が大変残念で仕方ありません。

体脂肪率が高すぎると言われ、一時期ムリな食事制限をやって変な痩せ方をしていたようですが、ハリルホジッチ監督の彼に対する指導が適切ではないと思います。

今の彼にとって最も重要なことは、オフ明け1か月で体のキレが無くなってしまうようなスタミナの無さをいかに克服するかであって、高い持久力の裏付けとなる高い心肺能力を身につけさせるためのトレーニングこそ一番必要なんじゃないでしょうか。

以前にも言いましたが、運動開始数分後に心拍数が安定してから毎分140~160回の心拍数を維持するような素走りを30~40分間、専門的に言えばVO2MAX値の50~70%にあたる負荷がかかるようにした持久走を、クラブでの公式練習を含めて毎週2回は必ず行うべきです。

この“OBLAトレーニング”を、無理のないように地道に継続していけば、欧州四大リーグのようにインテンシティの高いゲームが続いても、1シーズン戦い抜けるような持久力がきっと身につくはずです。

高い心肺能力が身につくようなトレーニングをコツコツ続けていれば、アスリートに必要とされる食事はちゃんと取っていても、体脂肪率が自然と理想的な数値になるはずですが、体脂肪率を下げるためにダイエットをしても、適切なトレーニングをしなければ高い心肺能力は身につきません。今までの宇佐美選手への指導の仕方はそこが間違っています。

もし持久力が身につき体のキレが戻ったのにアウクスブルクで構想外の状態が続くようであれば、今冬の移籍マーケットが開いた時点で、コンスタントに試合に出られる他のクラブに行くべきです。

たとえブンデス2部のクラブであっても、試合に数多く出て目の覚めるような活躍をすれば、すぐに1部のクラブの関係者の目にとまり、トップリーグに戻って来られるでしょう。

このブログを見ていて宇佐美選手に直接コンタクトが取れる方がおられるなら、すぐにでも自分専用のフィジカルコーチを雇って“OBLAトレーニング”を始めるよう彼に強く、強く勧めてください。

宇佐美選手がこのまま終わってしまうのであれば、日本サッカー界にとって大損失です。



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■サウジ戦をいかに戦うべきか?

 11月15日に行われるサウジとのW杯予選をいかに戦うべきか、今日はこれをテーマにして考えてみます。

まず日本が属するW杯アジア予選グループB全体の、現在の状況をおさらいしておきましょう。

前節、現時点でこのグループで最も実力があるチームと当研究所が考えているオーストラリアとのアウェー戦で引き分けることができたのは、我々にとって悪くない結果だったと思います。

これでオーストラリアがロシアへ行くためには、サウジとUAEをホームに迎える2試合に勝たなくてはいけない状況に追い込まれましたから、必死になってがんばってくれることでしょうし、サウジはホームでオーストラリアとドロー、UAEは同じ条件でオーストラリアに負けていますから、オーストラリアのホームゲームでサウジとUAEが勝ち点3を獲得するのは相当の困難が予想されます。

また同じ節でサウジはホームでUAEを降しており、UAEはロシア行きのレースから一歩後退です。

日本としては、タイ・イラクとの残り2試合を絶対に取りこぼすことなく、アウェーゲームを勝ってUAEとの対戦成績を五分に戻し、オーストラリアとのホームゲームに是が非でも勝利しなければなりません。

もしそれが達成できれば、対サウジ戦は2勝を目指すのはもちろんなんですが、H&Aの2試合で悪くとも1勝1分の勝ち点4が獲得できれば、日本がW杯出場権が得られる2位以内を確保できる確率が高まります。逆に1勝1敗だと一気に先行きが不透明になってしまうでしょう。

サウジから勝ち点6をゲットするためにも今度の試合は当然勝利が欲しいのですが、試合終了まで残り10分の段階で同点であっても、負けるリスクを冒してセンターバックをゴール前へ上げてというような攻撃をやる試合ではないと思います。

その場合は最悪でも勝ち点1を確保して、アウェー戦で勝利を目指すことになりますが、やはりホームでサウジに勝っておきたいところです。

 では具体的にどう戦うかですが、クビになりたくないのならハリルホジッチ監督はこれまで自分が選択したことのどれが成功してどれが失敗だったのかをちゃんと分析し、成功したものだけを残して失敗だったものはキッパリと捨て去るようにしないといけません。

守備でも攻撃でも前回日本のホームゲームだったイラク戦のような戦い方をもう一度やってしまったら絶対にダメです。

オーストラリアと比べるとサウジの選手はアジリティがあってドリブルの技術もありますから、相手に広いスペースを与えてスピードに乗ったドリブルをさせるとやっかいなことになります。

よって守備は、オーストラリア戦で成功したのと同じように4-4のコンパクトな守備ブロックをつくり、DFラインを引きすぎないように注意しながら、ゾーンディフェンスのセオリー通りに相手のボールホルダーにプレスをかけ、相手に攻撃のための時間とスペースを与えないようにしつつ、組織的にボールを奪いに行くべきです。これをロシアW杯本大会まで変更する必要はありません。

