■2006年05月

■日本、ドイツと勝ちに等しいドロー

 ドイツ・レバークーゼンで30日(日本時間31日)行われたテストマッチ・ドイツ対日本戦は点の取り合いとなり、2-2のドローに終わりました。

 試合を振り返ると、前後半ともにホームのドイツが圧倒的にボールを支配して日本を押し込み、日本は高く上げたドイツのバックラインの背後を狙ってカウンターを仕掛ける展開となりました。

ドイツのチャンスはコーナーキックなどセットプレーがらみが多く、日本のチャンスはカウンターから生まれていました。

 前半には、カウンターから中田英・柳沢両選手の惜しいシュートがありましたが、GKレーマンに阻まれました。
日本はドイツの猛攻をよく耐えて、0-0で後半へ。

 後半立ち上がりは、日本のリズムとなります。

11分、ドイツのCKからのこぼれ球を中村選手-柳沢-高原と素早くつないで、美しすぎるカウンターアタック!
GKレーマンと一対一になった高原が落ち着いてゴールに叩きこみ、日本が先制します。

20分には、中田英-中村とつながったボールが駒野選手へ渡り、高原へパス。
球を受けた高原はターンしながらドイツの選手を強引に抜き去り裏へ抜け出してシュート。

これがドイツゴールのファーサイドに突き刺さって、日本が2-0とします。

 このままでは絶対に終われないドイツは、総攻撃にかかります。
30分、左サイドで得たFKから、ゴール前で宮本選手との競り合いに勝った、クローゼがゴールして一点差。

35分には、こんどは右サイドのFKから、マークについた柳沢を振り切ったシュバインシュタイガーのヘディング・シュートを食らって同点とされました。

38分、体勢を立て直した日本は、中田英の絶妙のスルーパスを受けた大黒選手がレーマンと一対一になりましたが、シュートは惜しくもブロックされました。

この後日本はドイツの攻撃をよくしのいで、なんとか2-2のドローに持ちこみました。

 アウェーでの試合で、相手がドイツということを考えると、2-2のドローという結果は勝ちに等しい、大変評価できるものですし、選手は自信を持って良いと思います。

結果のみならず内容も、攻守に渡ってかなり充実していました。

 ただ、課題もはっきりしました。 

勝ちに等しいドローではなく、後半30分近くまでに2-0とした時点で、勝ちそのものにしなければならなかったという点です。

 どうしてそれが出来なかったのかと言えば、

日本代表は、押しているのか押しこまれているのか、あるいはリードしているのかされているのかそれとも同点なのかといった、点差や試合展開・相手の強弱に応じて、失点のリスクをおかしてでも攻めに出たり、やや引いて守備を固めたりといった、選手全員が共通意識を持って、チーム全体で駆け引きをする経験が圧倒的に不足しているからです。

逆にいえば、日本代表は点差や試合展開・相手の強弱などお構い無しに、一本調子で相手を攻めてしまうような試合をしてしまう傾向があるということです。

 今回の試合をみて、テヘランで行われたW杯アジア予選のイラン戦で、一旦1-1に追い付いて勝ち点1で充分OKだったのに、不用意に攻めに出て決勝点を奪われてしまった、あの試合を思い出しました。

ドイツ戦でも後半30分になろうかという時に2-0だったのですから、リスクをあえておかす必要は無かったと思います。 2-0で勝とうが更にリスクをおかして3-0で勝とうが勝ち点3は動きません。

(ドーハの悲劇も試合終了1分前で2-1。 このまま勝ち点3ならアメリカへ行けたのに、攻めに出て球を失いイラクの同点ゴールを許して勝ち点1しかとれなかったから悲劇となったわけです。 2-1で勝っても3-1で勝ってもアメリカに行けたのに。)

