■2013年09月

■Jリーグ改革案について

 近年Jリーグの観客動員が減少していて、各クラブも頭を悩ませているようです。

人気回復策として現在の1シーズン制をやめ、前期・後期にシーズンを分けて、昔やっていた年間王者決定戦・チャンピオンシップを復活させようという動きが、Jリーグ側にあるみたいですね。

しかし、Jリーグが1シーズン制だから観客が減少したわけではないですよね。

観客減少の最大の元凶は、JリーグのTV放映権を有料の衛星放送に一括販売するようになったことだと思います。

私は戦術をチェックしたいので、Jリーグを観戦するときはメインもしくはバックスタンドの、2千円台から3千円台の席でじっくり試合を見るのが常ですが、2千円ちょっとでC大阪・柿谷選手のシルキーなトラップを生で見られるのは、個人的にはとても“お得”だと思います。

名古屋のストイコビッチ監督が現役の時はスタジアムに良くかよいました。2千円であの技を見られるなんて“大バーゲン”だと思っていましたから。

J2に行けば、代表のベテラン・遠藤選手のしぶいパスさばきも生で見られますし、コンテンツとしてゼニがとれる選手、客を呼べる選手はいるはずです。

しかし、大多数の日本国民は知らないんですよ、Jリーグをいつやっているのか。どんな選手がいるのかを。

それはなぜか? 

無料で見られる地上波のTVで、ふだんJリーグ中継というものをほとんどやっていないので、国民の目にふれない、だから話題にもならないんじゃないでしょうか。(特に人口が集中する東京や大阪など大都市圏で)

Jリーグに関心を持たない人が、いきなり毎月何千円も払ってJリーグを見るために有料の衛星放送(スカパーやNHK・BS)に加入しますか?

昔は、東京に本社がある大手TV局が中継したり、そうでなければ全国各地にあるローカルTV局が地元クラブの試合をマメに中継していて、Jリーグの試合が人々の目にふれるチャンスがそれなりにありました。

そこから地元クラブへの愛着なり、好きな選手なりが生まれて、「じゃあこんどの試合、見に行ってみるか」というふうになるのではないでしょうか。

ところが現在は、試合中継の多くが有料衛星放送となってしまい、Jリーグのサポーターを増やすための入り口が圧倒的に狭くなってしまいました。

これがすべての元凶ではないですか。

この状況を変えない限り「チャンピオンシップ復活」みたいな小手先のことをやっても、コアなサポーターにより多く課金するだけでサポーターのパイ(人口)そのものが大きくならず、今までJリーグに関心がなかった人がスタジアムに足を運ぶようになるとは思えません。

 ですからJリーグ改革案として、

1.JリーグのTV放映権を有料衛星放送へ一括で販売するのを止め、値段を下げてもやむをえないのでローカル局を含めて地上波TV局に広く販売し、Jリーグの試合が人々の目により多く触れるようにすること。地元チームや選手を特集した番組も放送してもらい、まず多くの人に知ってもらうこと。

2.クラブのフランチャイズ権を保護し、サポーター獲得を妨害しないために、Jリーグクラブがある都道府県内では、原則として地元クラブがからまないカードのTV中継は認めないこと。

(例えば、広島県内ではベガルタVSセレッソなどサンフレッチェがからまない試合中継を原則として認めない)

3.ホームスタジアムへの観客動員を妨げないために、放映権をTV局に販売する場合は、アウエー戦を基本とすること。

(サンフレッチェを例にすれば、地元であるエディオンスタジアム広島のゲームはなるべくTV中継は避け、仙台で行われるベガルタVSサンフレッチェや鹿島で行われるアントラーズVSサンフレッチェなど、地元サポーターが観戦しにくいアウエー戦を毎試合、広島県内で放送するようにする。ただし、優勝が決まりそうな試合や好カードなどホームスタジアムが満員になるのが確実なゲームは、地元で中継してかまわない。むしろスタジアムに入れなかった地元サポのために中継すべき)

