■2007年11月

■次期代表監督について

 脳梗塞で入院中のオシム監督が少しづつ意識を取り戻しているそうで、まだ油断できない状態だとは思いますが、良いニュースに少しホッとしました。

こうした状況の中、日本サッカー協会はオシム監督のご家族に理解を求めつつ、元横浜マリノス監督の岡田武史氏に代表監督への就任を要請したと報道されています。

私自身は、オシム監督が病気を克服して代表監督に復帰してくれるのがベストだと考えていますが、意識を取り戻したご本人や、アシマ夫人などのご家族が「監督続行は無理」と決断を下したのであれば、それを尊重するより他にないと思います。


 それでは次期日本代表監督についてお話したいと思います。

後任監督として名前が報じられている岡田さんですが、私の頭に残像として残っている岡田さんのサッカーは、Jリーグで頂点をきわめた後、頭打ちになって停滞するマリノスのサッカーです。

アジアにおけるクラブレベルの戦いでも、目立った成功はありませんでした。

代表レベルでは、98年フランスW杯で三連敗に終わったサッカーが印象として残っています。

岡田さんのサッカーは、良くも悪くも日本的なところがある気がします。

ローリスク・ローリターンと言ったら良いでしょうか、リスクをかけない反面、大きな成功からも遠いサッカー、

「虎穴に入らずんば、虎子を得ず」という言葉がありますが、その言葉を使えば、虎の穴に入るような危険なことはしないから、虎に食われずに済むが、虎子を得ることもできないサッカーという印象です。

これは、日本のサッカー選手がなかなかシュートを打てない、ゴール前でもとりあえず無難なパスに逃げてしまうという問題と根は一緒だと思いますし、我々日本人の弱点と言えると思います。

 私は一度負けた人や失敗した人に、もう一度立ち上がるチャンスを与えることについては、積極的に賛成します。

「一度失敗したやつは、もう終わり」という考え方は大嫌いです。

ただ、再びチャレンジのチャンスを与えるには、前回の失敗原因をよく分析し、説得力のある解決策を持っているか、あるいは既に前回の失敗を克服していることが最低条件です。

そうでなければ、同じ失敗をもう一度くりかえすことになるでしょう。

 さて、岡田さんは充電期間をどう過ごされたのでしょうか。リベンジを果たすための具体的かつ説得力のある処方箋は既にみつかったのでしょうか。

それについては私はまったく情報を持っていないのですが、もし処方箋を用意していなかった、これからみつけますというのであれば、後任監督として賛成はできません。

それでは2010年になった時、ポジティブな日本代表の姿が想像できません。

 もし、「加茂監督解任の緊急事態のときに任せたから」「代表監督としての経験があるから」「旧・古河電工サッカー部の人間だから」といった、まずローリスクありきの、いかにも日本人らしい極めて消極的な前例主義・年功序列主義かつプロサッカー界の大前提である実力主義のかけらもない縁故主義で監督を任せるのであれば、日本代表の明るい未来は想像しにくいです。

 確かにW杯予選まで3ヵ月と迫っているのですが、どうしてそんなに焦る必要があるのでしょうか。

オシム監督のおかげで、組織力をベースとして、組織が個の能力を引き立てるサッカーがある程度形になっています。

オシム監督が、日本代表の土台をつくりあげ、進むべき道筋をつけてくれたのだから、次の監督もサッカーの方向性が同じ人を選べば、それほど引き継ぎに手間取ることはないのではないでしょうか。

アジア3次予選を戦いながら、チームを掌握し熟成させる。サッカーの方向性が同じ監督を後任にすれば、走りながら考えることが可能ではないでしょうか。

3次予選は、オマーン・タイ・バーレーンと同じ組となりました。
楽な組み合わせではありませんが、走りながら考えることが不可能だとは思えません。

サッカー協会は「後任監督はオシム流にしばられる必要はない」と言っていますが、オシムサッカーをご破算にして一から積み上げ直すというのであれば、そんな時間があるのでしょうか。

