■2015年03月

■ハリルジャパン、上々の白星スタート(その2)

 前回のつづき

 選手個々で特筆すべきは、まず先制ゴールをあげた岡崎選手。ゴールの嗅覚鋭いポジショニングが絶妙でしたし、全身に無駄な力が入ることもなく良い意味でリラックスして正確なヘディングシュートを打つことができていました。力んでシュートが正確にヒットしないスタメン組は、彼のシュートを打つ時の心の持ち方を見習うべき。

本田選手も、先制ゴールを引き出す岡崎選手への正確なクロスに加え、香川選手のシュートを相手GKがこぼしたところへゴールへの嗅覚鋭く詰めて、1ゴール1アシストの活躍。

後半から投入された香川選手はトップ下のポジションから何度も速攻の起点となり、好配球を見せました。ブラジルW杯以後、もっとも良い出来だったんじゃないでしょうか。シュートへの高い意識も良いですね。ただし、パスを受けてまだワンテンポ・ツーテンポ余計にボールを持ってしまうところは改善点。プレーの正確性を保ったまま、判断のスピードをもっと上げることはできるはず。

宇佐美選手はプレー時間こそ短かったものの、今度はスタメンで長い時間見てみたいと思わせるプレーぶり。高い技術をベースに味方と上手く連携してチュニジアの右サイドを混乱に陥れていました。彼を見ていると、ハリー・ポッターにいつもイジワルする人の顔が思い浮かんでしょうがないのですが、サッカーと全然関係ない話でどうもすいません、宇佐美選手。

逆に、槙野選手は自陣深くでボールを持ちすぎて危ないシーンが何度かありました。センターバックは自分の後ろにもうGKしかいないのですから、たった一つのミスが失点に直結するという危機意識を常に持たなければいけません。自陣内で相手選手に体を寄せられるまでボールを保持していたり、自分の後ろに誰もいないのに相手をドリブルで抜こうとするようなハイリスク・ローリターンのプレーは避けるべき。

権田選手は、味方と接触したことでハイボールをハンブルして落としてしまったシーンが一度ありました。たとえ味方とぶつかったとしてもボールだけは死守して欲しいです。

        ☆        ☆        ☆

 ハリルジャパンの初陣となったチュニジアとのテストマッチは、相手との力関係から見て勝利という結果は順当でしたし、試合内容も練習時間が少なかった割にはまずまずの内容でした。

ところで、就任早々のハリルホジッチ監督にはあまりに時間がなくて気の毒なのですが、W杯のアジア予選が6月に迫っており、予選本番までのテストマッチはあと1試合しかありません。

この試合は多くの選手を試し、次の試合もそうすることを監督さんが明言していますが、あまり多くの選手をとっかえひっかえやっていると、本番に向けてチーム組織を熟成させる時間がなくなってしまうような気がするのですが、さてどうしますか。

 最後に余談ですが、この試合の中継を担当したTBS系列はカメラのスイッチングが下手すぎます。

インプレー中にもかかわらず、本田・香川・ハリルホジッチ監督の顔アップを延々と流したり、ピッチ上でゲームが動いているにもかかわらずリプレー映像を流していましたが、サッカー中継はゲームが動いているかぎりピッチ上のプレーを追うことが最優先です。

得点シーンなどのリプレーは、ケガ人が出たときとか、セットプレーのリスタートに時間がかかっている時など、ゲームが止まるときまで我慢してから流すべきです。

TBSに限らず日本のほとんどのアナウンサーに言えることですが、両チームの対戦成績や過去のW杯での成績がどうだったとか、その試合でどちらが勝ち点を何点取れればグループリーグ勝ち抜けだとか、ピッチ上で起こっていることの実況そっちのけで、データを延々としゃべっている人が多すぎます。

自分が試合前に勉強して頭に入れたデータを全てしゃべり尽くしたいのでしょうが、誰が今ボールを保持しているのか、誰がシュートを打ったのか等、アナウンサーの仕事はピッチ上で起こっていることを実況することであって、“データセンター”ではありません。

某CS放送系のアナのなかには、その試合と全く関係ない雑談を解説者と長々としている人もいますね。

良いサッカー中継というものは放送を製作している側がサッカーという競技を良く知らないと出来ないので、サッカー中継が上手いか下手かで、その国のサッカーのレベルがわかってしまうものなのですが、そうした意味でも大変残念でした。


◇    ◇     ◇     ◇     ◇     ◇    ◇

           2015.3.27 大分銀行ドーム

         日本 2 - 0 チュニジア

      岡崎  78'
      本田  83'


