■2008年02月

■東アジア選手権の最終戦はドロー(その2)

その1

 つづいて守備面を見ていきましょう。

日本も中盤でプレスはかけていましたが、相手にしっかり体を寄せなかったり、ポジショニングが適切でなかったりした場面もありました。

プレスをかけるときはもちろん守備においては、相手のボール保持者と自軍ゴールを結んだ直線上に常にポジショニングするのが基本です。相手との距離は相手の技術やスピードを見て決めます。(下図参照。赤がボールを持った敵、青丸が正しいポジショニング。青線の一重丸は間違ったポジショニング)

ポジショニング6

(クリックで拡大)

相手も激しく動いているのですから、相手のボールを奪おうと夢中になって直線上から外れてしまうと(図の×印)、シュートを食らったり、決定的なパスを出されたり、ドリブルやルーレットの動きで突破されたりしてしまいます。

 また、相手選手にタテパスが入る時、日本の選手は相手がパスを受けてから応対しようとするシーンが多かったですが、タテパスを相手がトラップする前に密着マークして、後ろから足や頭などを出して先にカットしてしまう積極的な守備姿勢が求められます。

それが出来ていたのは、唯一中澤選手だけでした。

 さらに日本はこぼれ球への予測も遅く、フィフティフィフティのボールの多くは韓国が拾っていました。空中戦でのフィジカル勝負でアジアを勝ってきた韓国だけに一日の長があるといった感じでした。

たとえば、韓国側が中澤のやや後方にロングボールを放り込んで、味方FWに空中戦を挑ませます。

もし中澤が勝ったとしても下がりながらヘッドでクリアせざるを得ず、そうなるとクリアが小さくなって中澤の半径45°前方のだいたい10m以内にボールが落下するのが予測できます。

そこで韓国の別の選手は中澤がクリアした瞬間に落下地点を予測して一歩目を踏み出していますが、周囲に居る日本選手はボールが落下地点に落ちそうになってから動き出しており、これではフィフティフィフティのボールを韓国がほとんど拾うのは当然です。

こうした予測を速くしてボールを拾うやり方は、逆に日本が攻撃する時も守備する時も使えるので、しっかりとマスターしたいところです。

サッカーは足技だけでは勝てません。攻撃も守備も次のプレーを予測する力が大切なのです。

 失点は、まず内田の応対が遅れ、相手に正確なクロスを許してしまったことと、センターバックがボールだけを見ていて、相手の一番危険な選手をフリーにしてしまったことが原因でした。

内田がもっと早く相手との間合いをつめてパスコースを限定し、できればプレスをかけて相手のミス・クロスを誘うこと、

次にCBですが、まず自分のヘソをタッチライン沿いに居る選手ではなく相手陣地方向に向けていれば、クロスと相手選手の両方を視界に入れることができますから、慌てて足を滑らすようなことも無くて済みます。

クロスがそれを合わせる相手選手無しに、ひとりでにゴールすることはありませんし、ひとりでにゴールへ向かうボールがあるならGKに任せれば良いのです。

それが出来ていれば、もしうっかりマークをずらしてしまって相手選手をフリーにしてしまっても(本当はいけないことですが)、落ち着いて相手のシュートコースに体を入れれば、まだ失点を防ぐチャンスはあります。

W杯という「入試本番」では、こうした守備の基本問題で取りこぼしていると、「合格」はおぼつきません。代表やクラブでの練習で確実に基本をマスターしておくことが大切です。

 最後に、中国戦のエントリーで指摘したメンタル面ですが、韓国のバイタルエリアに入ってからの日本選手は、全身に力が入りすぎのように思われます。

ドイツW杯クロアチア戦でのQBKも関係してくる話ですが...

ヘディングシュートも頭を振りすぎて外してしまったり、3~4m先の味方へパスするにも、シュートのように強いパスを出したりと全身に力みが見られます。

日本の選手は技術がありますから、もっと自分を信じて落ち着いてプレーして欲しいと思います。

その意味でも、この大会は貴重な経験になったのではないでしょうか。

 それでは東アジア選手権の総括をしたいと思いますが、タイ戦のエントリーで少しふれましたが、私はこの大会の戦略目標は、若手・控えに経験を積ませFWとCBの層を厚くすることと、できるなら優勝して結果も勝ち取ることだと考えていました。

優勝できなかったのは大変残念でしたし、勝負にこだわる姿勢は常に大事です。

ただ、選手育成と優勝獲得の両立が難しいのも事実で、ある程度の割りきりも必要だと思います。

 今大会では、安田・田代・内田・川島など若手選手に経験を積ませることができたのは収穫でした。私自身は、岩政・前田両選手がケガで離脱したのが非常に残念でしたが。

特にこの大会、失点はいずれも中澤がゴール前から引きずり出されたときに起こっています。

できれば身長185cm以上あってフィジカルがめっぽう強いタイプのCBが、中澤の他に最低もう一枚は欲しいところです。

その意味でも岩政がインターナショナルレベルでどれくらい通用するか、見てみたかったです。

 育成だけでなく、アウェーでフルメンバーの中国に勝ち、それなりの結果も得られました。

もし戦略目標のプライオリティーが大会優勝にあったのなら、どうして北朝鮮戦で、山岸・羽生・水本・川島の各選手を先発させて選手育成を優先するような布陣を組んだのかということになります。

 システム論で言えば、日本は良いMFが多く、ついあれもこれもと欲張って気がついたらワン・トップにしていたというケースが多いのですが、いくらMFの枚数を増やしても効果的に動けないなら、パスはまわらない・攻めが機能しない・ワントップが孤立してシュートは減るばかり、というのが今更ながら良くわかった大会だったのではないでしょうか。

2トップは単にシュートする人間が二人いるというだけでなく、前線でお互いに連携して片方がもう一人のためにチャンスメークするという意味もあります。

ワントップではそれができず、二列目がもっと積極的に前へ出てFWにからみつつ、どんどんシュートしなければ機能しません。しかし、パサータイプが多い日本のMFはそれが苦手です。

