■2009年09月

■日本代表、ガーナに大逆転勝利

 オランダ遠征の2試合目となったガーナ戦は4-3で日本の大逆転勝ちとなりました。

今回対戦したガーナ代表は、チェルシーのエッシェンやインテルのムンタリら、イングランド・イタリア・フランスなど欧州各国でプレーする選手を集めたチーム。

ガーナを見るのは3年ぶりですが、以前よりかなり組織的になりましたね。

これも欧州主要リーグでプレーする選手が高い戦術理解力を獲得した効果なのでしょう。

試合前の段階で、もしW杯大陸間プレーオフであたったとしたら日本のホームで引き分け、ガーナのホームでガーナの勝ち、日本から見て1分1敗ぐらいの実力差と見ていました。

中立地で試合をやって4-3で日本の勝利という結果は、健闘と言えると思います。

ただ、ガーナ代表はW杯予選の激闘から中2日でこの試合にのぞみ、しかも予選のあったガーナからオランダまで一晩かけて飛行機で移動してきたわけですから、日本とコンディションが同じだったらどういう結果になったかも見たかったというのはあります。

(ガーナ代表の皆さん、大変お疲れのところ良いメンバーをそろえてくれて深く感謝します)

 それでは試合展開を振り返っておきます。

立ちあがりは両チームともプレスをかけあい、ショートパスを中心とした攻防が続く互角の展開。

15分、早いパスの組み立てから中村俊選手が絶妙のスルーパス、DFラインのウラでボールを受けた中村憲選手がGKと一対一になるもシュートはワクを外れます。

18分、左サイドから中へ切れこんだ岡崎選手が意表をつくシュート、これはGKがCKへと逃れます。

29分ガーナのCK。ファーポスト側に入ったボールにガーナの選手が合わせようとするが、マークを放してしまった長友選手が手でボールをはたいてしまい、PK献上。これをギャンが決めてガーナ先制。

前半は日本の方が決定的なチャンスをつくっていましたが決められず、ゴール前におけるたった一つのミスでまたしても先制を許してしまいました。

 後半2分、GKのキックが前線のギャンへ渡り、ギャンが一対一で中澤選手を振り切ってゴール。0-2となります。

8分、ガーナゴール前へ入ったボールが相手に当たって誰もいないスペースへこぼれます。これを中村憲が蹴りこんでラッキーなゴール。1-2とします。

このあたりからガーナは省エネモードへスイッチ。
組織的なショートパス攻撃が影をひそめ、ロングボールをシンプルに最前線の選手へと放りこむアフリカ伝統のスタイルへと切り替えてきます。

21分、正確なロングパスが日本のDFラインのウラへ出て、抜け出したアモアが都築選手をかわしてゴール。1-3と突き放されます。

後半30分をすぎると運動量が目に見えて減ったガーナ。
疲労もあったのでしょうが、たった一つの凡ミスから守備が大崩壊します。

サッカーにおいて、2点リードというのは大逆転劇を一番生みやすい点差であるわけですが、このあたりがW杯で優勝が狙えるオランダとガーナとの経験の差と言えるでしょう。

33分、ガーナの選手が自陣深くで長友にプレゼントボール。パスが玉田選手へ渡り、「玉田ゾーン」(相手ゴール左の角度のないところ)から放たれたシュートが決まって2-3と追撃の狼煙をあげます。

追われる側が一度こうなってしまうと、どんなに分かっていても崩れたチーム体勢を立て直すのは至難のわざ。

逆に日本代表はスタミナ増強剤でも注射されたように生き生きと走り回りはじめます。

モチベーションがサッカー選手のスタミナ持続に大きく関係してくるという好例ですね。得点は選手を良く走らせる薬となり、失点は足を止まらせる原因となります。

34分、稲本選手のピンポイントクロスをフリーで抜け出した岡崎がバックヘッドで決めてついに同点。

こうなると逆転は時間の問題で、38分長友の中央への折り返しを拾った稲本がミドルシュート!良くコントロールされたシュートが決まって逆転に成功。

日本が4-3で大逆転勝利をおさめました。

 この試合一番良かった点は、メンタル面で成長が見られたことです。

オランダ戦は、たった1点取られただけで「これで終わった」と下を向き、ガタガタと音を立ててチームが崩壊していったのですが、ガーナ戦では最後まであきらめず、勝ちにこだわってプレーできたところに成長の跡がうかがえます。

