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■クラブ―日本国内

■せっかく上手くいっている日本の育成を台無しにするもの

 今月行われたウルグアイとのテストマッチでは、中島・南野・堂安ら20代前半の若手選手の躍動は目覚ましいものがありました。

代表でもクラブでも対戦相手に研究され対策を立てられても彼らがそれを克服して成長していけるかどうか、これからが本当の勝負でしょうが、それでもシュート・ドリブル・パスといった足元の技術はもちろん、ゴールチャンスでのプレーの正確性をもたらす精神的な落ち着きなど、これまでの世代に比べ、長年日本サッカーの弱点であった総合的な「個の能力」の部分がアップしているところは間違いないと思います。

現在、U-19日本代表がU-20W杯出場権をかけてアジア予選を戦っていますが、影山ジャパンの各選手も高い技術に加え、フィジカルコンタクトの戦いにも強くなっており、やはり個の能力がアップしてきていると感じました。

先月U-17W杯出場を大会優勝で決めた森山ジャパンもそうですが、いま日本の育成が非常に上手く行っている印象を受けます。

日本の育成が生み出した「ダイヤの原石」たちがJリーグで順調に育ち、いずれは世界的なプレーヤーへと羽ばたいていってくれることを望みます。

ところが、この良い流れに水を差しかねないのが、Jリーグが進めようとしている野放図とも言える「外国人枠の拡大」です。

この問題についての当研究所の考え方は(過去記事・有望な若手選手にチャンスを与えることの大切さ)で述べたとおりです。

現在JリーグはJ1各クラブに外国人の出場枠を「5人」とする案を提示し、今月25日の理事会で決定する方針と報じられております。

上記の記事中にあるように、同時出場可能な外国人(日本代表としてプレーする資格を持たない選手)は4人までとするのが、外国人選手をJリーグに受け入れるメリットが若手を含む日本人選手の出場機会を奪ってしまうデメリットを上回るギリギリのところではないかと当研究所は考えるのですが、Jリーグが言っている「5人」というのは「アジア枠」や「提携国枠」を除いた数字で、実際にはスタメンの過半数をはるかに超える7人以上の外国人が同時にピッチに立てるようにするものです。

Jリーグ側は、若手日本人の出場機会減少というデメリットを緩和するため、13~21歳に下部組織に在籍した選手をJ1クラブは2人以上保有しないといけないとする「ホームグロウン制度」も導入する予定ですが、これでは「ちゃんと努力しましたよ」というアリバイ作り程度で、若手の成長チャンス確保策としては不十分すぎると思います。

Jリーグは「競争力アップのため」と言っていますが、なぜこれほどまでに外国人選手を増やそうと前のめりになっているのか理解できません。

もちろん当研究所が最優先に考えているのは「日本サッカー=(日本人選手)の競争力アップ」ですが、Jリーグの言う「競争力」は別のことを意味しているのかもしれません。

これに関して、外国人選手を多くJリーグでプレーさせて「コンテンツとしての競争力」をアップさせることで視聴者を増やし、それによって投資した資金を早く回収したいJリーグを独占中継しているネット配信会社から要望があり、ヴィッセル神戸のオーナーである三木谷さんも外国人枠の拡大に賛成であるという分析記事を最近読みました。

その記事の内容が事実かどうかはわかりませんが、もしそうであればそれはビジネスの話であって、当研究所が最重要視している「日本サッカー、あるいは日本人サッカー選手の競争力アップ」の話とズレが出てくるのは当たり前ですね。

確かにイニエスタ出場予定試合はどこもスタジアムが満員になっており、Jリーグ側がビジネス面でよだれダラダラになるのはわかるのですが、日本サッカーの競争力アップとは基本的には関係ないですし、行き過ぎた外国人選手枠の拡大策は、才能ある日本の若手選手から試合に出場して成長するためのチャンスを奪ってしまい、これまでせっかく上手くいっている日本の若手育成を台無しにしかねないと思います。

高額の移籍金を払って、ちょっと峠を越えたベテランも含む有名外国人選手をたくさん連れてきさえすれば、その国のサッカー選手の競争力が上がるというものではないということは中国リーグを見ればわかりますし、そもそもJリーグのどのクラブもイニエスタ・クラスの外国人選手を6人も7人も連れてこられる資金力を持っているというわけではありません。

