■2008年08月

■W杯最終予選に臨む代表メンバー発表

 9月6日に行われる2010年W杯アジア最終予選の初戦、対バーレーン戦(@マナマ)にのぞむ日本代表メンバーが発表されました。


GK 川口 能活(磐田)
   楢崎 正剛(名古屋)
   西川 周作(大分)

DF 中澤 佑二(横浜M)
   高木 和道(清水)
   闘莉王  (浦和)
   駒野 友一(磐田)
   阿部 勇樹(浦和)
   長友 佑都(F東京)

MF 中村 俊輔(セルティック)
   稲本 潤一(フランクフルト)
   遠藤 保仁(G大阪)
   中村 憲剛(川崎)
   松井 大輔(サンテティエンヌ)
   今野 泰幸(F東京)
   長谷部 誠(ボルフスブルク)

FW 玉田 圭司(名古屋)
   巻 誠一郎(千葉)
   佐藤 寿人(広島)
   田中 達也(浦和)


 ざっと見て目についたのは、稲本選手の召集ですね。前回のウルグアイ戦での大敗・守備崩壊が影響しているのだと思われます。

稲本は、フィジカル能力を生かした高い守備力など素質はじゅうぶんあり、本来なら背骨としてチームを支え、ボランチ(舵取り役)として攻守の基点となる、2002年以降も欠くことのできない中心選手となるべきはずの人ですが、残念ながら今まで呼ばれたり呼ばれなかったりが続いていました。

そのせいか、特に攻撃の基点となるパスの配球能力で伸び悩みが見られ、本来の力がじゅうぶん引き出せていない気がします。

そのあたりを伸ばしてくれる代表・クラブの監督さんと巡り会えたら良かったのですが。

 決定力不足が言われ続ける大注目のFW陣はこうなりました。

巻選手の復帰も良いのですが、私は磐田の前田遼一選手の名が無いのが残念ですね。

高さを含めたフィジカル能力・技術力・決定機における冷静さといった素質の高さを考えると、前田にエースストライカーとして代表FW陣の軸になって欲しいと個人的には思っています。

どうやら岡田さんは、神戸の大久保選手への評価が高いようです。

彼がダメというわけではありませんし物怖じしないアグレッシブな性格は買いますが、決定機において自らの精神をうまくコントロールできず冷静さに欠け、決定機における精神の不安定さが技術の不安定さにつながって、シュートがことごとくゴールマウスから外れていくように見受けます。

前田はケガが多いのが残念なのですが、私が監督ならば辛抱強く召集し続け、チャンスを与え続けて、代表FW陣の軸となれるよう経験を積ませます。

もちろん彼のためにFWのポジションひとつを指定席として確保しておくなんてことはしませんし、与えられたチャンスを掴めるか掴めないかは本人の努力次第ですが。

 そして山形の豊田洋平選手、カターニャの森本貴幸選手、大分の森島康仁選手などなど、若い世代から素質がありそうなFWをフル代表で育て経験を積ませて行くことも重要だと思います。

2002年W杯が終わってから、日本代表はベテラン・中堅・若手のバランスが悪く、特に2006年W杯予選・本大会あたりからチームの高齢化が目立ちます。

世界では当たり前のように、20代前半の選手がどんどんフル代表の中心選手としてポジションを勝ち取りW杯やユーロで活躍していますが、日本代表では稀です。

Jリーグの得点ランク上位を外国人選手が独占していることからもわかるように、特に若い日本人FWに成功経験を積ませ育成させるチャンスが少ないように思います。

結果を出しながら若手を育て、徐々に、うまく世代交代を促していくというのは易しいことではありませんが、日本代表監督として大切な仕事ではないでしょうか。

サッカー先進国の例えばスペインやアルゼンチンの代表監督ならば、「選手を育てるのはクラブの役割で、代表監督の仕事ではない」と言えるのかもしれませんが、サッカー後進国の日本の場合、そうも言っていられないと思います。

