■2015年11月

■二手三手先を考えてサッカーをするということ(その2)

 前回はカウンターサッカーとパスサッカー、それぞれの戦術の長所・短所を見ていきました。

それをしっかりと押さえた上で、現在の日本代表はピッチ内の状況に応じてちゃんと戦術を使い分けることができているのか、二手三手先を考えたサッカーができているのかという点について、検証していきます。

 ハリルホジッチ監督は、タテに速いカウンターサッカーを日本代表に導入しようとしていますので、その場合に起こりうる試合展開をフローチャートにしてみましょう。

この3パターンの戦術の使い分けは、あとでもう一度触れますので、良く覚えておいてください。

1.カウンターサッカーを選択→前へ出てきた相手の手薄な守備をついて先制ゴールをゲット→リードを保ったまま勝利→GOOD!

2.カウンターサッカーを選択→引き分け狙いの相手が最初からベタ引き→カウンター攻撃のためのスペースがない →パスサッカーで崩す必要性が出てきた→それに備えて普段からパスサッカーのトレーニングをしておいた→パスサッカーに戦術をスムーズに切り替えられた→ゴールをゲット→リードを保ったまま勝利→GOOD!

3.カウンターサッカーを選択→格上の相手が前に出て攻めてきたが先制されてしまった→相手がリードを守るために自陣に引き、そこから厳しいプレスをかけてきた→カウンター攻撃のためのスペースがない→パスサッカーで崩す必要性が出てきた→それに備えて普段からパスサッカーのトレーニングをしておいた→パスサッカーに戦術を切り替えて同点に追いつく→相手が再び前へ出てきたところでカウンター戦術に切り替えて逆転ゴールをゲット→リードを保ったまま勝利→GOOD!

これが「二手三手先を考えたサッカー」だと当研究所は考えます。

ここで特に重要なポイントとなるのは、相手に引かれると機能しづらいというカウンターサッカーの短所と、常に実戦やトレーニングでやり続けないとレベルが落ちてしまうというパスサッカー(ポゼッションサッカー)の短所をしっかり押さえておき、それに対して普段から準備を怠らないというところです。

ところが現実のハリルジャパンは、

・カウンターサッカーを選択→引き分け狙いの相手が最初からベタ引き→カウンター攻撃のためのスペースがない→パスサッカーで崩す必要性が出てきた→カウンターサッカーが機能しない状況があることを想定していなかった→これまでロングボールを多用するカウンターサッカーしかやってこなかったので、久しぶりにやったらパスサッカーの連動性が落ちていた→引いた相手を崩せない→シンガポールやカンボジアに大苦戦
→NO GOOD!

こうなっているわけです。

日本サッカー協会は、ザックジャパンのパスサッカーにハリルホジッチさんのカウンター戦術を上乗せしたいと考えているのでしょうが、カウンターサッカーとパスサッカーの長所・短所が良く理解できていないために、カウンターサッカーを上手く使いこなせず、これまでアジア諸国に差をつける重要な武器となっていたパスサッカーという日本代表のストロングポイントまで手放そうとしています。

だからシンガポールやカンボジアのような「格下」のはずだった相手に、苦戦するのです。

ブラジルW杯の直後、日本サッカー界では「ポゼッションサッカーのせいで日本は負けた」という的外れの議論が巻き起こり、「カウンターサッカーこそ正義」みたいな主張が幅をきかせていましたが、そのツケが回ってきたのが、引き分けとなったシンガポールとのゲームであり辛勝となった先日のカンボジア戦でした。

当研究所は、「パスサッカー」と「カウンターサッカー」を状況に応じて適切に使い分けるべきであり、どちらが正解でどちらが間違ってるということではないとずっと主張してきました。

ただ、カウンターサッカーが機能しなかったからといってパスサッカーに切り替えようとしても、パスサッカーは選手同士のコンビネーションと連動性が命ですから、普段からパスサッカーのトレーニングを継続的にやり、レベルを維持しておかないと、いざ実戦で使おうとしても機能しないというのは、これまで何度も述べた通りです。

「ハリルホジッチ監督のカウンターサッカーが上手くいかなかったら、ザックジャパン時代のポゼッションサッカーに戻せばいいじゃないか」という人がいますが、そういう人は長所と短所も含めてパスサッカーという戦術の何たるかを、まったく理解できていません。パスサッカーのことをナメてさえいると思います。

大切なことなので繰り返しますが、パスサッカーをやっていたチームにカウンター戦術を教えるのはそれほど時間と手間はかかりませんが、カウンターサッカーばかりやっていたチームに、実戦で機能するレベルのパスサッカーを教えるのには、それなりの時間と手間がかかるのです。

しかも代表チームはクラブと違い、トレーニングや実戦の時間が限られているということはわかりきっており、いくつもの戦術を同時に選手に教え込んでいるヒマはありません。

普段からパスサッカーのレベルを保ち、あるいは向上させていけば、日本代表にカウンター戦術を仕込むのに、2018年ロシアW杯の1年ぐらい前から取りかかっても十分間に合います。

しかしロングボールを多用したカウンターサッカーを日本代表のベース戦術にし、10月に行われたイランとのテストマッチみたいに、それが機能しなかったからといって、あわててパスサッカーに切り替えても手遅れになってしまう可能性が高いです。

ハリルホジッチ監督は、アジア2次予選は選手選考のために使うみたいな悠長なことを言っていますが、アジア最終予選でも自陣に引いてカウンターを狙ってくる中東諸国と数多く対戦することが予想されます。

アジア最終予選が始まってからとはいわず、遅くとも来年初めからパスサッカーのトレーニングを開始してテストマッチやアジア2次予選等で連動性をあげておかないと、中東勢に引かれた時にアジア最終予選が苦戦の連続となりかねません。

だから二手三手先を読んで、日本代表はパスサッカーを主たる戦術としてトレーニングと実戦を積み、状況に応じてカウンター戦術を選択すべきである、カウンター攻撃をやる場合でも浮き球のロングボールを多用するのではなく、ボールを奪い返したら攻撃の選手3~4人が連動してグラウンダーのパスをつないで攻撃する、「コレクティブ・カウンターアタック」を使うべきだと、当研究所はこれまでずっと主張してきたのです。

相手選手の間をグラウンダーのパスで崩していく「コレクティブ・カウンター」の延長線上に「パスサッカー」があるため、コレクティブ・カウンターをやることで、パスサッカーに求められる選手同士の連動性もある程度保たれますし、ボールを奪い返してから一つ一つのプレーに速く的確な判断が求められるコレクティブ・カウンターで選手が鍛えられると、パスサッカーのレベルもアップするという相乗効果が得られます。

コレクティブ・カウンターはグラウンダーのパスを主体に攻めるため、フィジカルコンタクトや空中戦にあまり強いとはいえない日本人選手に向いている戦術とも言えます。

以上が、日本代表はパスサッカーを主たる戦術としてトレーニングと実戦を積み重ね、状況に応じてコレクティブ・カウンター戦術を選択すべきであると当研究所が考える理由ですが、その使い分けをマスターできれば、前述のカウンターサッカーのところで述べた3パターンの戦術の使い分け以外にもこういう戦い方ができるようになります。

4.パスサッカーを選択→先制ゴールをゲット→リードを保ったまま勝利→GOOD!