 というわけで、日本代表はこの大会で、アジアトップクラスであるというのは証明できたと思います。

今後は練習などでしっかり基礎を固めて、自分たちのサッカーをよりレベルの高い相手にもやり通すことができるように常に世界を意識しながら、地に足をつけて着実にレベルアップしていって欲しいと思います。

そうすれば、韓国相手に絶対勝利が欲しいという場面でも互角で終わってしまうのではなく、5割以上の確率で勝ちが望めるような試合ができるようになると思います。

 次回はW杯予選のバーレーン戦です。勝てれば最高ですがどんなに悪くとも引き分けなければなりません。

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 2008.2.23  重慶・奥林匹克体育中心


     日本  1  -  1  韓国

   
  '68 山瀬          '15 ヨム・ギフン


GK 川口        GK キム・ヨンデ
 
DF 加地        DF チョ・ヨンヒョン
   中澤           カン・ミンス
   内田           カク・テヒ
   今野
             MF イ・ジョンミン
MF 遠藤           チョ・ウォンヒ
   山瀬           キム・ナムイル
  (播戸 87)       (ク・ジャチョル 58)
   鈴木           パク・ウォンジェ
   中村憲          オ・ジャンウン
  (安田 63)
   橋本        FW チョ・ジンス
  (矢野 79)       (イ・グンホ 67)
                ヨム・ギフン
FW 田代



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■東アジア選手権の最終戦はドロー

 東アジア選手権の最終日、日本は優勝をかけて韓国と戦いましたが1-1の引き分けとなり、優勝はなりませんでした。

 対戦相手の韓国は、日本とほぼ互角の相手。
W杯3次予選の結果から見て、現在の勢いは韓国の方が少し上と考えていました。

ただ、お互い国内組のみでメンバーを組み、双方ケガ人が出てベストの状態でもありませんでした。その意味でも条件はほぼ一緒であり、1-1という結果はまあ妥当なものと言えるでしょう。

しかしながら、韓国とは勝ち点で並び得失点差も一緒、直接対決も引き分けで、総得点の差という僅差で優勝を逃してしまったことは大変残念でした。

アジアカップの3位決定戦となった前回の日韓戦は、試合内容に見るべきものがほとんどありませんでしたが、今回は90分戦って同点という結果こそ同じですが、それなりに内容のある試合だったと思います。

 それでは試合展開を振りかえります。

立ちあがりから厳しいプレス守備で、韓国がやや押し気味に試合をすすめます。

日本は韓国のプレス守備につぶされて、得意のショートパスによる攻撃がなかなかうまくいかず、ワントップの田代選手も孤立ぎみで、シュートチャンスをつくれません。

韓国の流れのまま前半15分、左サイドからパク・ウォンジェがクロス。
中央でフリーとなっていたヨム・ギフンのボレーシュートが決まり先制。

この後も韓国の激しいプレスに苦しみ、なかなか良い形をつくれませんが、中村憲選手の惜しいシュートが2本ありました。

内田選手のシュートも惜しかったですが、ワンタッチ余計でした。
その一つ前のタッチでファー側へシュートすればベストだったと思いますが、内田のチャレンジ精神を買います。

 後半も激しくプレス守備をかけ続ける韓国のペース。

日本はロングパスで局面の打開をはかろうとしますが、空中戦も韓国が優勢で重苦しい時間が続きます。

18分、ロングパスの基点になっていた中村憲を下げて安田選手を投入すると、少し流れが変わります。

23分、遠藤選手がショートコーナー、内田がペナルティーエリア中央へ流すと、走り込んできた山瀬選手がミドルシュート! 

これが決まって同点。

30分ぐらいになると、韓国もさすがに足が止まってきました。
日本はまだスタミナが残っているようで、ここが勝機だったと思います。

日本はFWの枚数を増やし、ゴール前へロングボールを放りこむパワープレーで逆転を狙いますが、やはり空中戦は韓国が優勢。

こぼれ球への反応も韓国が速く、ボールを拾った韓国はキープして時間を消費します。

日本はほとんどシュートチャンスをつくれないまま、1-1で試合終了のホイッスルとなりました。

 相手が日本よりフィジカルで勝る場合、得点の可能性が低いロングの放りこみによるフィジカルサッカーで1点を取りに行くのが良いのか、韓国の足が止まりかけていただけに、攻撃回数は少なくてもより得点の可能性が高いショートパスでの崩しが良いのか、疑問が残る采配でした。

 次に試合内容を分析しますが、まず攻撃から。

今回の対戦相手韓国のプレス守備は、岡田ジャパンが発足して以来、一番厳しいものでした。

そのため、日本の持ち味であるショートパスでの中盤の組み立てがなかなかうまくいかず、相手のプレス守備を回避するため、浮き球のロングパスで局面打開をはかろうとしましたが、ボールの落下地点で繰り広げられるフィジカル勝負の空中戦も日本が劣勢で、後半の半分くらいまで、あまり効果的な攻めができませんでした。

またどこへパス出ししようか考えて、長時間ボールを持ちすぎてしまっているうちに、相手選手に3人4人と囲まれボールを組織的に奪われてしまいました。

 当・国際サッカー戦略研究所では、日本代表が浮き球のロングパスを使ったフィジカル勝負のサッカーをすると批判することが多いですが、もし日本代表が身長185cm以上の選手をズラリと並べ、フィジカルの強さも世界トップレベルというなら、そういったスタイルのサッカーをやっても悪いとは言いません。

しかし、あるサッカースタイルに選手の方を当てはめようとするのはありがちな間違いで、選手の長所を生かし、短所をカバーするようにサッカースタイルの方を選手に合わせなければいけません。

日本の場合、技術と持久力と俊敏さが長所であり、平均身長の低さ・フィジカルの弱さが短所です。

そうした日本人の特徴にあわせたサッカースタイルが、オシムジャパンに代表される、ショートパスで相手を崩して走り勝つサッカーです。(もちろんロングパスが正しい局面もありますが)

