■2005年08月

■Jリーグ選手の、残念な海外移籍断念が続く

 セリエAのトレビゾからFC東京の石川選手にオファーが来ていたのですが、石川選手は球団側からの説得に応じて、トレビゾへの移籍を断念することにしました。

http://headlines.yahoo.co.jp/
hl?a=20050831-00000012-dal-spo


同じくセリエAレッチェへの移籍を志願して、球団側と対立し、結局移籍がダメになってしまった鹿島の小笠原選手、そして来年のW杯に専念するために移籍を自重したガンバ大阪の宮本選手と、最近、日本人選手の欧州リーグへの移籍が、立て続けにダメになってしまいました。

 自分から国内残留を望んだ、宮本選手の場合は別としても、所属するチームが移籍を認めずダメになってしまった、石川・小笠原両選手のケースは残念です。

現在、スコットランド・プレミアリーグのグラスゴー・セルティックでプレーする中村選手が、JリーグからセリエAへ移籍するときも、横浜マリノスがなかなかOKを出さなかった事がありました。

 確かに、スター選手が抜けることによって、チームの人気や成績が一時的に落ちることを心配するJリーグ球団の考えもわからないではありません。
それに、選手の海外進出によって、Jリーグが空洞化してしまう問題もあります。

しかし、日本サッカー界全体のことを考えると、Jリーグ球団が、レベルの高い海外リーグへの選手の移籍を妨げるというのは、利益よりも害の方が大きいような気がします。

特に、決して長いとは言えないサッカー選手の寿命を考えると、選手個人にとってはマイナス面が大変大きいと言えます。
(今回ダメになった小笠原選手の場合、欧州へ進出する年齢としては、決して若いとは言えなくなっています)

 世界のサッカー界において、良い選手とお金は、イングランドやイタリア、スペインといった、最高レベルのリーグへと集まりますし、その中でもビック・クラブと呼ばれるチェルシーやアーセナル、ユーべやミラン、レアルやバルサに最終的に集まるのが現実です。

残念ながら現在、JリーグやJのクラブは、このようなピラミッドの頂点ではなく、底辺を支える方に属しています。

 であるならば、Jリーグ球団は、選手の海外移籍を妨害するのではなくて、良い選手にはいつでもレベルの高いリーグからオファーが来るのだと考えて、
常にスター選手候補を育て、その時に備えなければなりません。

そして欧州などへ優秀な選手を売り、それで得たお金を、才能ある将来有望な若手選手の育成に投資し、次々とレベルの高い選手を世に送り出せば、日本代表とJリーグ両方を含めた、日本サッカー界全体の繁栄につながるのではないでしょうか。

 Jリーグの各球団には、日本人選手にしろ外国人選手にしろ「選手は消費財である」という意識が根強いような気がします。 Jリーグでは、海外に比べると移籍が活発ではなく、選手は割合同じ球団で長くすごし、引退していきます。 つまり、Jリーグ各球団が最終消費者となって、選手を消費してしまうのです。

そうではなくて、「選手は大切な資産である」という意識を持つ必要があるように思われます。 資産は「安く買って大切に育て、高く売る」というのが鉄則です。

Jリーグで大切に育てられた資産である、日本人選手がどんどんイングランドやイタリアなど、欧州のトップリーグへと進出すれば、川渕キャプテンが目標としてかかげた、W杯優勝も夢ではなくなるかもしれません。

こうして考えると、Jリーグ球団が選手の欧州進出を妨害するのは、利益よりも害の方が大きいと言った意味が、わかっていただけるのではないでしょうか。
  

■もう譲渡試合は必要ない!

 皆さんは、”譲渡試合”というものを御存知でしょうか?

”譲渡試合”というのは、Jリーグ各球団が、本来なら自分のホームスタジアムで開催する権利のある試合を、地方へ譲渡して、中立地開催で行われる試合のことです。

昨日行われたJ1第20節で言えば、金沢で開催された、G大阪対磐田の試合がそれにあたりますし、19節で言えば、岡山で開催された、神戸対名古屋が該当します。

これらの試合は本来なら、G大阪のホームである万博競技場や、神戸のホーム、神戸ウイングスタジアムで開催する権利があるのですが、金沢や岡山にホーム試合開催権を譲渡して、地方のスタジアムで行われたわけです。

この”譲渡試合”というシステムは、サッカーの本場・ヨーロッパでは、私は見たことも聞いたこともありません。

(サポが暴れて、制裁を食らったとか、プレシーズンマッチを開催する場合とか、ホームスタジアムのキャパが小さすぎるため、多数の観客が見こめるビック・クラブとの試合を近隣の大きいスタジアムでやるというのはあるでしょうが)

 なぜ譲渡試合という制度が出来たかと言えば、やはりプロ野球の影響が大きかったのではないかと思います。

プロ野球でもフランチャイズ(本拠地)球場をはなれて、地方でホームゲームを行うことが、1シーズンに数試合あります。

地方で試合が行われる理由は、地方ファンの獲得のためや、親会社の新聞販売促進のためだったり、球団オーナーの生まれ故郷だから試合をもってきたなど、いろいろです。

こうしたプロ野球の影響を受けて、Jリーグでも地方で開催される、譲渡試合というものができ、それが現在までも継続して行われています。

 しかしプロ野球はともかくとしても、Jリーグには、もう譲渡試合は必要無いのではないでしょうか。

Jリーグで譲渡試合が行われてきたのは「地方のサッカーファンにJリーグを生で見せたい」というのが第一の理由だと思います。

Jリーグが開幕した当初のように、2部も無く、J1のたった10チームしか無いような状態では、やむを得なかったとは思いますが、現在のようにJ1・J2あわせて30チームが日本全国にちらばるような状態で、完璧では無いにしても、地方のサッカーファンをカバーしつつある状況では、もう必要無いと思います。

 それでも地方でJの試合を生で見たいという人達もいるでしょう。

それならば数年に1回やってくるようなJ1チームではなくて、是非地元のチームをサポートして欲しいのです。

前述の例で言えば、金沢のサッカーファンには、ガンバや磐田ではなくて、北信越リーグ(J1を1部とすると4部にあたる)を戦っている、地元・金沢の金沢SCを全力でサポートして、J1にあげることによって、ホームの石川県西部緑地競技場で、たとえば金沢SCが磐田や浦和を迎え撃つような試合を楽しんで欲しいのです。

(あるいは、3部にあたるJFLの富山をホームとする、アローズ北陸かYKKのうち、どちらかひとつを金沢に譲ってもらうのもいいかもしれません)

 また譲渡試合の存在は、ホームのサポーター軽視でもあります。

プロ野球なら同じ対戦相手と30試合弱やりますから、その半分の約15試合は地元開催の権利があります。

約15試合のうち、3試合ぐらい地方へもっていっても影響は少ないですが、J1となると話は全く別です。

J1の場合は、同じ対戦相手とはH&Aで2試合しかやりません。
ということはホームでその相手と対戦するのは1回きりです。

前述のG大阪対磐田のケースを考えると、ガンバのホーム・万博競技場周辺に住むサポの皆さんで、磐田との対戦を生で観戦するのを楽しみにしていた方も多いと思いますが、今シーズンのJ1リーグ戦に限って言えば、もう金沢で試合をやってしまったので、万博で磐田戦を生で見るチャンスは永遠に失われたのです。

