■日本代表

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■見て2時間損した

 今月開催されたE-1(旧・東アジアカップ)ですが、クッソつまらなかったので華麗にスルーするつもりだったものの、ブログの方に読者さんからコメントが寄せられていたので、ちょっと触れておきます。

ハリルジャパンについて言えば、まあひどかったですね、最終戦が。

日本のサッカー選手は重要な試合であればあるほど、先制点をあげたとたん「追加点を狙おう」という積極的な考えは一切ブッ飛んで、1点のリードを試合終了のホイッスルが鳴るまで守り切ることだけで頭が一杯になってしまい、自分たちのミスから失点することを極度に恐れ、守備でも攻撃でもプレーが逃げ腰になり、相手に同点に追いつかれたというだけで「豆腐メンタル」が崩壊し、大逆転をやすやすと許してしまうという大きな弱点を抱えています。

2006年ドイツW杯の初戦となったオーストラリアとのゲーム(1-3)しかり、2014年ブラジルW杯の初戦となったコートジボアールとのゲーム(1-2)しかり。

日本の優勝がかかったE-1の最終戦も、まるでこの2つの試合の録画映像を見ているかのようでした。

小林悠選手のPKで先制点をあげたところまでは攻守ともにまずまずだったのですが、日本の選手たちがいつものように「この1点をこのまま最後まで守り切れたら優勝だ」という考えで頭が100%になってしまったんでしょうか、相手のボールホルダーが前進してきても抜かれることをひたすら恐れて一対一から逃げ、ズルズル下がるだけの守備と、前方へのパスを中盤でカットされて逆襲を食らうのを恐れているのか、味方がパスを受ける態勢が整っていようがいまいが、前をろくに見ずに、慌てふためいて長いボールを前線へ蹴り込むせいで、攻撃のパスが3本とつながらない「タテに速い攻撃」。

海外組もJリーグ組とメンタル面の強さは似たり寄ったりなんですが、このゲームに出た選手をロシアW杯で使っても、ドイツW杯やブラジルW杯の悲劇をもう一度繰り返すことになると思います。

ブラジルW杯が終わった直後、日本サッカー界では「ザックジャパンはポゼッションサッカーのせいで負けた」という声で一杯になりました。

当研究所は「ザックジャパンの敗因はポゼッションサッカーではない。初戦が一番重要だからといって本田選手が先制ゴールをあげたあと、その1点を最後まで守り切ろうとするあまり、ミスを恐れて守備でも攻撃でも極めて消極的なプレーに終始したからだ」と、繰り返し繰り返し主張してきました。

ポゼッションサッカーではなくカウンターサッカーのハリルジャパンが、E-1の優勝がかかった一戦でこのような無様な負け方をしたことによって、当研究所の主張の正しさが改めて証明されたように思います。

 「いや、あの試合を見れば、個の能力で相手の方が完全に上だったでしょ」という人がいるかもしれませんが、私は同意しません。

フィジカルコンタクトの強さや身長の高さでは相手の方が上でしたが、これは今に始まったことではありませんし、ザックジャパン時代は、日本人の足元の技術の高さを生かしたサッカーで相手を上回って、2勝・1PK勝ち・1分けと韓国を圧倒していたのです。

2010年10月12日 テストマッチ ソウル 韓国 0-0 日本 

2011年1月25日 アジアカップ準決勝 ドーハ 日本 2-2 韓国
                               3 PK 0
2011年8月10日  テストマッチ 札幌 日本 3-0 韓国
   
2013年7月28日   東アジアカップ ソウル 韓国 1-2 日本


2点目をあげたゴール前FKを除けば、韓国人選手の足元の技術は平凡で、11人の平均値を取れば日本の方が上だったと思いますし、戦術面でもロングボールをワントップのキム・シンウクに当ててという攻撃でそれほど高度なものではありませんでした。

E-1の1戦目2戦目で日本が勝利している北朝鮮と中国に対し、韓国は中国と引き分け、北朝鮮とは相手のオウンゴールでようやく勝利と、他の3か国と比べレベルが特別に高いサッカーをやっていたわけでもありません。

