■日本代表

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■日本サッカーをどう立て直すか?

前回のつづき

 ハリルホジッチ監督の解任を受け、開幕まで2か月を切ってしまったロシアW杯に向けて、日本サッカーをどうやって立て直していくのかを考えてみたいと思います。

まずW杯で日本はどう戦うべきかを考え、そこから逆算してみます。

日本が入ったグループHですが、コロンビア・ポーランドの2強と日本・セネガルの2弱という構図と見ています。おそらくコロンビアのほうがポーランドよりやや戦力は上ではないでしょうか。

日本代表としては、初戦のコロンビアとのゲームはもちろん初めから勝ちを捨てる必要はありませんが、石にかじりついても引き分けという結果が欲しいところです。もしグループ最強のコロンビアから勝ち点1を奪えれば、日本にグループリーグ突破に向けての道が大きく開けてきます。

つづいて第二戦ですが、リバプールのマネ・ナポリのクリバリ・モナコのケイタなど、要所要所に個の能力の高い選手がいるのですが、コロンビアやポーランドはセネガルに勝つ可能性が高いので、日本も是が非でもがんばってセネガルには勝たないといけません。

何とか日本が勝ち点4、ポーランドが勝ち点3という状況で最終節を迎えたいところです。

そしてグループリーグ突破をかけて最後のゲームに臨むということになります。

オーソドックスにいくなら、初戦は0-0でも十分すぎる結果なので守備を固めたカウンターサッカーで、第二戦以降は、初戦の結果を見てからどう戦うか決めても遅くはないと思います。

 それでは、具体的なチーム再建策ですが、ザッケローニ元監督の言葉を借りれば、「選手の体にあった服を用意してあげる」ことから始めるべきでしょう。

つまり、日本代表が呼ぶことのできる選手にあったシステムを採用し、その選手のプレーの特徴にあっていて潜在能力を一番発揮できるポジションで使ってあげるということです。

西野新監督にもいろいろとプランはおありでしょうが、私もいくつかのシステムを提案してみます。

本来であれば、システムのテストはアジア2次予選の段階の公式戦やテストマッチで使える・使えないを見極めておき、使えるシステムに関しては3次予選を戦いながら本番に向けて組織や選手個々の連携を熟成させておくべきだったんですがね。

マリ・ウクライナとやった先月のベルギー遠征でまず感じたことは、守備の強度が足りないこともさることながら、守から攻へ転じたときに、ダブルボランチが有効なパスをほとんど出せなかったということです。

その役目を長谷部選手が担っていましたが、一時的な不調なのか加齢によるものなのかはわかりませんが、攻めのパスがことごとくミスになって、相手から逆襲を浴びる結果となっていました。

山口選手も、ポジショニングや失点につながるような危機を察知する能力が3年前からほとんど進歩していません。

シンガポールやカンボジアに苦戦したアジア2次予選の段階からずっと言っていますが、チームの腰骨とも言えるこの重要なポジションには、パス展開能力があってフィジカルコンタクトに強く守備でも貢献できそうな本田選手を試してみてはどうかと思います。

パートナーとしては、山口選手のほかヘーレンフェーンの小林祐希選手やレオネサの井手口選手らのなかで、いま最も調子の良い人を使います。

これまでずっと口を酸っぱくして言ってきましたが、2次予選の段階から長期計画で育成しなければならなかったのにGKやバック陣に若手の有力選手がほとんど育っておらず、前監督は3年間いったい何をしていたんだと言いたくなります。

GKは、川嶋選手と柏の中村選手のうち調子の良いほうを。

バック陣は吉田・長友・酒井宏のレギュラークラス各選手と、2番手以降の選手との実力差が大きく開いています。最近、昌子選手がちょっと精彩を欠いているように見えますので、若手を使うなら経験不足を承知の上で鹿島の植田選手でしょうか。

スペイン2部をチェックする機会がないのですが、同じセンターバックのポジションで、ヒムナスティックの鈴木選手が今どんな状態か知りたいですね。

右サイドはコノプリャンカに抜かれまくった酒井高選手は現状では相当キビシイです。

バック陣の層の薄さは明らかなのでロシアW杯以後の将来のことも考えて、柏の中山選手など五輪世代から思い切って大抜擢することも一つの手だと思います。

「日本人サッカー選手は大人になるのが世界と比べて5歳遅い」と常々言っていますが、欧州リーグなど世界で「若い選手」と言えば10代のことで、25歳以下はチームの主力を担うべきバリバリの中堅どころです。

森保ジャパン世代も本来なら、欧州のビッグクラブや代表チームで主力プレーヤーとして活躍していてもおかしくはない年齢です。

ベルギー遠征ではトップ下に森岡選手や柴崎選手が起用されましたが、印象的な活躍だったとは言えず。そこで乾選手はどうでしょうか。

守備力が未知数ですが、左サイドハーフには同遠征で唯一の収穫だったポルティモネンセの中島選手を。トップ下で試しても面白そうですが、相手に倒された時にボールを抱え込んでハンドを取られるのは今すぐやめるべき悪いクセです。

右サイドハーフは、最近パッとしないヘントの久保選手に代わり、デュッセルドルフの原口選手や、マインツの武藤選手を試してみたいです。

ワントップは大迫選手が一歩リードで、ここで武藤選手を試す手もあるでしょう。セレッソの杉本選手は、何度使ってもらってもシュート一本も打てずという試合が続いていますので、国際経験をもっともっと積む必要がありそうです。