優秀な外国人選手と競うことで日本人選手の競争力がアップするというのが当初の説明だったのに、中途半端な実力の外国人選手ばかりがJリーグに増えてスタメンの過半数がそんな外国人選手で占められ、そのために若い日本人選手から出場機会が失われてしまうのであれば、日本サッカーの強化という面から最悪のシナリオと言えます。

そうなると、優秀な日本人選手は出場機会を求めて19~20歳ぐらいでベルギーやオランダなどの欧州クラブへと移籍し、Jリーグは中途半端な実力の外国人多数と、欧州へ進出する実力を持たない日本人選手、欧州で通用しなくなって戻ってきたベテラン日本人選手で構成される、空洞化したリーグとなってしまう危険性をはらんでいると思います。

そんなリーグは、サポーターにとって「コンテンツ的」に魅力的といえるでしょうか。

当研究所は、代表とJリーグは日本サッカー強化のための車の両輪だと考えているので、そうした事態を懸念します。

ヴィッセル神戸のオーナーである三木谷さんがどれくらいサッカーにお詳しいか存じ上げませんが、確かにイニエスタやファンマ・リージョを連れてきたのはすごいと思いますし、Jリーグに投資してくださって私からも感謝を申し上げたいのですが、高額の移籍金を払って外国人選手・監督を連れてきさえすれば、クラブが強くなるかというと必ずしもそうではないのが現在の神戸ですね。

むしろ神戸はどういうサッカーを理想とするのかというクラブ哲学が先にあって、そのサッカーをやるためにポジションごとにどういう選手を育てていくかを決め、時間とお金をかけてカンテラ(育成組織)を充実させて、幾多の挫折を乗り越えて辛抱強くクラブ哲学を貫いていった先に、常勝軍団・神戸はあると思います。

もし三木谷さんがバルサを理想とされておられるならなおさらですし、そうして育てられた日本人選手と組んでこそ、イニエスタもリージョも最大限の力を発揮できると思います。

 というわけでまとめます。

Jリーグの野放図とも言える外国人枠拡大策は、日本サッカー(=日本人サッカー選手)の強化という観点から見てメリットよりもデメリットの方がはるかに多いように思われますし、せっかく上手くいっている日本の育成を台無しにしかねないと思います。

ここまで「育成日本復活」を掲げている日本サッカー協会(JFA)会長の田嶋さんの顔が全く見えないのですが、JFAはJリーグの外国人枠拡大やホームグロウン制度の問題をもう一度よく検討し直していただきたいです。




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■有望な若手選手にチャンスを与えることの大切さ

 インドネシアで行われた東アジア大会で、海外組抜き、Jリーグ開催中なので国内組も自由に招集できないという悪条件なかでU-21日本代表が準優勝を果たし、さらに先日のコスタリカとのテストマッチで、中島・南野・堂安選手らが大活躍したことで、有望な若手にチャンスを与えて実戦を経験させることの重要性を、日本サッカー界は再認識したと思います。

中島選手や堂安選手にチャンスが与えられたことで、まだA代表に呼ばれていないリオ世代・東京世代の選手たちもモチベーションがグッとあがり、まずはクラブのゲームで結果を出すぞとさぞ気合が入ったことでしょう。

国別代表ですから本来あり得ない話ですが、東アジア大会に臨む日本代表監督に、世界トップレベルの外国人選手を招集する特例が認められていたとしたら、監督としての自分のクビが危なくなってくれば来るほど、優秀な外国人選手に頼りたくなるのが人情というものです。

もし森保さん以外の人が東アジア大会の日本代表を率いる監督だったとして、アジア最弱レベルのネパールとの初戦が“しょっぱい”1-0の試合に終わり、サポーターやマスコミからさんざん叩かれた後で、グリーズマンやモドリッチ、ムバッペ、エデン・アザール、デブライネやウムティティを使えるのだとしたら、次のパキスタン戦以降、彼らをスタメンから起用する誘惑に負けてしまい、若手の日本人選手をベンチに引っ込めてしまう人が大半だと思います。

