■2016年01月

■おめでとう手倉森ジャパン

 連載記事の途中ですが、手倉森ジャパンがリオ五輪の出場権を獲得したというグッド・ニュースが入ってきました。

選手・監督・スタッフの皆さん、おめでとうございます。

勝因は何と言っても、センターバックを中心とした日本のディフェンス陣が、ゴール前での空中戦にほとんど競り負けなかったことが第一だと思います。

自分たちのゴール前で一対一の争いに負け、相手のヘディングシュートを食らってというのが、ユース・ジュニアユースも含めた日本の育成年代代表がアジア予選で敗退する典型的なパターンだと前回記事で指摘しましたが、手倉森ジャパンは植田選手を中心に、身長が高くフィジカルコンタクトに強いセンターバックを揃えていたので、ゴール前で空中戦に負け、あっけなく失点というシーンがほとんどありませんでした。

逆に、イラク戦の失点と韓国戦の相手の1点目は、センターバック以外の選手がゴール前の空中戦に競り負けたことで、失点につながっています。

だから「センターバックは専門職。最低でも身長は185㎝以上あって、フィジカルコンタクトに強いセンターバックのスペシャリストを日本サッカー界の総力をあげて育成しろ」と、当研究所は口を酸っぱくして言ってきたのです。

センターバックを中心に前半を無失点でしのげれば、アジアトップの持久力を生かすことができ、後半の半ばすぎに相手の運動量が落ちてきたところで、豊川・浅野ら切り札となる選手を投入し、ゴールを奪って勝つ。

そのためにも先発メンバーを固定せず、ターンオーバー制で短期集中開催の大会を乗り切る。

これが手倉森ジャパンの必勝パターンでしたね。

 ただ、一番重要なのは、日本のU-23代表選手たちが将来どういったプレーヤーに成長していくのか、年齢制限がとれたA代表や欧州四大リーグのクラブで、世界の強豪チームを相手にバリバリ活躍できるような大人の選手になれるかどうか、ということです。

イラン・イラク・韓国等のU-23代表チームは、世界のA代表の強豪がやっているサッカーの内容と比べれば、アジアの枠を超えるものではありませんでした。

五輪出場権を得たことや、決してあきらめないゲルマン魂ならぬ大和魂をもって、決勝で大逆転勝利をおさめたことについては、選手たちは良くやったと思うのですが、五輪のアジア予選突破はあくまでも一つの通過点にすぎず、最終目標はもっと高いところにあるということは、サッカーをやる方も見る方も決して忘れてはいけないことだと思います。

リオ五輪まで、あと半年ぐらいしか時間が残されていませんが、解決すべき課題が少なくないのも事実です。

手倉森ジャパンは、当研究所の基準からすればカウンターサッカーのチームでした。

手倉森さんが指揮していた頃の仙台のゲームを思い出せば、そうなるんじゃないかと思っていましたし、この年代はU-20W杯出場を逃しているので、内容はともかく五輪予選に勝つことを最優先にした采配であり、手倉森さんの監督起用であったのでしょう。

問題なのは、このチームが持つ戦術の引き出しはたった一つ、カウンターサッカーのみで、戦況に応じて戦術を柔軟に使い分けるということがほとんどできず、いつも一本調子でカウンター攻撃を仕掛け続ける、ロンドン五輪に出場した関塚ジャパンと良く似たチームだということです。

イランとの準々決勝やイラクとの準決勝は、いずれも後半キックオフ直後から防戦一方となったのですが、チーム全体でも選手個人でも、ボールをキープする時間をつくるということがほとんどできないので、相手にプレスをかけられるとボールを奪われないように縦に大きく蹴り、カウンターを仕掛けるのですが、それを相手にぜんぶ拾われ、波状攻撃を受け続けてチームが「息継ぎ」できない苦しい展開となりました。

そういう状態でボールを奪い返したときに、チームでボールをキープしてあえて遅攻をやることで相手の攻勢をいなし、チームに一息つかせられるよう攻撃のリズムに変化をつけられれば、もっと楽に試合を進められますし、もっと試合巧者になれます。

五輪出場権を獲得したあとの決勝戦では、リスクをかけて前半からパスサッカーをやろうとしていたようですが、相手の守備ブロックの間でグラウンダーのパスをつなぐ能力が低いので攻撃がほとんど機能せず、後半の半ばまで苦戦が続きました。

普段カウンターサッカーばかりやっているチームに、いきなりパス(ポゼッション)サッカーをさせようとしても無理だというのは、これまでしつこいくらい強調してきましたが、手倉森ジャパンも同様でした。

チームレベルでも個人レベルでもボールキープ力に問題があり、戦術や攻撃のリズムに変化をつけるということができないので、リオ五輪本番をこのスタイルのままで行っても、五輪をあまり重視していない欧州の強豪相手に番狂わせを起こすことはできるかもしれませんが、したたかで地力に勝る南米の強豪国やメキシコあたりと当ったら、完敗を喫する可能性が高いと思います。

そうならないためには、リオ五輪本番までに次の2点を集中的にトレーニングすべきです。

まずチーム全体でボールをキープする能力を高めるためには、「パスサッカー戦術」を基本から応用までやり直し、攻撃の組織力をあげるしかありません。

手倉森ジャパンは、中盤をフラットにした4-4-2を使っていますが、一番重要なピッチ中央に選手が足りず、パスサッカーにはあまり向いていません。

やはり“トップ下”のポジションを置いた4-2-3-1か4-1-2-3、あるいは足元の技術があってボールをキープできる選手をセカンドストライカーに置き、ポゼッションしたいときは、その選手が相手のバイタルエリアに出たり入ったりしながらパスで攻撃を組み立てる4-4-1-1みたいなフォーメーションも、オプションとして持っておくべきだと思います。

課題の2点目は、選手個人レベルのボールキープ力を、もっともっとあげること。

手倉森ジャパンに限らず、A代表からジュニアユースに至るまで日本人選手全体に言えることなんですが、一対一で相手にボールを奪われないための体や手の使い方、つまりフィジカルコンタクトのスキルが低い選手が多く、それが個人レベルでのボールキープ力の低さにつながっています。

ボールを奪われないためのコンタクトスキルが高くないために、相手に体を寄せられてあっさりボールを奪われてしまうシーンを、今回の五輪予選でも何度も目にしました。

まず体の正しい使い方なんですが、イラン戦で岩波選手が相手にショルダータックルをかまして、日本のゴール前で危険なFKを与えたことがありました。

近年における国際主審のレフェリング傾向を見ていると、日本国内では「正当なプレー」と教えられているショルダータックルをあからさまにやった場合、ファールと判定されてしまうケースがほとんどです。

これに対して、欧州4大リーグでフィジカルコンタクトに強い選手の体の使い方を良く観察していると、自分の横もしくはナナメ後方から当たってくる相手選手に対して肩をぶつけるのではなく、自分の「太ももの付け根の外側」もしくは「臀部(でんぶ)」を相手の「太もも」あたりに当てることで敵選手のボディバランスを崩し、ボールを奪われないようにしていることがわかります。