にもかかわらずハリルジャパンが大差で敗れたのは、日本の選手がキックオフ直後にあげた1点を最後まで守り切って1-0で勝とうという弱気で消極的な考えで頭が一杯になり、韓国の選手との一対一に敗れて失点することを恐れ、相手のボールホルダーへ体をぶつけてボールを奪い返すための戦いから徹底的に逃げて、相手がやりたい放題攻撃するのをピッチ内のすぐ近くから指をくわえて見ているだけだったからです。

もし日本の選手が、やれ「伝統の一戦」だとか「永遠のライバルだから絶対に負けられない」みたいなバカげた考えを捨てて、北朝鮮や中国と試合をするのと同じ平常心で韓国ともゲームをやっていれば、まったく違った結果となっていたでしょう。

日本代表の選手たちは普段Jリーグで見せてくれている実力の50%ぐらいしか、E-1の最終戦で発揮できていなかったと思います。

いいですか、ロシアW杯アジア最終予選の韓国の成績がどうだったか調べてみてください。

「韓国はアジア最強で永遠のライバル」なんてバカげた思い込みをもっていないカタールや中国は、ロシアW杯の予選で韓国と1勝1敗と五分の戦いをしており、イランに至っては韓国を完全に「お得意様」にしていて、ブラジルW杯予選ではH&Aで2連勝、ロシアW杯予選でも1勝1分で優勢を保っていました。

W杯に出れないカタールや中国と同じことがどうしてハリルジャパンにできないんでしょうか?

当研究所は「ハリルホジッチ監督は、日本代表各選手のプレーの特徴や長所短所、選手間の優劣を見抜くことができない」と繰り返し指摘してきました。

そのハリル監督は、「パワー・瞬発力・技術・何もかも韓国の方が上だった」と試合後に白旗をあげていましたが、日本人選手と韓国人選手の優劣や長所・短所を正しく分析して、代表チームが勝てるようなサッカーをやっていたとは思えません。

私が監督だったら、先制した後すぐに選手たちが気持ちで守りに入っていることを見抜き、テクニカルエリアに出て「1点を最後まで守り切ろうとするな、攻守に積極性を保ち、2点目3点目を狙いに行け」と指示を出していたことでしょう。

 そのハリル監督の戦術や選手起用ですが、これもひどかったですね。

相手のボールホルダーに組織的にプレスをかけて、相手をタッチライン際へ追い込んでボールを奪い返すとか、ボールホルダーに味方のプレスがかかっていたり、相手がバックパスをしてボールを前へ蹴れないときはバックラインを押し上げ、ボールホルダーに味方のプレスがかかっていないときに、相手FWがウラへ走り出したらバックラインを下げてそれについていくというゾーンディフェンスのセオリーがまったくできておらず、デタラメもいいところ。

ワントップの小林悠選手が単独でプレスをかけても残りの選手はまったく連動しておらず、昌子・三浦の両センターバックは、味方のプレスがかかっていようがいまいが相手にウラを取られることを恐れズルズルとディフェンスラインを下げるばかり、ポストプレーをしようとしている相手から逃げまどってピッチを右往左往しているだけじゃ、そりゃやられますよね。

「まともにゾーンディフェンスができない選手を与えられているハリル監督がかわいそうだ」という本末転倒なことを言うサポもいるみたいですが、必要とあればゾーンディフェンスのやり方を練習からきっちり選手に指導するのが監督の仕事であり、そのためにハリル氏に高い給料を払っているわけです。

そもそもハリル監督の“デュエル”は、相手のフォーメーションに合わせてこちらの選手を当てはめていき、プレスをかけてボールを奪い返すマンマーク志向の強い守備戦術であって、相手の動き方によってはプレスをかける前線の選手とバックとの間に広いスペースが空いてしまう戦術です。

そしてマンマークベースであるがゆえに、この試合のように一対一の戦いに負けてしまうとあっけなく破綻してしまう守備戦術であるとも言えます。

コロンビアやポーランド・セネガルは、個の能力で日本を上回っているように思いますが、どうすんですかね。

選手としても監督としても、ハリル氏が経験した最も高いレベルのサッカーはフランスリーグだったわけですが、フランスはイタリアやスペインほど守備戦術が発達しているというイメージはありません。特にハリル氏がリールを率いていた15年以上前は。