そうなれば実戦を通じて前田・岩崎・立田・板倉ら若手日本人選手たちの、あの成長はありえなかったわけです。

優秀な外国人選手をそろえた日本代表が例え東アジア大会で金メダルが取れたとしても、それが日本サッカー界の強化につながるでしょうか。

それはコスタリカとのテストマッチでも同様です。

ましてや外国人選手を使うことがルールで認められていて、しかも代表監督よりも成績不振で頻繁にクビを切られることが多いクラブチームの監督さんの場合、自分のチームに優秀な外国人選手がいれば、経験の浅い若手日本人選手よりも優先してスタメンで使う人が圧倒的だと思います。

だから私は、Jリーグの外国人枠完全撤廃には反対なわけです。

もちろん、優秀な外国人選手がJリーグに来ることで、日本人選手が好影響を受けてレベルアップするというのはありますし、実際、1990年代初めのJリーグ発足からそれを目にしてきました。

しかし、優秀な日本人プレーヤーがどれくらい生まれてくるかは、日本のサッカー選手全体のピラミッドの“すそ野”がどれくらい広く大きいかにかかってくるでしょうし、実際の試合でプレーする日本人選手数が少ない状態で、その頂点にいる一部のエリート選手を強化しても、日本サッカーの真の強化にはつながらないと考えます。例えそのエリートたちが優秀な外国人選手から良い影響を受けたとしても。

ちょっと前に、ヴィッセル神戸がJリーグの試合中、ピッチ上の11人のうち6人が外国人選手だった時間帯があったそうで、外国人枠の撤廃をきっかけに、他のクラブでも同様の例が続出するようであれば、日本サッカーの危機だと思います。

J1・J2・J3合わせてJリーグ会員クラブは確か54だったと思いますが、もしすべてのクラブがスタメン11人のうち6人を外国人にすると、54×6=324で、324人もの大量の日本人サッカー選手が自国リーグでプレーし、実戦を通じてサッカー選手としての能力を高めるための経験をするチャンスを失います。

1000人のサッカー少年たちがいたとして、そのうち何人がJリーグでプレーできるプロサッカー選手になれるのかを考えてみても、こうした状態が日本サッカーの強化に悪影響を与えないはずがありません。

正確なデータを持っていないのですが、仮に1000人の子供たちから1~2人がプロサッカー選手になれたとして、300人以上の日本人選手が出場チャンスを失うことになるわけです。

Jリーグは各クラブが保有できる外国人選手数を無制限とすることも検討しているようですが、経営がおもわしくないJ2クラブが日本人選手を切る代わりに年俸が安くて「コスパの良い」外国人選手を大量に獲得し、全登録選手30人のうち、外国人選手25人・日本人のプロA契約の選手が5人というところが現れるかもしれません。やはりそれも日本サッカー界の危機です。

セリエAでもプレミアシップでも、外国人枠が撤廃されてスタメン11人全員が外国人選手というクラブが現れるに至ったことが、イタリア・イングランド両代表の強化の足を引っ張ったことは明らかでしょう。

ですからJリーグの外国人枠に関して言えば、外国人3人+アジア枠等1人の計4人までが同時にピッチ立てる状態が、外国人選手をJリーグに受け入れるメリットが若手を含む日本人選手の出場機会を奪ってしまうデメリットを上回るギリギリのところではないかと考えます。

クラブが契約できる外国人選手数にも一定の歯止めをかける必要があります。

そういうわけで、いまJリーグが検討している外国人枠の完全撤廃ですが、日本サッカー協会の関塚技術委員長は9月12日に開催された技術委員会で反対と明言し、私も関塚さんを強く支持したいと思います。

Jクラブでも反対の声があがっているそうで、日本サッカー界に良識派がまだまだ多いということであれば勇気づけられますね。

これに関連して「外国人枠撤廃で日本人選手が育たなくなるは本当か」という、外国人枠の撤廃について賛成なのか反対なのか結論が書かれていないので何が言いたいのかよくわからないプロの記者が書いた記事を最近読んだのですが、記事のタイトルと内容から、その記者さんは外国人枠の撤廃に賛成していると判断して言わせてもらうと、