次に手の使い方についてですが、相手が自分の横から迫ってきたときに、自分の体の前に相手の肩を入れられてしまうと、高い確率でボールを奪われてしまいます。

相手が自分と並走しながらボールを奪いに来た場合は、まず両腕を飛行機のマネをするように広げ、上体をやや前かがみにすることで、自分の体の前に相手の肩を入れられるのを防ぎつつ、もし自分の前にドリブルするための十分なスペースがあるなら、体の重心をやや落とし、自分の「太ももの付け根の外側」を相手の太ももあたりにガツンとぶつけた反動でドリブルを加速させると、相手を振り切ってボールをキープすることができます。

手と体の両方をタイミングよく使ったコンビネーション技で、フィジカルコンタクトの戦いに勝つというわけです。

相手が自分の後方からボールを奪いに来たケースでは、後ろからボールを突かれると奪われる可能性が高まりますから、「来たな」と思ったら自分の手を相手の胸に当てて、自分の腕をつっかえ棒のようにして、まず自分のボールを守ります。

相手が体で自分の腕を押して来たら、自分の腕をいったん折りたたみ、相手が自分を押す力を利用しつつ、手のひらで相手の胸を押したその反動でドリブルを加速させると、ファールをした印象をレフェリーに与えない自然な感じで相手を振り切り、ボールをキープすることができると思います。

ここで注意しなければいけないのが、手で相手のユニフォームをつかんだり、手で相手の胸ではなく顔やノドを押さえつけると必ずファールを取られるということです。さらに自分のヒジが相手の顔や腹に入ったら一発退場もありえますので、ファールにならないような手や体の使い方のスキルを身に着けなければなりません。

どこまで手を使ったらファールを取られるのかは、審判によって基準がまちまちなので、キックオフ直後にファールを取られても良い場所で実際に手を使ってみて、ファールを取られたらファールになる基準をレフェリー自身にも質問しながら、試合ごとに臨機応変にやっていくしかありません。

手倉森ジャパンが個人レベルでボールキープ力を高めるためには、ボールを蹴る・止める・ドリブルするといった足元の技術をもっと高める必要があるのはもちろんなんですが、ほとんど手つかずになっているように見える、こういったコンタクトスキルのトレーニングも絶対に欠かせません。

手倉森ジャパンに、コンタクトスキル(体や手の使い方)を選手に教える専門のコーチがいないなら、速やかに招へいした方が良いでしょうし、日本人のフィジカルコンタクト能力の強化のために、日本のA代表からJリーグ各クラブの育成部門に至るまで、コンタクトスキルを教える専門のコーチングスタッフを必ず一人は置くよう、日本サッカー協会も奨励すべきです。

日本人に適当な人材がいなければ、欧州や南米から呼んだらどうでしょうか?

 チームと個人レベル双方でのボールキープ力の低さに加えて、選手のメンタル面にも改善すべきところがあると思います。

北朝鮮との初戦は、前半早い時間帯に先制ゴールをあげたところまでは良かったのですが、1点を守り切ろうと選手全員が気持ちまで守りに入ってしまい、ボールを奪われて失点するのが怖いからと、マイボールになったとたん慌てふためいてロングボールをひたすら前へ蹴るだけで、逆に北朝鮮から連続攻撃を受け続けてアップアップの状態。

これは、コートジボアールと対戦したザックジャパンのブラジルW杯初戦と非常に良く似た心理状態でした。(関連記事:日本代表のブラジルW杯総括(その1)

相手に1点でも返されていたら、ブラジルW杯でのザックジャパンやドイツW杯におけるジーコジャパンのようにメンタル面でガタガタッといってしまい、初戦の結果も手倉森ジャパンの大会全体の結果もまったく違ったものになっていた可能性があります。

もしそうなっていたら、「ブラジルW杯でザックジャパンが負けたのはポゼッションサッカーのせいだ」と主張していた、サッカーを見る目をもたない一部の記者たちは、「手倉森ジャパンはカウンターサッカーのせいで負けた。ポゼッションサッカーに戻せ」なんていう記事を書いていたのでしょうか。

イラクや韓国との試合でも必要以上に相手の個の能力を警戒しすぎていて、相手選手が自分の方を向いていても後ろを向いていても、一発で抜かれないように相手との間合いを2mも3mも空けてしまうので、逆に相手のパス回しにプレスが後手後手となり、失点をしてしまう原因となっていました。

そこは相手がタイだろうがイラクだろうが自分がやるべきことを淡々とやり続けることだけに集中し、1m以内に間合いを取ってしっかり相手に詰めないと。

ともかく、日本のサッカー選手が国際大会の初戦で失敗を恐れすぎ、慎重になりすぎてしまう結果、自分たちが持つ潜在能力の半分も出し切れないということが、W杯でも五輪の予選でも続いています。

チームや選手個人の実力は短期間でそれほど変わらないはずなのに、コンスタントに実力を発揮できず、初戦で勝てば優勝、負ければグループリーグ敗退などといった、好不調の波が両極端すぎるのも困りものです。

W杯決勝戦のように毎日のトレーニングを真剣にやり、毎日の練習でやっているように、W杯の決勝戦で自分たちの普段どおりの実力を発揮する。

言うほど容易いことではありませんが、ブラジルW杯決勝でドイツ代表が心地よい緊張感のもと笑顔でプレーしていたように、日本の選手たちもそれぐらいの強い精神力を身につけることができるよう、メンタルトレーニングを各年代ごとの日本代表選手に受けさせるなど、早急に何らかの対策をとることが欠かせません。

ロシアW杯の初戦で、もう同じ過ちを繰り返すことは絶対にできません。

真剣勝負のW杯本番やその予選で、リスクをかけたパスサッカーを平常心でやり遂げ、勝利という結果を得るのはもちろんのこと、試合内容の面でも魅力あふれる、見て面白いスペクタクルなサッカーをするためには、リスクを徹底的に抑えたカウンターサッカーで戦うチームよりも、はるかに高い個の能力・チームの組織力が要求されます。

それを当たり前のようにできるようになったとき、日本代表を「世界の強豪」と呼んでも恥ずかしくない日が来るのだと思います。

記事が長くなりました。選手個々の評価は次回にしましょう。



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■なぜパスサッカーなのか?(その2)

 サッカーの世界史は、パスサッカーという「強者の戦略」が
勝利してきた歴史であり、日本も長期的なビジョンを持って選手個々の能力やチームの組織力を高め、自分たちの長所や特長を生かしたパスサッカーであくまでも強者を目指すべきだというお話を前回しました。

 ところが、ザックジャパンがブラジルで敗退して以降、「試合内容なんてどうだっていい。勝てばいいんだ、勝てば」という“勝利至上主義”が、日本サッカー界にじわじわと広がり始めているようにも見え、大変心配しています。

勝利至上主義という悪魔の甘いささやきは、カウンターサッカーという戦術にとても結びつきやすいんですが、セリエAが衰退したのもそれが大きな原因の一つだと考えていますし、たとえ伝統ある強豪チームであっても、悪魔のささやきに負けて自らの魂を売り渡し、長年培ってきたサッカー哲学にブレが見られるようになると、チームが低迷を始めるようなことが良くあります。

オランダ代表もその例外ではありませんでした。

2002年W杯出場を逃したオランダは、ファンバステンを代表監督に迎え、クライファート・オーフェルマルス・デブール兄弟ら輝かしい実績のあるベテラン主力選手たちをバッサリ切ります。