5.パスサッカーを選択→先制ゴールをゲット→相手の反撃で防戦一方となり苦しい状況→コレクティブ・カウンター戦術に変更→手薄になった相手の守備をついて追加点をゲット→相手は精神的ダメージを受け攻勢が弱まる→リードを保ったまま勝利→GOOD!

6.パスサッカーを選択→相手の方が実力が上で押し込まれてしまった→パスサッカーをやりたいがそれができない→コレクティブ・カウンター戦術に変更→手薄になった相手の守備をついて先制ゴールをゲット→リードを保ったまま勝利→GOOD!

ブラジルW杯のコートジボアール戦で5の戦い方ができていたら、日本代表の成績も大きく変わっていたんじゃないでしょうか。

これこそが「二手三手先を考えたサッカー」であると当研究所は考えます。

ロシアW杯で良い成績を残すためにも、ピッチ上の状況に応じて、こうした戦い方を適切に使い分けることができるような戦術眼を、日本代表の選手全員に是非とも養ってもらいたいと考えています。

自分たちと互角か格下相手にはパスサッカーをベース戦術として、つまり4や5の戦い方を想定して試合に臨み、自分たちより格上の相手に対しては、1や3の戦い方を想定して試合に臨めば、本番になって大慌てしなくても済みます。

(2と6は、試合前に相手の実力を正しく評価できていなかったことを意味しますので、スカウティングさえしっかりしていれば、2ではなく4で、6ではなく1や3の試合展開になることを想定して最初から戦えば問題ないでしょう)

それでもW杯の本大会まで、基本的に自分たちより格下か、互角の相手との対戦が続くこともありますし、パスサッカーを日本代表のベース戦術にすべきであるというのは再度念押ししておきます。

 ところで「W杯の本大会ではシンガポールやカンボジアみたいにベタ引きで来る相手はいないのだから、日本が彼らに苦戦したことを気にする必要はない。アジアと世界は別」という人がいるようですが、それは違います。

弱いチームが自陣にベッタリ引いてスペースをできるだけ少なくするという守り方は、日本と互角か格上の相手が、コンパクトな守備ブロックから厳しく的確なプレスをかけることで、日本の選手がプレーするためのスペースと時間を消すのと同じ効果があります。

よって自陣に引いた弱いチームをいかに崩してゴールを奪うかというところに、パスサッカーの基本が詰まっているのであり、パスサッカーの基本ができていない者に、応用問題を解くことはできません。

前述のパターン2でゴールを奪えないようでは、パターン3ではなおさらゴールするのは難しいということです。

具体例をあげれば、ブラジルW杯で初戦を落とした日本がギリシャには絶対に勝たなければいけなかったのに、一人少なくなって自陣にべったり引いたギリシャを最後まで崩すことができず、それがグループリーグ敗退につながる一つの要因となりました。

あのときは、ギリシャのボランチの前にいる日本のボールホルダーを誰もサポートせず、相手のバックラインと一直線になった3トップ全員が手をあげてウラヘのボールを要求するという、みんなが一斉に同じ動きをワンパターンで繰り返していたから、決勝Tへ行くためのゴールが奪えなかったのです。

当ブログ過去記事・日本代表、ギリシャを攻めきれず

そうした過ちを、日本代表がカンボジア戦の後半でも繰り返しているのを見たとき、負けて選手が泣きじゃくったあのブラジルW杯のつらい経験はいったい何だったのかと思わずにはいられませんでした。

ブラジルW杯における日本のサッカーを「ポゼッションサッカー」なんて呼んだら、「一緒にすんな」とカタルーニャの人たちに怒られてしまいますし、「ハリルホジッチ監督のカウンターサッカーが上手くいかなかったら、ザックジャパン時代のポゼッションサッカーに戻せばいいじゃないか」という、パスサッカー(ポゼッションサッカー)をナメているとしか思えない発言も日本サッカー界から聞こえてきますので、日本式ポゼッションサッカーのどこがダメだったのか、パスサッカーの基礎から日本代表をみっちり叩きなおすための記事を書きたいと思います。

解説図がたくさん必要になりますので、来月気が向いたときにアップするようにします。


当ブログ関連記事・ポゼッションサッカー悪玉論は間違い

(当ブログ関連記事・ポゼッションサッカー悪玉論は間違い(その2))



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■二手三手先を考えてサッカーをするということ(その1)

 今年3月・4月のテストマッチで2連勝を飾ったハリルジャパンのカウンターサッカーを国内メディアが絶賛し、日本代表のボールポゼッション率が50%を切ったことをまるで「正義」のように書きたてていた頃、当研究所はこう警鐘を鳴らしていました。

今メディアはハリルジャパンのカウンターサッカーをもろ手を挙げて絶賛していますが、いずれそれが相手に研究されて、日本のカウンターを防ぐために自陣深く引いてスペースを消し、逆カウンターを狙ってくるチームが現れることでしょう。

相手が「強豪の日本からは勝ち点1取れればOK」と判断して前へ出てこなければ、ハリルジャパンが相手をワナにはめるために引いてカウンターのチャンスをうかがっても試合時間がどんどんすぎるだけで、日本は0-0のドローゲームが増えていくだけになると思います。

そういう場合は、守備ブロックをつくって自陣で構えている相手からゴールを奪う戦術が必要になります。

もちろんハリルホジッチ監督も、そうした状況におかれた場合の解決策を用意しているでしょうが、相手をティキタカで崩すパスサッカーは一つの選択肢となります

ポゼッションサッカー悪玉論は間違い(その2) 

 

その予言は、わずか2か月後のW杯アジア予選(日本0-0シンガポール)で早くも現実のものとなりました。

 今から8か月前に、どうして現在のハリルジャパンの苦境を正確に予測できたのかと言えば、これまでたくさんのゲームを見てきた自分の経験からです。

W杯や各大陸ごとの予選、アジアカップ・ユーロ・コパアメリカ・アフリカNC・北中米ゴールドカップ、欧州各国リーグにチャンピオンズリーグと様々なレベルの試合を、これまで20年以上にわたって数多く見てきました。

どっちのチームが勝った・負けただけじゃなく、ポゼッション対ポゼッション、ポゼッション対カウンター、カウンター対カウンターといったぐあいに、両チームがどういう戦術で戦って、それがどういう結果をもたらしたのかということにも着目して見ていました。

そうした経験を積み重ねていくと、戦術ごとの長所・短所や得意とするシチュエーション・苦手とするシチュエーションというものが、だんだんとわかってきます。

☆カウンターサッカーの長所

・自分たちより強い相手に対しても使える戦術であること。

・攻撃時に使うスペースは前に出てきた相手チームが用意してくれるので、狭いスペースでもパスをつないでいくために求められる足元の技術力・空間認知力をあまり必要とせず、弱者でも使える戦術であること。