      GK 権田       GK ベン・シェリフィア   

      DF 藤春       DF ハンナシ 
         槙野          アブデヌール  
         吉田          ベン・ユーシフ
         酒井宏         マールール
        (内田 84)  
                   MF ナティル
      MF 長谷部        (マトルティ 90+)
         山口          ラゲド
        (今野 84)       ムンセル
         武藤          サッシ
        (宇佐美 72)     (ラルビ 65)
         清武          ベン・ハティラ
        (香川 60)      (グイダ 69)
         永井   
        (本田 60)    FW アカイチ
                     (ハリファ 65)
      FW 川又
        (岡崎 72) 




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■ハリルジャパン、上々の白星スタート

 ハリルジャパンの初陣となったチュニジアとのテストマッチは、日本代表が2-0で勝利を収め、上々のスタートとなりました。

今回の対戦相手チュニジアは、フランスやスイスでプレーしている海外組に国内組を合わせたチーム。日本との実力差は、日本のホームで日本の勝利、アウエーで引き分け程度と見ていました。

(FIFAランキングではチュニジアがだいぶ上ですが、試合数をこなせばポイントと順位が自然と上がってしまうFIFAランクは、実力を正確に反映した格付けとは当研究所は見ていません。それでW杯予選やアジアカップのシード等が決まってしまうのですから困りものです)

しかも今回来日したチームは、1月のアフリカ・ネーションズカップで活躍したボルドーのハズリら主力を欠く1.5軍といったところ。ホームの日本が絶対に勝たなければいけないレベルの相手でしたが、2-0という結果は順当でした。

試合内容も、練習時間が無かった割にはまずまずの出来だったと思います。

        ☆        ☆        ☆
 
 それでは試合内容を見ていきますが、まずは攻撃から。

スタメンがこれまで代表経験があまりない選手中心の急造チームだったため、前半はあまり機能しませんでした。

それでも、ボールを奪ったら相手の守備が整わないうちにスピーディに攻めようという意図はハッキリとうかがえましたし、前半の20分すぎから選手同士の呼吸が合ってきたのか、少しづつシュートの形をつくれるようになりました。

後半に本田・香川両選手が投入されて中盤で攻めの起点ができるようになり、相手が疲れてきた時間帯に宇佐美選手が入ったことで、相手の右サイドを崩して2つのゴールにつなげることができました。

前半に引き続いて後半も各選手がボールを持ちすぎず、次にどういったプレーを選択するかの判断を素早くすることで、まずまず効果的な攻めができていました。

何より良かったのは、速攻を仕掛ける手段として「グラウンダーのパス」を中心に置いていることです。

アギーレジャパンも当初は速攻を目指していましたが、DFラインから浮き球のロングボールを前線に放り込む、運と偶然に頼った単調な攻撃だったため機能せず、勝利という結果が出るまでかなりの時間を要しました。 (当ブログ記事・アギーレジャパンは黒星スタート

ハリルホジッチ監督は試合前、自分たちより身長が高い相手に速攻をかける場合、できるだけグラウンダーのパスを使って攻めたいと言っていましたが、監督に就任してから時間があまりたっていないのに、日本人選手の長所・短所を素早く見抜くことができていますね。

特に後半は東欧出身の監督さんらしい、インテリジェンスの感じられる速攻がいくつか見られたので、練度が上がるであろう今後に期待したいです。

相手選手が密集しているタッチライン際で細かいパスを回そうとこだわりすぎたことが、攻撃の改善点でしょうか。

 守備は、相手のボールホルダーに厳しくプレスをかけるという意図がしっかり見えたのは良かったのですが、チーム全体をコンパクトにして、10人のフィールドプレーヤーが連動してプレスをかけるということはできていませんでした。

この試合、久しぶりに4-2-3-1を使いましたがこの陣形でボールを失った場合、“3”のうちサイドハーフの2人がダブルボランチのラインまで下がって、4-4-1-1のようなフォーメーションでコンパクトな守備ブロックをつくると守りやすいというのは、ザックジャパンの4年間でさんざんやってきた「お約束」のはずです。

サッカー戦術の基礎にあたる部分は誰が監督をやっていても同じなのですから、監督が変わったからといって、これまで学んだことをご破算にして、いちいちゼロからやり直すのではなく、どんな時でも個人・グループ戦術の基礎を忘れずに、その土台の上に新しい監督さんのやり方(応用)を積み上げていく方がはるかに効率的です。

それで新しい監督さんから、ここはこう変えた方が良いと指導されたら、そうすれば良いのです。

 選手個々の評価は次回としましょう。




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■ハリル・ジャパン初招集!