 しかしその時点で、日本代表は、自陣内でもリスクをおかすプレーで球を失うという場面がちらほら見られました。

例えば、通るか通らないかギリギリのパスやドリブル突破を自陣内でやってしまうといったようなことです。

球を失うリスクをおかした、通るか通らないかギリギリのパスやドリブル突破というのは、点を取りたい攻めの局面でそれも相手陣内でやるものですが、2-0でリードしているにもかかわらず自陣内やハーフライン付近でやるようなプレーではありません。

無理に押し上げる必要はありませんし下がり過ぎも禁物ですが、バックからFWまでチームをコンパクトにして、しっかりとプレスをかけて相手の攻めをがっちりと受け止め、球を奪い返したら、自陣内では足元でしっかりと確実につなぎ、リスクをかける攻めのプレーは相手陣内で行うということができれば、後半30分すぎからバタバタすることも無かったのではないでしょうか。

サッカーは相手にいくら押しこまれてもそれだけで負けることはありませんから、慌てふためく必要は全くありません。サッカーは相手より一点でも多くゴール数が上回っていれば、勝ちになるスポーツです。 

後半30分近くで2-0でリードしていて、チーム全体として守備重視で行くと決めたら、2トップとトップ下の3人ぐらいは攻めても、残りの選手はなるべく自陣内から出ずに、守備に人数を充分かけておくような、したたかな駆け引きが出来無いと、W杯で勝ちあがって行くことは出来ません。

 次に攻守の内容について見ますが、攻守両方に言える事ですが、2トップから最終バックラインまでチーム陣形を90分間コンパクトに保っておくこと、3-4-1-2ならこの4ラインがお互い一定の距離を90分間なるべく保つことが、重要だというのがよくわかった試合だったと思います。

日本代表では現在、少し下がってでも守備をしっかりとやりたい守備陣と「それではゴールから遠くなる」という攻撃陣の間で意見の違いがあるようですが、

攻撃陣の言いたいことは良くわかりますが、この場合はコンパクトにするということを最優先にしてコンパクトに保ったチームの上げ下げは最終守備陣の判断に基づくべきです。

日本代表が少し下げたい守備陣と得点を焦って前に行きたい攻撃陣の二つに分かれて間延びしてしまうのは一番良くありません。

今回のドイツ戦は相手にガンガンに押しこまれた結果、日本の最終ラインをやや下げざるを得なくなり、結果として日本の2トップはゴールから遠くなったわけですが、それでも2得点できました。

つまりゴールから遠くなる事を心配する必要はあまりないということです。

何故なら、相手チームが布陣をコンパクトにしようとしているなら、こちらが押しこまれて最終ラインを下げた時は、相手が最終ラインを押し上げてウラに大きなスペースが空いているということになり、GKとFWが一対一になるようなカウンターから点が取りやすくなるからです。

実際、ドイツから奪った2得点はカウンターからでした。(特に先制点の形が典型的) だからゴールから遠くなる事を心配する必要はないのです。

もし相手がカウンターを警戒して最終ラインを上げてこないのであれば、相手陣形が間延びして、敵センターバックとボランチの前などのスペースが広く空くことになります。だからそのスペースを使って攻めれば良いわけです。

 攻めの内容に関しては、グラウンダーのダイレクトパスによるカウンター攻撃がとても速く美しく素晴らしかったです。まるで東欧のチームのようでした。

こういう頭の良い攻撃は管理人スパルタクは大好きです。

ただ、ドイツがガチガチに守っていてそれを崩してとった2得点とは違うという事は頭に入れておくべきでしょう。

 守備に関しては、プレスが非常に良かったと思います。この調子で本大会までにもっとプレスに磨きをかけて欲しいです。

失点に関しては2失点とも、ゴール前での一対一に負けた結果です。

一点目はクローゼに宮本がフィジカルで負けてつぶされたのが原因で、これは10年・20年かけてこれからフィジカルの強い選手をつくっていかなくてはならないという、日本サッカー界全体の課題です。

