■2015年09月

■日本代表、アフガニスタンに大勝も...(その2)

 前回のつづき

 特筆すべき活躍をした選手は、まず香川選手。バイタルエリアでのキレのあるターン、相手DFとGKの間に一瞬空いたシュートコースに叩き込んだ正確なミドル、どれも素晴らしいプレーでした。 多くの日本人選手が弱気になってパスを選択してしまうような角度のないところから、サイドネットにシュートを突き刺した2ゴール目も良かったですね。 後半もバイタルで上手くターンしてからの絶妙のスルーパスでチームの4点目をお膳立てし、文句なしのマンオブザマッチの活躍。

森重選手は、一度は相手にシュートを防がれたものの良くゴール前へつめてチームの2点目をゲット。
しかし攻撃の基点となるべきパスの選択に問題あり。ボランチがマークを外してパスを受けられるような動きをしてくれないことも問題でしたが、相手がベタ引きで背後のスペースが極端に狭くなっているのに、そこへロングボールをポンポン放り込んで味方が追いつけず、ゴールラインを割ってしまうばかりで、試合時間を無駄にしてしまいました。監督からの指示があったのかもしれませんが、自分の頭で判断して適切なパスの選択を。

本田選手は、森重選手のシュートをGKがセーブしてコーナーキックへ逃れようとしたボールをスライディングで生かし、ゴールへつなげる好アシスト。後半には宇佐美選手のパスを相手と交錯しながら押し込んで1ゴール1アシストでチームに貢献。 ただ、左右にポジションチェンジを繰り返していたものの、サイドハーフとしてはやはり機能していません。まだまだ彼の力がチームに必要ですし、失敗が許されるテストマッチで試すなどしてボランチなどへのコンバートを急ぐ必要があるように思います。

岡崎選手は、香川選手から山口選手へのスルーパスにあわせた第3の動きで、チームの4点目を獲得し、本田選手がシュートしたこぼれ球を相手と競りながら押し込む泥臭いゴールでドッペル・パック達成。 ただ今回の代表2連戦での岡崎選手は体が重そうで、得意のヘディングシュートも頭を振りすぎて外してしまうなど、本来の動きではなかったように見えました。 

原口選手は、左サイドハーフとして躍動。サイドを突破してからクロスを入れたり、ドリブルでカットインしてから香川選手の先制ゴールをアシストして周囲の選手とのコンビネーションの良さも見せてくれました。あとはサイドからのクロスの正確性とカットインしてからのゴールが課題ですね。

山口選手は読みの良さで、相手が攻撃の基点となるパスを出そうとするところをことごとくつぶしていきました。攻撃でもバイタルエリアで香川選手を追い越してスルーパスを受け、岡崎選手のゴールをナイスアシスト。
味方のセンターバックがパスの出しどころを探しているのに、相手選手のマークを外そうともせず、一緒になって歩いているのはいけません。昨日のエントリーで述べたようにパスの受け方に工夫を。

 逆に吉田選手は、パスミスから相手にボールを奪われカウンター攻撃を浴びそうになる場面がありました。守備機会の少ない試合だからこそ高い集中力を。

西川選手は、相手の浮き球のパスにかぶりそうになり、危うく片手でキャッチするというシーンがありました。

長谷部選手は、キックオフ直後のボレーシュートなど積極性は買いますが、山口選手と同様、センターバックがパスの出しどころに苦しんでいるのに、自分をマークしている相手にあえて寄っていくような動きをしてしまっていました。無意識でやっているのかもしれませんが、守備時に相手をタイトにマークするのは正解ですが、こちらの攻撃時には逆にマークを外す意識的な動きが必要です。

