■2009年10月

■日本代表、トーゴに大勝

 今年最後の国内テストマッチとなった対トーゴ戦は5-0で日本が大勝しました。

対戦相手のトーゴですが、もしW杯予選の大陸間プレーオフで戦えばH&Aで1勝1敗、得失点差勝負になるぐらいのほぼ互角の相手と見ていました。

しかし、来日メンバーを見ると主力選手であるマンチェスターCのアデバヨール、アストンビラのサリフ、グルノーブルのロマオといったところが見当たりません。

一応、レバークーゼンやマルセイユに所属している選手が来ましたが、どうやらプレーしているのはセカンドチームのようです。

直前の来日でコンディションも心配され、やはり日本にとって勝利が最低限のノルマでありました。

その点5-0という結果については、良かったと思います。

 試合は、どう見ても時差ボケと長旅の疲労で体が重いトーゴに対し、日本代表がイキイキと躍動するという展開。

5分、遠藤選手が出した左からのグラウンダーのクロスに飛び込んだ森本選手が少し触り、それが岡崎選手の元へ。これを確実に決めて早くも日本先制。

8分、今度は逆サイドから中村憲選手がアーリークロス。
岡崎がヒールでコースを変えGKの股間を抜けたシュートが決まり2-0。

11分、中央へのボールを相手DFを背負った森本が受けて、左へ反転しながらシュート!これが決まって3-0。

このあたりから日本側に変な余裕が出てペースダウン。
パス・シュートにミスが目立ち始めます。

しかし、トーゴにまったく攻め手がないので問題にはならず。

 日本代表はメンバーを入れ替えて後半スタート。

一方的に日本が攻めますが、シュートがなかなか入らず。

それでも20分、長谷部選手の精度の高いクロスを岡崎がヘッドで決めて、またしてもハットトリック達成!

40分、大久保選手のシュートをGKがセーブしたが、ボールがプライム・スコアリング・エリアにいた本田選手の前へこぼれてきて、これを押し込んで5-0。

まるでスコットランド戦のVTRを見ているようでしたが、2つのゴールは偶然ではないと思います。

彼は誰かから教えてもらったのか、自分の経験則として知っていたのかわかりませんが、すばらしいポジショニングでした。

オランダリーグでゴールを量産している秘密の一つは、こうした「嗅覚の鋭さ」にありそうです。

(しかし、中村俊選手からの絶好のプレゼントボールをヘッドでポストに当ててしまったのはいけません)

今日はこれで打ち止め。

日本の大勝に終わりました。

 守備から試合内容を分析しますが、相手の技術にやや問題があったこともあり、プレスから良くボールが奪えていました。

トーゴにまったくといって良いほど攻撃の形をつくらせませんでした。

 続いて攻撃ですが、相手がほとんどプレッシャーをかけてこなかったこともありますが、中盤の組み立ては良いと思います。

ずっと日本代表の課題であった、バイタルエリアに近づいてから相手の最終ラインをどう崩すかという問題もかなり改善されています。

この試合はサイドからの攻めが光りました。

日本の中盤における組み立てがシンプルで速いために、トーゴDFは自軍ゴールに向かって走りながら難しい守備をせざるを得ない状況におかれていました。

そこへタイミング良く、トーゴDFとGKの間に日本のアーリークロスが入ってくるため、守備側の混乱は明らかでした。

こうして生まれた岡崎の先制点と2点目は、理想的な攻撃の形です。

この試合も特に深刻な問題点はなかったと思いますが強いて課題をあげるならば、3点取った後、日本側に変な余裕ができてこれまでのチームコンセプトとは違う事をやり始めたことでしょうか。

キックオフから10分かそこいらで3点とって、気を緩めない方が難しいと思いますが、変な余裕ができてからの日本は、1本の難しいロングパスで決定機をつくろうと狙いすぎたり、シュートチャンスでも余裕をもってワンタッチ余計に持ってからシュートしていたためにパスミス・シュートミスが増えて、それまでの良いゲームの流れを失ってしまいました。

