■2008年11月

■日本代表、カタールに充実の勝利!! (その2)

 前回記事では、試合内容の攻撃面、特にチーム全体の組織戦術などマクロレベルにおける攻撃までを分析しました。

それでは今回はミクロレベルの攻撃、つまり個人のプレーについて見ていきましょう。

 攻撃における個人のプレーで良かったのは、パスをもらったらなるべく前を向く、前へ向いたらゴールに向かってなるべくシュートを狙うというプレーの優先順位を正しく判断できるようになったことです。

このため日本の攻撃が大変スムーズになり、無駄な横パス・バックパスが減って、効率的な攻めを展開することができ、それが3得点につながりました。

どうしてうまく行くようになったかと言えば、技術的な問題というよりも精神的なものが大きいと思います。

埼玉でのウズベキスタン戦では日本の選手達がとにかく弱気・消極的で、パスをもらったら敵ゴールに背を向けてトラップしてボールを安全にキープしようとしたり、シュートを打てるシーンでも外すことを恐れているのか味方へパスしてしまうシーンが見られました。

「日本代表、ウズベキスタンとの痛い引き分け(その2)」の記事で、ウズベキスタン戦を引き分けてしまった最大の原因は、日本代表の弱気で消極的なプレーであると指摘しました。

この記事をアップしたら人気ブログランキングの順位が急降下したので、これを読んで「なあんだ、精神論か」とがっかりした読者の皆さんが多かったのかもしれません。

私も「根性と気合さえ入れれば、日本はスペインやブラジルにも勝てる」みたいな非科学的な精神論には反対ですが、昔から心・技・体と言われるように、そのどれが欠けても良いプレーはできないと思います。

たとえば、世界トップレベルの技術を持っているが精神力が非常に弱い選手がいたとして、「外したらマスコミやサポから叩かれるだろうな」と考えてシュート打つことから逃げていたら、絶対に得点できません。

点が取れなければ試合に勝つことはできません。

特にサッカーというスポーツは、選手が積極的に何かを創造していくことを求められるスポーツです。

よって「サッカーとは弱気・消極的になった選手・監督・チームが罰せられる競技」でもあるのです。

 逆の視点から見れば、カタールの最初の失点はまさに選手の弱気が生んだものでした。

内田選手がカタールのペナルティエリア前にパスを放り込んだのですが、カタールのDFは自分でクリアすれば何でもないところを消極的になってしまって、GKに処理を任せようとボールを見送ります。

しかし、そのDFの背後から飛び出してきた田中達選手にボールをかっさらわれ、日本に痛すぎる先制ゴールを献上してしまいました。

カタールのDFはまさに消極的になったがゆえに罰を受けたと言えるでしょう。

これで思い出すのが、最終予選の初戦だったバーレーン戦。

日本の守備陣が突然ガタガタと崩壊する原因となった最初の失点シーンですが、今野選手がなんでもない相手のクロスを自分でクリアせず、処理を後ろにまかせて見送り、そのボールが相手に渡ってゴールを奪われてしまいました。

直後に、中澤選手が今野選手を激しく「指導」していましたが、やはりサッカーにおいて弱気・消極的になった選手やチームからは良い結果が生まれません。

ともかくこの試合、パスをもらったらなるべく前を向く、前を向いたらまずシュートを狙うという風に、プレーの優先順位を積極的・強気においたことが、日本の大きな勝因の一つだったと思います。

 攻撃面での課題もあまりありませんでしたが、しいて言えば、クロスやFK・CKのボールの落としどころがキーパーに近すぎて、ほとんどキャッチされてしまったことでしょうか。

流れの中からのクロスやFK・CKでは、GKが出られそうで出られないプライムターゲットエリアを基本として、精度の高いキックが欲しいところです。

 それではまとめます。

今回のカタール戦は、結果(スコア)も試合内容も素晴らしく、現時点で日本代表の潜在能力をほぼすべて引き出したものと言えるでしょう。

これでようやく「W杯決勝トーナメント進出をめざす」と言っても笑われないレベルのサッカーに到達できたと思います。

その意味でこれまでマイナスの位置で低迷していた日本代表が、ようやく決勝トーナメントへ向けたスタートラインに立つことができました。

 これ以後、カタール戦で見せてくれたレベルのサッカーをゆるぎない基礎・土台として、チーム全体の調子が悪くとも、多少メンバーが欠けていても、W杯本番のようなプレッシャーのかかる試合でも、最低限このレベルのサッカーができるよう、組織力にさらに磨きをかけ上積みしていき、同時に個の能力も高めていくことが大事です。