        ☆        ☆        ☆

 アフガニスタンに6点差をつけての勝利という結果は良かったと思いますが、得失点差争いのことも考えれば、もう何点か上積みしておきたいところでした。

それができずに試合時間を無駄に消費してしまったのは、まだ日本のゲーム内容に課題が残されているということを示しています。

ピッチ内の状況に関係なく、誰かに指示されたことをひたすらやってしまうというのではなく、選手たちが自分たちで適切に状況判断し、それぞれの状況に合った戦術を選択してチームをよりパーフェクトな勝利に導いていく、そういう能力を高めていって欲しいです。

相手がベタ引きでDFラインを限りなく低くく設定しているのに、そのウラヘロングボールを放り込んで味方にボールを受けさせるのは至難の業ですし、そういう状況でタテに速いカウンターサッカーをやるのはまず無理ですから、チーム全体が共通理解を持ち、そうした状況にふさわしい戦術を選択できるようにならないといけません。

監督さんだって、タテに速いサッカーをできない状況で選手が無理矢理それをやって、チームが負けることはぜんぜん望んでいないはずです。

そもそもカウンターサッカーというのは、自分たちより強い相手との試合だったり、互角か格下相手であっても、こちらが攻め込まれて相手の守備が薄くなっている状況で、ボールを奪い返した瞬間にやるものです。

そういう時こそ、ピッチ上の11人全員が「今がカウンターのチャンスだ」という判断を共有して連動し、グラウンダーのパス3~4本でゴールまでもっていけるように、自らの戦術眼を磨いてほしいですね。

自分たちよりレベルの低い相手がベタ引きで来たときは、相手のサイドが空いていればサイドを崩し、それで中央が空いてきたら中央突破といった具合に、これまで日本サッカーが得意としてきた、選手数人が連動するパスサッカーで崩していけば良いと思います。

(日本流の“ポゼッションサッカー”にも問題点はあるのですが、それについては別の機会に)

毎日の練習やレベルの低い相手とのゲームでできないことは、W杯の本番でも絶対にできません。

2018年のロシアで成功を望むなら、カンボジアやアフガニスタン相手のゲームであっても、W杯の本番で当たる相手のレベルを常に想定してプレーしなくてはいけません。

代表は、練習も試合数もかぎられています。3年間なんてほんとにあっという間です。 

◇    ◇     ◇     ◇     ◇     ◇    ◇

     2015.9.8 ワルジシュガー・アザディ(テヘラン)

      アフガニスタン 0 - 6 日本

                    
                      香川 10'
                      森重 35'
                      香川 49'
                      岡崎 57'
                      岡崎 60'
                      本田 74'


     GK アジジ         GK 西川 

     DF アミン          DF 酒井宏
        ダウディ          (宇佐美 70)
        シャリティヤ         吉田
        ハディド           森重
                        長友
     MF ザザイ      
        アルヒル        MF 長谷部
        ハティフィ          (遠藤 81)
       (ダストギル 55)       山口
        Z.アミリ            本田
       (タヒル 88)          香川
                        (武藤 76)  
     FW N.アミリ            原口
        シャイエステ   
        (アマニ 68)     FW 岡崎
         


サッカー ブログランキングへ
↑いつもポチッと応援ありがとうございます。


  

■日本代表、アフガニスタンに大勝も...

 W杯アジア2次予選、日本代表の第3戦目はアフガニスタンとのゲームでしたが、6-0で日本が大勝しました。

シンガポール戦にカンボジア戦と、日本は思わしくない結果が続きましたので、この試合から日本の戦力をワンランク格付けを落として評価しますが、アフガニスタン代表は日本がホームでもアウエーでも勝利できる程度の相手と見ていました。

アフガニスタンの選手たちは、ほとんどがドイツ4~5部でプレーしており、日本もドイツでプレーしている選手が多いので、まるでDFBポカールでブンデスリーガ1部のチームが4部のチームと試合をするような、ちょっと面白い対戦だったと思います。

中立地で日本が6点差の勝利をあげたという結果は良かったものの、シリアも同じ条件でアフガニスタンに6点差をつけて勝利しており、あともう1~2点取っておきたかったというのが正直なところです。