レベルの高い外国人選手がJリーグに来ることで、チームメイトとしてレベルの高いプレーを間近で見られることで得られる好影響であったり彼らと競争したりすることで、日本人選手もレベルアップするのだから(だから外国人枠の撤廃に賛成なのだ)と言いたそうな内容でした。

私は以前の記事で外国人枠の完全撤廃に反対したわけですが、「外国人選手を全員Jリーグから追い出せ」と言っているわけではありません。Jリーグ発足以来、質の高い外国人選手がやってきたことで日本人選手のレベルアップにつながったことは前述したように良くわかっていますし、神戸のイニエスタのプレーはサポーターばかりでなく多くの日本人指導者や選手たちに、ほんとに良く見てもらいたいです。

フリーで味方からパスを受けるときに、ゴールに背を向けるのではなく半身になって受けてすぐ前を向くという基本をおろそかにしないところなどは特に。

しかし、日本人はどうも極論から極論に触れるというか、「組織戦術は選手の個性をダメにする」と言われたジーコジャパンの「個の自由」以降、「個か組織か」という極端な二者択一の議論が起こります。

過去記事をあさってもらえばわかると思いますが、私の考え方は「世界トップレベルには達していない日本人選手の個の能力を引き上げるには時間がかかる。だからといってその間日本代表がなすすべなく負け続けても良いはずがないので、組織戦術で個で劣勢なのをカバーして勝ちつつ、個の能力を引き上げていく」というものでした。

西野ジャパンが個の能力でトップレベルのベルギーにあれだけやれたのは、チーム組織を大事にしたこと、多くの日本人選手が欧州クラブへの移籍で個の能力をアップさせ、ベルギーの選手との差をいくぶんか縮められたこと、その相乗効果があったからだと思います。

ところが「個か組織か」という論争が起きていた当時、「組織で個が劣勢なのをカバーできるはずがない」という主張の方が大勢でしたし、そのような主張をする人たちは、組織の重要性を訴える人たちを「組織力さえ高めれば、個の能力が低くても問題ないと考えている人たち」と誤解しているようでした。

さらに2014年ブラジルW杯でザックジャパンが敗退すると、「ザックジャパンはポゼッションサッカーのせいで負けた」という主張が日本サッカー界で圧倒的に増え、またしても「ポゼッションか、カウンターか」という極端な論争が巻き起こります。

私の立場は、「どちらの戦術も必要。ピッチ内のシチュエーションに応じてポゼッションとカウンターを使い分けていくべき」というもので、今もそれは変わっていませんが、「ポゼッションサッカーは諸悪の根源、カウンターサッカーこそ正義」みたいな主張が大勢となり、ハリルジャパンの誕生へとつながっていきました。

このように、「個か組織か」「ポゼッションかカウンターか」みたいな、極端な二者択一論が起こるたびに辟易させられるのですが、私は「外国人枠を完全撤廃してスタメン全員を外国人にするのを許容するか、それともJリーグからすべて外国人選手を追い出すべきか」という二者択一を主張しているのではなく、「Jリーグの各クラブに外国人選手をどれくらいの人数プレーさせることを認めるのか、程度の問題だ」と言っているのです。

その記者さんの記事では、外国人を多く使っても神戸では若い選手が育っていると主張していましたが、外国人枠の完全撤廃による弊害が現れてくるのはそれが実施されてから年単位である程度の時間がたってからでしょうし、撤廃する前である神戸の例を出してみても、日本人選手が育たなくなることの証拠にはなりません。

ブラジルW杯で優勝したドイツ代表も証拠としてあげておられましたが、外国人枠を完全撤廃してスタメン全員が外国人であるクラブが現れたイタリアやイングランドが何の問題もなかったという実例を自分の意見が正しい根拠として出すのであればともかく、ブンデスリーガでは「ドイツ国籍を持つ12人を、しかもそのうち6人はクラブの地元で育成された選手を登録しなければならない」という外国人枠撤廃の弊害をマイルドにするための対策が取られているのでむしろ話が逆ではないでしょうか。