これ以後二度とカタール戦でのプレー水準を維持できなかったでは、意味がありません。

もし今後、日本代表が調子を崩し、自分たちのサッカーを見失いそうになったらカタール戦の録画を見て、何ができて何ができなくなったのかチェックすると良いでしょう。

 岡田さんはウズベキスタン戦の前に「W杯ではサッカーのコンセプトを変える」といったようなことをおっしゃっていましたが、カタール戦で見せてくれた、日本代表のサッカースタイル・コンセプトを変えてはいけません。

2010年は久しぶりに南半球でのW杯となります。

ここ何十年、W杯はサッカーにあまり適さない暑い初夏に行われてきましたが、南アフリカは北半球とは季節が逆ですから今度はサッカーに適した涼しい初冬に行われる大会となります。

ということは、運動量が豊富で組織力の高いチームが有利になり、チームワークに欠け、足が止まった状態で個の能力だけで勝負するようなチームは不利になるでしょう。

オシムジャパン時代から、人もボールも走るサッカーに対して「最後までスタミナが持つのか」という懸念の声がありますが、気温40℃近い中東地域ならまず無理でしょうが涼しい冬であれば問題ないと思います。

むしろ90分相手を上回る運動量が維持できないなら、個の能力で劣勢な日本に勝機は見えてきません。

フィジカルトレーニングの専門家や各クラブとも相談しなければなりませんが、シーズン前のキャンプ期間は、1シーズンを通して90分走りきるスタミナをつけるための走りこみ練習が大変重要になってきます。

 それを考えると、2月11日という調整が大変難しい日程でオーストラリアとの大一番が組まれてしまいました。

2月といえば、欧州でプレーする選手が多いオーストラリアはシーズン山場を迎えていますが、日本の場合はオフ明けで、各選手ともまだ実戦カンが戻っていない時期だと思います。

しかも前述のように、この時期は1年を乗り切る体づくりのための走りこみ練習に重点を置きたい時期で、それプラス、各選手に実戦感覚やチームの約束事を思い出させる練習もしなくてはいけませんから、かなり時間的に厳しいです。

さらに予選最強のライバルとの対戦であり、絶対に勝ちたいホームゲームでもあります。

2月11日から逆算して、周到な準備をすることが欠かせません。

 今回のカタール戦、日本代表が冷静に自分たちの長所を生かし短所をカバーするサッカーをやりぬき、充実した内容とともに素晴らしい結果を勝ち取ることができたと思います。

オシムさんが倒れて以降、久しぶりに見ごたえのある代表マッチでした。

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   2008.11.19 ジャシム・ビン・ハマドスタジアム(ドーハ)


     カタール  0   -   3  日本


                   田中達 '19
                   玉田  '47
                   闘莉王 '68


    GK サクル        GK 川口

    DF アルハマド      DF 長友
       I.アブドルマジド      闘莉王
       M.アブドラー        寺田
       アブドルラフマン      内田

    MF マジディ        MF 長谷部
      (マジド.H 80)        遠藤
       ファビオ・セザール     中村俊
      (アルヤジディ 68)     大久保
       ハルファン         (岡崎 86)
       アルブルシ
       ハリファ        FW 玉田
      (ベシル 59)        (佐藤 90+)
                       田中達
    FW セバスチャン        (松井 71)





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■日本代表、カタールに充実の勝利!!

 2010年W杯アジア最終予選の第三戦、対カタール戦がドーハで行われ、日本は3-0で快勝しました。

 対戦相手のカタールは、ほとんどが国内でプレーする選手で固めたチーム。

アジア最終予選では、ホームでバーレーンに痛い引き分け、アウェーのオーストラリア戦では0-4の大敗を喫するなど、チーム状態は下降線にありました。

そうしたことを踏まえれば、現時点においてホームでもアウェーでも日本がカタールに勝てるだけの実力差はあると戦前に評価していましたが、日本の勝利、しかも3-0という結果は最高のものと言えるでしょう。

今日は結論から言ってしまいますが、結果とともに試合内容も素晴らしいものでした。

 試合内容を見る前にゲームを簡単に振りかえっておきます。

立ちあがりはホームのカタールが猛烈に攻めてきますが、日本は激しくプレスをかけて相手を自由にさせず、落ちついてカタールの攻撃をいなします。

カタールは攻撃の組織力が低く、パスを回そうとすれば日本のプレスにかかり、ロングを放り込めば、闘莉王・寺田の両選手にきっちりはね返され、攻め手を徐々に失っていきます。

前半15分まででカタールの攻めが一段落したので、日本はショートパスで相手を崩していく自分たちのサッカーで反撃開始。

3次予選アウェーのバーレーン戦ではここまででパニックになってしまって、相手の放り込みサッカーにつられて自らを見失い自滅しましたが、日本代表の選手たちに成長が見られます。

19分、右サイドからの内田選手のパスをカタールDFが見送ってしまい、ウラへ飛び出した田中達選手がこれをかっさらってシュート!