・選手に戦術をマスターさせる上で、あまり時間と手間がかからない。

★カウンターサッカーの短所

・手薄になった相手の守備をついてゴールを狙う戦術のため、相手に自陣に引かれてスペースが無くなると、とたんに機能しづらくなる。相手が最初から引き分け狙いでベタ引きに守ってきたり、自分たちより格上のチームに先制されて引かれてしまうと、打つ手がなくなってしまう。

・浮き球のロングボールを多用するカウンターサッカーばかりやっていると、狭いスペースでもパスをつないでいけるような足元の高い技術や空間認知力をもった選手が育たず、選手同士の連動性も低下するので、パスサッカーをするための組織力が養われない。

・浮き球のロングボールを多用するカウンターサッカーは、自分たちよりフィジカルコンタクトや空中戦に強い相手には機能しづらい。

これは好みの問題ですけど、守っている時間が長く、攻撃も単調で面白くない、エンターテインメント性に欠けるところをカウンターサッカーの短所としてあげるサポーターもいるのではないでしょうか。

上記二番目の短所ともつながってくる話ですが、たとえカウンターサッカーで成功しても、「試合に勝った」という記録だけは残りますが、優秀な選手などそれ以外の財産がその国なりチームなりに残りにくく、カウンターサッカーで成功したチームは、「一発屋」の傾向が強くて、覇権が長続きしないというのも事実だと思います。

ユーロ2004で優勝したギリシャがその典型ですし、5バックでカウンターサッカーをやっていたオランダはブラジルW杯で3位となったものの、それが原因で優秀な若手選手が育たず、ロッベン・スナイデル・ファンペルシーに続く世代への交代に失敗したことがユーロ2016予選で敗退した原因なんじゃないでしょうか。

 では次にパスサッカー(ポゼッションサッカー)です。

☆パスサッカーの長所

・相手に引かれようが、逆に前に出てこようが自分たち次第でいくらでも機能させられる能動的な戦術であること。

・攻撃時に自分たちから積極的に動いてスペースをつくりだす必要があり、敵選手に囲まれた狭いスペースでもパスをつないでいくために足元の技術力や空間認知力が求められるので、継続してやり続けることで高い能力を備えた選手が養われる「強者のための戦術」あるいは「強者になりたい者のための戦術」であること。

・グラウンダーのパスを中心に攻めるので、たとえ選手の身長が低くフィジカルコンタクトが苦手であっても、それが不利にならない。

★パスサッカーの短所

・敵選手に囲まれた狭いスペースでパスを正確につなぐには選手同士のコンビネーションや連動性が必須であるため、それなりのレベルのパスサッカーをやるには、ある程度の時間と手間をかけたトレーニングが必要。しばらくやらないと連動性が落ちるため、パスサッカーのレベルを一定に保つためにもトレーニングや実戦で使い続けることが必要。

・相手のパスサッカーの方がレベルが上であった場合、相手にボールをポゼッションされ自陣に押し込まれることで、こちらがやりたくてもできなくなる。そういった意味でも「強者のための戦術」であるということ。

・リスクマネジメントをしっかりやっておかないと、相手のカウンター攻撃から失点する可能性がある。(これはカウンターサッカーをやる場合でも言えることですが)

もっと細かく見ればいろいろあると思いますが、2つの戦術の長所と短所をざっとあげるとこうなります。

監督さんなりサッカー協会あるいはクラブの幹部が、自分のチームにどういった戦術でサッカーをやらせるのかを考える場合、 最低限こうしたことを押さえておかないと、あとで痛い目にあうことになります。

ある戦術には必ず長所と短所があり、ピッチ上の状況によって機能しやすい場合とそうでない場合とがあります。

ですから一つ目の戦術が機能しなかったときに備えて、つねに別の戦術をいくつか用意しておかなければなりません。

それが「二手三手先を考えてサッカーをやる」ということです。

たった一つの戦術しか準備しておかず、それが行き詰ったのを見て初めてベンチが大慌てをするようでは、世界を勝ち抜いていくことなんてできません。

 カウンターサッカーとパスサッカー、それぞれの戦術の長所・短所をしっかりと押さえたところで、

「じゃあ今の日本代表はピッチ内の状況に応じて、適切に戦術を使い分けることができているのか?」

「ちゃんと二手三手先を考えて、サッカーをやっているのか?」

というところを見ていきましょう。

次回につづく



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■日本代表、またしてもカンボジアに苦戦(その2)

 前回のつづき

 守備面に関しては相手を格下と見て油断しているのか、組織で守るというところがほとんど見られず、選手個々でバラバラに対応していた感じでしたが、2人いっぺんに敵のボールホルダーに飛び込んで抜かれそうになったりと、相変わらずバタバタしていますね。

1人が相手にチャージにいったら、もう1人はその後方にポジショニングして、味方のファーストアタックで相手がバランスを崩したところで、後ろの選手がボールを奪うといった、守備のグループ戦術の基礎が全然できていないと思います。

監督さんは、いつまでこういう状況を放置するのでしょうか。

        ☆        ☆        ☆

 選手個々で特筆すべき活躍だったのは、まず柏木選手。
オウンゴールを誘発した、相手の嫌らしいところへ蹴ったFKが良かったですし、あれでチームが一気に楽になりました。後半カンボジアの足が止まったことにも助けられはしましたが、後方からパスで攻撃を組み立て、バックと攻撃の選手とのボールのつなぎ役になっていたのも良い働きでしたね。ただ、後半の後半はPKをゲットしたことに味を占めたのかロングパスの比率が多くなりすぎ、プレーが雑でやや大味になってしまったでしょうか。
シンガポール戦の前半も“レジスタ”としての彼の働きでパスがスムーズにつながり、2ゴールをあげることができたわけですが、直前の試合のキープレーヤーをチームづくりの「継続性」を無視して次の試合のスタメンから外し、攻撃面におけるチーム組織を壊してしまったのは、監督さんの采配ミスだと思います。

本田選手は試合の終盤センターフォワードに入り、ヘッドからほぼ試合を決定づけるゴールを決めてくれました。やはり彼が機能するプレーエリアはサイドではなくピッチ中央・ペナルティエリアの横幅の内側でしょうし、適材適所のポジションを考えるなら、センターフォワードか香川選手と横に並べてトップ下にするか、攻撃的なボランチ・レジスタあたりが適任じゃないでしょうか。

藤春選手は正確なクロスから本田選手をナイスアシスト。前半には惜しいシュートもありました。ただ前回記事で述べたように、上がりのタイミングが早すぎるなどポジショニング面で勉強すべきところも。守備面でも味方のカバーリングなどで危なっかしいポジショニングを取る場面が散見されます。

南野選手は出場時間が短かったものの動きにキレがあり、ゴール前での良いポジショニング取りから、惜しいシュートも放ちました。もっと長い時間見たいと思わせてくれるプレーぶりでした。
ザルツブルグでの彼のプレーを見ていて感じることは、「このプレーは世界の誰にも負けない」「自分はこれを武器にして欧州四大リーグでメシを食っていくんだ」というものを見極めて、それを一生懸命みがいていくことが大切ではないかということです。
FWとしてシュートもチャンスメークもポストプレーも何でもソツなくこなそうとして、これといった特徴がないプレーヤーになりつつあるバーゼルの柿谷選手に、誰かそのことを早く教えてあげて欲しいです。