W杯3位以上という目標をかかげたなら、自分たちの長所を生かしたサッカースタイルをワールドカップの本番でもやり通せなければ勝機は見えてこないでしょう。

自分から相手の得意な土俵へ引きずり込まれては、苦しくなります。

今回韓国と1-1の引き分けという結果自体は特別悪いものとは思いませんが、韓国レベルのプレス守備で、ショートパスによる組み立てがうまくいかなくなってしまうのであれば、ワールドカップの本番でイタリア・フランス・アルゼンチンなどの選手がガツガツ激しくボールを取りに来たら、やはり日本は自分たちのサッカーが出来なくなってしまうのではないでしょうか。

アジアのその先を見据えるならば、アジアトップクラスという現状に満足せず、さらなるレベルアップを目標にかかげ、着実に一歩一歩前進する必要があります。

 それではどうして今回、ショートパスによる組み立てが出来なくなってしまったのか、連動性をもったパスのつなぎが出来なかったのかですが、

グラウンダーのショートパスというのはトラップしやすく、シュートにしろパスにしろドリブルにしろ次のプレーへつなげるのが容易、フィジカルの弱い選手でも容易にパスゲームが出来るという長所があります。

しかし相手選手の死角(背後)にいる味方へは出すことができないのが短所です。

よって、あるスペースにおけるパスコースやボールを受ける適切なポジショニングというのは限定されてきます。

そして韓国の激しいプレス守備によって、刻々とスペースの形・大きさが変わるなか、日本の選手が適切なポジションを取るための修正が遅れたから、うまくつなげなかったのです。

どうして適切なポジション修正ができなかったのかと言えば、まだまだ日本代表選手はグラウンダーのショートパスをスペースのどこで待てば良いのか、パスを出す方もスペースのどこへ出せば良いのかの基本的なお約束が、完全にはマスターできていないからです。

東アジア選手権の日本代表は、オシムジャパン時代よりショートパスによる組み立ての連動性が少しレベルダウンしていることもちょっと気になります。

 以下に、その基本的なお約束の例をあげておきます。

青が味方選手、白丸がボール、赤が敵選手です。
青線の二重丸は適切なポジショニング、×付きの一重丸は間違ったポジショニングです。

ポジショニング

(クリックで拡大)

これは3人の敵選手に囲まれたスペースですが、そのスペース内で3人の敵選手の誰よりも一番遠い場所(青丸)が、適切なポジショニングです。

ここでボールを受ければ、相手が体を寄せてくる前に次のプレーを実行する時間が稼げます。

このスペース内にあらかじめ味方がいても、これからこのスペースに味方が走りこんでくる場合でも、パスを出す選手はこの場所を狙います。

このポジションにいる選手が次のスペースへ走り出したら、別の味方がそこへ走りこんで来ている以外、もうそこへはパスを出せません。

この狭いスペース内において、味方の足元では無く、スペースにパスを出してはいけません。
そのパスは味方よりも敵選手が早く追いついてしまう危険性があります。

これらのことはパスを出す方も受ける方も共通のお約束・共通理解です。

チーム全体に共通理解があれば、今よりもっとスムースにパスがつながるはずです。

 次に、4人の敵選手に囲まれたスペースの場合。

ポジショニング2


上の場合とお約束事項は同じです。

始めからスペースのど真ん中に居るべきというより、トラップして前を向いた時そうなるよう、自分のトラップのスペースの分だけ余裕を見ておくと良いかもしれません。

 次はタッチライン沿いの敵選手2人に囲まれたスペース。

ポジショニング3


足元に出す(足元で受ける)なら、青丸の選手が適切なポジショニングです。

次のスペースで受けたい(次のスペースにパス出ししたい)なら、青線の二重丸が適切な場所。

しかし日本選手の場合、×印をつけた青線一重丸の非常に窮屈なスペースでボールをもらおうと待っている人や、青丸の選手が前へダッシュを始めると、×印をつけた一重丸のスペースへパスを出そうとする選手が少なくありません。

これはまだ基礎ができていないということです。

ここは敵選手に非常に近いため、トラップした瞬間に体を寄せられて奪われたり、直近の敵によるパスカットを防ぐために、非常に強いパスが必要なので、パスミス・トラップミスにもつながりやすいのです。

敵の最終DFラインでの受け方。

ポジショニング4



相手のマークを外すため、二人の敵DFのちょうど中間点にできるマーク・ギャップにポジショニングします。相手のDFが密着マークしてきて、それと一緒にちんたら歩いているようではダメです。

これに関連して、これまで述べたようなポジションに前もって居たら、相手がマークするため近づいてきて、せっかくのスペースがつぶれてしまうと言う人がいるかもしれませんが、だからこそ良いのです。

相手がフリーでいる味方をマークするため近づいてくるということは、相手の陣形が崩れて新たなスペースが生まれていることを意味します。

そこを使えば良いのであって、そうしないからなかなか相手の守備隊形が崩れないのです。

 最後は少し応用問題。

ポジショニング5


今、ボール保持者が2番の選手にパスを出そうとしていますが、2番の死角にいる1番の選手は、2番の選手がパスを受けてから次のスペースへ動いたんでは少し遅いです。

スペースのどこにパスを出すか、受けるかのお約束は決まっているのですから次のプレーを予測して、2番にパスが出た瞬間、1番の選手は次のスペースへ動いていなければ、高い連動性は望めません。(第三の動き)

そして、2番の選手は1番の選手にパスをはたいた後、1番を追い越して次のスペースへ動き出すと、より高度な攻撃となります。

 以上のことはあくまでも基本であって、実戦ではさまざまな形のスペースが現れては消えていきます。相手が激しくプレスをかけてくれば、スペースの形がものすごい速さで変化していきます。

そうした応用問題にも対応できるよう、まず基礎をしっかりと身につける必要があるでしょう。

日本代表の攻撃の生命線は、高い連動性によるショートパスでの崩しです。

次回につづきます



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■日本、中国に我慢の勝利!!