また、Jリーグの審判がフィジカルコンタクトで倒れるとすぐファールを取って選手を保護するのも、日本の選手の多くがフィジカルに弱く、Jリーグチャンピオンチームがアジアチャンピオンズリーグでフィジカルの強い中国・韓国のチームになかなか勝てない原因です。

たぶんあれがギリシャ人審判じゃなく、Jリーグの審判ならクローゼのファールを取って得点を取り消していたかもしれません。

 二点目は柳沢のマークのズレが、シュバインシュタイガーの正確なヘッドを許してしまった原因となりました。 これは防げた失点だったかもしれません。

Jリーグですと選手の決定力不足のために、一・二回どフリーにしても、シュートを外してくれるかもしれませんが、決定力の高い世界レベルでは一回のマークのズレで一失点を覚悟しなくてはなりません。

普段やっているJリーグの感覚でマークしているとW杯ではやられます。

ゴール前で絶対にマークのズレを起こさない、たとえ相手に最初にボールに触られても、相手の体にこちらの体を常に密着させて、倒さないようにしながらも、相手のバランスを失わせるということを、粘り強く続けることが大切です。

 選手個人では、鋭いカウンターをみせてくれた2ゴールの高原と柳沢、自陣深くから攻撃を指揮した中村・中田英の働きが特に目に付きました。

 ドイツ戦は惜しくもドローとなりましたが、あくまでもテストマッチ。
日本代表がしっかりとした自信と悔しさをともに得ることができたのは、大きな収穫だったと思います。

日本もテストマッチでブラジルやドイツ・イタリア・イングランドといったレベルとどうにか引き分けられるぐらいにまで、やってきました。

是非、大人の駆け引きを覚えて、W杯の本番では大暴れして欲しいと思います。


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   2006.5.30 バイ・アレナ(レバークーゼン)

  ドイツ    2  -  2    日本


クローゼ '75         高原 '57
シュバインシュタイガー'80   高原 '65 

GK レーマン         GK 川口

DF ヤンセン         DF 宮本
   メルテザッカー         坪井
   メッツェルダー         中澤
  (ノボトニー 55)
                MF 三都主
MF シュバインシュタイガー     加地
   フリンクス          (駒野 39)
   バラック            中田英
   ボロブスキ           中村
  (オドンコー 63)        福西
   シュナイダー
                FW 高原
FW クローゼ           (大黒 78)
   ポドルスキ           柳沢
  (ノイビル 70)        (玉田 81)

  

■2006W杯ドイツ大会に臨む日本代表召集メンバー発表!

 今日5月15日、2006ワールドカップドイツ大会に臨む日本代表召集メンバーが発表されました。


GK

土肥 洋一 (F東京)
184cm 33歳 

川口 能活 (磐田)
179cm 31歳

楢崎 正剛 (名古屋)
185cm 30歳


DF

田中  誠 (磐田) 
178cm 31歳

宮本 恒靖 (G大阪)
176cm 29歳

加地  亮 (G大阪)
177cm 26歳

三都主 アレサンドロ (浦和)
178cm 29歳

坪井 慶介 (浦和) 
179cm 27歳

中澤 佑二 (横浜M)
187cm 28歳

駒野 友一 (広島) 
171cm 25歳

中田 浩二 (バーゼル:スイス)
182cm 27歳


MF

福西 崇史 (磐田) 
181cm 30歳

小笠原 満男 (鹿島) 
173cm 27歳

小野 伸二 (浦和) 
175cm 27歳

中田 英寿 (ボルトン:イングランド) 
175cm 29歳

中村 俊輔 (セルティック:スコットランド) 
178cm 28歳

稲本 潤一 (ウエストブロミッジ:イングランド)
181cm 27歳

遠藤 保仁 (G大阪)
178cm 26歳


FW

玉田 圭司 (名古屋) 
173cm 26歳

柳沢  敦 (鹿島)  
177cm 29歳

高原 直泰 (ハンブルガーSV:ドイツ) 
180cm 27歳

大黒 将志 (グルノーブル:フランス) 
177cm 26歳

巻 誠一郎 (千葉)  
184cm 26歳 

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 召集されたメンバーは、皆さんの予想通りでしたでしょうか。

