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■ブレまくる新国立競技場の建設計画

 コパアメリカの総括を3回に分けてやっていた関係で取り上げるのが遅くなりましたが、日本代表も参加する2022年W杯アジア2次予選の組みあわせがもうすでに決まっています。



2022年W杯アジア2次予選 グループF 

日本 キルギスタン タジキスタン ミャンマー 
モンゴル


予選日程

2019年 9月10日  ミャンマー 対 日本
    10月10日  日本 対 モンゴル
    10月15日  タジキスタン 対 日本
    11月14日  キルギスタン 対 日本
2020年 3月26日  日本 対 ミャンマー
    3月31日  モンゴル 対 日本
    6月4日  日本 対 タジキスタン
    6月9日  日本 対 キルギスタン

(左側がホームチームで開催地は未定。開催日は変更の可能性あり)


2次予選は5チームづつ8つのグループに分かれて争われ、
1位で通過したチームは無条件に、各グループの2位チームのうち、成績の良い4チームのみが3次予選へと進みます。

日本が入ったグループFの顔ぶれを見てみますと、キルギスタンがもっとも力のあるライバルということになりそうです。

どんなレベルの相手でも絶対に油断することは許されませんが、「アウェーでは引き分けで御の字」といえるような戦力を持っているチームはなく、日本としては全勝での
1位通過が求められます。

この2次予選の結果はしっかりFIFAランキングに反映されますし、FIFAランキングに基づいて3次予選の組みあわせ抽選が行われるわけですから、J2選抜を送るというわけにはいきません。

2018ロシアW杯の2次予選では、カウンターサッカーしか戦術の引き出しが無かったハリルジャパンがベタ引きでゴール前のスペースを消しに来たシンガポールとの初戦に引き分けてしまい、同じグループのライバルと目されていたシリアに序盤は勝ち点・得失点差で引き離され、最終的には直接対決でひっくり返して日本が1位通過を果たしましたが、余裕のないキツキツの戦いを余儀なくされたことがありましたから、それを繰り返すことは許されません。

まだトップチームに帯同するのかBチームであるカスティージャでプレーするのかわかりませんが、久保選手には新しい環境に適応することに専念してもらって極力招集は控えることにして、彼を除いたベストメンバーを招集してチームの連携を熟成させつつ、勝ち点や得失点差で2位以下のチームを確実に引き離すことが求められます。

その上で、大量得点でその試合の日本の勝利が確実となった時間帯であったり、リーグ戦が進んで日本の1位通過が決まってから、経験の浅い新しい選手や新システムを試せば良いでしょう。

森保監督も、各選手の前評判ではなく自分が招集した選手を実際に目で見て能力の優劣やコンディションの良否によってベストのスタメンをピッチに送り出すことであったり、キックオフのあとチームに問題が生じれば速やかにそれを把握し、選手に指示を出してプレーを修正させたり、選手交代のカードを切るなりしてチームを勝利に導くような能力をさらに磨いていくことが欠かせません。


   ☆       ☆       ☆


 話はガラッと変わり、現在建設が最終段階に入ってきた新国立競技場についてですが、その計画がブレまくっています。

2020年東京オリンピックのメインスタジアムとなる同競技場ですが、五輪開催後に改修を行って球技専用スタジアムにするはずだったのですが、ここにきて「五輪のレガシーを残すため」と称して五輪後もトラックを撤去せず、陸上競技場として残すという案がにわかに検討され始めたというニュースが流れています。

その理由として「球技専用スタジアムにしても、採算が取れるかわからない」「ライブ会場として使用するためにはトラックを残しておいた方が有利」などという意見が出てきたからとのことですが、サッカー界としては「それは話が違うんじゃないか!」と抗議の声をあげるべきところなんじゃないでしょうか。

FC東京と東京ヴェルディの2チームは、調布市にある味の素スタジアムを使用していますが、もともと陸上競技場として設計されているためスタンドからピッチまで遠く、事実上の球技専用スタジアムとして使用されているのですが、サッカー観戦に向いているとは言い難いところがあります。