 逆に岡崎選手は、PKを外したことは仕方ないですし、自分からキッカーを志願した勇気は買います。
しかしワンタッチで味方にパスをつなぐプレーは不正確で、センターフォワードとしてほとんど相手に脅威を与えることはできませんでした。クラブで長い時間ゲームに出ていないことで、試合勘が鈍っているのかもしれません。

遠藤&山口選手は、攻撃の組み立てにおいて力不足を露呈。前回記事で述べたようにチームがサイドから攻撃したくても、ボランチが味方のサイドバック・サイドハーフと適切な距離を保ってトライアングルをつくり、パスをつないで攻撃を組み立てていくことができなかったことが、この試合の前半に攻撃が機能しなかった原因の一つとなりました。東アジアカップでサイドバックとして堅実な守備を見せていた遠藤選手は、代表での苦いボランチ・デビューとなってしまいましたが、これを糧として今後の成長に期待します。

香川選手も、ボールにたくさん触らないと調子が出ないという割には、トップ下として味方からパスを引き出す動きが足りていません。前回記事で述べたように、味方のサイドバック・サイドハーフあるいはボランチと適切な距離を保ってトライアングルをつくり、攻撃を組み立てていくべきでした。また、パスばかりでシュートへの意識も足りなかったと思います。テヘランでのアフガニスタン戦で見せてくれたミドルシュートはワールドクラスのプレーでしたが、どうしてあれを継続していかないのでしょうか。

前回指摘したように、宇佐美選手はゴールを焦っているのか、早すぎるタイミングで相手バックのウラヘ動きだし、相手バックを下げさせることでウラのスペースをかえって狭めてしまい、さらに中央へ中央へと流れていくので、左サイドで攻撃に幅をつくることもできなくなってしまいました。春先に比べドリブルやシュートにもキレがなく、1シーズンを戦いきるのに必要な持久力を養うためのトレーニングをさぼってきたツケが、ここで一気に出ているように見えます。

槙野選手は、ボールを持って攻め上がるのは結構ですが、センターバックから出したパスがミスになり相手のショートカウンターを浴びれば、即失点につながりかねません。センターバックの仕事は何より失点をゼロにおさえることであり、得点力のアピールなどは二の次です。そこを勘違いしないようにしないといけません。

        ☆        ☆        ☆

 カンボジアのホームでシリアが6点差での勝利、シンガポールも4点差をつけて勝っていることを考えれば、 同じ条件で日本が2点差しかつけられなかったのは不満の残る結果でした。試合内容も特に前半が良くなかったと思います。

その原因は、この試合の後半を見れば明らかですが、後方から試合状況を良く見てパスをさばくレジスタとして、バックと攻撃の選手とのつなぎ役になっていたシンガポール戦勝利のキープレーヤー・柏木選手をスタメンから外してしまったことが一番大きかったと思います。

チームづくりをするうえで、「継続性」と「チーム内における競争」という相反する二つの条件をいかにバランスを取って満たしていくのか、そこで監督さんの手腕が問われます。

競争を促すことでチームに良い変化を与えるため、新しい選手を試すことには大いに賛成しますが、スタメンを一挙に8人代えることでチームづくりから「継続性」が完全に失われてしまうと、組織が壊れてしまい、この試合のように攻守にわたってチームが機能しなくなってしまうようなことが起こります。

よって新しい選手を試す場合は、前の試合で悪いパフォーマンスをしていた選手のポジションでやるようにし、これまでチームに良い結果をもたらしてきた、チームづくりの骨格となる選手は残して、「チームの継続性」「チームの良い流れ」を保っていかなければ、良い結果を出し続けることはできないと思います。

もし冒険度の高い選手を試したいのであれば、公式戦のスタメンというプレッシャーがかかる場面でいきなり使うのではなく、主力選手たちがカンボジア相手に4点差5点差つけて完全にチームを安全圏に置いてから、経験の浅い選手をピッチに投入するような配慮が欲しいですね。

今回のワールドカップ予選、なんだかんだ言って大事なところで点を取っているのは、本田・岡崎・香川といったザックジャパン時代の主力選手たちなわけで、監督さんにチャンスをもらっている若い選手たちに、より一層の成長を求めたいです。

代表でもクラブでも、自分が出た試合の映像は繰り返しチェックし、なぜプレーがうまくいかなかったのかその原因を見極めるために、自分のプレーばかりでなく相手チームの動きも良く観察して、同じ失敗を二度と繰り返さず、上手くいったプレーは継続してできるように常に心がけることが、プロのフットボーラーとして成長していくために大切なことだと思います。

 ハリルホジッチ監督が試合後の記者会見で、カンボジアにもっと前に出て攻めて来いと言っていましたが、カンボジアがどういう戦術を選択して戦うかは向こうの勝手ですし、こちらが戦いやすいような戦術で来いと相手に求めるのは、お門違いなんじゃないでしょうか。

ベタ引きの相手からでもゴールを奪ってチームが勝てるように、選手に適切な戦術を授け、そのためのトレーニングをほどこし、選手たちに試合で実行させるのは、高いお給料をもらっている日本代表監督のお仕事です。

守備的なカウンターサッカーをやっていることが、アジアが世界で低い位置にいる原因ともおっしゃっていましたが、日本代表にカウンターサッカーをやらせようとしている監督さんが、そういうこと言っちゃっていいんでしょうかね。

 カウンターサッカーが得意な監督さんが、カウンターサッカーが通用しない相手に手こずり、サッカーという戦いの非情さに少し打ちのめされているようですので、自分たちの一番目の戦術が通用しなかったとき、二手三手先を考えてサッカーをやるというのはどういうことか、次回それをテーマに述べたいと思います。

今度の連休あたりをメドに記事をアップする予定です。

◇    ◇     ◇     ◇     ◇     ◇    ◇

   2015.11.17 ポー ケイラダン キアテ オウラピク
                           (プノンペン)

       カンボジア 0 - 2 日本

                     ソテアロット(O.G.)51'
                     本田 90'


  GK ウム・セレイラット       GK 西川

  DF ピドー・サムオエン      DF 長友
    (ホン・ペン 60)           吉田
     ソイ・ビサル             槙野
     ヌブ・トラ               藤春
     ネン・ソテアロット
     チン・チョウン         MF 山口
                          遠藤
  MF ビン・チャンタチェアリ      (柏木 46)
     クチ・ソクンペアク         原口
     ケオ・ソクペン            香川
    (チャン・ワタナカ 69)       宇佐美  
     ソス・スハナ            (本田 62)

  FW クオン・ラボラビー      FW 岡崎
    (ティト・ディナ 82)        (南野 86)




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■日本代表、またしてもカンボジアに苦戦

 2018年ロシアW杯アジア2次予選、今年最後となるカンボジア代表とのゲームが昨日行われ、日本代表が2-0で勝利しました。

カンボジアはアジア最弱レベルの国のひとつであり、選手全員が国内リーグでプレーしています。

この試合、カンボジアの選手たちから「一生に一度できるかどうかのプレーをしてやる」という気迫がひしひしと感じられ、そこは大変素晴らしかったのですが、それでもテクニック等の差を考えれば日本がホームでもアウエーでも大勝しなければいけない相手でした。