また、金沢にガンバや磐田が来ることで、金沢SCの地元ファンが育たなくなるという弊害がおこる可能性もはらんでいます。

このようなことを考えれば、譲渡試合の存在は、「地域重視」「地元サポ重視」というJリーグの理念とは、まったく矛盾していると思います。

 リーグ戦・カップ戦とも、ホームゲームは必ずホームスタジアムでやり、譲渡試合はいっさい廃止する時期に来ているのではないでしょうか。

「地元や近くにJリーグ球団が無いけど、生でサッカーがみたい」というファンの人達への対策としては、Jリーグオールスター戦や日本五輪代表やユース代表のアジア予選を開催するなどして対応し、

そういうサッカー・ファンの人達には、できるだけ地元のアマチュアチームをサポートしてもらい、プロクラブへと育ててもらう方向へ転換するべきだと思います。
  

■ワールドフットボールバランス(北中米)2005.8.17現在

☆2006W杯・北中米カリブ最終予選

2005.8.17


メキシコ 2-0 コスタリカ
(ボルヘッティ 63,フォンセカ 86)

グアテマラ 2-1 パナマ
(バロイ 70OG,ロメロ 90+ :
デリーバルデス 19)

アメリカ 1-0 トリニダード
(マクブライド 2)


1.メキシコ    6  5 1 0   11- 3  16
2.アメリカ    6  5 0 1   12- 3  15
3.コスタリカ   6  2 1 3    6-10   7
-------------------------------------
4.グアテマラ   6  2 1 3    9- 9   7
......................................................................................
5.トリニダード  6  1 1 4    4-10   4
6.パナマ     6  0 2 4    3-10   2


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 メキシコ・アメリカがそれぞれ、堅実に勝ち点3を上乗せした。

 しかし、パナマはグアテマラに不覚をとってしまう。
これではパナマは、ゴールドカップで活躍した意味が無い。



CONCACAF(北中米カリブ)2005.8.17現在

BB メキシコ アメリカ コスタリカ

B  -パナマ カナダ ホンジュラス

CC トリニダード キューバ ジャマイカ
   +グアテマラ

C  +ハイチ エルサルバドル -マルティニク 

DD スリナム -バミューダ +グアドルーペ
   +Stビンセント

D  ベリーズ グレナダ アンティル バルバドス
   仏領ギアナ -カイマン諸島 ニカラグア
   Stルシア

EE プエルトリコ -Stクリストファー
   +英領バージン諸島 -米領バージン諸島
   -タークスカイコス -ドミニカ共和国
   アンティグア

E  ドミニカ国  ガイアナ シントマルテン バハマ
   アンギラ モンテセラト アルバ

  

■ワールドフットボールバランス(アフリカ)2005.8.17現在

☆2006W杯・アフリカ最終予選 兼 
2006アフリカネーションズカップ予選

2005.8.17

3組

スーダン 1-0 ベナン
(タンバル 20)

1.コートジボアール 8  6 1 1  15- 3  19
2.カメルーン    8  5 2 1  14- 7  17
3.エジプト     8  4 1 3  21-13  13
4.リビア      8  3 2 3   8- 9  11
5.スーダン     8  1 2 5   5-19   5
6.ベナン      8  0 2 6   7-19   2


5組

チュニジア 1-0 ケニア
(グエマムディア 2)

1.チュニジア  8  5 2 1  21- 7  17
2.モロッコ   8  4 4 0  14- 5  16
3.ギニア    8  3 2 3  10- 8  11
4.ケニア    8  3 1 4   8-12  10
5.ボツワナ   8  3 0 5   9-15   9
6.マラウイ   8  0 3 5   8-23   3

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3組はスーダンがホームにベナンを迎えて、順当勝ち。
しかし、両国とも本大会出場の可能性は無い。

5組は、チュニジアにとって大切な、ケニアとの二連戦の第一ラウンドが行われ、チュニジアが辛勝。
チュニジアは、次のアウェーで行われるケニア戦も負けられない。



ワールドフットボールバランス
(世界サッカーランキング)
by国際サッカー戦略研究所

CAF(アフリカ)2005.8.17現在

BB +アンゴラ カメルーン エジプト

B  チュニジア モロッコ +トーゴ 
   +コートジボアール セネガル
   コンゴ共和国 ナイジェリア

CC ケニア 南アフリカ -アルジェリア
   +ジンバブエ ガボン ガンビア
   ザンビア ギニア マリ
   -コンゴ民主 リビア

C  ギニアビサウ タンザニア ルワンダ チャド
   ソマリア +モーリタニア -レソト +ガーナ
   ボツワナ ベナン シエラレオネ
   -中央アフリカ -マラウイ スーダン
   -モザンビーク エチオピア モーリシャス
   -リベリア -カボベルデ +ブルキナファソ

DD マダガスカル ブルンジ +エリトリア
   ウガンダ -ナミビア スワジランド
   -ニジェール

D  -サントメ・プリンチペ 赤道ギニア

EE +セーシェル +ジブチ
  

■ワールドフットボールバランス(欧州)2005.8.17現在

☆2006W杯・ヨーロッパ予選

2005.8.17

1組

ルーマニア 2-0 アンドラ
(ムトゥ 29,41)

マケドニア 0-3 フィンランド
(エレメンコ 8,45,ロイハ 87)


1.オランダ    8  7 1 0  20- 3  22
2.チェコ     8  7 0 1  28- 7  21
3.ルーマニア   10  6 1 3  17-10  19
4.フィンランド  8  4 0 4  16-14  12
5.マケドニア   10  2 2 6  10-19   8
6.アルメニア   9  1 1 7   5-20   4
7.アンドラ    9  1 1 7   4-27   4


2組

カザフスタン 1-2 グルジア
(ケンゼハノフ 23 : デメトラーゼ 50,82)


1.ウクライナ  9  7 2 0  15- 3  23
2.トルコ    9  4 4 1  19- 7  16
3.ギリシャ   9  4 3 2  12- 7  15
4.デンマーク  8  3 3 2  13- 8  12
5.アルバニア  9  3 0 6   7-16   9
6.グルジア   8  2 2 4  12-17   8
7.カザフスタン 8  0 0 8   3-23   0


3組

リヒテンシュタイン 0-0 スロバキア

ラトビア 1-1 ロシア
(アスタフィエフス 6 : アルシャビン 24)


1.ポルトガル     8 6 2 0  24- 4  20
2.スロバキア     9 5 3 1  22- 7  18
3.ロシア       8 4 3 1  16-11  15
4.ラトビア      9 4 2 3  16-15  14
5.エストニア     9 3 2 4  12-15  11
6.リヒテンシュタイン 9 1 2 6   9-19   5
7.ルクセンブルク   8 0 0 8   4-32   0