サッカーは、試合の流れをうまくこちらの方へ持ってきてゴールに結びつけることが重要なスポーツで、その点こういうことはあまり褒められたものではありません。

それでも後半に2ゴールを上げましたし、相手に関係無く、目標を高く持ってプレーできたことは素晴らしかったと思います。

 チーム組織としての守備・攻撃両方とも特に深刻な問題点は見当たらないので(とても良いことです)、この試合で目を引いた選手を取り上げたいと思います。

まずは岡崎。

この試合も香港戦に続くハットトリックを達成しましたが、エースの風格が出てきましたね。

彼の良いところは、頭にしろ足にしろワンタッチ目を直接ゴールに結びつける能力の高さです。

スペースも時間も少ないゴール前において、FWに求められる必要不可欠な能力であり、岡崎はFWらしいFWと言えます。

こういうタイプの日本人FWというのはとても貴重だと思います。
 
初ゴールをあげた森本も、自分より大きい相手DFを背負いながらつぶされず、ゴールまで持っていく強さを見せてくれました。

マークが厳しいセリエAでは一対一の強さが求められますから、そこで揉まれている成果が出ているのでしょう。

スコットランド戦と比べると、中盤の組み立てがとてもスムースになりましたが両ボランチ、特に長谷部が効いています。

攻め上がった時も、岡崎のヘッドを導いた精度の高いクロスが光りました。

この試合は前半だけで交代してしまいましたが、今回の三連戦でサイドバックとしての徳永選手は「当たり」かもしれないと思いました。

まだ国際試合の実戦経験が不足しているとは思いますが、香港戦で岡崎のゴールをアシストしたようにクロスの精度もなかなかですし、何より守備に安定感があるように感じます。

徳永が右サイドに安定感を与えれば、逆サイドの長友選手なり駒野選手なりがもっと上がりやすくなるのではないでしょうか。

 今回のトーゴ戦、相手が時差ぼけでヘロヘロの1.5軍ということを差し引いても、5-0という結果はもちろん、試合内容の方もまずまず良かったと思います。

このレベルの相手なら、人とボールをすばやく動かす日本流のポゼッションサッカーがかなりの破壊力を見せるということがわかりました。

中盤の組み立てにしろ、最後の崩しにしろ、だんだん目鼻がつきつつあるなと感じます。

問題はW杯に出てくる中堅国やAランクの強豪国にどれだけ通用するかでしょう。

そればかりは、日本代表が世界の真剣勝負の場に身を置いてみないとわかりません。

 ですが、来年にかけてアジアカップ予選に東アジア選手権と、アジアのチームとの対戦が多いですね。

W杯では同じグループにアジアのチームは入りませんし、W杯が近づいている時に選手に大怪我をさせたくないので特にやりたくない国があります。

ドイツW杯直前に中国とテストマッチを行ったフランスのFWジブリル・シセが悪質なファウルを受けて骨折、本大会絶望。

江津でしたか、中国のGKが日本の安田選手にとんでもない飛び蹴りを食らわせたことがありましたし、北京五輪ではベルギーの選手が中国人選手から睾丸破裂の大怪我を負わせられたことも記憶に新しいです。

東アジア選手権はW杯大会後とかにならないものでしょうか。

ケガを防ぐという意味では前回みたいにW杯直前までJリーグをやるのは考えものですし、春に始まって秋に終わるシーズンを採用している日本の場合、年末年始は選手に休息を与えなければいけません。

8ヶ月といっても本当に使える時間は少ないですし、来年はちょっと無理をしてもJリーグやナビスコカップはなるべくW杯が終わった後に日程をずらして、その分選手を休ませたり強化試合を組む時間をつくって欲しいです。

もし日本代表がW杯でいいところを見せれば、「地元スタジアムで、W杯で活躍した代表選手のプレーを生で見てみたい」ということでJリーグの観客数も増えるでしょうし、代表とJリーグが車の両輪として発展していくため、4年に1度そういう「投資」も必要ではないでしょうか。


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          2009.10.14 宮城スタジアム

         日本  5  -  0  トーゴ


         岡崎 '5
         岡崎 '8
         森本 '11
         岡崎 '65
         本田 '85


         GK 川島      GK オビラレ

         DF 中澤      DF アキンソラ
           闘莉王        アカクポ
           徳永         トゥーレ
          (内田 45)     (トクプレ 78)
           長友         マンゴ
                       タワリ
         MF 長谷部
            遠藤      MF アホディクペ
           (本田 45)     (ウォメ 69)
            中村俊       ブレネール
           (石川 82)     マニ
            中村憲
           (今野 69)   FW クパトゥンビ
                        ガクペ
         FW 岡崎
           (佐藤 78)
            森本
           (大久保 45)