(4-2-3-1 ブラウザはエッジ推奨)


            大迫
           (武藤)


  中島        乾         原口
 (乾)       (中島)      (武藤)
 (原口)                (乾)

        本田    山口
       (小林祐) (小林祐)
             (井手口) 

  長友    吉田    槙野     酒井宏    
             (植田)
             (鈴木)
           川島
          (中村) 



守備時は、中島・原口の両サイドハーフがダブルボランチのラインまで戻り、DF陣とMF陣とで4×2の守備ブロックをつくり、ゾーンで守ります。そうした意味でハリルジャパンの4-2-1-3は、カウンターサッカーのはずなのに両ウイングが前へ出すぎです。これでは戻るのに時間がかかり、コンパクトな守備ブロックをつくるのが遅くなります。あえて4-2-3-1と表記しているのはそういう意味です。

ボールを奪い返したら本田選手か乾選手あたりが攻めの起点となるパスを出し、前の3~4人で素早くコレクティブカウンターをかければ堅守速攻型、相手の戻りが早ければ遅攻に切り替えといった具合に、戦術を切り替えます。

 最近ケガだったり結果が出せていなかったりしていますが、香川・岡崎両選手を生かしたいなら4-2-3-1にこだわらず、4-4-2の方が機能しやすいのではないかと思います。

香川選手はトップ下と言っても、もともとボールキープ能力がそれほど高いわけではなく、ドルトムントでの全盛期でも、ワントップのバリオスやレバンドフスキに絡んでボールをもらいゴールを量産していたわけですから、ちょっと能力に差がありますが大迫選手にその役目をやってもらい、香川選手が大迫選手に絡みつつチャンスメークしたり得点したりというイメージです。

岡崎選手の場合は、大迫選手がバーディ役ですね。

ヘントの久保選手やアンデルレヒトの森岡選手も、2トップの方が合っているような気がします。


(4-4-2)

                大迫
         香川    (武藤)
        (岡崎)
        (武藤)
        (久保)

   中島    本田    山口     原口
  (乾)   (小林祐) (小林祐)  (武藤)
              (井手口)  (乾)
         

   長友    吉田    槙野     酒井宏    
              (植田)
              (鈴木)

            川島
           (中村) 




 もし守備重視のシステムで長谷部選手の危機察知能力を生かしたいなら、4-1-4-1のアンカー役で起用し、バイタルエリアでフリーになってしまった相手ボールホルダーに応対したり、局面によっては両センターバックの間まで下がってバック陣が突破を許してしまった敵選手のカバーをしたり、ラインの上げ下げを指揮して相手選手をオフサイドにしてしまうなど、ちょっとブスケツ的に動いてもらったらどうかと思います。

そこで両サイドバックが上がってピッチの中央方向に絞りながらゲームをつくれば、ペップの戦術っぽくなりますが、そこまでは望んでいません(笑)

ただ、相手チームも長谷部選手の両脇に空くスペースを使おうと考えるのは必定なので、DFラインの4人とMFラインの4人との距離が空きすぎないように絶えず注意する必要があります。



           大迫
          (武藤)


  中島    本田    山口     原口
 (乾)   (小林祐) (小林祐)  (武藤)
             (井手口)  (乾)

           長谷部        


  長友    吉田    槙野     酒井宏    
             (植田)
             (鈴木)

           川島
          (中村) 


コロンビアとのW杯初戦まで練習時間やテストマッチの数が非常に限られていますが、その貴重なチャンスを使ってどれが使えるシステムで、誰がそのシステムの各ポジションでベストなのかを見極めていかなければなりません。

くどいようですが、本来であればアジア2次予選の段階で終えておくべきテストです。

あとは西野新監督が、W杯で勝つために代表各選手にクラブでの練習や試合中にやっておいてほしい課題をメール等で伝えておいたり、選手個々が何をするべきか自分の頭で考えてクラブでの練習や試合に臨めば、限られた代表の練習時間を節約することができるでしょう。

ベルギー遠征を見て思ったのは、ゾーンで守るにしろ相手のボール保持者への寄せが甘く、フリーでプレーさせすぎだということです。

ゾーンディフェンスというのは、ただ自分の担当ゾーンを埋めていればそれでいいということではなくて、自分の担当ゾーンに相手のボールホルダーや次にボールホルダーになりそうな敵選手(ワンタッチも含む)が侵入してきたらマンマークに切り替えて守り、その選手のマークを味方に受け渡すまでは、相手からボールを奪ったり、相手のミスプレーを誘うために勇気を持って自分の体をぶつけていかなければなりません。

(もちろん味方からの援護を求めるために、適切な距離(1mぐらい)を保って後退しながらディレイさせることが適切なシチュエーションもありえます)

また、相手からボールを奪い返すためのフィジカルコンタクト・スキルについては既に解説済みですが、日本人選手は相手に抜かれることをビビり、へっぴり腰で上半身がのけぞりながら足先だけでボールを奪いに行くので、ことごとく一対一に負けている感じです。

そうではなく、できれば相手の利き足の方を切りながら並走して、自分の腰や太ももを相手の下半身にガツンとぶつけて相手のバランスを崩し、自分の肩や腕を相手の前に入れるとボールが奪いやすくなるはずです。

(当ブログ関連記事・一対一でのフィジカルコンタクト・スキルの基本) 