 日本代表、東アジア選手権の二戦目はホスト国・中国との試合でしたが、1-0で見事勝利を得、勝ち点3をゲットしました。

対戦相手の中国は、前回W杯予選に2007年アジアカップと不振を極め、2010年W杯アジア予選は1次から相当気合が入っていて、3次予選の初戦でアジアカップ王者のイラクと対戦、中立地で引き分けに持ちこむなど、最近かなり勢いづいていました。

メンバーも、チャールトンでプレーするシェン・シこそいませんでしたが、ほぼベストメンバーを組んできました。

日本としては、こちらのゴールキックが相手CKになり、日本のゴール前でファールを受けても相手のFKになってしまい、こちらのゴールがオフサイドで取り消されるといった、レフェリーのホームタウン・デシジョン(地元びいき)も計算に入れて、引き分けを獲得できれば収穫ありと考えていましたが、1-0で勝利して勝ち点3をゲットするなど、最高の結果となりました。

素晴らしいです。

 それでは試合経過を振り返りましょう。

前回の反省からか、試合の立ちあがりから日本が積極的にプレス守備をかけ、やや日本ペース。

前半17分、駒野選手が左サイドを突破してクロス、これは飛びこんだ田代選手にあわずGKがクリア、しかし、山瀬選手がクリアボールの落ち際をボレーシュート!これが見事に決まって日本先制。

ここから先制した日本がやや引き気味になり、それに乗じて身長180cmオーバーの選手をズラリ揃える中国が、自分たちのフィジカルの強さを生かすためにロングやミドルパスを前線へどんどん放りこむ得意の攻撃パターンで日本を押し込みます。

これに対して日本はクリアするのがせいいっぱい。

しかし、中国選手のシュート精度の悪さ、バイタルエリアにおけるファンタジーの無さに救われます。中澤・今野両選手からなるCBも集中してがんばりました。

 そして後半。

前半の攻め疲れからか、中国の足がだんだんと止まりはじめ、ここからようやくスタミナで勝る日本が自分たちのサッカーを出来るようになりました。

相手DFラインの前で細かくつなぎながら、何度か相手GKと一対一の決定的場面をつくりますが、シュートが外れたり、オフサイドにかかったりで決まらず。(田代のゴールはオフサイドでは無いと思いますが)

日本が「ゲームを殺す」ことができません。

後半39分、リー・ウェイフェンに小突かれた鈴木選手がエキサイト、両チームが小競り合いをはじめると、敗戦ムードでどんより沈んでいたスタンドが急に活気づきます。

これが中国代表の闘志に再び火をつけ、怒涛の反撃開始。

ロスタイムも5分!と、レフェリーも味方します。

それでも中国のゴリゴリのパワープレーをなんとかしのいで試合終了。
日本が貴重な勝ち点3をゲットしました。

 今回の勝因は、個の能力で日本が中国を上回ったからだと思います。

GKのクリアがこぼれてくる方向をあらかじめ予測し、鮮やかなボレーシュートを決めた山瀬のポジショニング能力と決定力、中澤の守備能力、そして1~2点は失点を防いだであろう楢崎選手のGKとしての高い能力。

そして選手個々が中国よりスタミナで上回り、走り勝つサッカーをすることができました。

ダブルボランチに変えて守備が安定したことも良かったです。逆にワントップはあまり機能しなかったように思います。

アウェーで中国を下し、日本はアジアサッカー界で依然、先頭集団を走っていることを証明できました。

素晴らしい結果です。

 で、日本がアジア予選を突破して、W杯に出場するのが最終目標というのであれば、これ以上書くことはありません。

今は勝利の余韻にだけひたりたいんだという方は、ここでブラウザを閉じた方が良いでしょう。

しかし、岡田監督は「W杯3位以上」という目標を設定していますので、ここからはW杯で3位以上をねらえるレベルのサッカーを基準として、この試合を振りかえって見たいと思います。

W杯で3位以上をねらえるレベルを基準としてこの試合の日本代表を見てみると、はっきりと課題が見えてきます。

それはまだまだメンタル面でのタフさが足りないということです。

マスコミが盛んに中国人観客の反日感情を書き立て、レフェリーもあからさまに中国寄りの判定で、この試合で日本代表が受けたプレッシャーはさぞ大きかったことでしょう。

しかし、W杯本大会のグループリーグ三試合はもちろん、決勝トーナメントの1試合目、そして準々決勝、準決勝でかかるプレッシャーはこの試合の比では無いはずです。

このシュートが決まれば、グループリーグを突破できる・準々決勝を突破して4位以上が確定するという場面で、日本の選手は氷のような冷静さでゴールを決めていかなければ、岡田監督が立てた目標を達成するのは夢のまた夢です。

PK戦にもつれこむことだってあるでしょう。

この時、常時W杯で3位以上が狙える国が相手となる可能性は高いです。 
イタリア・フランス・ドイツ・アルゼンチン・ブラジルなどなど...

そういう状況の中で、日本代表選手が冷静さと自分たちのサッカーを見失わないように、タフな精神力を身につけなければなりません。

 それでは今回の中国戦における日本代表はどうだったかと言えば、特に前半は、先制した後やや気持ちが受身になり、そこから中国にガンガン押し込まれると自分たちのサッカーを見失ってしまったように思います。

前半に限って言えば、06年W杯のオーストラリア戦とそっくりの展開でした。

うまい具合に日本が先制するのですが、そこから気持ちが守りに入ると、相手がフィジカルの強さを生かすべく前線にロングやミドルパスをどんどん放りこんできて、落としたところを二列目が拾ってチャンスに結びつけようとしてきます。

これで日本は完全に押し込まれてしまい、相手の攻撃をなんとか防いでも、相手のサッカースタイルにお付き合いするように、ロングボールを前線に放りこむ雑なサッカーをしてしまいます。