それこそ、あと3ヵ月で間に合うのでしょうか。

 私は、オシムとサッカーの方向性が同じ人、組織力をベースとして、組織が個の能力を引き立てるサッカーを実現できるというレシピを持っている人を探すべきだと思います。

それが岡田さんで、それを実現できるというのであれば、チャンスを与えることに反対はしませんが...。

  
 ジーコ前監督が、シンガポールともう少しのところで引き分けそうになるなどW杯予選で低調な試合を続けていた時にも感じたのですが、何か緊急事態になったとき、どうしてサッカー協会はいつも「適当な人材がいない」と大騒ぎをはじめるのでしょうか。

国内に人材がいないとすれば、普段からスペイン・イングランド・イタリア・ドイツの主要リーグや、オランダ・ポルトガル・デンマークや東欧諸国などのリーグをモニターしていて、日本代表監督候補としてふさわしい人を何人かピックアップして、その情報を常時プールしておけばよいと思うのですが。

現役監督がいるのに、裏で別の監督に接触するのは道義上問題でしょうが、情報をプールしておく分には、問題ないはずです。

たまに、チームに目立ったスター選手がおらず、個の能力で見た戦力ならリーグ中位から下位に沈むようなチームを組織力で鍛え上げて、主要リーグの4位前後ぐらいまでチームをもっていくことができる理論派の監督がでてきます。

こういう人こそ、日本代表監督にふさわしいと思います。

たとえそれまで無名だろうが若かろうが現役時にプロ選手として成功した経験が無かろうが、こういう人は日本にとって買いです。

日本サッカー協会は、上で述べたようなリスクマネジメントを怠っているから、いざという時に大騒ぎして
”泥縄”をはじめることになるのです。

(泥縄=泥棒をつかまえてから、泥棒をしばる縄をつくりはじめること)





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■病魔に打ち勝て、オシム監督

 日本代表のオシム監督が、16日未明に自宅で倒れられました。

急性脳梗塞と診断され、千葉県浦安市の病院に緊急入院しています。

私にはひたすらお祈りすることしかできませんが、一刻も早いオシム監督の回復を祈願しています。

病魔に打ち勝て、オシム監督!!




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■浦和レッズ、ACL優勝おめでとう!!


浦和レッズ、ACL優勝おめでとう
ございます!!


ということで、戦術がどうの反省点がどうのなんて無粋な話はナシ。

浦和レッズならびにサポの皆さん、長く厳しい戦いだったと思いますが、Jリーグの代表として素晴らしい闘いぶりでしたし、勝ち取った成果も最高のものとなりました。

これもひとえに浦和レッズとサポの皆さんが、揺るぎ無い自信を持って、しかし奢ることなく、一戦一戦ファイトしてきたことの積み重ねがあったからでしょう。

今は、勝利の美酒に思いっきり酔いしれてください。

心から祝福の拍手を送りたいと思います。





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当ブログ関連記事・まだ何も手に入れてない

  

■まだ何も手に入れてない

 アジアチャンピオンズリーグ(ACL)の決勝第一ラウンドにのぞむため、浦和レッズが直前合宿地のドバイ入りしました。

私は浦和サポではありませんが、Jリーグ代表としての浦和がACL優勝を是が非でも勝ち取ってくれることを祈っています。

 さて、決勝の相手はイランのセパハン・イスファハンとなりましたが、準決勝で韓国の一和を破った直後、「セパハン? 優勝は浦和で決まりでしょ」みたいな声が一部であがっていたと思います。

もう冷静さを取り戻したころでしょうから、ちょっと指摘しておきたいのですが、前回のACL優勝は韓国のクラブでしたが、「浦和はアジア最強・Kリーグの一和を破ったんだから、もう優勝したも同然だろう」という考え方をするのであれば、それは非常に危険だと思います。

 これと同じようなことが今年おこなわれたアジアカップでもありました。

準決勝のカードは、第一戦がイラク-韓国、第二戦が日本-サウジでしたが、
日本のマスコミや選手から「決勝は韓国とやりたいし、韓国を破って優勝したい」という声が盛んに上がっていました。

