■2010年03月

■バイタルエリアが使えない日本代表

 前回、日本代表の守備面における重大な問題点を指摘しましたが、今回は攻撃面の問題について述べたいと思います。

まずサッカーというスポーツの本質から述べたいと思いますが、サッカーは相手より1点でも多くゴールすれば勝つスポーツです。

それではゴールの確率が一番高い攻撃の形はどんなものかというと、オフサイドにならずにボールを持った味方が前を向いて相手GKと一対一になることです。

どうすればそういう形を一番つくりやすくなるかといえば、相手センターバックの前のスペース、いわゆるバイタルエリアで味方がボールを持って前を向くことです。これは非常に重要なことです。

逆に守備面の課題として、口を酸っぱくして「バイタルエリアを広く空けるな」と言っているのはそういうわけです。

(「バイタルエリア」といったとき、ペナルティエリア直前の「D」のエリアを指して言う人もいますが、わが国際サッカー戦略研究所ではバイタルエリアを上記のように定義します。よって、相手がDFラインを上げ下げすることで、当然バイタルエリアも移動します)


バイタルエリア1
(クリックで拡大 以下同じ)


上図を見て欲しいのですが、バイタルエリアでボールを持って前を向ければいろんなことがやれるわけです。

相手のセンターバック(4番)は自分のマークを捨て、大あわてで10番のシュートコースを消しにくるでしょう。

ならば9番のFWの足元にパスをすれば、9番はGKと一対一の局面に持っていけます。

あるいはDFラインのウラにスルーパスを出して11番に狙わせても良いでしょう。

ここが重要なのですが、バイタルエリアで前を向ければグラウンダーのショートパスでスルーパスが出せます。

グラウンダーのショートパスなら難しいトラップが必要ないので、受ける選手は簡単にダイレクトでシュートを打つこともできます。トラップやシュートのミスの可能性も低くなりますしGKとしてもセーブのタイミングをはかるのが難しくなります。

もちろん下図のように、相手センターバックをフェイントで揺さぶり、シュートコースを空けて自分で打ってしまうのも有効な攻撃です。


シュート


バイタルエリア2


バイタルエリアを使うのが2列目の選手ではなくFWだってかまいません。

上図を見ながら説明しますが、FWのうちの一人(9番)がバイタルエリアまで下がってきてパスをもらい前を向きます。

そして相手DFのウラへやはりグラウンダーでスルーパスを出して、もう一人のFW(11番)がオフサイドにならないタイミングで抜け出し、GKと一対一になります。

あるいは11番へのスルーパスと見せかけて、9番を追い越してオーバーラップをかけてきた10番へのスルーパスも破壊力抜群です。

ゴール前が混乱していると、後ろから上がってきた選手へのマークは見逃しやすいと言えます。

ゴール前中央が密集しすぎているなら、バイタルエリアからいったん外へボールを展開し、サイドバック(3番)からのセンタリングをゴール前にいる選手がフィニッシュという形も考えられます。

このようにバイタルエリアで味方がボールを持って前を向ければ攻撃のバリエーションが広がり、相手DFのウラに味方とボールを送ってGKと一対一の形を非常につくりやすくなります。

ここも重要な点ですが、相手もケアしていてなかなかスペースを空けてくれないバイタルエリアでボールを持って前を向くためには、どうすればやりやすいか。

バイタルエリアにおいて、やはり味方からグラウンダーのショートパスを受けた方が断然やりやすいと言えます。

なぜなら浮き球のパスをバイタルエリアにいる味方へ放りこんでも味方が受けるのが大変困難であり、勢いをつけてジャンプしてきた相手センターバックによってヘッドでクリアされてしまう可能性の方が高いからです。

だからこそ、攻撃の大半をグラウンダーのショートパスで組み立てていきたいわけです。

ゴールから逆算するとそういうことになります。

 ところが日本のサッカー選手はバイタルエリアを使うのがあまり上手ではありません。

どうしてバイタルエリアが上手に使えないのかといえば、「地のサッカー」の記事で詳しく述べましたが、日本人サッカー選手の体に「高校サッカースタイル」が染みついているからでしょう。

「高校サッカースタイル」とは、FWが相手DFのウラへ抜け出し、MFがそこへ向かってひたすら浮き球のロングボールを放りこむという単純な攻撃です。

この癖が大人になってもなかなか抜けず、日本代表が攻撃で行き詰まっている時は、たいてい高校サッカースタイルで一本調子の攻撃になってしまっていることが多いように思われます。