その代わり、チームの背骨にファンデルサール・コク・ファンニステルローイら経験のある選手を残しつつ、ロッベン・ファンペルシー・スナイデルら若手に先発のチャンスを与え、W杯の欧州予選を勝ち抜きながら、同時に若手選手にどんどん投資をして育てていったのです。

2006年ドイツW杯出場を決めたオランダは伝統の4-1-2-3によるパスサッカーで挑み、グループリーグは突破したもののベスト4にさえ残れませんでしたが、若手選手が貴重な経験を積んでたくましく成長、彼らが主力となった2010年W杯では準優勝という結果を残し、より長期的な利益を考えた強化策が実を結びました。

ところがその後がいけません。

ロッベンらの世代を引っ張りすぎて、次の世代への投資が不十分となり、2014年W杯では、ファンハール監督が5バックのカウンター戦術を採用して3位に入ったものの、「3位になった」という記録が残っただけで、将来のオランダ代表を背負って立たなければならない若手選手が、ハイレベルな対戦相手に自分たちのサッカー哲学がどこまで通用するかを試す貴重なチャンスを、さらに失ってしまいました。

クライフは、ファンハールのカウンターサッカーをこき下ろしていましたが、やはり勝利至上主義という悪魔に魂を売り払ったツケが後になって回ってくることになります。

ユーロ2016予選では、カウンターサッカーか、それとも伝統のパスサッカーに戻るべきかフラフラ迷い、若手の育成が上手くいかないのでいつまでたってもチームの主力を担うべき中堅選手が手薄で、ロッベンやファンペルシーらベテラン世代に依然として頼り続ける反面、十代の選手を代表デビューさせないといけなくなるなど、世代交代も含めたチームの強化戦略が最後までチグハグで、とうとうプレーオフにも進出できず敗退してしまいます。

勝利至上主義と結びついたカウンターサッカーは、「試合に勝った」という記録こそ残りますが、それ以外に得られるものは思ったほど少なく、持続的な成功が望めないという意味で、長い目で見ればプラス面よりもマイナス面の方が大きいという教訓を、こうした実例が我々に教えてくれているのではないでしょうか。

イビチャ・オシム元日本代表監督も、「国際大会に負けて、多くの優秀な選手をA代表に送り込むユースチームもあれば、国際大会で勝って、A代表に選手をろくに送り込めなかったチームもある。そのどちらが良いのか?」みたいなことを言っていましたね。

もちろんどんな大会でも勝利を目指すのは当然なんですが、ジュニアユース・ユースなどの育成年代が「内容なんてどうだっていい。勝てばいいんだ」という勝利至上主義に憑りつかれ、ボールをポゼッションして失敗するのが怖いからと、ロングボールを前へポンポン放り込むようなレベルの低いサッカーをやってしまうと、何十年もの将来にわたって日本サッカー界に大きな災いをもたらすことになりかねません。

育成年代の国際大会における勝敗が、大人の選手になってからの成功・失敗に、必ずしも反映されるわけではありません。

五輪代表(U-23)が育成年代に含まれるかは微妙なところですが、日本サッカー界は選手が大人になるのに世界から5歳遅れているというのが当研究所の持論なので、あえて取り上げます。

2012年ロンドン五輪では、カウンターサッカーの関塚ジャパンが、ポゼッションサッカーのスペイン五輪代表に勝ったわけですが、両チームの主力選手はその後、どういう風に成長していったでしょうか。

関塚ジャパンの中心選手が今どこでプレーしているかと言えば、ハノーファーでプレーしている清武・酒井宏が最も成功した選手たちであり、“大躍進”の立役者だった永井・大津の両選手は海外クラブから出戻ってきて、それぞれ名古屋と柏でプレーしています。

逆にスペイン五輪代表の当時の主力は、デ・ヘア(マンチェスターU)、ジョルディ・アルバ(FCバルセロナ)、ハビ・マルティネス(バイエルン)、イスコ(レアルマドリード)、マタ(マンチェスターU)などとなっています。

さて、ロンドン五輪でベスト4に進出した関塚ジャパンは、純粋に育成チームとして成功したと言えるのでしょうか?

スペイン五輪代表は関塚ジャパンのカウンターサッカーに屈したわけですが、試合に勝ったからといって関塚ジャパンの選手たちが、スペイン五輪代表の選手たちよりも個の能力で上回ったというわけではなさそうです。

関塚ジャパンがスペイン相手にカウンター戦術を採用したのはやむを得なかったとは思いますが、モロッコやホンジュラスといった日本と互角かそれ以下の相手にもカウンターサッカー一辺倒で行ってしまい、先行逃げ切りが唯一の勝利パターンで、相手にリードされると自陣に引いた相手をまったく崩せないので、そこでジ・エンドというチームでした。

そのチームがどういうサッカー戦術を採用しているかで、どういうタイプの選手が数多く育ってくるかに大きく影響してきますが、ポゼッションサッカーをやることで、敵に囲まれた狭いスペースでもボールを失わない高い技術を持った選手が多く育つことはあっても、カウンターサッカーではそうはいきません。

カウンターサッカーというのは、「試合に勝った」という記録は残りますが、それ以外に得られるレガシー(遺産)はそれほど多くはないのです。

カウンターサッカーと結びつきやすい勝利至上主義が、悪魔の甘いささやきだという意味はそういうことであり、A代表にどういうタイプの選手を送り込むべきか一貫した戦略をもち、そうした長期的な視野に立って強化に取り組むべき育成年代に勝利至上主義がはびこれば、長い目で見て損をするのはその国のサッカー界です。

もちろんA代表だって、「効率が良いから」などといった安直な理由でカウンターサッカー一辺倒になれば、いつか手痛いしっぺがえしを食らうことになるでしょう。

「じゃあ、ポゼッション志向の強かった日本のユース・ジュニアユース代表が、アジア予選で敗退を続けているがそれでも良いのか?」と問われそうですが、彼らの敗因は何と言っても「センターバックを中心に守備時の一対一が弱すぎた」ということにつきると思います。

ポゼッション(パス)サッカーのチームだろうがカウンターサッカーのチームだろうが、センターバックを中心とした守備力が弱ければ、失点して試合に負ける可能性が高まるのは当たり前。

育成年代の日本代表チームは、ボールをポゼッションして中盤で攻撃を組み立てるところまでは悪くないのですが、相手のDFラインを崩してゴールを奪う「攻撃の最終ステージ」における戦術や個人技能に改善すべき点があることが多く、それが原因で相手を攻めあぐね、なかなかゴールを奪えないでいるうちに、カウンターを仕掛けてきた相手のFWに対し、人数は足りているんだけれどもこちらのDFが一対一で負けて失点したり、日本のゴール前へ単純なクロスを入れられて、空中戦の一対一に負けてヘディングシュートを食らってというのが、典型的な負けパターンだと思います。

私はバルサのパスサッカーを支持していますが、盲目的に崇拝しているわけではありません。

バルサ・ファミリーの中には、「パスは何十本でもつながればつながるほど良い。ボールをこちらでポゼッションしていれば、相手に攻められることはないのだから」と主張する人がいましたし、その考えをさらに発展させ、それ以外の能力を切り捨ててボールポゼッションのみに純化したチームづくりをしたのが、フィールドプレーヤー10人全員がパサーだったU-17吉武ジャパンだったのでしょうが、私はこうした極端すぎる考え方を支持しません。