わずか2点差で日本の勝利という結果は不満の残るものでしたし、試合内容も良くなかったと思います。

        ☆        ☆        ☆

 この試合、日本が苦戦した原因ですが、まず監督さんの選手起用ミスが第一でしょう。

サッカーはチームスポーツであり、前の試合から8人もメンバーを変えてしまえば、組織やコンビネーションが壊れてしまって、全く別のチームになってしまうというのは良くあることです。 

チームづくりをしていく上で、「継続性」と「チーム内における競争」という二つの面でどうバランスを取っていくか、それが死活的に重要なのは言うまでもありません。

新しい選手を使って失敗するのを恐れ、各ポジションを特定の選手で固定しすぎれば、つねにスタメンという「指定席」を与えられた選手は、その地位にあぐらをかいて努力を怠るようになったり、そうでなくても年齢が高くなるにつれ選手個々の衰えがチーム全体の戦闘力低下につながっていくことになりますし、彼らの後継者も育ちません。どんなにがんばってもゲームにでられない控え選手は腐っていき、不満分子となってチーム内でゴタゴタの原因になることもしばしばです。

よって、新しい選手を試すことで「チーム内における競争」を常にうながしていくことは絶対に必要なのですが、この試合みたいに、チームづくりをしていくうえでの「継続性」を無視し、スタメンを大量に入れ替えたりすると、こんどは選手間のコンビネーションが完全に壊れてしまい、攻守にわたってチームが機能しなくなってしまいます。

「継続性」と「チーム内における競争」のバランスを取っていく上で大切なのは、チームづくりの骨格となるべき良い働きをしている選手は残し、悪いパフォーマンスをした選手は代えるという当たり前と言えば当たり前のことです。

特に若い選手は、良い意味で調子に乗らせると目覚ましい成長スピードを見せることがあり、継続的に得意なポジションで使ってやることで良い意味で調子に乗せてやり、 監督が調子に乗っている若手選手の流れをぶった切るような使い方をしないことがきわめて重要です。

そうした観点から言えば、最悪だったイラン戦から選手を代えて、シンガポール戦はチームの調子が上向いてきました。

チームづくりの「継続性」を重視するなら、先制点をあげた金崎選手がケガで使えなかったのは仕方ないとしても、2アシストを記録した武藤選手や、後方から攻撃の組み立てに参加してこれからの活躍に期待を持たせてくれた柏木選手はシンガポール戦勝利のカギとなったプレーヤーであり、彼らをバッサリ代えたのは不可解としか言いようがありません。

 では具体的に、カンボジア戦で攻撃がなぜうまくいかなかったのか、戦術上の問題点を指摘しますと、カンボジアは引いて守りを固め、ウラのスペースがないという「タテに速いカウンターサッカー」をやるには難しい状況であり、選手たちが「パスサッカー」という戦術で主に攻撃を仕掛けたのは、正しい選択だったと思います。

しかしそのパスサッカーのクオリティに、またしても問題ありです。

シンガポール戦では、サイドを崩してからのクロスボールを武藤選手が味方に落とし、2ゴールをあげたわけですが、カンボジアは5バックでサイドもケアしてきました。

こちらのサイドハーフ(SH)にパスが渡り、サイドバック(SB)がオーバーラップを仕掛けても、カンボジアのバックと2対2の状況となって数的優位をつくれなかったことが、相手をなかなか崩せなかった一つの原因となりました。

そこで、ボランチやトップ下がパスを受けるためにボールサイドにもっと寄り、SHやSBと適切な距離でトライアングルをつくってパスをつないでいけば、攻撃をうまく組み立てられたと思うんですが、シンガポール戦でも指摘したように、ゴールを焦る日本の選手が早すぎるタイミングで前へ前へと行きたがる悪いクセがまったく治っていません。

相手の5バックの前にできるスペースに、センターフォワード・SH・トップ下にボランチ・SBまでが侵入してしまい、バイタルエリアは味方と敵の選手で大渋滞。

これではゴール前のスペースを自分たちでつぶしてしまっています。

また、相手がゴール前を固めていて、プレーするためのスペースも時間も少ない場合、味方がパスを受けてから次のプレーをどうするか考えていたのでは遅いです。

パスの出し手と受け手以外の「第三のプレーヤー」が、どういうプレーで相手を崩すべきか、パスの受け手とアイデアをシンクロさせて、必要であればパスの受け手がボールを受ける前に、三番目の選手が動き出しを始めなければいけません。

例えば前半8分の場面(下図 注:図では前半24分となっていますが間違いです。無視してください)

キャプチャ1
(クリックで拡大)

サイドで藤春選手がパスを受けますが、5バックの前のスペースに山口選手までが入り込み、香川選手がプレーするスペースをつぶしてしまっているうえ、画像では見えていませんが、近くに宇佐美選手もいてバイタルエリアが大混雑。

みんなが早すぎるタイミングで前へ前へと急ぎ過ぎるんです。

この局面では、山口選手が藤春選手をナナメ後方でサポートし、香川選手がもっと藤春選手の方へ寄ってやることで、藤春ー山口ー香川のトライアングルをつくってパスをつなぎ、香川選手がバイタルエリアでパスを受けて前を向くのと同時ぐらいに、宇佐美・岡崎両選手が相手のウラヘダイアゴナルランを始める「第三の動き」をすると、攻撃はもっとスムーズになります。

次に前半9分の場面(下図 注:図では前半25分となっていますが無視してください))

キャプチャ1
(クリックで拡大)

相手のボランチの前まで下がって香川選手がパスを受けた場面ですが、藤春選手が前へ行くタイミングが早すぎて、香川選手からグラウンダーのパスをもらいにくい位置にいますし、香川選手の前に相手が立ちふさがっていて前方へのパスが困難なのに、宇佐美選手はもうウラへの動き出しを始めていますが、これも早すぎます。

岡崎選手も香川選手をまったくサポートできないところにいて、香川選手が何とかするのを見ているだけです。これでは相手は崩せません。

まず藤春選手が香川選手からグラウンダーのパスをもらえるところまで下がってサポートし、宇佐美選手もやはりグラウンダーのパスをもらえる香川選手の左ナナメ前方(白丸の地点)まで一旦下がり、半身になってそこで待ちます。

そして香川ー藤春ー宇佐美のトライアングルをつくってパスをつなぎ、パスを受けた宇佐美選手がボールを持って前を向くのと同時ぐらいに、岡崎選手が相手のウラヘダイアゴナルランしたり、藤春選手が宇佐美選手の外側を追い越すようにオーバーラップしたところへスルーパスをすると、相手をスムーズに崩せると思います。

ダメ押しで前半15分の場面。(下図 注:図では前半31分となっていますが無視してください))

キャプチャ1
(クリックで拡大)