しかしこれは相手の得意な形であり思うツボ、相手はフィジカルの強さですぐさまセカンドボールを拾って、ふたたび前線に放りこんできて日本は防戦一方になるばかり。

日本はゲームのコントロールを失っていました。

強いプレッシャーがかかる試合、苦しい展開の試合では、日本代表は自分たちのサッカーを見失い、相手のサッカースタイルにつられて同じようなサッカーをしてしまい、相手の得意な土俵に引きずり込まれてしまうという現象がしばしば見られます。

相手がロングボールを放りこむパワープレーをはじめると、こちらもそれにつられてロングをポンポン放りこみ、相手がCBからFWまで間延びしたチームだと、こちらも間延びしてしまうといった具合です。

 私は中国戦の前半を見ながら、このまま無失点でいければ勝てるが、もし何かの間違いで中国に1点入ったら、あのオーストラリア戦のように引き分けでは済まないかもしれないと考えていました。

そのまま日本に負けてしまうのが中国、同点から逆転・ダメ押しとたたみ掛けられるのがヒディンク・オーストラリアの差です。

この試合、勝因は日本が個の力で中国に上回ったからと言いました。

ロングの放りこみで個の能力勝負に持ちこむ場合、中国の様に相手が日本より劣っているなら良いかもしれませんが、ビドゥカ・キューウェル・アロイージなどを抱え、個の能力で日本と互角かそれ以上のオーストラリアだととたんに通用しなくなります。

世界を見渡せば、イタリア・フランスやアルゼンチン・ブラジルなど個の能力で日本より上回るであろう国はたくさんありますし、アジアでそこそこ通用すれば良いのならともかく、W杯で3位以上を狙うならそういうサッカーをしていてはダメです。

 相手にパワープレーで押し込まれて苦しくても、冷静に自分たちのサッカーを見失うことなく、チームでボールをなるべくポゼッションしてボールを落ち着かせ、できれば反撃する。

それで得点できなくても相手の攻勢を弱め、相手の足が止まってくるのを待つ。

スタミナ勝負となれば、走り勝つサッカーをかかげる今の日本代表なら勝機が見えてくるでしょう。

そのためには、どんなプレッシャーのかかる試合でもタフな精神力で自分たちのサッカーを見失わないようにしなければ話になりません。

 今回の中国戦は前半は苦しい展開でしたが、ハーフタイムで岡田監督から「落ち着いてつなげ」という修正が入り、後半から自分たちのサッカーを少し取り戻すことができました。

それでも各選手のポジショニングやパスのスピードと方向の選択が悪く、バテバテでDFラインの前にポッカリと広大なスペースをつくっていた中国からダメ押し点が取れませんでしたが。

 後半、鈴木選手が相手に小突かれてもみ合いになりましたが、あそこは倒れて相手にレッドでもプレゼントするか時間を消費した方がマリーシアだったと思います。

逆に中国選手を突き飛ばしたので、「日本には10年勝っていないし今日も負けだ」というムードが充満していた観客と中国代表の闘志に火をつけてしまい、勝ったから良かったものの怒涛の反撃を呼びこんでしまったのは冷静さを求められるキャプテンとして残念だったと思います。

 中国戦は、現時点におけるギリギリの精神力を試され、どこまでやれるか限界を確認できたという意味で、日本代表にとって貴重な経験でした。

そしてW杯の準々決勝、準決勝でも自分を見失わないようなタフな精神力を今後養って欲しいと思います。

次回の韓国戦、クラシコだからといって頭がカーッとなってしまうと苦しくなるでしょう。
観客も韓国を応援するかもしれません。

中国戦の良い経験を胸に、ハートは闘志で熱く、しかし頭脳は氷のように冷静に、積極的なプレーを日本代表に期待したいと思います。

 最後に、中国の野蛮かつ汚いにもほどがあるプレーやそれをスルーするレフェリーには私自身怒り狂っていますが、日本のマスコミやテレビの解説者・アナウンサーは、レフェリーのホームタウン・デシジョンやプレー中の観客の応援やブーイングに、いちいち過剰反応しすぎじゃないでしょうか。

たとえば日本がW杯予選のプレーオフにまわって、FIFAの決定で南米のウルグアイや欧州のトルコとH&Aで戦わないといけなくなったとしたら、モンテビデオのセンテナリオスタジアムとか、イスタンブールのアリ・サミ・イェンスタジアムの熱狂的な応援とアウェーチームへのプレッシャーは、きのうの重慶なんて問題にならないと思います。

ジーコジャパン時代にハンガリーやラトビア、ウクライナに遠征しましたが、やはりレフェリーはかなり地元びいきでした。

FIFAが100%中立公平な判定は無理と考えているからこそのH&Aでしょうし、アウェーゴール2倍ルールでしょう。

レフェリーがホームでもアウェーでもほぼ公平で、ぶつかって倒れたらすぐファールを取ってくれて、観客のマナーも非常に良い日本は大変恵まれた国です。

しかし日本は、レベルの低いレフェリーが支配し、ラフプレーが横行するリーグを持つ国々に囲まれています。ここはサッカー先進地域ヨーロッパではなくアジアです。

私も以前CSでKリーグとかアジアクラブ選手権とかアジアン・フットボール・ショウなんかを見ていましたが、ラフプレーは、まあひどいものでした。

 汚いプレーには大反対ですし、不可解な判定をしたレフェリーに質問したり、軽く抗議したりするのは良いと思いますが、地元びいきだからといって日本側がイライラしたり、カーッとなって冷静さを失うのは、相手チームとそれを応援する観客の思うツボだと思います。



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  2008.2.20    重慶・奥林匹克体育中心



      中国  0  -  1  日本


                '17 山瀬


GK ゾン・レイ        GK 楢崎

DF チャン・シュアイ     DF 中澤
   スン・シャン          内田
   リー・ウェイフェン       駒野
   シュー・ユンロン       (加地 46)
                   今野
MF ワン・ドン
  (チャオ・ジュンツェ 54) MF 鈴木
   ドゥー・チェンユー       中村憲
   リュウ・ジェン         遠藤
  (ルー・チェン 60)       安田
   チョウ・ハイビン       (羽生 59)
  (ハオ・ジュンミン 76)     山瀬
                  (橋本 90+)
FW チュー・ボー
   ジュー・ティン      FW 田代