相手からボールを速やかに奪い返すためには、相手のボールホルダーが何を考えているのかを知っておくと良いでしょう。

(当ブログ関連記事・ドリブラー養成計画) 

ともかく最初にチャージする選手が勇気をもってしっかり自分の体を相手のボールホルダーへぶつけていけば、そこでボールを取り切れなくても、相手がバランスを崩してボールを体から大きく離したところで、カバーしている別の選手が奪いに行けば、連携プレーでボールを奪うことができるはずです。

ところが、最初にチャージする選手が抜かれることにビビっておっかなびっくり中途半端に寄せに行くので簡単に抜かれてしまい、その背後でカバーしている選手も、やっぱり抜かれることにビビってへっぴり腰で足先だけでボールを取りに行くので、こちらの選手が2~3人で相手を囲んでいるのに次々に抜かれてしまうという、情けない状況に陥ってしまっています。

相手のボールを足先で上手く突けたとしても、日本人選手はボールを突く方向を考えていないので、突いたボールが味方ではなく敵選手に渡って「ナイスパス!」みたいなシーンもひんぱんに見かけますね。

日本人選手のフィジカルコンタクト・スキルを短期間で集中的に高めるためにも、代表チームに世界基準のスキルを教えられるコーチを是非とも招聘すべきです。

もちろんファールせずに相手からボールが奪えればベストであり、それを高いレベルでできるように日本人選手は育成年代から特に練習に力を入れるべきなんですが、もしそうでなかった場合は、いかにカードをもらわずにファールで相手のプレーを止めるか、それも自分たちのゴールに遠いところで止めて、勢いに乗ってこちらを攻めることができないように相手のプレーをブツ切りにしていくかが次の課題となってきます。

日本人選手は順法精神が強すぎるというか、ジュニア時代から「ファールを絶対にしないようにプレーしましょう」なんて教えられているのか知りませんが、そういう「良い意味でのマリーシア」が足りないように思います。

 W杯開幕まで2か月を切ってしまいましたが、日本代表がロシアで良い成績が残せるように、残された貴重な時間を大切に使い、選手のケガだけは十分注意して死に物狂いで努力していくしかありません。



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■決断が遅すぎる!

 ハリルホジッチ氏が日本代表監督を解任されました。

各種報道をまとめると、先月のベルギー遠征で代表選手たちからの信頼を失い、ほとんどの選手が監督にもうついていけなくなったということらしいです。

ところで代表サポの意見をネットで見ていると、ハリルホジッチ氏を「W杯本番では”本気”を出して成功するはずだったのに、ビジネスのために直前で解任された”悲劇の殉教者”」のように崇め奉っている人が多いようで、当研究所はそのような意見には賛同しかねます。

ハリルジャパンがどうやってロシアW杯出場を決めたのか、そのプロセスがすっかり忘れ去られ、美化された記憶で上書きされてしまっていることが理解できません。

ですからそれをご承知の上で、この記事を読んでいただければ幸いです。多様な意見の共存を認められない非寛容な方には、おススメできない内容であることをあらかじめお断りしておきます。

 それでは私見を。

正直驚きましたが、日本サッカー協会は、決断が遅すぎるの一言。

サッカーを見る目、将来を見通す目が無いというか何というか、解任するならするでどんなに遅くともW杯アジア予選が終了した段階で決断していれば優秀な監督を探す時間があったのに、どうしてグズグズしていたんでしょうか。

昨年11月サウジ代表がW杯準優勝監督のファンマルバイクをクビにしたとき、「日本が彼を拾ったらどうだろうか?」なんて考えていたんですけどね。

日本より「個の能力」で劣る選手を任されるというハンデを自分の戦術でカバーしてハリルジャパンと互角の勝負を展開した手腕は、なかなかのものでしたし、サウジ代表監督として日本サッカーを分析して長所も短所も丸裸にしていたはずですから、適任じゃないかと思ったんですが...。

ハリル氏が独裁的に自分の戦術を選手に強要して、一切の反論を許さないことはもう何年も前からわかっていたことで、それでも結果が出ていれば選手たちも納得してついていったのでしょうが、ハリル監督はW杯の予選でサウジ・UAE・イラクなどよりも「個の能力の高いプレーヤー」を与えてもらっているのに力の劣る相手に互角の勝負を演じてしまい、W杯本番まであと3カ月しかないのにいまだに攻守両面で戦術が機能せずテスト段階のまま、これまでの戦術の積み上げや連携プレーの熟成といったものも皆無で、ハリル監督が就任した3年前からほとんど進歩なし。


(当ブログ過去記事・ハリルホジッチ監督の采配はどうだったのか?) (注意・エッジだとフォーメーション図が崩れます。)


この時期でさえ、ロシアW杯を戦うチームの軸となる先発11人のファーストチョイスが定まらない状況でしたから、実際に試合や練習でプレーしている選手たちがついていけなくなったのは無理もなかったかもしれません。

3月のベルギー遠征は、結果も内容もはかばかしくありませんでしたね。

マリ代表といえば、今から10年ぐらい前ならバルサのセイドゥ・ケイタやセビージャのフレデリック・カヌーテ、レアルマドリードのマハマドゥ・ディアラなんかがいるアフリカトップクラスの強豪国だったので、「どうしてその時代にテストマッチを組まなかったの?今ならブルキナファソの方が良い成績を残しているのに」と思って見ていたら、本来なら3~4点差つけて勝たないといけない次の次のW杯を目指す若手主体の急造チームにもう少しのところで負けそうに。