 さて、いよいよアジア最終予選がはじまります。
初戦のバーレーン戦ですが二度と同じ失敗は許されません。

その失敗とは「失敗することを恐れて何もチャレンジしなかった」という失敗です。

失敗を恐れず攻守にわたって積極的にチャレンジする、日本の長所を生かした組織サッカーを見せてくれることを期待します。



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■日本代表、ウルグアイに大敗

 札幌ドームでW杯アジア最終予選に向けた最後のテストマッチが行われ、日本はウルグアイに1-3と大敗を喫しました。

対戦相手のウルグアイは、日本とほぼ互角の相手、地力で相手が日本をやや上回るかと評価していました。

具体的に言えば、お互いフルメンバーをそろえてW杯行きの最後の切符をかけてH&Aでプレーオフのガチンコ勝負をやるならば、埼玉スタジアムで日本の1-0、センテナリオスタジアムでウルグアイの3-0で1勝1敗ぐらいの実力差ではないかと思っていました。

ウルグアイはほぼベストメンバーではあるものの、アトレチコ・マドリッドのフォルラン、ナポリのガルガーノ、バルサのカセレスを欠いた1.5軍といったところでしょうか。

一方故障などで日本も中村俊や松井、遠藤、闘莉王の各選手を欠き、青木・高木の初代表組や、小野・田中達など久しぶりに代表に呼ばれた選手がスタメンに入るなど、アジア3次予選からは大幅にメンバーが変わっていました。

その点を考慮してあげなければいけないのでしょうが、それでも日本代表は現時点におけるベストメンバーのはずで、やはりプライドをかけてホームでは何としても勝たなければいけない試合でしたが、1-3という試合結果も内容も大敗でした。

 それでは試合経過を振り返りましょう。

前半は立ちあがりからウルグアイペース。

ウルグアイにボールを回されて押し込まれる苦しい時間帯が多くなりました。

しかし前半30分過ぎに駒野選手のミドルシュートから日本の流れになりました。
それでも決定打に欠け、前半終了。

 ハーフタイムで指示があったのか、後半立ちあがりから日本が積極的に飛ばします。

後半3分、右CKがクリアされたボールを小野選手が拾ってパス、これを受けた中村憲選手が入れたゴール前へのクロスボールが相手選手に当たってオウンゴールを誘います。

しかし後半10分、ウルグアイがカウンターで反撃、高木選手が前へ応対に出たところを飛び越し、ブエノがヘッドでボールを落として中澤選手もかわされてしまい、フリーのエグレンに決められて同点。

その後、両チームに得点チャンスが生まれるが決まらず。

ロスタイムまで10分を切ったところで、またもやウルグアイお得意のカウンター攻撃を食らってしまいます。

日本のゴール前右に出たパスを受けたスアレスがていねいなクロス、これをフリーで待ち構えたI・ゴンサレスが冷静にヘッドで押し込んで逆転。

ロスタイムにも前掛かりになった日本の裏を突かれ、アブレウのゴールを浴びて完全に息の根を止められました。

 それでは試合内容を守備から分析してみます。

久しぶりの代表ゲームであり、準備時間が少ない中で初召集組や久しぶりに代表に呼ばれた選手が多く含まれるなど、攻守両面における組織力の低下は明らかでした。

これは以前から言っておりなかなか修正されないのですが、この試合の日本代表もDFラインから2トップまでが間延びしてしまうことで選手どうしがお互いサポートしづらい距離まで離れてしまい、そのことが必然的に相手との一対一勝負をもたらすという結果になってしまいました。

特に日本代表が間延びした場合、ゴールを焦って前へ行きたがるトップ・2列目の攻撃組と、失点を恐れてズルズル下がってしまうDFラインの守備組とで一つのチームが分裂してしまい、ボランチの前後に広大なスペースができるという欠点があることは再三指摘しています。

そのボランチの前後の広く空いたスペースを上手く使われて、孤立した日本のDFラインより数的優位にたったウルグアイにカウンター攻撃を仕掛けられ、次々と失点してしまいました。