4.優勝が決まりそうなゲームやナショナルダービーのような注目が集まる試合にかぎり、在京キー局を中心に放映権を広く販売して、全国的に中継してもらう。

このように、明確な戦略をもってTV放映権の販売方法を見直し、Jリーグの試合ができるだけ多くの国民の目にふれるようにするのが改革の第一歩ではないでしょうか。

そのほかにも、

5.各クラブが、サポーターがお金を払ってでも生で見たいと思わせるような魅力ある選手をどんどん育成し、チーム戦術も向上させ、何度もスタジアムに足を運びたいと思わせるような質の高いゲームをする。競技力を向上させACLでJクラブが優勝チームの常連となり、いずれは世界トップレベルのリーグを目指すこと。

(特に、現在のフィジカルコンタクトの弱さは致命的弱点)

6.サッカーを楽しむ人々のために、地元クラブが元プロ選手などを派遣して、サッカーやフットサルの教室を開催するなどして、地元の人々のサッカーライフを応援する。

7.代表戦で国民から広く注目が集まった国内組選手を生かして、それを地元のJリーグ・スタジアムへの観客動員へとつなげるような工夫をする。

8.スタジアムのキャパとも相談ですが、日本代表のテストマッチを開催して、観客動員に苦しむクラブを支援し、地元の人々のサッカーへの関心を高める。

(まだ代表戦が上陸していない沖縄や大昔にやってそれっきりの四国なんかもいずれやりたいですね)

能力の高い選手を育成し、チームを勝たせながらいずれ海外のビッグクラブへできるだけ高く売りこみ、売却代金をユース選手育成に再投資するというビジネス面でも、Jリーグ・クラブの経営力は世界と比べて格段に低いと言わざるを得ません。

日本のFAカップにあたる、伝統と格式ある天皇杯もコンテンツとして潜在的な魅力があり、現在はシーズン後半の短期間でのやっつけ仕事になっていて、改善すべき点はいくらでもあると思われますが、こうしたことに触れると長くなりそうなのでこのへんでやめておきます。

 ともかくJリーグが多くの日本国民の目にふれ、話題にしてもらうようにすることが、まず第一歩ではないでしょうか。

昔、あるJリーグ関係者が言っていましたよね。

「ゲームをやっていても、(TV中継がなくて)人々が知らなければ、やっていないのと同じだ」と。

正直、チャンピオンシップ復活に魅力を感じません。




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■日本代表、ガーナに逆転勝利

 横浜でガーナを迎えてのテストマッチが行われ、日本が3-1で逆転勝ちしました。

対戦相手のガーナは日本とほぼ互角の戦力と見ていましたが、ユベントスでプレーするアサモアや、UAEのアルアインでプレーするギャンら主力選手が何人か欠けたチームでの来日。

こちらに有利なホームということもあり、絶対に勝たなければいけない状況での日本の勝利は、順当な結果だったと思います。試合内容も良かったですね。

久しぶりに日本代表が持つポテンシャルを高いレベルで発揮した、いいゲームを見せてもらいました。選手・コーチングスタッフの皆さんに感謝したいと思います。

それではゲーム展開を振り返りましょう。

        ☆        ☆        ☆

 両チームとも攻守にわたり組織的でレベルの高い攻防が見られ、ゲームのゆくえに期待をもたせてくれる立ち上がり。アタッキングサードにおける攻撃の創造性でやや日本が上か。

10分、バイタルエリア中央で清武からパスを受けた本田がミドルシュート、しかしGKブライマにセーブされます。

23分、左サイドの香川からガーナDFのウラへ抜け出した清武にパス、絶妙のトラップからシュートを放った清武でしたがGKに足で跳ね返されました。

24分、ガーナのカウンター攻撃、右サイドからゴール前へインコームがもちこんだところを香川がチェック、ところが不運にもこぼれ球が味方に当たり、アチェアンポングの前へころがりシュート!内田がスライディングするも及ばず、ガーナが先制。

