■2014年06月

■これからの4年間でやるべきこと

 ブラジルW杯における日本代表の戦いぶりを総括してきたこのシリーズの締めくくりとして、これからの4年間で日本のサッカーをどう立て直していくべきかについて考えてみたいと思います。

次の動画を観ていただきたいのですが、オランダ戦の本田選手のゴールやベルギー戦の岡崎選手のゴールなど、日本代表の良いときって、相手のバイタルエリアで複数の選手が適切な距離を保って連動し、美しいパス交換から相手DFラインを崩してゴールを奪っていますよね。

やればできるのに、どうしてこれがブラジルで出来なかったかな~と今でも残念に思っています。



「練習の王様」「テストマッチの王者」ではだめなんです。W杯の本番でこれができなければ、意味がありません。

W杯だろうがCLの決勝戦だろうが、どんなにプレッシャーのかかる重要な試合でも、自信満々で実力を出し切れるような選手・チームをこれから日本サッカー界で育成していかなければなりません。

私は「日本人は世界で一番、失敗のしかたが下手くそな民族」だと思っています。

日本人にとって失敗とは忌み嫌うべき「ケガレ」であり、絶対に経験してはならないものなのではないでしょうか。

だからこそ日本人は失敗することを異常に恐れ、たった一度でも失敗が許されないという強いプレッシャーから本番に弱くなる、子供を育てるときもその子の良いところを伸ばすよりも、失敗や欠点をゼロにすることに力点がおかれているように思います。

しかし、世界のどこにも一度も失敗しないで成長する子供なんていませんし、失敗してみて初めてわかることも多いものです。むしろ「1度も失敗しないで大人になることこそ人生最大の失敗」であり「失敗こそ最高の先生」なのです。

アメリカでは失敗や挫折を自分の力で乗り越えた人間でなければ、厳しいビジネスの現場では通用しないという意味で、“fail fast”(若いうちに失敗しておけ)なんて言われたりします。

ですから、どんなささいなことでも上手くできたら大人が子供をほめてやって自信や成功体験を植えつけさせ、その子の良いところを伸ばすようなやり方に変える。

その失敗が子供が全力を尽くした結果であるかぎり、周囲の大人はその試練を乗り越えるヒントを与えつつ、できるようになるまで温かい目で見守ってやることで、「失敗は決して怖くない。次にできればいいんだ」ということを子供たちに理解させることが、本番に強いサッカー選手を育成することにつながっていくのではないでしょうか。

これを日本サッカー界はもちろん、政府や教育界も巻き込んで、日本全体で何年もかけて地道にやっていくしかないと思います。

何度も言いますが、代表チームとは良いところも悪いところも、お国柄や民族性の反映なのですから。

ブラジルW杯において、メンタル面の強さで世界と互角に戦えていたのは本田選手ぐらいでした。日本代表が世界で勝ち抜いていくには、彼と同等以上のメンタルの強さを持った選手が少なくとも23人は必要です。

 メンタル面の強化の次は、日本サッカーそのものの具体的な強化策を考えていきましょう。

ザッケローニ氏のおかげで、攻守両面における世界標準の組織戦術が導入されましたから、今後もこれを維持し、さらなるレベルアップをはかること。

ユース年代になるまでには、ゾーンディフェンスによる組織的な守備のしかたや、チームワークによる攻撃のしかたといった基本的な組織戦術・個人戦術を選手にマスターさせること。

そのうえで、日本サッカー界の永遠の課題ともいえる個の能力アップに一層力を入れることが求められます。

日本人選手は相手からボールを奪い返す能力が高いとは言えず、ブラジルでもそれが目立ちましたね。

体格やフィジカル能力の面で問題があるのかもしれませんが、日本人選手は心がやさしすぎるというか、自信や勇気に今ひとつ欠けるところも、ボールの奪い合い・競り合いに弱い原因になっているのではないでしょうか。

そこで、子供の時から楽しみながら1対1に勝つことを重視した練習を行い、一定の年齢に達した時点で、ケガを防ぐためにちゃんとレガースをつけさせて、真剣勝負のボールの奪い合いをガチガチやらせることで、1対1に強い選手を育成していくべきでしょう。もちろん大人になってJリーグ各クラブでやる普段の練習もそうでなくてはなりません。

 ブラジルでは「専守防衛」ではなく、ある程度ボールをポゼッションして相手陣内へ攻め込むことができるようになりました。そこでクローズアップされてきたのが、日本人選手のシュート決定力の低さという問題です。

その原因は、日本人選手に足元の技術が無いのではなくて、練習でシュートを打つ経験が絶対的に不足していることではないかと考えています。

サッカーにおいて、シュートのパターンはそれこそ無限大にあるわけですが、その中でも特に使用頻度が高くて、利用価値の高いシュートの型というのがあります。

その一つが、まず自分の目の前にいるDFをフェイントで振り、自分でシュートを打ちたい方向にコースを空けてから相手DFの前から打って決めるという形です。

当研究所も香川・本田ら代表の各選手たちに、W杯までにこのシュートの型を身に着けるよう強く勧めてきました

日本代表、W杯壮行試合は勝利で締めるも...) 

モイーズ解任) 

その威力をまざまざと見せつけられたのがコロンビア戦でした。マルティネスの3点目、ロドリゲスの4点目がそれです。

どちらも自分の目の前にDF1人、その後ろにGKがいる状況で、まずフェイントでDFを右に振ってバランスを崩させ、自分が打ちたい左にコースを空けて、相手DFの前からゴールを決めています。

オランダのロッベンの得意な型である、サイドからドリブルしてゴール前へカットインし、相手DFを振ってその前からミドルで決めるという形も含め、このシュートの型は非常に利用価値が高く、応用範囲も広くて破壊力があります。



このようなシュートはただ漫然と練習していれば自然とできるようになるのではなく、自分の前にDFとGKをつけて、できるようになるまでこのシュートの型をくりかえしくりかえし練習することで、はじめて実戦で使える正確さ、シュート決定力を身に着けることができるようになります。

以前にも言いましたが、味方に相手GKとの1対1の状況をつくってもらわないとゴールが決められない選手と、自分の前にDFが1~2枚いても問題なくゴールが決められる選手との間には、越えられない壁があります。

後者の状況で高いゴール決定力を持った日本人選手というのはとても少ないです。

他にも使用頻度が高く、利用価値の高い「シュートの型」というものがありますから、子供のときからくりかえしくりかえし練習させて、実戦で使えるシュートの型をできるだけ増やしておくことが、日本人選手のゴール決定力改善に欠かせません。

 世界レベルのセンターバック(CB)の育成が急がれるのも、日本サッカー界の課題として浮かび上がりました。

複数のポジションをこなせるポリバレントな選手が重宝される現代サッカーですが、CBとゴールキーパーは「専門職」だと考えています。

ですから、トップ下やFWになれなかった「下手な子供たち」がしょうがなくCBのポジションにまわってくるのではなくて、CBというポジションの重要性をしっかり教えながら、それに向いた子供たちを集めて育成していく必要があるのではないでしょうか。

CBというポジションは身長が高くて体が大きい方が有利で、現代サッカー選手の大型化を考えると最低でも身長185㎝以上は欲しいところです。

そこで、DF志望の子供たちで身長の高い子を優先的に集めて、適性を見ながらCBに必要なトレーニングを施すべきではないでしょうか。

(身長の低い子は絶対にCBをやってはダメと言っているのではありませんが)

私が選ぶ歴代日本代表No.1センターバックは横浜Mの中澤祐二選手ですが、彼は苦労人でユース年代の日本代表歴はいっさいありませんし、Jリーグクラブからもなかなかプロ契約してもらえませんでした。

彼がトルシエ監督によってU-23代表に呼ばれたころはインサイドキックすら危なっかしくて、たとえ身長が187cmあっても足元の技術の無さが理由で、セレクションを落とされ続けてきたのではないかと思いますが、その後努力してCBに求められる足元の技術と読みを身に着け、ついに日本を代表するCBになったわけです。

もし彼が途中で挫折していたら、日本代表センターバック・中澤祐二も南アフリカW杯ベスト16に貢献した獅子奮迅の働きもありませんでした。

いかに日本サッカー界に、良いCBになりそうな若者を見抜く目がなかったかをあらわすエピソードではないかと思うのですが、私が街を歩いていると185㎝を超えていそうな若者をけっこう見かけるのに、Jリーグ各クラブのCBは高い方でも180㎝代前半が多く、足元の技術を優先させてCBを育てているから身長の高い選手が少ないのではないでしょうか。

もちろん足元の技術や読みも重要ですけど、足元は上手いけれども身長の低い選手を練習で高くすることは困難ですが、身長の高い選手に足元の技術や読みを教えることの方がはるかに容易です。

なるべく身長185㎝以上(になりそうな)の若者を集めて、センターバックに求められる能力を専門的に教えた方が良いのではないでしょうか。

いま日本のサッカー界は「攻撃サッカー」がもてはやされる一方で、守備の強化が非常におろそかになっていると感じます。

サイドバックは攻撃参加もしますので良い選手が次々と出てきますが、一番軽視されているのがセンターバックのポジションだと思います。

Jリーグでも、しまらない点の取り合いのゲームが多い気がしますし、ACL決勝トーナメントでもJリーグ勢は簡単に失点を重ね、アウエーゴールの差でみんな敗退しています。ブラジルW杯でもちょっと攻められると我慢できない守備力の弱さが目立ちましたよね。

一部の民族をのぞけば、試合中ずっと守っているよりは攻撃しているほうが楽しいに決まっています。
しかし、こちらが入れたゴール以上に失点してしまえば、サッカーの試合は負けです。

世界レベルの日本人センターバックの育成が本当に急がれます。

 ザックジャパンではチームの主力であった遠藤・今野の両選手がW杯の前年にJ2でプレーし、ブラジルW杯に向かって調子が下降線をたどってしまうという問題が起こりました。

日本のサッカー選手は責任感が強いですから、所属クラブが2部に落ちても移籍せず、自分が責任をもって1年でJ1に復帰させようとすることが多いです。

しかし、代表の主力選手がレベルが高いとは言えない2部で1年間プレーすることで能力を落としてしまえば、日本サッカー界全体の損失となります。

今後、代表の主力選手が所属するクラブが2部に落ちた場合は、Jリーグやクラブ側が事情をよく理解してその選手を説得し、少なくともJ1クラブへ移籍させることでその選手のプレーのクオリティを落とさないようにすることが必要です。

 最後に、次期代表監督にはどんな指導者がふさわしいかについてですが、ザックジャパンがやっていたサッカーの方向性は決して間違ってはいなかったと思います。

相手の守備ブロックの間をグラウンダーのショートパスをつないで崩し、オフサイドを避けながら相手DFラインのウラヘ味方とボールを送り込んでゴールを決める、守るときはコンパクトな守備ブロックをつくりバイタルエリアで相手を厳しくマークして点をやらない。

今後もこうした方向性を保てるように、新しい指導者に最低限望むことは、

1.日本人の長所・弱点を良く理解したうえで、攻守における世界基準の組織戦術を選手に教えることができること。

2.メンタル面も含めて、世界に通用する能力を備えた日本人サッカー選手を育成することができること。

3.「勝者のメンタリティ」を持った、積極的で勝負強い指揮官であること。


の3点でしょうか。

原博実・技術委員長がメキシコのアギーレ氏にずいぶんといれこんでいるようですね。

エスパニョールの試合をフォローしていなかったので、彼が今どんなサッカーをやっているのか良く知らないんですが、4年前の南アフリカW杯でメキシコ代表を率いていたときは、3-4-3を使っていましたね。

メキシコ2
(クリックで拡大)

2002年W杯は3-5-2だったと思いますが、どちらの大会もそれほど目を引くものではなかったというか、すごいサッカーだったという印象はあまりありません。

ブラジルW杯が終われば、監督の移籍市場も本格的にスタートすると思いますから、いろいろな候補をピックアップしながら、じっくりと監督選びをしたほうが良いのではないでしょうか。

アジアカップとW杯アジア3次予選(最終予選の一つ手前)までやってもらえば、だいたい新監督の力量がわかると思います。

 それでは2018年W杯のために、今よりもっと良いチームをつくって、積極果敢に挑戦してやろうじゃありませんか!


<了>


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■ザッケローニ監督の功罪

 (まずはじめに、コメントをくださった読者のみなさんに感謝いたします。みなさんの日本サッカーを良くしたいという情熱がひしひしと伝わってきました。こうしたサポーターがたくさんいるかぎり、日本サッカーの未来は明るいと確信しています)


 これまで2回にわたり、ブラジルW杯における日本代表の戦いぶりを総括してきましたが、4年間監督をつとめてきたザッケローニ氏の「功」と「罪」を検証し、つぎの4年間で日本サッカー界はどうすれば良いかを考えることで、このシリーズのしめくくりにしたいと思います。

 前任の岡田武史氏のあとを引き継ぎ、2011年に日本代表監督に就任したザッケローニ氏ですが、彼は日本サッカー界がようやく手に入れた、攻守において世界標準の組織戦術を選手たちに教えることのできる指導者でした。

岡田前監督は、守備の戦術をかためるのがギリギリ間に合った状態で南アフリカW杯に突入したので、固く守ってカウンターというサッカーをやるしか選択肢がありませんでした。

しかし、ザッケローニ監督が就任してから攻撃の組織戦術が日本代表に新たに導入され、アジアカップ2011で優勝してコンフェデの出場権を獲得、これまで勝ったり負けたりと苦しんできたW杯アジア予選も順調に勝利を重ねて余裕をもって首位通過するなど着実な成果をあげます。

守備についても、それまで相手が使えるスペースを限定するためにフィールドプレーヤー10人が協力して守備ブロックを形成するという概念がなかなか根付かなかった日本サッカー界に、世界標準の組織戦術を導入した彼の功績は大きかったと言えます。

さらに長友選手がインテルミラノに移籍してキャプテンを任されるようになるなど貴重な経験を積んできた過程で、ザッケローニ監督による助言や支援も相当あったことでしょう。

日本がブラジルW杯で失望させられる結果に終わったことで、まるでこの4年間がまったくの無駄であったかのように、スポーツ新聞がザックジャパンをひどい言葉で一斉に叩いていますが、ちゃんと評価すべきところは評価しなくてはいけません。

ここまでがザッケローニ監督の「功」です。

 彼が不運だったのは、長谷部・内田・吉田の各選手が大けがをし、W杯の直前に長期離脱を余儀なくされたこと、遠藤・今野両選手が所属するG大阪がW杯の前年にJ2に落ちたこともあって、両選手が高いレベルでのサッカーができなくなり、ブラジルW杯を前にして彼らの能力が下降線をたどるようになってしまったこと、そしてCSKAモスクワのギネル会長がもうけを欲張り移籍金をつりあげて交渉を長引かせた結果、本田選手のACミラン行きが遅れ、W杯の半年前という状況でミランへの適応に苦しんだ不調を彼がそのままブラジルへとひきずってしまったことです。

ザックジャパンの中心選手たちに相次いで訪れたアクシデントが、ブラジルでの日本の結果にマイナスに働いてしまったことは事実でしょう。

ただしザッケローニ氏にも問題はあって、イタリア人らしい保守的な選手起用がそうした事態を招いてしまったという面もあると思います。

W杯アジア予選が非常にうまくいったので、せっかく良い結果を出している先発メンバーをあえていじる必要性はありませんでしたし、クラブと違って代表チームはめったに集まって練習することができませんから、数か月ごとに行われるテストマッチでは、レギュラー陣がこれまで積み上げてきたサッカーを忘れないように優先的に先発起用されたことも理解できます。

しかし、ずっと控えに甘んじていてレギュラー組をまったく脅かすことのできない選手を惰性のようにいつまでも選び続けるのではなく、新顔の選手をどんどん招集してチャンスを与えたり、失敗が許されるテストマッチでもっといろいろな選手を試すべきだったと思います。

そうすれば代表選手たちの間でもっと競争をうながすことができましたし、メンバーの固定化を避け、なるべく選手層を厚くして、誰が出てもそれなりの結果が出せる日本代表をつくっていくべきでした。

本来得意でない左サイドでの香川選手の起用に最後までこだわったことも含めて、召集されるメンバーの顔ぶれとその起用法が硬直的だったこと。

これが「罪」の一つ目です。

ザッケローニ氏は自分が呼んだ選手を絶対に批判しない方でしたね。
むしろ試合の結果や内容が悪いときでも選手をかばうような発言が多かったです。

みんなの見えないところでパフォーマンスの悪い選手を監督室に呼び、こっそり注意していたのかもしれませんが、少なくとも公式会見や報道陣への受け答えなど表に出てくる場面での選手への厳しい注文というのを聞いた記憶がありません。

それはザッケローニ氏なりの紳士的な配慮だったのかもしれませんが、チームや特定の選手のプレー内容が悪いときは悪いと指摘するのも指導者の重要な役目です。

控え組も含め結果が出せない選手はどんどん入れ替えて、チーム内に厳しい競争原理を導入し、パフォーマンスが悪い選手には改善のヒントを与えつつも、悪い点は悪いとハッキリ指摘することで代表選手たちに適度なプレッシャーがかかり、メンタル面の強さが養われます。

少なくともザックジャパンはブラジルW杯でベスト16に進出するポテンシャルはあった、それができなかったのは主に選手のメンタルの弱さが原因で実力を発揮できなかったから、というのが私の評価です。

もともと日本人はプレッシャーに強い方ではないのかもしれませんが、重要な試合ほど新顔にチャンスを与えない保守的な人事と、自分が呼んだ選手をほとんど批判しないというザッケローニ氏のポリシーが、代表選手たちのメンタルの弱さを助長してしまった一つの原因ではなかったかと考えています。

 ザッケローニ氏が、最後の最後まで3-4-3システムの完成にこだわり続けたことも、「罪」の一つだったのではないでしょうか。

そのしわ寄せが、センターバックというポジションに来てしまったように思います。

当研究所は、岡田ジャパンを支えた中澤・闘莉王の両センターバックの高齢化を見すえ、ザックジャパンの発足いらいずっと、彼らの後継者育成をと訴えてきました。もちろん今年に入ってからもです。

今日から代表合宿スタート

私がセンターバックのポジションにまず求めることは「相手に点をやらないこと」です。

フィジカルの強さや読みの的確さで、相手チームが組み立てようとしている攻撃を破壊し、相手チームのもっとも危険な選手を無力化させることでゴールを与えないこと。センターバックにこれより優先順位の高い仕事はないはずです。

