■2015年01月

■アジアカップ総括(その3)

 アジアカップ総括の締めくくりとしてアギーレ監督の采配を評価しますが、パスサッカーをベースとした戦術の方向性は間違っていないと思います。特にザックジャパン時代と比べて、中盤のプレス守備は良くなりました。

若手をベテランと競わせながら経験を積ませる起用法も上手いです。

ただし、今の日本代表にあっているとは思えない4-1-2-3に最後までこだわり続けたのは大いに疑問。


●日本(4-1-2-3)→

  ●   ⑩        ●○

  ●○      ●⑤    ○
      ●        ●
  ●○      ●○    ○

  ●   ○        ●○

           ←UAE(4-4-2)○


準々決勝では、中盤でのパス回しが上手いUAEに対して、アンカーの両脇で数的不利になってしまう4-1-2-3をぶつけたことが、失点のひとつの原因となりました。

相手の中盤のキープレーヤーである10番ウマル・アブドルラフマンをなかなかつかまえることができず、彼を中心に日本の中盤左サイドでパスを回され、ボールをもってフリーで前を向いた5番アメル・アブドルラフマンに正確なロングパスを許し、痛い先制点を食らってしまいました。

アンカーの両脇のスペースを使われて苦戦というのは、アジアカップ壮行試合として行われた昨年11月のオーストラリアとのテストマッチでも経験していたことであり、事前に十分予測できたにもかかわらず、何ら対策を打たないまま失点し、同点に追いつくために大変なエネルギーを消耗したあげくのPK戦負けというのは、攻守にわたって日本人選手の潜在能力を100%引き出すことのできないフォーメーションにこだわり続けた監督の采配ミスと判断せざるを得ません。

また、相手ゴール前での攻撃が手詰まりぎみで、「サイドからのクロス」以外の攻撃練習をやっている形跡がなく、アギーレ監督は攻撃戦術の指導があまり得意ではないのかなという印象を受けました。

 当研究所は、アギーレ監督に与えられた戦力、そして確実にロシアW杯に出場できるアジア枠が4か国ということを考慮して、言い訳の許されない公式戦であるアジアカップ2015における日本代表のノルマを優勝、試合内容によってはベスト4以内でも酌量の余地があるとしましたが、UAEと120分プレーして負けたわけではないものの、ベスト8敗退という結果は重く受け止める必要があると思います。

判断は非常に難しいのですが以上のことを総合的に勘案して、彼より良い監督が見つかり次第、アギーレ氏の解任もやむなしと考えます。

アギーレ氏がサッカー監督としてどれほど優秀であっても、それとはまったく関係なしに八百長疑惑にからんだ裁判で起訴されれば、日本代表がW杯の予選を戦っている最中であろうがなかろうが、いつ現場からいなくなってしまうかわからないという“爆弾”をかかえているのもまた事実です。

どちらにせよ、彼の後任探しを今から始めておく必要があることに変わりはありません。

グアルディオラ監督率いるバイエルン・ミュンヘンの選手主体で構成されたドイツ代表がブラジルW杯で圧倒的な強さで優勝したことから、いわゆるパスサッカーという戦術が依然として有効であることが証明されました。

後任としては、パスサッカーをベースとし、相手や試合展開によって臨機応変に戦術を変えて日本代表を勝利に導ける人が適任でしょう。

日本代表監督というポストは、W杯の優勝候補や欧州ビッグクラブの監督とは違うのですから、世界的に有名な指導者を連れてくるのは容易なことではないかもしれません。

ならば、パスサッカーの発祥地とも言えるスペインやオランダの指導者で、これから名監督になりそうな逸材を青田買いして、その人と一緒に日本代表も成長していくというやり方も一つの案です。

日本人指導者については言葉の問題から、サッカー戦術についての世界の最新動向を常に日本代表に取り入れることができるのか疑問が残ります。

ボールを奪った(失った)直後が一番得点(失点)しやすいことから、トランジション(攻守の切り替え)がますます重要視されるようになってきたのが最新の動向であり、トランジションを自分たちの意図した瞬間に意図した場所で起こす戦術をとるチームも現れました。ドルトムントを指揮するクロップ監督の戦術“ゲーゲンプレス”がその一例ですが、相手チームがゲーゲンプレスを研究し、引き気味に構えて逆に速攻を狙うことで、ドルトムント得意のショートカウンターがハマりにくくなり苦戦しているようですね。

サッカーにおいてはカウンターだけとかサイドからのクロスだけとか、たった一つの戦術しか出来ないチームは、そのこと自体が弱点となってしまいます。

よって、引いた相手を崩してゴールを奪う、高度なパスサッカーも同時にできなければ、カウンターサッカーだけではいずれ行き詰ってしまいます。

トランジションの重要性は何もゲーゲンプレスに限らず、長い時間チームでボールを保持するパスサッカーについても同様です。

パスサッカーを主たる攻撃戦術としているチームであっても、なるべく早く相手からボールを奪い返して、相手が守備態勢を整える前にシュートまで持って行くことが理想です。パスサッカーだからといって、速攻をしてはいけないというルールはありませんし、相手の守備態勢が整うまでパスを回して待ってあげるようでは本末転倒です。攻撃の目的はあくまでもゴールでありパスはその手段にすぎません。

パスサッカーを支持する当研究所が日本代表に対して、トランジションを早くしろ、1人の選手が1試合当たりボールを保持する平均時間を2秒未満に抑えろと口を酸っぱくして言っているのはそれが理由です。

ひるがえってJリーグの試合を見ると、相手からボールを奪い返す能力が低く、守から攻への切り替えが遅いチームが目立ちます。国内の指導者がトランジションの重要性に気付いているようには見えず、世界のサッカー戦術の最新動向とのタイムラグをどうしても感じてしまいます。

日本人の日本代表監督はまだ時期尚早なのかなと考えてしまう理由の一つです。
  
日本サッカー協会(JFA)が代表監督にどうしてもビッグネームを連れてきたいというなら、広州恒大の監督をやめて同クラブのアドバイザーになったと報じられたマルチェロ・リッピ氏なんかどうでしょうか。問題は彼と広州との契約がどうなっているかですが...。

 アジアカップ2015はベスト8敗退という大変残念な結果となってしまった日本代表。

大仁邦彌JFA会長と村井満Jリーグチェアマンの体制になってから、日本代表やJリーグ各クラブの競技力強化がうまくいっておらず、国際大会で良い成績を残すことができていません。

次期代表監督探しや若手の育成も含めて、いま危機感をもって本気で立て直しを図らないと、日本サッカーの将来が大変なことになりかねないと思います。



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■アジアカップ総括(その2)

 それでは大会を通した各選手のプレーぶりについて寸評を。

 川島選手は、守備機会がそれほど多くありませんでしたが、ビッグセーブもなければ大きなミスもない平均的な出来。PK戦などを見ると、さすがに若いときと比べて至近距離からのシュートに対する反射神経は落ちてきたでしょうか。

 吉田選手は、ゴール前での細かいマークミスはあるものの、対人守備やロングボールへの対応は安定していました。日本代表に吉田選手と同等かそれ以上の能力を持つセンターバックが最低あと3人は欲しいです。

 森重選手は準々決勝のUAE戦において、油断と初歩的な戦術ミスから相手FWに簡単にウラを取られて、代表レベルの選手にあってはならない形から失点する原因に。センターバックは90分・120分と相手を完封して初めて「自分の仕事を全うした」と言えるのであり、たとえ119分相手を抑えたとしても、たった1秒気をゆるめた結果失点してしまえば、失敗とされてしまうポジションです。Jリーグを代表するベテランのセンターバックがそのことを理解していないようなプレーを大事なゲームで見せてしまったのは悲しいです。