シュートはGKの股間を抜けてゴールし日本先制。

36分からしばらく日本の波状攻撃が続きますが、得点まで惜しくもあともう一歩。

前半は日本がやや優勢のまま終了。

 後半立ちあがり、相手が集中していないうちに日本が追加点をあげます。

2分、ゴール前中央に攻め入った長谷部選手が左サイドにシルキーなパス。
このパスに走りこんだ玉田選手がゴールに強烈なシュートをねじ込んで2-0とします。

これで焦ったカタールが攻めこんできますが、失点は許さず。

逆に23分、中村俊選手が右ショートコーナーからファーポスト側へクロス、これを闘莉王がヘッドで押し込んで3-0。

35分すぎから、日本の運動量がやや落ちたところを攻められますが、最後まで集中を切らさず、このままタイムアップ。

3-0の快勝となりました。

 それでは試合内容を見ていきましょう。

守備面では、激しくプレスをかけて相手をはさみ込んでボールを奪ってしまう守備がたいへん良く機能していました。

50/50のボールも必ず誰かが泥臭く競りにいき、絶対にマイボールにするという気迫が選手から伝わってきました。   

中澤選手のかわりに抜擢された寺田も無難に役割をこなしていました。

彼は川崎がACLに出場したときに、アジアレベルにおける真剣勝負の国際試合はじゅうぶん経験したでしょうから、別段不思議なことではないと思います。

 課題はあまりありませんが、しいて言えば、相手FWがチェイシングをかけてきたとき、こちらのDFラインが細かいパス回しにややこだわりすぎたところがあったように思います。

ディフェンディングサードでは安全第一。

自陣深くやDFラインでボールを持っていて相手選手に囲まれたら、無理をして細かいパス回しにこだわりすぎるより、簡単にロングを前へ放り込んだほうが良いでしょう。

 また、前半たちあがりに遠藤選手の相手選手に対するマークがやや甘いところがありました。

彼は守備が本職ではないのでしかたないのかもしれませんが、日本より実力が上のチームとやるときは、ダブルボランチの一方に守備が本職の選手を入れるなど対策が必要かもしれません。

 攻撃に関しても、素晴らしい出来。

以前、「連動性に欠ける岡田ジャパン」の記事で、岡田ジャパンがボールポゼッション率が高い割になぜ相手を崩せないのかその理由として、

1.連動性の低さによる意味のない横パス・バックパスが多い

2.中盤のオートマティズムの欠如

を指摘し、その解決策を提示しておきました。

 岡田ジャパンが発足してずいぶん経ちましたが、これまでほとんど改善できなかったこれら課題がこの試合、なんの前ぶれもなく突然できるようになりました。

特に、パスを出した選手が受けた選手を追い越してボールをもらうおうとするワンツーの動きを多用していたところが素晴らしく、ワンツーが成功しなくともこちらのワンツーを防ぐために相手が動いたところにスペースができ、そこを連動した味方が利用したりして相手をうまく崩すことができたと思います。

ここまで連動性の高い攻撃は、岡田ジャパン始まって以来ですし、オシムジャパンはともかく、ジーコジャパン時代にもほとんど見られないものでした。

 私が、「連動性に欠ける岡田ジャパン」の記事を書いたのは、岡田ジャパンがホームでウズベキスタンに引き分けられた後、「ボールポゼッション率ばかり高くて点が入らないのは、ポゼッションサッカーそのものの限界なのではないか」という論調の記事を一部マスコミが書いていたからです。

これまでの岡田ジャパンのサッカーが世界最高峰のポゼッションサッカーであり、それでウズベキスタンと何試合やっても点が取れないというなら同意しますが、現実はそうではありません。