4組

フェロー諸島 0-3 キプロス
(コンスタンティヌゥ 39,77PK,クラッサス 95)

1.アイルランド 7  3 4 0  11- 4 13
2.スイス    6  3 3 0  13- 4 12
3.イスラエル  7  2 5 0  10- 8 11
4.フランス   6  2 4 0   5- 1 10
5.キプロス   7  1 1 5   7-12  4
6.フェロー諸島 7  0 1 6   3-20  1

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1組は、ルーマニアが順当に勝利。
フィンランドも強さをみせた。

2組はグルジアがカザフスタンをアウェーで下した。
アジアから欧州へ移動したカザフスタンは、まだ一勝もあげられず、欧州サッカーの厳しい洗礼を受けている。

3組の二試合は、ともに引き分けだったが、スロバキアとラトビアにとっては、痛い勝ち点1となった。

4組は、キプロスがアウェーでフェロー諸島を下したが、W杯出場権争いに、直接の影響は無い。


ワールドフットボールバランス
(世界サッカーランキング)
by国際サッカー戦略研究所

UEFA(欧州)2005.8.17現在

AAA スウェーデン チェコ

AA  ポルトガル

A   +オランダ スイス デンマーク ベルギー
    フランス フィンランド ドイツ
    スロバキア -スペイン -ギリシャ 
    イングランド イタリア アイルランド
    +ウクライナ

BB  +トルコ ルーマニア -ラトビア             +イスラエル オーストリア +ポーランド 
    +ボスニア +クロアチア アルバニア 
    +ロシア セルビア -ベラルーシ 
    ノルウェー -ブルガリア +スロベニア

B   グルジア エストニア リトアニア
    ハンガリー +スコットランド 北アイルランド
    ウエールズ

CC  アルメニア マルタ カザフスタン 
    -アゼルバイジャン モルドバ アイスランド 
    -マケドニア +キプロス

C   +リヒテンシュタイン アンドラ
    フェロー諸島

DD  -ルクセンブルク サンマリノ

  

■ワールドフットボールバランス(アジア)2005.8.17現在

☆2006W杯・アジア二次予選

2005.8.17

B組

日本 2-1 イラン
(加地 28,大黒 76 :ダエイ 79PK)

バーレーン 2-3 北朝鮮
(サルマン 49,フセイン・アリ 54 :
チェ・チョルマン 28,キム・チョルホ 43,アン・チョルヒョク 90)

1.日本     6  5 0 1 9-4 15 予選突破
2.イラン    6  4 1 1 7-3 13 予選突破
-------------------------------------
3.バーレーン  6  1 1 4 4-7  4 プレーオフ
......................................................................................
4.北朝鮮    6  1 0 5 5-11 0


A組

ウズベキスタン 3-2 クウェート
(ディエパロフ 41PK,シャツキフ 62,ソリエフ 76:
アル・ムトゥワ 16, B・アブドラー 31)

韓国 0-1 サウジアラビア
(アル・アンバー 5)

1.サウジアラビア 6 4 2 0 10-1 14 予選突破
2.韓国      6 3 1 2  9-5 10 予選突破
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3.ウズベキスタン 6 1 2 3  7-11 5 プレーオフ
.........................................................................................
4.クウェート   6 1 1 4  4-13 4

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日本が入ったB組は、いずれも消化試合。
日本がホームで順当にイランを下し、トップ通過。
北朝鮮がアウェーで殊勲の初勝利をあげるが、時すでに遅し。

A組は、まだ全順位が確定していなかった。
3位に与えられるプレーオフ出場権をめぐって、ウズベキスタンとクウェートが激しく競ったが、点の取り合いを制したのはホームのウズベキスタン。

これでプレーオフは、ウズベキスタンとB組3位のバーレーンの対戦となった。勝者は、北中米4位との最終プレーオフにW杯出場の望みを託す。

消化試合となった1位争いは、サウジがアウェーで韓国を撃破。強さを見せた。

ワールド・フットボールバランス
(世界サッカーランキング)
by国際サッカー戦略研究所

AFC(アジア)2005.8.17現在

BB 日本 -バーレーン イラン

B  -タイ オマーン 韓国 +サウジ
   イラク

CC -レバノン +カタール ヨルダン 
   -タジキスタン シリア +中国 
   +北朝鮮 UAE +ウズベキスタン
   クウェート

C  -トルクメニスタン +キルギス

DD +イエメン インドネシア パレスチナ -香港
   +ミャンマー ベトナム

D  +シンガポール +スリランカ 台湾 +インド
   マレーシア

EE -マカオ カンボジア +モルジブ ラオス 
   -ブルネイ -ブータン +バングラデッシュ
   東ティモール ネパール アフガニスタン

E  グアム フィリピン モンゴル パキスタン

  

■日本、イランを撃破し、一位でドイツへ

 埼玉スタジアムでの日本対オマーン戦からはじまった、2006W杯アジア予選の長い戦いも、いよいよ最後の試合となりました。

最終戦の相手は国内組だけを横浜に連れてきたイラン。まず試合を振り返りましょう。

 試合の立ちあがりは、激しいプレスをかけて主導権を握った日本ペース。 

前半28分に、左からのサイド攻撃で日本はチャンスをつくり、玉田選手の中央への折り返しを大黒選手があわせようとしますが届かず、ゴールチャンスを失ったかにみえましたが、右サイドの加地選手が、ボールがこぼれてくることを予測してベストポジションにつめており、ゴールへパスするようなていねいなシュートで日本先制。

一部の新聞はこのゴールを”ごっつあんゴール”と表現していましたが、私はこの言葉が大キライです。

加地は次のプレーを予測してつめていたのであって、決して偶然彼の前にボールがこぼれてきて、ただ押し込んだのではありません。

あのプレーは加地が頭で稼いだ一点なのであって、”ごっつあん”では決してないのです。

次のプレーを予測してポジショニングするという思想の薄い日本サッカー界だからこそ”ごっつあんゴール”という言葉が生まれたのでしょうが、そのような言葉を乱発する人達が存在する日本は、まだまだサッカー文化後進国だということでしょう。

 先制した日本ですが、そのあとがいけません。

イランが早く同点にしようと、中盤の早いパスの組み立てで攻勢を強めてきましたが、日本の中盤がそれを受身になって見てしまい、パスコースを限定するだけで、プレスを弱めてしまいました。

結果としてイランに自由にボールをつながれ、ダエイのシュートが日本のゴールポストを直撃するなど何度も危ないシーンがありましたが、中沢選手がセンターバックとボランチの一人二役の活躍をみせれば、宮本選手も必死のカバーで何とかしのいで後半へ。

(ダエイのシュートがゴール・ポストに当たってはずれたのを、「運が良かった」でかたずけたサッカー解説者もいたそうですが、あれは宮本がダエイのシュート・コースを限定する正しいポジショニングをしたからこそであって、決して運が良かっただけではありません)