イタリアにしろイングランドの代表チームにしろ、自国クラブでプレーできる外国人選手数を適切に抑えれば、今よりもっと強くなっているのではないでしょうか。

欧州各国リーグでプレーする日本人選手が増えましたが、裏を返して言えば、その分、地元選手の出場機会は確実に無くなっているということですから。

 最後にまとめますが、これまで述べてきた理由によって当研究所はJリーグの外国人枠完全撤廃には反対ですし、もしそれをやってしまうと、チーム組織は選手の個性をダメにするというジーコジャパン時代の「個の自由」、「ブラジルW杯でザックジャパンが負けたのはポゼッションサッカーのせい」という誤った分析から誕生した、バックからトップの大迫選手にひたすらロングボールを放り込むハリルジャパンの「タテに速いサッカー」に続く、天下の愚策になりかねないと思います。

外国人選手をJリーグに呼ぶメリットがデメリットを上回るのは、1試合に出場できる非日本人選手が1クラブ4人までではないかと思います。

Jリーグのレベルをアップさせ人気を高めるために、外国人枠の完全撤廃という話が出てきたのでしょうが、もちろんJリーグがいつか世界最高峰のサッカーリーグになってくれることを望んでいますけど、日本人選手のレベルアップによってそれが達成されなければ意味がありません。

Jリーグ各クラブが世界トップレベルのサッカーを見せてくれることが理想ですけど、そうじゃないからといって必ずしもサポーターが逃げてしまうということでもないと思います。

(これも程度の問題で、あまりに低レベルのサッカーだとそっぽを向かれるでしょうが)

ポゼッションサッカーがどちらかというと好みである私が世界最高レベルのサッカーを見たいなら、日本代表なんか見ずにバルサのサッカーだけを見ますし、指導者・戦術家としてペップ・グアルディオラを尊敬しているので、バルサ→バイエルン→マンチェスター・Cと彼の率いるチームだけを追っかけたかもしれません。

しかし25年以上も日本代表を追っかけてきて、こうして代表戦のレビュー記事をこのブログで13年書いてきた理由は、何といっても私が日本人だからで、日本人としての「地元愛」からです。

夏の甲子園では秋田の金足農業が大きな話題となりましたが、高校野球が根強い人気を保っているのも、プロ野球よりプレーレベルが高いからではなくて「俺たち、私たち地元の代表チーム」だからだと思います。

Jリーグ各クラブのサポーターの皆さんが、地元のクラブを応援するのは、やはり自分たち地元の代表であり、地元クラブの育成組織で育ち、成長する過程を見てきた選手がいるからではないでしょうか。

練習場やスタジアムでのプレーを見て、「この若手選手は今あまり注目されていないけど、いずれクラブを背負って立つ主力プレーヤーになる」と予想して当たった時は、結構快感じゃないですか?

しかしどのJクラブも、スタメンの半数以上が世界中からかき集められた外国人プレーヤーとなり、経験の浅い、でも将来の伸びしろがたっぷりある地元クラブの育成出身の若い日本人選手が、自国のトップリーグで実際にプレーするチャンスを奪われるケースが増えれば増えるほど、長い目で見れば、日本サッカー界のためにはならないと思います。

そうした意味において、自分のクラブで育成したラ・マシア出身の選手を主力として、自国リーグやCLで世界トップレベルのサッカーを展開し、代表チームに多くの主力選手を送り込んでスペインの2010年南アフリカW杯優勝に大きく貢献したペップ時代のバルサは、まさに理想的なクラブでした。

最後にペップの言葉で締めたいと思います。

「バルサのカンテラがレアル・マドリード、ビジャレアル、エスパニョールのものより格段に優れているわけじゃない。バルサではそういった選手がトップで起用される。そこで違いが生まれるんだ」




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■ガンバ大阪、激闘の2005Jリーグを制す!

 まれにみる混戦となった2005年Jリーグは、最終節を残して勝ち点1差の間に、セレッソ大阪、ガンバ大阪、鹿島、千葉の4チームがひしめき、最後までわからない展開となりました。

 そして昨日開催された最終節の各ゲームは、G大阪、鹿島、千葉がそれぞれ勝ったものの、首位のC大阪が後半44分に痛すぎる同点ゴールをあび、G大阪の逆転初優勝で今シーズンの幕はおろされました。

おめでとうございます。G大阪の選手ならびにサポの皆さん!