ところが準決勝第一戦で韓国は負けました。

その結果を見て日本はサウジとの試合にのぞんだわけですが、その瞬間、選手団・マスコミなど日本の多くのサッカー関係者が、危険な心理的エアポケットにハマり込んでしまったのではないでしょうか。

決勝で当たると強く予想していた韓国が負けたことから、ホットしたというか拍子抜けしたというか、日本側に微妙な心のスキが出来て、そこから潜在意識として「これでアジアカップ二連覇中の日本に敵がいなくなった。もう三連覇は決まったようなものだ」という油断が生まれ、目の前の強敵サウジに対する注意が薄れてしまったのではないでしょうか。

当ブログ記事 

しかし、サウジは日本へのリベンジに燃えていました。

実際の試合では積極果敢にファイトして先手先手を打ってくるサウジに対し、日本は消極的に相手を受けて立ってしまい、酷暑のなか常にリードを許す苦しい展開で、ついにサウジに追いつけず、三連覇の夢は空しく潰えました。

試合後、勝って泣き崩れるサウジの選手がいましたが、日本の選手にそこまでの熱い気持ちがあったでしょうか。(中澤選手だけは本気で悔しがっていたようでしたが)

これを貴重な経験として、日本のサッカー関係者が同じ失敗を二度と繰り返してはいけないと思います。

「韓国のチームに勝つこと」と「アジアのタイトルを取ること」、どちらが日本にとって一番大切な最終戦略目標かと言えば、言うまでも無く後者です。

ましてや「韓国のチームに勝つこと=優勝決定」ではありません。

日本人は「木を見て森を見ず」というか、手段が目的化するというか、何かを一生懸命にやっているうちに、いつのまにか最終目標が入れ違ってしまっていることがあります。

日本サッカーがアマチュアだったころ、韓国には本当に良く負けましたから、「韓国はアジア最強。だから韓国を破ればアジア一」「クラシコとしての日韓戦には絶対に負けられない」という強い思い入れを持っている人もおられるのでしょう。

しかし、韓国に限らず、特定の相手を過剰にリスペクトする事と、相手を弱小と見下して油断する事とは、同じコインの裏表であり、どちらも良い事とは思えません。

私は韓国もイランやサウジ、イラク、オーストラリアなど、アジアのライバルの一つと考えるべきだと思っていますし、「アジアカップにしろACLにしろ、アジアのタイトルを狙えば、黙っていても自然と強敵と当たることになっている。それが韓国でありイラク、豪州、サウジ、イランである」と自然体に構えた方が良いと思います。

 実際、日本・韓国・イラン・サウジなど、アジア列強リーグのクラブ同士の戦力差は、ほんのわずかしかありません。

イランリーグのビッグクラブは、何と言っても赤のペルセポリス(ピルジィ)と青のエステグラルであり、セパハンは新興勢力なのかもしれません。

セパハンはリーグ優勝ではなくて、イランFAカップの王者としてACL出場権を得たのですが、リーグ優勝一回に対し、FAカップ優勝三回という実績からもわかるように、カップ戦(勝ちぬき戦)を得意とするクラブのようです。

川崎とのゲームを少し観ましたが、非常に粘り強い守備が特徴で、高い守備力からアウェーゴール勝ちやPK戦勝ちを狙うような、僅差の競り合いに強く、カップ戦の勝ち方を知っているチームのようです。

06年のイランFAカップでも、ペルセポリスとH&Aで1-1・1-1の五分に渡り合い、PK戦を4-2で勝って、ACLに出てきました。

ACLも”リーグ”を名乗っていますが、決勝ラウンドはノックアウト方式の勝ちぬき戦ですし、たとえそうでなくても、サウジやUAEのクラブを倒してここまで勝ちあがってきたセパハンは、決勝戦にふさわしい強敵です。

私には決して楽に勝てる相手とは思えません。

浦和はACL決勝戦への挑戦権を得ただけであり、まだ何も手に入れていないと思います。

「言われずともわかっている」とお叱りを受けるかもしれませんが、浦和の選手・サポの皆さんには、兜の緒を締めなおして、悔いの無いよう心して決戦にのぞんでほしいと希望します。




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