29分、こんどは日本のカウンターアタック、香川がガーナDFラインのウラへ抜けた柿谷にスルーパス、柿谷が中央へ折り返すと走りこんだ本田にドンピシャに合いますが、残念ながらシュートはクロスバーの上。

36分、CKから香川がペナルティエリア内の今野にパスを当て、そのリターンを香川がミドルで狙いますが、ゴール上へ外れます。

44分、ガーナのカウンターから日本の左サイドに引きずり出された今野が抜かれ、ワリスがクロスしますが、戻ってきた長谷部が蹴り出し、なんとかCKへ逃れます。

 後半5分、長友からパスを受けた香川が左サイドからゴール前へドリブルでカットインして、DFの前から鋭いミドルシュート!これが決まり日本が良い時間帯に追いついて1-1。

先制したことで、守備ブロックをつくり体力をセーブしていたガーナでしたが、同点に追いつかれたことで反撃に出ます。しかし日本も守備ブロックをつくって適確にプレスをかけ、ガーナの自由にはやらせません。

15分、ゴール前左から香川がセンタリング、ペナルティエリア内中央にいた本田がバイシクルシュートしますが、GKがキャッチ。

19分、遠藤がバイタルエリア中央の本田へクサビのパス、その落としを受けた遠藤がミドルシュート!ボールはGKの手をすり抜けてゴールし、日本が2-1と逆転!

24分、ガーナの速攻、右サイドのアサンテが逆サイドへ大きくパス、ゴール前でこれを受けたアチェアンポングがシュートしますが、GK川島がおさえます。

27分、ガーナのペナルティエリア左角から日本のFK、遠藤のキックを相手と競りながら本田がヘッドでゴールに叩きつけ、3-1と日本が突き放しました。

34分、森重を投入して3-4-3にフォーメーションを変更します。

36分、ゴール前でガーナのFK,オトの強烈なシュートを川島がナイスセーブ。

41分、日本のCK、ガーナGKがボールをこぼし、拾った大迫→今野とつないで最後は混戦から吉田がシュートしますが決まりません。

1分のロスタイムをへてタイムアップ。日本が3-1で逆転勝利しました。

        ☆        ☆        ☆

 それでは試合内容を見ていきましょう。まず守備から。

不運な形から失点したものの、守備は良かったです。
グアテマラ戦でかなり修正されていましたが、このゲームではさらに質が高くなりましたね。

攻撃から守備への切り替えが速くなり、相手のボールホルダーへの寄せも一段と良くなりました。

縦にも横にもコンパクトな守備陣形をほぼ90分間保つことができましたし、そこからプレスをかけて中盤でボールを良い形で奪うシーンが多く見られました。

この守備のやり方を絶対に忘れずに、ワールドカップ本番まで継続していって欲しいです。

大きな問題点はなかったと思いますが、ガーナに先制された後、一瞬チーム全体が弱気になってプレスが甘くなる時間帯がありました。

この守備戦術はすべての基本ですから、相手がどこだろうと、勝っていようが負けていようが、チームが好調でも不調でも、自信をもってやり続けなければなりません。

 攻撃も久しぶりに見ていてワクワクするようなものだったんじゃないでしょうか。

中盤でのパス回しも各選手の判断が速く、球離れも良くて、ワンタッチ・ツータッチでリズム良くパスがどんどん回って行くので、日本人選手のアジリティが生きる攻撃になっていました。

この速いリズムのパス回しに、香川選手が久しぶりにイキイキとプレーしていて、カウンターから柿谷選手へのスルーパスでチャンスを演出したあたりは、ちょっとドルトムント時代を思い出してしまいました。

相手がブロックをつくっていても、「第三の動き」もからめて相手DFの間と間のスペースを使い、ダイレクトパスでシュートチャンスをつくっていくプレーも創造性あふれるものでした。特に本田・香川・柿谷の三選手がからんだバイタルエリアでの攻撃は見ごたえがありましたね。