日本のゲーム内容のほうも、前の試合に比べて良くなってきていますが、まだまだ解決すべき課題は少なくありません。

        ☆        ☆        ☆

 日本の攻撃に関して言えば、アフガニスタンがペナルティエリアの横幅の距離で守備ブロックをつくり引いていましたから、両サイドに空いたスペースへの正確なサイドチェンジが有効でした。

特に原口選手がいる左サイドで、サイドチェンジのボールを受けた彼が長友選手と協力しながらドリブルでタテに抜けてクロスしたり、中へカットインしたりして行うチャンスメークが機能していました。

そうしたプレーの流れから香川選手の素晴らしいミドルシュートが決まり、チームがかなり楽になりましたね。

ピッチを広く使った攻撃で相手のMFがサイドへ引きずり出されると、ゴール前中央のバイタルエリアの守備が薄くなり、ミドルを狙うチャンスが増えてきますし、やはり引いた相手には正確なミドルシュートが効果ありです。

このあたりの日本の攻撃は良かったと思います。

 しかし先制してから2点目をあげるまで25分を要し、有効な攻めが続きませんでした。

その原因としては下図のように、長谷部・山口の両ボランチに相手の2トップが厳しくマンマークに来ていたのに、マークをはずすどころか相手FWに引き寄せられるようにくっついて歩いていたからです。

悪いポジショニング
(クリックで拡大)

先制された相手もだんだんサイドをケアするようになり、こちらとしてはグラウンダーのパスをつないで中央から崩したいところでしたが、常に相手のマークがついているボランチがパス回しにほとんど関与できず、吉田・森重両選手からのパスの出しどころが、サイドでも中央でも限られるようになっていきました。

そういう場合は下図のように、たとえば山口選手がパスを受けるためにボールホルダーに寄って行き、相手のマーカーを引っ張っていくことで空いたスペースを使って長谷部選手がパスを受けて前を向くといった組織的なプレーが、中盤の組み立てに絶対欠かせません。

引きずり出せ
(クリックで拡大)

後半12分に、香川選手がボールをもってバイタルエリアで前を向いた瞬間、山口選手が彼を追い越してDFラインのウラでスルーパスを受け、センタリングから岡崎選手がフィニッシュというとても良い形がありましたが、相手が元気な前半のうちからプレーヤーが2人3人と連動した崩しができるようになって欲しいです。

強いチームは的確な動きでプレスをかけることにより、攻撃側からスペースと考える時間を奪いますが、弱いチームはそれができないので、自陣に引いて守備に人数をかけることによってスペースと考える時間を奪おうとします。

弱いチームに引かれた時にグラウンダーのパスで崩せなければ、自分たちと互角か強い相手に厳しくプレスをかけられた時は、もっとパスが回せなくなります。

そうなると相手にゲームの主導権を握られて劣勢になる試合が多くなるわけで、アジア最終予選やW杯本大会で当たる相手のレベルを考えれば、「まだ2次予選だからそこまでがんばらなくていい」ではなくて、それほど高くないレベルの相手とやっている今だからこそ、選手同士のコンビネーションに磨きをかけていく必要があります。

代表チームは練習や試合の回数がかぎられているので3年なんてあっという間。W杯前の半年あるいは1年で急激にレベルがアップするものではありません。
 
 で、パスの出しどころが限られたこちらのセンターバックは、盛んにロングボールを相手DFラインのウラヘ出していましたが全然だめでした。

相手がベタ引きにしているDFラインとGKとの距離が短いために、味方がボールを受けられるスペースが極めて狭く、ロングボールを放り込んでも味方がボールに追いつけないケースがほとんどでしたね。

監督から「タテに速いパスをいれろ」と指示があったのでそうしていたのかもしれませんが、もっとピッチの状況を見て、自分の頭でどういったプレーを選択すれば適切なのか判断して欲しいです。