おそらくその記者は、高いレベルのポゼッションサッカーがどんなものか理解していないのでしょうが、それに対する反論があの記事だったというわけです。

 今回のカタール戦ではその記事で指摘した問題点が改善され、世界最高峰とは言わないまでも、日本代表はかなり高いレベルのポゼッションサッカーを見せてくれました。

そして導かれた結果がアウェーで3-0の大勝というものでした。

このレベルのサッカーができれば、カタールレベルの相手ならばかなりの確率で勝利はかたいでしょう。もちろんホームでウズベキスタンにあのように引き分けに持ちこまれてしまう可能性も相当低くなると思います。

最終予選、アウェーのバーレーン戦でも日本は3点を奪っています。

バーレーンとカタールはほぼ同程度の実力ですが、同じ3得点でも流れのなかからスムーズに攻撃を組みたて、相手を崩すことができた今回の方が、攻撃のレベル(特に組織力)において各段に上です。

 フィジカル能力においては、ややカタールの方が上だったように思いますが、日本のパス回しが速いのでうかつに飛び込むことができず、相手は日本の選手をフィジカルでつぶす前に、パスで崩されてしまいました。

グラウンダーの速いパスならば、身長やフィジカル能力の高低による有利不利はあまり関係ありません。

この試合、日本は速いパス回しによって、技術の高さと俊敏さ、勤勉な組織という自分たちの長所を最大限生かし、あまり強くない個のフィジカル能力という短所をほとんど目立たないものにしていました。

ユーロ2008決勝となったスペイン対ドイツ戦、身長の高さやフィジカル能力ではドイツが上でしたが、シャビを中心としたクアトロ・フゴーネス(4人の創造者たち)が織り成すパスサッカーによって、スペインは相手の長所を消し自らの長所を最大限生かすことでヨーロッパチャンピオンの座を勝ち取りました。

レベルこそ違えども、やろうとしていることは良く似ていると言えるでしょう。

 次回につづきます。(更新は土曜あたりを予定)




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■日本代表、シリアを3-1で下す

 W杯アジア最終予選のカタール戦に向けたテストマッチが神戸で行われ、日本はシリアを3-1で下しました。

 対戦相手のシリアは、もしモチベーションバリバリのW杯アジア予選で当たったとしても、ホーム・アウェーとも日本が勝てるぐらいの実力と評価していました。

今回3-1という結果は順当であり良かったと思います。

来日したシリア代表はほぼベストメンバーとのことでしたが、スウェーデン・ベルギーやクウェートのクラブでやっている海外組の選手が欠けていたようでした。

その点で日本と条件は一緒でしたが、いかんせんW杯への望みが完全に断たれているシリアのモチベーションは低く、3バックで1人余らせる古典的なDFラインは両サイドに大きなスペースができてしまい、オフサイドラインのコントロールさえままならないように見えました。

 それでは試合経過をおさらいします。

立ち上がりから日本のペースで前半3分、長友選手がするするっとドリブルでゴール前まで駆け上がったのですが、マークの混乱しているシリアはフリーにしてしまいます。

それを見た長友は積極果敢にミドルシュート。早くも日本が先制します。

激しくプレスをかける日本に、攻撃の組織力が低いシリアはチャンスらしいチャンスをつくれません。

20分に寺田選手の惜しいヘッドがあり、26分、中村憲選手が右サイドからクロス、これをゴール前へ飛び出した玉田選手が素晴らしいボレーシュート!

日本が2-0とします。

 後半、日本はメンバーをかなり変更しましたが試合の主導権はやはり日本。

11分、今野選手の惜しいヘッドがあった後の17分、長友からのパスを受けた大久保選手がシュート、これが相手選手に当たってコースが変わりGKの頭を超えてゴール。これで3-0。

この後、日本代表はペースダウンし、シリアが遅まきながら反撃。

32分、カウンターから日本のゴール前へ侵入したアルアミナが香川選手に倒されたとして、不可解なPK判定。これをアルジノが決めて1点返されます。

しかし試合の大勢に変化はなく、3-1で日本の勝利となりました。

 それでは試合内容をチェックしましょう。

まず守備からですが、中盤からのプレスが良く効いて相手を自由にやらせず、ボールも良く奪えていました。

また、相手がさほど強くなかったというのもありますが、闘莉王・寺田の両選手で組んだセンターバックコンビも、まずまず無難にこなしたと言えそうです。

 気になった点は、日本の選手が体から手を離して押したりひっぱったりして守備をやり、審判からしばしばファールを取られていた点。

たとえ普段のJリーグのジャッジでは問題無くても、国際審判だとファールを取られます。

フィジカル勝負では若干日本の方が劣勢でしたが、手を使って守備をするのではなく、ボールが来る直前、合法的なショルダータックルで、しかもなるべく審判に目立たないように、まずガツンと当たって相手のバランスを崩した上で来たボールを受けるなど工夫が必要でしょう。