藤春選手にパスが入った場面ですが、香川選手は藤春選手から後ずさりしてだんだんと遠ざかっていき、宇佐美選手は中央へ流れて、早すぎるタイミングでウラヘ抜け出そうと動いています。

ボールを持っている藤春選手が孤立させられているかわりに、ゴール前中央は香川・宇佐美・岡崎選手らで大渋滞。
宇佐美選手がピッチ中央へ流れたことで左SH役がいなくなってしまい、攻撃に幅をつくることもできていません。

香川選手が藤春選手にもっと近づいてサポートしてやり、さらに画像には見えていませんが、ボランチの一人が藤春選手のナナメ後方にポジショニングして、藤春ーボランチー香川のトライアングルをつくってパスをつなぎます。

香川選手にパスが入りバイタルエリアでフリーで前を向くのと同時ぐらいに、岡崎選手がダイアゴナルランしてウラヘ抜け出したり、宇佐美選手が相手の右SBの外側からゴール方向のウラヘ向かってダイアゴナルランすれば、相手を崩せるのではないでしょうか。

上の画像の宇佐美選手のように、相手のバックラインと一直線に並び、そこからウラヘ走りこもうとすると、パスの出し手とのちょっとしたタイミングのズレでオフサイドになりやすいですし、助走が取れない分スピードに乗ったランもできません。

しかし味方の選手がフリーでボールを持ち、相手のボランチとボランチにはさまれたスペースやバックの前のスペースで前方を向いた瞬間に、相手バックラインの数m前の地点からウラヘ向かってダイアゴナルランすれば、パスの受け手はスピードに乗ってダイアゴナルランできますし、オフサイドにならないように走るスピードを調節することもできます。その分パスの出し手もスルーパスを出すタイミングが合わせやすいです。

早すぎるタイミングでこちらの3トップが前へ前へと行かずに、相手のバックラインをなるべく高く保つように仕向けることで、相手の4バックなり5バックを自分のゴール方向へ走らせながら、そのウラヘダイアゴナルランする味方へスルーパスを出すという、守備側が守りにくい絶好の攻撃の形をつくることができるのです。

 自陣に引いてフィールドプレーヤー8~9人で守備をがっちり固める相手を崩すには、トライアングルをつくってパスをつなぎサイドを崩してからクロス、ゴール前の味方がシュートできずに相手にクリアされたら、ペナルティアーク付近でそれを拾ってミドルシュート、

それでも跳ね返されたら、再びサイドへ展開してセンタリング、クリアボールをゴール前で拾ってワンツーやスルーパスで中央突破を狙うか、再度ミドルシュート狙うといった感じでゴールできるまで、決して焦らず根気よく攻め続けるしかありません。

そうした意味で、この試合の日本代表にミドルシュートが少なすぎたのも問題でした。

守備の分析と選手個々の評価は次回としましょう。



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■日本代表、シンガポールに3-0の勝利(その2)

前回のつづき

 選手個々で特筆すべき活躍だったのは、まず先制ゴールをあげた金崎選手。
武藤選手からのボールを胸で落とし、押さえの効いたシュートをゴール右に突き刺して、のどから手が出るほど欲しかった先制点をゲット。パスを受けてからシュートに至るまでの流れるような一連の動きは大変見事だったのですが、後半は相手バックラインと一直線に並び、ゴールに背を向けて足を止め、味方のボールホルダーを見ているだけのシーンが多かったのは問題です。
常に相手DFのマークから逃げるようにバイタルエリアのスペースへポジショニングした上で半身で構え、味方のボール保持者がフリーで前を向いたら、バックラインの背後へダイアゴナルランするといった、相手DFとの駆け引きの仕方をもっと覚えなくてはいけません。

本田選手は、武藤選手が落としたボールに「ゴールへの嗅覚」鋭く飛び込んで貴重な追加点をあげました。
右サイドでのパス回しにもしばしば顔を出し、相手を崩すことに成功しましたが、このレベルの相手でも個の力で右サイドをタテに突破することができていないので、アジア最終予選やW杯本大会でもっとレベルの高い相手と当ることを考えると不安がぬぐえません。本田選手の適切なポジションはセンターフォワード・トップ下もしくはボランチあたりではないでしょうか。

ややラッキーゴールでしたが、吉田選手は宇佐美選手のシュートのコースを変え、ダメ押しの3点目をゲットしました。
試合の前半バックラインでパスを回している時、パスやトラップが乱れボールが足についていない感じでしたが、もっと自信を持って落ち着いてプレーして欲しいです。

武藤選手は、本田選手からのクロスをヘッドで正確に落として先制点をアシストし、相手選手と競り合いながら味方からのボールを本田選手の前へ残して2アシストの活躍。
武藤選手も金崎選手と同様、相手の4バックと一直線に並び、ゴールに背を向けて立ち止まっていたのでは、相手を崩せません。
相手バックの前のスペースでフリーになり、そこでパスを受けてチャンスメークしたり、バックラインの背後へダイアゴナルランして、味方からのスルーパスを受けるようなシーンをどんどんつくっていくなど、相手DFとの駆け引きの面で勉強すべきところは多いです。

 逆に柏木&清武選手は、前半に良いパスの組み立てから相手を崩した場面がいくつかあったのですが、後半は効果的なパスの配球ができず、日本の攻撃が停滞して相手に攻め込まれる一因に。
柏木選手は、DF陣がパス回しをしている時に、もっとグラウンダーのパスを受けられる位置にひんぱんに顔を出して欲しいですし、パスを受けたら次にどういったプレーを選択するのか、考える時間をもっと短く(2秒以内に)すべき。意味のないバックパスもまだまだ多いです。 
2人のボランチのうち、長谷部選手より柏木選手の方がやや前へ出てプレーしていましたが、清武選手も柏木選手がいるあたりまで一旦下がり、そこでボールを受ける回数を増やしても良かったと思います。それによって3トップが相手のバックとボランチの間のスペースまで下がってくれば、トップ下との距離を適切に保ったまま、3トップがスピードに乗って相手バックのウラヘダイアゴナルランすることができるようになります。
叱咤激励の意味をこめてあえて辛口評価としましたが、セットプレーのキッカーとしては2人とも良かったと思います。

酒井宏樹選手は、高徳選手よりも守備面でやや上回っていますが、クロスの精度に同じような問題を抱えています。キックするとき力みすぎているのでしょうが、味方が全然いないゴールラインぎりぎりのところへクロスしても、ノーチャンスです。

西川選手は前半に1度、ゴールエリア右へ飛び出したものの、敵・味方の選手に阻まれてボールに触れなかったことがありました。やはりGKがゴールを空けるという決断をしたら、最低でもボールに触らないといけません。

        ☆        ☆        ☆

 アウエーでの戦いとなったシンガポール戦は、3点差をつけての勝利という結果は良かったですし、試合内容も改善が見られました。 

これまでピッチ内の状況に関係なく、無理矢理「タテに速いサッカー」をやろうとして低調な内容に終始していた日本代表ですが、この試合は選手たちが正しい状況判断をもとに適切な戦術を選択できたので、良い結果を得ることができましたし、試合内容の方も改善が見られました。