私の見る限り、ガチガチに手堅い人選という印象を受けました。
唯一のサプライズと言えそうなのが、巻選手のメンバー入りでしょう。

久保選手は、やはり腰とヒザの具合が思わしくないのだと思います。彼の能力から考えると、とっても残念です。 巻選手にはその分、がんばってもらいましょう。

ただ、個人的には巻選手も良いのですが、オランダ・ヘラクレスの平山選手を”秘密兵器”として呼んでも良かったのではないかと思います。

オーストラリアやクロアチアは身長が高い選手が多いですから、身長が高くてフィジカルが強いDFが多いオランダリーグでもまれている平山選手に、ちょっと期待していたのですが残念です。

 さて、ワールドカップに出場する代表メンバーも決定しました。

上の表を見てもおわかりのように、1999年ナイジェリア・ワールドユースで準優勝した日本の”黄金世代”が一番アブラの乗った時期に行われ、黄金世代の集大成とも言えるワールドカップが、今回の2006年ドイツ大会です。

ここで好成績を残すことが出来れば、世界のサッカー界における日本への注目度が俄然違ってきます。

現在の日本代表選手だけでなく、Jリーグでプレーする若手選手にも海外移籍のチャンスが生まれるでしょう。

Jリーグが日本代表強化に果たしてきた役割は大きかったのですが、しかし万能ではありません。

日本サッカーのさらなるレベルアップのためには、スペインやイングランドのように、Jリーグよりレベルの高いリーグに多くの日本人選手を送り込み、レギュラーとして活躍してもらう必要があります。

そうした意味で2006年ドイツ大会は、ここ十年間で日本サッカー界にとっては最大の勝負の時です。

以前にも言ったとおり、2002年大会、雨の仙台でトルコに敗れ、非常に悔しい思いをして中断せざるをえなかった旅のつづきが、2006年のドイツ大会でもあります。

このような勝負の時に確固とした戦略も野心も持たず「参加することに意義がある」「相手が強そう」といった弱気な感じで、なんとなく大会に入ってなんとなくグループリーグ敗退なんてことでは、もったいなさ過ぎます。

2002年の悔しさと将来への野心、そして確固たる自信を持って大会に臨むことが出来れば、自ずから結果はついて来ると私は信じています。


  

■日本、スコットランドと雨中のドロー

 第1戦を落し、スコットランドがブルガリアに勝ったため、日本が優勝するためには3点差以上つけて勝利しなければならなかったキリンカップ第3戦、日本対スコットランドは、スコアレスドローに終わりました。

スコットランドは、レンジャースのファーガソンやウォルバーハンプトンのケニー・ミラーらを欠く、1.5軍から2軍のチームでした。

日本も国内組だけで条件は同じでしたが、やはりホームだけに絶対に勝たなければならない試合をドローにしてしまったのは残念でした。

 試合展開をざっと振り返ると、ゲーム開始直後こそスコットランドにペースを奪われましたが、15分ごろから日本が押しこみ、スコットランドは自陣に引いてカウンターを狙うような展開となりました。

24分には、加地選手の強烈なロングシュートがポストを直撃し、跳ね返りを久保選手が狙うもバーの上にはずれました。

43分には三都主選手→玉田選手とつないで、ゴール前中央に飛び込んできた小野選手がボールを受けて相手選手をうまくかわしてシュートするもGKにはじかれ、こぼれ球を小笠原選手がシュートしたものの相手選手に防がれサイドネットを揺らしただけでした。