むしろ、古くはパトリック・ビエラやクロード・マケレレ、今でいえばエンゴロ・カンテみたいな一対一にめっぽう強くて、広いスペースを豊富な運動量でカバーするフィジカルモンスターの守備的MFが個の能力で何とかするというのが、リーグアンの“守備戦術”みたいなイメージがあります。ギー・ルー監督が率いていたオーセールなんか、もうすぐ21世紀になろうかという時にかたくなにマンツーマンディフェンスを守っていましたから。

よってフランスリーグで育ったハリル氏は、そもそも高度なゾーンディフェンスの専門知識を持っていないのではないかという疑いを持っています。

ハリルジャパンの攻撃戦術にしても、受け手がボールを受ける態勢を整えていないのにタテパスを入れてミスになったり、逆に前にフリーの味方がいるのにパスカットされるのを恐れているのか、どこへパスを出すか迷ったあげくの横パス・バックパスと、相変わらずピッチ内の状況を見て適切な判断をするということができていません。

つまりパスを入れるタイミングが早すぎるか遅すぎるかで、ちょうどよいということがないんですね。

韓国は日本に「タテに速い攻撃」をやらせないようにするため、バックラインを下げ気味にしてウラのスペースを消していたんですが、ハリル監督の脳内では常に相手バックのウラには広大無限のスペースが広がっているらしくて、「相手のウラへロングを入れてそれを受けろ」という指示しか出さないので、選手が監督に気に入られてスタメンで使ってもらうためには、相手のウラへロング・ロング・ロングをやるしかないのかもしれませんが。

長いパスを当てるターゲットとしてのワントップに小林悠選手を起用したのも大いに疑問で、フィジカルコンタクトの強さや体の大きさに欠ける彼が生きるのは、フロンターレがやっているようなパスサッカーじゃないでしょうか。

JリーグでMVPを取った彼ですが、フィジカルコンタクトの争いがほとんどないJリーグ専用の選手で、今のままではコロンビアやポーランドなどの屈強なバックを相手に大活躍するイメージが持てません。

相手にリードされているのにフリーズしたようにベンチで座ったままで、ようやく交代カードを切ったかと思ったら守備的な選手とか、ハリル監督の采配は不可解なことが多すぎます。

 というわけで無様な結果に終わったE-1について、つらつら述べてきましたが、日本代表を25年以上追いかけてきて「代表戦なんか見て2時間損した」と思ったことは、この試合が初めてでした。

それでは日本のサッカーファンの皆さん、良いお年をお迎えください。




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■日本代表、欧州遠征は2連敗

 読者の皆様、ご無沙汰しております。

さて、ハリルジャパンの欧州遠征ですが、残念ながら2連敗に終わりました。

ブラジルとベルギーが対戦相手でしたが、ブラジルはドイツ・スペインと共に現時点における世界三強を形成しているというのが当研究所の評価であり、タレントぞろいのベルギーも戦力的に日本より格上なのは明白でした。

ポゼッション(パス)サッカーを信奉している管理人スパルタクですが、今の日本代表がポゼッションサッカーをやってブラジルやベルギーに勝てると無邪気に信じてしまうほどの夢想家ではありません。

ハリルジャパンがカウンターサッカーでブラジル・ベルギーを相手にどれだけやれるかを最大の注目点としてゲームを見ていましたが、2連敗という実力差通りの順当な結果になってしまいました。

 欧州遠征の初戦となったブラジルとのテストマッチは、日本代表の選手たちが悪い結果に終わることを恐れ、弱気で消極的なプレーに終始してしまったことが最大の敗因だったように思います。

試合の立ち上がりは、日本の各選手が相手のボールホルダーに体を寄せ厳しくプレスをかけて、自由に攻撃できないようにしていましたが、ブラジルの選手たちがパスのつなぎをスピードアップさせたりドリブルなどの個の能力によって、プレスをかける日本の選手が1人はがされると、その後方に控える選手たちが相手に抜かれることを極度に恐れ、ドリブルで前進する相手に際限なくズルズルと後退するようになって、ブラジルに好き放題やらせてしまいました。

ネイマールのPKで先制点を奪われると、こうした傾向はもっとひどくなり、堅守速攻どころかブラジルの攻撃をほとんど止められずに次々と失点を重ね、前半でゲームは決まってしまいました。