 今月27日(対チュニジア)と31日(対ウズベキスタン)に行われれる日本代表のテストマッチに向け、代表メンバーが召集されました。ハリルホジッチ新監督は、代表入りへあともう一歩の選手を「バックアップメンバー」として併せて発表しています。



GK 川島 永嗣 (リエージュ:ベルギー)
   西川 周作 (浦和)
   東口 順昭 (G大阪)
   権田 修一 (F東京)

DF 吉田 麻也 (サウサンプトン:イングランド)
   森重 真人 (F東京)
   長友 佑都 (インテルミラノ:イタリア)
   内田 篤人 (シャルケ:ドイツ)
   酒井 高徳 (シュツットガルト:ドイツ)
   昌子  源 (鹿島)
   水本 裕貴 (広島)
   太田 宏介 (F東京)
   酒井 宏樹 (ハノーファー:ドイツ)
   槙野 智章 (浦和)
   藤春 廣輝 (G大阪)

MF 長谷部 誠 (フランクフルト:ドイツ)
   香川 真司 (ドルトムント:ドイツ)
   柴崎  岳 (鹿島)
   今野 泰幸 (G大阪)
   清武 弘嗣 (ハノーファー:ドイツ)
   山口  蛍 (C大阪)
   青山 敏弘 (広島)

FW 本田 圭佑 (ACミラン:イタリア)
   岡崎 慎司 (マインツ:ドイツ)
   乾  貴士 (フランクフルト:ドイツ)
   武藤 嘉紀 (F東京)
   小林  悠 (川崎)
   大迫 勇也 (ケルン:ドイツ)
   興梠 慎三 (浦和)
   永井 謙佑 (名古屋)
   宇佐美 貴史(G大阪)


(バックアップメンバー)

GK 林  彰洋 (鳥栖)

DF 千葉 和彦 (広島)
   塩谷  司 (広島)
   鈴木 大輔 (柏)
   車屋 紳太郎(川崎)

MF 高萩 洋次郎(ウェスタンシドニー:オーストラリア)
   米本 拓司 (F東京)
   谷口 彰悟 (川崎)
   大森 晃太郎(G大阪)

FW 豊田 陽平 (鳥栖)
   川又 堅碁 (名古屋)
   柿谷 曜一朗(バーゼル:スイス)


 ハリルジャパンの初召集メンバーをざっと見てみますと、アギーレジャパンのメンバーがベースとなっていることがわかります。

ハリルホジッチ新監督は来日したばかりですし、日本の選手ひとりひとりの実力や特徴を把握するのに、まだ時間がかかると思いますので、こういうやり方が無難だと思います。

まずはアギーレジャパンで結果を出してきたメンバーをベースとして、これから徐々にハリルホジッチ監督の色を出していければ良いのではないでしょうか。

遠藤選手が今回呼ばれていませんが、彼のクオリティは既にわかっていますし、新監督の「日本代表の世代交代を進めたい」という意向の表れかもしれません。

名古屋の永井選手が久しぶりの召集となっていますが、2012年ロンドン五輪世代が今ひとつ伸び悩んでいるのも、代表の世代交代がスムーズに進んでいない一つの要因になっています。

ロンドン五輪で活躍した大津選手も日本へ戻ってきてしまいましたし、代表で何とかポジションをつかんでいるのは酒井高徳選手ぐらいじゃないでしょうか。バックアップメンバー入りした柏の鈴木選手あたりも今ごろ、代表のレギュラー・センターバック陣を脅かすまでに成長していてもおかしくはないのですが。

ともかくチュニジアとウズベキスタンを迎えるテストマッチ2連戦で新監督がどういった采配や選手起用を行うのか、ハリル・ジャパンの初陣に期待したいと思います。 



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■新代表監督はハリルホジッチ氏

 昨日開かれた日本サッカー協会(JFA)の理事会において、ボスニア・ヘルツェゴビナ出身のバヒド・ハリルホジッチ氏を新しい日本代表監督とする人事が承認され、本日夕刻に同氏の就任記者会見が行われました。

その中で彼は、ロシアW杯決勝トーナメント進出を目標として明確に掲げ、「日本代表はそのクオリティを持っている」と述べました。

ハリルホジッチ氏は、選手時代にナントのFWとしてフランスリーグの得点王に2度輝き、その後フランス国籍を取得しています。

指導者となってからはフランスリーグのリールやパリ・サンジェルマンを指揮して実績を残し、代表監督としてコートジボアールやアルジェリアを率いるなど、主にフランス語圏で活動してきた方です。