このシーンはこの日最も得点に近づいた瞬間でしたが、小野はほんのワンタッチだけ多かったかもしれません。

 後半も日本が攻めて、スコットランドが引いてカウンターを狙うという展開。

7分、小笠原の強烈なFKはGKにうまくセーブされ得点ならず。

24分、小笠原がボールを奪われカウンターを食らいます。 ボイドが落したボールを走りこんだレイがシュートするも、うまくヒットせず川口選手がキャッチ。

ロスタイム、相手ゴール正面でのFKは、三都主がうまく蹴ったが相手GKもファインセーブで得点ならず、ここで試合終了のホイッスルとなりました。

 試合内容の方は、前回より守備がいくぶんか良くなりましたが、まだプレスはがんばれるはず。

本大会で当たる、ブラジル・クロアチア・オーストラリアはスコットランドより攻撃力は上ですから、運動量豊富にガチガチ守備に行って、相手に自由にやらせないようにしないと合格点はあげられません。

 攻撃の方は、前回より少し良くありませんでした。

その原因は、ブルガリア戦でも少しそうした傾向が出ていましたが、2トップとDF最終ラインまでの距離が間延びし過ぎて、コンパクトな陣形が崩れたことです。

DF陣は失点を警戒して下がり気味になり、得点が欲しくてたまらないFW陣は相手DF最終ラインのウラへウラへと早く飛び出そうと焦る結果、チーム全体が間延びして中盤がぽっかり空いてしまうというのは、日本代表が調子を崩すいつものパターンです。

こうなると、選手ひとりひとりの距離が開きすぎて、パスを強く速くしないと通らなくなり、パスもトラップも難しくなります。

結果としてパスミス・トラップミスが多くなり、チャンスメークに失敗してフィニッシュまでいけず攻めのリズムを失うという、やっぱりいつものパターンとなります。

また、選手同士の距離が離れすぎてしまったために、パスの出しどころが少なく、ボール保持者が長くボールを持ちすぎてしまったことも、攻めのリズムを失わせた原因でした。

前回の試合と比べると、ブルガリア戦はチャンスメークはうまくいったがシュートを外してしまったために、なかなか得点できなかったのに対し、

今回のスコットランド戦は、チャンスメークがうまくいかなかったために、決定的なシュートシーンも少なくなって、得点できませんでした。

 スコットランドは引き分けでも優勝ですから引き気味で来たわけですが、引き気味ということは、相手DF最終ラインとキーパーまでのスペースが狭くなっているということです。

この状況で日本のFWが得点を焦ってウラばっかり狙っていると、相手もウラを取られるのを警戒しますから、このスペースがもっと狭くなってしまうわけです。 スペースが狭くなると、FWがウラを狙いそこへパスを通すのが難しくなります。

日本のFWが得点を焦ってウラばっかり狙う
       ↓
相手がウラを取られるのを警戒してスペースが狭くなる
       ↓
ウラへ抜け出すプレーが難しくなって得点チャンスが遠のく
       ↓
点が取れないから日本のFWが焦ってもっとウラばっかり狙ってしまう

という悪循環です。
こうなるとチャンスメークがうまくいかず、なかなかフィニッシュまでいかないので、攻撃がつまってしまうわけです。

 しかし、相手が深く引いているということは、逆を言えば相手のDF最終ラインより前にスペースがあるということです。

つまり、相手センターバックより前のスペースで足元へのショートパスをうまく使って攻撃を組み立てるべきなのです。


コンパクトな陣形を保って、選手同士がサポートしやすいような近い距離を保ちつつ、まず相手ボランチの前のスペース、次に相手センターバックの前のスペースへと味方選手とボールを送り込んで、中盤を組み立てます。

そしてFWや2列目の選手が、相手のセンターバックの前のスペースでボールをもらって前を向いて基点となり

相手DFの前からフェイントをいれてシュート、あるいはちょこんとグラウンダーのスルーパスを出して味方にウラへ飛び出させる、サイドへ開いて外の選手がもう一度中にクロスをいれてFWに飛び込ませるといった具合にです。