 長友選手は、自分より体の大きな相手を向こうに回して左サイドの1対1でほぼ安定した強さを見せ、運動量豊富に上下動を繰り返して積極的に攻撃にも参加。ドリブルでカットインしたあとのプレーを改善させれば攻撃はもっと良くなります。カットインしてペナルティエリアの角付近からあげるクロスはゴール前にいる味方への距離が短いのですからもっと正確性を求めたいですし、ドリブルからシュートを打つ時はもっと自信をもって最低でもゴールの枠内にミドルシュートをきっちり入れて欲しいです。長友選手と同じ身長170㎝で世界最高のサイドバックの一人であるドイツ代表フィリップ・ラームのプレー集をたくさん見ておくと参考になると思います。準々決勝でA.アブドルラフマンへのプレスが甘くなり、正確なロングパスを許してそれがアシストになってしまったところは反省点。

 酒井選手は、右サイドで無謀なドリブルを仕掛けてボールを失ったり、あるいはボールの処理を誤ったりして敵のカウンターの基点になってしまうなど守備が安定しません。サイドからのクロス、とくに味方からのパスをノートラップであげるダイレクトクロスの精度も低いので一層の努力が求められます。

 長谷部選手はアンカーとして体を張り守備で貢献。しかしサイドチェンジも含めて長短のパスでミスが多すぎました。そうしたパスミスのひとつが長友選手の肉離れにつながったのは痛かったです。

 遠藤選手は、パレスチナ戦でのミドルシュートが良かったですし、チームが狭くて窮屈なところでパスを回そうとしすぎているとき、ボールを広いスペースへ逃がすようなパスさばきも良かったですね。試合を重ねるごとにミドルシュートへの意識が低くなってしまったのは残念。

 香川選手は、パレスチナ戦での吉田選手へのアシストやヨルダン戦での待望のゴールなど、復調のきざしが見えてきました。ただ、パスやトラップでまだまだミスが多くそこは修正点です。次のプレーの判断ももっと早くできるはず(2秒未満で)。PK戦は運の要素もあるので外してしまったことを気にする必要はありませんが、ゲーム勘を取り戻すために先発で使い続けていることが逆に災いして「不調でも使ってもらっているのだから結果を出さなければ」という彼への精神的な重圧と金縛りにかかったようなプレーにつながってしまっているのかもしれません。個人的には4-2-3-1のトップ下で思う存分やらせて、それで不調な時はスッパリ先発から外した方が、彼も1から気楽にやり直せると思うのですが。

 岡崎選手は、パレスチナ戦でストライカーらしい反応からゴールをあげ、ヨルダン戦でも本田選手のゴールを引き出す見事なシュートを打ちました。体の使い方も上手くなり、前線でボールを収める基点となるなど運動量豊富に活躍。しかしセンターフォワードとして4試合で1ゴールという数そのものには物足りなさが残ります。

 乾選手は、ドリブルや決定的なパスで相手チームの右サイドを混乱に陥れ、チャンスに良くからんでいました。監督さんはもうちょっと長く彼をプレーさせるべきでしたが、シュートやゴールの数は全然足りません。

 本田選手は、PK2本を含む開幕3連続ゴールとチームの得点源となる活躍でした。それだけに準々決勝のPK戦失敗は責められません。柴崎選手のゴールを引き出すポストプレーも素晴らしかったですし、チャンスメークでも活躍。シュートがポストを叩くシーンが多かったのと、なかなか枠を捉えることができないゴール前のFKは改善点でしょう。

 武藤選手は、相手DFとの駆け引きやスペースの使い方などで学ばなければならない点は多いのですが、積極果敢なプレーから香川選手のゴールをナイスアシスト。ただ、成長のスピードをもっとあげなければなりません。ヘディングシュートは全身に力が入りすぎて頭を振りすぎです。

 柴崎選手は、準々決勝において中央突破から貴重な同点ゴールを決めた点は評価できます。もっとゴールやチャンスメークにからんで欲しいですし、ボランチやセントラルMFとして成功したいなら守備力の強化もおろそかにできません。

 清武選手は、大会を通してボールが足につかず長短のパスやドリブルでミスを連発。最初はシュートの意識が高かったものの、次第にシュートを打つべき時にパスをしてそれがミスになるなど、全体的にプレーに精彩を欠いていました。

 豊田選手は、準々決勝でフリーの決定機が足で1回、頭で1回ありましたがいずれも決めきれず。勇気をもってシュートを打ったことは買いますが、「ストライカーはゴールしてなんぼ」です。

 今野選手は、自分のミスパスから相手の逆襲を食らい、そのミスを取り返そうとしてイエローをもらったプレー以外は、ボランチとして無難な出来でした。

その他の選手はプレー機会が無かったので、評価の対象外とします。

 つづく 



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■アジアカップ総括

 5度目の優勝を目標として臨んだアジアカップ2015、日本代表は準々決勝で敗退というとても残念な結果となってしまいました。

ブラジルW杯では主にメンタル面での問題から、選手個々としてもチームとしても持てる潜在能力を発揮できず惨敗に終わりましたが、今回のアジアカップはブラジルW杯で露呈した、そうした弱点を克服する絶好のチャンスでした。

相手をリスペクトしすぎたり悪い結果を心配したりして体が思うように動かなくなるようなこともなく、逆に相手をナメて油断し手を抜くこともなく、いつでもどんな試合でも実力を普段通りに発揮する。

これが優勝という結果と並んで重要な、日本の目標でした。

しかし、パレスチナ戦とイラク戦は「失敗したくない」という思いが強すぎたのか、各選手は自信が無さそうに迷いながらプレーをしていて、相手ゴールへ向かってボールを運ぶ、力強さやスピードに欠けました。

ボール保持者が次のプレーをどうするか迷う→相手は動きを止めているボール保持者にプレスをかけやすくなる。フリーだった味方にもマークにつく時間を与えてしまう→やむをえず密着マークを受けている味方へパスをする→味方がフィジカルコンタクトに負けてボールをロストしカウンターを食らう→カウンターへの恐怖からボール保持者がミスパスを避けるため、もっと慎重に長い時間をかけてボールを持ってしまう→よけい相手のプレスがかかりやすくなりボールをロストしてしまう

こういった悪循環こそ、ブラジルW杯における日本の試合で見られた現象でした。

そこで当研究所はドイツ代表のレーブ監督の指導法を紹介しつつ、次のプレーの判断を早くして1人の選手がボールを持つ平均時間をなるべく2秒未満に保つことを修正点としてあげました。

その狙いは、

速いテンポで正確にパスをつないで攻める→相手がうかつに飛び込めなくなる。飛び込めばパスでかわされてしまう状況をつくる→相手のプレスが弱まることでよけいにパスを回しやすくなる→相手が守備の態勢を整えられないうちに攻めるから質の高いシュートチャンスを数多くつくれる→ゴール!

という好循環をつくりたいからです。

グループリーグ最終戦のヨルダンとのゲームでは、各選手の判断スピードが格段に早くなり、相手ゴールへ向かってボールを運ぶ力強さやスピードが出てきて、結果はもちろん試合内容も良いゲームだったと思います。

こういうインテンシティの高いゲームを大会初戦からやって欲しかったのです。

そうすればパレスチナ戦・イラク戦を試合の早い時間帯で3-0なり4-0なりにしてゲームを決めてしまい、あとはゲームをコントロールしつつ主力を休ませて、若手にたっぷり経験を積ませることもできたはずでした。

ヨルダン戦は良い内容で勝利をあげることができたので油断が生じたのか、準々決勝のUAE戦は立ち上がりの一瞬のスキを突かれて失点し、それを取り戻すためによりパワーを消費して攻撃しなくてはなりませんでした。

「準々決勝で敗退しないためにはシュートを絶対に外せない」というプレッシャーと焦りが、よけいシュートの精度を下げてしまったのかもしれませんが、それが公式戦というものであり、克服しないといけませんし、選手が精神的に成長をとげる絶好のチャンスでもありました。

しかし試合の終盤ようやく同点に追いついたものの逆転ゴールのチャンスをついに決めきれず、PK戦の結果によりあまりにも早すぎる帰国が決定してしまいました。

テストマッチではゴールが外れても、それで試合に負けても痛くもかゆくもありませんが、1対1で相手のシュートを防げなければ、1本のゴールを決めなければ、アジアカップのタイトルやコンフェデの出場権を失うという実際の痛みを公式戦は伴います。