「タテに速いパスを入れる攻撃」というとカウンターサッカーを思い浮かべる選手が多いのでしょうが、カウンター攻撃というのはふつう、自分より強い相手だったり相手に押し込まれている時にやるものです。

自分たちより弱い相手がベタ引きで守っていて、DFラインの背後にスペースがない時にやれるものではありません。

逆に、日本のゴール前でアフガニスタンのセットプレーを防ぎ、マイボールにした瞬間こそカウンターの大チャンスで、自分より前でフリーになっている味方に半ばオートマチックに、早く正確にパスをつなぎ、2~3本のパスで3対2とか4対3とかの局面をつくってフィニッシュまでもってきたいのですが、ボールを奪い返してホッとしたように、ゆっくりと横パスをつなぐようなケースが多いですね。

ボールを奪った(失った)瞬間というのは選手の集中力が切れやすく、得点(失点)しやすいと良く言われます。だからこそ現代サッカーではトランジション(攻守の切り替え)が極めて重要なのです。

ロシアW杯での日本の勝利が見たいので、厳しい要求をあえてしていますが、こういう状況ではサイド攻撃、こういう状況ではグラウンダーのパスとワンツーやオーバーラップを使って中央突破、こういうシチュエーションではパスサッカーで崩し、こういう瞬間にはカウンターアタックを仕掛けるといった具合に、ピッチ上の選手たちが自分たちの頭で臨機応変に適切な判断を下して、チームを勝利に導くことができるようになって欲しいです。

 選手個々の評価は次回としましょう。



サッカー ブログランキングへ
↑いつもポチッと応援ありがとうございます。

  

■日本代表、カンボジアに苦しんで勝ち点3(その2)

 前回のつづき

 選手個々で特筆すべき活躍だったのはまず本田選手。もっと上手いGKならフィスティングで防がれた可能性もありますが、チームメイトの両肩にのしかかった重荷を振り払う、値千金のミドルシュートで先制ゴールをゲット。
ただ右サイドハーフとしてはほとんど機能せず。相手を置き去りにしてサイドをタテに突破するスピードが無くなってきているため、カットインして中へ中へとドリブルしていくことが圧倒的に多く、攻撃がワンパターン化して右サイドを崩せない一因に。もはやクラブでも彼はこのポジションでプレーしていないわけですし、監督さんはできるかぎり早く他のポジションへのコンバートを検討すべき。

吉田選手もミドルシュートからのゴールでチームをさらに楽にしてくれました。相手に当たって角度が変わるというラッキーな面もありましたが、ペナの中で何本パスをつないでも1点にもならず、シュートをゴールの枠内に打たないと何も始まらないということを再認識させてくれました。

香川選手も、味方のシュートのこぼれ球をGKのいないところへ冷静に流し込んでダメ押しの3点目をゲット。彼に限ったことではありませんが、シュートを外したことをクヨクヨひきずって自分を責めるのは最悪の対処法です。ベストなのはシュートが外れた原因を正しく分析して解決策を見つけたら、頭をさっさと切り替えて次のチャンスが来た時にゴールを決めることだけに集中することです。この試合、攻撃を組み立てる時のパスのつなぎ役としての彼の働きには物足りないものがありました。

原口選手は出場時間が短かったものの、のびのびとしたスピード感のあるプレーで右サイドの攻撃を活性化させました。もっと長い時間彼のプレーを見たくなります。

 逆に山口選手はパス出しでミスを連発。今は局面を一発で打開するような気の利いたパスは期待していないので、味方の足元やスペースにビシッと正確なパスを出して欲しいです。ミドルシュートへの積極的なチャレンジは大いに評価しますが、せめてゴールの枠内に入るよう練習を。