 後半も日本のプレスがきいたのは最初だけで、徐々にイランにボールを支配され、防戦ぎみとなりました。

しかし、ゴールをあげたのは日本。

左からのCKを大黒がうまくあわせてバックヘッド、イランの選手がそのボールをゴールから手でかき出しましたが、日本のゴールと認められ、2-0とします。

 その直後、イランの怒涛の攻めが始まり、早い球回しからゴール前に張っていたダエイにパスが渡り、ダエイがターンしてゴールに向くところを中沢がたまらず引き倒してPK献上。

これをダエイがきっちり決めて一点差に追いすがりましたが、その後は日本が我慢してイランに時間を消費させて勝利。

日本が一位でW杯ドイツ行きを決めました。

 この試合良かった点は、各選手に積極性がみられた点でしょう。

攻撃では、大黒はゴールマウスが見えたら、どんどんシュートを打つ積極的なプレー、加地は次のプレーを予測してあらかじめ良い位置にポジショニングしておく頭脳的なプレー、そして三都主選手の早いタイミングで出てくる鋭いクロスといったプレーが良かったですし、

守備では、中沢があるときはCB、またあるときは前へ出てボランチとなって、相手の攻撃をすばやくつぶすなど獅子奮迅の働きが光っていました。

 逆に課題としては、監督の采配(選手交代)と、このところ毎度のことですが、小笠原・遠藤・福西の三選手の中盤のポジショニングが悪く、攻撃はFWへのロングの放り込みに頼りがちで、結局相手にボールを支配されてしまうということの2点です。

 まず最初の課題ですが、今回のイラン戦は、埼玉での北朝鮮戦と基本的に同じ展開でした。

北朝鮮戦もイラン戦も前半の早いうちに日本が先制点をゲットできましたが、どうも国内組の小笠原・遠藤・福西三選手の中盤は、リードするとプレスを弱めて一休みしてしまい、相手の攻撃を受身になって見てしまうというクセがあるようです。

その結果、相手の攻撃を勢いづけてしまい、危険なピンチを招いてしまいがちです。

 北朝鮮戦の場合、試合の流れが悪いことは明らかなのに何の手も打たず、後半に同点ゴールを浴びてからジーコ監督は慌てて選手を交代させましたが、今回の場合は、同点とされなかったために、試合の流れが悪いままでも動きませんでした。

しかし、遅くとも後半20分までには動いて、小笠原・遠藤のうちどちらか、もしくは両方を代えて、中盤の悪い流れを変えるべきだったと思います。

 ジーコはリードしているとシビレて動けなくなりがちです。 「選手交代で失敗したくない」という気持ちが強いのでしょう。

しかし、「試合の流れが良いから動かない」というならわかりますが、「リードしているから動かない、失点してから動く」というのでは、選手交代が常に後手後手の手遅れであることを意味します。

また昨日は蒸し暑い気候でしたので、交代ワクを使わずに先発の11人を試合終了5分前まで引っ張ったのも無理があったような気がします。

このあたり、試合の流れやスタジアムの気候を考えて、選手交代をもっとうまく使って欲しいと思います。

 次に、繰り返し指摘していることですが、小笠原・遠藤・福西の三選手の中盤のポジショニングの悪さです。

これは三選手だけの責任ではないのですが、昨日のイラン戦では、2トップから最終バックラインまでの間延びが、ひどかったです。

そしてCB+ボランチの守備チーム2トップ+トップ下の攻撃チームの間に、ぽっかりとスペースが出来て、守備チームと攻撃チームの二つの日本代表がバラバラに動いていました。

日本代表守備チームの選手がボールをイランから奪って周りを見ると、ボールのあるサイドには味方のサポート選手が誰もおらず、逆サイドや前線に、2人も3人も張っているような場面が何度も見られ、

こうなってくると、後ろからひたすらロングを放り込んで、遠くに張っている選手は相手の裏をひたすら狙うといったように、攻撃パターンが限定されてしまいます。

しかも一本一本のパスが長くなればなるほど、プレーの正確性・確実性は下がってきます。

 もし3-4-1-2なら、セットプレーなどの特別な状況をのぞいて、この4ラインをきっちり維持しつつ、ラインとラインの間の縦の距離と、同じラインに属する選手間の横の距離をなるべく一定にして、離れ過ぎないようにしておかなければなりません。

選手同士で一定の距離が保てれば、一本一本のパスは短くて済み、インサイドキックのようなシンプルなプレーで、精度の高い攻撃の組み立てが可能になるのです。

 今回、中盤の攻めの組み立てに責任を負っていたのは、小笠原と遠藤の両選手でしたが、彼らのプレーを見ていると、”レベルの高いサッカー”についての基準が世界とズレている気がします。

二人のプレーを見ると、ロングのピンポイントパスを多用したり、ヒールやアウトサイドを使った難しいキック、パスが来てもスルーするまたぎのプレーといった、いわゆるサーカス・プレーを好んでいるようですが、決して成功しているようには見えません。

逆に、基本とも言うべきインサイドキックのショートパスを攻撃の組み立てに使うことは、あまり多くありません。

どうも彼らのプレーからは「誰でもできるインサイドキックじゃ、レベルの高いプレーは出来ない」といった思想がうかがえるのですが、基本中の基本であるインサイドキックこそ、大切にして欲しいプレーです。

局面局面でポジショニングさえ正しく取れれば、サーカスプレーをしなくても、基本のインサイドキックとインフロントキックだけで創造性あふれる攻撃を組み立てることは充分可能なのです。

むしろポジショニングが間違っているために、難しいキックをしなくてはならなくなると言っても良いでしょう。

 いつもファンタジーにあふれた、すばらしい攻撃を見せてくれる、ブラジルやチェコ、ポルトガルといったチームはヒールキックやまたぎのプレーだけで、攻撃を組み立てているわけではありません。

プレーの大半が基本的なもののはずです。彼らは一つ一つはシンプルな基本プレーを自由自在に複数組み合わせることで、創造性の高いプレーを我々に見せてくれるのです。

小笠原・遠藤両選手には「正しいポジショニングやインサイドキックといった、基本こそ一番大切」という点を見失って欲しくはありません。

 今回の試合は勝ち点3をきっちり取ったことは評価できますが、それが可能だったのは、試合の開催地がホームだったことと、相手がイランでしかも国内組だけで組んだチームだったからです。

 日本代表のサッカーレベルそのものはW杯グループリーグ敗退レベルでした。 これから2006年本大会までのテストマッチで代表のレベルを高め、グループリーグ突破レベル、ベスト8やベスト4を狙えるレベルまで持っていかなくてはなりません。

そのために残された時間は、決して多くはないのです。

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2005.8.17 横浜国際競技場

  日本  2 - 1  イラン

 '28 加地     '79 ダエイ(PK)
 '76 大黒

GK 川口    GK ミルザプール

DF 田中    DF ノスラティ
   宮本       カメリ
   中澤       ゴルモハマディ
            カエビ
MF 加地
   福西    MF アラビ
   遠藤       ネクナム
  (今野 84)    ニクバフト
   三都主     (モネイ 73)
   小笠原      ジャバリ
           (カゼミアン 46)
FW 大黒
   玉田    FW ダエイ
  (阿部 89)    ボルハニ
           (モバリ 46)
  