続くウクライナ戦も前の試合と同様、チームとして組織的にプレスをかけてどこに相手のボールホルダーを追い込んで奪うのかという約束事が見えず。

攻撃は、マリ戦みたいに「ウラへロングを蹴れ」というハリルの戦術では勝てないと選手たちが自主的に判断したんだと思いますが、ショートパスを使ってコンビネーションで崩そうとしていました。

こういう意図のあるサッカーをアジア2次予選のシンガポールやカンボジアみたいな難易度の低い相手から始めて、徐々に対戦相手のレベルをあげていきながら長期計画で熟成度を上げていくべきだったのであって、実力者のウクライナ相手にたった1試合でいきなり機能させろというのも無理な話です。

代表サポの中には「本番まで手の内を隠しているだけだ。ハリルは本番になったら本気を出すよ」という人もいるようですが、「能ある鷹は爪を隠す」じゃないですけど、本当に優秀な監督なら「隠している爪」がチラチラ見えるものなんですよ。

しかし、ハリル監督初の公式戦となったアジア2次予選の初戦シンガポール戦から、ウクライナとのテストマッチに至るまで、残念ながら私にはほとんど見えませんでした。

彼を招聘した霜田正浩・前技術委員長の触れ込みでは「戦術の引き出しが非常に多い」はずだったのに、守備はマークの受け渡しはしているんでしょうがマッチアップしている相手にこちらの選手を当てはめて1対1で守る「デュエル」、攻撃は、相手バックのウラへロングボールを蹴りこむ「縦に速い攻撃」の組み合わせというたった一つだけ。

そこまで「デュエル」を選手に求めるなら、どうやったらデュエルに勝てるのか選手に具体的な指導をして欲しかったんですが、ただ「デュエルに勝て!」という言葉を繰り返すだけでしたね。

結局、守備も攻撃も「個の能力」頼みですから、これから何年テストしてもチーム組織とか選手同士の連動が生まれる余地もありません。

それでも機能すれば良かったんですが、W杯アジア2次予選では引き分け狙いのシンガポールに引かれてウラのスペースを消されると、たった一つの戦術しか引き出しがないハリル監督はお手上げのドロー。

本当に能力の高い監督さんなら、すぐに違う戦術に切り替えて危機を打開できたはずです。しかしハリル監督には、「自分たちの意図した連携プレーで相手の守備ブロックの中にスペースをつくって攻める」という発想もその戦術的ノウハウもまったく無かったですね。


(当ブログ過去記事・ブラジルW杯の金縛り状態ふたたび(その2)) 


アジア最弱レベルのカンボジアにも引かれて大苦戦、あわやドローかという試合の後、自分のカウンターサッカーが通用しなかったことにイラついたハリル監督は、自分がカウンターサッカーをやっていることを棚に上げて、「カンボジアはもっと前へ出て攻めてこい。守備的なカウンターサッカーをやっていることが、アジアが世界で低い位置にいる原因なんだ」と言い放った時から、ハリル氏のプロサッカー監督としての能力に疑念を感じずにはいられませんでした。


(当ブログ過去記事・日本代表、またしてもカンボジアに苦戦(その2)) 


百歩譲って「W杯の本番までに試していた」と、好意的に考えたとしても、選手の起用法も首をかしげるものが多かったですね。

これまで何度も指摘しましたが、代表各選手のプレーの特徴や選手間の優劣が見極められず、だから選手たちを本来の能力が発揮できる適切なポジションで使ってあげることができません。

4-2-1-3にしろ、4-4-2にしろそれぞれのポジションには役割があって、隣り合ったポジションどうしで連携して攻守に協働するところに意味があるわけです。

しかしハリル監督は、選手個々の長所短所やフォーメーションごとの各ポジションの役割を考えずに、ただピッチに11人を並べて、あとは「選手が個の能力でなんとかしなさい」というサッカーしかしていないように見えました。

だから4-2-1-3のセンターFWに体が小さくてポストプレーが苦手な岡崎選手を入れてみたり、ピッチをワイドに使って相手のサイドを攻略する役割の右ウイングに、スピードの遅い本田選手を入れてみたり。

まともな監督さんなら、それが本当にテストでその選手が結果を出せなかったら、次の試合以降、別の選手を試すことにしてもう同じポジションに入れないはずですが、ハリル監督は同じ選択ミスを何度も何度も繰り返して3次予選イラクとの2試合やホームのUAE戦でチームが苦しむ原因をつくっていました。

正GKの見極めにも失敗し、PKにしろFKにしろ相手がボールを蹴る前にヤマをかけて反対に飛んでしまうような選手を起用してUAE戦を落としたり、パサー・タイプの清武選手をウイングに入れて、ウラへ抜け出してボールを受けろと指示し、うまく機能しないのでチームから干したなんてこともありましたね。

ハリル監督の選手起用法は行き当たりばったりで、W杯が開催される3年後を見越した長期計画でチーム作りを行うという発想も完全に欠けており、そのツケが今にまわってきています。

ハリル監督に意見した選手は粛清され次の試合から招集されなくなったという報道もあるようですが、1試合ごとにメンツがガラッと変わることも多く、そのために毎試合チームの連携を一から積み上げては壊し、積み上げては壊しの繰り返しなので、ある程度チームの形が見えてきてそれなりに結果を出していかなければならない今の時期になっても戦術も先発メンバーもテストテストテスト。