特に相手センターバックの前のスペースにポジショニングして基点がつくれると、相手はそのスペースを使われないように、最終ラインを上げてプレスをかけてくるでしょう。

そうなると、ウラのスペースが広くなって逆に味方FWが相手のウラを取りやすくなります。

押してもダメなら引いてみな、引いてもダメなら押してみなというわけですね。

ポジショニングの問題に関連して、日本の選手は正しいポジショニングをとるための動き出しが遅いように思います。

動き出しが遅いとダッシュで、局面局面での正しい位置へと移動しなければなりません。

自ら急スピードでダッシュしながら味方からの強いパスを正確にトラップしパスをつなぐのは難しく、ミスの確立が高くなります。

それに敵DFはゆっくり動く相手より急スピードで動いている相手を警戒しマークするものです。

敵DFにつかれ、急スピードで動きながら味方からの強いパスを受けて正確に次のプレーにつなげるのは、もっと困難になります。

今回のスコットランド戦で、球回しがギクシャクしてうまくいかなかったのは、これが原因だったと思います。

しかし、次のプレーを予測してゆっくり歩くだけで十分ですから動き出しを早くし、早め早めに正しいポジショニングをとっておけば、自分はほとんど動かず、ボディシェイプを変えるぐらいで余裕を持ってパスを受けることができます。

こうすれば、たとえ味方からのパスが強くてもトラップミスの確立は減るでしょうし、相手DFのマークをはずしやすくなります。

次のプレーを予測して早め早めに正しいポジショニングをとって、次の局面のために準備しておくということの大切さがわかっていただけると思います。

イングランドのクラブのエンブレムには "ready"という言葉が入っているものがありますが、前もって準備をしておくことの大切さを言っているのではないでしょうか。

DF陣は失点を警戒して下がり気味になり、逆にFWは得点を焦ってウラへウラへと抜け出す攻撃一辺倒になったりと、日本代表はどうもFWからDF最終ラインまでをコンパクトに一定に保つことがあまり得意ではないので、本番までに良くチェックして修正して欲しいです。

 今回の試合が国内での最後のテストマッチとなりました。 明日にはW杯に向けた召集メンバーが発表されます。

海外組がはいることで、日本代表の試合内容もがらっと変わってくることでしょう。

2006W杯ドイツ大会は、2002年の大会でトルコに敗れ、非常に悔しい思いをして中断せざるをえなかった旅のつづきです。
また98年大会で0-1と敗れたクロアチアに対するリベンジの戦いでもあります。

あの悔しさを今一度胸に刻んで、自信と強いハートをもって大会に臨んで欲しいと思います。



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2006.5.13 埼玉スタジアム2002

   日本 0  -  0 スコットランド



GK 川口      GK アレクサンダー

DF 三都主     DF ウィア
   加地         マーティ
   宮本        (マクナミー 80)
   中澤         アンダーソン
  (坪井 50)      ネイスミス
             (マレー 46)
MF 福西         コールドウェル
   小野
   小笠原     MF マクローチ
   遠藤        (ミラー 70)
  (佐藤 73)      ティーレ
             ( バーク 60)
FW 久保         セベリン
  (巻 62)      (レイ 46)
   玉田         フレッチャー

           FW マクファデン
             (ボイド 60)
  

■日本、ブルガリアに敗れる

 ワールドカップ開幕まで、あと1ヶ月となりましたが、今日、大阪長居スタジアムで日本対ブルガリアのテストマッチが行われ、日本は1-2で敗れました。

ブルガリアはレバークーゼンでプレーするベルバトフや、フィオレンティーナでプレーするボジノフらを欠く、1.5軍から2軍といった感じのチームでした。

一方の日本も日曜にゲームのあった浦和や鹿島の選手を使えない状態で、いくぶん日本が不利だったでしょうか。 でも日本のホームですから、絶対に勝たなければならない試合でした。