シンガポールがベタ引きでスペースがないことを見た日本が、パスサッカーで相手を崩して3ゴールをあげられたことは良かったと思いますが、パスサッカーのクオリティそのものには、まだまだ改善すべき点が少なくありません。何度も練習や実戦を積み重ねて、組織を熟成させる必要があります。

パスサッカーは、パスの出し手と受け手のコンビネーションが極めて重要であり、パッと集まれば高度なパスサッカーがすぐできるようになるというわけではありません。

「タテに速いサッカーがダメだったら、ザックジャパン時代のパスサッカーに戻ればいいじゃないか」という人もいますが、そんな単純な話ではないのです。

これまで何度も指摘したように、パスサッカーをやっていたチームに「タテに速いサッカー」をやらせるのは簡単ですが、アバウトなロングボールを放り込む攻撃ばかりをしていたチームに、緻密なパスサッカーをやらせるのは容易なことではありません。

ホームで0-0で引き分けた相手に勝ったことで、マスメディアは「快勝」と報じていますが、日本代表に求められるサッカーのレベルがずいぶんと低くなったものですね。

ホームでドローという結果が異常だっただけで、本来はホームでもアウエーでも問題なく勝たなければいけないレベルの相手ですし、今後このレベルの相手とは、W杯の本大会はおろかアジア最終予選でさえ当たることはまずありません。

プレス守備のレベルでいえば、シンガポールよりイラン代表の方が格段に高いものでしたし、この試合の後半の出来では、イランレベルの相手に先制され、引き気味にしたコンパクトな守備ブロックから厳しくプレスをかけられた場合、日本が相手を崩してゴールを奪うのは容易なことではないでしょう。

通常の3倍速い赤いヤツではありませんが、サッカーの戦いも非情です。こちらの一つ目の戦術が上手くいかなかったときに備え、いつも二手三手先を考えてやらなければなりません。

◇    ◇     ◇     ◇     ◇     ◇    ◇

    2015.11.12 シンガポール・ナショナルスタジアム

       シンガポール 0 - 3 日本

                       金崎 20'
                       本田 26'
                       吉田 87'


    GK イズワン         GK 西川

    DF シャキル         DF 酒井宏
       バイハッキ           吉田
       マドゥ              森重
       ナズルール          長友

    MF シャフィク        MF 長谷部
       ハフィズ            柏木
       ハリス             本田
       サフワン           (原口 83)
      (ズルファミ 90+).      清武
       ファリス           (香川 75)
      (ジェームズ 80)       武藤
                       (宇佐美 65)
    FW ファズルール
      (サヒル 46)       FW 金崎





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■日本代表、シンガポールに3-0の勝利

 ロシアW杯アジア2次予選、シンガポール代表とのゲームが昨日行われ、日本代表が3-0で勝利しました。

シンガポール代表は、マレーシアと国内のリーグでプレーする選手で構成されたチーム。ホームでもアウエーでも日本が勝利しなければいけない相手という評価は、今年6月に埼玉で引き分けた時と変わっていません。

その意味において、日本が相手のホームで3点差をつけて勝利したという結果については良かったです。

試合内容の方は、最悪だったイラン戦より改善が見られたことは収穫でしたが、課題はまだまだ残されています。

        ☆        ☆        ☆

 「選手たちがピッチ内の状況に応じて、適切な戦術を選択し実行できるかどうか」が、日本代表のゲーム内容を見るうえで一番重要なポイントだと当研究所は考えていました。

この試合のシンガポールは、ホームゲームにもかかわらず自陣にベタ引きで、相手DFラインの背後にほとんどスペースがない状況でした。

つまり「タテに速いサッカー」をやるには困難な状況だったわけですが、日本の選手たちがそうした状況を正しく認識し、パスサッカー(ポゼッションサッカー)という戦術を主体に攻撃して、3ゴールをあげられたことは良かったですね。

 ただ、パスサッカーそのもののクオリティーには、改善すべきところが多かったのも事実です。

前半は各選手とも球離れが早く、まずまずの内容だったのですが、後半は悪い時の「日本式ポゼッションサッカー」に逆戻り。

相手からボールを奪い返しても、どこへパスを出すかさんざん迷い、まずバックパスから入るノロノロ攻撃で、なかなか中盤で有効な攻撃を組み立てることができませんでした。

バックラインでボールを回している時に、もっとボランチやトップ下がグラウンダーのパスを受けられるスペースに顔を出し、パスを受けたボランチとトップ下やサイドの選手とでトライアングルをつくり、素早くパスをつないで前進していかなければなりません。

シンガポールのプレスによってパスコースとなるトライアングルの一辺が切られたときに、パスの受け手が数mポジショニングを修正するというわずかな労を惜しんだがために、パスがつながらなくなるのです。

 また、こちらの3トップが相手のバックラインと一直線に並び、ゴールに背を向けて足を止め、味方のボール保持者を見ているという悪いクセが、なかなか治りませんね。(下図)

悪い例
(クリックで拡大 注:使い回しの図なので選手名は無視してください)

こちらの3トップに相手のバックが押し上げて密着マークしてきたら、それから逃げるように相手バックラインの前のスペースへポジショニングし、それでも相手バックがついてきたら、さらに相手バックラインの前のスペースへポジショニングして、ゴールを背にするのではなく半身になって味方からのパスに備えます。

FWの選手はゴールから遠ざかると不安になるのかもしれませんが、あえてこうすることにより、相手バックラインのウラのスペースが広くなって、そこへ3トップがダイアゴナルランして味方からのスルーパスを受けやすくなるのです。(下図)

悪い例
(クリックで拡大 注:使い回しの図なので選手名は無視してください)

もし相手バックラインの前のスペースへポジショニングするこちらの3トップに、相手のバックが密着マークしてこないのであれば、そこで半身になって味方からのパスに備え、バイタルエリアでフリーでボールを持って前を向いたら、バックのウラヘダイアゴナルランする別の味方にスルーパスを出せば良いわけで、日本の攻撃の選手は、相手DFとのこうした駆け引きの面で経験が足りません。

FWがゴールを焦るあまり、早すぎるタイミングで前へ前へと行きたがり、こちらの3トップが最初から相手のバックラインと一直線になる位置にポジショニングしてしまうと、相手DFもウラを取られたくないので後ろへ後ろへと下がり、結局自分たちでウラに走りこむためのスペースを狭めてしまっているのです。

ここに早く気づかないといけません。

 この試合、ミドルシュートにチャレンジしていたのは評価しますが、シュートの精度が悪すぎます。

日本の選手は「早くシュートを打ちたい」と焦るあまり、腰から先にボールを蹴りにいくため、上半身が後ろに取り残されることで上体がのけぞってしまい、顔が上を向いてシュートがクロスバーのはるか上を超えていくか、当たり損ないの弱々しいシュートがゴールの左右どちらかに大きく外れていくパターンが多いです。

シュートを打つ時は、GKの位置を確認してゴールの枠内の左右どちらかに蹴るか狙いを定めたら、ボールの真上に自分の頭を持ってくるようなイメージで蹴ると自然と上体がかぶり、押さえの効いた力強い正確なシュートが打てるようになります。