サイドバックの守備力の低さともからんでくる話ですが、攻撃力の高い相手に本職の守備的MFが一枚だけで守りきれるかという、アジアレベルでは目立たなかった問題も露呈しました。

長谷部・遠藤・中村俊・松井で組むベストメンバーの日本の中盤にしても、銀河系軍団といわれながら中盤の守備力の低さで崩壊した一時期のレアル・マドリッドが連想されます。

 これも以前から感じていたことですが、日本代表は良くポジションチェンジを行いますが、ポジションチェンジを行って本来いるべき人がいなくなったスペースのカバーを誰がやるのか約束事ができているのか、実際にそれができるよう練習を積んでいるのか疑問に思います。

ポジションチェンジは現代サッカーではもちろん必須の組織戦術で、サッカーの教科書で言えば中級編にあたる話ですが、上下の関係で言えば2列目が上がったら追い抜かれたFWがその間は2列目の役目を担い、ボランチが上がったら追い抜かれた2列目がボランチの役目を担う、センターバックが上がったらボランチが下がってセンターバックの役割を担うという、ポリバレント(マルチロール)な能力が選手に求められています。

ユーロ96で優勝したドイツは3バックでしたが、リベロのザマーが危険を察知したり攻撃参加したりして最終DFラインより前へ出たら、ボランチのアイルツがリベロの位置まで下がるという約束事ができていましたし、

ユーロ2000を優勝して日本で行われたコンフェデ2001に乗りこんできたフランス代表も、センターバックのデサイーなどが相手のポストプレーを妨害するため上がると、ボランチのビエラがセンターバックのポジションに一時的に入ってカバーするという風に約束事ができており、昨日今日はじまった組織戦術ではないわけです。

ウルグアイ戦では、日本のボランチの前後に広大なスペースができていて、そこで相手に自由にやらせないようCBの高木選手が前へ出たところ、ウルグアイにその後ろのスペースへ人もボールも送り込まれ、中澤選手一枚のところを崩されてやられてしまいました。

もし4-2-2-2でやるならその四つのラインとコンパクトな陣形を保って、高木が前へ出た瞬間ボランチの一枚がセンターバックまで下がるようにすれば、あそこまで守備がボロボロに崩壊することは防げたのではないでしょうか。

 センターバックが上がった場合、サイドバックが中央へしぼるというやり方もありますが、もともと守備が強いわけではありませんし、特に駒野選手ですが中央へしぼって欲しい場面でも相手へのマークがあいまいで、良く3点で済んだといった感じでした。

守備力の低さに目をつぶっても良いと思わせるほど、素晴らしい精度のクロス・破壊力のあるキックがあるわけでもありませんし、ピンチの時に中央へしぼったり相手のセットプレーで自軍ゴール前でマークにつくときなどに、守備力の低さが本当に目立ちます。

確かドイツW杯のオーストラリア戦で同点ゴールを浴びたときも、相手のロングスローからこちらのサイドバックがフィジカル勝負でつぶされて、そのこぼれ球を相手に押し込まれたはずです。

身長が低く攻撃を重視したサイドバックが日本で好まれるのは、おそらくブラジルのロベルト・カルロスの影響が大だと推測しますが、ロベルト・カルロスは身長こそ低いものの、守備で大穴をあけるということはありませんでした。

日本サッカー界は地に足をつけて、サイドバックの人選基準と育成方法を根本的に変える必要があるように思います。

サイドバックなのですから、多少攻撃能力が低くても堅実な守備能力を持っていることに重きを置き、攻撃参加はMFをサポートして時折クロスをあげる程度、4バック1ボランチでガッチリ守って、その分、前の5人が精力的に動いてサイド攻撃も担当させるというのも一案。

もし今の守備力の低いサイドバックでやるなら、守備力の高い本職のボランチを二人はつけてセンターバックをサポートさせないと今回のようなことになってしまうのではないでしょうか。