攻撃的なポゼッションサッカーであろうと堅守速攻型であろうと、センターバックの守備能力が高いに越したことはありません。

ザッケローニ氏はセンターバックというポジションに、どちらかといえば守備の強さよりも足元のパスによる展開力を優先的に求めていたように思います。

彼がやろうとしていた可変式の3-4-3というシステムはサイド攻撃を有効に行うため、3人のバックの特に両端の選手に高いパス展開力を求めるからです。

そのため、普段のゲームでは4-2-3-1を採用しつつも、3-4-3がいつでもやれるようにセンターバックの人選を行い、そうした基準で選ばれていたのが今野選手であり吉田選手でした。

控えのセンターバックも伊野波選手がずっと呼ばれていましたし、W杯の直前になってようやく森重選手が使われるようになりました。

ところが3-4-3システムは最後まで未完のままで終わり、足元のパスによる展開力を優先させて選ばれたセンターバックだけが残されることになります。

ブラジルW杯における失点の責任をすべてセンターバックに押しつけるのは酷というものです。

しかしコートジボアール戦での2失点は、左サイドがやぶられたことばかりが強調されますが、1点目はゴール前でヘッドしたボニーに森重選手が競り勝っていれば防ぐことは可能でしたし、2点目も吉田選手がジェルビーニョをフリーにしていなければなかったかもしれません。

コロンビア戦の1点目は今野選手が相手を倒してPKを献上し、4点目はハメス・ロドリゲスとの1対1で吉田選手が完敗しています。

私が言いたいのは、いまさら彼らの責任をあげつらおうということではなくて、「サッカーにおいて、いかにセンターバックの守備力が重要であるか」ということです。

サッカーにおいてサイドからのクロスを100%防ぐことはほぼ不可能ですし、相手のカウンター攻撃にさらされることも良くあることです。

その場合であっても、"最後の砦"であるセンターバックさえしっかりしていれば、かなりの部分で失点は防げるのです。

当研究所が口を酸っぱくしてセンターバックの強化を求めていた理由はそれです。

「自分たちがやりたい攻撃サッカーをやりぬく」と日本の選手たちが自信をもって発言していましたから、コートジボアール戦において、日本の選手がカチンコチンになって能力をまったく発揮できないまま負けてしまったのは、ザッケローニ氏も予想外のことだったでしょう。

そしてザッケローニ氏が特別の思い入れを持っていた3-4-3システムが完成せず、ブラジルで選手たちがやりたかった「相手を押し込む攻撃サッカー」ができなかったとき、センターバックの守備力の低さという弱点がモロに露呈してしまいました。

結果的にセンターバックが弱ったため、ザックジャパンには自分たちがやろうとしていた「プランA」である攻撃的サッカーができなかった場合でもコートジボアール戦を引き分けに持っていくような、最低限試合に負けないための「プランB」を用意することができませんでした。

ただ、本田選手や香川選手・岡崎選手など攻撃的なポジションの選手が欧州リーグで活躍する例がボチボチ現れ始めていますが、世界レベルの日本人センターバックはいまだ皆無です。

世界からどんなに優秀な監督を呼んだとしても、優秀な日本人センターバックがいなければどうしようもありませんから、これから日本サッカー界全体で、世界に通用するセンターバックを集中的に育てていかなければなりません。

こんどこそ絶対に失敗は許されません。

これに関連して、吉田選手をオーバーエージで2012年夏のロンドン五輪へ参加させたのは完全な失敗でした。

当研究所は、ロンドン五輪でのオーバーエージ枠で吉田選手を参加させることに強く反対していました。

日本代表、スタートダッシュに成功

ドリームチームは必要ない

しかし日本サッカー協会(JFA)が吉田選手のロンドン五輪出場を強行した結果、体を休める期間がほとんどなくなり、グロインペイン症候群を発症した彼はプレミア12-13シーズンの後半を欠場し、股関節痛を隠してコンフェデ2013に参加したことでサザンプトンのポチェティーノ監督に批判され、クロアチア代表DFのロブレンに押し出される形で13-14シーズンにおける出場機会を失ってしまいました。

日本では五輪サッカー競技の評価が異常に高くて、「準ワールドカップ」みたいな位置づけになっていますが、あくまでも年齢別の大会であり、サッカーのレベルとしてはそれほどでもありません。

吉田選手にとっても日本サッカー界全体の利益にとっても、シーズンオフにしっかり体の手入れをし、ブラジルW杯までの2年間プレミアでスアレスやアグエロ・ファンペルシー・ベンテケなんかと毎週マッチアップして経験を積むことで、センターバックとしての能力を高めるほうがよっぽど大事だったと思います。

すべてのつまづきはロンドン五輪への出場を強行して疲労蓄積からケガをしてしまったことで、プレミアにおける貴重な出場機会を失い、世界に通用するセンターバックに成長するための経験を積むことができなくなってしまいました。

それもブラジルW杯で露呈した日本センターバック陣の弱さの一因となったのであり、JFAは「物事の優先順位」をまちがえるようなことを今後一切無いようにしていただきたいです。

 最後に、ブラジルW杯において日本代表の調整が失敗したのではないかという読者さんからのご指摘がありました。

FIFAの公式データによれば、日本はグループCにおいてチーム走行距離が1位だったものの、出場32ヵ国全体では20位の317.5kmとなっています。南アフリカW杯のときは331.4km走って32ヵ国中2位でしたから、日本の「相手に走り勝つサッカー」は大きく後退したことになります。

選手が過緊張におちいると精神的な疲労が肉体的疲労につながりますから、それで他のチームより走れなくなってしまったのか、それとも従来暑さに強いと言われていた日本人選手の多くが冷涼な欧州で生活してプレーするようになったのが原因でブラジルの暑さに適応できなかったのか、それはわかりません。

その原因はJFAがこれから分析するでしょうが、湿度が低く涼しいイトゥでキャンプを行い、試合直前に蒸し暑い会場に入れば大丈夫というのがJFA側の説明でしたが、それが失敗だった可能性はあると思います。

南米のW杯予選において、ラパスやキトなど酸素の薄い高地で戦わなければならないアウエーチームが、高山病などの症状が出る前に試合を終わらせるため、キックオフ直前にスタジアム入りする例はありますが、それはあくまでも低酸素対策であって、もしこれと同じ発想で涼しいキャンプ地から高温多湿のスタジアムに直前に入ればいいと、JFAが考えていたのであれば、失敗だった可能性が十分あります。

むしろ、高温多湿の場所でキャンプして、なるべく冷房を使わないようにして普段から選手に汗をかかせ、そういう気候に慣れさせたほうが良かったのではないでしょうか。

JFAはこの問題を良く調査して、仮に試合会場が高温多湿なのに、湿度が低く涼しいキャンプ地を選んでしまったのが失敗だったとわかったら、2度とそのようなミスを繰り返さないようにしなければなりません。

 というわけで、ザッケローニ監督の「功罪」について見てきましたが最後にまとめです。

彼の「功」は、日本代表に攻守にわたって世界標準の組織戦術を植えつけることに成功したことです。

これによってアジアレベルでは頭抜けた強さを身に着けることができました。ベルギー遠征までの強化策は決して悪いものではなかったと思います。

南アフリカW杯における日本のパス成功率が32ヵ国中31位と最低レベルでしたが、ブラジルW杯のグループリーグが終わった時点で、10位にまでジャンプアップしました。

つまり南アフリカでは「専守防衛」だった日本が、ブラジルではパスで攻撃を組み立て相手陣内まで攻め込むことができるようになるまで進歩したということです。

あとは日本人選手のシュート決定力をいかに高めていくことができるかが、攻撃面における最重要強化ポイントになってきます。

「罪」の方は、彼の保守的で変化を嫌うような選手選考が日本人選手のメンタル面での弱さを助長する結果になってしまったこと、最後まで自分の思い入れの強い3-4-3システムの完成にこだわり続け、センターバックの守備力強化が後回しになってしまったことがあげられます。

私は、戦術家としてのザッケローニ氏に合格点をつけたいのですが、勝負師としてはやや弱気な人だったなと思います。

彼は、具体的な目標をかかげることを最後まで避けていましたが、目標を達成できなかった場合に批判されることを恐れていたのかもしれません。

ブラジルW杯にのぞむ日本代表メンバー発表!

もしそうであれば自分が失敗することを恐れながらチームを指揮していることになり、それはやはり弱気だと思いますし、勝者にふさわしいメンタリティではありません。

ギリシャ戦では点を取りにいかなければいけなかったのに、ザッケローニ氏は自分たちのストロングポイントを放棄してでも相手の良さを消しに行くという決断をしましたが、彼の性格的な弱気さはそういうところにもあらわれていたと思います。

日本代表、ギリシャを攻めきれず

具体的な目標をかかげろと言っても、代表戦のチケットに監督が100%確実に勝利することの保証をつけろ、もし負けた場合は監督が自腹でチケット代を返却してくれと言いたいのではありません。

勝負事ですからうまくいくこともそうでないこともありますし、1試合負けただけで監督を代えていては強化なんてできません。

私が望むことは、監督さんが「次の試合で勝利を目指す」「W杯の目標はベスト8以上」といった具合に具体的な目標を立て、代表を応援する人たちに自信を示しつつ、目標達成に向かって全力を尽くしてくれることです。

当研修所は「サッカーとは弱気で消極的なチームや選手が罰を受けるスポーツである」と繰り返してきましたが、今あらためてその言葉をかみしめています。

 次回は、2018年ロシアW杯までの4年間で、日本のサッカーをどう強化していくか、次の代表監督にふさわしいのはどういう人物かということについて考察したいと思います。



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■日本代表のブラジルW杯総括(その2)

前回のつづき

 ところで、ブラジルW杯における日本代表の戦いぶりを見ていて、私にはどこか既視感があったのですが、しばらくしてから「ドーハの悲劇」が起こった当時と非常に良く似ていることに気づきました。

「ドーハの悲劇」をリアルタイムで経験していない代表サポも増えているようですからちょっと説明しますね。

1994アメリカW杯アジア最終予選は、日本・サウジ・イラク・イラン・北朝鮮・韓国の6チームがカタールの首都ドーハに集まり、総当たりのリーグ戦をやって上位2チームが勝ちぬけというレギュレーションでした。

日本の初戦はサウジアラビアが相手でしたが、試合前のインタビューに答えていた井原正巳氏や都並敏史氏ら当時の代表選手全員の顔が真っ青で、ガチガチに緊張しているのがはっきりとわかりました。けっきょく初戦はパッとしない内容のままスコアレスドローに終わります。

つぎの相手はイランでしたが、やはり試合前から代表選手たちの表情はひきつり血の気がひいていて、ゴール前のマークミスからイランDFハッサンザデにフリーでヘディングシュートを食らい、同点に追いつこうと前がかったところをカウンターからアリ・ダエイにやられて1-2で試合を落としてしまいます。

当時日本の監督だったオフト氏が「選手たちは40kgの重荷を背負ってプレーしている」と言うぐらい、ここまでの日本は緊張でカチンコチンでした。

2試合を終えた時点で6チーム中最下位に転落しW杯行きはもはや絶望的、さぞチームの雰囲気は最悪だろうと思ったのですが、北朝鮮戦をひかえた日本の選手たちを見ると、まるで憑き物が落ちたかのように何かふっきれた、スッキリとした表情で練習にのぞんでいて、その北朝鮮戦はこれまでの2試合はいったい何だったんだと思うような見違えるゲームとなり、カズ選手の美しすぎるボレーシュートを含む3ゴールで快勝します。

つづく第4戦も、攻守に素晴らしい内容で韓国に完勝し、日本は最終戦を残してリーグ首位におどり出ます。

このまま2位以内で最後のイラク戦を終えることができれば、日本サッカー史上初のW杯出場となりますが、イラク戦の直前にインタビューに答える代表選手たちの顔を見ると、サウジ戦の前日にもどったように再び顔が真っ青になっています。

それを見た私は何となく悪い予感を覚えましたがそれを振り払い、期待に胸をふくらませながらイラクとの最終決戦を応援したのですが、日本はイラクに試合の主導権をほとんど支配され、そして結果はあの通り。

前回記事において、「ブラジルW杯における日本の戦いぶりに共通するのは、自力で決勝Tへ行ける可能性が残されている状態では、リスクをとって勝負に行った結果失敗に終わることを恐れて自分たちの実力を100%発揮することができなくなってしまい、もう引き分けさえ許されず勝つしかないという状況に追い込まれると、余計なことをあれこれ心配するようなことがなくなり自分たちがやりたいサッカーができるようになるということです」と書きましたが、20年以上前にもそっくり同じことが日本代表の選手たちの身に起こっていたんですね。

ドーハの悲劇のときも、失点して負けてしまうとW杯に行けなくなるというリスクがあるが、そのリスクをおかしてでもゴールを奪い、試合に勝たなければW杯に出場できないという状況におかれると、日本のサッカー選手は自分の能力に自信をもち未来の成功を信じてリスクをおかしてでも積極的に勝利をつかみ取りに行くのではなくて、むしろ失敗するリスクの方を過剰に恐れてしまい、まず気持ちが守りに入ってプレーも消極的になり、相手の出方を慎重にうかがっているうちに試合は相手主導で進み終了の笛が鳴ってしまった、自分の力を100%発揮しないまま満足できない結果で試合を終えてしまう、という傾向がありました。

逆にもう引き分けさえ許されない、ゴールを奪って勝たないとW杯に行けないという状況に追い込まれると、日本の選手は、失敗するリスクがあるけどどうしようなんて余計なことを心配して過緊張から体がガチガチになるようなことがなくなり、自分の潜在能力を十分発揮してプレーすることができるようになるんですね。

だから結果もついてきます。もともと能力がないわけではないのですから。

「ドーハ」では、初戦のサウジ戦とつづくイラン戦そして最後のイラク戦が前者の状態、北朝鮮戦と韓国戦が後者の状態だったわけです。

「ノーリスク・ノーリターン」とか「虎穴にいらずんば虎児を得ず」なんて言いますが、まだW杯行きの可能性が無限大に広がっている初戦のサウジ戦から、後者の状態で戦うことができれば、きっと日本はアメリカW杯へ行けていたでしょうし、ブラジルW杯でも初戦から自分たちの潜在能力を100%発揮できれば、ザックジャパンもこんな悔しい結果にならなかったはずです。

ただ、ドーハの経験があるから今の日本代表があるんだと思うんですよね。

ザックジャパンを見てもわかるように、W杯アジア予選の試合で日本代表の選手がカチンコチンになって顔が真っ青なんてことは、もはや過去の話です。

予選を何度も勝ちぬいてW杯に出場し続けている日本サッカー界の経験が、代表選手たちに心地よい緊張感を保ったままW杯予選を戦えるようにしてくれたのです。

代表選手の多くが欧州4大リーグでプレーしていることも大きな自信になっているのは間違いありません。

そのうちW杯の本大会であっても、日本の選手が初戦から自分のポテンシャルを100%発揮してプレーできるようになる時代が必ず来ると確信していますし、W杯の決勝トーナメントに進出しても、選手が平常心で試合にのぞみ結果を出せるようにしていかなくてはなりません。

それにはどうすべきでしょうか?

日本サッカー界の育成年代において、子供たちの欠点やミスをきびしく叱責し、それを矯正しようとするようなやり方で選手を育成していくのではなくて、まず子供たちの良いところをクローズアップし、それをほめてあげることで自信をつけさせながら、修正すべきところは修正していくというアプローチで、世界に通用するフットボーラーを育てていくことが重要だと考えます。

もっとも、プレッシャーに強くどんな状況でも自信をもって能力を100%発揮できる選手を数多く育成していくためには、サッカー界だけの努力ではおのずから限界があります。

そもそも日本の子供たち全体の「自信の無さ」「自己評価の低さ」は、世界的に見てもちょっと異常と思えるくらいです。

内閣府調査による我が国と諸外国の若者の意識に関する調査) 

その理由として、日本の親御さんたちの毎日の子供への接し方が大きく影響しているのではないでしょうか。

日本人は照れくさいのか、昔からあまり自分の子供をほめない傾向があるように思います。

むしろ、「早くしなさい、何グズグズしているの!」「またできなかったの?ダメねえ」といったように、子供の自己評価を下げたり自信を失わせるような、否定的な言葉をかけることが圧倒的に多いのではないでしょうか。

ブラジルW杯において日本の代表が力を出し切れないままあんな悔しい負け方をしてしまったと、多くの日本国民がガッカリしていると思います。

もしそんな悔しい負け方は二度と嫌だと思うのであれば、将来の夢がサッカー選手であってもなくても、欠点やミスではなく長所に焦点を当ててほめながら子供の良いところを伸ばす教育をしていく、子供にちょっとした失敗ぐらいではへこたれない積極性や自信を身につけさせるような教育改革を行っていく方向で、家庭はもちろん政府や学校教育も巻き込んで、日本社会全体で子供の育て方をもう一度見直さなければなりません。

 日本人の異常ともいえる「自信の無さ」「自己評価の低さ」の原因としてもう一つあげたいのが、戦後70年間ずっと続いてきた、日本の知識人層からただよってくる奇怪な風潮です。

何かあると「日本人はダメだダメだ」「日本という国はこんなにダメです。おとなりの国を見習いましょう」なんてとりあえず言っとけば、世間から「良識派」と見られるような、まさに奇怪としかいいようがない「空気」が、これまで日本社会に満ち満ちていました。

なかにはウソをでっち上げてまで「ダメな日本人」というイメージをつくりだそうとしてきた人たちもいます。

そうした「空気」をつくりだしてきたのが、全員ではないにしても子供たちと毎日接している小中学校の先生方や有名な学者・作家であったり、朝日新聞や毎日新聞、TBSやテレビ朝日・NHKの記者といった「知識人」たちだったわけです。

インターネットがなくて市民の情報源が限られていた時代、TVや新聞から繰り返しそんなことを聞かされていれば、ひとつひとつの家庭も大きな影響を受けますから、「とりあえず自分の子供にダメ出ししておけば正解」みたいな、おかしな風潮につながっていったのではないでしょうか。

こうした知識人たちは、自分だけは「愚かな日本人」とは違うという意味で「地球市民」と名乗り、自分だけ安全なところに逃げておいて、そこから上から目線で「日本人はこんなにダメな人間です」と大声で言いふらすようなことが多かったように思います。

でもそれって、とてもひきょうでカッコ悪いことですよね。

朝日新聞なんか読んでいると、もう明日にでも日本人が侵略戦争をおっぱじめるような錯覚にとらわれるのですが、
私たち日本人ってそんなにエゲツナイ悪人ぞろいなんでしょうか?