ガーナのように、相手が高いラインを保ちコンパクトな守備ブロックをつくっている時、それを崩す攻撃戦術の定石は、高く保った相手DFラインのウラへ抜け出す味方に長いパスを使った攻撃をし、相手DFラインがウラをとられるのを恐れて下がったところで、広くなったバイタルエリア(DFラインの前のスペース)をショートパスで崩すというものですが、ショートパスの崩しとロングパス攻撃の比率も絶妙だったと思います。

ミドルも含めて各選手のシュート意識が高かった点も、とても良かったですね。

この攻撃、パス出しのリズムを絶対忘れずに、ワールドカップ本大会まで精度をもっと高めていって欲しいです。

あとはシュートを打つ時に平常心を保ち、技術もみがいていくことで、個々のゴール決定力を高めていけば良いでしょう。

大きな問題点はなかったと思いますが、強いて挙げれば柿谷・大迫といった若い選手が周りに遠慮して、ややシュート意識が低かったところでしょうか。

プロの世界はゴール決めてなんぼ、シュート防いでなんぼの世界です。先に生まれた、後に生まれたなんて関係ありません。

本田選手や香川選手がパスを要求していても、自信をもってシュートを打ちゴールを決めてしまう、そういうずうずうしさがあっても良いと思います。

 グアテマラ戦に引き続き、後半の残り10分ぐらいから3-4-3を試しましたが、やはりパッとしない印象でした。守備対策という話もありますが、4バックのままでも別段問題なかった気がしますが...

        ☆        ☆        ☆

 選手個々で特筆すべきは、まず香川選手。
サイドからドリブルでカットインして個の能力で決めたミドルシュートは、アンラッキーな形で先制されてしまったチームに落ち着きを取り戻させました。バイタルエリアでのチャンスメークも良かったですね。前半にGK直前でヘッドで味方にパスしたシーンがありましたが、あれはヘディングシュートで良かったのではないでしょうか。

逆転ゴールを決めた遠藤選手も良かったです。こういうゴールを待ち望んでいました。
ワントップや二列目の3人はどうしてもマークがきつくなりますが、後ろからフリーで上がったボランチが前の選手にパスを当て、リターンをもらってミドルで決めるという得点パターンがあれば、日本の攻撃がさらにパワーアップします。パスの散らしも相変わらず良いですし、守備でもがんばっていました。

本田選手もダメ押しゴールが良かったですし、ガーナの厳しいフィジカルコンタクトにあっても、なかなかボールを失わないキープ力はさすがです。守備への切り替えが速くなり、相手のセットプレーでも守備に貢献。

長谷部選手は、前の試合に比べると攻撃に顔を出す回数が減りましたが、相手の速攻をプロフェッショナル・ファールで止めるなどヨゴレ役でチームに貢献。

 今野選手は、前半終了間際に受けたガーナのカウンターで、サイドに流れた相手との一対一で抜かれてしまいましたが、対応がやや中途半端だったかもしれません。

        ☆        ☆        ☆

 ユーベのアサモアやアルアインのギャン、シャルケのケビン・プリンスがいれば、また違った展開になったのかもしれませんが、日本のホームでガーナに勝利というのは順当な結果でした。(以前にも言いましたが、当研究所はFIFAランキングをあまりあてにしていません)

攻守にわたって試合内容も良かったので、先制されたものの安心して見ていられました。これまで当研究所が改善点としてあげていたもののほとんどが修正されていました。

これぐらい内容の良い試合は、昨年6月に行われたW杯アジア最終予選のヨルダン戦以来だと個人的には思います。

ただ、W杯決勝トーナメントで勝ち進んでいくためには、これぐらいのレベルが最低ラインであって、このレベルのサッカーをやってもブラジルやスペイン・ドイツに勝てる保証は何もないということは指摘しなければなりません。

ですから、これからワールドカップ本番までこのレベルより低い試合をすることなく、これをすべての基本にして残り9か月、いかにコンスタントに質の高い攻撃・守備を積み重ねていけるかが勝負になります。

もし結果が出なくて苦しい時は、この試合のビデオを見直すなどして、まずここに帰ってくることが大切でしょう。

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        2013.9.10 日産スタジアム(横浜)