攻撃はもちろん守備も含めた諸悪の根源なのですが、まず日本人FWの相手DFラインのウラへ抜け出す仕掛けが圧倒的に早すぎるのが問題です。

まだ味方が相手ボランチの前でボールを持っている段階から、ひどい場合になると味方が相手の2列目の前でボールを持った段階でFWがウラへ抜け出そうと仕掛けてしまいます。

さらに前にいる選手全員が、一斉に同じ動き(ウラへ抜ける動き)をしてしまう傾向があります。


悪い癖


これではチーム全体が間延びしてしまって、パスをまわそうにも選手どうしの距離が離れすぎているために、パス出しをする方も相手選手の頭を越す浮き球のロングボールを放りこむぐらいしか攻撃の選択肢がなくなってしまいます。

守備で大きな穴をあけてしまう原因は、DFラインからトップまでチーム陣形が間延びすることにあると指摘しましたが、攻撃が上手くいかない原因もまったく同じです。

それを深刻な問題と理解していない選手がいることも問題なのですが。

早すぎる仕掛けを好むのはパス出しをする方も同じで、相手のボランチの前のスペースでボールをもらったら、もうラストパスを狙うための体勢に入ります。

最近は少し改善されていますが、中村俊選手や中村憲選手はそうしたプレースタイルの代表といえるでしょう。

しかし、相手DFのウラへのロングパスは相手も十分警戒していますし、残念ながら岡崎・玉田・大久保といった日本代表FW陣はフィジカルの強さや身長で世界レベルの相手にアドバンテージがあるとは思えません。

パスを受けるFWにしてみても、オフサイドにならずに自分の背後から来る浮き球のロングパスをミスなくトラップしてシュートまで持っていくのは、グラウンダーのショートパスを受けるより難易度は格段に高いです。

ところが日本の選手は相手GKとの一対一の形をつくるために、わざわざ確率が低くて難易度が高い攻撃を好むという問題があります。ここも大変重要なポイントです。

先ほども言いましたが、バイタルエリアでボールをもって前を向こうにも、浮き球のロングパス攻撃主体ではそれも難しくなります。

ラストパスの仕掛けが早いといえば引退した中田英選手も同じで、浮き球のロングバスを好むのが中村俊選手とすれば、グラウンダーのロングスルーパスを好むのが中田選手でした。


中田スルーパス


ですが、FWがパスを受けるのが難しいという意味では同じで、日本のファンタジスタ系の選手はパスを出したらその後のこと・受ける選手のことはあまり深く考えない傾向にあるといえるでしょう。

ラストパスを受ける選手の受けやすさを考えれば、あるいはミスが起こりにくい難易度の低いキックでラストパスを出すためには、バイタルエリアでボールを持って前を向くことが重要というわけですね。

 それではどうすればバイタルエリアを有効に利用した攻撃ができるかもう一度まとめましょう。

まずFWがオフサイドラインのウラへ抜けるタイミングを今よりかなり遅らせることです。

一番上の図のように、味方がバイタルエリアでボールを受けて前を向いた瞬間、ウラへ飛び出す仕掛けを始めても遅くはありません。

そうすることでチーム全体が間延びすることがかなり改善されるはずです。

そして一人のFWがウラへ抜ける動きをしたら、もう一人はバイタルエリアに下がってきてパスを受ける動きをする。(つるべの動き)

2トップや2列目の選手がみんな一斉に同じ動き(ウラへ抜ける動き)をしないことが一本調子の攻撃を避け、攻撃にバリエーションと創造性を持たせることにつながります。(上から二番目の図)

MFもゴールから逆算して、意識的にバイタルエリアでボールを持って前を向けるようなパスの組み立てを心がける。

となれば、攻撃の組み立ての主体はグラウンダーのショートパスになるはずです。

こちらが相手DFラインの前でショートパスをガンガンまわすと相手はスペースを消すために押し上げてきますから、そこではじめてウラのスペースが広く空いて、ロングパスを出してウラへ抜け出す攻撃が有効になってきます。

こちらがウラを狙うと相手は警戒してDFラインを下げますから、こんどはDFラインの前にスペースが空いてくるはずで、再びショートパス中心の組み立てでゴールを狙う。

攻撃を縦ではなく横の関係で見れば、相手が中央の守備を固めていればサイドを、サイドを警戒して人をさいているなら中央が空いているはずなのでバイタルエリアを攻める。(あるいは逆サイドを攻める)