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■新戦力を試した日本代表

 昨日行われたフレンドリーマッチ・対スコットランド戦は2-0で日本が勝利しました。

スコットランドは世界で最も古い代表チームの一つ。

98年W杯以来おもな国際大会に出場していませんが、ユーロ2008予選ではホーム・アウェーの両方でフランスに勝ち、本大会まであと一歩のところに迫った底力のある古豪。

もしW杯大陸間プレーオフで対戦するとしたら、日本のホームで引き分け、相手のホームでスコットランドの勝利ぐらいの実力差と評価していました。

しかし、W杯3位を目標にしているのですからそれでは困ります。下克上でなければ。

ましてや、来日したのがマンチェスターUのダレン・フレッチャーやレンジャーズのケニー・ミラー、ネイスミス、トットナムのハットンら主力が欠けた1.8軍?ですから、なんとしても日本の勝利が必要でした。

2-0で勝利という結果が残せたことは良かったと思います。

 試合展開を振り返ります。

立ち上がりはやや日本が優勢。

スコットランドはひたむきにボールを追いかける良い守備で、日本にスムーズな中盤の組み立てを許しません。最終ラインの守備も堅かったです。

攻めてはシンプルなショートパスによる組み立てで、こちらのプレスがうまくかかりませんでした。

ですが、こちらも最後の決定的なところは相手にやらせず、長旅の疲れか前半の半ばぐらいからスコットランドの足が止まると、ギクシャクしながらも徐々に日本が攻勢に出ていきました。

41分、左サイドから石川選手の折り返しをゴールやや左で受けた中村憲選手がワントラップ・シュート、しかし相手にはね返されます。

43分、変則的なワンツーから右サイドを突破した石川がシュートしますが、これも相手選手にブロックされます。

 後半は立ち上がりスコットランドにやや押し込まれましたが、中盤までは互角。

28分、日本のDFラインの裏へ出たボールが岩政選手に当たってフレッチャーのもとへ。
GKと一対一の決定的場面をつくられてしまいますが、川島が左足一本でファインセーブ!

このゲーム最大のピンチを乗りきってからは日本が一方的に押し込む展開となります。

37分、左サイドを突破した駒野選手から低く鋭いクロスがゴール前へ。
これをスコットランドの選手がクリアしきれず、オウンゴールで日本が待望の先制点をあげます。

45分、再び駒野からグラウンダーのクロスがペナルティエリア内の森本選手へと渡り、鋭い反転から放たれたシュートは防がれたものの、はね返りを本田選手がゴールに流し込んで追加点。