岡崎選手はボールがなかなか収まらず、味方へのパスもミスが多かったです。ゲーム中に足首を痛めたことの影響でしょうか。

長友選手のクロスはどれも長すぎてGKにキャッチされてばかりでした。サイドをタテに抜いてゴールラインぎりぎりからあげるクロスも正確性を欠き、なかなか味方に合いません。ならばとドリブルで中へカットインしても次のプレーを迷い結局バックパスというシーンが目立ちます。相手を抜ききる前に、下図のAのエリアあたりからゴール前の味方へ正確にクロスを上げるプレーを使ったらどうでしょうか。あるいはドリブルでカットインしてからのミドルシュートも良いと思いますが、もっと自信をもって最低限でもゴールの枠内に入れること。

PTA
(クリックで拡大)

酒井宏樹選手は、右サイドを深くえぐってからグラウンダーのマイナスのパスで味方にミドルを狙わせるというプレーは効果的だったと思います。しかし浮き球のクロスの正確性は今ひとつ。上の図の青いエリア内かつ相手選手の間にクロスを落とすのが基本です。GKがニアポスト付近で構えていれば青いエリアのファーポスト側にクロスを落とすのも定石ですが、その付近に味方がいることが前提条件となります。

武藤選手は功を焦って空回りしていたでしょうか。周囲の選手とのコンビネーションもまだこれからといった感じで、日本の攻撃が右サイドに偏ってしまった原因の一つに。

        ☆        ☆        ☆

 ハリルホジッチ監督の采配を振り返りますと、攻撃がなかなか機能しないと見たのでしょう、試合中に香川選手を左サイドにもってきたり、いろいろなシステムを試していましたが、ハリルジャパンの現在の問題点は次の2つだと思います。

(1) 右サイドハーフの本田選手がタテに突破するためのスピードが無くなってきており、どうしても中へ中へとドリブルしていくため、右サイドでピッチを広く使った攻撃ができず機能していない。本田選手のポジションが適材適所ではなくなってきているという問題。

(2) ボランチの位置からピッチ全体を見渡し、効果の乏しい攻めをワンパターンでひたすら繰り返してしまうといった攻守の問題点を分析して、自らのパスでチーム全体に修正をうながすレジスタ役が不在であること。長谷部・山口両選手はそこまでの攻撃センスや技術がなく、いまだ遠藤保仁選手の後継者を見つけられていないという問題。

そこで攻撃のセンスも技術もある本田選手をボランチにコンバートして、レジスタとして攻守にわたりチームのかじ取り役を任せてみてはどうでしょうか。

チャンスと見たら本田選手も前線に上がっていき、香川・宇佐美選手らとのパス交換でウラヘ抜け出してシュートというのも効果的だと思います。

本田選手はフィジカルコンタクトに強く、ボール奪取力を含めた守備力も遠藤選手より高いと思われますので、守備もできるレジスタとして有望ではないでしょうか。

彼がレジスタという新境地で開眼できれば、この2つの問題を一挙に解決することができますし、それでうまくいけばACミランでも彼の価値はもっと高まるはずです。

この試合に出ていたメンバーを例にすればこんな感じで。


         ☆本田レジスタ(攻撃時)


                岡崎


        宇佐美   香川    原口
       (武藤)          (宇佐美)

             山口  本田
           (長谷部)

         SB   CB   CB   SB

                 GK 


守備時は両サイドハーフがボランチの位置まで下がり、ブロックをつくってゾーンで守ります。


               ☆守備時


                岡崎

                香川

       宇佐美  山口  本田   原口
      (武藤) (長谷部)      (宇佐美)


        SB    CB   CB    SB

                 GK 


 本田選手がどうしても前でプレーしたいというなら、ユーロ2008で優勝したスペイン代表のクアトロ・フゴーネス(4人の創造者たち)のような攻撃的な4-1-4-1で、香川選手とダブルトップ下を組ませるというのはどうでしょうか。

香川・本田両選手はセントラルMFではなく、4-2-3-1の中盤の三角形をひっくり返して、あくまでもトップ下を2枚並べたイメージです。



        ☆クアトロ・フゴーネス(攻撃時)


                 岡崎


        宇佐美  香川  本田  原口
       (武藤)            (宇佐美)