これが現代サッカーの攻撃戦術における定石といえるでしょう。

何度も強調しますが、そこで重要になってくるのがバイタルエリアの使い方です。

ウラへ抜けてボールをもらいたがる選手とウラへのロングパスを出したがる選手が多いために、日本代表はなかなかバイタルエリアを使った有効な攻めができません。

だからオランダどころか東アジア選手権に出てきた韓国や中国の守備陣さえ崩すことができないという事態が起こってしまいます。

 一筋の光明はCSKAモスクワの本田選手の存在でしょう。

今の日本代表において、本田選手はバイタルエリアで足元にボールをもらうことを好む希少なタイプの選手です。

豊田スタジアムで行われたバーレーン戦、前半ロスタイムにとても良い形がありました。

バイタルエリアでボールを受けた本田選手が相手DFのウラへグラウンダーのスルーパスを通し、タイミング良く抜け出した松井選手が相手GKと一対一になったシーン。

残念ながら松井選手が次のプレーを迷ってしまったためにゴールにつながりませんでしたが、バイタルエリアを使った攻撃としては理想的な形でした。

こういう形をどんどんつくっていけるなら、W杯でも希望が見えてきます。

CSKAでのプレー映像を見ていると、本田選手はバイタルエリアで前を向いたら自分の前にDFがいても構わず積極的にシュートを狙っていて、そのアグレッシブな姿勢も非常に良いです。

日本代表の他の選手達もこのように、どんどんバイタルエリアを使っていくべきです。

そうすることによって日本代表の攻撃が一本調子に陥ったり、ボールを回している割には良質なシュートチャンスをつくれない、攻撃がつまってしまうといった課題の解決につながるはずです。

 もしあなたが高校やJクラブのユースなどで実際にプレーしているなら、バイタルエリアを上手く使うことでライバルに2歩も3歩も差をつけられると思いますよ。




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■日本代表、課題は修正されず

 アジアカップ2011予選の最終戦・対バーレーン戦が行われ、日本代表が2-0で勝利しました。

 バーレーンと日本の戦力差は、ホームで日本の勝ち、アウェーで引き分け程度と見ていました。

ホームで2-0の勝利という今回の結果は順当だったと思います。

ただバーレーン代表は主力が何人か欠けており、アジアカップ出場も決まっているためモチベーションもあまり高くはありませんでした。その点は考慮する必要があります。

 では試合展開を振り返りましょう。

一試合を通して日本がやや押しぎみの展開でした。

しかしバーレーンのカウンターへの対応がドタバタしており、時折ヒヤっとさせられるシーンも。

前半14分、バーレーンのFKを長谷部がクリアミス、危うくオウンゴールしそうになるもGK楢崎がキャッチ。

22分、右サイドから上がったクロスを松井がバイシクルシュートするも空振り、こぼれ球を後ろにいた本田が鋭く振りぬいたが相手GKがセーブ。

30分、左サイドから中村俊が中央へライナー性のクロス、これをヘッドした岡崎のシュートはおしくも外れます。

36分、左サイドを突破した松井がセンタリング、今度こそ岡崎がヘッドで決めて日本先制。

前半ロスタイム、ショートパスによる崩しから松井にスルーパス、松井はGKと一対一となるもワントラップして次のプレーを迷っているうちに角度がなくなりシュートはGK正面へ。

ワンタッチめをシュートにしなければノーチャンスのシーンでしたが、あそこで迷いが出てしまうところは相変わらず日本人選手のメンタル面での課題です。

 後半も日本がやや押しぎみでしたが、左サイドで基点となりまずまずの動きを見せていた松井が22分に交代させられたことで、日本の攻撃があまり機能しなくなったように思います。

せっかく投入された森本でしたが、中盤が機能しなくなったため見せ場があまりつくれず。

1-0でジリジリする時間が続きましたが、後半ロスタイムに右サイドへ展開してから内田がクロス、これを本田がヘッドで決めてようやくトドメを刺しました。

 つづいて試合内容を分析しますが、2-0で勝利という結果は精神衛生上は良かったと思いますが、試合内容は決して良くはありませんでした。

この試合で私が一番に注目していたのは、韓国戦で守備崩壊の原因となった日本代表のチーム陣形の間延びがキッチリと修正されたかどうかでした。

特にボランチが一番危険な両センターバックの前のスペースを大きく空けてしまうという悪いクセが直ったのかチェックしていました。

結論から言えば、まったくといってよいほど修正されていません。

バーレーンがW杯に出場できるようなレベルのチームではないので無失点で済みましたが、日本代表が間延びしているために、2人のボランチの支援が受けられず「丸裸」となった4バックが相手のカウンター攻撃にドタバタと四苦八苦して対応する状況はあまり変わっていません。