 試合経過を簡単に振り返っておくと、試合開始1分もたたないうちに、ブルガリアが大きなサイドチェンジから日本の左サイドを崩してクロスをゴール前へ入れ、これをDF田中選手の前でS・トドロフが合わせて、あっという間に先制されてしまいました。

15分過ぎから日本が落ち着きを取り戻して、ゲームの主導権を握ります。

17分に阿部選手のミドルは相手GKにはじかれ、24分の玉田選手のシュートはポストに嫌われます。 37分の阿部のヘッドはうまくヒットせず、前半を0-1で折り返します。

後半も引き気味でカウンターを狙うブルガリアに対して、日本がボールをほとんど支配してゲームを進めます。

後半11分にゴール前へ飛び込んだ玉田に阿部がスルーパスを供給、フィニッシュまでいくもワクをとらえず。
25分には、小野選手のミドルシュートをGKがはじき、小笠原選手がつめるも相手DFにクリアされます。

31分に三都主選手の強烈なロングシュートが相手DFと巻選手に当たってゴールイン!日本がようやく同点に追いつきます。

その後はブルガリアも前に出てきて一進一退の状態になったロスタイムの46分、ブルガリアの左サイドからのFKで、蹴ったボールがゴール前でバウンド、これを宮本選手も川口選手もクリアできずにそのままゴール、日本は1-2でキリンカップの初戦を落してしまいました。

 試合内容の方ですが、まず攻撃から見ていくと、中盤の組み立ては前回のエクアドル戦に続き、なかなか良かったと思います。

スタメンの中盤は遠藤・福西・阿部の三選手という急造の組み合わせで、少しギクシャクしたのはやむをえなかったですが、それでもまずまず機能していました。

後半15分すぎから小野と小笠原が入ると、さすがに展開力がアップしました。

中盤が機能したおかげで、中央からもサイドからも質の高いチャンスを数多く創ることが出来たと思います。

チャンスメークはかなり良かったのですが、問題はフィニッシュ。 特にフリーでシュートを打てたにもかかわらず、はずしてしまったという場面を何度も見ました。

フリーでシュートの場面を確実にものにしていれば、前半だけで1-1か2-1になっていたはずです。

 守備に関しては、プレスがかなり甘かったですね。

前半15分までにブルガリアが攻めに出たとき、相手の早いパス回しに対応できていませんでした。 特にチームに慣れていないのか、阿部のプレスの甘さはちょっと気になりました。

失点の場面は、先制点は田中が簡単に相手に前をとられたのが敗因でしたし、決勝点は、残念ながら川口のミスと判断せざるを得ません。

今日の川口は珍しくハイボールの応対が不安定だったように思います。

日本のように、特別攻撃力があるわけではないチームが守備も不安定なのでは、ワールドカップの上位進出は望めません。

11人が組織的に連動して、相手を自由にさせないようにガチガチいくような、しまった守備組織を本番までに構築して欲しいです。

 今回のブルガリア戦を総括すると、相手のゴール前と自分のゴール前という得失点に直接からんでくる大切なエリアでの個人プレーで、負けてしまったという感じでした。

ブルガリアの先制点をのぞけば、フリーのシュートシーンで何本も外し続け、相手のセットプレーでGKがミスといった具合に、相手が強かったというよりはむしろ自滅したと言った方がよいでしょう。

中盤を組織的にして攻守の主導権を握るのは、攻撃では相手のゴール前でのプレー、守備では自分のゴール前でのプレーを有利にするためですが、この肝心のエリアでミスったのでは、意味がなくなります。

試合内容は悪くないので、結果については気にしていませんが、フリーで打つシュートは出来るだけ決める、自軍ゴール前では、相手選手へのマークのズレやGKのキャッチミスを絶対に起こさないということをもう一度チーム全体で確認するということが、本番に向けての課題として浮かび上がってきたと思います。