                 山口  
                (長谷部)


        SB     CB    CB   SB


                  GK


その理由として、フィジカルコンタクトがあまり強くない香川選手はセントラルMFに求められる守備力に欠けるためです。よって守備時は、香川選手を除く3人(宇佐美・本田・原口)がボランチの位置まで下がり、ブロックを形成します。


                ☆守備時


                  岡崎

                香川

         宇佐美  山口  本田   原口
        (武藤  (長谷部)     (宇佐美)


         SB     CB    CB    SB

                   GK 

本田選手をボランチにコンバートし、この2つのシステムを試す価値は十分あると思いますがどうでしょうか。

        ☆        ☆        ☆

 日本がカンボジアに勝利したことは順当でしたが、ホームで3点しか稼げなかったという結果については不満の残るものでした。

同じグループ最大のライバル・シリアとの得失点差争いを優位に進めるためにも、まず勝ち点3を取ることに集中しつつ、その上でなるべくゴール数を稼いでおきたいところでした。

万が一、日本がグループ2位となった場合、他グループの2位チームとの勝ち点や得失点差の争いとなり、2次予選・全8グループの2位チームのうち、上位4チームしかW杯アジア最終予選に進むことはできません。

その意味でも、ゴールをできるだけ多くゲットしておくに越したことはありません。

 それにしてもこの試合、日本の選手たちが硬くなりすぎていたように見えました。

過緊張でプレーヤーの動きそのものにキレがありませんし、頭が真っ白になってしまっているのか、GKに何度もクロスを直接キャッチされているのに、「キックの力加減を調節してクロスの落としどころを変えよう」といった、冷静な判断力も失われています。

シュートチャンスで相手GKの位置を見て、そのまま本能的にGKの真正面にシュートしてしまうケースも多々見られました。

日本の選手は悪い意味で責任感が強すぎます。

それが「試合に必ず勝たなければ」「シュートを絶対に決めなければ」というプレッシャーや、失敗することへの強い恐怖感につながり、試合中に頭が真っ白になって普段通りの力が発揮できない原因になっているのではないでしょうか。

人間ですから誰だって緊張しますし、メンタルトレーニングの分野にさまざまな「過緊張克服法」がありますから、それをすみやかにチーム内に取り入れるべきです。

その一例ですが、まず最初に大事な試合でシュートを外した自分の姿を想像してみます。それでも試合は続き、そこでサッカー選手としてのキャリアが終わるわけでもないので、リベンジのチャンスは必ず来る、だから決して失敗を怖がる必要はないことを自分の心に良く理解させます。

次にシュートを外した原因を正しく分析し、こんどはシュートをきっちりと決めた自分の姿を何度もイメージして、普段通りにやれば自分は必ずできるという自信を、自分の心に植え付けます。

毎日5分ぐらい瞑想する時間をつくって、こうしたイメージトレーニングをすることを習慣化してみてはどうでしょうか。

シュートを外したことで自分を責め、自信をどんどん失っていくことが一番やってはいけないことです。

普段通りの実力をゲームで発揮することだけに集中し、「自分は精一杯やった。自分より上手くできるヤツがいるというならそいつがやればいい」ぐらいに良い意味で開き直ることや、心の底からそう思えるくらいゲームに集中することこそが一番大事なことです。

◇    ◇     ◇     ◇     ◇     ◇    ◇

          2015.9.3 埼玉スタジアム2002

          日本 3 - 0 カンボジア

        本田 28'
        吉田 50'
        香川 61'

  
      GK 西川       GK ソウ・ヤティ

      DF 長友       DF チン・チョウン
         森重          サイ・ピセット
         吉田          ソイ・ビサル
         酒井宏         ソク・ソバン
                      ルス・サムウン
      MF 長谷部         (スン・ソバンリティ 44)
         山口
         武藤       MF ティト・ディナ
        (宇佐美 65)    (ビドル・サムウン 63)
         香川          ビン・チャンタチェアリ
         本田          ソス・スハナ 
        (原口 83)       クチ・ソクンペアク
       