象徴的だったのが後半28分のプレー。

バーレーンが前線へロングボールを放りこみ、相手と競った中澤選手がなんとかヘッドではじき返すも、ボールがぽっかりと広く空いたセンターバックの前のスペースへこぼれて、相手に拾われてしまいます。

結局、遅ればせながら危険を察知した長谷部選手が戻って、ボールを拾った相手を後ろからのファールで止めてFKを献上。

こういうことを繰り返していると、W杯直前の韓国・イングランド・コートジボアールとの3連戦で6~9失点ぐらいしてもおかしくはありません。

 正直言って、岡田ジャパンの守備戦術は破綻していると思います。

雑誌か何かの記事で読んだのですが、守備が本職ではない選手をボランチで起用し続けることについて問われた岡田監督は、「たとえ守備能力が低くても、ボランチのパス能力が高ければ日本がボールを回し続けられるのだから問題ない」みたいな内容のことを言っておられました。

しかし、日本の対戦相手がスペインやブラジル、オランダのような強豪であれば、日本が90分を通してボールを支配し続けるということはまず不可能です。

ワールドクラスの相手であればボールを支配されて、本気で点を取りに来た相手の攻撃をがっしりと受けとめなければならないというシーンが必ず生まれます。

ところが岡田監督は、相手にボールを支配されても失点を避けられるようなリスクマネジメント策を何も考えてないとしか思えません。

実際、岡田ジャパンはW杯の常連レベルの相手と対戦して相手が本気で点を取りに来たら、1試合3失点は覚悟しなければならない状態です。

(日本での親善マッチに2軍チームを送ってきた国は除く)

 1-3 韓国 @国立

 0-3 オランダ @オランダ遠征

 4-3 ガーナ  @オランダ遠征

 1-2 オーストラリア @メルボルン

 1-3 ウルグアイ @札幌

参考

 1-4 ブラジル @ドイツW杯

 1-3 オーストラリア @ドイツW杯


横浜でオーストラリアと0-0で引き分けた試合がありましたが、最初からオーストラリアが引き分け狙いで、0-0でも十分とするゲームプランだったせいでしょう。

オランダ遠征の2試合は別としても、残りはいずれも日本が先制して、相手に本気で点を取りに来られて耐えきれずに逆転負けというケースです。

対戦相手のレベルが低く、日本が圧倒的にボールを支配していれば確かに問題はないのでしょうが、W杯の常連レベルの相手に本気で攻められるとかなりの確率で3失点はしています。

これではW杯で決勝トーナメント進出さえ厳しいです。

どうしてこうなってしまうかと言えば、やはり日本代表のチーム陣形が前後に大きく間延びしてしまうからでしょう。

特にボランチがセンターバックの前のスペースを大きく空けてしまうために相手にそこを使われて、丸裸になったこちらの4バックが、コーナーに追い詰められてボコボコにされるボクサーみたいになってしまうことが大きいと思います。


間延び
(クリックで拡大)


岡田ジャパンではユーロ2008で優勝したスペインの録画を見せることが多いそうですから言いますが、当時のスペインは、2人のセンターバックの前に常にマルコス・セナがいて、センターサークルの半分(約9m)の距離よりも大きなスペースを相手に与えることはありませんでした。

ボランチのラインでパスを組みたてる場合は主にシャビが下がってきますが、セナはめったに上がりません。

もし流れの中でセナが上へあがれば、2列目の誰かがボランチのところまで下がって必ずスペースを埋める約束事ができていました。

ドイツもフリングスがセンターバックの前という一番危険なスペースをいつも埋めていて、もう一人のボランチであるヒッツルスベルガーが上がっても、フリングスはセンターバックの前にいてバランスを取っていました。

ところが岡田ジャパンの場合、まずチーム全体が間延びしていることが問題なのですが、遠藤・長谷部・稲本・橋本と、どの選手が入っても2人のボランチが同時に前線へ上がってしまい(しかし2列目よりは後ろにいるのですが)、センターバックの前のスペースをガラ空きにしてしまうことがしばしばです。

ボランチが上がっても、2列目の中村俊・松井・中村憲・大久保の各選手が、ボランチのところまで下がってセンターバックの前のスペースを埋める動きをするのを見たことがありません。

中澤・闘莉王両センターバックの前のスペースで、オランダのスナイデルやデンマークのトマソン、カメルーンのマクンあたりに簡単にボールを持って前を向かせたら、何点取られるかわかったものではありません。

東アジア選手権の中国と香港を見てちょっと驚いたのですが、4-4-2で非常にコンパクトな陣形をつくって、ボールがどこにあっても陣形を崩さずにチーム全体で移動することでスペースをつくらず、効果的に日本の攻撃を防いでいました。