攻撃については、前回「ロングボール攻撃がイラクには有効」というスカウティング部門での分析があって、その意見を採用した結果あのようなレベルの低い攻撃になったという報道がありましたが、もしそれが事実ならスカウティング担当者による切腹もののとんでもない分析ミスでした。

身長もフィジカルコンタクト能力も高くない日本代表にとって、ロングボール攻撃が有効な試合などまずありませんし、たとえそのような分析がスカウティング部門から上がってきても、監督が論理的思考力でもってそういう誤った分析は却下しないといけません。

よって攻撃についても、原口選手のゴールシーンに象徴される、オーストラリア戦の前半で見せてくれたレベルの高いパスサッカーを継続すべきです。

センターFWが意図的にゴールから遠ざかることで自分をマークするバックを引きつけ、それによってDFラインのウラのスペースを広く保っておき、ゾーンで守るコンパクトな守備ブロックから組織的にプレスをかけてボールを奪い返したら、自軍ゴールへ向かって走りながら後退する相手を攻め、あえて空けておいたバイタルエリアに侵入した味方にボールを受けさせてラストパスを出す基点をつくり、最後はDFラインのウラヘ抜ける味方へスルーパスを出してゴールを決めさせる。(図1)

図1
バランスが良い
(クリックで拡大)

オーストラリア戦ではDFラインを下げ過ぎてしまい、このようなレベルの高い攻撃を1~2回しかできませんでしたが、サウジ戦ではDFラインをできるかぎりノーマルに保ち、原口選手のゴールシーンのようにテンポの良いショートパスで相手を崩してゴールを奪うような攻撃を数多く見せて欲しいです。

 それではこれまで述べたゲームプランを実現するためにどういった選手を起用するかですが、今までどおり4-2-3-1を使うなら次のようなシステムはどうでしょうか。




               本田  
           

      原口      清武      宇佐美
                        (斎藤) 

            山口   長谷部   
                 

     長友    森重    吉田   酒井宏
    

                GK



まだどういうメンバーが召集されるかわかりませんが、前回招集メンバーをベースに考えますと、センターFWには本田選手を引き続き起用します。

4-2-3-1のセンターFWは、足元でボールを収めて前線で攻撃の起点となりつつ、ゴールをゲットすることが求められますが、フィジカルコンタクトの強い彼なら前線でボールが収まって、貴重なゴールをアシストすることもできるということがオーストラリア戦で証明されましたし、ハリルホジッチ監督のチョイスとしては成功でした。

本田選手を右サイドハーフ(ウイング)に置いてしまうと、スピードもドリブルの技術もないために右サイドの攻撃が機能不全に陥ってしまうというのは、この前のミラン対ジェノア戦で改めてハッキリとしましたし、右ウイングのポジションからピッチ中央へ流れる時間が長く守備に戻ってこないので、4-4のコンパクトなブロックをつくることができず守備が不安定になりハリルジャパンの失点が増えている大きな原因にもなっています。

誤解の無いように言っておきますが、「本田選手」がチーム低迷の元凶だと言っているのではありません。本田選手を「右ウイングで起用すること」が元凶なのです。

レスターの岡崎選手が日本のナンバーワンFWだから代表の1トップにふさわしいと考える人も多いのでしょうが、それは「論理の飛躍」だと思います。

彼がレスターで評価されているのは、2トップのセカンドストライカーとして前線から守備をしたりパスをつないだりして、バーディやスリマニのような点取り屋をサポートするプレーであって、ワントップとして前線でボールを足元へ収め、個の能力で相手バックに競り勝ってゴールを量産しているからではありません。

それでもレスターでゴールしているじゃないかという反論がありそうですが、リーグカップのチェルシー戦の1点目やプレミアシップのクリスタルパレス戦でのゴールは相手選手のクリアミスを拾ってのものであり、個の能力で相手との一対一に勝ってゲットしたゴールより価値はやや落ちます。

1トップとして十分やれるというところを彼が証明してくれるなら話は別ですけど、彼のプレーを長く見てきて思うのは、相手バックがフィジカルコンタクトに強いタイプであればあるほど、1トップとしての彼がゲームから消えている時間は長くなってしまうということです。

岡崎選手をどうしても生かしたいのであれば、レスターと同様に代表のシステムを2トップに変え、そのセカンドストライカーとして起用すれば成功するかもしれません。

左サイドハーフで好調を維持している原口選手のところを次の試合でいじる必然性はないと思います。

トップ下には清武選手をもってきました。

前の試合は、4-2-3-1(日本)と中盤をダイヤモンド型にした4-4-2(オーストラリア)とのマッチアップだったわけですが、ピッチ中央のMFはこちらが数的不利、相手の2トップに対しCB2枚に加えSBを1人余らせて守ったとしても、逆にサイドではこちらが2対1の数的優位の状況にありました。