そのような公式戦で、のしかかる重圧をはねのけて相手のシュートを防ぎ、狙ったところへゴールを確実に決めるという、単なるテストマッチでは決して経験できない、貴重な真剣勝負をたった4試合しかできずに敗退し、どんな試合であっても普段どおりの実力を出し切るという課題も克服できなかったのが残念でなりません。

これで日本代表の公式戦はロシアW杯アジア予選の試合だけとなってしまいましたが、その初戦から、悪い結果を恐れず、かといって相手をナメることもなく、自分たちの実力をいつでもどんな試合でも100%発揮して、勝利という結果をきちんと出すことができるように、各選手はクラブに戻り、常に実戦のつもりで練習にはげんで欲しいです。

プレーの正確性を保ちつつも、1人の選手が1試合当たりにボールを持つ平均時間を2秒未満に保ち、それをロシアW杯の本番までになるべく短縮していくことも、日本代表の練習や実戦において継続して取り組んでいくべきことです。

そうした練習によって、どんなにプレッシャーがかかる試合でもなるべくインテンシティを一定に保ち、各選手の潜在能力を出し切って安定した結果を出すことにつながります。

 アジアカップ2015ではブラジルW杯の主力だったベテラン勢を脅かすような若手の台頭も望まれましたが、UAEやイラクなど新しい世代が着実に成長している国がある反面、日本の若手の成長スピードに物足りなさが残ったのも、今回の大会で感じたことです。

個人名を出して申し訳ないんですが、今回召集されなかったメンバーでも、柿谷・大迫・宮市ら期待されている若手がヨーロッパで伸び悩み、結果が出ないことでプレーが小さく小さくなっていっているように見えます。

年末年始にザックジャパンの特集をテレビでやっていましたが、そこで一番驚いたのは岡崎選手のドイツ語によるコミュニケーション能力でした。

マインツにあるパン屋さんに入り、店員のおばさんや偶然居合わせた他のお客さんとドイツ語でジョークを飛ばしながら会話する彼の姿が映し出されていましたが、岡崎選手が今なおサッカーが上手くなり続けていて、ブンデスリーガでゴールという結果を出せている秘訣がわかった気がしました。

サッカーはチームスポーツですから、単にボールを蹴ることが上手くなるだけではだめで、もし海外移籍するならその国の言葉を覚え、監督やチームメイトが自分に何を要求しているのかをピッチ上で瞬間的に理解し、チームメイトや監督にどうして欲しいのかを自分の言葉で即座に伝えることができなければ、海外で成功することは困難です。

言葉を覚えるのがめんどくさい、通訳を雇ってその分サッカーの練習をした方が..という選手もいるでしょうが、欧州主要リーグで成功するという夢は、「言葉を覚えるのが面倒くさい」という気持ちに負けてしまう程度の軽いものなんでしょうか?

そうではなくて、外国語を自分の武器にして、あらゆる努力を惜しまずに成功させるものが海外移籍ではないんですか。実際、岡崎選手にしろ本田選手にしろ海外で成功できている選手の成績と語学への努力は正比例しているように見えます。

柿谷選手や香川選手は、岡崎選手のようにドイツ語をマスターしているのでしょうか?

ここ数年アジアにおけるユース年代の大会で、日本の代表が敗退を重ねており、世界への道が閉ざされてしまっています。

それは決して好ましいことではありませんが日本の場合、欧州各国リーグへ若手選手を直接送り出して、そこで世界に通用するサッカー選手に求められる経験を積ませ成長させるというルートを持っており、このルートを上手く活用できれば、世界レベルのユース大会に出場できないマイナスを打ち消してあまりある成功を日本サッカー界にもたらすことは可能です。

外国語学習の支援や食生活の指導も含めて、日本サッカー協会が海外移籍した若手選手を上手くフォローしてやり、次の日本代表を担う選手の育成を積極的にはかっていくことが求められます。

攻撃のポジションばかりでなく、特にセンターバックの選手を海外に送り出して、世界に通用するプレーヤーとして育てることが急務でしょう。

ロシアW杯の決勝トーナメント進出を目指している日本が、アジアのベスト4にさえ食い込めなかったという今回の結果を、日本サッカー界は深刻に、ハッキリとした危機として受け止めるべきです。

 次回は総括の締めとして、アジアカップに出場した各選手のプレーと、アギーレ監督の采配について評価したいと思います。



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■日本代表あまりにも早すぎる帰国(その2)

 前回のつづき

 選手個々で特筆すべきは柴崎選手。チーム全体として決定力の低さが目立った試合でしたが、自ら本田選手へパスし、そのリターンを正確にゴールへと決めてくれました。長友選手の負傷でサイドバックに下がらざるを得なくなったのはアンラッキー。

本田選手はバイタルエリアでパスを受けて正確に落とし、柴崎選手のゴールをナイスアシスト。右サイドから中央にかけて攻撃の組み立てでも活躍。PK戦は運もありますから責めることはできません。

逆に森重選手は、怠慢プレーからチームを苦しくさせる失点の原因に。相手のボールホルダーに味方のプレスが掛かっていないとき、FWがウラヘ走り出したらバックがついて行かなくてはならないのは戦術論の初歩ですが、自分がマークすべきマブフートに出足で遅れたあげく、まだ何もしてこないだろうという極めて甘い予測をたてて追いかけるスピードを緩め、予想していなかったタイミングでシュートを打たれて失点。この試合のワースト・オブ・ザ・マッチのプレー。

長友選手は、マブフートのゴールをアシストしたA.アルハマディに対するプレスをためらい、彼の正確なロングパスを許してしまいました。

酒井選手は試合の立ち上がり、相手が2人待ち構えているところへ無理にドリブルで突っかけていって奪われ、敵のカウンターの基点に。ボールの処理を誤り、敵のカウンターの餌食になる場面が試合中もう一回ほどありました。良いプレーもあるのですが守備が不安定すぎます。

長谷部選手は延長前半、相手ゴール前からこぼれてきたボールを左サイドへ展開する際、何でもないパスをミス。このミスパスをタッチラインに出したくなかった長友選手が無理をして追いかけた結果、肉離れを起こし、日本は実質1人少ない状況に。たった1つの雑なプレーがチームの勝利を難しくしてしまいました。

岡崎選手は左右に大きく動いて細かいパス回しに参加しようとしていましたが、いずれもミスに。そういうプレーは岡崎選手の持ち味や本来の仕事とは違うのではないでしょうか。

        ☆        ☆        ☆

 アギーレ監督の采配については前回指摘したように、相手の4-4-2に対してアンカーの両サイドで数的不利になる4-1-2-3にこだわったのは、フォーメーションの選択ミスだったと思います。それも痛い失点につながった一つの要因となってしまいました。

柴崎選手のゴールシーン以外は「単純にサイドからのクロス」が目立ち、アタッキングサードに入ってからの攻撃が手詰まりになっていたように見えました。「サイドからのクロス」以外の有効な攻めの形が求められましたが、アギーレ監督は攻撃の指導は得意ではないのでしょうか。

長友選手が肉離れを起こしたとき決断が遅れ、いつまでもサイドバックの位置でプレーさせたことも問題。もっと実力が上のチームだったら動けない長友選手を徹底的に突かれて、延長戦で失点していたかもしれません。長友選手を自陣から一番遠いポジション、例えば左のウイングにすみやかに上げるべきだったと思います。

        ☆        ☆        ☆

 優勝を目指していた日本代表の準々決勝は、UAEと120分戦って1-1という結果は不十分でしたし、試合内容もあまり良いとは言えませんでした。

守備で相手をナメて一瞬の油断から失点したことで自分たちを苦しくし、ゴールを決めるべきときに決められず、雑なプレーが味方の肉離れを誘発してさらに自分たちを苦しくさせていきました。