個人では玉田が運動量豊富に相手守備陣をかきまわして、良いプレーをしていたのが目立ちました。 あとはゴールを決めるだけだったのですが...。

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2006.5.9 大阪長居スタジアム


    日本  1  -  2  ブルガリア

 '76 巻       '1 S・トドロフ
            '90+ ヤネフ


GK 川口       GK コレフ

DF 宮本       DF キリロフ
   中澤          トプザコフ
   田中          アンゲロフ
  (小笠原 61)      ミラノフ
              (V・イリエフ 46)
MF 加地
   村井       MF ヤンコビッチ
  (三都主 44)     (G・イリエフ 26)
   福西          ワグネル
  (小野 61)       テルキスキー
   遠藤         (カラスラボフ 90+)
   阿部          M・ペトロフ
  (長谷部 83)     (ヤネフ 86)

FW 玉田       FW S・トドロフ
   巻          (ドモフチスキー 63)
  (佐藤 77)       Y・トドロフ


  

■キリンカップにのぞむ日本代表召集メンバー発表

 キリンカップにのぞむ日本代表召集メンバーが発表されました。


GK 土肥 洋一  (F東京)
   川口 能活  (磐田)
   楢崎 正剛  (名古屋)

DF 田中 誠   (磐田)
   宮本 恒靖  (G大阪)
   三都主 A.  (浦和)
   中澤 佑二  (横浜M)
   坪井 慶介  (浦和)
   村井 慎二  (磐田)
   加地 亮   (G大阪)
   駒野 友一  (広島)
   茂庭 照幸  (F東京)

MF 福西 崇史  (磐田)
   小笠原 満男 (鹿島)
   本山 雅志  (鹿島)
   小野 伸二  (浦和)
   遠藤 保仁  (G大阪)
   阿部 勇樹  (千葉)
   長谷部 誠  (浦和)

FW 久保 竜彦  (横浜M)
   玉田 圭司  (名古屋)
   巻 誠一郎  (千葉)
   佐藤 寿人  (広島)

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 今年のキリンカップは、5月9日に大阪・長居スタジアムで日本代表vsブルガリア代表戦、5月13日に埼玉スタジアムで日本代表vsスコットランド代表戦が行われます。

ブルガリアが仮想クロアチア、スコットランドが仮想オーストラリアといったところでしょうか。

メンバーの方は国内組だけによる召集となりましたが海外組が全くおらず、実戦においての連携強化の時間が十分取れるのか、ちょっと気がかりです。

今年のキリンカップは、欧州組を含めたチームの連携強化・組織力アップを最優先にするために国内ではなく欧州開催にしたらどうか、と前に言ったのですが。

また国内組でも、負傷のため柳沢選手がはずれ、本山選手が久しぶりの召集となっていますが、FWに絶対的な主軸がいない状態ですから、MFタイプの本山選手ではなく、FWとしてJリーグで結果を出している我那覇選手か、オランダの平山選手にチャンスを与えたほうが良かったと思います。

 まあ、こうなった以上は仕方ありません。  5月はW杯1ヶ月前の重要な準備期間ですから貴重な時間を大切に使い、大会に向けて万全の調整をしてもらいたいです。

W杯本大会の事も考えると、チームとしてのピークを第1戦のオーストラリア戦と第2戦のクロアチア戦に合わせる必要があるでしょう。

以前、「1勝2分が”合格最低ライン”でしょう。1勝1分け1敗だと得失点差の争いになりそうで、日本にとっては厳しいと思います。」と言いましたが、もしかしたら合格最低ラインが勝ち点5から6へと上がるかもしれません。

なぜなら、クロアチアが第1戦のブラジル戦を引き分けで乗り切る可能性が出てきたからで、もしそうなると、日本は第2戦のクロアチア戦を引き分けでは「確実に決勝トーナメントへ進める」とは言えなくなるからです。

以上のことをふまえれば、第2戦のクロアチア戦が特に大切な試合になるということです。 

日本がオーストラリアとクロアチアに連勝することを戦略目標として、本大会への準備に励んで欲しいと思います。
  

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