そのくせ、「戦術トレーニングをやる時間が1日しかなかった」「オートマティズム(選手の連動性)を高める時間が少なすぎる」などとアジア予選の段階から言い訳ばかり。

ロシアW杯開幕時点でのチーム編成やポジションごとの若手とベテランの割合をどうするか等を考えておいて、2次予選の段階から日本が大量リードを奪ってその試合の勝負が決まったあとにでも、若いセンターバックを公式戦で使って経験を積ませておくべきだったのに、攻撃の選手ばかり試していたのでまったく育っておらず。

ハリル監督は守備的なカウンターサッカーを志向していたはずなのに、W杯まであと2か月の段階で何とか計算できそうなセンターバックはサウサンプトンの吉田選手ぐらい。

カウンターサッカーなんて攻撃を半分以上捨てているんですから、どんなに悪くても0-0でゲームを終わらせなければ、最低限のノルマを果たしたとは言えません。

にもかかわらず、世界を相手にしたテストマッチ4連戦(ブラジル・ベルギー・マリ・ウクライナ)で、クリーンシートで終わった試合っていくつあったでしょうか。

センターバックや守備の弱いカウンターサッカーのチームなんてシャレになりません。

選手を育てるのがヘタと言えば、フレッシュな代表初召集の選手を呼んだときでも、代表メンバー招集発表の記者会見の場で、「〇×は練習には呼ぶがゲームでは使わない!」と、ハリル監督は早々に宣言。これでは呼ばれた選手のモチベーションがダダ下がりです。

そこはいきなり実戦投入するのが難しいとしても、「招集したすべての選手にスタメンのチャンスがある」と言ってやれば、選手だってモチベーションをマックスにして練習にはげみ、それがレギュラー組を刺激して健全な競争が起こるその相乗効果が自分たちのチームを強くしていくわけで、優秀な監督ならそういう配慮ができるはずなんですが、ブルガリアの片田舎から代表招集に応じて遠路はるばるイランまでやってきた、スタラ・ザゴラの加藤選手が気の毒でしたよ。

さらに大事な試合前の選手のコンディションづくりもヘタ。

ドローに終わった2017年6月のイラク戦の直前合宿で選手に無茶な走り込みをやらせて無駄に疲労と乳酸を体内に蓄積させ、それが久保・酒井宏両選手のゲーム中での負傷につながった可能性があり、それによって実質イラクより2人プレーヤーが少なくなった時間帯に失点して痛い引き分け。

プロの指導者として必須の運動科学の知識がなかったんでしょうか。


(当ブログ過去記事・またしても同じミスを繰り返したハリル監督

(当ブログ過去記事・イラク戦「外伝」


本当に優秀な監督ならば、これまで指摘してきたような低レベルのミスを繰り返すことはあり得ません。

ハリル監督も一生懸命やっていたとは思うんですが、それで許されるのはアマチュアまで。

じゃあなぜ彼はアルジェリア代表監督として成功したのかと言えば、個の能力は世界標準以上あるけど練習に平気で遅刻してきたり、アスリートなのに普段からシーシャ(水タバコ)を吸うような選手たちに、強権でもって規律を与え、マジメにサッカーをやるようにさせたからではないでしょうか。

そして「個の能力」をもともと持っている選手たちですから、アルジェリア代表では「個の能力頼み」のハリル監督の戦術がマッチしたと。

しかし「場の空気」への同調圧力や集団主義が強くて根がクソマジメな日本人には、ちょっとありすぎるぐらいの規律がすでにあるので、「規律はもう間に合っています」状態だったんだと思うんですよね。

前技術委員長の霜田さんは、決して美味くはない水を砂漠の国で売って成功した監督を、梅雨や台風、日本海側に降る大雪のおかげで美味しい水に豊富に恵まれている国へ連れてきてしまったということだったんではないかと。

そうなると個の能力、特にフィジカルコンタクト能力に不安を抱える日本人選手に、「個の能力に頼ったサッカー」しかできないハリル監督は、単なるミスマッチでしかなくなります。

日本の選手より個の能力の低いサウジ・UAE・イラク・タイなどを相手にしている分には、「個の能力に頼ったサッカー」でどうにかこうにかやれても、コロンビア・ポーランド・セネガル相手ではどうでしょうか。

当ブログの無期限休止をお伝えした記事で、ジーコジャパン時代のことを振り返ったのは、「個の能力頼みのサッカー」という意味でジーコ監督とハリル監督は非常に良く似ていたからです。


(当ブログ関連記事・読者の皆さんへ) 


「個の自由に基づくサッカー」を提唱したジーコ監督の場合、「選手が自分の頭で考えて自由にプレーすることで正解を導き出せば、チームが強くなる」という理由で、あえて代表選手に細かい戦術指導をせずに選手個々に自由にやらせた結果、攻撃も守備も組織戦術というものがほとんどないチームとなり、ドイツW杯では「自分たちより個の能力が高い相手」に「個の能力に頼ったサッカー」で挑んで壊滅的な敗北を喫することになります。

ハリル監督の場合は「本人の好み」や「それしかできない」という理由で「個の能力頼みのサッカー」をやっていたのだと思いますが、ジーコジャパンとハリルジャパンは、守備はマンマークに近い1対1を重視したもの、攻撃は、組織も連動性もパスコースも無いのでバックから前線へひたすらロングボールを放り込みという二つの点でソックリでした。