こうしたことは、自分たちで注意すれば十分防げたことであり、とても残念です。

相手をナメて油断せず、逆に相手をリスペクトしすぎたり悪い結果を心配したりして体が思うように動かなくなるようなこともなく、いつでもどんな試合でも実力を普段通りに発揮する。

これがブラジルW杯以後の日本代表の課題であったわけですが、それがこのアジアカップで克服できなかったことに、そしてあまりにも早すぎる帰国に大変失望させられました。

次回は、アジアカップ2015における日本の戦いぶりを総括しつつ、大会を通した各選手・アギーレ監督の評価についても述べたいと思います。


◇    ◇     ◇     ◇     ◇     ◇    ◇

        2015.1.23 ANZスタジアム(シドニー)

          日本  1 延長 1  UAE
               4 PK 5


           柴崎 81'     マブフート 8'


         GK 川島       GK マクディミ

         DF 長友       DF サンクール
            森重          ジュマ
            吉田          アルアミン
            酒井          アルバルーシ
                        (A.イスマイル 76)
         MF 長谷部
            香川       MF A.アルハマディ 
            遠藤         (ハッサン 54)
           (柴崎 54)       ザイード
                         O.アブドルラフマン
         FW 乾            I.アルハマディ
           (武藤 46)
            岡崎       FW アルジュナイビ
           (豊田 65)      (アブドゥラ 58)
            本田          マブフート



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■日本代表あまりにも早すぎる帰国

 アジアカップの準々決勝に進出した日本代表でしたが、UAEを相手に1-1から延長・PK戦までもつれ、結局4-5でPK戦を落としてしまい、公式記録上は無敗のまま、早くも大会から去ることになってしまいました。

 今回の対戦相手UAEは全員が国内リーグでプレーしています。その戦力は日本とほぼ互角、やや日本の方が地力で上回るかと見ていましたが、中立地で120分を終えて1-1という結果は、確率的には十分あり得るものでした。しかしそういう相手を90分以内に倒さないとチームの成長はないわけで、圧倒的な数のシュートを放ってゴールを決めきれなかった、自分たちのミスから延長でも決めきれず、PK戦という“クジ引き”に準決勝進出の成否をゆだねてしまった時点で負けでした。

大会直前に当研究所の予想として「UAEがサプライズを起こすかもしれない」と書きましたが、日本との試合でそれを起こされてしまったことがとても残念です。

        ☆        ☆        ☆

 日本代表の試合内容も今ひとつ。

守備は、パス回しの上手いUAEを警戒しすぎたのか、それとも中2日の疲労のせいかわかりませんが、立ち上がりからプレスが甘く、相手のボール保持者を見てしまいました。それがたちまち失点につながってしまいます。

日本の中盤左サイドでパスを回されて相手の5番がボールをもって前を向きます。しかし5番へのプレスが甘く、彼から正確なロングパスを通されたあげく、センターバックもパスを受けたマブフートはまだ何もしてこないと決めつけてしまったのか、緩慢なスピードで追いかけているうちに正確なシュートを食らってしまいました。

このシーンで失点したのは、フォーメーションのミスマッチにも原因があると思います。日本はいつもの4-1-2-3に対し、UAEは中盤をフラット、もしくはやや台形にした4-4-2でした。


●日本(4-1-2-3)→

  ●   ⑩        ●○

  ●○      ●⑤    ○
      ●        ●
  ●○      ●○    ○

  ●   ○        ●○

           ←UAE(4-4-2)○


このマッチアップですと、相手の両サイドハーフが中盤で数的優位になっていますが、4バックから変えないならば、こちらのアンカーがサイドに寄って相手のボールサイドにいるサイドハーフを見るか、さもなければボールがない方のサイドバックが1枚余ってセンターバック2枚と共に相手の2トップを見て、ボールサイドのサイドバックがちょっと上がって相手のサイドハーフを見るかのどちらかでしょう。

(アンカーが最終ラインに入って3バックにすることを許されるなら、両サイドバックを押し上げて相手の両サイドハーフを見ることが可能になりますが)

ところが失点シーンでは、相手の10番ウマルを中心にパスを回され、5番が図の10番の位置でフリーでボールを持った時、
アンカーは近くにいなかったのでこちらの左サイドバックに相手の5番を見て欲しかったのですが、そのままフリーにしたため、正確なパスを通されて痛い先制ゴールを食らうことになりました。

大阪でのオーストラリアとのテストマッチでは、アンカーの両サイドのスペースを突かれて苦戦して、攻撃力のあるチーム相手に4-1-2-3では不安があることはわかりきっていたのに、そのまま行ったのはフォーメーションの選択ミスと言えそうです。

失点したあとは立ち直りましたから、キックオフからの10分・15分間プレスを弱めてしまったことが悔やまれます。相手のパス回しが早くてなかなかプレスが掛からなくても、相手のやることを見ているのではなくて、辛抱してプレスを継続していかないと。

 攻撃面も今一つの出来。

次のプレーの判断がヨルダン戦よりも遅くなり、各選手が3秒ぐらい考えてプレーすることで攻撃の組み立てにスムーズさが欠けていました。ただ、後半からはプレー判断も早くなっていったように思います。決勝トーナメントだから大事に行きたいと思ったのかもしれませんが、プレーの正確性を保ったまま、各選手の平均ボール保持時間を2秒未満に心掛けることを前半立ち上がりからやって欲しいですね。

攻撃面で一番の問題は、シュートのクオリティの低さ。

シュートを外した人を非難して次からパスに逃げられるともっと困るので、シュートを打った人を褒めこそすれ非難だけはしたくないのですが、サッカーはどれだけ多くのパスやシュートをしたかに関係なく、シュートがどれだけゴールに入ったかで勝敗が決まるので、シュートの精度が低いというのは大きな問題です。

シュート決定力が高ければ、少ない攻撃回数でも勝つことができ、それだけ体力の温存がはかれますから、W杯のような短期集中決戦で勝ち抜いていくうえでも非常に重要です。

どうして日本の選手のシュート決定力がなかなか上がらないのかと言えば、一番大きな原因はやはりメンタルではないでしょうか。

本来、シュートしてゴールするという行為はサッカー選手にとって一番大きな喜びだと思うので、日本の選手にはもっとシュートという行為を楽しんでボールと遊んで欲しいのですが、実際は「チームへの責任」だのなんだのと重いものを引きずって一種の“苦行”になってしまっているように見えます。

ですからシュートを打つ時にあまりにも心の余裕がなくて、相手GKを良く見て自分の狙ったところへ正確に蹴りこむことができなかったり、どフリーでヘディングシュートを打つ時でも、頭にボールを確実にミートさせてGKのいないとこへ狙って入れるだけで良いのに、全身に余計な力が入り頭を全力でブリブリ振り回すために、頭に当たったボールがとんでもない方向へ外れてしまう、というのがこのUAE戦でした。

シュートの一つ手前、バイタルエリアに攻め込んでラストパスを出す瞬間も日本の選手からはまったく心の余裕が感じられません。

それがアタッキングサードへ入ってからの攻撃の手詰まり感、アイデアの乏しさにつながっています。

相手のセンターバックの前でボールを持ちフリーで前を向けたら、相手選手と遊んでやる気持ちでコンマ何秒わざと余計にボールを持ち周囲を冷静に観察していると、相手選手は必ず自分との距離を詰めてボールを奪いに来ます。

するとその選手が動いたために相手のオフサイドラインは乱れ、動いたあとに必ずスペースが空きますから、そこを周囲の味方と協力して「同じ攻撃の絵を描く」ことで、例えばスルーパスやワンツーを使って相手DFのウラヘ味方選手とボールを送り込めば、質の高いゴールチャンスがつくれます。もちろん眼前の相手選手が前へ詰めてこなければ、プレーの第一選択肢は「自分が打つシュート」です。

バイタルエリアでボールを受け、心の余裕が無いまますぐに無我夢中のパスをすると、相手DFの体にボールをぶつけたり、味方が感じることができずにパスがつながらなくなったりしてしまいます。