試合を決定づけました。

 それでは試合内容を分析します。今日は守備からです。

守備に関しては良かったと思います。

ゴール前でのマークのズレもほとんど無かったと思いますし、50/50のボールの競り合いも厳しく行っていました。

守備で良い意味での緊張感がピンと張りつめた、締まったゲームというのは好きです。

中盤のプレスは、前半の半ばぐらいまでうまくかからなかったのですが、相手が素早くシンプルなショートパスでつないできたのでやむをえないところがありました。

日本代表が、FWからDFまでやや間延びしたせいもあるかもしれません。

それでもチーム全体で辛抱してボールを追いかけ、最後の決定的なところはやらせなかったところが良かったと思います。

 ただ、中村憲をボランチに下げた後、彼が相手に囲まれて深めの位置でボールを失い、決定的なピンチを招いた点は課題です。

どれくらいリスクを冒して良いのかはピッチを三分割して考えないといけません。

即失点につながるので、自分のゴールに一番近いディフェンディング・サードは絶対にリスクを冒してはいけないエリアで、安全第一のシンプルなプレーが求められます。

場合によってはわざとスタンドへ蹴り込んでもかまいません。

チーム全体をミドルサード以前に押し上げているなら、DF・ボランチのラインがリスクを冒してはいけないエリアとなります。

 攻撃に関してもまずまず良かったです。

なんといっても急造チームですし、代表での実戦経験も少ないですから多少ギクシャクしたところがあったのは仕方なかったと思います。

得点シーンは、駒野が非常に質の高いクロスを入れた時点で0.7点取ったようなものでした。

もしスコットランドの選手が触らなくとも、後ろにいた森本がゴールしていた可能性が高いです。

「クロスは相手DFの頭より低く入れる」というのが基本ですが、これまでの日本代表はふわっとした遅くて山なりのクロスを多用していました。

山なりの遅いクロスは滞空時間が長いのでDFにポジショニングの修正時間を与えてしまい、特に強豪相手には効果的ではないと思います。

駒野のクロスは良いお手本となったのではないでしょうか。

 シュートへの意識の高さも良かったですね。

特に森本の反転してからのシュートが追加点を呼んだわけですが、従来の日本人選手であればほぼ100%パスを考える場面。

あれを素早く反転して強引にシュートへ持っていくあたりは、さすがにセリエAで揉まれているだけのことはあります。

 中盤の組み立ても急造にしてはまずまずでしたが、チーム全体としてやや間延びしたせいもあったのですが、各選手ともパスを引き出すためのポジショニングやパス出しの判断の遅さが課題となりました。

ダブル・ボランチでは、橋本選手がより攻撃的な役割を期待されていたと思うのですが、パスを引き出すポジショニング能力も攻撃のための配球力も物足りないです。

これではレギュラーポジションを奪取することは難しいですし、もっとがんばって欲しい。

その点、中村憲をボランチに下げてから攻撃がスムースになりました。

2列目では本田も同様。

ゴールやFKは良かったと思いますが、もっと味方からパスを引き出すために「顔出し」のポジショニングをとって欲しいです。

このあたりはチームが求めている役割と、「FWとして点を取りたい」という本人のプレーイメージとのギャップかもしれません。

 この試合は普段スタメンで出ていない選手の底上げの意味合いが強かったので、そうした選手個々のプレー内容をチェックしておきましょう。

まず川島ですが、相手FWとの一対一を防いだプレーは素晴らしい反応でした。
あれが入っていたら日本の勝利は無かったかもしれません。陰のマン・オブ・ザ・マッチです。

岩政・阿部のセンターバック陣も、まずまず合格点。

駒野は、クロスの質の高さが光りました。

ボランチはチームの心臓。稲本・橋本は顔出しとパスの配球をもっとがんばって欲しい。

今野はこれといった見せ場なし。

「スピード・スター」石川は、もっと早く代表に定着するかと思ったのですが「遅咲き」となってしまいました。でも岡田ジャパン初先発にしては、良い動きで相手をかき回していました。

右サイドをワンツーで抜け出し、シュートを放ったプレーは可能性を感じさせます。

本田もトップ下へ入ってからは良くなりましたし1ゴールも評価できますが、2列目に入るのであればもっとパスを引き出すプレーをして欲しい。
  
前田はワントップというシステムの問題もあるかもしれませんが、ほとんど何もやらせてもらえず。

森本はFWらしいエゴイストさを持っていて、今後の成長が楽しみです。

松井は香港戦よりは持ちなおしてきましたが、まだまだ本調子とは言えないようです。

 今回のスコットランド戦は、結果も良かったですし、内容もまずまず良かったと思います。

何よりチーム全体から攻守にわたってファイトする姿勢がほとばしっていました。急造チームながら、岡田ジャパンのチームコンセプトを理解し、それをやりぬこうとする意志もうかがえました。

このゲームを見て、W杯直前まで代表チームに特定の選手のための「指定席」をつくらず、全ての日本人選手に門戸を開いて、選手に良い意味での競争をさせた方がやはりチームに活気と進歩をもたらすように思いました。

実戦経験を積むことで大会までに急成長する選手もいそうです。

 ところで、以前「この試合をグラスゴーでできないものか」とお願いしました。

そして私が危惧した通り、来日したメンバーはほぼ2軍となってしまいました。

この試合がまったく無意味だったとは思いませんが、やっぱり「良い対戦相手はお金では買えない」ということであり、強いチームとやりたいなら最低限こちらから相手のところまで出向いていくことが必要なのではないでしょうか。


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        2009.10.10 日産スタジアム(横浜)


        日本  2  -  0  スコットランド


      O.G.(ベラ)'82
      本田    '90+



       GK 川島       GK ゴードン

       DF 阿部       DF コールドウェル
         岩政          マクマナス
         内田          ホイッテカー
        (徳永 65)       ベラ
         今野          L.ウォレス

       MF 稲本       MF コンウェイ
         (駒野 81)      (リオーダン 74)
          橋本         アダム
         (大久保 65)    (ヒューズ 67)
          中村憲        R.ウォレス
          本田        (コウィ 45)
          石川         ドランズ
         (松井 65)
                    FW ミラー
       FW 前田         (フレッチャー 45)
         (森本 56)





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■日本代表、香港に快勝!