         日本 3 - 1 ガーナ


         香川 50'       アチェアンポング 24'
         遠藤 64'
         本田 72'


        GK 川島        GK ブライマ

        DF 長友        DF インコーム
          (槙野 90+)      (オパレ 65)
           今野           スマイラ
           吉田          (メンサー 46)
           内田           ボイェ
          (酒井 55)        R.ボアテング

        MF 遠藤        MF チブサ
           長谷部         アッフル
          (山口 82)       (モハメド 65)
           香川           アドマ
          (斎藤 80)       (アサンテ 54)
           本田          アチェアンポング
           清武
          (森重 79)     FW アツ
                        (オト 73)
        FW 柿谷           ワリス
          (大迫 75)




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■日本代表、グアテマラに勝利でリハビリ完了

 大阪でグアテマラとのテストマッチが行われ、日本代表が3-0で久しぶりの勝利をあげました。

対戦相手のグアテマラ代表は、国内でプレーする選手で構成されたチーム。日本との実力差はホームでもアウエーでも日本が勝利できる程度と見ていました。

3-0で日本の勝利という結果は順当でしたし、試合内容の方もまずまずだったと思います。

        ☆        ☆        ☆

 一試合を通して地力に勝る日本が攻めたて、グアテマラが守勢にまわるという展開。

前半6分、香川からボールをもらった長谷部がペナルティエリア右へ侵入しセンタリング、ゴール前中央にいた香川がシュートしますが相手にブロックされCKへ逃げられます。

20分、左サイドの長友からバイタルエリアの香川へパス、香川がヒールで流し、相手DFラインのウラへ抜け出た清武がシュートしますがGKパレデスにセーブされます。続くショートコーナーから遠藤がクロスをあげ、最後はファーサイドにいた森重が高い打点からヘッドしますがバーの上。

22分、遠藤のパスを受けた清武が左サイドからカットインしつつ地を這うような強烈なミドル!惜しくもゴール右へ外れました。

24分、左サイドで香川→清武とつなぎ、ピッチ中央の大迫へパス、大迫が反転してミドルシュートしますがGK正面。

33分、遠藤に当てたボールのリターンをもらった香川がペナルティエリア右に侵入し、そこから中央へドリブルして最後は大迫がシュートしますが、ゴール右へ外れます。

39分、日本の右CKからのボールを相手GKがキャッチングミス、吉田がこぼれ球をシュートしますがクロスバーの上。

5バックぎみに守る相手にボールを圧倒的にポゼッションし、手数をかけて攻撃するものの、その割には決定的なシュートが少なく、ようやくペナの中で質の高いシュートチャンスをつくっても外してしまう日本。

 後半キックオフから本田・柿谷を投入しますが、さっそく試合が動きます。

5分、長谷部のパスから長友が左サイドを切り裂き、逆サイドへクロス、ファーサイドの本田が頭で合わせて日本が待望の先制ゴール。

20分、本田がゴール前やや左に浮き球のパス、抜け出した香川がダイレクトで中央へ折り返し、柿谷が落としたボールを本田がシュートしますがGKが必死のセーブ!!

24分、ショートコーナーから長谷部がゴール前へスルーパス、香川がこれを受けてクロスすると、ゴール前へ飛び込んだ工藤が倒れながらゴールを決めて2-0。

30分、香川OUT、今野INで日本は3-4-3へフォーメーション・チェンジ。

31分、ゴール前中央で日本のFK。遠藤の蹴ったボールはジャンプした相手選手の背中に当たり、左へ動いたGKの逆をついてゴールイン。日本が3-0と試合を決定づけました。

そしてタイムアップ。日本が久しぶりの勝利をあげました。

        ☆        ☆        ☆

 それでは試合内容を見ていきましょう。まずは注目された守備から。

相手の攻撃力がそれほど高くなかったせいもありますが、ウルグアイ戦よりも改善されていました。

タテ・ヨコにコンパクトな守備ブロックをまずまずつくれていましたし、ボールを失った直後にすぐ相手からボールを奪い返す、攻守の切り替え(トランジション)にも改善がうかがえます。