■田中達・坪井両選手が代表離脱

 日本サッカー協会はケガのため、FWの田中達也選手とDFの坪井慶介選手が、日本代表から離脱することを発表しました。

田中達は、韓国遠征での練習中にぎっくり腰をやってしまい、坪井は先日の韓国戦の試合中に、左太ももを打撲して、それぞれ17日のイラン戦まで完治が見込めないためです。

 それにしても残念なのは、管理人spartakがプッシュしていた田中達の離脱。

中国戦で、キレのあるドリブルを披露し、あざやかなミドルシュートまで決めて見せて、FWのレギュラー取り競争を激化させ、代表のだらけたムードにカツを入れる活躍ぶりが光っていただけに、ケガによる離脱は本人のみならず、日本サッカー界にとっても痛いです。

 それにしても、チームドクターとの話し合いなどで、「二人のイラン戦出場はムリ」と早いうちに判断できていれば、追加召集ができたのではないでしょうか?

現在の代表は海外組も含めて、MFは先発を誰にするか迷うほどいるのに、FWとセンターバックは人材不足です。(世界で通用するという意味で)

軸が定まらないFW陣もそうですが、センターバックの不足は特に深刻で、国際レベルでも安心して見ていられるのは、中沢選手一枚だけ。

私はこれをみると、スター・プレーヤー、ライアン・ギッグスにベラミー、ハートソンのFW陣、そしてハイエナのようなボランチ・サベージなど、中盤から前にはプレミアリーグなどでも活躍し、世界レベルでも通用しそうなタレントをそろえながら、長いことイングランド一部(実質二部)リーグレベルのセンターバックしかいなかったために、W杯にもユーロにも出場できなかったウェールズ代表を連想してしまいます。

このことは、センターバック―ボランチ―2列目の、
”背骨”がしっかりしていないチーム、どれかが欠けているチームは世界レベルで活躍することは難しいということを示していると思います。

 ですから日本代表も同じ轍をふまないように、もっと早目に坪井の離脱を決断して、横浜Mの松田選手なり、浦和の闘莉王選手なりを呼んで、実際試合に使わなくても、代表の雰囲気になれさせたり、ジーコ監督のサッカーに対する考え方を理解させるなどしておいて、センターバックの人材確保のために手を打っておくべきではなかったでしょうか。

 ともかく、ジーコ監督は追加召集をせず、残された国内組メンバーだけで行くと決めたようです。 イランも国内組だけで組んだメンバーを発表しました。

ホームの日本としては、内容と結果のともなった日本らしいサッカーで、何としても勝ち点3をゲットして、気持ち良くドイツに乗り込みたいものです。
  

■W杯予選対策 イラン・サッカー基本情報

イラン・イスラム共和国

面積:163.3万k㎡(日本の約4倍)
人口:約7000万人
首都:テヘラン
言語:ペルシャ語
宗教:イスラム教シーア派
通貨:リアル


イランサッカー協会

・FIFAランキング15位(日本13位)
2005年7月現在

国際サッカー戦略研究所格付け:BB(日本:BB)
2005年6月8日現在

・代表ホームスタジアム

アザディ・スタジアム(テヘラン)10万人収容

・代表ユニホーム(シャツ・パンツ・ソックス)
1st.白・白・白 2nd.緑・白・赤

W杯予選に召集された代表メンバー

GK ミルザプール (フーラド)
   ラハマティ  (セパハン)
   タレブル   (エステグラル)

DF ゴルモハマディ(サバ・バッテリー)
   カメリ    (フーラド)
   カエビ    (フーラド)
   ノスラティ  (パス)
   アラビ    (フーラド)
   シャクリ   (パス)

MF ネクナム   (パス)
   ジャバリ (アブー・モスレム)
   テイモリアン (アブー・モスレム)
   ラジャブザデ (ゾブ・アハン) 
   ニクバフト  (エステグラル)
   マネイ    (パス)
   カゼミアン  (ペルスポリス)
   モバリ    (フーラド) 
   
FW ダエイ    (サバ・バッテリー)
   ボルハニ   (パス)
   ベジク    (セパハン)


国内リーグ―16チーム 04/05最終順位

 1.フーラド (アフワーズ) 優勝(初)
 2.ゾブ・アハン  (イスファハン)
 3.エステグラル (テヘラン)
 4.ペルスポリス (テヘラン)
 5.エステグラル(アフワーズ)
 6.パス (テヘラン)
 7.マラヴァン (アンザリ)
 8.アブーモスレム (マシュハド)
 9.サバ・バッテリー (テヘラン)
10.セパハン (イスファハン)
11.ファジル・セパシ (シラーズ)
12.バルグ (シラーズ)
13.サイパ (カラジ)
14.シャムーシャク (ノシャール)
-----------------------
15.ペイカン (テヘラン) 降格
16.ペガ・ジラン (ラシュト) 降格

クラシコ(伝統の一戦)
ペルスポリス<ピルジイ>(優勝8回)対エステグラル(5回)
  

■イラン戦にのぞむ日本代表メンバー発表

 W杯ドイツ大会アジア最終予選のイラン戦に召集された、日本代表メンバーが発表されました。


GK 土肥 洋一 (F東京)
   川口 能活 (磐田)
   楢崎 正剛 (名古屋)

DF 田中 誠  (磐田)
   茶野 隆行 (磐田)
   宮本 恒靖 (G大阪)
   三都主 A. (浦和)
   中澤 佑ニ (横浜M)
   坪井 慶介 (浦和)
   加地 亮  (F東京)
   駒野 友一 (広島)
   茂庭 照幸 (F東京)

MF 福西 崇史 (磐田)
   小笠原 満男(鹿島)
   本山 雅志 (鹿島)
   村井 慎二 (磐田)
   遠藤 保仁 (G大阪)
   阿部 勇樹 (千葉)
   今野 泰幸 (F東京)

FW 玉田 圭司 (柏)
   大黒 将志 (G大阪)
   田中 達也 (浦和)
   巻 誠一郎 (千葉)


8月17日 対イラン戦 (横浜国際競技場)


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 ご覧のように、今回も海外組は呼ばれず、東アジア選手権に召集されたメンバーとほぼ同じになっています。

イラン戦では、さきの韓国戦のスタメンがそのまま起用されそうですが、韓国戦で浮き彫りになった課題を解決して、もう日本代表のドイツ行きは決定していますが、ホームでイランにスッキリ勝って、グループ一位で2006年W杯に乗り込んで欲しいものです。


  

■日本代表、アウェーで韓国に勝利!