この試合、間延びしたことと関係があるのでしょうが、プレスがほとんどかからず、ウルグアイが好き勝手にボールを回したりドリブルしたりするのを見てしまっていた時間が長かったです。

また、日本ゴール前でのマークのズレも目立ち、守備組織の全面的な立てなおしが急務です。

 攻撃に関しては、日本がある程度やれた時間もありましたが、ウルグアイのプレスにかなり手こずりました。

あれぐらいのプレスであっても、ショートパスで崩していけるような攻撃の組織力を持たなければ、W杯の決勝トーナメントを勝ちぬいていくというのは難しいでしょう。

ウルグアイとのフィジカル勝負においても、日本のFWが次々と倒れて、ポーランド人主審に「何でファールを取らないんだ」とアピールする場面が多くありましたが、ふだんから倒れれば何でもかんでもファールを取ってくれるJリーグの審判に保護されている日本の選手のひ弱さが目につきました。

 選手個人レベルでは、青木・高木の初召集組を注目していました。

身長など素材の良さは感じましたが、代表選手として世界で戦っていくにはある程度のミスに目をつぶって、辛抱して経験を積ませてやる必要があるでしょう。

小野・田中達・大黒のひさびさ召集組も、チームとフィットするのにまだ時間が必要のようです。

 これは余談ですが、久しぶりに代表戦のTV中継を担当したフジテレビ系列、サッカー中継が下手クソになりましたね。

選手や監督の顔を長く映しすぎたり、リプレーをしつこく流していて、次の瞬間ライブ映像にスイッチすると日本かウルグアイの選手がもうゴール前へ迫って決定的場面ということが多すぎました。

ウルグアイの3点目は、フジテレビ側のスイッチングの遅れでどういう経過で点が入ったのか視聴者にはサッパリわからず。サッカー中継としては最低だと思います。

 それではまとめましょう。

今回のウルグアイ戦は、試合結果も内容も大敗・完敗でした。

久しぶりの代表戦に加え、チームの背骨の部分に、後ろから高木・青木・小野・田中達と、初召集もしくは久々の代表復帰組が入ったため、攻守にわたる組織力の低下はやむをえないものがありました。

その点においては、これまで南米予選を戦ってきたレギュラーとサブ組の選手のみで固めたウルグアイに分があったように思います。

たとえ負けが仕方なかったとしても、W杯最終予選に向けた最後のテストマッチであり、久しぶりの代表ゲームということも考えあわせれば、新戦力のテストよりもこれまでの岡田ジャパンの攻守にわたる約束事、試合の感覚を思い出すということに重点を置いた試合にすべきではなかったのかと思います。

まあ、監督がぶっつけ本番でも大丈夫と考えておられるなら、結果がちゃんと出るなら何も言うことはないのですが...

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 2008.8.20 札幌ドーム


  日本  1  -  3  ウルグアイ


 '48 O.G.       '55 エグレン
             '83 I.ゴンサレス 
             '90+ アブレウ


GK 楢崎      GK カスティージョ

DF 高木      DF ルガノ
  駒野         フシレ
  阿部         シルバ
  中澤        (アルコバ 88)
              バルデス
MF 青木     
  (長友 45)   MF ペレス
   小野        (I.ゴンサレス 69)
   中村憲       ペレイラ
  (佐藤 75)     (A.ゴンサレス 60)
   長谷部       エグレン
              C.ロドリゲス
FW 玉田        (サンチェス 60)
  (大黒 68)  
   田中達     FW スアレス
  (山瀬 76)     (J.ロドリゲス 84)
               ブエノ
              (アブレウ 69)




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■五輪三連敗が突きつけたもの

 ジーコジャパン時代に、カシマでマレーシアとテストマッチをやったことがあります。

その試合を中継したTVのアナウンサーが、これまでの日本代表とマレーシア代表の対戦成績がほぼ互角なことを取り上げて、「マレーシアは今でこそ低迷しているが、かつてはアジアの強豪!」とアナウンスしていて、私は吹き出してしまいました。