      FW 岡崎       FW クオン・ラボラビー
        (興梠 78)      (ケオ・ソクペン 89)



サッカー ブログランキングへ
↑いつもポチッと応援ありがとうございます。



  

■日本代表、カンボジアに苦しんで勝ち点3

 ロシアW杯アジア2次予選、日本代表の2戦目はカンボジアとのゲームでしたが、3-0で日本が勝利しました。

カンボジア代表は全員が国内リーグでプレーしていますがアジア最弱レベルの国の一つであり、ホームでもアウエーでも日本が大量得点差で勝利できる相手と見ていました。

実際、シンガポールはカンボジアとのアウエー戦で4点差をつけて勝利しており、日本のホームゲームでは、それ以上の点差をつけた勝利が必要とされていました。

日本が勝ち点3をゲットしたことは順当だったものの、ホームで3点差しかつけられなかったという結果については大いに不満が残ります。試合内容も悪かったと思います。

        ☆        ☆        ☆

 それでは日本代表の試合内容がどうだったか見ていきます。

カンボジアは5バック+トリプルボランチみたいな布陣でベタ引きでしたから、日本の攻撃がカンボジアの守備をどう崩すかということがゲームの焦点となりました。

その日本の攻撃ですが、いま一つ不完全燃焼でした。

当ブログの過去記事「守備ブロックを崩す攻撃戦術」で取り上げた攻めの形、サイドバックがサイドを深くえぐってから、グラウンダーのパスをマイナスに折り返して、ゴール前中央にいる選手がミドルを狙うというシーンが何回か見られたのは良かったです。

残念ながらシュートを相手選手に当てたり、大きくフカしてしまったりして決まらなかったんですが、これを続けていって実戦の中で精度を上げていけば良いでしょう。

しかしシンガポール戦に引き続き、両サイドハーフ(特に右の本田選手)がピッチを横に広く使うことができず、ドリブルで中へ中へと切れ込んでいき、最後は浮き球の不正確なクロスをゴール前に入れてはGKにキャッチされ、せっかくのチャンスをつぶすというシーンばかりでしたね。

日本の場合、攻撃の流れの中から、あるいはコーナーキック・フリーキックなどセットプレーの時にゴール前へあげるクロスボールの落下点があまりにも相手GKに近すぎて、ことごとくキャッチされてしまうか、味方がまったく触れずに直接ゴールラインを割ってしまっています。

ともかく、
日本のクロスはどれもこれも長すぎるんです。


なるべく相手ゴールに近いところで味方にヘディングシュートさせたいという意図なんでしょうか?

「守備ブロックを崩す攻撃戦術」で述べたように、ゴールから遠ざかっている選手は焦るあまり、相手ゴールの近くへ近くへと寄っていく傾向がありますが、相手ゴールの近くでヘッドすれば得点の確率が必ず上がるというものではありません。

むしろ前へ出てきた相手GKにクロスをキャッチされる確率が高まります。

もし浮き球のクロスボールを使いたいのなら、GKが前へ出てボールに触れそうで触れないエリアに落とすのが基本であり、横幅はゴールエリアのそれと同じ、タテはゴールエリアの外側のラインとペナルティ・スポットの間の距離で囲まれた長方形のスペースで、下図の青いエリアがそれです。

そこからでも、GKの位置を良く見て空いているところへヘディングシュートすれば、十分決まる距離です。

PTA
(クリックで拡大)

クロスをあげる地点も、できれば図のAのエリアがベターです。

クロスをあげる地点とヘディングシュートする地点の距離が短いため、より正確で速いクロスをあげやすいですし、そうなると守る側もマークのズレを修正する時間がなく、相手のマークを外した味方がフリーでヘッドしやすいからです。