絶対にそうは思えません。

もし朝日やTBS・NHKで働いている人たちが、「自分は武器をもったらどうしても外国を侵略したくなる性格だから、他の日本人だってそうだろう」と決めつけて、「日本人は悪い人間です。だから警戒しなければなりません」と主張しているのだったら、あなたたちと他の日本人を一緒にしないでくれと声を大にして言いたいです。

サッカーの代表チームとは、その国に住む人々の文化や民族性の反映であって、もし日本の代表選手たちに自信が欠けているのであれば、それは日本社会全体に問題があるということです。

いまは国際化の時代です。

サッカーにかぎらず、他のスポーツでも学問でもビジネスでも、日本の子供たちが自信や積極性をもって世界に向かって堂々と羽ばたいていけるようにするためには、戦後70年続いてきた、とりあえず「日本人はダメだ」と叩いておけば「良識派」とみなされるような奇怪な風潮を、日本国民全体で努力して無くしていく、そういうことを言う人たちに勇気をもって「間違っていますよ」と言い続けることが絶対に必要だと思います。

 これは余談なんですが、コロンビア戦を中継したテレビ朝日の「絶対に負けられない戦い」というキャッチフレーズには、これまでずっと違和感をかかえてきました。

なんか素直じゃないんですよね。どうして「(日本代表が)絶対に勝たなければいけない戦い」ではないのかと。

「負けられない」ということは、勝たなくても引き分けなら負けではないのでOKとなりますが、コロンビア戦が引き分けなら日本の決勝トーナメント行きは無くなってしまうわけで、「絶対に負けられない」というキャッチフレーズがこの試合も適切だったとは思えません。

「日本は間違った国です」と何十年も言ってきた手前、どの分野でも日本が勝つのは面白くないが、サッカー日本代表が勝たないとテレビ中継ビジネスとしてはもうからない、そんな朝日新聞社のアンビバレントで屈折した感情から生まれた苦肉のキャッチフレーズが「絶対に負けられない戦い」だったのでしょうか?

 さてザッケローニ監督解任というニュースが飛び込んできて、日本サッカー協会は次の代表監督探しに入りました。

次回はより細かくサッカーの戦術レベルの話をしながら、ザッケローニ監督の4年間を評価してみたいと思います。




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■日本代表のブラジルW杯総括(その1)

 それではお約束通り、ブラジルW杯における日本代表の戦いぶりを総括してみたいと思います。

2011アジアカップ優勝で幕を開け、圧倒的な強さでW杯アジア予選を勝ち抜き、コンフェデでイタリアをあともう一歩というところまで追い詰め、2013年秋のベルギー遠征ではオランダと引き分け、ベルギーには3-2で勝利と、ザックジャパンの4年をかけた強化策は決して悪いものではなかったと思います。

南アフリカW杯では固く守ってからのカウンターサッカーでベスト16という結果を残しましたが、ザックジャパンの選手たちは、いつまでもそういうサッカーでは進歩がない、ブラジルではボールをポゼッションし自分たちが試合の主導権を握る攻撃的なサッカーをやって勝利という結果を残したいという目標を持っていました。

私は基本的に、自分たちの足でブラジルW杯の出場権を勝ち取った選手たちの好きなようにやらせてあげたいと考えていましたが、サッカーは相手があることなので自分たちのやりたいサッカーをいつでもやらせてもらえるとは限りません。

いざブラジルで試合をしてみて、こちらが60~70%ボールをポゼッションして攻撃できればそれで良し、相手が強くてこちらが押し込まれ、結果的にポゼッション率が40%ぐらいまで下がってしまったときは、南アフリカの時のような堅守速攻型サッカーで相手を仕留めるという具合に、ザックジャパンが臨機応変に戦術を使い分けることでベスト16以上の結果を残せたら、「日本にとって良いワールドカップだったな」と言えるのではないかと考えていました。

いざブラジルW杯の初戦・コートジボアールとの試合がキックオフされると、アメリカでの直前合宿までは存在した「自分たちから試合の主導権を握って攻撃しよう」という積極的な姿勢が選手たちからまったく失われていて、Y.トゥーレをはじめとするコートジボアール代表を恐れ、失点や敗戦という悪い結果が起こることを心配し、相手がボールを動かすのを受け身になって見ている日本代表の姿がありました。

これまで選手たちから「周りから何を言われても自分たちがブレてはダメ」「ブラジルで自分たちのやりたいサッカーをやって結果を残す」という自信にあふれた声が繰り返しあがっていましたから、私が大会前に懸念していたのは、攻撃的サッカーをやりたいと選手たちが意気込むあまり、チーム全体が不用意に前のめりになって薄くなった守備をつかれ、カウンターから失点を重ね試合を落としてしまうということであり、日本がブラジルW杯でこういう試合をやってしまうとはまったく予想できませんでした。

先制されたものの、日本とは逆に時間がたつごとに緊張がほぐれてきたコートジボアールが普段どおりのサッカーをできるようなるにつれ、日本は相手に押し込まれる一方になっていきます。

そしてドログバの投入が自信と落ち着きを与えたことでコートジボアールの攻撃が一層活性化され、彼がピッチに入った直後に同点とされると、日本はまるでグループリーグ敗退が決まったかのようにガックリと落ちこんで、そのまま逆転ゴールを奪われ、あとは追いつこうという気力さえありませんでした。

今だから言えることですが、ギリシャが最終戦でコートジボアールに勝ったことから見てもわかるように、日本も持てる力を100%発揮することができれば、コートジボアールに勝つ可能性は十分あったと思います。

にもかかわらず、失敗を恐れ慎重になりすぎて、相手の出方をうかがって自分たちの力をセーブしているうちに、同点・逆転ゴールを浴びて試合が終わってしまうという結果になったことは、残念で仕方がありません。

 つづくギリシャ戦(その1その2)、初戦を落としたことが指揮官の判断を狂わせることになります。

ザッケローニ監督はこの試合、左サイドから香川選手を外して岡崎選手を入れるという決断を下します。

前の試合で香川選手や長友選手のいる左サイドを突かれてそこから2失点したことへの対策だったのは明らかでしょう。

これまでの4年間、ザックジャパンの攻撃におけるストロングポイントとなっていたのは本田ー香川ー長友のトライアングルであり、この左サイドのトライアングルで相手が固めた守備ブロックの間をぬってパスを回していき、ボールをゴール前へ運んで決めるというのが日本の得点源となっていました。

ところがギリシャ戦において香川選手を外し、足元での細かいパス回しが本来の持ち味ではない岡崎選手を入れたことで、日本は攻撃のストロングポイントを自ら手放してしまい、自陣に引いたギリシャの守備ブロックと厳しいプレスをかいくぐってゴール前へボールを運んでいくことがで難しくなります。

後半10分過ぎに香川選手を投入し、香川選手の体が温まってゲームに本格的に入っていくことにより、日本はゴール決定機を何度かつくり出しました。

残念ながら日本の攻撃が機能しだしてから試合終了まで30分とゴールを奪うために残された時間が少なすぎましたし、ロスタイムまであと10分という状況でザッケローニ監督は、吉田選手を最前線にあげてロングボールを放り込むというパワープレーを選択します。

しかし、日本はこういう攻撃の形をこれまでまったく練習していませんし、それに適した選手もブラジルに連れてきていません。

この第二の判断ミスにより、せっかく攻撃がうまくいきだしてゴールまであともう一押しの状態だった日本は、自分たちに来ていた試合の流れを自ら手放してしまい、絶対に勝利が欲しかったギリシャ戦をドローにしてしまいます。

サッカーには「自分たちの弱点をつぶし、相手のストロングポイントを消すサッカー」と、「リスクをおかしてでも、自分たちのストロングポイントを前面に押し出すサッカー」の二つのやり方があります。

日本は決勝T進出のためにギリシャ戦は勝たなければいけない状況でしたし、勝つためにはゴールが絶対に必要でした。
それを踏まえれば、日本がやるべきサッカーは前者ではなくて後者だったと思います。

初戦の負けがザッケローニ監督に眠っていた弱気な采配を呼び覚まし、それが二つの判断ミスにつながって結果としてスコアレスドローになってしまったのは残念でした。

 ここまで1分1敗とまったく期待外れの結果であったとしてもですよ、W杯のグループステージは短期決戦とはいえリーグ戦であり、もちろん初戦に勝ったチームが有利なのは間違いありませんが、リーグ戦が4チームの総当たりである以上、それぞれ他の3チームと試合をして1番目に強いチームと2番目に強いチームが決勝Tへ行くのであって、初戦に負けようが自力で決勝Tに行ける可能性が2試合を終わった時点で消えていようが、3試合ともベストを尽くしてプレーし、普段の実力を100%発揮することがいかに大切かということを教えられることになるのが最後のコロンビア戦でした。

コロンビア戦の前半日本は先制されたものの、ブラジルに来てから一番良い内容の試合をします。

自信と気迫をもって相手とボールの奪い合いをし、マイボールにしたらテンポよくパスをつないでボールをゴール前まで運び、チャンスがあれば迷うことなくシュートを放ちました。

その積極的・攻撃的な姿勢が前半終了間際の岡崎選手の同点ゴールに結実します。

同時刻に行われていたギリシャVSコートジボアールはギリシャが1点リード、日本が後半コロンビアからもう1ゴールを奪って勝つことができれば、大逆転で決勝T行きとなる願ってもいない状況となります。

さあこれからだと日本代表への期待がふくらみましたが、後半の日本はコートジボアール戦に逆戻り。

コロンビアの攻撃を受けて立ってしまい、相手がパスをつないで日本ゴールに迫るのをずるずる下がりながら見ているうちに失点し、同点に追いつくために前がかりになったところでカウンターを食らって立て続けにゴールを許したところで、決勝T行きの切符を半分つかみかけていた日本のブラジルW杯は終わってしまいました。

試合後の報道で、「ギリシャがリードという情報は知らされていた。後半も前半と同じように前から行こうと話していた」という選手コメントが複数ありましたが、後半のプレーぶりを見るかぎりは「前半と同じように前から行っていた」とは思えません。

ブラジルW杯における日本の戦いぶりに共通するのは、自力で決勝Tへ行ける可能性が残されている状態では、リスクをとって勝負に行った結果失敗に終わることを恐れて自分たちの実力を100%発揮することができなくなってしまい、もう引き分けさえ許されず勝つしかないという状況に追い込まれると、余計なことをあれこれ心配するようなことがなくなり自分たちがやりたいサッカーができるようになるということです。

コートジボアール戦は前者の状態であり、ギリシャ戦とコロンビア戦の前半は後者の状態で、ハーフタイム中にギリシャがリードと知らされたコロンビア戦の後半は、再び前者の状態に逆戻りしてしまいました。

選手たちは「失敗を恐れず、持てる力を100%発揮することの大切さ」を頭ではわかっていたのかもしれませんが、いざW杯のピッチに立つと、言葉とは裏腹に失敗を恐れる気持ちの方が強くなってしまい、体が思うように動かなくなってしまったのかもしれません。

最終的にコロンビアとギリシャが決勝T行きを決めましたが、グループCのすべての試合を分析すればコロンビアが頭ひとつリードしていて、ギリシャ・コートジボアール・日本の3チームにはすべて決勝T行きのチャンスがありました。

むしろ選手個々の能力やチームの組織力から見て、コロンビアをのぞく3チームの中で一番実力のあるところは日本だったと思います。

ところが、主に精神面の問題により日本は肝心なW杯の本番で、持てるポテンシャルを十分発揮することができませんでした。

どういう理由にせよ普段できていたことが本番で突然できなくなったということは、結局日本に実力が無かったということです。

ザックジャパンは好不調の波が激しくコンスタントにサッカーのレベル(インテンシティ)を保つことができないということを、
「東欧遠征の評価と今後の課題」という記事で指摘しています。

W杯のグループリーグを戦い抜くのに必要とされる最低限のレベルを60点以上、決勝Tを勝ち抜いて優勝を狙うために必要とされるレベルを80点以上だとします。

日本は10月の東欧遠征で60点以上という合格ラインにまったく届かないサッカーをして連敗しますが、11月のベルギー遠征ではオランダと引き分け、ベルギーをアウエーで破るなど突如75点レベルのサッカーをやりはじめます。

今年に入り、アメリカ合宿でコスタリカやザンビアを破ったときでも65点はつけられます。日本がタンパで破ったコスタリカはブラジルW杯で旋風を巻き起こしていますよね。

ところが肝心かなめのブラジルW杯で、日本は60点を切るような低調な試合ばかりでした。

ザックジャパンは試合ごとに好不調の波が激しく、コンスタントに自分たちのポテンシャルを発揮するということができないチームだった思います。

ただし、オシム元監督や長谷部キャプテンも述べていたように、ザックジャパンが理想として追い求めてきたサッカーの方向性は決して間違っていないと私は確信しています。

コートジボアール戦やギリシャ戦の終盤でやった、長身選手の頭めがけてロングボールを放り込むようなサッカーに未来があるとは決して思えません。

問題は75点レベルのサッカーをテストマッチだけでなく、W杯のような大舞台でもコンスタントに表現できるかどうかです。

中央突破にしろサイドから行くにしろ、相手の守備ブロックの間をグラウンダーのショートパスをつないで崩し、オフサイドを避けながら相手DFラインのウラヘ味方とボールを送り込んでゴールを決める、守るときはコンパクトな守備ブロックをつくりバイタルエリアで相手を厳しくマークして点をやらない。

それをW杯のようなプレッシャーがかかる大舞台であっても普段通りにできる、自分たちの実力を100%発揮することができる選手やチームを育てていくことが、これからの4年間における日本サッカー界の課題です。

では、これからどうやってプレッシャーに強い選手やチームを育てていくか、それは明日の記事にします。

つづく



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■日本代表、己に負けたブラジルW杯

 日本代表のグループリーグ突破をかけた第三戦、対コロンビア戦は1-4という結果となり、ブラジルW杯における日本の成績はグループリーグ敗退となりました。

対戦相手のコロンビア代表は、イタリア・フランス・ポルトガルなどでプレーする選手を中心に構成され、日本とほぼ互角、コロンビアの方がやや実力は上かと見てましたが、大差での負けは大変残念な結果となりました。

日本はグループリーグ突破のために守備が薄くなるリスクをおかしてもゴールを奪って勝たなければならず、後半相手にリードを許したところで極めて不利な状況となり、日本は自分たちより実力が上のチームにアドバンテージを与えてしまった結果、コロンビアはその有利さを存分に利用してこのような大差がついてしまいました。

それでは試合展開を振り返ります。

        ☆        ☆        ☆

 立ち上がりはコロンビアが優勢だったものの、日本が気迫の攻めを見せて逆にコロンビアゴールを脅かします。

前半9分、長谷部のパスをペナルティエリア内で受けた大久保がシュートしますが、ゴール前にいた岡崎は合わせることができず。

10分、本田からパスを受けた大久保がカットインしながらシュートしますが、ゴール左へ外れます。

17分、日本からボールを奪いコロンビアの逆襲、左サイドをかけあがったメヒアのパスを受けたラモスがペナルティエリア内へドリブル、これを後ろから今野が倒してPKの判定。クアドラードの蹴ったシュートが決まりコロンビアが先制。

それでも闘志が衰えなかった日本はあきらめずに攻め続けます。

26分、長谷部のパスを大久保が落とし、左サイドから香川が受けてドリブルからシュートしますが、GKオスピナがセーブ。

32分、吉田が倒されて得たゴール前FK。本田のブレ球ではなくカーブをかけたキックは惜しくもゴール右へ。

前半ロスタイム1分、内田からパスを受けた本田がペナルティエリアの右角まで持ち込んでクロス、これを岡崎がヘッドで決めて日本が同点に。

 後半キックオフ、日本がとても良い時間帯に同点に追いつき、さらにギリシャがコートジボアールを1-0でリードしているという状況、その勢いに乗ったまま決勝トーナメント行きを決める逆転ゴールが期待されました。

ところが日本代表からはどういうわけか前半のような攻撃への積極的な姿勢が消え、コロンビアの攻撃を受けて立ってしまいます。

10分、右サイドからアリアスのパスをゴール前で受けたロドリゲスがさらに左へパス、これを受けたマルティネスのシュートが体を投げ出して防ぎに行った日本DFをやぶりコロンビアが1-2と突き放します。

14分、左サイドを突破した長友のクロスをゴール前へ飛びこんだ大久保がヘッドしようとしますが、相手DFが頭でクリア。

18分、香川が倒されて得たFKを本田がブレ球シュートで狙いましたが、オスピナが右へはじきます。

20分、岡崎からのパスを受けた内田が右サイドからセンタリング、ゴール前から放った大久保のシュートは外れました。

29分、左サイドを突破した長友がエリア内へマイナスのパス、これを受けた今野がミドルを放ちましたが、オスピナががっちりキャッチ。

37分、コロンビアのカウンター、ロドリゲスのスルーパスを受けたマルティネスがゴール前やや右からワンフェイント入れてシュートコースを空けゴール。コロンビアが1-3とリードを広げます。

38分、長谷部のパスをエリア内左で受けた香川がシュートしますが、ゴール右へ外れます。

後半ロスタイム、再びコロンビアのカウンターからロドリゲスがフェイントで吉田をすべらせてからループシュート、これが決まって1-4。日本はとどめを刺されました。

        ☆        ☆        ☆

 それでは試合内容を見ていきますが、この試合の日本代表は先制されはしたものの、前半は自分たちのサッカーを貫き、積極的で攻撃的な姿勢が非常に良く表れていました。

何かを迷いながら余計な横パス・バックパスをしてモタモタするのではなく、なるべく少ないタッチ数でシンプルにボールを相手ゴール前へ運ぼう、ゴール前へ行ったらまずシュートを狙おうという積極的なサッカーができていて、大変良かったと思います。

ところが、この試合の勝敗を分ける最大のポイントとなったと私が考えるのは、後半に入ったとたん、日本からそうした積極性や攻めの姿勢がまったく消え失せてしまったことです。

その理由が、ギリシャが1-0でリードしているという情報をハーフタイム中に知らされたことで日本の選手たちが「コロンビアに1点でもリードして勝てれば自分たちが決勝トーナメントに行ける」と考え、失点することで「すべてを失ってしまう」ことを恐れてまず同点という状況を守ろうと消極的になってしまったのか、後半から投入された相手の中心選手ハメス・ロドリゲスのプレーを恐れたのかそれは今のところわかりません。

「攻めは最大の防御なり」と言われますが、どういう理由にせよ前半の恐れるものはなにもない積極的・攻撃的な姿勢を後半の日本はすっかり失ってしまい、相手の攻めをまず見てそれを受けて立ってしまった結果、コロンビアの攻勢をまともに食らいマルティネスに痛いゴールを許してしまいました。