ジーコ監督の「個の自由」は、当時の日本サッカー界で何か革新的なサッカーのように勘違いされ、当研究所を除いた圧倒的多数の人から絶大な支持を受けていたわけですが、ドイツW杯で完膚なきまでに叩きのめされたことで、ようやく間違いだったと理解されることになります。

私は、このままハリル監督でロシアW杯に行って「個の能力が高い相手」に「個の能力頼みのサッカー」で挑み、壊滅的な敗北を喫して初めて、何か革新的で最先端の戦術のように誤解されている「タテに速いサッカー」と「デュエル」について、ようやく正しく理解される歴史が繰り返されるのかな、なんてことをマリやウクライナとのテストマッチを見ながら考えていました。

「マンマークベースの守備=デュエル」と「ロングボールの前線への放り込み=タテに速い攻撃」なんて戦術は、もう何十年も前から存在していたんですけどね。

上記の「読者の皆さんへ」という記事を書くきっかけとなった、「ジーコのときはどうだったの?」というコメントをくださった読者の方に、「非常に鋭いご質問をいただきました」と申し上げたのはそういうワケです。

でも、これから組織サッカーをやろうとしても、準備期間がたった2か月しかありません。

こうなることがわかっていたからこそ、当研究所は2014年ブラジルW杯後、ザックジャパンのパスサッカーをベースとしてそのレベルアップをはかりつつ、そこにカウンターサッカーという別の戦術を上積みして、対戦相手やゲームのシチュエーションごとに適切に戦術を使い分けるべきだと主張していたのです。

例えば、自分たちより格下のタイやイラク・UAEなどにはパスサッカーで挑み、コロンビアやポーランドのような格上にはカウンターサッカーで対抗するといった具合です。

同じカウンターサッカーをやるにしても、ひたすら相手バックのウラへロングボールを蹴りこむのではなく、マイボールになったら少人数が連携して素早く前へグラウンダーのパスをつなぎ、ラストパスを出して相手GKとの一対一を作り出すようなコレクティブカウンター戦術を使って。

パスサッカーのチームにカウンターサッカーをやらせるのは容易だが、ロングボールのタテポンサッカーを長いことやってきたチームに、選手同士の高度な連携が必要とされるパスサッカーをやらせるのは手間も時間もかかって容易なことではないとも予言しておきましたね。


(当ブログ過去記事・二手三手先を考えてサッカーをするということ(その2)


ところが、「ポゼッションかカウンターか」という単純なゼロサム理論に陥ってしまった霜田前技術委員長が、ブラジルW杯でのザックジャパンの敗因をすべてパスサッカー(ポゼッションサッカー)のせいにして、連れてきたのがハリル監督だったわけです。

2015年10月にテヘランで行われたイランとのテストマッチで、ハリルジャパンの単調なタテポンサッカーを記者に指摘された霜田さんは、「拙いサッカーに見えるかもしれないが、今はいろいろなものを壊している途中」とコメントしていたように記憶しています。

ハリル監督は、ラモス・名波・中田英寿選手らがトップ下をやっていた時代から築き上げてきた日本サッカーのアイデンティティやストロングポイントを完全に破壊してしまい、その焼け野原の上にゼロからカウンターサッカーをやらせようとしたことが、「帰るべき港を失って漂流する船」のような現在の日本サッカーの迷走につながっているように思います。

結局、3年の時間と6億円以上もの強化費はムダになりました。

当研究所は2016年9月に行われたアジア3次予選のタイ戦後から、何度もハリル監督を解任すべきと主張していたわけですが、日本サッカー協会(JFA)も、どうせ解任するならW杯予選中の適切なタイミングでハリル監督を解任しておけば、新しい監督のもとW杯予選を戦いながら攻守の戦術や選手同士の連携を熟成させ、ロシアW杯以降の次世代の日本サッカーを背負う有望な若者にも経験を積ませながら世代交代を進めつつ、ロシアW杯の出場権を獲得できたはずでした。

当時、3次予選の前半戦最後の試合である2016年11月のサウジ戦直後にハリル監督が解任されるのは既定路線だったが、霜田さんが田嶋会長や西野技術委員長を説得してハリル解任を阻止したという報道がありました。

もしそれが事実なら大変ゆゆしいことで、霜田さんがテクニカルダイレクターを辞職してJFAを退職したのがその年の12月ですから、もう日本サッカー強化の責任者を辞めることが確定していて代表監督の人事権の無い人物がハリル解任を阻止し、その直後JFAを辞めていったのだとしたら無責任極まりないものであり、大問題だと言わざるを得ません。

ハリルジャパン発足当初、霜田さんは代表の試合中、ずっとハリル監督と一緒にベンチに座っていたことを批判されていましたが、それはハリル氏のプロサッカー監督としての能力に不安を感じていたからなのでしょうか。

ハリル監督解任騒動の責任は田嶋会長率いるJFAにあるわけですが、誰かをスケープゴートにしてつるしあげようという意味ではなく、今回のような強化策の失敗を二度と繰り返さず、将来の日本サッカーの発展につなげるための反面教師にするためにも、ブラジルW杯直後にパスサッカーを全否定してハリル監督を連れてきた責任者である霜田さんにハリルジャパンの総括も含め、いろいろとご説明願いたいです。
 