アタッキングサードに攻め込んだら、失点しないために何とかしなくてはならない相手が不利でこちらが有利なわけですから、ボールで相手をおちょくってやるぐらいの気持ちでもっと心の余裕をもち、シュートやチャンスメークを楽しんで欲しいと思います。

 攻撃面の課題でつけ加えるとすれば、この大会ずっと続いている長短のパスの雑さ、ミスの多さです。アギーレジャパンになってからパス回しが下手になったように感じるのですが、練習が不足しているのでしょうか。

延長に入って何でもないパスがミスとなり、何としても相手ボールにしたくなかった長友選手が無理をした結果、足を痛めてしまい、交代選手を使い切っていたため、実質相手より1人少ない状態で戦わざるを得なかった、これが延長戦で相手を仕留められなかった原因となり、攻撃面での痛すぎるミスとなってしまいました。

 選手個々の評価と監督采配については次回とします。



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■日本代表、ヨルダンに快勝!(その2)

 前回のつづき

 選手個々で特筆すべきはまず岡崎選手。シュートがそのまま入れば良し、もしGKが触れても味方がこぼれ球に詰めてセカンドシュートのチャンスがつくれるので、グラウンダーのシュートをファーポストの内側ギリギリへ打つのはストライカーとして基本中の基本であり、ユーベ監督時代のマルチェロ・リッピもチーム内の約束事にしていたそうですが、岡崎選手のそうしたシュートが本田選手の先制ゴールを生み出しました。相手の屈強なDFに対して上手く体を使ってボールを収めるプレーにもはっきりと進歩がうかがえます。

本田選手は岡崎選手のシュートをGKがセーブすることを予測してファーポスト側に詰めた、見事なポジショニングで先制ゴールをゲット。決定力不足に悩む全国のサッカー少年・少女は、「ファーへ打って別の一人が詰める」という岡崎・本田両選手のプレーをセットにしてお手本にすべきです。(下図)

正しいシュート
(クリックで拡大)

しかし、なかなかゴールの枠を捉えることができない彼のFKは問題。精度が低く実戦レベルに達していない種類のキック使用は控えるべきでしょう。

乾選手は左サイドで相手守備陣を混乱に陥れ、先制ゴールの起点となる岡崎選手へのラストパスも見事。あとは監督さんから90分間使ってもらえるようにプレーの質・量を高めることが課題。

良い形からシュートを打てていたのでゴールが生まれるのは時間の問題と見ていましたが、香川選手がようやくやってくれましたね。チーム全体の雰囲気もますます良くなっていきそうです。足元でパスを受けるときのトラップミスや長短パスのミスがまだ散見されるのでそこは修正点でしょう。

この試合、味方のパス回しが窮屈になってくるとボールを広いスペースへと逃がしてやる遠藤選手のパスさばきが秀逸でした。

長谷部選手はアンカーとして体を張り、バイタルエリアで相手の攻撃の芽をことごとく摘んでDF陣を助ける陰ながら貴重な働きぶり。

長友選手は、サイドの攻防戦で自分より体格の大きな相手を向こうに回してほぼ完封するなど安定していました。

武藤選手は香川選手のゴールをナイスアシスト。まだ粗削りながらも積極果敢なプレーで、もっと長い時間見ていたいと思わせてくれます。

 逆に森重選手は自陣深くでのパスミスからボールをロストし、ピンチの原因に。セーフティにつなげないと判断したときは大きく前へ蹴っても全然かまいません。

酒井選手は、ダイレクトにクリアしておけば何でもないボールを、自軍のペナルティエリア内でわざわざワンバウンドさせたため、敵選手にボールをかっさらわれ危険なシュートを許したところが反省点。

清武選手は依然としてパスミスが多いです。次のプレーへの判断も遅く、シュートが打てるところでもパスしてそれがミスになるなど精彩を欠いています。どこか具合でも悪いのでしょうか? 人には向き・不向きがありますから、パスが好きでシュートが得意でないというなら、遠藤選手の後継候補の一人としてボランチへコンバートした方が、彼の個性を生かしてあげられるかもしれません。

 アギーレ監督の采配については、試合の流れがこちらにとって悪くなってくると、それが失点という最悪の事態につながる前に、交代選手を投入したりフォーメーションを変えたりして、先手先手で状況を打開していく采配が良いですね。勝利という結果を出しつつ武藤・柴崎ら若手に公式戦の経験を積ませる交代策も評価したいと思います。

        ☆        ☆        ☆

 日本のグループリーグ第3戦は、ヨルダンに2-0という結果は順当でしたし、試合内容は攻守両面で良かったですね。ようやく「アジアの頂点」を目標にすることが許される水準まで日本のサッカーを高めることができたと思います。

「1人の選手がボールを持つ平均時間をなるべく2秒未満に保つこと」

これを意識してプレーすることで、日本の試合内容ががらっと良くなり、良い試合内容が盤石の勝利という結果につながりました。この先の試合でもコンスタントにこうしたプレーが表現できるよう、トレーニングを積んでいって欲しいです。


次の対戦相手はここ数年で急速に力をつけてきたUAEですが、この試合のようなクオリティの高いプレーを日本代表ができれば、望む結果はついてくると思います。

◇    ◇     ◇     ◇     ◇     ◇    ◇

        2015.1.20 AAMIパーク(メルボルン)

         日本  2 ー 0 ヨルダン

        本田 24'
        香川 82'


       GK 川島       GK サバハ

       DF 長友       DF ザハラン
          森重          ハッターブ
          吉田          バニヤシン
          酒井          アルディミリ

       MF 長谷部     MF ムスタファ
          香川          アルラワシュディ
          遠藤         (アブアマラ 46)
         (柴崎 87)       イリアス
                       アルサイフィ
       FW 乾        
         (清武 51)    FW アルダルドゥル
          岡崎         (バニアテヤ 74)
         (武藤 79)       ディーブ
          本田         (イブラヒム 46)



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■日本代表、ヨルダンに快勝!

 決勝トーナメント進出をかけた日本代表のグループリーグ第3戦は日本が2-0でヨルダンを降し、首位通過を決めることができました。

グループリーグ最後の対戦相手となったヨルダンですが、サウジ・クウェートなど国外でプレーする選手に国内組を加えたチーム。日本のホームゲームで日本の勝ち、アウエーで引き分け程度の実力の持ち主と見ていましたが、中立地で勝利という結果は順当でした。日本の試合内容も良かったと思います。

        ☆        ☆        ☆

 前々回の記事で、ドイツ代表のレーブ監督の指導法を紹介しながら、「1人の選手がボールを持つ平均時間をなるべく2秒未満に保つこと」を日本代表の課題として挙げておきました。

その理由は、

速いテンポで正確にパスをつないで攻める→相手がうかつに飛び込めなくなる。飛び込めばパスでかわされてしまう状況をつくる→相手のプレスが弱まることでよけいにパスを回しやすくなる→相手が守備の態勢を整えられないうちに攻めるから質の高いシュートチャンスを数多くつくれる→ゴール!