 いよいよ東アジア選手権も8月7日が最終日。 この日の対戦相手は開催国の韓国でした。

日本対中国戦のあとに行われた、韓国対北朝鮮戦が引き分けに終わったため、日本の優勝は完全に無くなってしまった状況での試合となりました。

さらに、この試合に勝てないと日本は最下位となり、この大会の出場シード権を失うこととなります。

 日本代表は、前回の中国戦と同じ、若手主体のチームで試合に臨みました。
韓国も、W杯予選に出場しているレギュラー組と若手をミックスしたようなチームで、若干、韓国のほうがメンバー的には力が入っていたでしょうか。

 試合は序盤こそ日本が攻めこんだものの、激しいプレスからボールを奪い、中盤でショート・パスを中心とした組み立てでボールを支配する、ホームの韓国のペースとなりました。

日本はボールをまったくキープできないためチャンスがほとんどつくれず、守備でも坪井選手が相手との一対一で常に劣勢で危険なシュートを何度も許し、GK土肥選手の好セーブ連発と相手のシュートの精度の無さに救われている状態でした。

しかし、後半も半ばを過ぎると、韓国の選手の運動量ががっくりと落ち、日本も中盤で攻撃の組み立てがいくらかできるようになりました。

そして試合終了5分前の右CKから中沢選手がボレーシュート!
これが韓国のGKイ・ウンジェの股間を抜けて決まり、決勝点となりました。

 この試合、日本代表にとって収穫だったのは、まず若手に国際試合で勝利という経験を積ませることができたことでしょう。特にアウェーの環境で、もぎとった勝利ですから価値があります。

次に守備で90分間あわてずに我慢できたことです。 まだまだ完璧とは言えないものの、中盤のプレスも中国戦と比べると良くなっていました。

 逆に課題としては、攻撃があげられます。

中国戦と同様、中盤の本山・阿部・今野の三選手のポジショニングが悪く、韓国から厳しいプレスをかけられて、日本の特徴とも言えるショートパスによる組み立てがほとんどできませんでした。

その結果、巻選手の頭にロングをあわせて、日本の選手の前にこぼれることを期待するような、アバウトなサッカーになってしまい、巻と玉田選手の2トップは、ほとんど仕事ができませんでした。

韓国のプレスぐらいかわせなくては、W杯本大会で欧州や南米の強豪の守備を崩すことはできません。

中盤の3人なり4人なりの選手が、正しいポジショニングをとってトライアングルをつくり、ダイレクトパスを多用して、相手のプレスを無力化させるような、質の高い攻めが求められます。

 また、これはレギュラー組にも言えることですが、全般的にペナルティエリア内を狙ったクロスの落下地点が、敵GKに近すぎるようです。

日本代表の場合、ゴールエリアの中に落下するようなクロスがけっこう多いのですが、ゴールエリアの横のラインからペナルティスポットの方へ向かって2~3mうしろの方が、敵GKが前にでてこれず、質の良いシュート・チャンスとなるでしょう。

 守備に関しては今回まずまずよかったのですが、一点だけ不満だったのは、韓国の中盤の選手がくさびのボールをポストプレーヤーにいれたときに、誰もケアしていなかったことです。

やはり、くさびの縦パスが入るときは敵のポストプレーヤーに最低一人は体を寄せに行き、ファールする必要はありませんが、正確なポストプレーをさせないという事が大事になってきます。

 最後にまとめですが、今回の韓国戦は若手組を多く起用して、良い経験をつめたことは収穫でした。

しかし、「押されたけど、韓国に勝って終わったんだから、終わり良ければ全て良し」で済ませて欲しくはありません。

 この試合に限っては、守備の組織力はほぼ互角でしたが、攻撃の組織力は韓国の方が上回っていました。 そのためにゴールチャンスは韓国の方が多かったのは、データにはっきりと出ています。(日本対韓国 シュート6:17、ボール支配率43%:57%)

試合の勝敗を決めたのは、シュートの精度とGKの能力の差でしたが...

若手組にはこのレベルに満足することなく、ポジショニング能力をアップさせて攻撃の組織力もしっかりと高め、欧州や南米の強豪に通じるような高いレベルのサッカーを目指してほしいと思います。

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2005.8.7 大邱W杯スタジアム

  韓国  0  -  1  日本

            '86  中沢

GK イ・ウンジェ    GK 土肥

DF ユ・ギョンヨル   DF 坪井
   キム・ジンギュ     (中沢 60)
   キム・ヨンチョル     茶野
   オ・ボムソク       茂庭

MF キム・ドゥヒョン  MF 村井
  (キム・ジョンウ 70)   駒野
   ペク・チフン       今野
  (ホン・スンハク 82)   阿部
   キム・ドンジン      本山
               (小笠原 69)
FW イ・チョンス
   チョン・ギョンホ   FW 巻
  (パク・チュヨン 74)    玉田
   イ・ドングク       (大黒 78)
  

■東アジア選手権対策、韓国・サッカー基本情報

大韓民国

面積 9万8千k㎡(日本の約4分の1)
人口 4670万人
首都 ソウル
言語 韓国語
宗教 仏教など
通貨 ウォン

韓国サッカー協会

・FIFAランキング21位(日本13位)
2005年7月現在

国際サッカー戦略研究所格付け:B+ (日本:BB)
2005年6月8日現在

・代表ホームスタジアム
ソウル・ワールドカップ・スタジアム(ソウル)
65000人収容

・代表ユニホーム(シャツ・パンツ・ソックス)
1st.赤・灰・赤 2nd.白・赤・白

・東アジア選手権に召集された代表メンバー

GK イ・ウンジェ   (三星)
   キム・ヨンデ   (釜山)
   キム・ヨングァン (全南)

DF オ・ボムソク   (浦項)
   ユ・ギョンヨル  (現代)
   カク・ヒジュ   (三星)
   キム・ハンユン  (SK)
   キム・ジンギュ  (磐田:日本)
   キム・ヨンチョル (一和)

MF チェ・テウク   (清水:日本)
   ペク・チフン   (FCソウル)
   キム・ドンジン  (FCソウル)
   キム・サンシク  (一和)
   キム・ジョンウ  (現代)
   ホン・スンハク  (大邱)
   ヤン・サンミン  (全南)
   パク・キュソン  (全北)
   キム・ドゥヒョン (三星)

FW パク・チュヨン  (FCソウル)
   チョン・ギョンホ (尚武)
   キム・ジンヨン  (現代)
   イ・ドングク   (尚武)
   イ・チョンス   (現代)


・国内一部リーグ―13チーム

2005シーズン成績 (前期終了時点)

1.釜山
2.FC仁川
3.現代 (尉山)
4.浦項
5.FCソウル
6.一和 (城南)
7.SK (富川)
8.大田
9.三星 (水原)
10.全南 (光陽)
11.全北 (全州)
12.FC大邱
13.尚武 (光州)

・クラシコ(伝統の一戦)

一和(優勝6回) 対 釜山(優勝4回)?
  