2部だったリールを1部に昇格させ、翌シーズンのリーグ・アンでは3位と健闘、その手腕を買われてパリ・サンジェルマンの監督に抜擢され、カップ戦で優勝トロフィーを獲得しました。

昨年のブラジルW杯ではアルジェリアを率いて決勝トーナメント進出を成し遂げるなど、派手さは無いものの、クラブ・代表の両方でそこそこの実績を残しています。

代表監督の候補として彼の名前がマスメディアで取り沙汰されるようになってからいろいろと調べてみましたが、「厳格な性格で、安易な妥協はしない完璧主義者」との話で、同じフランスサッカー界出身の元日本代表監督フィリップ・トルシエ氏と、ちょっとイメージがダブりますが、いつものように予断を持たず、実際の彼の采配ぶりを見て、サッカーの内容と結果から公平に評価したいと思います。

ハリルホジッチ新監督に課せられた使命は、日本代表をW杯の予選・本選で勝たせつつ、若手の育成を図り、今度こそ着実な世代交代を促していくということであり、決して容易い仕事ではありません。

彼のサッカー哲学を日本代表に浸透させるため、まず彼にしばらく時間を与えることが必要です。

 さて先月のJFA理事会において、八百長試合に関与した疑惑で告訴されたことが原因で解任されたアギーレ氏の任命責任を、大仁邦弥JFA会長と原博実・専務理事が負わなくとも良いとする決定が下されたことについて、当ブログの読者さんから疑問が提起されています。

日本代表監督に就任する前からそういう噂が世界のサッカー界に広まっていたなら話は別ですが、代表監督就任後に突如アギーレ氏に八百長疑惑が持ち上がったのはJFAにとってちょっと不運だったと思います。

しかし、そもそも論で言えば、原・前技術委員長が招聘したザッケローニ元監督がブラジルW杯で結果を残すことができなかったにもかかわらず、ザックジャパンの敗因分析とその責任をウヤムヤにしたまま、原氏がアギーレ氏の招聘に前のめりになって突き進んでいったことが、そもそもの「ボタンの掛け違い」だったのではないでしょうか。

少なくとも原氏は代表監督選定からいったん身を引き、後任の技術委員長にザッケローニ氏の後任選びを全面的に任せるべきでしたし、大仁会長にも何らかの処分があってしかるべきでした。

アギーレ氏の辞任で霜田技術委員長が「進退伺い」を大仁会長に提出し、会長から慰留された霜田氏がハリルホジッチ新監督の招聘を進めたそうですから、もちろんハリル・ジャパンの成功を心から祈っていますが、そうでなかった場合は任命責任の問題が浮上することになります。

(依然として原氏が代表監督を誰にするか決めるプロセスに介入していて、ハリルホジッチ氏就任は霜田氏の主張が100%通らなかった結果という可能性もありますが)

国際サッカー連盟から会長選挙のやり方が非民主的で不透明だと批判を受けていたり、批判記事を書いた記者を出入り禁止にして圧力をかけているという指摘が岡野俊一郎・元JFA会長自身から出てくるなど、JFAは責任の所在があいまいで、外部からの批判を一切許さず、それゆえに自浄能力に欠け、現代の日本社会ではありえないほどガバナンス能力が低い組織であるのは今に始まったことではありません。

「後輩は先輩の批判を絶対にしてはいけない」という日本の悪名高い体育会気質にどっぷりつかってきた人たちが、学校を卒業して社会人になり、JFAの幹部となってからもずっと、その甘ったれた体質を引きずっていることが原因で間違いないと思います。

それをかばうつもりはサラサラありませんが、代表が結果を出せなかったからといって代表監督を選定する技術委員会のメンバーを次から次へと短期間にクビにしていくのも考え物です。

なぜなら、自分を突然「キャプテン」と呼び始めた人みたいに、現代サッカーの進化・発展の最新動向を全く勉強していない人物が代表監督を選ぶ全権を握り、一時の感情ときまぐれで監督を選んだ結果、当然のように代表が勝てなくなり、熊本や日本平で試合をしないと代表戦の席が埋まらないという、あの悪夢が繰り返されるのも困るからです。

代表監督と一緒で、技術委員長が掲げる強化の方向性が正しいのであれば、結果が出なくてもしばらく時間をあげて、サポーターの側も長期的な視野に立って代表を応援し、見守っていく必要もあると思います。

ただそれに甘えて、JFAが失敗の責任を誰も取らない言い訳にしてもらいたくはありませんが。


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