攻撃面でも日本の選手は失敗を異常に恐れていたように見えます。

マイボールになって、前方にフリーの味方がいるのに、日本のボール保持者は前方へのパスがミスになってブラジルの逆襲を食らうことを恐れているのか、すぐにはタテパスを入れず、モタモタしているうちにフリーの味方がいなくなって、横パス・バックパスに逃げるシーンが目立ちました。

これでは速攻なんて夢のまた夢です。

「相手に抜かれることを恐れ、ひたすらズルズル下がる守備」と、「タテパスがミスになってカウンターを食らうことを恐れ、ひたすら横パス・バックパスに逃げる攻撃」の組み合わせ。

まるで2014年ブラジルW杯におけるザックジャパンのコートジボアール戦・コロンビア戦のVTRを見ているかのようでした。

「ノーリスク・ノーリターン」とか「虎穴に入らずんば虎子を得ず」なんて言ったりしますが、カウンターサッカーだろうがポゼッションサッカーだろうが、失敗や悪い結果を恐れて選手が攻撃・守備の両面でやるべきことをやらなければ、試合に勝てるわけがありません。

当研究所は、ザックジャパンがブラジルW杯で敗退した最大の原因は、選手たちが失敗を恐れ弱気で消極的なプレーに終始してしまったことだと指摘しました。

(当ブログ過去記事・日本代表のブラジルW杯総括(その1)

ブラジルW杯直後に日本サッカー界で「ザックジャパンはポゼッションサッカーのせいで負けた」とさんざん言われましたが、日本の選手たちにカウンターサッカーをやらせてみても、弱気で消極的なプレーのせいでこういう内容のゲームをやってしまうわけで、改めて当研究所の指摘が正しかったことが証明されたように思います。

どういう戦術を選択するかに関わらず、ミスプレーや悪い結果にビビッてこういう弱気で消極的なサッカーをやっている限り、ロシアW杯での日本代表の成功はあり得ません。

逆に、ブラジルはポゼッションサッカーをやらせてもカウンターサッカーをやらせてもピッチ内の状況に応じた使い分けが見事で、2014年W杯直後に日本サッカー界で言われた、「ブラジルでスペイン代表が敗退したから、ポゼッションサッカーという戦術はもう終わりだ」という主張が今さらながら馬鹿馬鹿しくなるぐらいのクオリティでした。

 続くベルギーとのテストマッチでは初戦の反省が見られ、相手に抜かれることを恐れずに厳しいプレスをかけて相手に自由に攻撃をさせないということがかなり出来るようになりました。

しかし攻撃面で大きな課題が残ったように思います。

ハリルジャパンは、ボールをゴール前へ運ぶ「攻撃の形」やバイタルエリアで相手守備陣を崩してゴールを奪う「得点パターン」といったようなものがほとんど見られず、このレベルの相手と試合をすると、相手が致命的なミスでもしてくれない限り「ゴールの匂い」がほとんどしません。

ロシアW杯アジア予選では、ワントップの大迫選手へロングボールを放り込んで、彼のポストプレーで前線の起点をつくることでボールを相手ゴール前まで運ぶというのがハリルジャパンの数少ない攻撃戦術でしたが、大迫選手といえどもブラジル・ベルギー代表クラスのセンターバックが相手だと、ほとんどポストプレーをやらせてもらえず、攻めの起点をつくるのに苦労していました。

アジア予選でロングボールを多用するクオリティの低い攻撃をハリルジャパンがやってきたツケがここで回ってきたように思います。

この試合ではロングボールを放り込む単調なカウンター攻撃が通用しなかったせいでしょうか、「ポゼッションサッカー」という語が適切でないなら「パスサッカー」で攻撃する場面が少なくなかったのですが、選手同士の連携とかやりたいプレーの共通理解といった面で練習や実戦経験の不足が見て取れ、だったらアジア予選の段階からハリルジャパンが格下相手にこういうサッカーをやっておけば、この試合ではもっと高いレベルのパスサッカーを強豪ベルギーの胸を借りて試せたのにと思いました。

また攻撃面での「核」というか、攻めの中心となってチャンスメークしたりゴールしたりする選手が見当たらないことも気になります。

結局ゲームのほうは、攻撃が機能せず得点を奪うことができないでいるうちにシャドリにドリブルで崩され、最後はロメル・ルカクにきっちり決められて2連敗。

「カウンターサッカーしか戦術の引き出しがないハリル監督は、相手に先制されるとそれを打開する手段を持たない」と当研究所はさんざん言ってきたわけですが、その通りになってしまいましたね。