 アジアカップ2011予選、対香港戦は6-0と日本の快勝に終わりました。

対戦相手の香港は、かつてイギリスの植民地だったこともあって東アジアでもっとも古くサッカーが伝わったところの一つで、大昔は東アジアサッカー界をリードする存在でした。

香港サッカーリーグ最多優勝を誇るサウスチャイナ(南華体育協会)は、アジアでも珍しい欧州型の総合スポーツクラブです。

こうした歴史を持つ香港ですが今はすっかり落ちぶれて、代表チームもほとんどが自国リーグの選手。

日本がホーム・アウェーとも問題なく勝てる相手。香港の戦力をそう評価していました。

ただ日本がW杯3位以上を目標にするなら、香港レベルの相手であれば最低限ホームでは4点差以上の大差で勝利するぐらいでなければと思っていました。

その点、6-0という結果は良かったです。

 それでは試合展開をざっと振り返りましょう。

試合は予想通り、終始日本ペースで進みました。

香港はロングボールを長身FWにあわせる伝統のイングランドスタイルで挑んできましたが日本のDF陣にほとんどはね返され、プレスから中盤でボールを奪い、ショートパスによるすばやい攻めを展開する日本がゲームを支配します。

18分、ボールを持ってバイタルエリアで前を向いた長谷部選手がスルーパス、これを受けた岡崎選手がファーポスト隅に流し込んで早くも日本先制。

29分、岡崎のシュートのはね返りを拾った長友選手がドリブルで中へ切れこみそのままシュート!
これがゴールに突き刺さり2-0。

後半も同様の展開。

6分、CKから大久保選手がクロスを入れ、これを中澤選手が教科書通りに地面に叩きつけるヘッドで決めて3-0。

22分、またしてもCKから味方に当たったボールがプライム・スコアリング・エリアにいた闘莉王選手の前にこぼれてきて、これを彼が押し込み4-0。

30分、右サイドを突破した徳永選手のクロスをフリーになった岡崎が冷静に決めて5-0。

32分、佐藤選手のシュートをGKが前へこぼし、これを岡崎が詰めて6-0。
岡崎は代表戦久方ぶりのハットトリックを達成しました。

 続いて内容を見ていきましょう。まずは攻撃からです。

攻撃の内容に関しては良かったと思います。

点を取るために重要なのは、いかにしてオフサイドにならずに相手DFラインの裏へ、味方選手とボールを送り込んで敵GKと一対一の状況をつくるか、そういう状況をいかに多くつくるかということだと思います。

(もちろん、時には自分の前にDFがいてもシュートを打つ必要がありますし、それをゴールネットに突き刺してしまうのがワールドクラスの選手です)

そういう状況が一番つくりやすいのは、敵センターバックの前のスペースで味方がフリーでボールを足元に持って前を向くことであり、それが可能になればスルーパスを出しても良いし、ワンツーで自分が裏へ抜け出しても良い、個人技でドリブル突破しても良いし、フェイントで相手をゆさぶることでシュートコースを空け、DFの前からシュートを打っても良いわけです。

そして、敵センターバックの前のスペースで味方がフリーでボールを足元に持って前を向くという状況をつくりやすいのが、グラウンダーのショートパスを中心にして人とボールが動くポゼッションサッカーです。

シュートから逆算していけばこうなります。

(もちろん中央突破ばかりではなく、サイド攻撃も重要ですが)

この試合の先制点のシーンも、相手が引いていたのでセンターバックではなくボランチの前のスペースだったと思いますが、バイタルエリアでフリーでボールを持って前へ向いた長谷部が、受け手がシュートに持っていきやすいグラウンダーでスルーパスを出し、これを香港DFラインの裏へ抜け出した岡崎が受けてゴールを決めるという形でしたが、まさに理想的な崩しの形でした。

以前は中村俊もグラウンダーではなく浮き球でラストパスを出すことが多かったのですが、バルサに代表されるようにグラウンダーのショートパスの使い方が世界トップレベルであるスペインリーグへ移籍した効果でしょうか、グラウンダーのショートパスでとても質の高いラストパスを出すようになりましたね。