■日本代表、若手中心の中国とドロー

 8月3日、韓国の大田で東アジア選手権の第二戦、日本対中国戦が行われました。

北朝鮮戦のあと「ジーコ監督は選手をなかなか代えないので、選手同士で競争がおこらず、チーム内の雰囲気がダラっとしがちである。」と書いたのですが、この中国戦で、なんとジーコ監督は先発メンバーの総いれかえをしてしまいました。

監督自身は「レギュラー組の疲労がたまっているようだから」と言っていました。

その言葉を額面どおり受け取ってよいのか、本当はレギュラー組へのお仕置きだったのか、彼の真意はわかりませんし、やることが両極端だなとも思いますが、こうした選手へのカツは絶対必要なので、よしとしましょう。

というわけで、この日の先発はアテネ五輪代表選手が多く選ばれ、要所要所にフル代表の選手がはいってチームを引き締めるような感じとなりました。

 対する中国代表も、北京五輪や次のW杯を狙う若い選手中心のチームでした。

監督がイングランド人・オランダ人と続いて久しぶりに中国人に戻ったせいでしょうか、チームのプレースタイルは伝統の中国スタイル。

後ろからロングをどんどん放り込んで、身体能力の高いFWに勝負させる、得点の大半はヘディングシュートからという、良く言えば中国らしい、悪く言えば創造力やファンタジーのかけらもないようなチームでした。

まあ、これからチームの土台を作り上げていく、発展途上のチームということなのでしょう。

 その中国に対して、若返った日本代表は押し気味に試合を進めました。
しかし先制したのは中国で、日本がやや攻め疲れをし、前半終了まで10分をきった危険な時間帯で立て続けに2失点。

最初は、日本の左サイドからのアーリーぎみのクロスからフリーで李金羽のヘッドを食らい、2点目は逆サイドからのセットプレーからまたしてもフリーで張永海のヘッドを食らってしまいました。

 後半も足が止まって引き気味の中国に対して、日本が押し気味の展開。

13分にゴール前のFKから阿部選手が精度の高い、すばらしいキックをみせ、相手GKがはじいたところを茂庭選手がよく予測してつめていて1点差にし、

43分には、相手最終ライン前でのこぼれ球をひろった田中達選手が、相手のDFの前から思い切りの良いミドルシュート。 これがゴール右上すみに決まって同点としました。

しかし、これ以上は効果的な攻めをすることが出来ず、試合は引き分けとなりました。

 日本代表にとってこの試合の収穫は、若い選手達に実戦経験をつませることが出来たという事でしょう。

もちろん選手どうしのコンビネーション不足といった問題の解決はこれからですが、ゴールをあげた田中達や活きの良いプレーをみせた駒野・巻両選手など収穫は少なくありませんでした。

逆に課題としては、攻守ともに試合を見てしまっている選手が多すぎるということがあげられます。

サッカー選手なのだから積極的にプレーに関与してボールにからみましょう! ”ボールと友達”になれない選手には別の職業をすすめます。

 まず守備面では、ゴール前で守備の頭数は足りているのに、ボールばかり見ていて相手の危険なプレーヤーを誰も見ていない、そのためにどフリーでヘッドを許してしまうという日本病が再発してしまいました。

最初の失点は坪井選手が簡単に相手にふりきられ、2点目は村井選手がマークすべき相手選手を離してしまいました。

この病気がでると即失点につながるというのは、ドーハの悲劇や2002年W杯・宮城スタジアムでのトルコ戦敗北と、日本サッカー界が何度も痛い目にあってきているので、わかりきった事のはずなのですが...

 攻撃面では、やはり前回と同じで、本山・阿部・今野の三選手の中盤が連携と運動量を欠き、パスでの攻撃をうまく組み立てられませんでした。

特に攻めに多くの役割を求められている、本山と阿部ですが、ときおりスイッチがオンになって、面白いパス交換から攻めを組み立てることもあったのですが、スイッチがオフになって”消えている”時間帯のほうがはるかに長かったために、日本が効果的に攻撃できないひとつの原因となっていたように思います。

この3人には、コーチングで他人を指図して動かすのではなく、まず自分が動いてボールを受けに行くという姿勢が必要です。

そして試合中はできるだけ長い時間スイッチをオンにして、試合を見てしまわないように気を付けなければ、日本の攻撃はうまくいかないんだという自覚が求められます。

 選手個々の面では、今回アテネ五輪代表世代の何人かが、先発をまかされたわけですが、パスを出す時も受ける時もスペースの使い方を知らない選手が少なくないようです。

アテネ五輪アジア最終予選をみて感じたのですが、アテネ五輪代表はロングを放り込んだり、単発のドリブル突破をしかけたりして、ひたすら個人技による突破に頼ったサッカーをしていました。

そのため、フィジカルと一対一が強く、引いて守ってくるバーレーン五輪代表には一分一敗と、日本五輪代表の攻撃はまったく通用しませんでしたが、選手が小さなスペースをうまく使ってショートパスで相手を崩すような経験を積んでこなかったために、こうしたことがおこってしまったのでしょう。

 当時の山本五輪代表監督がこうしたことを教えなかったのか、教えたけど選手ができないのかはわかりませんが、

スペースの使い方やマン・マーキングの仕方など、アテネ五輪代表世代の基礎能力の低さが後々悪い影響を与えないよう、今のうちに手を打っておく必要があると、中国戦を見て感じました。

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2005.8.3 大田W杯スタジアム

   日本  2  -  2  中国

 '58茂庭        '37李 金羽
 '87田中達       '43張 永海

 GK 楢崎    GK 李 雷雷

 DF 茶野    DF 張 耀坤
    坪井       孫  祥
    茂庭       徐 雲龍
            (陳 涛 59)
 MF 駒野       張 永海
    今野       季 銘義
    阿部       王  亮
    村井
   (三都主 74)MF 李  彦
    本山       趙 旭日
   (玉田 66)
          FW 李 金羽
 FW 巻       (蒿 俊閔 87) 
   (大黒 66)    ガオ 琳
    田中      (周 海濱 69) 

  

■東アジア選手権対策、中国・サッカー基本情報

中華人民共和国

面積 959.8万k㎡(日本の約25倍)
人口 12億7225万人
首都 北京
言語 中国語(公用語)ウイグル語・チベット語など
宗教 道教・イスラム教・仏教など
通貨 人民元

中国サッカー協会

・FIFAランキング56位(日本13位)
2005年7月現在

国際サッカー戦略研究所格付け:CC+
(日本:BB)2005年6月8日現在

・代表ホームスタジアム
工人体育場(北京) 80000人収容

・代表ユニホーム(シャツ・パンツ・ソックス)
1st.白・白・白 2nd.赤・赤・赤

・東アジア選手権に召集された代表メンバー

GK 劉 雲飛(天津)
   李  健(重慶)

DF 杜  威(上海申花)
   孫  祥(上海申花)
   季 銘義(大連)
   馮 粛霆(大連)
   徐 雲龍(北京)
   王  亮(遼寧)
   張 耀坤(四川)
   張 永海(深セン)
   李 偉峰(深セン)

MF 趙 旭日(大連)
   曹  陽(天津)
   蒿 俊閔(天津)
   周 海濱(山東)
   李  彦(上海国際)
   鄭  斌(武漢)
   陳  涛(瀋陽)

FW 謝  暉(上海申花)
   ガオ 琳(上海申花)
   鄒  捷(大連)
   李 金羽(山東)

・国内一部リーグ―14チーム

2005シーズン成績 (7月20日現在)

1.大連
2.天津
3.上海申花
4.武漢
5.山東 (済南)
6.北京
7.上海国際
8.四川 (成都)
9.青島
10.深セン
11.上海中邦
12.遼寧 (撫順)
13.重慶
14.瀋陽

・クラシコ(伝統の一戦)
遼寧(優勝8回) 対 大連(優勝7回)?
  