これは余談ですが、もちろん日本代表を応援して見ていたのですが、改めてデ・ブルイネの上手さ・強さにはホレボレさせられました。ゲームに勝つために一切の無駄をそぎ落とした質の高いプレーの数々を見るたびに、彼の上手さに本当に感心させられます。

 相手が世界の強豪ということもあって、日本人選手はたとえテストマッチでも手を抜かずに全力でプレーしますが、「要領よくやった者の勝ち」という価値観を持つ人たちのほうが世界では圧倒的に多いので、この2試合の結果・内容を額面通り受け取ることはできません。

ブラジルも、ケガを避けながら日本からもらえる高額のファイトマネーをゲットするために、7割ぐらいの力加減でゲームに入り、PKで先制した後はカウンターサッカーに切り替えてかなり流していたように見えました。

ネイマールを下げてメンバーをガラリと入れ替えた後半はなおさらで、「後半だけならブラジルに勝った」なんて何のなぐさめにもなりません。

ベルギーのプレスディフェンスの厳しさや一対一の競り合い・攻撃時のパスワークの速さも、W杯の本番ではこんなものではないでしょうし、テストマッチとW杯の予選・本戦のような公式戦の結果・試合内容は分けて考える必要があります。

ザックジャパンも、テストマッチでオランダに引き分け、ベルギーに勝ったことで勘違いしてしまった面があったように思います。

ハリルジャパンの欧州遠征は、相手との実力差からして「順当」と言える2連敗という結果に終わりました。

本番で好成績を残したいなら、日本代表がたとえ負けてもロシアW杯グループリーグ敗退という実際の痛みをもたらすことがないテストマッチでさえ、必ずしも本気でプレーしていない相手に対して極度に失敗を恐れて腰がひけたような内容の試合をやり、こういう結果に終わってしまったという点について、日本サッカー界は重く受け止めるべきではないでしょうか。

それでは、当研究所は再び冬眠に入ることにします。




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■読者の皆さんへ

 今回は、記事の最後に読者の皆様へ大切なお知らせがありますので、よろしかったらお付き合いください。

それでは最初の話題です。

 前回エントリーのコメント欄に、おそらく日本代表を長く見てきて、サッカーをよく御存じと思われる読者の方から、「ジーコの時はどうだったの?」という非常に鋭いご質問を頂きました。

あの時、当ブログはどんな記事を書いていたかというと、こんな感じでした。


当ブログ過去記事

ジーコ監督の4年間は何だったのか?(その1)

ジーコ監督の4年間は何だったのか?(その2)

ジーコ監督の4年間は何だったのか?(最終回)


ジーコジャパン時代(2002年7月-2006年6月)に一体どんなことがあったのか、リアルタイムで見ていない代表サポも多くなったんじゃないかと思いますので、ざっと振り返ってみます。

八百長という手段を使わずに2002年W杯で日本サッカー史上初となるベスト16進出に成功したトルシエジャパンは、決して悪い結果ではなかったのですが、大会後に激しい批判が巻き起こります。

その先頭に立ったのが、「私をキャプテンと呼びなさい」と皆に命じた「絶対にその名を口にしてはいけないあの人」で、「トルシエの組織サッカーは代表選手をがんじがらめにし、個性をつぶした」と全否定し、彼が独断で次期代表監督に指名したのが、「個の自由に基づくサッカー」を提唱するジーコでした。

アンチェロッティのミラン、ライカールトのバルサ、モウリーニョのチェルシー、ベニテスのリバプールなど、選手個々の能力が高いのは当たり前、それを優れた戦術でいかに高いレベルのチームとしてまとめあげていくかという争いが、世界のサッカー界の頂点で繰り広げられていたその時、日本サッカーはそれに背を向け、正反対の方向へと突き進んでいくことになります。

そうした意味において、当時の日本サッカー界はまさに「狂気の時代」で、深夜にやっていたサッカー番組でも、マリノス出身の解説者が「神様ジーコ」が提唱する「個の自由」を何度も絶賛していましたし、UEFAチャンピオンズリーグの中継を見ていても、後に水色のJリーグクラブで監督をすることになる解説者が「やっぱり最後に問題を解決するのは個の力なんですね」と力説していました。