ユトレヒトでのガーナ戦でもゴールこそなりませんでしたが、試合前半に中村憲にグラウンダーで絶妙のスルーパスを送りGKと一対一の形をつくりましたが、とても良いことだと思います。

 これまでの日本代表は、中盤の組み立てはまずまず出来るようになっていました。

しかし、敵のバイタルエリアに侵入して相手の最終ラインをどう崩してゴールするかというところで工夫が足りないという壁にぶつかっています。

今回は相手が格下だったというのもありますが、中央突破・サイド攻撃の双方で相手の最終ラインをうまく崩すことができたと思います。

これを土台として、もっと強い相手にもこうした攻撃ができるように着実にステップアップしていって欲しいです。

そのためには相手の最終ラインを崩す時にもっとワンツーを使うべきです。この基本が今の日本代表には足りません。

 また、チーム全体としてシュートに対する意識が高かったのも大変良かったと思います。

外れるのを怖がってシュートを打たないというのでは何も始まりませんし、この試合、シュートのはね返りから2点取ったようにリスクをおかして打てばセカンド・チャンスも出てきます。

 問題点はあまりありませんでしたが強いて言えば、フリーでボールを受けて前を向ける状況なのに相手ゴールに背を向けてボールを受けるというシーンが何回か見られたのが気になりました。

ボールを受けた時の第一の選択肢は「ボールと一緒に前を向くこと」であり、それができないときに初めて後ろ向きのボールキープを考えるべきです。

正しい選択をするためにはボールを受ける前にまわりを良く見て、正しいボディシェイプでボールを受けなくてはいけません。

この基礎ができていないと、香港相手にはごまかせてもオランダレベルの強豪相手にはごまかせなくなります。

 守備に関しては、相手の技術にやや問題があったこともあって、プレスから簡単にボールを奪えていました。

ただ、中村俊のアバウトなパス出しからボールを失い、カウンターを食らいかけたのが気になりました。

 個人レベルでは岡崎の成長が著しいですね。

自分を育ててくれたホームスタジアムのサポーターの前でハットトリックを決めて見せるあたりは、立派な「孝行息子」です。

どの選手を呼び誰を使うかは監督の専任事項ですが、監督にもやはり好みのタイプというのがあるので、「おや?」と首をかしげたくなる選手選考は誰しもあると思います。オシムさんにもありました。

ファンの方には申し訳ないですが、FWとして見るなら今の大久保選手はやはり修行不足。

前半・後半にそれぞれ一本づつ、外す方が難しいと思われる決定的なシュートチャンスをふかしていました。(前半のやつはオフサイド判定でしたが)

彼についてはジーコジャパン時代からシュート決定力の低さが気になっているのですが、依然メンタル面の問題を克服できていないようです。

Jリーグで活躍して代表に再チャレンジして欲しいと思いますし、国内組を使うならやはりJリーグで得点ランク上位にいるような実績を残している選手を代表で使ってあげて欲しいというのが、サポーターとしての心理です。

中盤に遠藤・長谷部・中村俊を揃えておくのであれば、フレッシュな選手を入れてもそんなにリスクは高くなかったと思います。

 今回の香港戦は、結果・内容ともに良かったと思います。

ただ、W杯で決勝トーナメントを勝ちぬくためには、W杯に出てこれるようなレベルの相手にも、こうした内容のサッカーができるようになる必要があります。

残された時間は少ないですが、着実な前進が望まれます。



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      2009.10.8 アウトソーシング・スタジアム・日本平


          日本  6  -  0  香港

         岡崎  '18
         長友  '29
         中澤  '51
         闘莉王 '67
         岡崎  '75
         岡崎  '77


         GK 西川       GK 張春暉

         DF 中澤       DF 李志豪
            闘莉王        景煌
            駒野         コルデイロ
           (徳永 60)      沈國輝
            長友        (利偉倫 53)

         MF 遠藤       MF 盧均宜
            長谷部        林嘉緯
            中村俊       (李威廉 69)
                          白鶴
         FW 玉田
           (松井 33)    FW 李康廉
            大久保        陳肇麒
           (佐藤 75)      チャオ鵬飛
            岡崎        (高文 45)





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