これがこの試合の勝敗、いや日本が決勝トーナメントに行けるか行けないかを分けた最大のポイントでした。相手に負けたというより己の弱さに負けてしまったのだと思います。

後半立ち上がり、日本のサッカーがまるでコートジボアール戦のようになってしまったことで、半分つかみかけていた決勝トーナメント行きの切符が日本の手からスルリと逃げていきました。

サッカーとはつくづく「弱気で消極的になったチーム・選手が罰を受けるスポーツ」だと痛感させられます。

「なんだ精神論かよ」と思われる方もいるかもしれません。

結局グループCを突破したのはコロンビアとギリシャになりましたが、決勝トーナメントに進出したギリシャと日本の選手を比べれば、フィジカル能力がやや劣勢だったかとは思いますが足元の技術は日本の方が上で、チームの組織力も総合的な個の能力も日本の方がやや上だったと思います。

しかしコートジボアール代表も含めて、これら3チームで個の能力やチームの組織力で大きく差がつかない状況では、選手ひとりひとりの精神力の強さに差があれば、それが勝敗を大きく分けてしまいます。

ザックジャパンの選手たちは、南アフリカW杯を戦った岡田ジャパンのメンバーより個の能力は格段に上がりましたが、精神力の弱さで自分たちの力を100%発揮できなかった、それが自分の能力を出し切って決勝Tに行けたコロンビアやギリシャとの差になってしまいました。

次のW杯までの4年間で、日本サッカー界が全力で取り組まなければならないのは、ただ足技が上手いだけの選手を育てるのではなくて、W杯のようなプレッシャーがかかる大舞台であっても、初戦から自分の能力を100%出し切って結果を出すことができる選手・チームを育成していくことです。

        ☆        ☆        ☆

 選手個々で特筆すべきはこの試合日本唯一のゴールをあげた岡崎選手。相手DFに後ろからぴったりマークされていましたが、クロスを正確にヘッドしてゴール右へ決める難易度の高いシュートをよく決めました。

本田選手もピンポイントクロスから岡崎選手の同点ゴールをおぜん立て。やはりペナルティエリアの角付近からのクロスは得点の可能性が高いです。これがこのW杯で高い代償を支払って日本が学んだことでありそれをすぐ生かしたのはさすがでした。

長谷部選手も気合の入ったプレーで中盤を良く動きまわり、この試合は特に攻撃面で効いていました。

逆に今野選手はPKを献上する残念な結果になってしまいました。相手はゴール中央ではなく縦にドリブルしていましたので、あそこはまだすべりにいかず、我慢してついていっても良かったように思います。

        ☆        ☆        ☆

 ザックジャパンのブラジルでの冒険は大変残念なことですがここで終わりです。

冷静にギリシャやコートジボアールとの戦力を比較してみると、日本代表のポテンシャルからすれば早すぎる敗退だったと思います。

ブラジルW杯に臨んだ代表は、南アフリカW杯のようにまず固く守って相手の守備が薄くなったところをカウンターで突くというサッカーから1歩進めて、こちらから攻めの主導権を握って相手に互角以上の戦いを挑むというより難易度の高いやり方で勝利を目指しました。

とても残念な結果となってしまいましたがこの失敗の教訓から多くを学び、次のW杯では今回のように攻めの主導権を握ってなおかつ勝利という結果も出すことができる日本代表チームをつくることができれば、この経験は決して無駄にはなりません。むしろ絶対に必要な、避けて通ることのできないプロセスなのです。

そうした努力と歴史の積み重ねが、日本独自の魅力や楽しさを持ったサッカースタイルの確立へとつながるのだと思います。

一番いけないのは、「やっぱりあの国のサッカースタイルが理想だ、いやあそこだ」といった具合に、結果が出なかったことにうろたえて右往左往し、継続性のないままサッカースタイルをコロコロと変えてしまうことです。

結果は結果として厳粛に受け止めなければなりませんが、日本の選手たちは現時点において自分たちがやれる精一杯の努力をしてくれましたし、そのことについては温かい拍手を送りたいです。

 次回は、ブラジルW杯における日本の戦いぶりを振り返りながらザックジャパンの総括と、ザッケローニ監督の4年間をどう評価すべきかについて述べたいと思います。

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    2014.6.24 アレナ・パンタナーウ(クイアバー)

     日本 1 - 4 コロンビア


     岡崎 45'+       クアドラード(PK)17'
                   マルティネス   55'
                   マルティネス   82'
                   ロドリゲス    90'+


   GK 川島         GK オスピナ
                    (モンドラゴン 85)
   DF 長友
      吉田         DF アリアス
      今野            バルデス
      内田            バランタ
                     アルメロ
   MF 長谷部
      青山         MF メヒア
     (山口 62)         クアドラード
      香川           (カルボネロ 46)
     (清武 85)         グアリン
      本田            キンテーロ
      岡崎           (ロドリゲス 46)
     (柿谷 69)         マルティネス

   FW 大久保        FW ラモス


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選手やスタッフの皆さんもサポーターの皆さんもお疲れさまでした。気を付けて日本にお帰りください。


  

■コロンビア戦に臨む日本代表に向けて

 いよいよ日本代表のグループリーグ第三戦、コロンビアとの試合が現地時間24日に迫ってきました。

ここまで来たら自分の力を信じ、仲間たちの力を信じ、すべての選手はもちろん監督・コーチ・スタッフにいたるまでチーム全員が一致団結して、自分たちがこの4年間で積み上げてきたものを全部出し切ることに集中するしかありません。

選手個々の技術・フィジカル能力・状況判断力そしてチーム全体の組織戦術など、仲間と一緒にW杯予選を勝ち抜いてブラジルにたどり着いた過程で身に着けてきたものを良く思い出して、それをコロンビア戦で表現して欲しいと思います。

私が考える日本代表のベストマッチは、2012年6月8日に埼玉スタジアムで行われたヨルダンとの試合(6-0で勝利)です。

一試合を通じて運動量が豊富で相手に走り勝つサッカーができ、攻撃時の選手どうしの距離感(6~7mぐらい)が素晴らしく、守備でもコンパクトな陣形が維持され、攻守にわたって非常にバランスがとれていました。

そのため攻守両面で相手にまったく付け入るスキを与えない、ほぼパーフェクトマッチだったと思います。

ヨルダン戦のビデオを取り寄せチーム全員で見て、イメージを共有するのも良いかもしれません。

ブラジルW杯に入ってからの日本の試合ぶりを見ていると、運動量が少なく相手に走り勝つことができていないように感じます。

自分たちがベストの状態だったときはどんなサッカーをしていたのか、この4年間で積み上げてきたものをもう一度良く思い出し、コロンビア戦で表現して欲しいですね。

このW杯で日本の選手たちが新たに学んだこともあります。

コートジボアール戦のオーリエのクロスのように、ペナルティエリアの角付近からあげるクロスは精度が高くスピードも速いので守備側の対応が難しく、ゴールにつながる確率が非常に高いということです。

長友選手は相手のサイドの選手をタテに抜いて、ゴールラインぎりぎりのところからクロスをあげるプレーを得意としていますし、内田選手はサイドの選手を抜ききらず、その前からアーリーぎみのクロスを得意としていて、もちろんそれも悪くはないのですが、ペナルティエリアの角付近からのピンポイントクロスを取り入れることができれば、さらに強力な武器が増えると思います。

思い起こせば南アフリカW杯のカメルーン戦、本田選手のゴールを生んだのも、松井選手がペナルティエリアの角付近からあげたクロスからでしたよね。こういうクロスをもっと使っても良いのではないでしょうか。

コートジボアール戦は悪い結果を恐れすぎて自分たちの実力を発揮できず、ギリシャ戦では逆にゴールを焦り勝ちを焦りすぎてしまいました。

W杯の大きな舞台といえども、自分たちがもっとも良い状態だったときはどんなサッカーをしていたのかを思い出し、それを普段どおりにやることがとても大切だということもこのブラジルで学んだことであり、そうしたことをコロンビア戦の勝利のため生かすことができたら、前の二試合の苦しい苦しい経験が貴重な宝物となります。

 コロンビアとの試合が楽しみで私は今からワクワクしていますが、選手の皆さんもこの4年間で積み上げてきたもの、そして
自分たちがもっとも良い状態だったときどんなサッカーをしていたかを良く思い出してチーム全体で共有し、コロンビア戦でのプレーを普段通りに楽しんで欲しいです。



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■日本代表、ギリシャを攻めきれず(その2)

 昨日の記事でお約束したとおり、今日はギリシャ戦におけるザッケローニ監督の采配について見ていきたいと思います。

        ☆        ☆        ☆

 この試合ザッケローニ監督は4-2-3-1の左サイドハーフから香川選手を外して岡崎選手を入れ、右サイドハーフには大久保選手を起用しました。

コートジボアールに日本の左サイドを狙われて2失点したことから取られた対策だと思いますが、この采配はどうだったのでしょうか。

監督さんの考えとしては、比較的守備のできる岡崎選手を左サイドに入れて前半は悪くとも0-0でしのぎ、後半から遠藤選手や香川選手を投入して勝負をかけるというプランだったのかもしれません。

しかし、ザックジャパンがこの4年間で積み上げてきた攻撃のストロングポイントは、左サイドのトライアングル・本田ー香川ー長友で良い距離感を保ってパスをつなぐことで相手のプレスをかいくぐり、守備ブロックを崩してボールをゴール前まで運んで決めるというところです。

確かに岡崎選手を入れたことで左サイドの守備は強化されたのかもしれませんが、彼はどちらかというとフィニッシャーであり、足元で細かくパスをつないで相手守備陣を崩すというプレーは彼本来の持ち味ではありませんし、岡崎選手を左に入れて相手の守備ブロックを崩すというのはこれまで日本が積み上げてきた攻めの形でもありません。

前回記事で指摘したように、日本の攻撃の組み立てはコートジボアール戦よりかなりましになったものの、左サイドの岡崎選手は攻撃の組み立てにほとんど関与できず、バックからトップの大迫選手の足元へつけるクサビのロングパスを多用していましたが、フィジカルの強いギリシャDFに背後から狙われてうまくパスを落とせず、前半なかなか日本本来の良いリズムでパスを回せなかった分、決定的なシュートチャンスは少なかったですね。

前半のあまり良くない攻めのリズムを後半もどこかひきずっていたように思います。

岡崎選手を左にまわしたことで、左サイドの守備という日本の弱点はカバーできたのかもしれませんが、それによって日本の攻撃における最大のストロングポイントも消え、攻め全体が機能しなくなってしまったのではないでしょうか。

岡崎選手が悪いと言っているのではありません。彼を左サイドにもってくるのが適材適所の判断じゃなかったのではないかと言っているのです。

実際、後半10分すぎから左サイドに香川選手をいれたことで、徐々に日本の攻撃が機能しだし、決定的なシーンを何度もつくり出しましたが、いかんせんゴールするために残された時間が30分と少なかったですね。

サッカーには「試合に負けないよう自分たちの弱点をつぶし相手のストロングポイントを消しにいく」か、それとも「リスクをおかしてでも自分たちのストロングポイントを押し出した試合をする」か、二つの考え方があります。

この試合は決勝トーナメント進出のために、多少のリスクをおかしてでもゴールをあげて日本が勝たなければいけなかった試合であり、相手の良さを消しにいくのではなくて、キックオフから日本のストロングポイントを押し出した試合をすべきだったと私は考えています。

ギリシャ戦の直前記事で、トップ下に本田、ワントップに香川、左サイドに柿谷、柿谷選手の守備に不安があるなら長友選手を左サイドハーフにあげて、左サイドバックには別のDFをいれてみてはどうですかと提案した理由は、左サイドの守備の手当てをしつつも、本田ー香川ー長友という日本が4年間積み上げてきた攻めのストロングポイントを自分たちの手で放棄したくなかったからです。

もちろん日本のストロングポイントを押し出したサッカーをやってもギリシャ戦で結果がついてこなかったかもしれません。
しかし、良くも悪くも自分たちで4年間積み上げてきたもので世界に向けて勝負したという経験が残ったと思うんですね。

香川選手は引退まで残り時間の少ないベテラン選手ではありません。この大会はもちろん、次のW杯以降も日本代表のリーダーの一人としてチームを引っ張っていってほしい選手です。

コートジボアール戦はオーリエのクロスが2点を生み試合を決定づけたことで、左サイドがやられたことへの強いイメージが日本代表チームにもサポーターにもマスコミにも植え付けられましたが、あの試合日本が失敗を恐れることなく普段通りのサッカーをやっていて、本田ー香川ー長友のトライアングルで相手の右サイドバック・オーリエを自陣に押し込んで守備への対応で消耗させることができれば、あの2アシストもなかったかもしれません。

オーリエの精度の高いクロスがコートジボアールのストロングポイントだったとしても、日本のストロングポイントである左サイドを機能させることで相手のストロングポイントを消してしまうというやり方もサッカーにはあります。

しかし、日本はキックオフからコートジボアールの攻めを受けて立ってしまい、それを試せなかったことが何よりも残念です。

そうした意味において、ギリシャ戦で自分たちが4年間積み上げてきたストロングポイントを放棄する形で香川選手を先発から外し、岡崎選手を左サイドにもってきた監督さんの采配はどうだったのかなという疑問が残りました。

 後半10分すぎから香川選手を入れたことでショートパスの組み立てが機能しだし、あともうちょっとでゴールというシーンを何度かつくりましたが、ロスタイムまで残り10分あたりで吉田選手を前線にあげて、彼を目がけてロングボールを蹴るというパワープレーをやったことで、香川選手や本田選手・遠藤選手らの頭上をボールが越えていき、彼らが試合からほとんど消えてしまったことで日本はまったくシュートチャンスをつくれなくなってしまいました。

後半何度もシュートチャンスがつくれていた、日本のストロングポイントである左サイドからショートパスで相手を崩してゴールを狙うという自分たち本来の形を、自分たちの手で放棄してしまうのではなく、最後の最後まで辛抱強く貫いて欲しかったですし、その方がゴールの確率は高かったと思います。

前線に身長の高い選手を置いてロングボールを放り込む攻撃は、これまたザックジャパンの4年間でまったくやっていない形でした。まったく攻めの形がつくれなかった試合終盤のパワープレーという戦術を選択したことについては、強い疑問が残りました。

もう二度とやってほしくないというのが正直なところです。

        ☆        ☆        ☆

 選手個々で特筆すべきはまず川島選手。またしても雨でスリッピーなピッチ・ボールという状況でしたが、相手の危険なシュートを何回も防ぎ、日本のグループリーグ突破へ向けての可能性を残すことに貢献。

吉田選手&今野選手も相手の攻撃をゼロにおさえることで見事に責任を果たしましたが、吉田選手のロングパスの精度の悪さが目立ったところは修正点でしょう。

内田選手は守備のバランスも考えながら攻撃参加し、精度の高いクロスから大久保選手の決定機を演出。自らも積極的に得点を狙い、ゴール前まで進出して惜しいシュートを放ちました。

逆に大久保選手ですが、この試合ではゴール前でファールをもらうためにシミュレーションぎみに倒れるシーンが多かったのがとても残念。大久保選手であれば相手DFに体を寄せられても倒れずにふんばって、シュートまで持ち込んだ方がゴールの確率は高いと思います。「ゴール前ではわざと倒れてFKをもらった方がいい。それがマリーシア」というのは、本田選手や香川選手・長友選手らが登場する前の、日本サッカーが弱くて消極的だった古い時代の選手の考え方です。そういう考え方は倒れずにシュートを打ってゴールを決める自信がないメンタルの弱い選手がやる一種の「逃げ」であって、そういう悪い習慣はキッパリと捨て去り、積極的にゴールを狙って欲しいと思います。

        ☆        ☆        ☆

 是が非でも勝ち点3が欲しかったギリシャ戦でしたが、引き分けという結果は残念なものでした。
しかし、日本の試合内容はコートジボアール戦に比べれば良かったと思います。

自分たちがやりたかったサッカーにトライして、100%の出来だったとは言えないし結果もついてこなかったけれども、ピッチの上で選手たちが全力でそれを表現できたことについては一歩前進だったと前向きに評価したいです。

次はグループリーグの最終戦であるコロンビア戦です。

前回記事でも言いましたけど、ワールドカップはここからが本当の勝負です。ワールドカップの歴史をひもとけば、三戦目でいくつもの涙あり笑いありのドラマが起こってきました。

真の勝者に値する人間なのかどうか、サッカーの神様はわれわれ日本人を試しているのです。

だから選手もサポーターも決勝トーナメント進出を絶対にあきらめてはいけませんし、自分たちが今やれることを精一杯やるだけです。

つまりコロンビアに2点差以上をつけて勝利することを目標にして、それに向かってベストを尽くさなければなりません。

そのために、日本代表の選手たちにはこれまでの2試合で結果が出なかったというネガティブな感情を一切捨て、精神も肉体もリフレッシュして活力を回復させ、「神様があの悔いが残るコートジボアール戦をやり直し、自分たちのサッカーでもう一度チャレンジするチャンスを与えてくれたんだ」と考えて、コロンビアとの戦いに臨んで欲しいです。

私は日本の選手たちが決勝トーナメント進出を絶対に勝ち取ってくれると信じています。

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   2014.6.19 アレーナ・ダス・ドゥーナス(ナターウ) 

    日本  0 - 0 ギリシャ

 
      GK 川島        GK カルネジス

      DF 長友        DF トロシディス
         今野           マノラス
         吉田           パパスタトプーロス
         内田           ホレバス

      MF 長谷部      MF カツラニス
        (遠藤 46)        フェトファツィディス
         山口          (カラグーニス 41) 
         岡崎           マニアティス
         本田           コネ
         大久保        (サルピンギディス 81)
                       サマラス
      FW 大迫        
        (香川 57)    FW ミトログロウ
                     (ゲカス 35) 


<了>


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■日本代表、ギリシャを攻めきれず

 ブラジルW杯、日本代表の第二戦はギリシャとの対決となりましたが、スコアレスドローに終わりました。

対戦相手のギリシャは、イタリア・イングランドなどでプレーする海外組と、国内組で構成されたチーム。

日本との実力差はほぼ互角、ブラジルの中立地であれば日本の勝ち・引き分け・負けのいずれの可能性もあると考えておりましたが、グループリ-グ突破のためには日本が是が非でも勝ちたかった試合。

試合内容はコートジボアール戦よりも良くなってきましたが、引き分けという結果は残念でした。

        ☆        ☆        ☆

 初戦で失敗を恐れ、よそ行きのサッカーをやってしまった日本は、この試合こそは自分たちがやりたいサッカーを取り戻すべく前へ出ます。

これに対してギリシャはやや引き気味に守備ブロックをつくりカウンター狙い。

日本はボールをポゼッションするものの、ギリシャの速いプレスに手こずり、なかなかシュートまでもっていけません。

11分、コネがピッチ中央からドリブルで持ち上がってミドルシュートを放ち、川島が前へこぼしますがすぐにボールをおさえます。

21分、バランスを崩しながらもパスを受けた大迫が相手DFの前から打ったミドルは惜しくもゴール右へ

22分、ギリシャのカウンター攻撃から左サイドのホレバスがゴール前へグラウンダーのクロスを送りましたが、川島が前へ出てキャッチ。

33分、長友が左サイドを突破してクロス、ゴール正面でヘッドした大久保のシュートはクロスバーの上。

38分、日本陣内へ攻めこんだギリシャからボールを奪い返した長谷部が逆襲へ移ろうとしたところ後ろから倒され、二枚目のイエローでカツラニス退場。

しかし、10人になってかえって集中力が高まった感のあるギリシャ。

40分、トロシディスがスルーパスを狙い、スライディングで防がれたところをもう一度トロシディスが強烈なミドルシュート、川島が横っ飛びでナイスセーブ!