「日本人選手が自分の頭で考えて正解を導き出すことができるようになれば、日本サッカーはもっと強くなる」という理由で、ジーコ監督は代表選手に必要最低限の指示しか出さず、あとは自由放任で好き勝手やらせるという指導法が取られたのですが、リンク先の記事に書いてある通り、それはあまりにも非現実的な理想論であり机上の空論そのものだったのです。

当時は代表選手の多くがJリーグでプレーしていましたし、中田英寿選手や中村俊輔選手など少数が欧州でプレーしていたものの、彼らだけでミランやバルサでやっている当時最先端の戦術に対抗できるオリジナルのものを考え出すことなんて、どだい不可能なことでした。

ジーコは、自分がプレーした1982年スペインW杯当時のセレソンが使っていた中盤を台形にした4-4-2で、選手ひとりひとりが瞬間的なひらめきで攻撃も守備もやる“フッチボウ・アルチ”(芸術的サッカー)をやらせたかったようですが、選手たちの希望でトルシエ時代から慣れ親しんできた3-5-2が多く使われるようになります。

しかし初めから意図したものだったとは思えませんが選手たちが「自分の頭で考えた」結果、“フラットスリー”に代表されるトルシエ時代のゾーンで守る3-5-2から、対戦チームのフォーメーションとのかみ合わせでマッチアップする相手にこちらの選手を当てはめて守備をする、1980年代のようなマンマーク・ディフェンスぎみの3-5-2へと流されていきました。

この時代、欧州では10人のフィールドプレーヤーでコンパクトな守備ブロックをつくり、相手が使えるスペースを限定する組織的なゾーンディフェンスが高度な発展をとげていきましたが、日本サッカー界にゾーンディフェンスの導入が遅れた元凶は、このジーコジャパンにあったと思います。

(代表に本格的なゾーンディフェンスが導入されるのはその8年後、南アフリカW杯直前の岡田ジャパンから)

では選手たちに「個の自由」を与えた結果、日本代表の攻撃はどうなったかというと、ボールの出し手と受け手しかサッカーをやっておらず、それ以外の選手は足を止めてひたすらボールウオッチャーになっていて、ボール保持者はパスコースが無いので、前線の2トップへバックからロングボールをひたすら蹴りこむということを繰り返していました。

(あれ? 最近こういうサッカー、どこかで見たような)

こういう「個の能力頼み」のサッカーは、当時の日本代表のような「個の能力が低いチーム」には最悪の組み合わせであり、ジーコジャパンは当然のように、一番大切な舞台で間違った戦術を選択をした「罰」を受けることになります。

2006年ドイツW杯の初戦では、ダラーッと間延びしたマンマークぎみの3-5-2というジーコジャパンの弱点をオーストラリア代表のヒディンク監督に見抜かれ、ロングボールを1トップのビドゥカに当てて、日本の3バックの前方に大きく空いているスペースに彼がボールを落とし、それをキューウェルら2列目が拾ってという攻撃で防戦一方となり、相手のミスで先制したものの最後の最後で守り切れず大逆転負け。

ジーコが事実上、監督としての仕事を丸投げしていましたから、「俺はスタメンで使ってくれなければ、やる気が出ない」などとふざけたことを言い出す主力選手が続出して、チーム内は無秩序状態に陥っていました。(いわゆる腐ったミカン問題)

そこで中田英寿氏が、練習や試合でチンタラやっている味方にカツを入れる「ピッチ内の監督」みたいな役割を引き受けざるをえなくなったのですが、たぶんチームメートから「同じ選手の立場のくせにエラそうに」という反発があったんだと思いますが、中田選手がどんどん孤立していき大会中にチームは空中分解。

大敗を喫したグループリーグ最終戦のブラジルとのゲームの後、ドルトムントのジグナル・イドゥナ・パルクのピッチで仰向けになって寝ながら涙を流す中田選手に、チームメートの誰も近寄らなかったことがそれを象徴していました。

結局ドイツW杯の日本代表は、壊滅的な敗北に終わります。

ジーコジャパン時代というのは、せっかくトルシエジャパンまで強化がうまく行っていたのに、「個の自由」という妄想に憑りつかれた日本が世界のサッカーの進化からどんどん引き離されていった「失われた4年間」でした。