なぜなら、いくら能力を極めてもボール保持率を100%にすることはまず不可能でしょうし、たとえ回数が少なくても相手に攻めこまれれば、こちらのバックと相手FWが一対一になったり、自分のゴール前に入ってきたクロスボールを空中で競り合わなければならないような場面が必ず出てくるからです。

そこで、足元のパス能力を最優先にして、フィジカルコンタクトや空中戦に弱いDFばかりをそろえたチームは、自分のゴール前でたった一回でも空中戦に競り負けて相手からヘディングシュートを食らえば、それが決勝点になってしまうこともあり得ます。

先ほども言ったように、日本のユース・ジュニアユース代表がアジア予選で負ける典型的パターンがこれです。

だからA代表も含め、センターバックは専門職であり、身長は最低でも185㎝以上あってフィジカルコンタクトに強い選手が絶対必要だから、日本サッカー界は総力をあげて「センターバックのスペシャリスト」の育成に力をいれろと、口を酸っぱくして言い続けているのです。

もしそういう選手がいれば、ゴール前の空中戦で簡単に競り負けて失点するようなことはなくなりますし、カウンター攻撃から一対一の局面をつくられても、個人技のある相手のドリブラーをフィジカルの強さを生かしてガチッと体を当ててボールを奪い、ピンチを防ぐといったようなことも可能になります、

吉武ジャパンもあんな極端なことをせず、ブスケツやピケ・マスケラーノの役目を果たす選手を置いて、相手のDFラインを崩してゴールを奪う「攻撃の最終ステージ」のプレーを改善すれば、もっと良い成績をあげられたのではないでしょうか。

日本のユース年代がアジア予選で敗退が続いているのは、このようなことが原因であり、パスサッカーという戦術そのものに欠陥があったわけではありません。

U-23代表も含め育成年代で最も重要なことは、クラブや代表チームにおいて、自分たちのサッカー哲学に基づいた、選手個々の能力アップやチームの組織づくりが普段から継続的にできているかどうかであって、五輪やユースW杯のような国際大会はその達成度をはかるチェックの機会と考えるべきでしょう。

たとえ負けたとしても、そこでの失敗や挫折は選手一人ひとりにとって一生の財産となります。

逆にそこでの勝ち負けに一喜一憂して、「世界大会に出るためには内容なんてどうだっていい。勝てばいいんだ。勝てば」という勝利至上主義に陥ってしまえば、日本のサッカー界に、今後何十年にもわたって負の遺産を残すことになりかねません。

どんな分野であっても成功したいなら、失敗から学ぶ、トライ&エラーという作業の連続から逃れることはできません。毎日少しづつ失敗していくか、後でまとめて大きい失敗をドカンとするかの違いだけです。

日本人サッカー選手の、人生最初にして最大の失敗がA代表のW杯だったということが、最悪の失敗なのです。

 サッカーはただ勝てばいいというスポーツではないと思います。

その国その民族ごとに「こうやって勝つと気持ちがいい」というサッカースタイル=アイデンティティがあり、「俺たちのやり方が世界一だ」と信じる32の代表が集まるのがワールドカップという世界最大の祭典です。

1990年代初めまで、アジアという世界の三流の、そのまた二流だった日本サッカー。

それまで南米選手の個の能力の髙さばかりに目を奪われてきた日本サッカー界に、オランダ出身のオフト監督が「トライアングル」「スモールフィールド」といったキーワードを使いながら組織的なパスサッカーを導入したことで、日本代表は一気にアジアトップレベルまで追いつき、92年にアジアカップ初優勝、翌年のアジア予選ではW杯出場まであと数秒というところまで迫りました。

その後も、名波・中田英・小野・中村俊から本田・香川まで、日本のパスサッカーを支える優れた“トップ下”を続々と生み出してきたのです。

これが日本サッカーのストロングポイントであり、多くの日本人が好むサッカースタイル=アイデンティティだったのではないでしょうか。

これに対してハリルジャパンは、中盤を省略したロングボールを多用するカウンターサッカーをやることが多くなっていますが、それはアジアで初めての試みというわけではありません。

私が知る限り、サウジアラビアやイランのようないわゆる中東勢が、1980年代の昔から今に至るまでずっとやってきたスタイルです。

じゃあサウジやイランのような中東勢は、W杯のような世界レベルの大会で、近年まで大成功を収めてきたと言えるでしょうか? そんな実例はありません。

むしろパスサッカーを得意とする日本に押され気味となったアジア各国が、これまでの単純なカウンターサッカーを反省し、技術の高い選手を育成してパスサッカーを取り入れようという動きも見せ始めている状況で、もうすでに失敗したことがわかっている、ロングボールを前線にひたすら放り込むフィジカル頼みのカウンターサッカーを、これから日本が始めようというのであれば、こんな愚かなことはありません。

必ずや「日本サッカー100年の計」を誤ることなります。

だいたい、アジア各国の代表チームに日本代表が圧倒的に攻められて、日本はずっと我慢しながら数少ない勝機をカウンター攻撃に託すなんて試合、あなたは見たいと思いますか?

それは日本サッカー界が、選手の育成やチームづくりの戦略に失敗したということを意味しており、私が絶対に目にしたくない光景です。

クラブで数々のトロフィーを掲げてきたメッシが、代表チームにたった一つの優勝タイトルさえもたらせないことにいらだつアルゼンチン国民もいるようですが、2014年W杯を戦ったサベーラ監督のアルゼンチン代表も、どちらかというとカウンターサッカーのチームでした。

しかし、メッシはパスサッカーをやることが大前提になっているバルサのカンテラが育成した選手で、メッシが自分の能力をフルに生かせるのも、やはりパスサッカーのチームです。

建英君やピピ君の将来がどうなるかまだ誰にもわかりませんが、彼らや我々が知らないところですくすく育っているかもしれない日本のサッカー少年たちがいずれ世界を代表するクラッキになったとき、日本代表がカウンターサッカーしかできないような状態に落ちぶれていれば、彼らの能力をフルに生かしてやれない、とても情けない状況になる可能性が高いです。

ブラジルW杯以後、強化戦略がブレ始めたように見える日本サッカー協会の技術委員会は、そこまでの長期的ビジョンに立った戦略を描けているのでしょうか?