何でも勝ちにこだわるというのはサッカー選手として本当に重要なことで、どんな相手であっても絶対に忘れて欲しくないですね。

どんな相手であっても、油断して馬鹿にしてはいけないし、「絶対に勝てっこないよ」とリスペクトもしすぎない。

オランダ戦も「オレンジ色のユニを着たチームを相手に最後まで自分達のサッカーをやり通す。そして絶対に負けない」という気持ちを全員が持っていたなら、結果は違っていたかもしれません。

今の日本代表は、得点・失点によってモチベーションが大きく揺れ動きすぎで、強い相手との試合で場数をふんで、改善していく必要があります。

 つづいて攻撃からプレー面での具体的な内容を分析しましょう。

攻撃についてはオランダ戦に引き続き、ショートパスを中心とした人とボールが良く動く攻撃が機能していたと思います。

まだガーナが元気だった前半に、中村憲の一対一をつくりだしたパスの崩しは見事でした。

後半30分すぎからガーナの運動量が落ちると、日本のショートパス攻撃にガーナは全くついてこれなくなりました。

日本の豊富な運動量によって、身体能力の高さ・技術の高さというガーナのストロングポイントを無効化することができました。

こうした状況が大逆転劇を生んだのですが、これをW杯の本大会で実現させたいわけです。

 課題はオランダ戦と同様ですが、相手のバイタルエリアに入ってからの攻撃です。

さきほど述べた中村憲がGKと一対一になった場面、ファーポスト側を狙ったのは定石通りですが、少なくともシュートをワクに入れないと勝負になりません。

彼のことですから技術というよりメンタル面の問題でしょう。

これも強豪相手にシュートする場数をふんで、メンタルの強さを身につけていくしかありません。

もしガーナのコンディションが万全であったのなら、後半の大逆転はなかったかもしれません。それを考えると前半にいくつかあった決定機で決めて、相手の足が止まらなくても有利にゲームを展開したいところです。

 守備に関しては、中盤のプレスはまずまず良かったと思いましたが、スタミナ切れを心配したのでしょうか、ちょっとセーブしていたようでした。

オランダ戦は70分まで相手を無失点に抑えましたが、この試合は30分で先制を許してしまいました。

W杯本大会で自分より強い相手に先制されるとかなり厳しいです。

もしガーナの体調が万全であったら、1-3のままという可能性もあったと思います。

スタミナ切れを心配して体力を温存したとしても、負けてしまっては無意味です。

 それに加えてプレスをややセーブした分だけ、ガーナに正確なロングパスを許してしまいました。

日本代表は個の能力で劣勢なだけに、当たりの強さやテクニックの高さで一対一にめっぽう強い選手をそろえているチームとやるときは余計、正確なロングパスを許したくないものです。

まず、パスの出所にしっかりプレッシャーをかけて相手のロングパスを不正確なものにすることが欠かせません。

そしてボールの落下地点には必ずマーク&カバーの体制をしいて、一発で抜かれないようにします。


前々から気になっていたのですが、日本が相手を押し込んでいる時のDF陣のポジショニングが効果的ではありません。

(下の図 クリックで拡大)

ミス


たとえば相手が日本の陣内に一人だけFWを残し、こちらの両サイドバック(SB)が上がっている場合は、センターバック(CB)の一人がマークにつき、もう一人がカバーのポジションを取るのが基本です。


2対1

ロングボールが相手FWに渡っても、後ろのCBは自分の前にいる味方を追い越してまで焦ってボールを奪いにいく必要はありません。

相手FWが自分の前にいる味方をドリブルで抜くためにバランスを崩し、体からボールを放した瞬間を狙って奪います。

上図のように、後ろのCBはボールを持つ敵選手と味方ゴールの中心を結ぶ直線上に立ち、相手FWが左右どちらから前にいる味方をドリブル突破してきても良いように準備しておきます。