ジーコは、住金サッカー部を日本を代表する強豪クラブに育て上げた功労者であることは間違いありませんが、プロ監督としてはまったくの素人であり、一種の「ハロー効果」で日本サッカー界が「サッカーの神様と言われた名選手だから名監督になるだろう」という錯覚を持ってしまったことが、あのような悲劇を招くことになってしまいました。

当ブログも、「個の自由」ではドイツW杯で勝てないことはわかっていたので、「ジーコジャパンはこのままではダメだよ」という記事を書き続けていたのですが懸念した通りの結果に終わり、当時は「これから失敗することがほぼわかっているのに自分ではどうすることもできない」というもどかしい気持ちでいっぱいでしたね。

前述したように本格的なゾーンディフェンスの導入が遅れるなど、日本サッカー界はその後も長く「組織戦術は個性をダメにする」というジーコジャパン時代の負の遺産を引きずり続けることになるのですが、それが「個の能力を高めるべきか、チームの組織力を高めるべきか」という不毛な論争につながっていきます。

当研究所は「サッカーはチームスポーツなのだから個の能力も組織力も両方高めるべきであり、個の能力を引き上げるのは時間がかかるから、その間は組織力を高めてカバーすべき」という考え方でした。

ところがサポーターも含めた日本サッカー界では、「0か1か」「白か黒か」「個か組織か」という1ビットしか脳ミソの処理能力がない人がいて、サッカーブログ界隈でも「チームの組織力で個の能力の低さをカバーすることはできない。だから個の能力が低いチームは、高いチームに絶対に勝つことはできない」という主張が多かったように思います。

もちろん個の能力が高いに越したことはないのですが、南アフリカW杯での岡田ジャパンは組織的なゾーンディフェンスで、インテルミラノのエトオ・マジョルカのウェボ・トットナムのアスエコトらを擁するカメルーンや、アーセナルのベントナー・フェイエノールトのトマソン・ユベントスのC.ポウルセンらを擁するデンマークの攻撃をしのいで勝つことで、そのような主張は間違いであることが改めて証明されるわけですが。

今も、「カウンターサッカーかポゼッションサッカーか」という「0か1か」の不毛な議論があり、ブラジルW杯以降「カウンターが善で、ポゼッションは悪」と主張する人がこの日本で大変多くなりました。

当研究所は「ポゼッションもカウンターも必要であり、シチュエーションごとに適切に使い分けるべき」という考え方なのですが、「カウンターサッカーが善で、ポゼッションは悪」と考える1ビット脳の人は、自分と違う考え方を持つ人間も全員1ビット脳なんだから「ポゼッションが善でカウンターは悪と考えている」と思い込んでいるようで、「0か1か」以外に「00も01も10も11も110101という選択肢もある」ということが全く理解できないようです。

つまり「ポゼッションもカウンターも必要であり、シチュエーションごとに適切に使い分けるべき」という考え方が。

同じカウンターサッカーをやるにしても、ロングボールをひたすら蹴りこむのではなくて、ボールを奪い返したら相手の守備の薄い方へ薄い方へとグラウンダーのパスをつないで、最後はスルーパスを通してGKと一対一の形をつくってゴールをあげるコレクティブカウンターという頭を使った戦術もあるのですが、今の監督さんの能力では無理みたいです。

これは余談なんですが、キャンプ地選定の失敗から始まったザックジャパンの敗退、開幕試合のブラジル対クロアチア戦での日本人主審による「誤審」騒動など、日本サッカー界にとって2014年ブラジルW杯は「地の利が無かった」というか、ひたすらツイていない踏んだり蹴ったりの大会になってしまいました。

実は大会直前に「絶対にその名を口にしてはいけないあの人」が久しぶりにテレビに出てきて、「自分がジーコを代表監督にしたのは間違っていなかった」みたいな大嘘を言っていたので、それを聞いた(アルトゥール・アントゥネス・コインブラ氏ではない方の)サッカーの神様がお怒りになり、日本サッカー協会にバチが当ったのだろうか?と今もひそかに思っています。

 それでは最後に読者の皆様へお知らせです。

2005年2月に行われたドイツW杯アジア予選の対北朝鮮戦から、2017年9月のロシアW杯アジア予選のサウジアラビア戦まで足かけ12年以上に渡って、日本代表の全ての試合のレビュー記事を書き続けてきましたが、しばらくブログの更新をお休みします。