ハリルホジッチ監督は、W杯で旋風を巻き起こしたラグビー日本代表を引き合いに出し、「最も高い理想のものを選択してトライした。これは1つの良い例です。我々も勇気と自信を持てば強豪国に勝てる」とコメントしています。

サッカーにおける最も高い理想がパスサッカーだと私は考えていますし、長期的なビジョンに立った決してブレることのない確固たるサッカー哲学を持ち、時間はかかっても勇気と自信を持ってコツコツ取り組んでいけば、日本代表も創造性あふれるスペクタクルな攻撃サッカーで世界の強豪に勝てる時代が、必ず来ると信じています。

「なぜパスサッカーを日本サッカーのメイン戦術に据えるべきなのか?」と問われたなら、それが当研究所の答えです。


つづく



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■なぜパスサッカーなのか?(その1)

前回のつづき

 これまで5回に分けて、パスサッカー戦術の基本から応用までを見てきましたが、パスサッカーという戦術の奥深さを理解していただけたでしょうか。

マトモな指導者であれば、この程度の戦術ならクラブチームで毎日みっちり練習して半年ぐらい、代表チームなら合宿とテストマッチ・公式戦を利用して計画的に練度をあげていけば、どんなに長くても1~2年の時間があれば、実戦で使えるレベルまでもっていけると思います。

もっとも、戦術の勉強を怠っている能力の低い指導者であれば、4年かけてもモノにはできません。初めから戦術を知らなければ、選手にトレーニングのしようがありませんから。

そもそもこの連載記事を書こうと思ったのは、日本サッカー協会(JFA)の技術委員会あたりから、「カウンターがダメだったら、今までみたいにポゼッションサッカーをすればいい」みたいな話が聞こえてきたからです。

「二手三手先を考えてサッカーをするということ」の記事で指摘したように、パスサッカーという戦術は選手同士のコンビネーションや連動性が欠かせないため、レベルの高いパスサッカーをやるためにはトレーニングや実戦で普段からこの戦術を使い続けることが必須です。

昨年8月の東アジアカップや11月のイランとのテストマッチにおけるハリルジャパンみたいに、ロングボールを前線へひたすら放り込むカウンター攻撃ばかりやっているチームは、カウンターが機能しないからといって、いざパスサッカーに戦術を切り替えようとしても、クオリティーが落ちていて実戦で使い物にならず、相手の守備をぜんぜん崩せなかったということが起こりやすいのです。

だいたい、これまでカウンターサッカーばかりやっていたチームが、W杯予選のような公式戦の前半でカウンター攻撃が機能しなかったからといって、このシリーズで取り上げたパスサッカー戦術の基本から応用までをすべての選手に説明して理解させ、実戦で使えるレベルにするためのトレーニングもやって、なんてことをハーフタイムのたった15分間で出来ると思いますか?

だから「カウンターがダメだったらポゼッションをすればいいじゃないか」という人は、パスサッカーという戦術をまったく理解していないし、ナメてさえいると言ったのです。

普段からパスサッカーをメイン戦術にしているチームにカウンターサッカーをやらせるのはそれほど難しいことではありませんが、カウンターサッカーばかりやっているチームに質の高いパスサッカーをやらせるには、それなりの手間と時間がかかるというのは戦術論の常識であって、JFAの技術委員会はこのことをちゃんと理解しているのでしょうか?

それに、パスサッカーに戻すといってもザックジャパンのレベルでは全然ダメ。

このシリーズで取り上げたパスサッカー戦術の基本から応用までのうち、ブラジルW杯のザックジャパンは、その半分もできていませんでしたから。

「ザックジャパンは自分たちのサッカー(=ポゼッションサッカー)のせいで負けた」という的外れな主張が、ブラジルW杯後に巻き起こりましたが、そうではありません。ザックジャパンが負けたのは、パス(ポゼッション)サッカーの質が低すぎたからです。

にもかかわらず一部のサッカー記者の間違った主張に引きずられたのか、ブラジルW杯以後JFAによる日本代表の強化方針にブレが見られるようになり、それがアジア最弱レベルのカンボジア相手に試合終了間際まで相手のオウンゴールによる1点しか取れないというような、ハリルジャパンの迷走につながっているように思えます。

ボールを扱う技術や身体能力など「個の能力」面で世界で最も優れた選手を育成し、サッカーは個人競技ではなくチームスポーツなので、チームにも「世界で最も優れた組織戦術」を備えさせ、ボールを自分たちのチームで保持することにより主体的かつ積極的にゲームを進める戦術、つまりパスサッカーであらゆる対戦相手に勝つ。

サッカーチームを強化する上で、これが最も優れた戦略だと思いますし、日本サッカー界が目指すべきものであると当研究所は確信しています。

それに対してカウンターサッカーというのは、世界で最も優れた選手やチーム戦術を準備できなかった弱者が強者に勝つために用いる、一時しのぎの戦術であって、戦術レベルの成功で戦略レベルの失敗をくつがえすことはできないというのは、戦略論の常識でもあります。

当ブログが、「サッカー“戦術”研究所」ではなくて「サッカー
“戦略”研究所」と名乗っているのはそういう意味です。

実際、150年以上あるモダン・サッカーの歴史は、「パスサッカーという戦略の勝利の歴史」だったのです。

世界史上初の代表戦は、キックアンドラッシュのカウンターサッカーを得意とするイングランドと、パスゲームを得意とするスコットランドが激突した1872年のゲームだったと言われています。

それから7年間で両者は16回対戦しましたが、スコットランドの11勝4分1敗という結果に終わったそうです。

スコットランドのサッカースタイルに魅了されたイングランド人、ジミー・ホーガンは「パスサッカーの伝道師」としてオーストリアに招かれ、彼が育てた人材が“ドナウの渦巻き”と呼ばれたパスサッカーをあみだし、オーストリア代表はヨーロッパの強国として台頭します。

ホーガンは次にハンガリーへ渡り、そこでもパスサッカーの種をまき、第二次世界大戦後のハンガリー代表“マジックマジャール”として結実しました。

(伝道師ホーガンは次に、ドイツへ向かうことになります)

当時画期的だったポジションチェンジによる流動的なパスサッカーで無敵の強さを誇ったハンガリーは、聖地ウエンブリーでイングランドを6対3で破り、世界に衝撃を与えました。

(その後ハンガリー人ベラ・グッドマンがブラジルへ渡ってパスサッカーを指導、1970年W杯にかけてのブラジル代表の黄金時代の始まりに)

オーストリア・ハンガリー流のパスサッカーは、エルンスト・ハッペルによってオランダに持ち込まれ、その後リヌス・ミケルスによって“トータル・フットボール”という画期的な戦術が生み出されることになります。

ヨハン・クライフを主軸とするアヤックスは、1971年からチャンピオンズカップ(現チャンピオンズリーグ)三連覇を達成し、ミケルスとクライフがFCバルセロナへ移籍することで、オランダ流のパスサッカーがスペイン・カタルーニャへと移植されました。

選手から指導者となったクライフは92年、バルサの監督としてクラブに初となるチャンピオンズカップをもたらし、2000年代前半から、ライカールト・グアルディオラ両監督のもとでバルサは黄金時代を迎え、シャビやイニエスタらバルサの選手を主力とするスペイン代表も、ユーロ2008・2010W杯・ユーロ2012で次々と優勝トロフィーを掲げてみせます。

グアルディオラ監督はバイエルン・ミュンヘンへ移籍してブンデスリーガにバルサ流のパスサッカーを持ち込んで圧倒的に支配、バイエルンの選手を要所に配したドイツ代表は、2014年W杯で優勝を果たしました。

これが現在に至るまでのサッカーの歴史です。

 これに対してカウンターサッカーをメイン戦術とするチームは成功が長続きせず、一発屋の傾向が強いですね。

1950年のW杯決勝で“マラカナンの悲劇”を起こしたウルグアイは、もう60年以上世界の頂点に立っていませんし、“カテナチオ”で有名なインテルミラノも1960年代半ば以後、国際的にほとんど成功できていません。モウリーニョ監督による成功も短期間に終わりました。