特にセンターバックの前のスペースはなかなか空けてくれませんでしたね。

個の能力ではまだ日本の方が上ですが、岡田ジャパンの守備戦術に限って言えば、中国や香港より遅れていると思います。

 まず重要なのはDFからFWまでをだいたい30m以内におさめてコンパクトな陣形を維持すること。

例えば4-2-3-1ならラインとラインの間は最大でも10m以下になるはずです。

そして相手のボールが移動するにつれて、4-2-3-1の陣形を崩さずにチーム全体が上下動することで、大きなスペースを与えない。


引きぎみ
(クリックで拡大)

     ↓  ↑

普通

     ↓  ↑

押しぎみ


プレスをかける場合でも、この陣形がバラバラに崩れてしまわないことが前提です。

長谷部・遠藤両選手をどうしてもボランチで使いたいというならそれでも良いですが、どちらか一方が上がったらもう片方は残って、センターバックの前のスペースを必ず埋める。

できればボランチが上がったスペースは2列目の誰かが戻って埋め、特にセンターバックとボランチとの距離を常に注意して10m以下に保つことは絶対に必要です。

どんなに緊張して頭が真っ白になるような試合でも、これだけは守らなくてはなりません。

 それには集中した練習が必要でしょう。

別のチームでも控え組でもいいですから、10分や20分相手に一方的に攻めさせます。(こちらがボールを奪っても攻めてはいけません)

その間、日本代表は4-2-3-1でコンパクトなチーム陣形を保ち続け、4つのラインはお互いの距離を一定にします。

特にセンターバックの前に大きなスペースを与えてはいけません。

そして相手が動かすボールの位置によってチーム全体を前後左右させて対処し、日本代表がボールを奪ったら大きくクリアして、最初からやり直しです。

トルシエみたいに監督がボールを持って動き回り、その動きに応じてチーム陣形を保ちながら前後左右に移動する練習をしてもよいでしょう。

ともかくチーム全体が間延びしてセンターバックの前に大きなスペースを空けるというクセが直らないかぎり、ベスト4どころか決勝トーナメント進出さえ厳しいと思います。

 今回のバーレーン戦は、チームが間延びしていたこともあって攻撃も内容が良くありませんでした。

選手同士がタテに離れすぎていてうまくサポートできないので、ショートパスを回すのにも非常にギクシャクしていました。

これでは韓国のように厳しくプレスをかけられたら、とたんにパスがつながらなくなると思います。

(攻撃面での問題は日を改めて書きます)

 選手個人では、本田選手が良かったのではないでしょうか。

ヘッドによるゴールも良かったですが、相手のセンターバックの前のスペースを積極的に使おうとするのが非常に良いですね。

自分の前にセンターバックがいても貪欲にシュートを打つ姿勢がとても評価できます。

中村俊・中村憲・大久保といった選手は、相手センターバックの前のスペースを使うのが上手ではないので、本田選手は日本代表にとって貴重なタイプだと思います。

松井選手は今まで明らかに無謀なドリブル突破ばかりにこだわって失敗していましたが、このゲームでは左サイドでシンプルにプレーして機能していました。

後はメンタル面を鍛えて欲しい。

もちろん岡崎のゴールも良かったです。

逆に、何本か良いパス・クロスはあったものの中村俊選手は良くないです。

ボランチの枚数がそろっているのにあえて下がって来て、ミスから相手に簡単にボールを奪われたシーンが1度や2度ではありません。

 バーレーンとのホームゲームで2-0という結果は順当でした。ですが攻守に渡って試合内容がよくありません。

W杯までたった3ヶ月しかないのに、チームが前後に間延びして、特にセンターバックの前の一番危険なスペースを大きく空けてしまうという、日本サッカーの悪しき伝統とも言えるクセが一向に直りません。

これほど守備が不安定ではW杯で4強どころの話じゃありません。


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        2010.3.3  豊田スタジアム

      日本  2  -  0  バーレーン


      岡崎 '36
      本田 '90+


     GK 楢崎        GK S.ジャファル

     DF 長友        DF H.モハメド
       闘莉王         M.フバイル
       中澤          S.モハメド
       内田
                 MF S.イサ
     MF 遠藤          アブドルワハブ
       長谷部         アブドルラフマン
       松井
      (森本 67)     FW アブドルハミド 
       本田         (H.ババ 83)
       中村俊         サルミーン
      (玉田 87)      (H.サルマン 72)
                   I.ラティフ
     FW 岡崎          ラディ
                  (アヤド 89)






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