 次回、日本サッカーをこれからどうやって立て直していくのか、考えてみたいと思います。




(当ブログ関連記事・ポゼッションサッカー悪玉論は間違い

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■見て2時間損した

 今月開催されたE-1(旧・東アジアカップ)ですが、クッソつまらなかったので華麗にスルーするつもりだったものの、ブログの方に読者さんからコメントが寄せられていたので、ちょっと触れておきます。

ハリルジャパンについて言えば、まあひどかったですね、最終戦が。

日本のサッカー選手は重要な試合であればあるほど、先制点をあげたとたん「追加点を狙おう」という積極的な考えは一切ブッ飛んで、1点のリードを試合終了のホイッスルが鳴るまで守り切ることだけで頭が一杯になってしまい、自分たちのミスから失点することを極度に恐れ、守備でも攻撃でもプレーが逃げ腰になり、相手に同点に追いつかれたというだけで「豆腐メンタル」が崩壊し、大逆転をやすやすと許してしまうという大きな弱点を抱えています。

2006年ドイツW杯の初戦となったオーストラリアとのゲーム(1-3)しかり、2014年ブラジルW杯の初戦となったコートジボアールとのゲーム(1-2)しかり。

日本の優勝がかかったE-1の最終戦も、まるでこの2つの試合の録画映像を見ているかのようでした。

小林悠選手のPKで先制点をあげたところまでは攻守ともにまずまずだったのですが、日本の選手たちがいつものように「この1点をこのまま最後まで守り切れたら優勝だ」という考えで頭が100%になってしまったんでしょうか、相手のボールホルダーが前進してきても抜かれることをひたすら恐れて一対一から逃げ、ズルズル下がるだけの守備と、前方へのパスを中盤でカットされて逆襲を食らうのを恐れているのか、味方がパスを受ける態勢が整っていようがいまいが、前をろくに見ずに、慌てふためいて長いボールを前線へ蹴り込むせいで、攻撃のパスが3本とつながらない「タテに速い攻撃」。

海外組もJリーグ組とメンタル面の強さは似たり寄ったりなんですが、このゲームに出た選手をロシアW杯で使っても、ドイツW杯やブラジルW杯の悲劇をもう一度繰り返すことになると思います。

ブラジルW杯が終わった直後、日本サッカー界では「ザックジャパンはポゼッションサッカーのせいで負けた」という声で一杯になりました。

当研究所は「ザックジャパンの敗因はポゼッションサッカーではない。初戦が一番重要だからといって本田選手が先制ゴールをあげたあと、その1点を最後まで守り切ろうとするあまり、ミスを恐れて守備でも攻撃でも極めて消極的なプレーに終始したからだ」と、繰り返し繰り返し主張してきました。

ポゼッションサッカーではなくカウンターサッカーのハリルジャパンが、E-1の優勝がかかった一戦でこのような無様な負け方をしたことによって、当研究所の主張の正しさが改めて証明されたように思います。

 「いや、あの試合を見れば、個の能力で相手の方が完全に上だったでしょ」という人がいるかもしれませんが、私は同意しません。

フィジカルコンタクトの強さや身長の高さでは相手の方が上でしたが、これは今に始まったことではありませんし、ザックジャパン時代は、日本人の足元の技術の高さを生かしたサッカーで相手を上回って、2勝・1PK勝ち・1分けと韓国を圧倒していたのです。

2010年10月12日 テストマッチ ソウル 韓国 0-0 日本 

2011年1月25日 アジアカップ準決勝 ドーハ 日本 2-2 韓国
                               3 PK 0
2011年8月10日  テストマッチ 札幌 日本 3-0 韓国
   
2013年7月28日   東アジアカップ ソウル 韓国 1-2 日本


2点目をあげたゴール前FKを除けば、韓国人選手の足元の技術は平凡で、11人の平均値を取れば日本の方が上だったと思いますし、戦術面でもロングボールをワントップのキム・シンウクに当ててという攻撃でそれほど高度なものではありませんでした。

E-1の1戦目2戦目で日本が勝利している北朝鮮と中国に対し、韓国は中国と引き分け、北朝鮮とは相手のオウンゴールでようやく勝利と、他の3か国と比べレベルが特別に高いサッカーをやっていたわけでもありません。

にもかかわらずハリルジャパンが大差で敗れたのは、日本の選手がキックオフ直後にあげた1点を最後まで守り切って1-0で勝とうという弱気で消極的な考えで頭が一杯になり、韓国の選手との一対一に敗れて失点することを恐れ、相手のボールホルダーへ体をぶつけてボールを奪い返すための戦いから徹底的に逃げて、相手がやりたい放題攻撃するのをピッチ内のすぐ近くから指をくわえて見ているだけだったからです。

もし日本の選手が、やれ「伝統の一戦」だとか「永遠のライバルだから絶対に負けられない」みたいなバカげた考えを捨てて、北朝鮮や中国と試合をするのと同じ平常心で韓国ともゲームをやっていれば、まったく違った結果となっていたでしょう。

日本代表の選手たちは普段Jリーグで見せてくれている実力の50%ぐらいしか、E-1の最終戦で発揮できていなかったと思います。

いいですか、ロシアW杯アジア最終予選の韓国の成績がどうだったか調べてみてください。

「韓国はアジア最強で永遠のライバル」なんてバカげた思い込みをもっていないカタールや中国は、ロシアW杯の予選で韓国と1勝1敗と五分の戦いをしており、イランに至っては韓国を完全に「お得意様」にしていて、ブラジルW杯予選ではH&Aで2連勝、ロシアW杯予選でも1勝1分で優勢を保っていました。

W杯に出れないカタールや中国と同じことがどうしてハリルジャパンにできないんでしょうか?