時代錯誤的なマンマーク・ディフェンスでユーロ2004を優勝したギリシャ代表も、それ以来鳴かず飛ばず。

カウンターサッカーを独自に進化させた戦術で一世を風靡したクロップ監督のドルトムントでしたが、相手に研究されて引かれてしまうと“ゲーゲンプレス”も機能しなくなってしまいました。

どちらかと言えば守備的なスタイルを取るモウリーニョ監督のチェルシーも、バルサを中心にパスサッカーが獲得してきた成功と比べると見劣りがします。

このようにサッカーの歴史は、自分たちのチームでボールを保持することで攻撃を創造するパスサッカー戦術の勝利の歴史であって、カウンターサッカーは、勇気をもって積極的に前へ出て攻めるパスサッカー戦術という太陽に照らされることでしか輝けない月のような存在なのです。

「二手三手先を考えてサッカーをするということ」の記事で、パスサッカーは「強者のための戦術」あるいは「強者になりたい者のための戦術」であると言いましたが、私はサッカーの世界史を踏まえ、日本代表やJリーグクラブに世界の強者になってもらいたいから、パスサッカーを日本のメイン戦術にするべきであるという、ブレのない一貫した哲学を提唱しているのです。

Jクラブや学生チームで、カウンターサッカーをメインにやるところがあっても良いと思いますが、そのチームがどういうサッカースタイルを採用するかで、どういうタイプの選手が多く生まれてくるかが決まります。

パスサッカーをやれば、敵選手に囲まれた狭いスペースでもボールを失わない、高い技術を持った選手が数多く育ちやすいですし、ロングボールを放り込むカウンターサッカーをやれば、フィジカルコンタクトに強い反面、細かい足技が苦手な選手が多く育ってくる可能性が高いです。

実際、バルサはカンテラからトップチームまで同じサッカースタイルを取っているので、メッシやシャビのようなタイプの選手が生まれてくるのです。

選手育成の観点からも前者の方が優れていると考えますし、JFAの指導のもと、クラブや学校など多くの育成組織で子供たちの発達段階に応じて、基本からパスサッカー戦術を教えるようにしておけば、彼らが成長して代表選手として招集されても、短時間の練習で高いレベルのパスサッカーがすぐできるようになります。

もちろん、バルサ式のパスサッカーをそのままコピーしたようなチームをつくる必要はありません。

パスサッカーという戦術の普遍的な基本を踏まえつつ、日本人の特徴にあった独自のパスサッカーを試行錯誤して、粘り強くつくりあげていくべきです。

この連載記事はそのために書いたつもりです。

ただ、日本人選手に世界最高の「個の能力」を獲得させたり、代表チームに「世界最高の組織戦術」を備えさせるまでには、まだまだ時間がかかりますので、一時しのぎとして現実的な妥協策を取らなければならないときも出てくるでしょう。

それでも「やり続けなければ決して上手くなれず、途中で止めてしまうとレベルが下がる一方」というパスサッカー戦術の本質を決して忘れることなく、自分たちと互角か格下相手には、パスサッカーをメイン戦術にして勝利を目指し、自分たちより格上の相手や、互角以下の相手でもピッチ内の状況によってはカウンターサッカーで攻めるといった具合に、適切に戦術を使い分けるべきだと思います。

しかし、日本のサッカーがメイン戦術として据えるべきなのはパスサッカーであり、カウンターサッカーはあくまでも一時しのぎなのであって、その逆をやろうとしてもうまくいかない理由については、これまでさんざん解説してきたとおりですし、そうなりかけているからこそ、ハリルジャパンはシンガポールやカンボジア相手に苦戦しているのです。

つづく



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■より高度なパスサッカー(その3)

 読者の皆様、新年あけましておめでとうございます。本年が日本サッカーにとって良い年となることを祈っております。

さて「年末スペシャル」と銘打って開始した今回の特集記事ですが、自分の仕事が超多忙な年末に、連載ものを始めるのは無謀だと、記事をつくっている途中で気づきました。(苦笑) 日本サッ○ー協会とか、どっかのプロクラブが戦術担当の相談役として雇ってくれるなら執筆に専念できるんですが。 それは冗談としても、一度宣言した以上は必ずやりとげるのが当研究所のポリシーですので、もうしばらくお付き合いください。

        ☆        ☆        ☆

 前回は、たとえ一人ひとりの選手がポジションチェンジを行っても、フォーメーションのバランスを維持しながらパスをつなぎ、攻撃をすることの重要性を見ていきました。

今回は、パスサッカーの「攻撃の最終ステージ」において使われる、相手の守備を崩してゴールを奪うための組織戦術をいくつか見ていきます。

<攻撃の最終ステージ>

 シンガポールやカンボジアといった、さほどレベルが高いとは言えない相手からゴールを奪うのに四苦八苦しているハリルジャパンのどこに問題があるのかと言えば、攻撃の選手がみんな同じタイミングで、同じ動きをひたすらワンパターンで繰り返しているからです。(下図)

図1
ワンパターン
(クリックで拡大 以下同様)

みんなが一斉に味方のボール保持者に向かって手を挙げ、浮き球のパスを相手DFラインのウラへ落とすよう要求するのですが、それが守備側にミエミエで日本代表がどういう攻撃をやろうとしているのか予測が極めて容易になっています。

しかも、あまりにも早すぎるタイミングでDFラインのウラヘ走りこもうとするので、相手DFはウラを取られないよう警戒してラインを下げる結果、ウラのスペースがますます狭くなり、浮き球のパスを出しても前進してきたGKに簡単にキャッチされてしまうか、味方がボールに追いつけず、そのままゴールラインを割ってしまうかのどちらかになっています。

前回記事でも指摘しましたが、バイタルエリアの一つのスペースに多くの味方がひしめきあっているので、フリーでプレーするためのスペースを自らつぶしてしまっていますし、選手配置のバランスもまったく取れていません。

トップ下の香川選手がCFに非常に近い位置にいたり、宇佐美・本田の左右ウイングが中へ中へとポジショニングするケースが多く、それが攻撃が上手くいかない大きな要因となっています。

左右のウイングはもっとピッチを幅広く使う必要がありますし、バイタルエリアでポジショニングする場合は、図の紫の星で示したところにパスの基点をつくって攻撃して欲しいのです。

ブラジルW杯のギリシャ戦が典型的な例ですが、もともとザックジャパン時代からこういうまずい攻撃をやってしまうケースはあったのですが、ハリルジャパンになってから症状が悪化してきています。

その原因はハリルジャパンがやっている「タテに速いサッカー」にあり、日本代表の選手が「タテに速いサッカー」=「浮き球のパスをDFラインのウラで受けるサッカー」と思い込んでいるため、それをワンパターンで繰り返してシンガポールやカンボジアレベルの相手に苦戦しています。

シンガポール・レベルからさえゴールを奪えないようであれば、W杯でギリシャのような欧州の中堅クラスにガッチリ守られたときに、もっとゴールを奪うのが難しくなります。

 それでは、攻撃の最終ステージにおける適切なポジショニングの取り方を解説していきます。(下図)

図2
バランス良い

相手DFが、こちらの3トップが自由にプレーできないよう密着マークしてきたとき、何の疑問も持たずに一緒に並んで立ち止まっているようではプロ失格。 

3トップは相手のマークから逃げるようにあえてゴールから遠ざかり、青丸か紫の星で示したポジショニングを取り続けることが重要です。相手が密着マークするためにさらにDFラインを押し上げてきたら、そこからさらにポジショニングを下げて、あえてゴールから遠ざかります。

