■2006年04月

■ジーコ監督だって成長している!

 最近、ネット掲示板などで「ジーコ監督とトルシエ前監督のどちらが良かったか?」というテーマが注目を集めているようです。

 また、ワールドカップが近くなったせいか、最近川渕キャプテンがあちこちのTVに出て、いろいろとお話をしていらっしゃいますが、キャプテンが出演した番組のうち、NHKの「知るを楽しむ」という番組を見て、管理人スパルタクは非常に違和感を感じました。

番組の中で川渕キャプテンが、ジーコを日本代表監督に招聘したいきさつから、現在までの道のりを語っていたのですが、違和感を感じたのはその内容についてです。

キャプテンが話した内容をおおざっぱに言うと、「ジーコは個の自由を尊重したサッカーを日本代表に導入しようとしたが、代表の選手たちがそれを理解できなかった。それはトルシエ時代に、決まり事にしばられたサッカーをしていたからだ。 しかし、アジアカップ2004やワールドカップアジア予選を戦っていくうちに、選手がジーコの”自由なサッカー”を理解して、現在のようにジーコジャパンは進化をとげたのだ」といったものでした。

つまりジーコ監督は始めから素晴らしい監督だったのだが、当初なかなか日本代表で結果が出なかったのは選手達の理解不足が原因だったというのです。

これは口が裂けても事実とは言えません。

 ジーコ監督は就任当初、「選手の自主性に任せたサッカー、個の自由と独創性を尊重したサッカー」を目指していたのは、皆さんご存知のとおりです。

しかし、このために日本代表は結果も内容も低迷しました。

当時の日本代表の試合内容をみると、多くの場合、サッカーをしているのはボールを持っている選手とそれを受けようとしている選手の二人だけで、残りの選手はそれをただボーっと見ているだけ。 

サッカーはチームスポーツなのに、日本代表はチームとして何の連動性も無く、個人個人がバラバラにプレーをしていたのです。 これで結果が出るはずがありません。

ワールドカップ1次予選第1戦のオマーン戦は相手のミスからの得点でヒヤヒヤの勝利。 アウェーのシンガポール戦では、あわや引き分けかという試合を藤田選手のゴールに救われました。

そのうちジーコ監督は「みんなで集まって練習する時間が足りない」と言い出し始めました。

クラブチームならともかく、代表チームはみんなで集まるチャンスも練習時間も限られていて、欧州組だってなかなか呼び戻せないのは、始めからわかりきっていたことです。

「限られた時間を使って、いかに組織戦術を固めていくか」が代表監督の腕の見せ所ですが、それを「選手の自主性に任せ、個の自由を尊重する」といってほったらかしにして何もしてこなかったのはジーコ監督自身だったのです。


それ以後、アジアカップ2004やオマーン遠征、ワールドカップ2次予選中の練習時間を使って、ジーコ監督と選手達は、ある程度約束事を決めるサッカーへと転換していきました。

おかげで、先月のエクアドル戦をみてもわかるように、国内組だけでも相当組織的なサッカーができるようになったと思います。 

”個の自由”が叫ばれたにもかかわらず、皮肉なものです。

 またジーコ監督の選手起用法についても、彼は当初、チームを変化させる事に非常に臆病で、スタメンや代表召集メンバーを固定し、試合中の選手交代も、流れが悪くなっても全くといって良いほど動かず、失点してからようやく選手を交代させるといった具合でした。

チーム内に競争が起こらないので、控え組からの突き上げの無いスタメン組はピリッとせず、めったにチャンスを与えられない控え組もベンチでくさっていました。

しかし、ケガ人などの発生で固定メンバーが組めなくなると、だんだんとジーコは新しい血を代表に取り入れるようになり、欧州組に指定席を与えるのも止めて、国内組にもチャンスを与えるようになりました。

これでチーム内に競争が起こり、そのことが日本代表に活気を与える結果となったのです。

このように、ジーコは始めから名監督であったのではなく、日本代表と一緒に成長していったのは明白です。そもそもジーコの監督初体験が日本代表だったのですから。

そして日本代表のサッカースタイルも、初期のチームのみんなが個人技に走ってバラバラにプレーするスタイルから、攻守にわたってチームの全員が連動性を持って、組織的にプレーするスタイルへと変化していったのです。

これで「ジーコ監督は始めから素晴らしい監督だったのだが、当初なかなか日本代表で結果が出なかったのは選手達の理解不足が原因だった」という川渕キャプテンの見解は間違いであることがおわかり頂けると思います。

 ジーコ監督についてさらに言わせてもらえば、「ジーコは次期南アフリカ代表監督か?」といった具合に、W杯がまだ終わってもいないのに、日本代表監督辞任後の話がマスコミをにぎわせるのは、非常に不快です。

日本サッカー協会は、ドイツ大会で前回以上の成績つまりベスト8以上を目標としているのだから、ジーコ監督にはそれに向かってもっと集中して欲しいですし、そもそもそういった話をW杯前に出す日本サッカー協会の情報コントロール能力を疑います。

非常に脇が甘いと言わざるを得ません。

川渕キャプテンはジーコ監督のことを高く評価なさっているようですが、だったらW杯が終わる前に、ジーコ監督の進退とか次期日本代表監督の話など一切マスコミにするべきではありませんでした。

 1999年ナイジェリア・ワールドユースで準優勝した日本の黄金世代が一番アブラの乗った時期に行われるドイツワールドカップは、日本サッカー界にとって勝負です。

ここで好成績を残せるかどうかで、今後十年二十年の日本サッカーの伸びが大きく違ってくるでしょう。

自信を持ってドイツW杯に望み、やるべきことをやれば結果はついてくると思います。

そのために、ジーコ監督も選手も目標に向かって集中して欲しいと思います。


  

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