という好循環を90分のゲームを通してつくりたいからです。

これまでの2試合とはガラッと違い、このヨルダン戦では日本の各選手の状況判断がとても速くなり、リズム良くパスを回して攻めることができました。

ストップウオッチで計測したわけではありませんが、おおむね2秒以内に次のプレーを決断できていたと思います。(今後チームでデータをとって、ロシアW杯までにどれだけ短縮できるか継続して取り組むべき)

リズムが良くなることで、前の2試合で目立ったイージーなパスミスも減少するところがサッカーの面白いところ。

ヨルダンのプレスは厳しいものでしたが、日本の高速パスにプレスが掛からず、ジリジリと後退させられていくことで、キックオフから10分後までには日本が主導権争いを制してゲームを有利に進めるようになりました。

ヨルダンの監督さんはこれはマズイと見て、陣形をコンパクトにするため「DFラインを高く保て」と必死に指示しますが、長短のパスとスペースを上手く使って相手を崩し、本田選手の先制ゴールへとつなげることができました。

判断を速くすることで狙い通りの好循環をこのゲームでつくり出せたことは非常に良かったと思います。

これをアジアカップ決勝トーナメントでも、W杯のアジア予選でも、ロシア本大会でも、変わることなくコンスタントにやって欲しいのです。

課題があるとすれば、良い内容だった前半のうちに追加点が奪えなかったことと、後半キックオフからインテンシティが落ち、各プレーヤーの判断時間が2秒を超えるシーンが多くなると、チーム全体のリズムが悪くなってヨルダンに押され気味になったことです。

ただ、選手交代とフォーメーション変更で後半10分過ぎには再びインテンシティを盛り返して、終盤に香川選手の追加点を引き出したところは評価できます。

 攻撃については組立てまでは良かったので、あとはゴール決定力がもっと上がってくればベストです。ミドルシュートはもっと打てたはず。試合終盤まで1点差では何が起こるかわかりません。

 守備についても、厳しく効果的なプレスが相手に自由な攻撃を許さず、良かったと思います。

ただ、攻撃陣が気持ちよくパスを回していると、それにつられたDF陣も大きく前へ蹴っちゃいけないような気がして、自分のゴール前で細かいパスを最後の最後まで通そうとしがちなんですが、2度ほど自陣深くで細かいパスがミスになり危険なカウンターを食らってしまいました。

レベルが上のチームなら即失点もありうるハイリスク・ローリターンのプレーであり、自軍ゴールに近い1/3では安全第一のプレーをお願いします。

 選手個々の評価と監督采配についての分析は次回とします。




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■日本代表、中だるみもイラクに勝利(その2)

 前回のつづき

 それでは引き続き、試合内容をチェックしていきます。まず攻撃から。

攻撃は前回申し上げたように、後半20分すぎに4-2-3-1に変えてからスムーズになったと思います。

ただ、サイドやペナルティエリア内の敵選手が密集しているところで、わざわざ窮屈なパスを通そうとするのは良い傾向とは言えません。

敵味方が密集しすぎているなと感じたらサイドチェンジを使ったり、ペナルティエリアに入るか入らないかのバイタルエリアからどんどんシュートすべきです。本田・香川両選手以外はシュートへの意識が低すぎます。

数少ないカウンター攻撃も、ボールをロストして逆襲を受けることが気になるのか、選手が後ろ髪を引かれるようにプレーしていて前方への迫力を感じません。

例えば、相手陣内でボールを奪い、3対2とか4対3といった良い形をつくれたら、こちらの4バック+ダブルボランチは上がらず、その6人は責任をもって逆襲に備え、前にいる岡崎・香川・本田・乾の4人で心おきなくカウンターを仕掛け、ゴールしてしまうのも一つの案でしょう。

 守備は、前の試合に引き続いてプレスがまずまず効いていたと思います。

ただ、相手ボールがタッチラインやゴールラインを割りそうなときに、マイボールにするため「フタをする」プレーで危なっかしいシーンが二度ありました。

相手がボールにまったく追いつけないなら話は別ですが、フタをした日本の選手のすぐ背後に相手選手が来ている場合はセーフティにクリアすべき。ブラジル・コンフェデカップのイタリア戦で、日本代表は高い授業料を払っているはずです。

 選手個々で特筆すべきは、貴重な決勝弾となるPKをしっかり決めた本田選手。バイタルエリアから惜しいシュートを放つなど何度も決定機に顔を出しました。あとは決めるだけでしょう。サイドでボールを持ちすぎて奪われるシーンがあったのでそこはシンプルに。

乾選手は相手の右サイドをドリブルで切り裂き、先制のPKにつながったプレーを含め、チャンスを何度も演出。相手に体を寄せられてPKをもらいに行くような弱気なプレーは必要ありません。倒れずにもっと貪欲にシュートを!

香川選手はようやく良い形からシュートを打てるようになってきました。ただ、人間は自分が見たものに向かってボールを蹴ってしまう本能がありますから、とくに心の余裕が無くなっているときは相手GKを見てGKの正面に蹴ってしまいがちです。ゴールの枠内へ入れるのは大前提としても、相手GKを見てそのGKを外すようにシュートを打つことを意識すべきです。

 アギーレ監督の采配については、先制したあと後半20分近くまで相手に中盤を支配されて劣勢と見るや、4-1-2-3から4-2-3-1に変更してゲームの流れを引き戻したことは良かったと思います。

しかし、4-2-3-1で香川選手がイキイキとプレーして攻撃全体が良くなりましたから、4-1-2-3が本当に日本代表の「体に合った洋服」なのか疑問です。

 日本代表のアジアカップ第2戦、勝利という結果は順当でしたが、試合内容はパレスチナ戦より良くなってきたものの、まだまだ改善点は多いです。次の試合に期待します。

◇    ◇     ◇     ◇     ◇     ◇    ◇

      2015.1.16 サンコープスタジアム(ブリスベン)

        日本  1 - 0  イラク

      本田(PK)23'


       GK 川島       GK ハキム

       DF 長友       DF サリム
          森重          A.ハラフ
          吉田          サラム・アリ
          酒井          イスマイル

       MF 長谷部      MF カシム
          香川          アブドルアミル
          遠藤          カラフ
         (今野 64)      (ラシド 82)
                       アブドルザフラ
       FW 乾            アルタミミ
         (清武 63)       (ヤシン 67)
          岡崎
          本田       FW ユニス・ハラフ
         (武藤 89)       (ミラム 55)




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■日本代表、中だるみもイラクに勝利

 日本代表のアジアカップ第2戦はイラクとのゲームでしたが、1-0で日本が勝利をあげました。

対戦相手のイラクは国内でプレーしている選手を中心に、イングランド3部やトルコのクラブに所属する選手を加えたチーム。日本との実力差は日本のホームで日本の勝ち、アウエーで引き分け程度と見ていました。

中立地で日本の勝利という結果は順当だったと思いますが、試合内容の方はパレスチナ戦よりは良くなったものの、まだ潜在能力の60%ぐらいしか発揮できていないといったところでしょうか。

        ☆        ☆        ☆

 それでは試合内容の分析に入ります。

このところ日本代表の課題になっている、攻守両面におけるインテンシティ(プレー強度)については、立ち上がりからまずまず良かったのですが、先制したあとに悪い意味で落ち着いてしまって中だるみを起こし、ボールを前へ運ぶ迫力やスピードがまったく無くなって、前半30分ぐらいからは反撃に出てきたイラクに押されぎみになってしまいました。

90分攻めっぱなしというのはよほど相手が弱くないかぎり不可能な話ですが先制してもホッとせず、機を見て相手を押し込んでシュートまで行ったり、カウンターを仕掛けたりして相手をヒヤっとさせるような攻撃をしないと、ボールを追い回しているだけでは体力的にもキツくなってきます。

後半キックオフからはもっと状況が悪くなり、日本の中盤が間延びして広く空いたスペースを使われ、防戦一方になりました。

後半20分ぐらいにしびれを切らしたアギーレ監督が今野・清武両選手を投入し、フォーメーションを4-1-2-3から4-2-3-1(守備時は4-4-2)にチェンジすると守備ブロックがコンパクトになり、イラクのボールホルダーにプレスが掛かり始めて、攻撃もパスがつながるようになり、相手を押し込むことができるようになります。

パスをつなぐテンポも良くなったことで攻撃にリズムが出て、流れる様な攻撃からビッグチャンスを何回かつくることができました。

この後半20分からのパスのリズム、次のプレーをどうするかの判断の速さ、攻守両面におけるインテンシティの高いプレーを、キックオフ直後の0-0の状態からやって欲しいのです。それを波はあっても90分間なるべく持続させて欲しいのです。

じゃあ具体的にどういったパスのリズムが必要なのか、適切な判断の速さとはどれくらいかと言えば、プレー状況にもよりますが、1人の選手がボールを持つ平均時間をなるべく2秒未満に保つことです。

ヨアヒム・レーブ監督の話をこれまでにもちょっとしたことがありましたが、彼が就任したばかりの2006年時点でドイツ代表選手の1試合あたり平均ボール保持時間は2.8秒だったそうですが、レーブ監督はトレーニングでこれを8年かけて短縮していき、優勝したブラジルW杯のときには平均1秒ぐらいにまで縮めたといいます。

どうしてボール保持時間を短縮した方が良いのかと言えば、リズム良くパスを回していくことで相手のプレスがかからないようにし、相手が守備陣形を整える前にシュートまで攻めきってしまいたいからです。

速いテンポで正確にパスをつないで攻める→相手がうかつに飛び込めなくなる。飛び込めばパスでかわされてしまう状況をつくる→相手のプレスが弱まることでよけいにパスを回しやすくなる→相手が守備の態勢を整えられないうちに攻めるから質の高いシュートチャンスを数多くつくれる→ゴール!