■日本代表、北朝鮮に敗れる!

 31日開幕した東アジア選手権、日本の初戦は北朝鮮が相手でしたが、いきなりの黒星スタートとなってしまいました。

 対戦相手の北朝鮮代表は、明らかに次のアジアカップ・W杯予選をみすえた若いチーム。

そのため、攻撃はロングの放り込みだけで、ドイツW杯予選に出場したチームより、さらに一段、チーム戦術の創造性に欠け、技術も低い選手がほとんどでした。

 しかし、相手がどうであろうと、自軍ゴール前で敵にパスをすれば、失点するのは当たり前です。

小笠原選手のまったく不用意なバックパスでまんまと敵選手にボールを渡してしまい、一旦は防いだものの、中沢選手のクリアミスでペナルティエリア内の相手選手にボールを渡してしまい失点、それが決勝点となってしまいました。

(中沢の場合は、実戦のカンが戻っていないようなプレーが他にも見られました。だからあまり心配しなくてもよいかもしれません。)

 ゴール前での凡ミスに、プレスの手抜きと守備面でも問題が多かったのですが、さらに問題だったのは攻撃面。

 問題だったのは例によって例のごとくポジショニング。
コンフェデのメキシコ戦以前の悪い状態に逆戻りでした。

日本の選手ひとりひとりが局面局面で正しいポジショニングがとれていないために、 ボール保持者はパスが出せずに相手にすぐに囲まれて、ボールの持ち過ぎになってしまう。 それでも何とかパスをしようすると、パスの出し手が難しいキックをしなければならない
          ↓
だから質の悪いパスあるいはミス・パスの可能性が高くなる
          ↓
パスの質が悪いからトラップが難しくダイレクトパスもミスになりやすい
          ↓
結果としてチーム全体でパスがほとんど回らないから、質の高いチャンスもつくれない。

という悪循環です。

コンフェデのギリシャ戦やブラジル戦でみせた、あの美しく、すばらしいチャンスを創り出したダイレクトパスの連続攻撃はどこへ行ってしまったのでしょうか。

 日本の特徴であるすばやいパス回しの命は、中盤の選手のポジショニングやパスの能力、そして運動量にあります。

ですからこの悪循環の原因は、間違い無くトップ下をまかされた小笠原とボランチの遠藤選手です。

(福西選手は足元の技術や球をちらすセンスの面で、多くは望めないでしょう。 彼は守備に重心をおくボランチです。 そうなるとトップ下をサポートして攻めの組み立てに参加するボランチは遠藤しかいません。

三都主選手がボールを持ちすぎて攻めのリズムを壊すのは毎度のことでしたが、彼へ中盤からのサポートがないのもその一因です)

コンフェデで活躍した中田英・中村両選手と小笠原・遠藤両選手の能力はこんなにも差があるのでしょうか。

確かにコンフェデの時と比べると、世界から注目されない大会で弱いチームが相手、30度の蒸し暑さ、欧州の強豪クラブとのフレンドリーマッチの直後の疲れと、条件が悪くモチベーションが上がらないのもわかりますが、しかし、客からお金をとってサッカーをみせるプロならこのようなことを言い訳にはできません。

韓国・大田まではるばる遠征した代表サポに失礼というものでしょう。

 そういえば以前、中田英選手が「(ジーコジャパンは)チームの雰囲気がダラっとしている」と言っていたと思いますが、今回もチーム全体でダラっとした感じを受けました。

コンフェデの初戦もそうでしたが、どうもこのチームは大会への入り方が悪く、緊張感を欠いてモチベーションが低いまま、初戦に臨んでしまい苦戦するという欠点を抱えているようです。

 この原因はやはり監督にあるのではないでしょうか。

コンフェデを見た限りでは、チーム戦術や個人技術などサッカーそのものへの指導力は大分良くなったように感じるのですが、チーム全体や選手個々のモチベーション管理という面では、ジーコ監督は決定的に経験が足りないようです。

歴代代表監督で、この分野で最もすぐれていたのはトルシエ前監督でしょう。

ピッチに入れた選手が悪ければ、すぐ同じポジションのライバル選手をタッチラインぞいでアップさせて「今のままなら別の選手にチャンスをやるぞ」と無言の脅しをかけて、やる気を引き出し、それでもダメならスパっと代える。

逆に結果を出している選手はどんどん使ってもらえるから、控え選手も”くさらず”に高いモチベーションを維持させることが出来ます。

 ジーコ監督は、どういうわけかなかなかレギュラー選手を代えませんし、新しい召集メンバーを入れることにも消極的です。

その結果、ジーコ監督が選手達にいくら厳しいことを言っても「俺はレギュラー確定だから、弱い相手には手を抜いても大丈夫(足を抜いても?)」とか「俺はレギュラーは無理そうだけど、控え要員としてベンチ入りしてドイツへ行ければいいや。」といったダラ~とした、ぬるい雰囲気がチーム全体に充満しているように思えてならないのです。

だから対戦相手が弱いと日本代表まで相手にあわせてレベルを落としたサッカーをしてしまうのではないでしょうか。

ドイツW杯アジア一次・最終予選とも、シンガポールや北朝鮮といった決して強豪とは言えないチームに苦戦したり、大事な予選の前の親善マッチ・若手主体のペルーとUAE相手に連敗して、お尻に火がついてからがんばり出しましたし、

コンフェデの初戦・メキシコ戦で、サッカーの基礎能力の違いをまざまざと見せつけられた後の、次のギリシャ戦以降、とたんにサッカーの内容がよくなったのも、そう考えると納得がいくと思うのですがどうでしょうか。

 今回の北朝鮮戦の敗戦で、W杯本大会の成績がどうこうという話ではありませんが、このダラ~としたチーム内の雰囲気は今すぐ何とかしなければならないでしょう。

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2005.7.31 大田W杯スタジアム

   日本  0  -  1  北朝鮮

           '24 キム・ヨンジュン

GK 川口      GK キム・ミョンギル

DF 田中      DF ハン・ソンチョル
  (本山 46)      ナム・ソンチョル
   宮本         チャ・ジョンヒョク
   中澤         パク・チョルジン
              ソ・ヒョクチョル
MF 加地
   福西      MF キム・ヨンジュン
   遠藤         キム・チョルホ
  (巻 77)       リ・ハンジェ
   三都主      (キム・ソンチョル 23)
   小笠原
           FW キム・ミョンチョル
FW 玉田       (チェ・アンチョン 55) 
  (田中 67)      パク・ソングァン     
   大黒       (アン・ジョンホ 72)

 
  

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