 日本は後半から長谷部にかえて遠藤を投入。

15分、ギリシャの右CK、カラグーニスの蹴ったボールをゲカスがヘッドしますが、川島がなんとかセーブ!

後半12分から投入された香川が徐々にゲームに入っていくにつれ、それまでなかなか機能しなかった日本の左サイドの攻撃の歯車が回りだします。

23分、ピッチ中央から香川が右サイドへパス、受けた内田の逆サイドへのクロスを大久保がシュートしますが、大きくふかしました。

26分、左サイドから長友がクロスするも、香川のヘッドはミートせず。しかしギリシャがボール処理をもたつく間に内田がつめてシュートしますが残念ながらゴール右。

32分、遠藤からパスを受けた大久保がゴール前からミドルを放ちますが、GKカルネジスが右へ飛んでセーブします。

このあたりから吉田を前線にあげてパワープレーに出た日本ですが、逆に攻撃が機能しなくなりチャンスがつくれなくなります。

43分、遠藤のゴール右下を狙ったFKはカルネジスがコーナーキックへと逃れます。

ロスタイム、チャンスらしいチャンスもなく試合終了となりました。

        ☆        ☆        ☆

 まず最初に言いたいのは、日本のグループリーグ突破に向けて、ワールドカップはここからが勝負だということです。

これからも日本はずっとW杯に出場を続けなければいけませんし、初戦で負けて二戦目に引き分けたという状況で、どうすれば決勝トーナメント進出を達成できるか、こういったケースでの経験値を増やす絶好の機会なのです。したいと思ってもなかなかできない貴重な経験となります。

この試合、引き分けという結果は残念でしたが、予選突破の可能性が残ったギリシャは最後のギリシャVSコートジボアールが消化試合にならず、グループリーグ突破をかけて死にもの狂いで最終戦を戦うことになるでしょうから、コートジボアールが楽に勝ち点を積み上げることができなくなりました。

もう一試合はコロンビアがコートジボアールを降したことで、決勝トーナメント進出決定となりました。
コロンビアは決勝トーナメントに備えて、日本戦の先発メンバーを代えて主力を休ませてくることも考えられます。

コロンビアにも「どんな試合にも負けられない」というプライドがあるでしょうから簡単なゲームになると考えては絶対にいけませんが、日本が試合に勝つために追い風が吹き出したことも事実です。

勝ち点1という二試合を終えた日本の結果は、サッカーの神様が「優勝」を目標としてきた日本代表選手たちに与えてくれた絶好のチャンスだと考えています。決勝トーナメントの山形を見ると、おそらくブラジルとは別の山に入ることになるグループCの二位通過の方が何かと有利なように思えます。

日本の選手たちがサッカーの神様から与えられたこの試練を乗り超えられたとき、何かとんでもないことが起こりそうな予感がしています。

コロンビア戦は、これからがW杯初戦のコートジボアール戦をやり直すチャンスを与えられたつもりで、これまでのネガティブな気持ちを一切捨て去って、もう一度フレッシュになって、
日本代表には戦ってほしいです。


        ☆        ☆        ☆

 それでは試合内容をみていきますが、まず攻撃面から。

攻撃面は、体が重くカチンコチンだったコートジボアール戦と比べれば、かなり良くなってきたと思います。
しかし、日本が絶好調だったときを100とすると、まだ70ぐらいでしょうか。

中盤における攻撃の組み立てでは、まだ選手一人一人の運動量や連動性が足りません。

前半ギリシャがまだ元気でコンパクトな守備ブロックから、厳しくプレスをかけてきたとき、日本は最終DFラインあたりからトップの大迫へ当てるグラウンダーのロングパスを多用していました。(下図)

タテパス
(クリックで拡大)

しかしこの場合、パスの出し手は途中でカットされないよう、ギリシャのMFのライン(1)とアンカーのライン(2)を同時に抜く、ものすごく速くて強い「鬼パス」を使わなければなりません。

大迫選手らパスの受け手も、ボールを受けるためにフィジカルの強いギリシャDFを背負って、速いスピードでまっすぐ下がってきますから、パスを足元に収めるのが非常に難しくミスが多くなり、前半日本の攻撃があまり機能しない原因の一つとなっていました。

ジグザグ

上図のように、パスの受け手が足を止めず、こまめに「顔出し」の動きをしてやることで、自分が相手ゴールに背を向けて相手DFを背負ってボールを受けるのではなく、半身になってボールを受けないと、プレスを厳しくかけてくるチームの守備はなかなか崩れません。

W杯になって普段と違う攻め方をいきなりやるのではなくて、予選のときから積み上げてきた自分たちの攻撃のやり方を貫いてほしいです。

 後半はゴールを焦るあまり、攻撃のとき前線の選手がみんなゴール前へ集まってウラを狙い、ボール保持者が孤立して、かえって攻撃が空回りしていたという意味では、普段通りのサッカーができなくなっていました。

下図を見てください。後半20分すぎのシーンだったと思いますが、味方のボールホルダーに誰もサポートがいません。
ゴール欲しさにみんながいっせいにウラヘ抜けてパスを受けたがり、逆に攻撃が機能しない原因になっています。

ギリシャ戦1

相手選手の陰で立ち止まり、味方のボール保持者が自分で局面を打開するのを見ているだけだと、その選手はピッチ上にいながら、攻撃のためにぜんぜん役に立っていない将棋で言うところの「死に駒」となっています。

ボールを持っている遠藤選手からボールをもらい、トップにボールを供給する役目のトップ下の役割をする選手がまったくいない状態です。

そうではなくて、いつでもFW-二列目ーボランチの三つのラインのバランスをとり、それぞれのラインの選手が適切な距離感(6~7m)を保ってパスをつなぎ、4人のギリシャDFの前つまりバイタルエリアでボールをもって前を向き、そこから質の高いゴールチャンスをつくってほしいのです。(下図)

ギリシャ戦2

次の図もそうです。みんながボール保持者を遠巻きに見ていて距離が遠く、この局面の攻めの急所のスペースを使おうとする選手もいません。(下図)

ギリシャ戦3

最後は、大久保選手が決定的なシュートを外す直前の攻めですけど、この直後香川選手はウラヘ走った内田選手へパスをします。その判断自体は悪くありませんが、攻めの組み立てのプロセスでは同じような問題を抱えています。

前線の二人がボールをもって待って立ち止まっているから、そもそも香川選手からパスをもらえる位置にいませんし、たとえパスが出たとしても、背後のギリシャDFの圧力によって正確にボールをコントロールすることは難しかったでしょう。

この局面の「攻めの急所」である、二つのバイタルエリアのスペースを使おうというアイデアをもった選手が誰もいないのが残念です。パスの出し手としては、ウラヘ走った内田選手を使う以外、選択肢はほとんどないと言えます。(下図)

ギリシャ戦4

コートジボアール戦は失敗を恐れるあまり、相手の攻めを受けてしまって何もできないまま終わってしまいました。

ギリシャ戦はゴールが欲しいあまり、フォーメーション全体のバランスを大きく崩し、相手ゴール前へ選手が集まりすぎて、逆に得点から遠ざかっていってしまいました。

しかしコートジボアール戦の「何もしなかった失敗」より、ギリシャ戦の「やりすぎてしまった失敗」の方が何倍も意味のあることです。

この試合の教訓を次に生かして、次の試合までに選手ひとりひとりが成長し、コロンビアからゴールをあげて決勝トーナメント進出を勝ち取って欲しいです。

自分がパスを出すまで、相手がボールを奪いに来るのを待ってくれると決めつけたような、ボールの持ちすぎも目立ちました。テンポよくどんどんパスを回して日本の攻め全体のリズムを良くしていって欲しいです。

 守備面は体を張って、ギリシャのシュートを良く防ぎました。

ただ日本のゴール前でのセットプレーのとき、マークのズレからフリーな選手をつくってしまい、ゴール前で危険なヘディングシュートを浴びてしまうケースがまだ散見されます。

できるだけ、そういうミスをゼロにできるよう集中して欲しいです。

 ザッケローニ監督の采配面で、いくつか指摘したい点がありますが、それは明日の記事にしましょう。

つづく

(画像使用に関する当ブログの考え方)



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■ギリシャ戦に向けて

 コートジボアール戦後に、ある代表選手がゾーンディフェンスについて話していたので、「ゾーンディフェンスとは何ぞや」ということをここで再確認しておこうと思います。

「ゾーン」ディフェンスという言葉が誤解を生みやすいのですが、ゾーンディフェンスとは、自分が分担するゾーン(スペース)を埋めていればそれでいいという守備戦術のことではありません。

ゾーンディフェンス
(クリックで拡大)

上図を見ながら以下の説明を読んで欲しいのですが、

自分の受け持ちゾーンにボールを持った相手選手がドリブルで侵入してきたり(図の例1)、味方からボールを受けて次にシュートなりパスなりを狙っている選手がゾーン内に侵入してきた場合(図の例2)に、マンマーキングに切り替えて守る戦術のことです。(青の選手が自分の受け持ちゾーン内で相手に寄せてマークしていることに注意)

両チームのフォーメーション上、自分とマッチアップしている相手であるかそうでないかに関わらず、自分の担当ゾーンに相手選手が侵入してきたら、マンマーキングに切り替えて守ります。

自分の担当ゾーンから相手選手が出ていき、自分の隣にいる味方が担当するゾーンへ向かったら、その選手のマークを自分の隣にいる味方へ受け渡します。

ただし、ゴール前まで攻めこまれている場合にマークの受け渡しをやるのは厳禁です。プレーがいったん切れるまで自分が最後まで責任をもってマンマークします。

自分の受け持ちゾーンにフリーの相手選手が複数いるということは、味方の誰かが自分のマークを放してしまっていることを意味しますが、その場合はやむをえないので、より脅威度の高い相手選手に対応するしかありません。

普通はボールを持って前を向き、すぐシュートや決定的なパスを出せる態勢にある選手の方が脅威度が高いと考えます。

どちらの相手選手もボールを持っておらず、味方からボールが来るのを待っている場合は、ケースバイケースとしか言いようがありません。そこでどういった判断をすべきかはプロサッカー選手ならば子供のときから積み上げてきた経験からわかるはずです。

サッカーの守備戦術のすべての基本はマンマークディフェンスにあり、「ゾーンディフェンスとは、マークの受け渡しをするマンマークディフェンスのことである」と言いかえることができるでしょう。

ココ、とても重要です。

20世紀の前半にサッカーの組織的な守備戦術が誕生したとき、それはマンマークディフェンスだったのですが、その後なんでゾーンディフェンスなんていうものが生まれたかというと、完全マンマークはマークする相手にひきずられて守備側の選手が動かなければならないので、相手がゴール前でスペースをつくるために意図的な動きをすると、相手の思惑通りに守備側の選手がひっぱられることでゴール前がガラ空きになり、後ろからあがってきた選手にそのスペースを使われてゴールを奪われるようになったからです。

それを防ぐために、4バックなら4バックでスペースを守るDFの配置をできるだけ変えず、相手が動いたら最後までそれに引っ張られるのではなくて、マークを味方同士で受け渡しながら、マンマークを続けるために考案された戦術がゾーンディフェンスなわけです。

ゾーンディフェンスとマンマークディフェンスを、正反対の守り方と誤解している人をみかけますが、そうではありません。

これで「ゾーンディフェンスとはマークの受け渡しをするマンマークディフェンスのことである」と言った意味が、ご理解いただけたと思います。

ゾーンディフェンスとは、自分が担当するゾーンを埋めていればそれでいいというわけではなく、自分の受け持ったゾーンに、ボールを持った相手選手や次にボールを受けそうな相手選手が侵入してきた場合に、マンマーキングに切り替えて守る戦術のことなのです。

大切なことなので二回言いました。

当研究所で「ゴール前では、まず人をつかまえろ」と言っている意味は、ゾーンをやめてマンマークを採用しろということではなくて、日本代表のゾーンディフェンスのやり方が中途半端になっているのではないかということです。

「ゾーン」ディフェンスだからといって、なんとなく自分の担当ゾーンを埋めているだけだと、日本の選手が守っているゾーンとゾーンの境界線でフリーになった相手選手に、精度の高いパスやシュートを打たれてしまいます。コートジボアール戦のジェルビーニョやオーリエのように。

だから、自分の担当エリアに相手選手が侵入してきたらマンマーキングに切り替え、しっかりマーキングして相手がやりたいプレーを妨害し、できれば相手からボールを奪ったり、相手より先にボールにさわってクリアするのが、本来の意味でのゾーンディフェンスです。

現代サッカーの攻防の本質というのはそこにあります。

どんな名選手だって、敵から体を押されて立ち足がぐらつきバランスを崩していたら、正確なシュート・パス・トラップなんてできませんよね。

ゴールしたい攻撃側は正確なシュートやパスをしたいので、相手選手が守っているゾーンとゾーンの境界線に動いてボールをもらいフリーでプレーしようとし(図の例3)、ゴールされたくない守備側は正確なシュートやパスを防ぎたいので、自分の受け持ちゾーン内でフリーになっている相手選手を見つけたら近づいてマンマークし、それを妨害しようとするわけです。

「顔出し」の動きによって攻撃側がゾーンの境界線でなるべくボールを受けようとするのはそこが守備選手から一番遠くてマークしづらく、フリーになりやすいところだからであり、守備側の二人の選手のどちらがその選手をマークするかで混乱し、マーキングの「お見合い」が起これば、まんまとフリーでプレーできるからです。

だから守備側はゾーンの境界線でフリーでボールを受けようとしている相手選手をみつけたら、チームの約束ごとにしたがってすぐに誰かがマークしなくてはいけません。

サッカー勝利の鉄則は、「攻撃する時はフリーになれ、守備の時は相手をフリーにするな」ということになります。

足が止まったチームがサッカーの試合に勝てないのは、攻撃の時にフリーになれず、守備の時に相手をフリーにしてしまうからです。

上に書いたゾーンディフェンスのルールを100%完璧に守ろうとするあまり、選手が緊張して動きがカチコチになってしまうのは本意ではありません。

「これまでうまく言葉で説明できなくてモヤモヤしてたけど、頭の中でゾーンディフェンスの動き方というものをすっきり整理できた」ということであればOK。

あとは「攻撃する時はフリーになれ、守備の時は相手をフリーにするな」という大原則を常に意識してプレーすれば良いでしょう。

 さて、コートジボアール戦を見ていて思ったのですが、香川選手は相手の両センターバック(CB)の前のスペースを中心にプレーした方が、彼のゴールゲッターとしてのストロングポイントを最大限に生かすことができるのではないでしょうか。

しかしトップ下には本田選手がいます。

またワントップのポジションで絶対的な存在感を示すことができている選手もいません。

ギリシャがどういうシステムで来るかも考慮しなければなりませんが、監督さんとも相談しながら香川選手をワントップにして、トップ下を本田選手、香川選手がやっていた左サイドハーフに柿谷選手というシステムを紅白戦で試してみてはどうでしょうか。

もし柿谷選手の左サイドでの守備能力に不安がある場合は、同じ布陣で左サイドハーフのところに長友選手をあげて、別の左サイドバックに守備に比重を置いてプレーしてもらうというのも一つの案です。ケガ明けの高徳選手をいきなりというのは不安なので、酒井宏樹選手が左サイドを安定して守れるなら彼に左SBをお願いすることになるでしょうか。

香川選手と本田選手がタテの関係でCBの前のスペースを出たり入ったりしながら、香川ー本田ー柿谷(長友)の左のトライアングルで崩し、本田(柿谷もしくは長友)のラストパスから香川が決めるとか、逆に香川のパスから本田(柿谷もしくは長友)にゴールさせるとか、左サイドのトライアングルに相手の守備が集中したところで逆サイドの岡崎選手を使ってゴールとか、いろいろな攻めの形が考えられます。

左サイドハーフに清武選手を入れると、彼はロングの浮き球のパスを好む傾向にあるので、身長がそれほど高くなくバイタルエリアで足元へパスが欲しい香川選手とプレーがかみ合わなくなる可能性があるので、そこは注意です。

紅白戦で機能するようであれば、実戦でチャレンジしてみる価値があるのではないでしょうか。

 ここまでいろいろ書いてきましたが今度のギリシャ戦、日本代表の選手たちには失敗を恐れずに、自分の実力を100%発揮することだけに集中して欲しいです。

日本代表選手の誰もが、「グループリーグを突破して決勝トーナメントに行きたい!そのためにがんばってきたこの4年間を無駄にしたくない」と心から願っているはずです。

だったらコートジボアール戦のことをいつまでもひきずるのではなくて、失敗から学ぶところを学んだら、次の試合に向けて頭を切り替えることです。気持ちはわかりますけどね。

試合中に失点してガックリと落ち込んでみたところで、相手の得点が取り消されるわけではありませんし、どんなにくよくよしてみたところで、コートジボアール戦の勝ち点が0から3に変わるわけではありません。

コンフェデで日本に0-2とリードされたイタリアは、ショックで気持ちまで落ち込んで自分たちが今やるべきことを忘れてしまうのではなく、ピルロやデロッシは目を光らせて「まだ試合に負けたわけではない、ゴールを奪い返せばいいじゃないか」といった感じで、すぐさま1点返してその後3点を追加しましたよね。

それがワールドカップで4度優勝した国の経験ということなのでしょう。 

暗い気持ちをひきずったままサッカーをやって、日本が決勝トーナメントに進出するために得になることなんてゼロです。

決勝トーナメントに行きたいんでしょ?
だったら、そのために得になることだけをやること。

苦しいときこそ笑い、明るい晴れ晴れとした気持ちでプレーすることです。

明るく笑うことで人間の肉体は疲労や痛みを感じにくくなり、体が軽くなりキレが出て、自分のプレーが100%に近づいていきます。

暗い気持ちで緊張しながらプレーすると、その逆になります。

リーダーはチームが苦境にある時こそ、自分からチームメートに積極的に笑いかけ、チーム全体のムードやモチベーションをあげていくことです。

笑い袋というオモチャがありますが、あれって自分が可笑しくなくても機械の笑いが伝染して、つい自分も笑ってしまいますよね。笑いや明るい気持ちって伝染するのです。

どうしても笑えない、そんな気分じゃないというときは、スマホでYouTubeの「笑い袋」を検索して、それを使って無理にでも笑ってみてはどうでしょうか。

チーム全体でやってみれば、きっとムードも変わると思いますよ、長谷部キャプテン。

ともかく、日本代表の選手たちが子供の時からやってきて大好きなサッカーを、4年に1度しかないワールドカップという世界最高の舞台でプレーできる、その喜びを心の底からかみしめて、それをピッチの上で全力で表現して欲しいですね。
 
ワールドカップは苦行の場ではなくて、楽しい楽しいサッカーをするところなのですから。

ギリシャ戦では、サッカーをやる喜びに満ちあふれ、自分の実力を100%発揮することだけに集中した日本代表が見たいです。

それができたときに、日本の希望が見えてくるはずです。



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■勇気に欠けた日本代表、失敗を恐れて自滅

 日本代表のブラジルW杯初戦は、1-2でコートジボアールに敗れました。

対戦相手のコートジボアールは、イングランド・イタリア・トルコなどでプレーする選手で構成されたチーム。
日本との戦力差は、ほぼ互角と見ていました。

ブラジルという中立地であれば、勝ち・引き分け・負けのどの結果も同じくらいの確率で起こりうると考えていましたが、そのなかで一番悪い結果となってしまいました。

それでは試合展開を振り返ります。

        ☆        ☆        ☆

 立ち上がりは両チームとも動きが硬く、緊張感がありありとうかがえ、重苦しい雰囲気のなか前半戦がスタート。

8分、ジェルビーニョが右サイドを突破してセンタリング、ゴール前でボニーがシュートしますが、森重が防ぎます。

16分、左サイドのスローインから香川→長友とつなぎ、ゴール前やや左にいた本田へパス、絶妙のトラップでそのまま前へ向いた本田の左足シュートがゴールに突き刺さって日本が先制!