日本の選手が、フィジカルが弱いなりに技術でそれをカバーするといった工夫をするようになれば、今よりもっと試合が楽になると思います。

 PK献上についてはまったく不可解な判定でした。

ただ、アジアの審判のレベルが低いのは今にはじまったことではありませんし、特にアウェーでは何が起こるかわかりません。

こちらのペナルティエリア内であからさまに手を使って守備するようなことも避け、じゅうぶん注意してプレーする必要があります。

 また、日本の選手は相手に倒されると自分の判断でプレーを止めて「今のプレーどう?どう?」、相手を倒しても「今のプレーどう?どう?」といった感じで審判の顔を見つめるケースが少なくないように思えますが、マリーシアの観点からも褒められたものではありません。

「やばい」と思ったらわざわざ審判を見ず、無関係をよそおってさっさと現場から離れるか、相手と同じくらい痛がってみるのも良いかもしれません。

 攻撃に関しても、相手のマークがゆるかったこともありましたが、急造の中盤にしてはまずまず。

ただボールを受けた次のプレーの選択に課題が残りました。

ウズベキスタン戦でもそうだったのですが、日本の選手はボールを受けるとき、まず相手ゴールを背にしてトラップし、自分より後にいる味方にバックパスして安全にボールをキープしようとするケースがかなり多いのですが、これでは守備側は怖くありません。

パスを受けた次のプレーの優先順位は、まずボールと一緒に前へターンして相手ゴールに向き、シュートやドリブル・パスといった次のプレーへの準備をすることです。(もちろんディフェンディングサードでは話は別です)

それができないときにはじめてバックパスという選択肢があらわれるわけで、特に失敗を恐れずチャレンジすべきアタッキングサードでは、積極的に相手が怖がるプレーをして欲しいです。

どうしてこうなってしまうかと言えば、テストマッチでさえ「失敗したくない、安全に行きたい」という気持ちが強すぎるというメンタル面の問題が1点、ボールを受けるときのボディシェイプが悪いというのが2点目でしょう。

ボールを受ける前に周囲をよく見て状況を把握し、相手ゴールに背を向けるのではなく、半身になってボールを受ければ前方への視界が取れますから、ボールと一緒に前にターンすることがやりやすくなります。(ボールを受ける直前に自分の背中にぴったりマークがついているときは例外)

こういう普段の何気ない、細かい基礎の部分から欧州や南米のトッププレーヤーと差がついていくように思います。

 集中力の問題か技術的な問題かトラップやドリブルが雑で、ボールコントロールが大きくなりすぎたところを相手に奪われそうになったシーンがあったのも気になりました。

 この試合、3-1で順当に勝利という結果は良かったですし、内容もまずまずでした。

普段あまりゲームに出ていない選手に実戦経験を積ませられたことも良かったと思います。

ただ、落としても痛くないテストマッチと、落とすと確実に痛みを伴うW杯予選の本番はまったく違います。

テストのためのテストとならないよう、今回のテストマッチでできたことが予選本番でもしっかりできるように準備して欲しいです。

 UAEとのテストマッチで若手が活躍したこともあって気を良くしたのか、まだW杯出場が決まったわけでもないのにウズベキスタン戦の直前、岡田監督がW杯に行ったら代表のサッカースタイルやコンセプトをどうするこうするといった話をされていましたが、大事な予選の前にどこか心に浮つきというかスキがあったのではないでしょうか。
 
カタール戦では同じ轍を踏むことが無いことを願っていますが...


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      2008.11.13 ホームズスタジアム(神戸)


         日本  3  -  1  シリア


        長友  '3        アルジノ '78
        玉田  '26    
        大久保 '62


       GK 川口       GK バルフース
                      (アルアズハル 65)
       DF 寺田       
         (今野 45)    DF ディアブ
          闘莉王        イスマイル
         (高木 56)     (アルアミナ 51)
          長友         ジェニアト
          内田        (アルアガ 81)
         (駒野 78)      ダッカ
            
       MF 阿部       MF アブドラ
          中村憲        アヤン
         (巻 68)
                    FW チャーボ
       FW 玉田        (アルジノ 45)
         (佐藤 45)      アルサイド  
          田中         アルラシド
         (香川 45)     (アルアトゥニ 45)
          岡崎         ラフェ
          大久保