これで関西のチームとしては初めてJ1リーグ優勝を果たしたわけですが、Jリーグ発足当初は、お荷物と呼ばれていた(失礼!)G大阪と浦和が1位と2位ですから、時代は変わりましたね。

1 G大阪  18 6 10  60 82-58 +24 初優勝
2 浦和   17 8 9  59 65-37 +28
3 鹿島   16 11 7 59 61-39 +22
4 千葉   16 11 7  59 56-42 +14
5 C大阪  16 11 7  59 48-40 +8
6 磐田   14 9 11 51 51-41 +10
7 広島   13 11 10  50 50-42 +8
8 川崎   15 5 14  50 54-47 +7
9 横浜M  12 12 10  48 41-40 +1
10 F東京  11 14 9  47 43-40 +3
11 大分   12 7 15  43 44-43 +1
12 新潟   11 9 14  42 47-62 -15
13 大宮   12 5 17  41 39-50 -11
14 名古屋  10 9 15  39 43-49 -6
15 清水    9 12 13  39 40-49 -9
.........................................................................
16 柏     8 11 15  35 39-54 -15 入替戦
-------------------------------------
17 東京V   6 12 16  30 40-73 -33 降格
18 神戸    4 9 21 21 30-67 -37 〃


 今期をざっとふりかえると、出だしは鹿島が首位に立って順調に飛ばしたもの、22節にガンバ大阪が鹿島を追いぬいて首位奪取。

しかし何節でしたか、西野監督が「勝ち点が×差あれば鹿島から逃げ切れる」とコメントしてから選手に優勝のプレッシャーがかかったのでしょうか、G大阪の調子がおかしくなったように思います。

そしてG大阪が連敗をはじめるも鹿島も追いつけず、両チームがモタモタしているうちに破竹の快進撃でC大阪が首位へ踊り出て、G大阪を追いぬきます。

 しかししかし、最終節を前に首位にたったC大阪も優勝へのプレッシャーからか、後半44分のセットプレーから失点を許し(長居の悲劇?)、優勝皿はするりとセレッソの手から逃げていき、ガンバの元へと旅立ちました。

 今期のJリーグは大混戦で最後の最後まで順位が入れ替わり、4-2とか3-3など3点4点入るのは当たり前の試合も割合多かったような印象があります。

見ているほうとしては大変面白かったのですが、首位に立ったチームが次々とプレッシャーで自滅していく一方で、昨年降格争いをしていたセレッソ大阪がいきなり怒涛の7連勝を開始して首位争いに加わるなど、日本のチームや選手はメンタル面でものすごく不安定な感じがします。

精神的に充実していて自信があるときは勝ち続けるけれど、何かのきっかけで自信が崩れるとあっという間に連敗といった具合で、実は各チームともそれほど戦力の差が無く、その時その時のメンタル面の好不調が成績に大きく影響しているように管理人スパルタクには見えます。

前回の日本代表のゴール決定力不足のところでも言いましたが、日本のサッカー選手には技術は高いのに自分の能力に自信が無いタイプの人が多いのかもしれません。

 あと、得点が沢山入るのも見ていて面白いのですが、逆にいえば日本のサッカー界は「攻高守低」と言えるのではないでしょうか。

Jの試合を見ていると、「相手チームでこいつしか点とるやついないじゃん」という選手をゴール前で簡単にフリーにして、バカスカ点を取られているパターンを良く見ます。

来年は世界クラブ選手権出場をめざしてアジアチャンピオンズリーグに挑むことになるガンバ大阪、あるいは日本代表に選手をおくりこむJリーグ各チームといった具合に、世界をにらんでこの問題を考えると、「試合が面白かったからそれで全部OK!」とは思えません。

 日本サッカーが世界に飛躍するためには、「日本人選手のメンタル」の問題と「攻高守低」の問題をクリアすることは絶対に欠かせないと思います。

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