ただ、W杯で決勝トーナメントに進出してくるようなチームに通用する守備となると、もっともっとレベルをアップさせていく必要があります。

吉田ー森重で初めて組んだセンターバック・コンビも、まずは無難な出来。ガーナにどれだけ通用するか注目されます。

監督さんからすぐ注意があったと思いますが、本田・柿谷両選手が投入された後半キックオフから約10分間は、チーム全体の意識が攻撃ばかりにいってしまい、ボールを失っても攻撃の選手が後ろへ戻らなくなり、守備ブロックがタテに間延びして大変危険な状態になっていました。

相手の攻撃レベルが低かったので致命傷にこそなりませんでしたが、ワールドクラスのチームが相手なら、いつ失点してもおかしくない時間帯でした。

中盤のボールの競り合いで、決してレベルの高くないグアテマラが相手でもフィジカルコンタクトで劣勢で、競り負けてボールを奪われるシーンがチラホラあったのも気になります。

 攻撃に関しても、まずまず良かったと思います。

選手ひとりひとりの球離れも早くなり、パスがワンタッチ・ツータッチで良く回っていました。

シュートへの意識も以前より高くなり、ミドルシュートを積極的に使おうという姿勢もうかがえましたが、ペナに侵入してもなお細かいパスで、手数をかけて相手を崩そうとしすぎていて、中央を固める相手DFにボールをひっかけるなどしてシュートチャンスを失っていました。

そのため、圧倒的にボールをポゼッションした割には、決定的なシュートチャンスが少なかったように思います。

相手DFはもちろんGKもパスでかわして、あとは無人のゴールに流し込むだけという「完璧な崩し」を望んでいるのかもしれませんが、それより前の段階でシュートチャンスがあれば、迷わず打って良いのではないでしょうか。

バイタルエリア中央でのパスによる崩しも悪いわけではありませんが、相手選手に囲まれた味方の足元ではなく、スペースへパスを出そうとするなど混乱が見られます。

バイタルエリアのような相手DFが密集している狭いスペースでは、味方の足元ではなくスペースにパスを出せば、高い確率でボールに先に追いつくのは敵選手です。

相手DFラインのウラへ出すスルーパスは別としても、バイタルエリア中央にいる味方へのパスは足元が基本です。

 コンフェデからウルグアイ戦にかけて、攻守両面において相手より日本代表の方が先に足が止まってしまうという問題点が出ていましたが、この試合はコンディションが改善されたのか、後半キックオフから10分間だけ足が止まりかけたものの、あとは良く走れていたと思います。

これからも継続していって欲しいです。

試合の終盤3-4-3を試しましたが、時間が短かったせいもあるのでしょうが、やはりパッとしない出来だったということを書き添えておきます。

        ☆        ☆        ☆

 選手個々で特筆すべきは先制ゴールをあげた本田選手。決定力の高さはさすがですし、チャンスメークでも活躍。ただ守備のとき戻りが遅かったのは問題です。「失点は個人の責任だけではなくチーム全体で守備意識を高める」というのがザッケローニ監督が設定した課題でしたし、コンディションに問題があるのであれば無理をせず、「試合に出られない」と監督に言うべきでしょう。

工藤選手は、相手につぶされながらもしぶとくゴールした点が評価できます。あとはもっとゴール決定力をあげることが課題。

長谷部選手は、相手の急所をつくスルーパスや、自分のドリブルで局面を打開してチャンスメークするなど、攻撃の基点として活躍。あとは前の選手にボールを当てて、リターンをもらって自分でシュートというプレーがあると、セントラルMFとしてもっとプレーの幅が広がります。