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関連記事・日本、オーストラリアに逆転負け
  

■東アジア選手権、初戦は引き分け

 きょう17日から中国・重慶で始まった東アジア選手権。

日本の初戦は対北朝鮮戦でしたが、1-1の引き分けとなりました。

 対戦相手の北朝鮮は、国内組に日本・韓国・中国でプレーする海外組を加えて、ほぼベストメンバーを組んできました。

日本との力関係はだいたい互角、やや日本の方が上回るかと評価していましたが、日本は若い選手や控えにまわることが多い選手に経験を積ませるといった感じのスタメンを組みました。

それを踏まえると勝てなかったのは残念でしたが、引き分けという結果はまあ妥当と言えるでしょう。

 今回は試合の前にいくつか疑問点があります。

まず、選手団・マスコミから「北朝鮮は引いて守ってくる」ということが盛んに言われていましたが、誰がそんなことを決めたのでしょうか。北朝鮮の監督が「絶対そうする」と約束でもしてくれたのでしょうか?

岡田ジャパンの首脳陣がW杯予選のヨルダン対北朝鮮戦のビデオを見て、そう判断したのかもしれませんが、もし本当にそうであるならば、失点の半分の責任は首脳陣の判断ミスにあると思います。

私が見た限り、北朝鮮は立ちあがりから普通に攻めてきたように思います。

そして先制点をあげると、おそらく当初のゲームプランだったのでしょう、守備に重点をおいたプレーをしてきました。

やがて後半になるとスタミナ切れで足が止まり、日本に押し込まれっぱなしになりましたが、それについて彼らは予測していなかったと思いますが。

世界各国のチームは、ホーム・アウェー・ニュートラル、そして相手との力関係で、まったくサッカーのやり方を変えてくるのが普通です。

いつでも同じペースで同じように試合をする日本の方が少数派でしょう。

日本側が「自分たちがそうだから相手もそうだろう。北朝鮮はアウェーのヨルダン戦は引いていたからこの試合も...」と決めつけてしまうと、今日の日本代表のように、思わぬ北朝鮮の攻撃にあわててしまうことになります。

 また、今日の試合の主審・副審は韓国人でしたが、日本対北朝鮮の試合で、北朝鮮人と同じ民族である韓国人レフェリーというのは公平性の面でどうかと思います。

国家統一への思いが薄いアラブの場合とは同列に扱うことはできません。

こうしたことを防止するのは「政治」の仕事、つまり日本サッカー協会会長の仕事じゃないのでしょうか。

それでは試合を簡単に振り返ります。

 キックオフ直後から激しくプレスをかける北朝鮮の守備に日本が戸惑い、やや押されるという立ちあがり。 

前半6分、CKが跳ね返されたあと、北朝鮮が中盤でパスを組み立て直し、ポストプレーをするためやや下がったチョン・テセにボールが渡ると、マークについていた水本選手が足をすべらせ、その隙に前を向いたチョンが、内田・加地両選手の間からミドルシュート。

これが決まって北朝鮮が早々と先制。

北朝鮮が守備に重きをおくプレーに切り替えたため、15分あたりから何とか日本代表も落ち着きを取り戻しますが、中盤でのパスの組み立てがうまく行かず、押し込んでいる割にはクロスやシュートシーンをなかなかつくれずに時間だけが過ぎていきます。

41分にCKから中澤選手の惜しいヘッドがありましたが、ゴールマウスに張っていた北朝鮮の選手がクリア。

 後半も同じような展開。

しかし後半も10分を過ぎたあたりから、前半飛ばしすぎたのか北朝鮮の足が止まり始めます。

24分、後半から出場の安田選手が左サイドを突破してクロス、これを相手GKが何とかクリアするものの、そのボールを前田選手が押し込んで、日本が追いつきました。

その後も日本が優勢に試合をすすめますが得点には至らず、1-1の引き分けとなりました。

 つづいて試合内容を、まず攻撃から分析します。

前半は、中盤の組み立てがなかなかうまく行きませんでした。

前半は北朝鮮のプレス守備が非常に激しかったせいもありますが、羽生・山岸の両選手のポジショニングが適切では無かったと思います。

中盤の底にボランチの鈴木選手がいて、そのまわりを遠藤選手がサポートしていましたが、この二人から羽生と山岸は離れすぎていて、逆に言えばFWのラインに近すぎて、鈴木・遠藤と適切な距離を保てていませんでした。

チーム全体としては、DFラインからFWのラインまで間延びしてしまったことが、ボールがうまくまわらず、ミスパスが多かった原因となりました。

また、FWが前へ前へと焦ると、ウラを取られたくない相手DFはラインを下げますし、攻撃的MFも前へ前へと焦ると、相手のボランチを引き連れてきてしまうわけで、何でもかんでも前へ行けば点が取れるというものではありません。

先制点を与えた後、北朝鮮が引き気味になった原因の半分は日本側にあると思います。

攻撃的MFは味方の守備的MFのラインと適切なサポート距離を保ち、FWは攻撃的MFのラインとのサポート距離に気をつける。

そうすることによって、相手DFラインを上げさせる、もし上げてこないならばその前のスペースを利用すれば良いわけです。

このあたりのスペースの使い方、正しいポジショニングの取り方が理解できていないところが、日本サッカー界の弱点だと思います。

 前半は、中盤とともにサイド攻撃もうまく行きませんでした。

相手が引き気味になった後、サイドから突破されるのを警戒していたのに、わざわざそこでの細かいパスまわしにこだわり過ぎて、結局相手にボールを引っ掛けてクロスのチャンスを失っていました。