これはすべての守備の基本です。

もちろん、相手のロングボールが逆サイドに出る場合も想定に入れて、上がっているSBやボランチと協力してスペースをケアします。

相手が二人FWを残した場合は、CB一人とSB一人がマークにつき、残りのCBがスイーパーのポジションに入ります。

3対2

以上が、相手が個の能力で上回る場合や絶対に点をやれないので安全策を取りたいという時に、効果的なポジショニングのとり方です。

 これは攻撃の課題にしようかと迷いましたが守備にします。

中村俊や中村憲が典型的ですが、フィジカルが弱く、ボールを受けてからどこへパスを出すか考えることに喜びを見出すタイプの選手は、フィジカルが強いチームのプレスにとって格好の餌食です。

特に先制点をとられるきっかけとなったCKは、日本陣内のわりあい深めのところで中村俊が囲まれてボールを失ったところから始まったように思います。

中村憲も持ちすぎて何度もボールを失っていました。

相手のバイタルエリアまではパスの判断を速くして、シンプルなつなぎを心がけて欲しいです。

 そして、またしてもサイドバックのマークのズレから先制点を許してしまったわけですが、強豪が相手だとDFの一つのミスが試合を決定づけることになりかねず、今のままですと不安です。

バーレーンとの試合でも、サイドバックがたった一回競り負けただけで勝ち点3を失ったことがありました。

攻撃は前の6人でがんばって動いてもらうようにして、フランス代表のチュラムがサイドをやっていたように、サイドバックにセンターバックも務まるような、多少攻撃力の低下に目をつぶっても最低限守備に穴をあけない選手を入れたくなってしまいます。

そうでなければ、長友・内田・駒野といった選手にゴール前でのマークのつき方、ヘッドの競り方から猛特訓ですね。

GKの都築もベテランらしからぬ不安定さで、大変残念でした。

GKとセンターバックのポジションは、故障者が出ると途端に手薄になってしまいます。

レギュラー陣のバックアップ確保と次世代を担う人材育成の両面から、20代中盤以下の有望な若手を呼んで、チャンスをあげるべきでしょう。

 最後に本田選手の扱い方ですが、ゴールを取りたいから守備したくないというのも困ったものですが、以前言った通り、やはり守備の負担が少なく点を取るのが仕事であるFWに起用したらどうかと思います。

2トップの右側はどうでしょうか。

 まとめます。

ガーナ戦は4-3で勝利という結果も良かったですし、2点リードされても下を向かず、最後まで勝ちにこだわってゴールを狙いつづける姿勢が見れたことが大変良かったと思います。 

オランダ戦からメンタル面での進歩がうかがえ、選手たちも自信をつけることができたと思います。

たとえオランダのような強豪であっても、たとえ相手の体調が万全であっても臆することなく、是非こういうサッカーをW杯で見せて欲しいものです。


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2009.9.9 スタディオン・ニューヴ・ハルヘンヴァールト
            (ユトレヒト)


      日本  4  -  3  ガーナ

    中村憲 '53       ギャン(PK)'31
    玉田  '78       ギャン   '47
    岡崎  '79       アモア   '66
    稲本  '83


   GK 都築        GK R.キングストン
                   (アマムー 45)
   DF 駒野  
     闘莉王       DF アフル
     長友           メンサー
     中澤          (アッド 45)
                   ペイントシル    
   MF 遠藤          ボルサー
      中村俊        
     (本田 69)     MF アナン
      中村憲         (アッピア 45)
     (阿部 89)        L.キングストン
      長谷部         (インコーム 63)
     (稲本 53)        ドラマニ
                   (アモア 45)
   FW 岡崎           ムンタリ
     (興梠 84)       (ディッコー 86)
      前田           エッシェン
     (玉田 69)    
                 FW ギャン