清武選手はシュートへの意識が前より高くなり、実際目の覚めるようなミドルシュートもありました。あとはゴールを決めるだけですね。

香川選手もアシストなどチャンスメークは良かったのですが、決定的なシュートチャンスをものにできなかったところが残念。

 逆に長友選手はアシストがあったものの、相手との一対一で何度も競り負けてボールをロストしたりミスプレーも多く、今一つの出来。

西川選手はバックパスの処理にもたつき、2人の敵選手のほんのわずかな隙間を通すパスを出すなど、一歩間違えば失点に直結する危ういプレーぶり。リスクマネジメントをしっかりして、無駄にハイリスクをおかすのではなく、大きく前へ蹴れば何でもないケースでした。

        ☆        ☆       ☆

 グアテマラとのテストマッチは3-0という結果は順当でしたし、試合内容もまずまずで、崩壊した守備も「リハビリ完了」といったところでしょうか。

この試合良かったところはどんどん継続していって、攻守両面でより高いレベルを目指し、アフリカのトップチームの一つ、ガーナから勝利をあげて欲しいと思います。

 これは余談ですけど、遠いところからはるばる来日してくれたグアテマラ代表の皆さんには申し訳ないのですが、純粋に代表の強化を考えると、相手として物足りなさが否めませんでした。

メキシコを別にすれば、中米はホンジュラス・コスタリカ・パナマの三強で、グアテマラはそれよりワンランク戦力が落ちます。

W杯北中米予選で「三強」を呼べないのだとしても、まだエルサルバドルの方がグアテマラより上だと思います。

エルサルバドルも都合がつかなかったとか、あまり強いところとばかりやっていると日本のFIFAランキングが下がるとか事情があったのでしょうか。

 あと、長居でグアテマラ代表というのは既視感があったのでもしやと思ったのですが、原代行監督時代の2010年9月7日に、やっぱり長居でゲームをやっているんですよね。(日本2-1グアテマラ)

次に横浜で対戦するガーナも、オシムジャパン時代の2006年10月4日に、同じ横浜国際でやっています。(日本0-1ガーナ)

特に地方のサポは代表戦を生で見るチャンスがそれほどあるわけではないのに、大阪のサポはグアテマラ戦しか見ちゃいけないとか、横浜のサポはガーナ戦しか観戦しちゃダメとか、日本サッカー協会内で俺様ルールとかあるんですか?何のために?

以前、「壮大なマンネリズム」という記事でも指摘しましたが、カメルーン戦は大分で2度、ペルー戦は新潟で2度、チェコ戦は横浜で2度、パラグアイ戦は埼玉で2度、ベルギー戦は国立で2度と、代表戦は同じカードが同じスタジアムで組まれるケースが大変多いのです。

こうなると、もはや単なる偶然ではすまされませんが、「どのスタジアムでどういうカード組むか考えるのめんどくさいから、開催地は前にやったとこでいいや。グアテマラは大阪。ガーナは横浜。ペルーは新潟で決まり」みたいに、いい加減な理由で決めているなら本当にやめて欲しいです。

それとも「日本対グアテマラ(長居スタジアム)」と書かれた看板が、何度も使い回しできるからでしょうか?
もしそうならケチでセコすぎると思います。

何度も繰り返しますが、決して安くないチケットにお金を払ってスタジアムに足を運んでくれる代表サポのためにも、日本代表の強化のためにも、対戦カードがマンネリ化しないよう、ちゃんとマッチメークをお願いします。
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        2013.9.6 大阪市長居陸上競技場

       日本 3 - 0 グアテマラ

      本田 50'
      工藤 69'
      遠藤 76'


     GK 西川       GK パレデス

     DF 長友       DF カストリージョ   
        吉田          バスケス
        森重          ガジャルド
        酒井
                  MF J.ロペス
     MF 遠藤          トルヒージョ
       (青山 79)      (トーレス 62)
        長谷部        マルケス
        清武          R.モラレス
       (本田 46)       コントレラス
        香川         (アリオラ 77)
       (今野 75)
        岡崎        FW ミランダ
       (工藤 62)       (オルドニェス 62)
                      M.ロペス
     FW 大迫          (ペレス 89)
       (柿谷 46)




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