その理由は、ハリルジャパンがやっているロングボールを前へひたすら蹴りこむ「頭の中まで筋肉」みたいなサッカーが、私にとって「娯楽」ではなく、見ているのがつらい「苦行」そのものだからです。

本当は、「バイタルで香川選手がボールを持って前を向くと、相手DFラインの背後へ左ウイングの乾選手がダイアゴナルラン、相手バックは前へ出てボールホルダーである香川のパスコースを消すか、それともウラヘ抜ける乾へついて行くか一瞬迷ったところで香川からスルーパスが出て、それを受けた乾がGKとの一対一を冷静に制してゴール!いやあ日本代表の攻撃はレベルが高かったですね」みたいな解説記事をいっぱい書きたいんですよ。

しかし現実は、ロングボールをひたすら前へ蹴って相手バックにヘッドでクリアされ、またロングを蹴って相手にクリアされ、ウラヘ抜ける浅野選手へロングを放り込んでもボールに追いつけず相手のゴールキックになり、またロングを蹴って相手バックにヘッドではね返されという作業をひたすら繰り返すだけというハリルジャパンの稚拙なサッカーは見たまんま。

それ以上解説のしようがありません。

昨年10月のイラク戦あたりから、ロングボールをひたすら前へ蹴りこむハリルジャパンの「タテポンサッカー」がひどくなったように思いますが、ドローに終わった今年6月のイラク戦で我慢の限界に近づき、先月5日にポゼッションサッカーのサウジにタテポンサッカーの日本が敗れたことを告げる試合終了のホイッスルが鳴った瞬間、私の心の中で何かが大きな音を立ててポッキリと折れたような気がしました。

正直言ってサウジ戦のレビュー記事を書きあげるのもやっとのことだったのです。

自分や日本サッカー協会を批判する記事を書いた記者を全員現場から締め出して岡野俊一郎さんから苦言を呈されていた「例のあの人」もそうなんですが、「応援の反対は批判である。だから一切の批判を許さない」みたいな勘違いをしている人が少なくありません。

そのチームなり選手なりを応援していて、もし悪い点があればこうすれば改善されるんじゃないかと思うからこそ批判するのであって、応援の反対は批判ではありません。無関心です。

プロサッカーのような娯楽産業が、観衆から批判されなくなったらおしまいです。

どっかの代表監督も、サッカー記者が自分を批判したという理由で「これからも監督を続けるかわからない」などと突然言いだし、W杯出場が決まった試合の記者会見をボイコットしていましたが、記者から批判されたという理由でいちいち辞任していたら、マルセイユやパリサンジェルマンなんか1年間で365人の監督が必要になります。

ハリルジャパンのサッカーをレストランの料理に例えれば、確かに炭水化物やタンパク質のような最低限の栄養素(W杯アジア予選突破)が含まれているのですが、私にとっては激マズでこれまで完食するのがやっとでした。

料理には、ドイツ・イタリア・スペイン・イングランド・ベルギー産の高級食材(選手)が使われているのですがね...

「ともかくボールがゴールに入りさえすればいい。サッカーは勝てばいいんだよ勝てば」という人にとってはそれで十分ハッピーなのかもしれませんが、もちろん栄養(試合に勝つこと)も大事ですけど、私は食事に味の良さも求めそれを楽しみたいのです。

「味の良さ」とは、選手個々の高い技術であったり、考え抜かれたチーム戦術の見事さであったり、それがサッカーというスポーツが持っている本当の楽しさだと私は考えています。

これからもテレビの前から日本代表を応援し続けますし、ロシアW杯で良い成績をあげることを祈っておりますが、再び「記事を書きたい」と思える試合を見る日が来るまで、代表戦レビュー記事の更新を一旦お休みします。

もしかしたらそれは来月かもしれませんし、来年かもしれませんし、現時点では何とも言えないのですが、気が向いたらJリーグや日本のユース代表の話題を取り上げて、どうしたら日本サッカーはもっと強くなれるのかを提案する記事を書くかもしれませんので、その時はよろしくお願いします。

それではひとまず、ブログをお休みすることにします。

長い間ご愛読頂きましてありがとうございました。

            国際サッカー戦略研究所所長・スパルタク




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