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■日本代表、オランダに完敗

 昨日のオランダとのテストマッチは0-3で日本の完敗でした。

オランダについては今さら説明の必要はないでしょう。

もしW杯大陸間プレーオフで当たったとしたら、アウェーはもちろんホームで試合をやっても日本がオランダに勝つのは困難、両チームの戦力差をそう評価していました。

0-3で日本の完敗という結果については順当だったと思います。

むしろテストマッチだったからこういう結果に終わっただけで、もしW杯などの真剣勝負の場であったならばもっと点差が開いていた可能性もあります。

 試合内容をおさらいしておきましょう。

立ちあがりは強豪相手ということで雰囲気に飲まれてしまったのかバタバタしたところがありましたが、前半10分すぎからは激しいプレスからのボール奪取で試合の流れを引き寄せた日本がやや優勢な展開。

イングランドとのテストマッチと比べるとオランダの動きが悪いように見えました。

日本を舐めて手を抜いていたのか疲労でもあったのか、ともかく得意とする速いパス回しができず攻め手が見つからないオランダの選手たちは、イライラからラフプレーに走っていました。

オランダはしかし、守備の要所はきちっとおさえてきます。
フリーでボールを持った日本の選手をなかなかバイタルエリアに近づけさせてはくれません。

日本は中盤でボールを回すことはできましたが、決定機はさほど多くありませんでした。

前半20分、長友選手の折り返しを長谷部選手がシュートしてDFにはじかれたぐらいでしょうか。

 後半も同じような流れで試合が進みます。

18分、ゴール右前から中村俊選手のFKは惜しくもGKに阻止されます。

ここまではゲームプラン通りにうまくいっていた日本代表も、一瞬のミスからゲームを失ってしまいました。

24分、オランダはCKのこぼれ球を日本のゴール前でつなぎ、ファン・ペルシーへパス。
彼についていた長友が一瞬マークをずらしてしまい、胸トラップからフリーで前を向けたファン・ペルシーのシュートが決まってオランダ先制。

ドイツW杯のオーストラリア戦・ブラジル戦、札幌でのウルグアイ戦(08年8月)、2010W杯予選メルボルンでのオーストラリア戦もそうでしたが、強い相手に1点取られるとショックを引きずって立ち直れず、2点3点と失点してしまうのが日本代表の特徴です。

28分、ゴール前中央からスナイデルが中澤選手の前からカーブをかけた絶妙のシュートを放ち、これが決まって0-2。

42分、左サイドからエリアがあげたクロスをフンテラールが決めて0-3。

日本の完敗でした。

 それでは試合内容を分析します。

攻撃に関しては、中盤の組み立てまでは良かったと思います。

失点してからはバタっと足が止まってしまいましたが、それまではショートパスを中心に人とボールが良く動く攻めの組み立てが機能していました。

あのオランダを相手にして個の能力で劣る日本がボールを回せたという事実については、強い自信になったと思います。

 問題はアタッキングサードに入ってから。

中盤でボールを回して、いざオランダゴール前に入るぞという肝心な時に日本代表のミスパスが目立ちました。

アジアのチームですと相手もダラーっと間延びしていますし、ボールへの寄せも甘いので少々不正確なパスでも通ってしまうのですが、日本代表選手のパスが50cmズレただけでオランダ側に簡単に奪われてしまっていました。

もっと正確に足元へきちっとパスを出して欲しいです。

さらに問題だったのはバイタルエリアでの攻撃で、日本の選手がボールを持ちノーミスでバイタルエリアへ近づけても、相手の最後の守りを崩すアイデアが不足しています。

浦和のフィンケ監督も同じ悩みを抱えている気がしますが、オランダ相手に中盤ではボールが回せたのに決定機が思いのほか少なかった原因はそこにあります。

また、ボールを持ってせっかく前を向いたのに次のプレーをどうするか迷い、ボールを持ちなおしているうちにオランダの守備選手が何人も戻ってしまうというシーンも見られました。

ベストなのは、バイタルエリアでオランダ守備陣の人数がそろっていてもゴールを奪えるような攻撃力を持つことですが、相手の守備が整った状態から点を奪う力がないなら、相手の守備が整う前にシュートまで持っていく判断の速さが必要です。