相手が引き気味ということは、ゴール前へ上げるアーリークロスの距離も短くて済みます。ということはクロスの精度を高めることができるということです。

しかも北朝鮮のGKは相変わらずハイボールのキャッチングが不安定で、日本の両サイドはもっとシンプルに、アーリークロスを入れて中の選手に勝負させた方が得点のチャンスが増えたと思います。

これもスペースの使い方の応用問題と言えるでしょう。

 良かった点は、北朝鮮に走り勝ったということです。

北朝鮮は、後半も10分過ぎになるとガックリと運動量が減りましたが、日本代表は試合終了まぎわまで、あまりペースが落ちませんでした。

これが同点に追いつくことができた大きな要因のひとつです。

試合の立ちあがり、日本が北朝鮮の攻勢を落ち着いて受け止め、無失点に抑えることが出来ていれば、この試合勝てた可能性は高かったと思います。

 守備面では、日本のプレス守備もまずまずでしたが、フィフティ・フィフティのボールに対して、日本の選手の反応が遅かったり、全力で走れば相手より先にボールに追いつけるのに抜かれるのが怖いのか、わざとスピードを落として相手に持たせてしまう場面が目につきました。

タイとは違って、北朝鮮はフィジカルの強さでは日本と互角かやや上で、前の試合とは勝手が違いました。

日本もボディコンタクトで負けない、玉際の競り合いに負けないように、積極的な守備を心がけて欲しいと思います。

 失点のシーンは、まずチョン・テセのシュートを誉めるべきですが、酷かもしれませんが水本のミスも指摘しなければいけません。

その瞬間、中澤が左サイドに引きずり出されていたので、水本が抜かれた後、守備があまり強くないサイドバックの加地・内田しか残っておらず、そこから失点してしまいました。

中澤もあまりゴール前を空けて欲しくはないのですが、このあたり次回までの課題でしょう。

 この試合、若手や控え組が多く出場していましたが、羽生・山岸・加地あたりは今のままではキツイです。

代表の練習やJリーグの試合で、もっと自分を高めていって欲しいです。

水本も、CBとして特別背が高いわけではないし、フィジカルも抜群に強いわけではないので、
たとえば、誰にも負けない読みの速さ・正確さを身につけるとか、体の横幅を広くするような体づくりで、絶対的なフィジカルの強さを身につけるなどしないと、将来世界レベルでプレーするにはちょっとキツイと思われます。

彼は若いですから、まだいくらでも「伸びしろ」はありますので、がんばって欲しいものです。

ゴールした前田、ゲームの流れを変えた安田、後半の後半あたりから攻撃にかみ合ってきた田代など、その他の選手は、貴重な経験を積めたのではないでしょうか。

 というわけで今回の北朝鮮戦、岡田監督はバックアップ組に経験を積ませながら勝つというプランを考えていたようです。

勝てなかったのは非常に残念でしたが、経験を積ませる方はまずまずだったのではないでしょうか。



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  2008.2.17  重慶・奥林匹克体育中心

    日本  1 - 1  北朝鮮


  '69 前田       '6 チョン


GK 川島       GK リ・ミョングク

DF 水本       DF リ・ヨンイル
   加地          リ・クァンチョン
   中澤          パク・チョルジン
   内田          ハン・ソンチョル
  (駒野 77)       ナム・ソンチョル

MF 遠藤       MF パク・ナムチョル
   羽生         (チェ・チョルマン 78)
   山岸          アン・ヨンハ
  (安田 65)       ムン・イングク
   鈴木          キム・ヨンジュン
              (キム・クミル 68)
FW 播戸
  (前田 64)    FW チョン・テセ
   田代




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■日本代表、タイに完勝!

 きのう行われた2010年W杯アジア三次予選の第一戦、日本対タイは、4-1で日本の完勝におわりました。

 対戦相手のタイは、ベトナムやシンガポールリーグでプレーする海外組と国内組のチームで、ホームの日本としては絶対に勝ち点3を取らなければいけない試合でした。

4-1という結果は満足できるものですし、試合内容もかなり良かったと思います。

マスコミ報道を中心にかなり悲観的な評価になっていますが、FIFAランキングに惑わされているというか、ちょっとタイを過小評価しすぎではないでしょうか。

では試合を振り返りましょう。

 試合は立ち上がりから日本ペース。

タイもベタ引きで試合をするつもりではなかったようですが、日本の高い組織力にズルズルと下がらざるを得なかったようでした。

そして前半21分、タイのゴール前からのFKを遠藤選手が直接決めて日本が先制。

ところがリスタート直後の22分、ティーラテープが揺れて落ちるようなロングシュートを放ち、これが見事に決まって、あっという間に同点。

その後、気を取りなおして日本が攻め続けるものの、得点には至らず後半へ。

 後半も日本が試合の主導権を握りつづけます。

後半の9分、山瀬選手がドリブルで左サイドを突破、折り返しはタイの選手に防がれますが、それがクリアミスとなり中村憲選手に当たったボールがうまい具合に大久保選手の前へこぼれます。

これを大久保が押し込んで再び日本がリード。

21分、中村憲のCKに中澤選手がうまくヘッドで合わせて3点目。

ロスタイムに遠藤のCKを、ファーからフリーになった巻選手がヘッドで押し込んで、タイにトドメを刺しました。

 それではいつものように試合内容をチェックしてみます。

まず攻撃からですが、中盤の組み立てに関しては、人もボールも良く動いてタイの中盤にほとんど仕事をさせませんでした。

またバイタルエリアに侵入してからも、シュートやクロスを上げるシーンを数多くつくり、CKもたくさん獲得できました。

このあたり、日本代表が自分たちの持ち味・アジリティの高さという強みを生かしたサッカーが非常に良くできていたと思います。

チリやボスニアとのテストマッチでは、焦りからか中盤の組み立てが空回りしていて、どうなることかと少し心配していたのですが、 きっちりと本番に間に合わせたのはさすがです。