こういう好循環をつくりたいわけです。

しかし次のプレーをどうするかの判断を3秒も4秒もかけていたらどうなるでしょうか?

ボール保持者が次のプレーをどうするかグズグズ迷う→相手は動きを止めているボール保持者にプレスをかけやすくなる。フリーだった味方にもマークにつく時間を与えてしまう→やむをえず密着マークを受けている味方へパスをする→味方がフィジカルコンタクトに負けてボールをロストしカウンターを食らう→カウンターへの恐怖からボール保持者がミスパスを避けるため、もっと慎重に長い時間をかけてボールを持ってしまう→よけい相手のプレスがかかりやすくなりボールをロストしてついに失点する

こういった悪循環になるわけです。

ブラジルW杯の初戦コートジボアールとのゲームの日本なんて、まさに後者の状態でした。あれを「ポゼッションサッカー」と呼ぶことはとてもできません。

ドイツ代表のインテンシティがW杯のグループリーグでも決勝トーナメントでもあまり変化がなく一定しているのは、ミスになったらどうしようなんて考えるヒマもなく、各選手が平均1秒ほどの判断時間でパスをテンポよく正確につなぎ相手ゴールへボールをスピーディに運ぶということを、頭ではなく体で覚えこんで習慣化するまで、レーブ監督が練習させたからでしょう。

もちろん判断時間を1秒台にすることを最優先にして選手がミスプレーの連続では困るのですが、日本も正確にプレーしながらできるかぎりボール保持時間を短縮していく練習を、これから継続的にやっていくべきです。

当研究所はW杯の直前に、日本代表はポゼッションサッカーをベースとして、相手がこちらより実力が上だったり、押し込まれて苦しい時間帯は守備ブロックをつくって臨機応変に堅守速攻型のサッカーをするべきではないかと提案しましたが、速くて正確なパスを使ったポゼッションサッカーをベースに、試合や相手ごとに戦術を変化させていったドイツのサッカーは現代サッカーの理想形の一つでしょう。

 この試合の攻守の具体的な内容チェックと個人評価、そして監督の采配分析については次回とします。




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■日本代表、アジアC初戦はぎこちない勝利(その2)

前回のつづき

 それでは引き続き、パレスチナ戦における日本代表のゲーム内容をチェックしていきましょう。まず攻撃から。

前半、ショートパスで中盤を組み立てたあと、アタッキングサードに入ると浮き球のロングボールを多用した攻撃をしていましたがプレーが雑でミスが非常に多く、クオリティが低かったですね。

強い向かい風のために浮き球のパスがことごとく押し戻され、ほとんどつながりませんでしたから、こういう時こそ風に影響されにくいグラウンダーのパスを中心に攻めるべきだったと思います。

遠藤選手の正確なミドルシュートに助けられて、先制したあとはチーム全体がいくらか落ち着いて攻めを組み立てることができるようになりましたが、前回指摘したようにフリーの味方がいてもボール保持者がどこへパスを出すか自信なさげに迷いながらプレーしているので、日本がボールを相手ゴールへ向かって運ぶときに「迫力のある前方への強い推進力」や「相手の守備態勢が整わないうちに攻めきってしまうだけの速さ」に欠けていました。

試合後の会見でアギーレ監督が「前半に欠けていたのはスピード」と述べていた通りです。

ボール保持者がボールを持ちすぎてしまう原因は、周囲の選手のパスを受ける動きが良くないこともあるのですが、サイドで味方がクロスを上げられる態勢に入ったとき、ゴール前の3人が横一線に並んでしまって相手がマークしやすくなっていることも、クロスが良いタイミングで入らない原因となっています。

そうではなくて、下図のようにゴール前へ各選手が時間差をつけて飛び込めば、フリーの選手ができやすくなるので、もっと工夫が欲しいところ。

飛びこむタイミング正
(クリックで拡大)

一本一本のパスについても、すぐ近くにいる味方にトラップするのさえ大変なシュートみたいな強すぎるパスを出すかと思えば、誰に受けて欲しいのかメッセージが伝わらない弱々しいパスを出して、受け手の2人がお見合いしているうちに敵にボールを奪われたりと、まだまだ精度に欠けています。アジアカップ初戦で硬くなったのだと思いますが、もっと落ち着いてプレーして欲しいです。

 守備に関しては、まずまず良かったと思います。

相手のボールホルダーへの寄せが早く、相手をフリーしないという強い姿勢がうかがえたのは良かったです。

ただ守備ブロックが間延びしてプレスがかからない時間帯があったので、1試合を通してコンパクトな陣形が保てるよう、スピーディなトランジション(攻守の切り替え)や帰陣を心掛けてほしいです。

この試合も4-1-2-3のフォーメーションで臨んだ日本でしたが、パレスチナがかなり力の劣る相手だったので特に問題にはならなかったものの、大阪でやったオーストラリアとのテストマッチではアンカーである長谷部選手の両脇のスペースを意図的に使われて苦戦し、4-2-3-1に変更してピンチを切り抜けたことがありました。

今後対戦する相手はどんどん実力が上がってきますから、今後も4-1-2-3で行っても大丈夫かどうか、慎重に検討する必要があるでしょう。もし何か問題があれば4-2-3-1でスタートしても全然かまわないと思います。

 攻守両面でのインテンシティ(プレー強度)については、前半の立ち上がりは緊張して硬くなったのか低く、先制ゴールをゲットしたあとはインテンシティが高まりましたが、相手が退場者を出してから再び低くなり、1人少ない相手に押し込まれる場面もあるなど一定しませんでした。

アギーレ監督が「後半はインテンシティが落ちた」と指摘している通りですが、多少の波はあってもインテンシティを90分間高いレベルで保つことがロシアW杯に向けた課題です。

        ☆        ☆        ☆

 選手個々で特筆すべきはまず遠藤選手。相手ゴールへパスするような正確なミドルが素晴らしかったですし、先制点を取ったことでチーム全体を楽にさせた、当研究所が選ぶマン・オブ・ザ・マッチの活躍。

岡崎選手も点取り屋らしい反応で香川選手のシュートをヘッドで角度を変えて追加点をゲット。最前線からのプレスも献身的で、ボールをできるだけ早く奪い返して再攻撃につなげるなど、攻守にキレのある動き。

吉田選手は、パレスチナの唯一の決定機だった後半36分アルバハダリのヘディングに体をしっかり寄せてシュートを枠へ飛ばすことを許さず。逆に日本の3点目4点目となった、地面に叩きつけるような教科書どおりのヘディングシュートも良かったですね。

本田選手も落ち着いてPKをしっかり決めてくれました。

香川選手は、PKをもらったプレーと岡崎選手へのアシストはややラッキーでしたが、吉田選手への正確なアシストは見事。
ただ不正確なパスがまだ目立つことや、誰にパスを出すか判断に迷いが見られボールを前方へ運ぶ迫力やスピードがまだ本調子でないところは改善点でしょう。パスを受けるときのボディ・シェイプもだいぶ良くなってきました。悪いときの香川選手は相手ゴールに背を向けてマークを背負ったままパスを受け、背後のマーカーにフィジカルコンタクトで負けてボールをロストするケースが多いのですが、この試合は後方から来たパスを半身で受けて、前方へ素早くターンしボールをもって前を向く回数が増えてきたので、今後も継続していって欲しいです。「ケチャップ・ドバドバ」じゃないですけどゴールは出るときには出るものなので、結果が出ないことに悩むようなことはせず、自分が今やるべきことは何かに集中してプレーを高めていけば、アシストやゴールの数は自然と積み上がっていくと思います。