このあたりはW杯アジア予選からほとんど改善されていません。

 次に守備面を見てみましょう。

この試合、DFラインをなるべく高く維持してコンパクトな陣形から激しくプレスをかけていくというコンセプトがうかがえましたが、とても良かったと思います。

タシケントでのウズベキスタン戦あたりからずっと、日本は間延びした陣形がなかなか修正されませんでしたがやっと良くなってきました。

陣形がコンパクトなので連携して相手選手を囲みやすく、オランダからなんども良い形でボールを奪い、うまく攻撃に結びつけていました。

自分達のスタイルである組織的なすばやいパス回しを封じられ、自由に攻撃させてもらえないオランダは明らかにいらだっていました。

日本のコンパクトな陣形からの激しいプレスディフェンスがオランダ相手に通用したことも、選手たちにとって強い自信になったことと思います。

この守備ができていなかったら、もっと早い時間にドカン・ドカンとやられていたことでしょうし、オランダ陣内に攻めこむことさえできなかったでしょう。

 失点シーンですが、敗因はファン・ペルシーという一番危険な相手を日本のゴール前でフリーにしてしまったこと。

マークについていたのは長友だったと思いますが、どうしてファン・ペルシーに体を密着させて前を向かせないようにできなかったのでしょうか。

このたった一度のミスで、70分間プレスディフェンスをがんばった苦労が水の泡になってしまいました。

前々から違和感があったのですが、日本のサッカー界では自分のチームが失点したときに「相手に完全に崩されたわけではない」と言いわけする人がいます。

解説者はもちろん現役の監督・選手もそうです。

私は最初、言っている意味がぜんぜんわからなかったのですが、相手に崩されようがゴール前で人数が足りていて相手に崩されていない状態だろうが、失点した時点でその守備は失敗なわけです。

Jリーグなんか見ていると敵選手へのマークがルーズで、守備の人数が足りていても自分のゴール前で相手を平気でフリーにしてしまいますし、相手もフリーで打たせてもらっているのにシュートがワクを外れていく。

長友もJリーグの感覚でファン・ペルシーへのマークをゆるめてしまったのかもしれません。

「相手に完全に崩されたわけではない」と言いわけしてこういうサッカーを続けている限り、W杯3位以上なんて夢のまた夢だと思います。

「相手を崩していない状態」で、しかも自分の前にマークについている選手がいる状況からゴールを奪えるのがワールドクラスというもので、その典型的な例が2点目となるスナイデルのゴール。

3点目は完全に相手に崩されてしまいました。

 日本がW杯で3位以上になりたいのなら、90分間、いやPK戦勝ちも見据えて延長も含めた120分間、このオランダ戦で見せてくれたコンパクトな布陣からの激しいプレスディフェンスを続けなくては勝機が見えてきません。

攻撃だってそうです。

もちろんその間、一瞬でもゴール前で相手をフリーにすれば即失点につながり、119分間の苦労が水の泡となってしまいます。

科学的なトレーニング法を取り入れるなどして、選手たちのスタミナ強化が急務です。

ぬかるんだピッチに足を取られて転倒する日本の選手も目立ちましたが、雨を含んでピッチが重くなってもファン・ペルシーやスナイデルの方がたくさん走っていたように見えました。

個の能力で上回る相手に走り負けるのであれば、日本に勝機はありません。

 この試合、精神面のもろさも露呈したと思います。

先ほど述べた通り、強い相手に1点取られるとショックを引きずってチームを立て直せなくなり、ズルズルと失点を重ねてしまうのが日本代表の特徴です。

自分より強い相手とやる時、0-0の状態が続けばがんばれるがたとえ1点でも取られると「これで終わった。今日も負けだ」と下を向き、足を止めてプレスやマークをゆるめてズルズルと失点を重ねるというのは、弱いチームに見られる典型的なメンタルです。

失点したとたん極端に運動量が減ったのはスタミナ面だけでなく精神面の問題も大きかったと思うのですが、「試合がうまくいっている時はやるべきことがちゃんとやれるが、劣勢ではそれができなくなる」ではプロのフットボーラーとして話になりません。