シュートを打つモーションが終わるよりも相手DFの寄せのほうが早いと途中で気づいた時は、シュートを蹴るフリをしたその足で、相手DFの動きの逆をつくようにボールを動かしてからシュートするとか、さほど強いキックが必要ないときは、素早い動作で打つことができ相手にも読まれにくいトゥーキックでシュートするといった、心の余裕や冷静な判断力があると、もっといいですね。

ともかく、日本の選手は正しいフォームでシュートを打つということに精神を集中してほしいです。

 ヘディングシュートも同様で、日本の選手のへディングシュートはことごとくバーの上を超えていっています。ヘディングシュートもクロスバーより低く、できればボールを地面に叩きつける感じでやることを常に意識して欲しいです。

 パスやクロスに関しても、自分の1m前にいる相手選手にボールをぶつけてしまうケースが多すぎます。「タテに速い攻撃」というのを意識しすぎているのでしょうが、ミスになってしまうのでは意味がありません。

パスやクロスを出す前に、自分の目の前にいる敵選手の位置を確認するぐらいの時間はかけて良いと思います。

 守備に関しては、後半日本の攻撃が機能しなくなり、試合の流れがシンガポールに行ってしまったことで攻め込まれ、あわや失点かというシーンが1~2度ありましたが、日本の選手たちが攻めることばかり考えていて戻りが遅くなり、陣形が間延びしたことは問題です。

たとえ相手が格下であったとしても、相手が攻める時間帯はしっかりコンパクトな守備ブロックをつくり、危なげない安定した守備を見せて欲しいです。

 選手個々の評価は次回としましょう。



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■シンガポール・カンボジアとのゲームに臨む日本代表メンバー

 ロシアW杯アジア2次予選、アウエーのシンガポール戦とカンボジア戦のために召集された日本代表メンバーが発表されました。


 GK 西川 周作 (浦和)
    東口 順昭 (G大阪)
    林  彰洋 (鳥栖)

 DF 吉田 麻也 (サウサンプトン:イングランド)
    槙野 智章 (浦和)
    森重 真人 (F東京)
    長友 佑都 (インテルミラノ:イタリア)
    酒井 宏樹 (ハノーファー:ドイツ)
    丸山 祐市 (F東京)
    藤春 廣輝 (G大阪)

 MF 香川 真司 (ドルトムント:ドイツ)
    清武 弘嗣 (ハノーファー:ドイツ)
    長谷部 誠 (フランクフルト:ドイツ)
    山口  蛍 (C大阪)
    遠藤  航 (湘南)
    柏木 陽介 (浦和)

 FW 本田 圭佑 (ACミラン:イタリア)
    岡崎 慎司 (レスター:イングランド)
    武藤 嘉紀 (マインツ:ドイツ)
    宇佐美 貴史(G大阪)
    原口 元気 (ヘルタ・ベルリン:ドイツ)
    南野 拓実 (ザルツブルク:オーストリア)
    金崎 夢生 (鹿島)

 今回召集されたメンバーで個人的に注目しているのは、FC東京のセンターバック丸山選手です。

日本代表センターバック陣の層の薄さ、若手の伸び悩みをずっと指摘してきましたが、決して年齢的に若いとは言えないものの、丸山選手には国際試合で通用するセンターバックになってもらい、代表チームがかかえる長年の課題解消のために貢献してほしいです。

ところで先月のイラン戦後の報道を見て驚いたんですが、ハリルジャパンの代表メンバー選考方法は、まず代表スタッフが何十人かの日本人選手を大まかにピックアップして、そこからハリルホジッチ監督が最終的に23人のメンバーを絞り込むというやりかたをとっているそうですね。

もしこれが事実ならば、問題が多いんじゃないでしょうか。

監督ひとりで内外でプレーするすべての日本人選手をチェックするのが難しいのはわかりますが、どこに重きを置いて代表選手を選ぶのか、あくまでも現在の力量か、それともW杯がある3年後までの伸びしろや年齢による衰えも考慮に含めるのか、チーム構成をベテランと中堅・若手でどうバランスを取りスムーズな世代交代を図っていくかとか、本当にいろいろあるわけで、サッカー関係者が100人いれば100通りのサッカー観があるように、代表スタッフ各人とハリルホジッチ監督の「良い選手」の基準が必ずしも完全に一致するわけではありません。

ですから、代表スタッフによる1次選考で切り捨てられた選手が実はハリルホジッチ監督が高く評価するタイプだったりする可能性もあるわけで、その選手が呼ばれずに本来なら監督が呼ぶようなタイプではない選手を選んで日本代表の成績がはかばかしくなかった場合、それでも結果責任はすべて監督が背負うわけですから、フランスに同じ意味のことわざがあるかどうか知りませんが、「他人のフンドシで相撲をとって試合に負ける」ことほど、馬鹿馬鹿しいことはありません。

ハリルジャパンがロシアW杯開幕時に30歳オーバーのDFばかりを招集して、世代交代や長期的なチームづくりの戦略をまったく考えていないように見えるのは、実は監督ではなく代表スタッフに原因があるのかもしれないとも思うのですが、日本代表監督に就任した直後ならともかく、なるべく選手選考はハリルホジッチ監督が自分自身の目で見て決めるべきではないでしょうか。

「良い選手」を見抜く能力も監督の力量のうちだと思います。

DF以外では、湘南の遠藤選手がケガから復帰し、Jリーグで好調の金崎選手は久しぶりの代表選出です。かわりに常連だった柴崎選手の名前が見えません。

 シンガポール・カンボジアとのアウエー2連戦は、勝ち点6がMUSTです。

こんどはシンガポールのホームゲームですから、ホームの大歓声に後押しされてシンガポールが埼玉での試合より多少攻撃に出てくる回数が増えるかもしれませんから、相手がこうくると決めつけてそれが外れたときに慌てるよりは、どういう試合状況になっても臨機応変に対応できるような心構えをしておくことが重要だというのは、シリアとのゲームと同じです。

カンボジアとのゲームは久しぶりに人工芝での試合となりますが、ザックジャパン時代のアジア3次予選において北朝鮮とのアウエー戦でやって以来となります。

あの時は、すでに日本が最終予選への出場を決めたあとの消化試合で、メンバーも多少落として臨んだこともあり、日本がゲームを落としてしまったのですが、キムイルソン・スタジアムの慣れない人工芝ピッチに日本の選手がトラップミスを連発し、そのことが試合結果に影響したことは否めないと思います。

北朝鮮の選手はさすがにホームスタジアムのピッチのクセが良くわかっていて、グラウンダーのパスを出すときにボールを絶対にバウンドさせないよう、上から足でボールを押さえつける感じでパスを出していたのですが、日本の選手は普通にキックしていたために、ボールのトントントンという小刻みなバウンドが最後まで止まらないという天然芝ピッチではありえない現象に、トラップミス・パスミスが続出したことを思い出します。

カンボジアのホームスタジアムの人工芝の状況がどうなのかわかりませんが、ボールのバウンドのしかたなどを練習時に入念にチェックしてい置いた方が良いでしょう。



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