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■連動性に欠ける岡田ジャパン

 前回のウズベキスタン戦で手痛い引き分けを喫した岡田ジャパンですが、その試合では日本代表のボールポゼッション率が高かった割に、ボールを効果的に前へ運べないという現象が多く見られました。

ウズベキスタン戦で良く見られたシーンに以下のようなものがありました。(クリックで拡大)

誤

・日本の選手が後から来たパスを受けます。(1)

・それに対してウズベキスタンの選手が激しくプレス(2)

・しかし、ボールを保持している日本の選手をサポートしてパスコースを造ってやるべき味方が連動してポジショニングを修正せず、自分に対するマークがついたままのポジションで立ち止まってボール保持者が何とかするのを見ています。(3)

・日本側のボール保持者はパスコースが無いのでバックパスを選択するしかありません(4)

これではいくらボールポゼッション率が上がっても、バックパスばかりで相手の守備陣は崩せません。

前回、ウズベキスタンが激しくプレスをかけてきて、日本が得意とする速いボール回しを封じこめようとしたこともあったのですが、日本代表の連動性は決して高いものではありませんでした。

 相手が多少激しくプレスをかけてきても、それをかわせるだけの高い連動性を日本代表が持たないと、W杯で決勝トーナメントに進出するなど夢のまた夢でしょう。

具体的に言えば、以下の通り。(クリックで拡大)

正


・日本の選手が後から来たパスを受けますが、周りの選手は次のパスコースを読んで適切なポジショニングをすべく既に動きだしています。これが連動性です。(1)

・相手の選手が日本のボール保持者に激しくプレスをかけます。(2)

・しかしその瞬間、パスを受けた日本の選手には複数のパスコースが、しかもグラウンダーのやさしいパスを出すことができる複数のコースが用意されているので、相手の激しいプレスによって自分がプレーするスペースもパスコースも狭くなっていますが、ダイレクトもしくはワントラップからパスを出すだけで相手を崩せます。(3)

このような連動性の高いプレーがウズベキスタン戦では欠けていました。

 またウズベキスタン戦に限りませんが、中盤の組みたてが上手くいってない場合、以下のようなシーンが目立ちます。(クリックで拡大)

誤2


・日本の、特にテクニックのあるパサータイプのMFがパスを受け、ルックアップしてどこへパスを出そうか考えながら、ゆっくりとドリブル。この時点で前方の味方はフリー。(1)

・これを見た相手はポジショニングを修正し、フリーになっている日本の選手にマークにつく。同時にゆったりとドリブルしている日本の選手にもプレスをかける。(2)

日本のボール保持者が気づいた時には、既にフリーの味方もパスコースもなくなっている。自分にもプレスがかかっているので、やむをえず意味の無いヨコパス・バックパスに逃げる。(3)

これもボールポゼッション率だけは高くなりますが、まったく相手を崩せません。

オシム氏は「相手チームにルックアップしてパスコースを探しながらゆったりとドリブル選手がいれば対応は簡単だ。その選手をマークすれば良い」といった趣旨の発言をして、こういったプレーを批判していたはずです。

日本では「下手な考え休むに似たり」と言いますが、どこへパスを出すかグズグズ迷うのではなく、少なくともミドルサードまでは、前にフリーな味方がいたらフリーになっているうちにオートマティックにパスを出すべきです。

とりあえず前でフリーになっている選手にパスを当ててから次の展開をうかがえば良いわけで、もしそこから前へ展開できそうにないとわかったら、そこではじめてバックパスしても遅くはありません。

 最近の日本代表は、オシムジャパン時代より選手相互の連動性が落ちてきているように見えます。

先日スポーツニュースで「岡田ジャパンは攻撃練習の時、始めから最後まで守備役をつけない」と報じていて、とても驚きました。

始めから終わりまで守備役をつけない攻撃練習なんて、まさに練習のための練習であり、たいした効果は望めません。重りの無いダンベルで筋トレをするようなものだからです。

もしそれが本当なら、岡田ジャパンの攻撃の連動性が高まるはずがありませんし、ウズベキスタンにちょっと激しいプレスをかけられたぐらいでとたんに対応できなくなり、パスが前へ進まなくなるのも当然です。

岡田ジャパンが、バーレーンレベルの相手に勝ったり負けたりしているすべての原因がわかってしまった気がします。





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