そこでトップ下にボールキープ力のある選手を入れ、ボールを奪い返した後トップ下に預けてサイドハーフが押し上げる時間をつくり、攻撃の起点をどちらかのサイドでつくることができれば、後半あそこまでオーストラリアに押し込まれることはなかったはずですが、トップ下に本来セカンドストライカータイプである香川選手を起用してしまったために防戦一方となってしまいました。

そこでパサータイプの清武選手を起用して中盤でのボールキープ力の改善を図ります。

その選手の何年も前の実績とか所属しているクラブの格・最近ゲームに出ているかどうかなどといった条件は二の次・三の次であって、一番重要なのは現時点におけるその選手の実力・ポテンシャルです。

それはプロの監督なら、試合前の練習で選手のプレーを自分の目で見れば、選手それぞれのプレーの特徴・長所短所・選手間の優劣の判断はつくはずなんです。

最近ゲームに出ていることがそれほど重要なら、中学生をW杯の予選で使うんですか?という話です。

右サイドハーフも、オーストラリア戦で攻撃力に物足りなさを感じた小林悠選手ではなく、守備力も考慮に入れながら宇佐美選手か横浜Mの斎藤選手のうち、現時点で調子の良いほうを起用します。

ケガをしてしまったのが大変残念なんですが、ELのガバラ戦で左足から良いゴールを決めていたマインツの武藤選手も、右サイドハーフで起用したら面白いんじゃないかと考えています。

長谷部・山口のダブルボランチは前の試合で良く機能していましたから変える必要ありませんし、バックとGKはレギュラークラスのうち、もっとも調子の良い選手を使っていけば良いと思います。

 サウジとのW杯予選の前にオマーンとのテストマッチが組まれていますが、戦力の底上げを図るために、勝負を度外視して若くて将来有望な選手をどんどん試して欲しいです。

4-2-3-1で行くならこんな風に...。



              ハーフナー
              (大迫)  
           

      斎藤      清武      宇佐美
     (宇佐美)   (香川)     (斎藤) 
                        (浅野) 

            DM    小林祐   
                 

     SB     CB     植田    SB
    

              川島
           


心肺機能を回復させるために当研究所が提案したOBLAトレーニングをちゃんとやっていて欲しいのですが、本田選手がセンターFWとして90分間プレーできるかは今のところ未知数ですので、途中交代のオプションとして足元にボールを収めて前線で攻めの起点がつくれる別の選手が欲しいところです。

そこでハーフナー選手か大迫選手のうち好調な方を。

ハーフナー選手を入れたら何が何でも彼の頭めがけてロングボールを放り込まないといけないと考える頭が非常に硬い人がいるようですが、サッカーの競技規則に絶対そうしなければいけないというルールはありません。

あくまでも足元でのポストプレーを期待しており、彼の背の高さはサイドからのクロスをヘッドでシュートするときだけで十分です。ロングボールを多用したタテポンサッカーをやってしまえば、原口・清武といった日本の攻撃のストロングポイントが生かせなくなって、イラク戦のような自爆行為になってしまう可能性が高いと思います。

清武選手の起用をハリルホジッチ監督がそれほど不安に感じるなら、テストマッチで前後半45分ずつ香川選手と交代で起用してみて、どちらがトップ下として機能するか試してみれば良いのではないでしょうか。

左右のサイドハーフでも、斎藤・宇佐美・浅野らスピードやドリブルの技術のある選手をどんどん試して欲しいです。

監督の指示やチームの約束事を絶対に守ることが最低条件となりますが、ヘーレンフェーンでレギュラーポジションを獲得している小林祐希選手は、ボランチで是非とも試して欲しいプレーヤーです。

守備的MFはある程度の体の大きさ(できれば身長180㎝以上)が無いと守備の面で不利になってしまいますが、その点でも小林祐選手には期待しています。

層の薄さが相変わらず改善されていないセンターバックのポジションですが、植田選手がA代表でどれくらいできるか見てみたいですね。パートナーとしては同じクラブの昌子選手が適任でしょうか。

柏の中谷選手も将来日本代表を背負って立つCBに成長してくれないかなとひそかに期待しているのですが、柏を率いる下平監督は勇気をもって若い選手を多く起用しながらチーム作りを進めており、彼のチャレンジを応援したくなります。

最後にGKですが、ここまでの西川選手のパフォーマンスは不満の残るものであり、川島選手をテストしてみたらどうでしょうか。

ここでも一番重要なのは現時点における選手の実力であって、試合に出ているかどうかは二の次。それをオマーンとのテストマッチで試してみたら良いのではないでしょうか。

もちろん監督さんが行けると思うなら、柏の中村選手や松本のシュミット選手など、若手にチャンスを与えても全然構いません。

 というわけでサウジ戦をどう戦うべきかについて当研究所なりに考えてみましたが、直前のテストマッチを最大限有効に活用し、サウジから勝利を収めてW杯予選の前半戦を折り返して欲しいです。




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