20分、本田のパスを受けた内田が右サイドを突破、ペナルティエリア内で一人抜いてシュートするもGK正面。

先制ゴールに続く一連の攻撃で日本の緊張がほぐれるかと思いきや、攻守にわたって消極的なプレーぶりは変わりません。

それに比べてコートジボアールの方は、時間がたつごとに硬さがとれて動きが良くなり、日本はボールをポゼッションされて徐々に押し込まれていきます。

22分、ゴール前正面から蹴ったY.トゥーレのFKはクロスバーの上。

30分、ゴール前やや右から今度はボカがFKを蹴りますが、ゴールのわずか右上に。

38分、右サイドからディエがクロスを入れ、ゴール前中央にいたボニーがボレーシュートを放ちますが、大きくフカしました。

45分、内田が右サイドからのジェルビーニョのドリブル突破を防ぎ、そのこぼれを拾ったボカがミドルシュートを打ちましたが、GK川島ががっちりキャッチ。

 ハーフタイムに選手の間で声を掛け合って、日本代表のプレーに積極性が戻ってくれと祈りましたが、後半も足を止め、攻守にわたりボールを見ている選手が目立つ状況は変わりません。

9分、ザッケローニ監督がたまらず遠藤選手を投入、チームにカツを入れ、少しパスがまわりはじめますが、5分もたつと元通り。

19分、右サイドでY.トゥーレからパスを受けたオーリエがゴール前へクロス、森重を振り切ったボニーが頭で合わせて1-1に追いつかれます。

21分、同点にして勢いに乗ったコートジボアールは、同じような形からオーリエがクロスし、ニアポスト前でフリーのジェルビーニョがヘディングシュートして逆転に成功します。

逆転されて皆が下を向き、気持ちが沈んだままの日本は攻撃でも足が止まったまま。その後チャンスらしいチャンスもつくれず、試合終了のホイッスルとなりました。

        ☆        ☆        ☆

 それでは試合内容を見ていきますが、ザンビアとのテストマッチにおける日本のパフォーマンスを100%とすると、この試合はせいぜい50%といったところでした。

W杯の初戦を、ザックジャパンになってもっとも悪い内容というか、中身の無い試合にしてしまったと思います。

この試合で私は何が一番悔しいかと言ったら、日本の選手たちが自分たちがもっている本当の実力を自分たち自身で抑えつけて発揮せず、試合に負けてしまったということです。

日本の選手たちが自分たちの実力を100%発揮しなかった原因は、悪い結果が出ることや失敗におびえて、相手との一つ一つのプレーにおいて、チャレンジすることから逃げてしまったからではないですか?

これが、自分たちが全力を出し尽くした結果としてコートジボアールに負けたということであれば、まだ納得もできるのですが、日本の選手が攻撃でも守備でも相手と勝負することから逃げてしまったので、W杯に出たのに戦わずして負けた、日本が「不戦敗」になってしまったのが本当に悔しいです。

 攻撃面では、ボールにからんでミスすることを恐れているのか、日本の選手が足を止めて味方のボール保持者を見ているだけなので、相手選手は簡単に日本の選手に密着マークすることができました。

特に前線で、相手にマークされている味方にパスを出しても、フィジカルが強い相手に横から・後ろからチャージされて簡単にボールを失い、ボール保持者がそれを防ぐために、日本の選手を密着マークしている相手が取れないところへパスを出しても、パスの受け手が足を止めているために通りません。

パスの受け手が足を止めていることで孤立させられたパスの出し手は、パスコースがないためにボールを長時間持たざるを得ないので、ボール保持者へもパスの受け手へもコートジボアールはプレスが掛けやすくなり、日本はいつものようにパスによって攻撃を組み立てることが、まったくと言っていいほどできませんでした。

ザンビアよりもコートジボアールのプレスは弱く、守備ブロックの間にスペースもあったのに、日本はミスパスの山を築いていました。

そうではなくて、フィールドプレーヤー10人がもっともっと積極的に動いて、相手のマークを外してパスを受ける「顔出し」の動きをし、ボールホルダーもなるべく1タッチ・2タッチでどんどんパスをまわしていけば、プレスをかけた相手がこちらのダイレクトパスで抜かれてしまうことで、今度は日本の選手に向かって簡単には飛び込めなくなります。

そうなると相手は日本のパス回しを見ている時間が長くなり、相手のブロックの間でもっとパスが回しやすくなることで、日本は攻守において試合の流れをつかめる、だからミスプレーも少なくなるという好循環に持っていけるのです。

この試合の日本代表に欲しかったのは、このように一つ一つのプレーに積極的にチャレンジする姿勢であり、そうした攻撃サッカーをやるために、4年間努力してきたのではないですか?

そうしたサッカーを、自分たちの実力を、いま全力で出し切らずして、いつ出すのですか?


 守備も同様で、ボールにからんでミスすることを恐れているのか、ブロックをつくってはいるものの、相手がパスをしたりドリブルしたりするのを日本の選手が見ていて、守備が後手後手にまわるケースが多かったですね。

ボールを失っても反応がにぶく、相手のボールホルダーへ詰めに行くのが遅れ気味なのは相変わらず。

フィフティ・フィフティのボールを奪い合っているとき、競り負けることを恐れて腰が引けたまま弱気にボールを奪いに行くと、そのまんまフィジカルコンタクトに負けて相手ボールになってしまうのではないですか。

ボールを奪うと決断したら、ぐっと腰を入れ重心を低くして奪いに行くことで、マイボールにできる確率が上がると思います。

相手のタテパスが入ったときは、パスの受け手の前へ出てインターセプトできればベスト。
それができないときはファールする必要はありませんが、日本のゴール方向に背を向けた相手がトラップする瞬間などに後ろから体を寄せたり足を出したりすることでトラップやパスのミスを誘うか、最低でも相手がボールをもって日本のゴール方向へターンするのを防いでほしいです。

最初の失点シーンで修正すべきところですが、ペナルティエリアの角付近からあげるクロスは正確性が高くスピードも速いので守備側が対応しにくいものです。(逆に言えば日本も攻撃で使えるということ)

ですから、遠藤選手がスペースを埋めるのではなく、クロスをあげたオーリエの前にすばやく立ちふさがって、正確なクロスをあげるのをまず妨害して欲しかったです。

ヘッドしたボニーについていた森重選手も、クロスの落下点を見極めて先に体を入れてクリアすることもマークすべき相手についていくことにも遅れ、 ボニーにヘディングシュートを許してしまったことは次の試合までの修正点です。

二点目も同じパターンからでした。

前に立ちふさがった香川選手がボールを頭や体に当てるなどして、まずオーリエの正確なクロスを防いで欲しかったですし、吉田選手は後ろを振り返ってドログバを森重選手が見ているのがわかったので、すぐ前にいたジェルビーニョに近づいてマークしつつクロスの落下点を見極めていたら、ジェルビーニョのシュートを防ぐチャンスがあったかもしれません。

同じシーンで、ドログバやジェルビーニョに遅れてゴール前に突っ込んでいったボニーを山口選手が途中でマークを放してしまっています。そうなるとDFラインでマークが混乱したり、人が足りなくなったりするもとなので、最後まで責任をもって自分のマークすべき相手についていってほしいです。相手にゴール前まで攻め込まれているときのマークの受け渡しは厳禁です。

ボールがひとりでゴールすることはありません。人間がシュートするからゴールするのであり、ゴール前ではまず人間をマークしてつかまえることです。

そしてクロスの落下点を見極めて誰よりも早くそこに体を持っていきクリアできればベスト、そうでなければ先に落下点に入られた相手に体をしっかり寄せて、自由にプレーさせないことです。

吉田・森重の両センターバックは、相手の足元のシュートは良く防いでそこを高く評価できるだけに、空中戦で課題が出たのは残念。

ゴール前にクロスが入ってくるとき、相手をどうマークし、どうクリアするか頭でよく整理できていないときは、選手全員で積極的にザッケローニ監督やコーチ陣に質問してみてはどうでしょうか。

次の試合までまだ4日もあります。それまでにきっちりと修正してくれることを望みます。

雨でスリッピーなピッチを利用して相手が基本通りにシュートを地面にバウンドさせてきましたから対応が難しかったとは思いますが、ボールを手に当てたぶん川島選手は惜しいセービングでした。

攻撃面での修正点で書き忘れましたが、内田選手はシュートを打つ直前に相手GKを見て、そのまま無意識にGK正面へシュートを打ってしまっているようです。(他の日本代表選手にもありがち)

人間は本能的に見たものへ向かって、モノを蹴ったり投げたりしますから、GKの位置を確認したら強く意識してGKがいないところへ向かってシュートすると良いと思います。

 本田選手のトラップからのシュートは素晴らしかったですが、選手個々で特筆すべき活躍を見せた者はいません。ピッチにいた全員が失敗や悪い結果が出ることにおびえて、自分の実力を発揮できないまま試合が終わってしまったのが大変残念でした。

        ☆        ☆        ☆

 ザックジャパンのW杯初戦は負けという結果以上に、日本の選手たちが実力を半分も発揮しないまま、ゲームを終えてしまったのが本当に残念でなりません。

この世の真理の一つだと私は考えていますが、死ぬまで一度も失敗しない人なんていません。サッカーの世界においても「失敗は世界最高の先生」なのです。

大切なのは、失敗から多くを学びとり、次に同じ失敗を繰り返さないことであって、たいていの場合「小さな失敗を経験することから逃げ続ける者は、後でドカンとまとめて大きな失敗のツケを払うことになる」ものです。

ボールにからんでミスするという小さな失敗を恐れて、味方のボールホルダーがパスを出す相手を探しているのに相手DFの50㎝脇で立ち止まっているとか、ゴール前での競り合いに負けるという小さな失敗を恐れて、相手がシュートするのをただ見ているだけとか、シュートを打って外れるという小さな失敗を恐れて「確率の高いところにいる味方」へのパスに逃げるといったようなことを繰り返していると、W杯のような大事な試合に負けるという、大きなツケをまとめてドカンと支払わなければならなくなります。

当研究所では「サッカーとは弱気で消極的なチーム(選手)が罰を受けるスポーツである」と口をすっぱくして繰り返してきましたが、この試合で失敗を恐れて消極的なプレーに終始し、罰を受けたのは日本の方でした。

前回エントリーで「大切な試合だからといっていつもより大事に行こうとしてプレーが小さく消極的になるよりも、失敗を恐れずどんどん積極的にプレーしてほしいです」と書いたのは、今日の試合のような結末だけは見たくなかったからです。

この試合、W杯という大舞台で失敗を恐れずに自分の実力をすべて出し切ることに専念できていたのは、ドログバだけだったと思います。

チェルシーで何度もビッグマッチをくぐりぬけ、数限りなく成功も失敗も経験してきたからこそできることなのでしょう。

日本にはドログバのようにチーム全体に勇気と落ち着きを与える存在がいませんでした。

W杯で優勝候補と呼ばれるチームやそのレベルに達している選手と、そうでないチーム・選手との差は、技術やフィジカル能力の差もあるのでしょうが、W杯やチャンピオンズリーグのどんな大事な試合であっても、自分の普段の実力を100%発揮できるか、そうでないのかで分かれるのだと思います。

だったら日本の選手全員が今から勇気を出して、苦しい時こそ笑顔でピッチの上で声かけあってドログバになればいい。相手チームは関係ありません。そうするかしないかはすべて自分たちしだいです。

日本代表は、ブラジルW杯という大舞台で悪い結果を恐れて実力を出し切れなかった、W杯の雰囲気に飲まれてガチガチに緊張し、体が動かないまま無我夢中のまま、気づいたら試合に負けていた。

それはテストマッチ100試合でも経験できない、W杯に出た者だけが経験することのできる失敗であり、W杯の常連で優勝候補と呼ばれる国々が乗り越えてきた壁なのだと思います。

ならば、この失敗を日本サッカー界全体で共有して、同じ失敗を繰り返さないよう次の試合に生かせば良いのです。

日本は普段の実力の半分も出せませんでしたが、最少失点差1での負けだったり、コロンビアがギリシャを大差で破ったことについても、まだ日本にツキがあります。

次のギリシャ戦は勝利が絶対条件であり、できれば大量点差で勝ちたいところですが、それはいったん忘れましょう。

試合の結果をあれこれ心配してプレーするのではなく、目の前の一つ一つのプレーにおいて自分がやるべきことだけに集中し、実力を全部出し切ることだけに集中すること、攻撃でも守備でも一つ一つのプレーに勇気をもって全力で勝負することだけに専念すべきです。

南アフリカではチーム最高の遠藤選手が1試合当たり平均12km弱走っていましたが、この試合はチーム最高の長友選手でさえ11km、その他の選手は10km台と運動量が少なすぎで、いかに足を止めてプレーが消極的だったかがわかります。

うまくいっているチームは黙っていてもモチベーションがあがって良く走ることで次の試合も勝つ確率が高くなり、うまくいっていないチームは足が止まって、次の試合もうまくいかなくなりがちです。

この試合のように攻撃でも守備でも足を止めていたら日本の勝利は難しくなります。次のギリシャ戦は13km走りきるつもりでいかないと。

そうやって一つ一つのプレーで日本の選手たちが勝利を積み重ねていったその先に、試合全体の結果が待っているのです。

私が座右の銘は“NO GUTS,NO GLORY”(勇気がない者は、栄光をつかめない)です。

コートジボアール戦の日本代表は、悪い結果が出ることにおびえてばかりで、勇気がまったく欠けているように見えました。

次の試合こそ、勇気をもって挑戦する日本代表が見たいです。

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     2014.6.14 アレナ・ペルナンブーコ(ヘシフィ)

    コートジボアール 2 - 1 日本

     ボニー 64'               本田 16'
     ジェルビーニョ 66'


     GK バリー           GK 川島

     DF ボカ             DF 内田
       (ジャクパ 75)          森重
        バンバ              吉田
        ゾコラ              長友
        オーリエ
                       MF 山口
     MF ディエ              長谷部
       (ドログバ 62)         (遠藤 54)
        ディオテ             岡崎
        ジェルビーニョ         本田
        Y.トゥーレ            香川
        カルー             (柿谷 86)

     FW ボニー          FW 大迫
       (コナン 78)          (大久保 67)



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■ブラジルW杯にのぞむ日本代表に向けて(追記あり)

 ついに待ちに待ったブラジルワールドカップが開幕しましたね。

日本代表の選手からは、「今回のW杯は日本のサッカースタイルで勝利という結果を残すことで、日本サッカーの将来を見据え、そのスタイルを確立する大会である」という内容のコメントも伝わってきております。

日本人の特徴を生かし、豊富な運動量でボール保持者を味方がサポートしてやることで多くのパスコースをつくり、ショートパス中心に相手陣内までボールを運んでゴールをあげる。

守備も最後まで足を止めず、コンパクトなブロックをつくり、相手を厳しくマークして前線から組織的にプレスをかけ、相手選手が使えるスペースと時間を制限することで正確なプレーができなくなるよう妨害し、それによって点をやらない。

今までザックジャパンが積み上げてきたサッカースタイルを強く支持しますし、日本の選手たちがこのW杯で勝利という結果を出すことを信じています。

 ただ、サッカーをやる最終目標は試合に勝つことであり、サッカーという競技は、試合終了の笛が鳴ったときに相手より1点でも多くリードできていなければ、勝利することはできません。

相手の得点がゼロなら、それだけ自分たちが勝つ確率があがります。

今の日本代表は攻撃サッカーという、南アフリカW杯のときよりも難易度の高いことをやって勝とうとしています。

しかし、サッカーに「攻撃サッカーをやったら、絶対に失点しなくてはいけない」というルールはないのですから、「攻撃サッカーをやりながら、失点をゼロに抑える」という、より困難な課題の達成に日本はチャレンジすべきですし、やるべきことをやりさえすればその両立は可能です。

つまり、このW杯で日本が望むような攻撃サッカーができて、仮に日本がボールを70%支配したとしても、日本がボールを保持していない残り30%の時間はしっかり守り、相手の攻撃をゼロにおさえるということです。

日本が試合に勝つために、相手が攻撃する30%の時間に、きっちり守備の基本をおさえて失点をゼロにおさえたからといって、日本がボールをポゼッションして攻撃する70%の時間が消えてしまうということにはなりませんし、「攻撃的サッカー」を放棄することにもなりません。