おそらく「アジアの強豪である日本と互角の対戦成績をあげているのだからマレーシアもアジアの強豪」という発想なのでしょうが、マレーシアはW杯に出たこともアジアカップで優勝したこともありませんし、アジアのトップレベルの国々から勝ち星をあげて番狂わせを演じることはあっても、「東南アジアでは強豪」の域から脱することのない、アジア全体で見れば第二グループに属する国といったところでした。

それではなぜ日本とマレーシアの対戦成績が互角なのかと言うと、単純にかつての日本が弱かったというだけです。

日本がアジアの強豪国となったのは、代表監督にオフト氏が就任しJリーグができた90年代前半からで、それより前の日本代表は、マレーシアや香港あたりに平気で引き分けたり負けたりしてしまうアジアの二線級チームだったのです。

前述のTVアナウンサー氏は、それを知らなかったのでしょう。

逆にいえば、アジアでさえ二線級だった日本代表はプロ化して10年もたたないうちにW杯に出場し、2002年には決勝トーナメント進出、ヨーロッパ各国のリーグに何人も選手を送り出すという、めざましい急成長を遂げました。

 しかし日本サッカー界には猛スピードの成長ゆえの副作用・ある種のゆがみが存在しているように思えます。

それは日本サッカーがプロ化した90年代前半を明確な境界線として、現役時代はアジアでも決して高いとは言えないレベルのサッカーしか経験していないアマチュアサッカー出身者が指導者・監督・解説者となって、ヨーロッパやJリーグのクラブで活躍するプロ選手を正しく指導しなければいけないという問題です。

現役時代にすばらしいサッカー選手ではなかったとしても、引退後にしっかりとサッカーのことを勉強すれば、すばらしい指導者になれる可能性は十分あると私は思っていますが、現在の日本の指導者で「この人は本当にサッカーを勉強しているな、能力において欧州の監督にも引けを取らないな」と思える人は残念ながら見当たりません。

イビチャ・オシム氏は「ジダンやロナウドが間違った動きをしている、全然動けていない。それを指摘できなければ監督という名は返上すべきだ」と言っていますが、日本サッカー界の「ジダン」や「ロナウド」の間違いを指摘するどころか、そうした「カリスマ」の個の能力に全面的に頼り、彼らに何とかしてもらおうと考えてしまう指導者が少なくないように思えます。

五輪代表を率いた反町康治監督は、現役時代のおよそ半分をアマチュアクラブの選手として、もう半分をJリーグのプロクラブの選手として過ごした、かろうじて日本サッカーのプロ化に間に合った方です。

 その反町監督率いる五輪代表・反町ジャパンですが、北京五輪は三連敗に終わりました。

攻撃に関しては、ピッチを三分割したときのミドルサードまでは、ショートパスを使ってビルドアップできていましたが、相手ゴールに近い一番重要なアタッキングサードでの組織力・連動性・アイデアに決定的に欠け、ボールの出し手と受け手の二人の関係しか存在せず、ラストパスも味方がいそうなところへ何となく蹴るような、レベルの低いものでした。

守備に関しても、相手の縦パスが入ってもこちらから積極的にインターセプトを狙うようなことをせず、次々とポストプレーを許し相手が日本ゴールへ迫るのを、ただ指をくわえて見ているような消極的なシーンが目立ちました。(特にナイジェリア戦)

 世界との戦いにおいて、日本は個の能力でアドバンテージを得ることができないという問題は、今にはじまったことではありません。

であるならば、当座の解決法はサッカーという団体競技においていかに組織力を高めるかしかなく、攻撃においてはアタッキングサードにおいて相手を組織的に崩す能力、守備においてはディフェンディングサードにおける組織的守備力が、ダイレクトに日本代表の得点・失点につながってくるわけです。