欲を言えば3-1になった後、バイタルエリア内の、わざわざ相手が密集している局面での細かすぎるパス回しにこだわりすぎていたように思います。

前半からの感じで、もう少しシンプルにクロスを上げるなりしていれば、もっと得点を重ねられた可能性はあります。

今後は、タイよりもっと高いレベルの相手にも、こうした日本らしいサッカーができるように、トレーニングを重ねて欲しいと思います。

 この試合、中盤までの組立てはほぼパーフェクトでしたが、日本がより高い次元へとステップアップするためには、バイタルエリアに侵入してからのプレーの精度をもっと上げること、具体的に言えば、クロスの正確性、シュートの正確性をもっともっと上げることが必要になってきます。

それが達成された時、W杯の決勝トーナメント進出が見えてくるでしょう。

クロスの精度に関しては、駒野選手はもちろん内田選手にはもっとがんばって欲しい。

今は経験不足ゆえに無我夢中でプレーしているのかもしれませんが、そろそろクロスの精度にも気を配れるように。若い彼には期待しています。

シュートを打つ各選手も、最低限ゴールマウスの内側にシュートが飛ぶように、できるならグラウンダーのシュートが望ましいです。

バーの上に”ふかした”シュートだと、GKが前へこぼしたボールを味方が押し込むなど、二次攻撃のチャンスがありません。

 守備に関しても、中盤からのプレスが非常に良く機能し、相手からボールを次々と奪うことができました。

失点については相手の技術を誉めるべきだと思います。

課題があるとするなら、その失点シーンとも関係してきますが、今の日本代表で採用しているワンボランチというシステムでしょう。

これはオシムジャパン時代にも言いましたが、鈴木選手がどうこうという問題ではなく、システムとしてやはりワンボランチだと相手が強豪だったり、カウンター巧者の中東勢だったりすると不安です。

岡田監督としては「攻撃的に行きたい」という気持ちの表れだと思うのですが、試合展開に応じて遠藤選手か中村憲選手に下がってもらってダブルボランチにするか、闘莉王選手が戻ってきたなら阿部選手と鈴木選手のダブルにするといったことを検討した方が、守備がより安定すると思います。カウンター一発でやられる可能性も低くなるでしょう。

稲本選手を呼ぶのも一つの選択肢です。

 最後にタイ代表について触れておきたいのですが、タイに限らず東南アジアのチームというのは、そこそこテクニックがあるのにフィジカルが弱いために試合に勝てないという弱点をずっと抱えています。

これは1980年代までの日本も抱えていた悩みでした。

この試合でも、テクニックが無いからボールを次々と日本に奪われたというより、フィジカルが弱いために日本の選手に体を寄せられて簡単にボールを失い、試合も落としてしまいました。

逆にいえば、日本よりフィジカルの強いドイツやオランダ、スウェーデンやオーストラリアあたりと試合をやる時、日本代表にも同じことが起こる可能性があります。

日本では「サッカーの強さは技術の高低で決まる」という技術崇拝が非常に強いですが、そうした考えは危険というのが、タイ戦の隠された教訓と言えるでしょう。

イタリアやドイツ、イングランドなど欧州リーグに移籍した日本人選手でも「自分のほうがまわりの選手よりよっぽど技術がある」と感じることが多いと思いますが、それでもチームでレギュラーが取れない、試合で結果が出ないという理由は、そのあたりにあると思います。

サッカーの強弱は技術だけで決まるわけではありません。

フィジカルの強さ、ポジショニング能力、判断のスピードと正確性、そして失敗を恐れずシュートする勇気と積極性、もちろんチームの組織力も。

その意味でもアジリティの高さを生かした組織サッカーが日本にとって重要となってきます。


当ブログ参考記事

 それではアジア三次予選の今後の展開についてですが、試合日程を組んだ人は、日本の次に強いのはバーレーンと考えたようですが、私はオマーンではないかと考えています。 

もちろんバーレーンは力のある侮れないチームですが、昨年のアジアカップではいくらアウェーとはいえインドネシアに負けてサウジには大敗、アジア一次予選でもマレーシアにてこずるなど、調子を落としていました。

オマーンはアジアカップで優勝したイラクと引き分け、オーストラリアにはもう少しで勝つところまで行きました。 アジア一次予選でもネパールに順当に力の差を見せつけています。

以上のデータをふまえ、日本対タイ戦のウラで行われたオマーン対バーレーン戦の結果を見ると、なんとアウェーを戦ったバーレーンが1-0で勝利。

バーレーンが調子を急速に回復させてきたのか、それともオマーンが緊張の初戦で重圧に押しつぶされたのかわかりませんが、これは番狂わせではないでしょうか。

今後修正する必要が出てくるかもしれませんが、私は今のところ、日本代表の予選のヤマは6月のオマーンとの二連戦と考えています。

もし三次予選の結果が、最終予選のシードなどに影響するのであれば、何としてもトップ通過が欲しいところです。

次回W杯三次予選、アウェーのバーレーン戦は勝てれば最高ですが、最低でも引き分けなければなりません。

 17日から東アジア選手権がありますが、この機会にFWとセンターバックの層をもっと厚くしたいものです。

FWなら磐田の前田選手あたりにも出てきて欲しいですし、センターバックなら鹿島の岩政選手をモノにしたいところです。

 というわけで今回のタイ戦、
日本代表は、結果はもちろん内容も充実した勝利だったと評価できると思います。


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  2008.2.6   埼玉スタジアム2002

   日本  4  -  1  タイ


 '21 遠藤        '22 ティーラテープ
 '54 大久保
 '66 中澤
 '90+ 巻  


GK 川口       GK コーシン

DF 中澤       DF パティパーン
   駒野          ナタポーン
   内田          アピチェート
   阿部
            MF ナッタポン
MF 遠藤          ニルット
   中村憲         ナロンチャイ
   鈴木
   山瀬       FW スチャオ
  (巻 68)       (アーノン 83)
               ティーラテープ
FW 高原         (ピチットポン 72)
  (播戸 81)       スティー
   大久保         サラユット
  (羽生 87)      (ピパット 77)





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