私がこれまで書いてきたことはそういうことです。

もし相手が強くて、日本のボールポゼッションが40%、相手が60%になってしまったときであっても、相手がボールを保持している60%の時間を辛抱してゼロにおさえつつ40%の時間でゴールを決め、相手を仕留めてほしいと思います。

世の中には守備だからといって気持ちまで守りに入って消極的になってしまう選手が少なくなく、守備を「つまらない苦行」と考える人もいるようですが、それは違います。

サッカーでは見過ごされがちなことですが、相手を襲って相手が持っているボールをいかに奪うか、相手が完成させようとしている攻撃の組み立てをいかに妨害し破壊するかという意味では、守備も創造力が必要とされる「一種の攻撃」なのです。

そこを忘れないでほしいです。

 日本の攻撃面で注意すべき点は、流れの中やセットプレーから相手ゴール前へクロスが入ってくるとき、ボールの落下地点が自分の立っているところから1mでも離れてしまうと、「自分とは関係ないや」とばかりに足を止めて見ているだけの選手が多いことです。

ボールの落下地点がたとえ自分から4~5m離れていたとしても、ゴール前でたった一度でも相手に競り勝てれば「1点もの」なのですから、スピードに乗ったランニングからジャンプして積極的にヘディングシュートを狙いにいくべきです。

 守備面では、ボールをポゼッションして攻撃的なサッカーをしたいなら、中盤の攻防を中心に日本の選手全員がボールの奪い合いに勝ち、まずマイボールにする必要があります。

さらに、サッカーではボールを失った(奪った)瞬間が、選手の集中力が一番切れやすいときなので、それを絶対に忘れず、相手にボールを奪われたら一番近くにいる日本の選手が相手のボール保持者にすばやく立ちふさがり、シュートコースを消し、前方へのドリブルやパスを妨害して、相手の攻撃を遅らせることが鉄則です。

無理に食いついて抜かれてはいけませんが、できるだけ高い位置でボールを奪うことができれば、それだけゴールチャンスが増えます。

DFラインも、オフサイド崩れでウラを取られないようラインを揃え、ラインの上げ下げの呼吸を合わせつつ、いつボールを奪われて自分たちに向かってパスを出されても対応できるように、ボールを見ることと、自分の周囲の状況を確認することを交互に絶え間なく行うことで、相手選手を厳しくマークしてフリーな選手をつくらないようにしなくてはいけません。

相手のセットプレーを含めた日本のゴール前での守備では、まず相手をしっかりマークしてフリーの選手をつくらず、相手のクロスやパス、こぼれ球に対して自分たちが相手より先にボールに触ってクリアすること、それができないときでも相手に体をしっかり寄せることで相手の体から自由を奪い、相手が意図するプレーをできなくなるよう妨害することが重要です。

いわゆる“D”のエリア付近には、相手のクロスやセットプレーからのクリアボールがこぼれてくる可能性が高く、相手チームがミドルシュートを打つための要員を配置したり、ザンビア戦のようにトリックプレーで意図的にDのエリアを空けて、そこからフリーの選手にミドルを打たせるといったケースもあります。

セットプレーの守備では、こぼれ球をクリアしたり相手のミドルを妨害するために、こちらもDのエリアをケアする選手を最低一人、いつも配置しておくべきではないでしょうか。(下図)

対策
(クリックで拡大)

(追記)

同じくセットプレーの注意点として、ニアポスト側へ入ってくるクロスに競り負けて、ボールを後ろへそらされた場合に失点するケースが多いので、例えば本田選手のようにフィジカルが強くて身長のある選手がニアポスト側へ入ってくるクロスを確実にはね返すということも重要です。


 W杯の試合中は一瞬一瞬を大切にして油断することなく、常に全力を尽くすことが大事なのは言うまでもありませんが、大切な試合だからといっていつもより大事に行こうとしてプレーが小さく消極的になるよりも、失敗を恐れずどんどん積極的にプレーしてほしいです。

そして今の日本代表が完成形なのではなくて、W杯の試合中に成功したことに自信を深め、失敗から誰よりも多くのことを学ぶことで一つ一つ弱点をつぶしていき、1試合ごとに日本代表の選手たちが成長し、メキメキと強くなっていくための絶好の機会だということを常に意識してプレーしてほしいですね。

わかりきったことですが、まず初戦のコートジボアール戦が重要です。日本にとって絶対に勝ち点3を奪い取りたい試合であり、どんなに悪くとも勝ち点1は稼がなければなりません。

ブラジルW杯において、日本代表の選手たちが掲げた、志の高い目標を達成できることを信じ、全力で応援したいと思います。



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■日本代表、課題が多かったザンビア戦(その2)

前回のつづき

        ☆        ☆        ☆

 引き続き、試合内容を攻撃面から分析しましょう。

攻撃面でも課題が多く出ましたね。

コスタリカとザンビアのサッカースタイルは違いますが、ほぼ同じくらいの実力であり、守備の組織力だけでいえばザンビアのほうが上でした。

前半のザンビアによる「鬼プレス」を上回るスピードで「顔出し」の動きをすることでパスをつなぎ、バイタルエリアにボールを運んで質の高いシュートチャンスを数多くつくることができれば、日本の攻撃をもう一段上のレベルに引き上げられる絶好のテストの場だったのですが、それができず残念でした。

コスタリカ戦と比べるとバイタルエリアで立ち止まっている日本の選手が多く、相手の速いプレスによって味方がフリーになれないのでパスコースも少なく、それで選手がボールを持ちすぎてしまうケースが多かったと思います。

日本はチャレンジャーなのですから、W杯では相手に走り勝たないと、決勝Tへ進出して勝ち抜いていくのが難しくなります。

前回記事で取り上げたようなコンパクトな守備ブロックを崩す戦術を使って、こちらが意図的に相手のバイタルエリアを広げ、そこを使って攻撃するような工夫も必要です。

日本の攻めが空回りしているとき、相手の両センターバック(CB)の前のスペースに意図のわからないパスを出しては簡単にボールを奪われてしまうというシーンも多かったですね。

スペースにパスを出す場合、相手より味方選手の方が先に追いつけるポイントに出すのが鉄則であり、CBの前にある敵選手が何人も密集しているようなスペースにパスを出すのは得策ではありません。なんらかの意図がある場合は別として、相手が密集したスペースでは、味方の足元へ正確にパスを出すのが基本でしょう。

 守備面ではより多く課題が残りました。

攻守の切り替えが遅く、相手ボールになっても日本陣内へ向かってドリブルする相手ボールホルダーへ誰もチェックに行かないというケースが多すぎます。

ザンビアの3点目はまさにこれが原因でした。

ボールを奪われたら、両チームのフォーメーションのかみあわせで自分がマッチアップしている相手を探すのではなくて、相手ボールホルダーに一番近い日本の選手がまず相手に立ちふさがって、日本ゴールへのシュートコースや前方へのパスコースを消さないといけません。

もしコースを消しに行った味方が本来マッチアップしている相手とは違う相手を見ている場合は、まわりの選手が機転を利かせて、ポジションチェンジをしてリトリートする必要もあります。

 長谷部キャプテンは当時のことを良く憶えていると思いますが、岡田ジャパンは連戦連敗の強い危機感から日本ゴール前へ入ってくるクロスやパス・こぼれ球への研ぎ澄まされた反射神経をチーム全員が共有していました。

中澤選手や闘莉王選手を中心に、ゴール前で相手をフリーにせず絶対に競り負けないということが徹底されていたと思います。

しかし、ザックジャパンはそうした部分で今ひとつ危機意識が足りないのではないでしょうか。

ザンビアの1点目も競り負けていますし、2点目のシーンは日本の選手がボールウオッチャーになってしまい、シュートしたシンカラをフリーにしていました。

自分たちのゴール前では、まず相手をしっかりマークし、相手のクロスやパス、こぼれ球への反射神経を研ぎ澄まし、まず自分たちが相手より先にボールに触ってクリアできればベスト、それができないときでも相手に体をしっかり寄せることで相手の体から自由を奪い、相手が意図するプレーをできなくなるよう妨害することが重要です。

そうすることで、たとえボールがゴールに向かっても、勢いが弱ければGKがキャッチできます。

レアルのセルヒオ・ラモスがやたら目立っていましたが、今シーズンのチャンピオンズリーグは、重要な試合の結果がセットプレーからのゴールで左右されるケースが多かったように思います。

そうしたことを踏まえ、ブラジルW杯では各国ともゴール前でのセットプレーを強化してくる可能性があり、日本もブラジル合宿でしっかりセットプレーの守備対策をやっておくべきでしょう。

        ☆        ☆        ☆

 選手個々で特筆すべきは、まず本田選手。PKをきっちり決めてチームを勇気づけ、日本の3点目となった場面は良くあそこに詰めていました。まだ100%復調というわけではありませんが、フィジカルコンディションもだいぶ戻ってきており、ブラジルでの最後の仕上げに期待したいと思います。

香川選手の、誰も触れなくてもゴールになれば良いといった感じのクロスが絶妙でした。このゴールのように、左サイドからドリブルでカットインして左へ行くと見せかけたフェイントで相手DFを振ってシュートコースを空け、その逆をとって左右のゴール隅へ右足からミドルシュート、という形は彼にとって重要な武器になると思います。
相手にリードされているとき、次のプレーを焦ってトラップが雑になりシュートチャンスを失ってしまうシーンが二度ありましたが、そこは修正点でしょう。

大久保選手は、コスタリカ戦ではトラップが乱れてチャンスを逸していましたが、この試合は難しいトラップをピタリと決めてみせ、殊勲の決勝ゴールを奪う活躍。
ただチーム全体の攻撃がうまくいっていないとき、イライラからラフプレーをしてイエローをもらってしまったのは余計でした。大久保選手はもう精神的に大人のプレーヤーになったと聞いており心配はしていませんが、ラフプレーやシミュレーションによる退場で代表チームがピンチに陥ったことがあり、ブラジルでそこだけは注意してほしいと思います。

今はアトレチコ・マドリードの監督をやっているシメオネが、ベッカムを挑発して退場に追い込んだこと(98年W杯決勝T1回戦)や、インテルの長友選手の“師匠”だったマテラッツィにキレたジダンの頭突き(06年W杯決勝)なんかもありましたが、いずれもカッとなってレッドを食らい、退場させられた方のチームが負けています。つねに冷静さを失わず、サッカーのみならず精神面でも相手に勝つことが求められるのがW杯だと思います。

青山選手は出場時間が少ないなかで、決勝ゴールをアシストする正確なロングパスが光りました。あとはショートパスの組立てでチームにフィットすれば、先発出場の機会も十分ありえます。

 逆に、内田選手は相手の先制ゴールにからんでしまいました。対処が難しいボールだったとは思いますが、背後のC.カトンゴを手を広げ自分の体でブロックしてボールをスクリーンしつつ、足でクリアすることでCKへ逃れることができたのではないでしょうか。

西川選手も、先制された場面で対応が中途半端だったと思います。GKがゴールマウスから離れるときは、最低限ボールには触って欲しいです。

山口選手は、ドリブルするムソンダへの詰めが遅れ、ミドルシュートから3点目を許す原因に。日本のDFラインはじゅうぶん人が足りていましたから、山口選手がDFラインに入ろうとした理由がわかりません。ザンビアの2点目も、フリーになっていたシンカラを誰がマークする約束になっていたのかわかりませんが、あれも山口選手のマークだったのではないでしょうか。

遠藤選手は失点にこそつながらなかったものの、後半8分ザンビアのCKの場面でヘディングシュートを放ったC.カトンゴに競り負け、ゴール前での守備に不安が残りました。国際審判はあれをファールとはとらないと思います。

        ☆        ☆        ☆

 W杯前、最後のテストマッチとなったザンビア戦は、最後まであきらめずにゴールを奪い、勝利という結果を出したことは評価できますが、90分を通したゲームの進め方、攻守両面での個人戦術・チーム戦術双方において、課題が多く出た試合でした。

相手がコンパクトな守備ブロックをつくって組織的なプレスをかけてきた場合、先に根負けして簡単に失点するのではなくて、こちらも同じように守備ブロックをつくり、相手に先制点をやらないよう辛抱しなくてはなりません。

日本は、試合終盤でも衰えない攻撃力にストロングポイントがあると思うので、先に失点してしまうのは本当にもったいないです。

岡田ジャパンと違い、ここまでのザックジャパンは心のどこかに油断があるというか、失点の危機を察知する研ぎ澄まされた感覚が欠けているようにも見えます。

2002年W杯で3位になったトルコは、ミラン・インテル・パルマ・レバークーゼンでプレーする選手をそろえた攻撃力の高いチームでしたが、決勝トーナメント1回戦ではホームで有利な日本に対し、あえて90分間がまん強く守備をして、セットプレーの日本のマークミスを逃さず決めた1ゴールを守り切って、決勝トーナメントを勝ち抜きました。

強豪チームが1点を守り抜くと決意するとゴールを奪うのは並大抵のことではないので、日本中が味わったあの悔しさを絶対に忘れずに、失点しないようベストを尽くしてほしいです。

本番まで残された時間は少ないですが、課題を一つ一つ着実に修正していってくれることを望みます。

そこを「しょうがないよ」で済ませてしまうか、それとも一つたりともなおざりにせず確実に修正点をつぶしていくのかで、W杯の決勝トーナメントに進出して勝ち進んでいけるチームとそうでないチームとの差が出てくるのではないでしょうか。

私は、日本代表が着実に課題を修正していけると信じています。

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    2014.6.7 レイモンド・ジェームズ・スタジアム(タンパ)

     日本  4 - 3 ザンビア
 

     本田 40'(PK)         C.カトンゴ 9'
     香川 74'            シンカラ  29'
     本田 75'            L.ムソンダ 89'
     大久保 90'+


     GK 西川           GK ヌサバタ

     DF 長友           DF チセンガ 
        吉田             (チャマ 88)
        今野              スンズ
       (森重 60)           ムトンガ
        内田              ムボラ
       (酒井宏 66)        (J.ムソンダ 90+)

    MF 遠藤           MF シンカラ
      (青山 90+)          チャンサ
       山口              ルング
       香川             (L.ムソンダ 74)
      (斎藤 78)           F.カトンゴ
       本田             (フィリ 90+)
       岡崎              C.カトンゴ
      (大迫 60)
                     FW マユカ
    FW 柿谷             (ムレンガ 53)
      (大久保 46)



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■日本代表、課題が多かったザンビア戦

 W杯開幕を控えた日本代表にとって、最後のテストマッチとなったザンビア戦は、4-3でまたしても日本が逆転勝ちしました。

今回対戦したザンビアは、国内組を主体にフランスなど海外でプレーする選手を加えたチーム。コートジボアールから1ランク落ちる相手であり、日本との実力差は日本のホームで日本の勝ち、ザンビアのホームで引き分け程度と見ていました。

中立地での戦いであれば、地力に勝る日本が勝たなければいけない相手であり、4-3で勝利という結果は順当なものでしたが、試合内容については修正すべき点が多いと思います。

私がザンビア代表のゲームを見るのは2002年アフリカ・ネーションズカップ以来だと記憶していますが、当時とは似ても似つかない、攻守にわたって組織が良く鍛えられたチームでしたね。惜しむらくはGKが若くて経験が無さすぎました。

それでは点の取り合いとなったゲームの流れをおさらいしておきます。

        ☆        ☆        ☆

 キックオフ直後は、コンパクトな守備陣形から組織的なプレスをかけてくるザンビアが日本の攻撃をはね返し、逆に日本を押し込む展開。押し込まれた日本は守備が我慢しきれません。

前半9分、ザンビアがパスをつなぎ、右サイドから入れたクロスをF.カトンゴが触ってコースを変え、 逆サイドにいた内田の背後からC.カトンゴに押し込まれてザンビアが先制。

コンパクトなブロックと厳しいプレスでスペースを与えてもらえない日本は攻めあぐみ、なかなかゴールに近いところでシュートまでもっていけません。

16分、遠藤のパスを受けた長友が左サイドからカットインしてミドルシュートしますが、GKが横っ飛びでセーブ。

29分ザンビアの右CK、F.カトンゴがスルーするトリックプレーに日本は惑わされ、ゴール正面でフリーになったシンカラのシュートが決まって0-2と突き放されます。

30分を過ぎると、「鬼プレス」をかけていたザンビアの足もさすがに止まり始めます。そのため日本も少しづつ相手陣内でパスが回るようになりました。

40分、岡崎にパスを当て、リターンをもらった香川が右サイドへ流れてからクロスをあげようとしましたが、これが相手選手の手に当たってPK獲得。本田がゴール右隅へ決めて日本が1点返します。1-2。

 後半から柿谷に代えて大久保を1トップに据えてキックオフ。

しかしリードされている焦りからか、一発のパスでゴールを決めようとしては相手にはね返され、雑になった日本の攻撃はなかなか機能しません。逆にザンビアの反撃にさらされます。

8分、ザンビアの右CK、F.カトンゴのキックを完全フリーになったC.カトンゴにヘッドで合わされましたが、ゴール右へ外れてヒヤっとさせられます。

後半も15分をすぎると、前半を飛ばしすぎたのかザンビアの動きがさらに鈍くなり日本が押し込みますが、追いつかなければならないプレッシャーからかミスが目立ちます。

29分、遠藤のミドルパスを左サイドで受けた香川がドリブルでカットインしてシュート性のクロス、ゴール前に飛び込んだ大久保と彼をマークするDFをすり抜けたボールにGKが反応できず、ややラッキーなゴールでようやく日本が追いつきます。2-2。

「2点差は一番危ういリード」というサッカーの格言どおり、追いついた日本が押せ押せに。

30分、酒井宏のパスを受けた森重がペナルティエリア内右で相手をフェイントでかわしてセンタリング、本田がこれにつめて日本が3-2とゲームをひっくりかえします。

ところが、またしても守備で踏ん張れない日本。

44分、左サイドでパスを受けたL.ムソンダのドリブルに山口の対応が遅れ、遅れて足を出しに行ったところムソンダのシュートが山口の体に当たってコースが変化、ボールはGK西川の頭上を越えて日本ゴールに吸い込まれます。3-3。

ロスタイム1分、遠藤に代えて投入された青山が、キックオフ直後にセンターサークルから蹴ったロングパスを大久保がゴール正面で絶妙のトラップからシュート、これが決まって再び突き放します。4-3。