相手も背後に広いスペースを空けてそこを使われるのが嫌なので、いつかはDFラインを押し上げるのをやめますが、その瞬間こちらの3トップはバイタルエリアでフリーになれます。しかもそうすることによって相手DFラインのウラが広くなり、ウラのスペースが広くなればなるほどオフサイドにならずに、相手GKに邪魔されずにパスを受けやすくなるのです。(ココ極めて重要)

「パスサッカーの基本編」で「ゴールできる確率が一番高い攻撃の形は、オフサイドにならずに味方の選手とボールを相手DFラインのウラへ送り込み、GKと一対一になることです」と言ったことを良く思い出してください。

あえて3トップがゴールから遠ざかることで、相手がDFラインを押し上げるように仕向けたのは、そういう形をつくりやすくするためです。

相手DFラインをペナルティエリアのラインから5m上げさせるだけでも、ゴールが奪えるかそうでないかの大きな違いが出てきます。それは後でわかります。

ゴールが欲しくて欲しくて焦るあまり、相手ゴールに近い方へ近い方へとポジショニングする日本人プレーヤーが大変多いのですが、それが逆にゴールから遠ざかってしまう原因なのだということに早く気づいてほしいですね。

そして3トップがバイタルエリアにポジショニングして、そこを基点にパスを出せるような態勢を整えておけば、守備側はDFラインの前後どちらのスペースを使って攻めてくるのか予測が困難になり、一層ウラヘの飛び出しが効果的にできるようになるのです。

また前回記事で指摘した、左右のウイングがピッチを横に広く使うことで攻撃に幅をもたらし、フォーメーションや選手配置のバランスを取っている点、そして一つのスペースでプレーできる選手は原則として一人であり、あえてバイタルエリアに味方が誰もいないスペースを残している点も極めて重要です。これもあとあと効いてきます。

 それではパスサッカーで相手の守備をどう崩しゴールを奪うか、その例をいくつか見ていきましょう。(下図)

図3
攻撃1

ハリルジャパンは、味方のボール保持者の前に敵選手が立ちふさがっているタイミングで、3トップが一斉にウラへ走りこむので、ボール保持者も浮き球のロングボールをワンパターンで放り込むしかなくなっています。それが攻撃が単調で効果的でない最大の理由であり、当研究所が「ウラヘ走りこむタイミングが早すぎる」と口を酸っぱくして言っていることの意味です。

そうではなくて、例えばトップ下の香川選手がバイタルエリアで味方からパスを受けるかドリブルでバイタルエリアに侵入し、3トップへグラウンダーのパスを通せる“道”が見えた瞬間が、DFラインのウラヘダイアゴナルランを始める最適のタイミングなのです。そうすることによって、相手にとって予測困難な多彩な攻撃が可能となります。

例えば図中の(1)、右ウイングが相手バックラインの一番外側からウラヘ向かってダイアゴナルランし、トップ下がそこへスルーパスを出して、ゴールを決めさせます。バルサも非常に良く使う形で、相手の左サイドバックにとって、ボール保持者のMFと自分の背後でダイアゴナルランする右ウイングを同時に視界に入れることができないため、防ぐのが非常に難しいプレーです。こういう攻めの形をつくれる日本人選手がほとんどいないのがとても残念。

(2)こちらの左ウイングが相手の右サイドバックの前からウラヘ向かってダイアゴナルランし、トップ下はそこへスルーパスを狙います。左ウイングがピッチ中央方向へ切れ込んだので、左サイドバックがオーバーラップをかけてスルーパスを受けることを狙い、攻撃に幅をつくっていることに注意。

(3)トップ下がバイタルエリア中央のスペースへボールを持って侵入してきたので、CFがそこから押し出されるようにウラヘ向かってランし、スルーパスを受けてゴールを決めます。「一つのスペースでプレーする選手は一人」という基本原則を守っているプレーとも言えます。岡崎選手、ウラヘ向かってランするベストタイミングはこれです。

スルーパスを出すとき、相手DFラインの5m後ろでボールスピードが弱まるようにパスすると、GKが前へ出てきてキャッチするより先に、味方がボールを受けてシュートできる確率が高まります。 ここで図2で示したように相手DFラインをペナルティエリアのラインより5m上げさせたことが大きな意味を持ってきます。


図4
攻撃2

右ウイングがバイタルエリア右のスペースへドリブルでカットイン、もしくはそのスペースでトップ下からパスを受けた瞬間が、残りの選手がウラヘダイアゴナルランを開始するタイミングです。攻撃の選手が一か所に密集せずバイタルエリア右のスペースをわざと空けておいたことで、右ウイングがそこで基点をつくってスルーパスを出すことができました。右ウイングがピッチ中央へカットインしたことで失われたフォーメーションのバランスは、右サイドバックがオーバーラップすることで保たれています。

ゴール前のスペースを自分たちでつぶさないように、あえて少ない人数で攻撃をかけていますが、その分一人ひとりの選手がしっかりと効果的に動かなくてはいけません。足を止めてボールホルダーを見ているだけの選手は世界で勝者になれませんし、日本代表にも必要ありません。

図5
攻撃3

図4で、右ウイングがオーバーラップした右サイドバックへ出したスルーパスが長すぎて、パスを受けたもののシュートするための角度がなかったため、右SBがクロスに切り替えた場面です。

サイドを突破されたことで、相手チームはDFラインをペナルティエリアの中まで下げざるを得なくなりますが、その瞬間DFラインの前に当研究所が「クロスの道」と呼ぶ、一本の道のようなスペースが空くことがしばしばあります。

空中戦に強いスアレスが加入してから少し変わってきましたが、メッシやイニエスタ・シャビなど背の高くない選手が多いバルサは浮き球のクロスはあまり使わず、この「クロスの道」のど真ん中にグラウンダーのパスを通してMFにシュートを狙わせることを、サイド攻撃の重要な戦術の一つとしています。

もちろん、相手DFラインとGKの間にスペースが十分あれば、そこへグラウンダーのクロスを通して、3トップの誰かがゴールへプッシュするというプレーも有効です。


ここからは、レベルをワンランクあげた攻撃戦術です。

図6
攻撃4

相手チームがコンパクトな守備ブロックをつくっているとき、相手のサイドハーフの前あたりから、MFラインとDFラインの二つのラインを同時にブチ抜く「ツーラインパス」を出し、相手のウラヘダイアゴナルランするウイングにボールを受けさせてシュートを決めるというものです。

守備側は、ボール保持者であるトップ下から一番近くにいる左ウイングへのパス(図中の(1))を予測したその裏をかくスルーパスですが、バイタルエリア中央からCFが出て行ってあえてスペースを空けておいたことで、そこにスルーパスを通すことを可能にしています。

バイタルエリア中央で攻撃の選手が密集していればいいというわけではないという例の一つですね。

バルサではイニエスタが得意としているプレーで、香川選手もTVインタビューでこのプレーを狙っていると語っていましたが、浮き球のパスではあまり効果的とは言えません。パスの受け手が直接シュートを打てる可能性が高くなるグラウンダーのスルーパスの方が何倍も価値があります。