ですが、少なくとも北京五輪における反町ジャパンの試合からは、組織力を大切にするという姿勢はうかがえませんでした。

 日本の指導者はサッカーの組織というと、えてして4-4-2が良いか4-5-1が良いかというシステム論だけで話が終わってしまい、組織力と連動性を高めるということをそっちのけにして、そのパズル(システム)にどういうピース(選手)を当てはめるかということだけに血道をあげてしまうきらいがあるように思います。

そして「当てはまるピースが無い、無い」と言っては、個の能力で劣勢な局面を打開できる「青い鳥」(カリスマ選手)を探す、キリのない旅に出てしまいます。

しかしメッシやC.ロナウドみたいな「青い鳥」は現在の日本を探しても見つかりませんし、青い鳥探しの旅は組織力を高めるということと正反対のことをしているわけです。

同じ理由から反町監督が、五輪世代からは当てはめるピースが見つからない、フル代表の遠藤・大久保の両選手を呼ぶしかないと、「青い鳥」を探して大騒ぎをはじめた時点で、正直オリンピックは望み薄だなと思っていました。

 レギュラー組の怠慢とサブ組の腐りを防ぐためにも、選手を競争させて常に新しい血をチームに入れていくのは大賛成です。

しかしそれは、誰が出ても大きくレベルダウンしない組織サッカーの土台を監督が既につくってあるというのが前提であり、土台づくりをほったらかしにして「青い鳥」を探して新しい選手をとっかえひっかえ、結果が出ないと言ってはシステムもとっかえひっかえでは、少なくとも現在の日本サッカーに勝利はありえません。

そうした傾向は、バーレーンでの敗戦以降、中村俊選手の個の能力に依存を深めるフル代表の岡田監督にも明確に表れています。

このままだと、北京五輪で苦悩する反町監督の姿は、南アフリカでの岡田監督の姿になってしまうのではないかと懸念されます。

 北京五輪では、もう何年も前から既にわかりきっていたことが改めて日本サッカー界に突きつけられたと思います。

それはサッカーという団体競技においていかに組織力を高めるかであり、個の能力で劣るなら人とボールを相手の倍動かして、日本の長所を生かして相手を圧倒してしまうサッカーが、代表の生命線だということです。

 初戦のアメリカ戦では外す方が難しいくらいの、インサイドに当ててコースを変えるだけでゴールになるシュートを外す場面が見られ、「ドイツW杯でのQBK再び」でしたが、それは言いますまい。

人とボールを相手の倍動かして、相手よりシュートチャンスを多くつくる。

外れても外れても、めげずに積極的にシュートを打つ。

失敗を恐れず、真剣勝負の実戦の場でどんどんシュートを打って経験を積んでいかなければ、QBKに代表される日本選手のゴール・シャイは治りません。(なかなかシュートを打たないのだから、シュート・シャイか?)

今から20年近く前は「欧州や南米に比べ、アジアやアフリカの選手のゴール・シャイはひどい、もともとサッカーに向いていないのではないか」と言われたものですが、エトオやドログバなどの登場で、アフリカはゴール・シャイを克服したように思います。

日本も経験を積むことで克服できると信じます。

しかし、相手ゴール前にボールを運べないのでは、シュートを打つことすらままなりません。

日本の生命線は、やはり攻守に渡る高い組織力であり、そうしたサッカーを実現できる監督が求められています。

 北京五輪は大変残念な結果に終わりましたが、下手にオーバーエージを入れてそこそこ結果が出てしまい、この世代が今の弱点をかかえたままフル代表に上がって手遅れになるよりはよっぽど良かったと思います。

オシムは、大会に勝ってフル代表に選手を1人も供給できないユースチームもあれば、大会に負けたがフル代表に多く選手を供給するユースチームもある、そのどちらが良いチームなのか、といったようなことを言っていました。

長い目で見て、北京五輪での挫折を乗り越えた多くの良い選手が、フル代表にのし上がってW杯で好成績をあげれば、北京でメダルを取る以上の成功と言えるでしょう。

重要なのは、「北京で失敗したからもう終わった」ではなく、これからどうするかだと思います。

当ブログ関連記事・日本代表にふさわしい監督とは?



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