クロスの種類も、相手GKに向かっていくボールばかりではなくて、図のようにGKから離れていくクロスをもっと使うべきだと思いますが、それができないのは、やはりサイドハーフが中へ中へと切れ込んでいき、最後はサイドとは逆側の足を使ってクロスを上げるワンパターンになってしまっているからです。

つまり右サイドハーフなら中へ切れ込んで左足でクロス、左サイドハーフなら中へ切れ込んで右足を使ったクロスばかりだということです。

このワンパターンなら相手も予測しやすく対処は容易になりますし、クロスがどれも長すぎるのでGKがキャッチするのも簡単です。

そうではなくて、右のサイドハーフがタテに突破して右足で相手GKから逃げていくクロスを上図の青いエリア内かつ、相手選手の間に落とし、センターフォワードや逆サイドのハーフあるいはトップ下などが相手のマークを外しながら走りこんでヘッドするというプレーも織り交ぜて、サイドの選手がタテに抜くのかそれとも中へカットインするのか、相手に守備の的を絞らせないような工夫が欠かせません。

左のサイドハーフなら、タテに突破して左足で相手GKから逃げるようなクロスをあげるということになります。

ここ10年くらいでしょうか、左サイドハーフ(ウイング)には右利きの選手を、右サイドハーフには左利きの選手を置くのが流行していますが、それはまず相手の4バックを横に広げて、サイドから中央へとドリブルでカットインしながらミドルシュートを放ったり、ラストパスを出す攻撃が効果を発揮したからですが、この試合のように相手が5バック+3ボランチでゴール前中央をガッチリと固めている場合、必ずしもそうしたプレーが効果的とは限りません。

サイドハーフが両足から正確なクロスを上げられるのが理想ですが、それができないなら左右のサイドハーフが試合中にポジションチェンジするなどして、もっと攻撃に変化をつけるべきでしょう。

以上の説明は相手がすでに自陣にベッタリ引いて、こちらの攻撃を待ち構えている状況での攻め方についてですが、同じクロスをあげるにしても、相手DFラインが自分のゴールに向かって後戻りしているところであげるアーリークロスならなお良いです。

そのためには中盤でテンポよくパスをまわして、相手が自陣に戻り切る前に、クロスをあげられる態勢をつくらなければなりませんが、それは時間との勝負になりますし、プレーの正確性を落とさずにすばやく前方へパスをつないでいく能力が要求されます。

 相手の最終ラインをグラウンダーのパスで突破するときに、もっと基本的なワンツーを使った方が良いと思います。

苦しまぎれにヒールキックを使って突破しようとするシーンもちらほら見られましたが、相手はもちろん味方まで意表を突かれて、パスがつながらないケースばかりでした。

まだまだゴール前で足を止めて、敵DFのマークを外そうともせず、味方のボールホルダーを見ているだけの選手がいます。それでは相手を崩すことはできません。

 本田選手のミドルシュートがこの試合の均衡を破りましたが、引いた相手にはとても有効でした。前半は外れるのを恐れているのか、チーム全体としてシュートの意識が低かったのですが、もっとミドルシュートを使っていくべきでしょう。ミドルシュートの正確性向上にも注意を払うべきです。

 守備に関しては相手の個の能力があまりにも低かったので、ヒヤッとするようなシーンはほとんどありませんでしたが、1度だけゴール前のマークが甘くなり、ヘディングシュートをワクの中へ飛ばされたところは反省点です。

次に対戦するアフガニスタンはカンボジアよりフィジカルコンタクトに強く、シンガポールと同等程度の攻撃力はあると予想されますので、アフガニスタンが攻撃する時間帯は、日本もしっかり守備ブロックをつくって守ることを忘れないように。

選手個々の評価は次回としましょう。




サッカー ブログランキングへ
↑いつもポチッと応援ありがとうございます。



  

プロフィール

  • Author:スパルタク
  • FC2ブログへようこそ!

月別アーカイブ

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク






   

ブログ内検索