イニエスタみたいにグラウンダーでビシッと、MFとDFの二つのラインを同時にブチ抜くスルーパスを正確に出せるようになれば、香川選手もバルサから声がかかるかもしれません。


図7
攻撃5


 次は、DFラインの前でワンツーを使って相手を崩す戦術です。

(1)トップ下が、バイタルエリア左のスペースに侵入した左ウイングへパス。

(2)パスを出したトップ下はバイタルエリア中央のスペースへ走り込み、左ウイングからのリターンパスを受けます。

(3)リターンパスを受けたトップ下は、相手DFラインの前からミドルシュートし、ゴールを決めます。

これも、あえてバイタルエリア中央のスペースを空けておき、「一つのスペースでプレーする選手は一人」という基本を守っていたからこそ成功するプレーです。

香川選手もゴールという結果が欲しいのでしょう、CFと一緒にずっとバイタルエリア中央に居ることが多いのですが、それでは3トップに質の高いパスを供給するトップ下の役目を果たす選手がいなくなり、チームがフォーメーションのバランスを失って攻撃が機能しなくなるばかりか、香川選手自身も逆に得点から遠ざかることになります。

そうなってしまうと、香川選手のような技術のあるプレーヤーをトップ下に置いておく意味がありません。

この戦術のように、ここぞという時にだけバイタルエリアに侵入して、スルーパスを出したりシュートを打つといった仕事をやり、それ以外はバイタルエリアのスペースをあえて空けておくことも必要です。


図8
攻撃6

つづいて、DFラインのウラでパスを受けるワンツーを使って相手を崩す戦術です。

(1)バイタルエリア左のスペースへ左ウイングが侵入し、トップ下からパスを受けます。

(2)パスを受けた左ウイングはバイタルエリア中央のスペースにいるセンターフォワードへパスし、DFラインのウラヘランします。

(3)オフサイドに気をつけながらCFからのリターンパスを受けた左ウイングは、GKの位置を良く見てシュート、ゴールを決めます。

これも「一つのスペースでプレーする選手は一人」という基本を守っているからこそスペースを有効活用でき、それによって相手を崩してゴールを奪うことに成功しています。

この戦術のように、CFがDFラインの前のスペースでゴールにつながる決定的なアシストができると、相手DFもそれを警戒してタイトにCFをマークするためにラインを押し上げざるを得なくなり、その結果ウラのスペースが広くなって、CFがウラヘ抜けてパスを受けシュートするプレーがやりやすくなるのです。

いつも相手のDFラインと一直線に並んで、ウラヘウラヘウラヘのマンネリでは、CFが相手DFを惑わしてゴールを奪うことはできません。レスターシティでゴール不足に悩んでいる選手にも、早くそれに気づいて欲しいですね。


図9
攻撃7

相手チームの守備ブロックが崩れ、MFのラインがDFラインに吸収されて一直線になり、ゴール前が敵味方の選手で密集状態になってしまうケースもあります。そういう場合は無理にスルーパスやワンツーを成功させようとはせず、良くコントロールされたミドルシュートでシンプルにゴールを狙った方が得策です。

バルサでもこういうシチュエーションではミドルを打ってゴールを決めるケースが多いように思います。

守備側が、DFとMFで二つのラインをつくり守備ブロックを形成する理由は、バイタルエリアのスペースをなるべく狭くして、正確なミドルシュートを打たれないようにするためです。

ですから、相手のブロックのつくり方がまずくて、守備側の選手がゴール前で一直線になっているような状況では、遠慮なくミドルシュートを打つべきです。


<グラウンダーのパスと浮き球のパスの使い分け>

パスサッカーの基本編からここまでグラウンダーのパスを使うことの重要性を何度も強調してきましたが、浮き球のパスを絶対に使ってはいけないということではありません。それにもちゃんとした使い道があります。

つまる

パスサッカーは基本的に、グラウンダーのパスを選手の足元でつないで攻撃を組み立てていくことになりますが、そればかりやっていると相手からプレスをかけられて、相手の守備ブロックがどんどんコンパクトになっていき、バイタルエリアのスペースが非常に狭くなってしまうこともあります。(上図)

相手が自陣にベタ引きでウラのスペースが初めから狭くなっている場合は使えませんが、相手がDFラインを高く保っている場合に、グラウンダーのパスをつなぎすぎて相手の守備ブロックがコンパクトになりすぎていると感じたら、相手DFラインの背後ヘ浮き球のロングボールを放り込んで、ウラヘ抜け出した3トップにそれを狙わせると、ウラを取られたくない相手DFがバックラインを下げることでバイタルエリアが再び広く空いてきます。そこで再び、相手DFラインより前でグラウンダーのパスを中心に攻撃を組み立て、これまで述べてきたような戦術で相手の守備を崩すわけです。(下図)

広げる

バルサもたまにこれをやりますが、圧倒的にグラウンダーのパスをつなぐ割合が多いからこそ「浮き球のロングによる奇襲攻撃」が効くのであって、ハリルジャパンみたいに、いつも浮き球のロングボールをウラへウラヘウラヘとやっても、相手に初めから読まれていてぜんぜんウラをかくことができません。

パスサッカーをやる場合は、グラウンダーのパスが70%で浮き球のパス30%ぐらいが、1試合における適切な割合でしょうか。

日本人選手は、浮き球のロングとなったらそればっかり、足元の細かいパスとなったらそればっかりになってしまう傾向がありますが、相手の守備ブロックがどれだけコンパクトになっているか、相手DFラインのウラのスペースが狭いのか広いのかを、視野を広く持って常に確認しておき、それを基に、今はグラウンダーのパスで攻撃を組み立てるべきときなのか、それとも浮き球のパスで奇襲をかけるべきかを判断して、パスを目的ごとに適切に使い分けることができるように、優れた戦術眼を養ってほしいです。

 浮き球のパスに関してもう一つ、図8で示したようなワンツーでDFラインを抜きたい場合、どうしてもグラウンダーのパスが出せない状況であれば、相手DFの頭を越してその背後にボールがポトリと落ちるようなチップキックの浮き球のパスで、ワンツーを完成させるというやり方も有効だと思います。グラウンダーのパスが通せるならその方がベターなのは言うまでもありませんが。

 以上、相手の守備組織を崩してゴールを奪うための、パスサッカーの攻撃戦術について見てきました。

これ以上のレベルとなると、メッシやネイマールクラスの個人技がないと厳しいかなと思うんですが、これまで解説してきた戦術はサッカーの基本スキルを組み合わせたものばかりで、日本人選手でも練習すれば実戦で十分使えるはずです。

私が監督なら、大学生チームにでもお願いして4-4の守備ブロックを自陣にベタ引きにしてもらい、前述の戦術でそれをひたすら崩してゴールを奪う練習を自分のチームにやらせます。

逆に、この程度の基本的な戦術さえこなせないようなら、W杯で上位を狙うのは難しいんじゃないでしょうか。

ザックジャパンも、パスサッカーのこのレベルの攻撃戦術さえ常にできるというわけではありませんでした。ザックジャパンはパス(ポゼッション)サッカーという戦術のせいで負けたのではありません。パスサッカーの質が悪かったから負けたのです。


つづく



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