W杯で1失点もせずに3位以上に行くというのはほとんど不可能です。

であるならば、「1点取り返せば同点じゃないか」と考えて、点を取るためにもっとガチガチに行くような精神的タフさ・図太さが必要不可欠です。

W杯予選からずっと指摘していますが、こうした精神面の弱さもなかなか改善されません。

相手がオランダとはいえ単なる親善マッチであり、W杯本番ではなかったのですが、選手も監督もメンタル面における最低限のコントロールができていないようでした。

メンタル面が弱いとつまらないところで疲労してしまいますし、スタミナの持続にも影響してきます。

 今回のオランダ戦、日本代表が自分たちのサッカーをやり抜けば世界と互角に戦える手応えをつかんだのではないでしょうか。

前後半35分ハーフでしか戦ったことのないユースチームが、大人のチームと初めて45分ハーフで試合をしたと考えるとわかりやすいと思いますが、日本代表は70分まではほぼ互角に渡りあえました。

オシム氏が指し示した「人とボールを良く動かすサッカー」という方向性が正しかった証明だと思います。

それをどうやって90分・120分と伸ばしていくかが、これからの課題です。

Jリーグなどにおいて日本の選手は、密度の薄いサッカーをダラダラと90分かけてやっているということであり、この試合のように密度の高いサッカーをやると70分で息切れしてしまうということでもあります。

マスコミにチーム批判・監督批判と誤解されかねないことを言っている選手がいますが、そういうことは監督やコーチに直接相談すべきことですし、ベテランで走れないというなら走れる若手FW育成へと方針を転換していくべきでしょう。

 さらに大切なのは、ゴール前の攻防でいかにミスを無くしていくか、いかにチャンスをゴールにつなげていくかであり、バイタルエリアにおける一つのミスが失点につながって、それが試合そのものの結果を決定づけてしまうという怖さを選手は痛感したと思います。

W杯予選の記事からずっとこのブログでは「日本代表は応用問題はもちろん基礎さえできていない。W杯で決勝Tを勝ちぬいて行くチームは基礎ができて当たり前。どれだけ応用問題ができるかが勝負」と言ってきました。

日本代表の力を過小評価しすぎる、ミスの指摘が細かすぎると思われた読者の方もおられるかもしれませんが、基礎ができていないと当然このような結果が導かれるわけです。

オランダに0-3で完敗という結果を受けてマスコミでは「ショック」「頭が真っ白」という文字がおどっていますが、ショックを受けたということは試合前に「淡い期待」を抱いていたからではないでしょうか。

 Jリーグで密度の薄いサッカーをやり、国内で外国の二軍チームを呼んでテストマッチをやり「勝った!勝った!」といったところで、大した強化にはならないということが証明されたと思います。

日本サッカー界に本当に世界を驚かせる意気込みがあるのなら「損して得とれ」です。

2010年W杯までは協会の収入減少を覚悟しても、これからやるテストマッチはすべて海外でやるべき。

スコットランドとの試合はグラスゴーに変更できないのでしょうか。
トーゴとは最低でもフランスで試合できないものでしょうか。

来年の東アジア選手権も2010W杯大会後に延期して、その分海外で武者修業のテストマッチを組むべきではないですか。

前々回エントリーでも書いたように死に物狂いで練習やテストマッチをやらないと本当に危機です。

もし2010年でもオランダに0-3、デンマークに0-3、ナイジェリアに1-3で3連敗なんてことになれば、代表戦の観客はもっと減少し、Jリーグにも決してよい影響は与えないと思います。



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      2009.9.5 アルケ・スタディオン(エンスヘーデ)


       オランダ  3  -  0  日本

  
   ファンペルシー '69
   スナイデル   '73
   フンテラール  '87


  GK フォルム            GK 川島
    (フェルトハイゼン 45)
                      DF 中澤
  DF ファン・デル・ヴィール       闘莉王
    ファン・ブロンクホルスト      内田
    マタイセン              長友
    ローフェンス
                      MF 遠藤
  MF メンデス               長谷部
    (デ・ゼーヴ 54)          中村俊
     デ・ヨング              中村憲
    スナイデル             (興梠 71)
   (ファン・デル・ファールト    
    79)                FW 玉田
                        (本田 45)
  FW カイト                 岡崎
    (フンテラール 63)
     ファン・ペルシー
     ロッベン
    (エリア 45)





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