激しい打ち合いとなったゲームもここまで。日本が前試合に引き続き、逆転勝ちをおさめました。

        ☆        ☆        ☆

 それでは試合内容を見ていきますが、攻守両面を含めたゲーム全体の進め方、攻撃面・守備面それぞれに課題が多く出たゲームでした。

これがワールドカップ本番の試合でなくて本当に良かったと思います。もしW杯初戦で取り返しのつかないミスが起こっていたらと考えるとゾッとします。

では順番に見ていきましょう。

 まずゲーム全体の進め方ですが、私がこの記事 の「もう一つ忘れてはいけないのが...」以下で言いたかったことは、この試合のようなことが起こってしまうことを危惧していたからです。

「相手を押し込もうとしたができず、逆に押し込まれてしまいました。それだと守備が我慢できないので先に失点してしまいました」ではサッカーになりません。

確かにザンビアのコンパクトな守備ブロックと組織的なプレッシングは素晴らしかったですけど、あの「鬼プレス」を暑いなか90分間続けるのは無理があります。

かつてディナモ・キエフを率いた名将ヴァレリー・ロバノフスキーが使った戦術ですが、前半20分まではガチガチ相手に当たりに行く「鬼プレス」をかけて、その後はプレスをかけるフリをするだけというやり方があります。

相手チームはキックオフからの20分間で「鬼プレス」の強い印象を植えつけられるので、そのあとはディナモの選手たちが体力を温存するためにプレスをかけるフリをするだけで本気でボールを奪おうとしなくても、焦った相手が雑なロングボールを前へ蹴ってくれたり、あわててパスをつなごうとしてミスしてくれればそれでよいわけです。(試合日程がきついときなどに、主に格下相手に使った戦術のようです。もちろん途中でフリをしているだけだと見破られたら、マジメにプレスをかけないといけませんが)

世界的な名監督であってもそういった工夫をしているように、「鬼プレス」を90分間通してやることはまず困難で、必ず足が止まってくる時間帯が出てきます。

日本も、前半キックオフから30分間のザンビアによる厳しいプレスの印象が強く残ったのか、ザンビアの足が止まり始めても、ゴールを焦って雑なタテパス一本の攻撃を繰り返したり、ミスパスが増えたりしていましたね。

どんなチームでも鬼プレスを90分間続けることは困難だということを頭にしっかり叩きこんでおいて、鬼プレスでこちらの攻撃がはね返されて逆に相手に押し込まれてもそこは我慢し、こちらもコンパクトな守備ブロックと組織的なプレスをかけつづけ、相手の足が止まって相手陣内でパスを回せるようになるまで、絶対に先制点を奪われないようチーム全体で辛抱しなくてはなりません。

相手の足が止まり始めるのが後半30分過ぎだったら、そこまで最低でも0-0で踏ん張り続ける必要があります。

 また、コンパクトな守備ブロックを崩すには、それに応じた戦術があります。

図1
つまる
(クリックで拡大 以下同様)

図1のように、相手DFラインの前でショートパスを細かくつないでいると、相手もそれに応じてプレスをかけてきて、守備ブロック全体がさらにコンパクトになってバイタルエリアのスペースがどんどん狭くなっていきます。

バイタルエリアで足元へのショートパスをつないで攻撃を組み立てるのが、現在の日本代表にとって「やりたい攻撃」であり、それ自体はぜんぜん問題ありませんが、そればかりやっていると今回のザンビア戦のように、相手がまだ元気な時間帯に、コンパクトな守備ブロックから厳しくプレスをかけられてバイタルエリアのスペースが狭められることでパスがつながりにくくなり、それによって日本の攻撃が機能せず、攻め手がないまま逆に防戦一方といったことになりかねません。

                 
                   
図2
広げる

そのような場合は、図2のようにワントップが高く設定された相手DFラインのウラでパスを受ける動きをし、ボランチやDFからワントップに正確に当てるようにロングパスを出します。

こうした戦術によって、たとえワントップへパスが通らなくても、ウラを取られたくない相手DF陣がラインを下げることでバイタルエリアが広がります。

相手DFが下がりながらロングパスをヘッドでクリアすれば、広くなったバイタルエリアにこぼれる可能性が高くなります。ヘッドしたDFを基点として左右45°の範囲内で、約10m以内のどこかにボールが落ちるのではないでしょうか。

そこでこちらのMFやサイドハーフ(SH)は、味方のワントップや相手DFに当たったボールが広くなったバイタルエリアへこぼれてくることを予測し、反応をすばやくして敵よりも先にボールを拾います。

ロングパスをGKに直接キャッチされてしまっては意味がありません。そこは注意すること。


                 


図3
使う

図2のように、ワントップの動きで意図的にバイタルエリアを広げ、そこでボールを拾ったMFは広くなったバイタルエリアを使って再びショートパスを使って攻撃を組み立てる。(図3)

MFからFWへのスルーパスや、FWからリターンをもらってMFがシュート、あるいはSHやサイドバックを使うなど、攻撃のバリエーションが広がります。

ショートパスで攻撃することで、再びバイタルエリアが狭くなりすぎて図1の状態に戻ってしまったと感じたら、図2→図3の戦術を試してみる。

相手DF陣を揺さぶり、意図的にラインを上げ下げさせることで、チーム全体の足が止まり始め、DFラインの下げに相手ボランチがついていけなくなったら、長い時間バイタルエリアが広く使えるようになる。

足の止まった相手がバイタルエリアのスペースを埋めることを優先させるなら、前へ出てボールホルダーをしつこく追い回すようなプレスをかけることが難しくなるから、こちらが相手陣内でパスを回して押し込めるようになるので、いつものように攻める。


あくまでも日本の攻めの基本はグラウンダーのショートパスによる崩しですから、ロングの縦パス一本によるワンパターン攻撃にハマるのだけは避けること。

ザッケローニ監督が、受けたパスをポストプレーで落とすことに最近偏りがちになっている柿谷選手や、「直感」のままボールを受けにサイド深くに流れたり中盤の底まで下がってしまう大久保選手を、ワントップのポジションからすぐ代えてしまうのは、戦術的に意図したこういった動きができていないからではないでしょうか。

 W杯やUEFAチャンピオンズリーグで上位を目指すチームは、ピッチ上の11人がこうした共通理解をもって、状況に応じて複数の戦術を使い分けることができるぐらいのレベルにあるはずで、「相手を押し込みたかったけど、押し込まれることは想定しておらず、だから辛抱できずに先制されました」というのでは、勝負になりません。

今ごろの岡田ジャパンは守備組織の構築でいっぱいいっぱいで、私がこのレベルの攻撃の戦術論にまで触れる余裕はありませんでしたから、現在の日本代表が4年前から着実に進歩しているのは間違いないです。

W杯開幕まで残り時間は本当に少ないですが、日本がW杯を勝ち抜いていくために、選手全員で90分・120分を通した試合全体を見据えたゲームの進め方や戦術の理解を高め、ゲームの流れが日本と相手どちらに来ているのか、今が「攻め時」なのかそれとも守備ブロックをつくって「辛抱する時」なのか、状況を見ながら戦術を使い分けられるような、勝負にしたたかな試合巧者になって欲しいと思います。

記事が長くなりました。攻撃・守備面の課題と選手個々の評価は明日にアップします。

次回へつづく


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■日本代表、コスタリカに逆転勝利(その2)

前回のつづき

        ☆        ☆        ☆

 選手個々で特筆すべきは、まず同点ゴールをあげた遠藤選手。 冷静に決めたあのゴールはチーム全体に落ち着きを与えました。

香川選手は攻撃の組み立てやチャンスメークに良くからみ、後半はカウンターからドリブルでゴール前へ持ちこみ、うまくトラップできず足元に入りすぎてしまった柿谷選手からのリターンを良く決めましたね。黄色いユニホームとともに、ショートカウンターからブンデスでゴールを量産していたドルトムント時代をちょっと思い出しました。こういう形からのゴールは、日本代表にとって新しい攻撃のオプションとなるかもしれません。

柿谷選手は香川選手のゴールをアシストし、自らも難しいシュートを倒れこみながら決めてみせ、1G1Aの大活躍。サッカーをプレーするということは自己表現の一つですから、ゴールしたら照れずにもっと喜びを表現しても良いと思います。

山口選手の高いボール奪取力は、中盤の守備に安定感を与えています。攻撃参加にも成長が見られますね。

青山選手も以前より守備が良くなり、キラーパスも冴えていました。

 逆に、今野選手は久しぶりの代表サイドバックというのはありましたが、左サイドでルイスとのマッチアップに手こずり、ゴール前でもルイスをフリーにして先制ゴールを献上。

森重選手&吉田選手 森重選手は先制点を奪われたシーンにおいて、こちらの右サイドがやぶられたときに相手ボールホルダーへの寄せが今ひとつ甘くなって正確なクロスを許し、吉田選手も戻りが遅く、森重選手をカバーするのかゴール前を固めるのか迷ったぶん、適切なポジショニングがとれませんでした。二人ともゴール前での相手のマークがあいまいになる場面もあり、後半24分にルイスにフリーで許したヘッドは1点もののミスでした。

大迫選手はパスを受けるとき、ゴールに背を向けてボールを待って受けるのではなく、フリーでパスをもらうために相手のマークを外す動きを加えながら、ボールをなるべく半身で受けると、シュートなりパスなりドリブルなり次のプレーへスムーズにつなげることができるようになると思います。

大久保選手は他の選手との連携がだんだん良くなりシュートも打てるようになってきたものの、トラップミスなどでボールが収まらず、日本の攻撃がそこで止まってしまうのが残念。一つ一つのプレーを落ち着いて正確に。

        ☆        ☆        ☆

 アメリカ合宿に入って最初の実戦となったコスタリカ戦は、3-1で勝利という結果は順当でしたし、試合内容もキプロス戦よりだいぶ良くなってきました。

ただ、守備では課題も多く出ました。

「今は相手ゴール前にボールがあるから、今は逆サイドにボールがあるから、自分はまだ守りの備えをしなくても大丈夫だろう」という考え方でプレーしてしまうと、自分のそばにいながらマークを離していた相手選手がフリーランニングを始め、「ヤバい!」と気づいた瞬間には、もうシュートを防ぎようがなかったという事態が起こってしまいます。この試合のように。

日本の右サイドをやぶられても、バック陣が流すようにランニングしながらリトリートし、逆サイドのルイスをまったくのフリーにしていた時点で、「お前はすでに失点している」状態だったのです。

ピッチのどこにボールがあっても、常に周囲の相手選手の位置やオフサイドラインの乱れをチェックし、今この瞬間に相手ボールになっても失点しないような準備をしておきなさいと口をすっぱくして言う理由はこれです。

プレミアのアストンビラやグラスゴー・レンジャースなど、イギリス系のサッカークラブのエンブレムに、“Prepared”とか“ready”というクラブのモットーが入っているのは「いつでも準備ができている(それが良い結果をもたらす)」という意味だと聞いたことがあります。

日本代表も、守備で90分・120分と集中を切らさず、常に良い準備をしておくことを心掛けてほしいです。

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   2014.6.2 レイモンド・ジェームズ・スタジアム(タンパ)

    日本  3 - 1 コスタリカ

      遠藤 60'          ルイス 31'
      香川 80'
      柿谷 90'+


      GK 川島         GK ナバス
  
      DF 今野         DF ガンボア
        (長友 61)         ミラー
         吉田            ゴンサレス
         森重            ウマーニャ
         内田            ディアス
        (酒井宏 71)
                     MF ボルヘス
      MF 青山            テハダ
        (遠藤 46)        (クベロ 76)
         山口            ルイス
         香川            ボラーニョス
         本田           (ウレニャ 65)
         大久保      
        (岡崎 46)     FW キャンベル
                       (ブレネス 84) 
      FW 大迫
        (柿谷 76)




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■日本代表、コスタリカに逆転勝利

 アメリカ合宿中の日本代表にとって初の実戦となるコスタリカ戦が今朝(現地時間2日夜)に行われ、日本が3-1でコスタリカを逆転のすえ降しました。

コスタリカ代表はスペイン・オランダ・アメリカ等でプレーする海外組と国内組とで構成されたチーム。FIFAランキングはコスタリカの方が上ですが、実際の戦力は日本の方が上で、日本のホームで日本の勝ち、コスタリカのホームで引き分け程度の実力差と見ていました。

両チームにとって公平な中立地であれば、日本が勝たなければならない相手であり、勝利という結果は順当でしたし、日本の試合内容もじょじょに良くなってきましたね。

それではまず試合を振り返ります。

        ☆       ☆       ☆

 キックオフからしばらくはコスタリカが攻勢に出てきます。

3分、右サイドからあげたガンボアのクロスは飛び込んだルイスに合わず、もう一度組み立てなおして放ったテハダのミドルシュートはGK川島がファインセーブ。

11分、大久保のパスを香川がペナルティエリア右で受けてセンタリング、ゴール前中央に走りこんだ大迫がフリーでヘッドしますがクロスバーの上。

15分をすぎると日本がボールを保持し、試合を優位に進めます。

23分、青山のスルーパスに抜け出た大迫のシュートが右ポストを叩きますが、オフサイドの判定。

27分、右サイドからの大久保のパスを青山が落とし、本田が相手GKと一対一、本田はドリブルで抜きにかかりましたが、戻ってきたDFにボールをクリアされCKに逃げられました。

31分、ここまで押し気味だった日本は右サイドからコスタリカのカウンター攻撃を浴び、ボラーニョスのウラへのパスに抜け出たディアスが中央へ折り返し、フリーのルイスがなんなく押し込んでコスタリカ先制。

 後半から青山に代えて遠藤、大久保を岡崎に代えてキックオフ。コスタリカはリードしたこともあり、日本の攻めを受けて立ちます。

3分、右サイドをやぶった岡崎のクロスを中央の香川がシュートしますがGKに防がれ、そのこぼれを大迫がシュートしますがボールはポストの右へ。

8分、本田の浮き球のパスを受けた岡崎がゴール前やや右からシュートしますがGK正面。

15分、香川のクロスをペナルティエリア内右で受けた本田が中央へ折り返し、内田がスルーしたボールを遠藤が冷静に流し込んで日本が追いつきます。

24分、右サイドからキャンベルにクロスを上げられ、ゴール前でフリーのルイスに頭で合わせられましたが川島の正面で助かります。

35分、こんどは日本のカウンター。香川がドリブルでバイタルエリア中央へ持ち込み柿谷へパス、そのリターンをもらった香川が難しい体勢から打ったシュートがゴール右隅に決まり、日本が逆転。

39分、右サイドでパスを受けたルイスがクロスするも、ゴール前へつめたブレネスのシュートはヒットせず。

ロスタイム2分、香川の浮き球のパスを岡崎がつぶれ役となり、こぼれ球を拾った柿谷が滑り込みながら放ったシュートがゴール左へ吸い込まれ、とどめを刺しました。3-1。

        ☆         ☆        ☆

 それでは試合内容を見ていきます。まず攻撃から。

攻撃については、良くなってきたと思います。

本田選手をはじめとして、選手ひとりひとりのフィジカルコンディションがあがってきて運動量が増えてきましたし、パスをつなぐときの距離感が遠すぎず・近すぎず、ちょうど良くなったことで、攻撃の組み立てがスムーズになりましたね。この距離感を本番まで忘れないでほしいです。

あとはパスの出し手と受け手の呼吸を合わせながら、受け手に次のプレーをやりやすくさせる弱いパスを使うべきときと、相手にカットされないよう強いパスを使うべきときの使い分けの判断力が改善されると、もっと攻撃が良くなると思います。

相手がもっと激しくプレスをかけてきたときでも、さらに運動量を増やして、相手のプレススピードを上回る「顔出し」の動きでパスをつなぎ、ボールを相手ゴールへと運ぶことができれば、もう一段上のレベルの攻撃力を身に着けることができるでしょう。

 守備面は、問題点が多かったと思います。

コンパクトな守備ブロックのつくり方は、前回キプロス戦よりも良くなりましたし、相手があまりフィジカルが強くないこともありましたが、プレスからボールを良く奪えていました。

試合時間が経つにつれ、相手ボールになったときボランチより前の選手の戻りがだんだん遅くなってくる問題は、選手個々のフィジカルコンディションが上がってくることで、改善してほしいと思います。

しかし、一番問題だったのはゴール前での集中力に欠けたルーズなマーク。

相手に先制された場面では、今野選手の危機予測能力が低く、ルイスへのマークをルーズにしていて対応が遅れたためゴールを決められてしまいました。

守備1
(クリックで拡大 以下同様)

上図を見ていただきたいのですが、4バックはペナルティエリアの幅ぐらいの中に等間隔で並ぶのが基本です。

しかし、この局面のようにサイドにボールがあるときは、ただちに吉田選手と今野選手との間にある「門」を相手にパスなりドリブルなりで突破される心配はありませんし、逆サイドにルイスがフリーでいるのですから、自分と相手の足の速さも計算に入れながら、今野選手はもっとルイス選手に近づいて、いつでもマークにつけるよう準備しておくべきです。

そうしたリスクマネジメントをしておかなかったために、この直後にゴール前へ走り出したルイスに振り切られ、今野選手は追いつけないままゴールを決められてしまいました。

守備2

同じ場面を角度を変えてみたのが上の図です。

日本の右サイドを破られて、森重選手が相手のサイドバックに応対しているところですが、吉田選手や今野選手の戻りが遅いために、相手がオフサイドにならずに使える広大なスペースが広がっています。こういう形も非常に危険です。

ボールがサイドにあるときは、相手のボールホルダーに応対している味方の斜め後ろのスペースをカバーしつつオフサイドラインを揃えるため、弓なりの守備ライン(黄色の太線)を敷くのが鉄則であり、吉田選手はもっと機敏に帰陣してニアポスト前のスペースでまず相手のクロスに備え、同時に森重選手がドリブルで抜かれることも想定した準備をしておくべきです。

今野選手も同様に帰陣を早くして、自分のゴールに戻りながら守備するのではなく、前を向いて守備できるようにしてほしいです。そうすれば、自分の死角から出てきた相手に簡単にやられることはないはずです。

右サイドをやぶられた内田選手はやむをえない部分がありましたし、故障明けという事情も考慮しなければなりませんが、やはり自分のウラのスペースを使われたのですから、できるかぎり早く戻って、森重選手の後ろのスペースをカバーしてほしかったですね。

後半24分にも吉田選手と森重選手のどちらが見るのかあいまいなままにルイスにフリーからヘディングシュートを食らって、あわや失点というシーンがありました。

相手がサイドからクロスをあげるのを100%防ぐのは困難ですが、ゴール前の守りさえしっかりしていれば、そう簡単にやられることはありません。

ボールがひとりでにゴールに入ることはありません。人間がシュートするから入るのです。ですからゴール前ではまず相手選手をつかまえて自由を奪うことが大原則です。

記事が長くなりました、選手個々の評価以降は明日にアップします。



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