 逆に乾選手はあまり目立たず。彼に限らず日本人選手一般に見られることですが、気分にムラがあるのか代表やクラブで目を見張るような大活躍をしてもその好調が持続するのは次の1試合ぐらいで、その後はだんだんとフェードアウトしていって、最後は鳴かず飛ばずになってしまうということが良くあります。1度は活躍できたということはポテンシャルそのものはあるわけですからプレーの強度をなるべく一定に保ち、持続的に良いパフォーマンスや結果を出していかれるようにしていって欲しいです。

途中出場の清武選手も足元の技術が高い彼らしからぬ、パスミスが非常に目立ちました。初戦ということで硬くなったのかもしれませんが、もっと落ち着いて。

        ☆        ☆        ☆

 アジアカップ初戦となったパレスチナとのゲームは、4-0という結果こそ良かったものの、試合内容はあまり良くありませんでした。

パレスチナはアジアカップ予選を勝ち抜いてきたわけではなく、アジアを強・弱2グループに分けたうちの弱いグループのみで戦うAFCチャレンジカップ(前回大会で廃止が決定済み)で優勝した特別枠で出場してきた国であり、今後このレベルの相手とぶつかることはありません。 

その相手に硬くなり、日本代表が持つ真価を発揮しきれなかったという点は残念でした。

「準決勝ぐらいにピークをもってくれば良いのであって、初戦は本調子でなくてもしょうがないし、3年後のロシアW杯の初戦までに課題を克服すれば良いだろう」という考え方もあるのかもしれませんが、遠藤選手の言うように「明日やろうは馬鹿野郎」だと思います。

年末年始にザッケローニ監督がブラジルW杯の敗因を語る番組が放送され、「一番の敗因はメンタルであり選手たちが相手をリスペクトしすぎていたことだ」と言っていましたが、相手をリスペクトしすぎる=相手にやられて失点するんじゃないか試合に負けるんじゃないかと心配しすぎてしまったことが敗因という分析には私も同感です。

それはW杯直後の記事でも述べたとおりです。

(日本代表のブラジルW杯総括(その1))

W杯の決勝戦というとてつもないプレッシャーがかかるゲームであっても、インテンシティがW杯の予選やグループリーグなどとほとんど変わらず、自分たちがやるべきことに集中しそれをプレーでコンスタントに表現し続け、ついに優勝カップを掲げたドイツ代表。

日本とドイツとの一番の差は、技術・戦術・フィジカル面よりもそこだったように思います。

そうした課題を、プレッシャーがより少なく相手の実力も劣るアジアカップの初戦で克服できずして、どうしてロシアW杯で克服できるのでしょうか。

ならば3年後までにやろうじゃなくて、今日の試合から課題を克服するように努めるべきではないでしょうか。

 最後に余談ですが、パレスチナ代表のゲームを見るのは久しぶりなので、この試合の直前に2002年釜山アジア大会時の観戦ノートを眺めていました。

当時パレスチナのフル代表と対戦(2-0で日本の勝利)したのは山本昌邦監督率いるアテネ五輪出場を目指すU-21代表で、松井大輔・鈴木啓太選手らが中心のチームでしたが、今から12年前のパレスチナゴールを守っていたGKラムジー・サリハ選手がアジアカップ2015の初戦にも出てきたのでびっくりしました。

紛争やテロで普通に生活することさえままならないパレスチナの代表選手として10年以上サッカーを続けるのはとても大変なことだと思うのですが、同じサッカーファミリーの一員として「がんばって!(日本戦以外は)」と祈らずにはおられません。

◇    ◇     ◇     ◇     ◇     ◇    ◇

2015.1.12ニューカッスル・インターナショナル・スポーツセンター

         日本 4 - 0 パレスチナ

     遠藤   8'
     岡崎   25'
     本田(PK)44'
     吉田   49'


        GK 川島      GK サリハ

        DF 長友      DF ハルビ
           森重         アルバハダリ  
           吉田         アルバタト
           酒井         ジャビル

        MF 長谷部     MF アブハマド
           香川         (サルヒ 71)
           遠藤         サイード
          (武藤 58)      アルアムール
                      (アブサリハ 82)
        FW 乾           アブハビブ
          (清武 46)      アルファワグラ
           岡崎   
          (豊田 80)   FW ダハーダ
           本田        (サラーハ 77)



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■日本代表、アジアC初戦はぎこちない勝利

 読者のみなさま、あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。今年は日本代表の良いサッカーが見られますように。

いよいよ開幕したアジアカップ2015。日本の初戦の相手となったパレスチナは、国内リーグでプレーする選手を中心にスウェーデンやエジプト・サウジなどでプレーする選手を組み合わせたチーム。ホームでもアウエーでも日本が問題なく勝利できる相手と見ていました。

オーストラリアという中立地で4点差をつけての勝利という結果は良かったのですが、日本のゲーム内容はあまり良くなかったと思います。特に相手が退場者を出して1人少ないのに追加点を奪えなかった点は、大いに不満が残りました。

このグループで一番力の劣るパレスチナ相手に4-0という結果が十分であったかどうかは、グループリーグ最終戦が終わった時に分かることになります。

        ☆        ☆        ☆

 それでは日本代表のゲーム内容を見ていきます。

相手がかなりの格下ということもあって、1試合を通してゲームをほぼ支配できました。

ただ、「大事な初戦で失敗したくない」という気持ちが強すぎるのでしょうが、選手ひとりひとりのプレーが硬いというか、腰が引けていて思いきりに欠けていたと思います。

まるでブラジルW杯のコートジボアール戦を見ているかのようでした。 

例えば、フリーの味方が前にいるのにどこへ出すか迷っているうちにフリーだった味方にマークがついてパスが出せなくなり、しょうがなくボールを後ろへ戻さざるを得なくなったり、サイドで良いタイミングでパスを受けてすぐにクロスを入れればいいのに、迷って切り返しているうちに敵選手に囲まれてバックパスに追い込まれたりと、プレーがギクシャクして流れる様なスムーズさがありません。

たぶん、自分が出したクロスやパスが味方につながらず相手ボールになって、そこからカウンターを受けて失点することを恐れているのでしょうが、アタッキング・サードでボールを失うことを恐れていてはシュートしてゴールを奪うことなんてできませんし、それではサッカーになりません。

まずボールを手放さなければシュートやクロスはできないわけですから。

カウンターを食らうのが嫌ならば、なおさら次にどういうプレーを選択するかの判断を速くして、味方がフリーでセーフティにボールを受けられる状態のうちにシンプルにパスやクロスを出し、一連の攻撃をできるだけシュートで終わらせてしまうことが大事になってきます。

ブラジルW杯における日本代表の一番の敗因は、失敗や悪い結果を恐れ一つ一つのプレーに勇気と思いきりが欠けた結果、相手の出方をずーっとうかがって、自分たちの実力を100%出し切らないうちに、やられてしまったということです。

慎重に慎重に、石橋を何度も叩いているうちに、勝利につながる橋を叩き壊して自分で渡れなくしてしまったことです。

日本がブラジルW杯の初戦で負けてアジアカップ2015の初戦に勝てたのは、コートジボアールと比べるとパレスチナがかなり力の劣る相手だったからですが、ブラジルW杯で日本が高い高い授業料を払って学んだ、「重要な試合であればあるほど失敗を恐れずに、自分たちの普段の実力を出し切ることに集中することの大切さ」を、この試合でも表現できなかった、そうした課題がまだ克服できていなかったというのが、とても残念です。

 日本代表の攻守両面における具体的なチェックと、選手個々の評価は次回にしましょう。



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