当研究所は「ハリルホジッチ監督は、日本代表各選手のプレーの特徴や長所短所、選手間の優劣を見抜くことができない」と繰り返し指摘してきました。

そのハリル監督は、「パワー・瞬発力・技術・何もかも韓国の方が上だった」と試合後に白旗をあげていましたが、日本人選手と韓国人選手の優劣や長所・短所を正しく分析して、代表チームが勝てるようなサッカーをやっていたとは思えません。

私が監督だったら、先制した後すぐに選手たちが気持ちで守りに入っていることを見抜き、テクニカルエリアに出て「1点を最後まで守り切ろうとするな、攻守に積極性を保ち、2点目3点目を狙いに行け」と指示を出していたことでしょう。

 そのハリル監督の戦術や選手起用ですが、これもひどかったですね。

相手のボールホルダーに組織的にプレスをかけて、相手をタッチライン際へ追い込んでボールを奪い返すとか、ボールホルダーに味方のプレスがかかっていたり、相手がバックパスをしてボールを前へ蹴れないときはバックラインを押し上げ、ボールホルダーに味方のプレスがかかっていないときに、相手FWがウラへ走り出したらバックラインを下げてそれについていくというゾーンディフェンスのセオリーがまったくできておらず、デタラメもいいところ。

ワントップの小林悠選手が単独でプレスをかけても残りの選手はまったく連動しておらず、昌子・三浦の両センターバックは、味方のプレスがかかっていようがいまいが相手にウラを取られることを恐れズルズルとディフェンスラインを下げるばかり、ポストプレーをしようとしている相手から逃げまどってピッチを右往左往しているだけじゃ、そりゃやられますよね。

「まともにゾーンディフェンスができない選手を与えられているハリル監督がかわいそうだ」という本末転倒なことを言うサポもいるみたいですが、必要とあればゾーンディフェンスのやり方を練習からきっちり選手に指導するのが監督の仕事であり、そのためにハリル氏に高い給料を払っているわけです。

そもそもハリル監督の“デュエル”は、相手のフォーメーションに合わせてこちらの選手を当てはめていき、プレスをかけてボールを奪い返すマンマーク志向の強い守備戦術であって、相手の動き方によってはプレスをかける前線の選手とバックとの間に広いスペースが空いてしまう戦術です。

そしてマンマークベースであるがゆえに、この試合のように一対一の戦いに負けてしまうとあっけなく破綻してしまう守備戦術であるとも言えます。

コロンビアやポーランド・セネガルは、個の能力で日本を上回っているように思いますが、どうすんですかね。

選手としても監督としても、ハリル氏が経験した最も高いレベルのサッカーはフランスリーグだったわけですが、フランスはイタリアやスペインほど守備戦術が発達しているというイメージはありません。特にハリル氏がリールを率いていた15年以上前は。

むしろ、古くはパトリック・ビエラやクロード・マケレレ、今でいえばエンゴロ・カンテみたいな一対一にめっぽう強くて、広いスペースを豊富な運動量でカバーするフィジカルモンスターの守備的MFが個の能力で何とかするというのが、リーグアンの“守備戦術”みたいなイメージがあります。ギー・ルー監督が率いていたオーセールなんか、もうすぐ21世紀になろうかという時にかたくなにマンツーマンディフェンスを守っていましたから。

よってフランスリーグで育ったハリル氏は、そもそも高度なゾーンディフェンスの専門知識を持っていないのではないかという疑いを持っています。

ハリルジャパンの攻撃戦術にしても、受け手がボールを受ける態勢を整えていないのにタテパスを入れてミスになったり、逆に前にフリーの味方がいるのにパスカットされるのを恐れているのか、どこへパスを出すか迷ったあげくの横パス・バックパスと、相変わらずピッチ内の状況を見て適切な判断をするということができていません。

つまりパスを入れるタイミングが早すぎるか遅すぎるかで、ちょうどよいということがないんですね。

韓国は日本に「タテに速い攻撃」をやらせないようにするため、バックラインを下げ気味にしてウラのスペースを消していたんですが、ハリル監督の脳内では常に相手バックのウラには広大無限のスペースが広がっているらしくて、「相手のウラへロングを入れてそれを受けろ」という指示しか出さないので、選手が監督に気に入られてスタメンで使ってもらうためには、相手のウラへロング・ロング・ロングをやるしかないのかもしれませんが。

長いパスを当てるターゲットとしてのワントップに小林悠選手を起用したのも大いに疑問で、フィジカルコンタクトの強さや体の大きさに欠ける彼が生きるのは、フロンターレがやっているようなパスサッカーじゃないでしょうか。

JリーグでMVPを取った彼ですが、フィジカルコンタクトの争いがほとんどないJリーグ専用の選手で、今のままではコロンビアやポーランドなどの屈強なバックを相手に大活躍するイメージが持てません。

相手にリードされているのにフリーズしたようにベンチで座ったままで、ようやく交代カードを切ったかと思ったら守備的な選手とか、ハリル監督の采配は不可解なことが多すぎます。

 というわけで無様な結果に終わったE-1について、つらつら述べてきましたが、日本代表を25年以上追いかけてきて「代表戦なんか見て2時間損した」と思ったことは、この試合が初めてでした。

それでは日本のサッカーファンの皆さん、良いお年をお迎えください。




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