両チームのサポの同意が得られればの話ですが、新国立競技場を球技専用スタジアムに改修してFC東京と東京ヴェルディの本拠地にした上で、日本代表のホームゲームを開催したり、天皇杯・ルヴァンカップ(リーグカップ)の決勝戦やクラブW杯などビッグゲームの会場として使用すれば、十分採算は取れるのではないでしょうか。

柏レイソルやジェフ千葉・大宮アルディージャ・湘南ベルマーレなど、大きなスタジアムを持たない首都圏のクラブがもし必要とするなら、ACLの決勝戦を戦う時のホームスタジアムとして使用することもできるでしょう。

五輪後にピッチやトラックがある現在のフィールド面を地下に向かって掘り下げて“すり鉢の底”に球技用のピッチを設け、ピッチとの間に必要最低限のスペースを確保した上で底へ向かって新たなスタンドを建設し、FC東京のホームゲームなどJリーグの開催時は、新スタンドと現在のスタンド第一層を開放して35000人規模のスタジアムとして使用し、日本代表のホームゲームや天皇杯決勝などを開催するときはスタンドの第二層や第三層も開放して、52000~80000人収容のスタジアムとして使用すれば良いと思います。

「五輪後もトラックを残した方がよい」という主張の根拠として、球技専用スタジアムへの改修に100億円程度の費用がかかることをあげる人がいるらしいのですが、FC東京にしろ東京ヴェルディにしろ、都心のど真ん中の一等地に「たった100億円」でサッカー専用スタジアムをつくれるのであれば安いものでしょう(ガンバ大阪のパナソニックスタジアム吹田の建設費が140億円と言われる)から、両クラブに日本サッカー協会などサッカー界全体でお金を出し合って100億円捻出したらどうでしょうか。

ラグビー界にも声をかけて、球技専用の新国立競技場を「日本のトゥイッケナム」つまりラグビー日本代表の本拠地にすれば良いんじゃないですか。

残念ながら現状、陸上競技で毎週末に数万人づつの観客を動員できるイベントはありませんから、「採算が取れないからトラックを残す」という意見は理解に苦しみます。

新国立完成後もサブトラックが無いままなので、世界陸上のようなビッグイベントを開催することもできないはずですし、味の素スタジアムをちゃんとしたサブトラックを併設した陸上競技場として完成させ、新国立は球技専用スタジアムにした方が、スポーツ界のみならず日本全体の利益になると思われます。

もしどうしても新国立に陸上競技用トラックが必要というのであれば、世界陸上のようなイベントを開催できるように老朽化で取り壊し予定の秩父宮ラグビー場か神宮第二球場の跡地にサブトラックを建設し、新国立を可動式スタンドに改修して球技・陸上競技兼用スタジアムとして普段はJリーグの試合を行い、あわせて“サムライブルー”や“ブレイブ・ブロッサムズ”のホームゲームを開催すればよいのではないでしょうか。

「サッカーの観客のことなんか知ったことではない。あくまでも新国立は陸上競技場として残し、可動式スタンドも建設しない」というのであれば、今のままでも首都圏には埼玉スタジアム2002という立派なサッカー専用スタジアムがありますし、サッカー界として何も困ることはありませんから、新国立がどうなろうと「サッカー界としては完全放置」で、いいんではないかと思います。
 




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■日本代表のコパアメリカ総括(最終回)

前回のつづき

 今回は、コパアメリカ2019を通しての森保監督の采配はどうだったかを振り返り、この連載の締めくくりとします。

私は、森保監督が2022年W杯でどのような采配をするかのシミュレーションとして今回のコパアメリカを見ていました。

コパアメリカに向かう森保監督に与えられた戦力を踏まえれば、格上2(ウルグアイ・チリ)互角の相手1(エクアドル)との対戦となり、W杯のシミュレーションとしてもうってつけで、この条件で決勝トーナメント進出を達成できれば、カタールW杯に臨む日本代表監督の力量としても申し分ありません。

結論から言えば、格上のウルグアイに引き分ける大健闘を見せてくれましたが、初戦のチリに大敗し、エクアドルとの最終戦で勝てたゲームを取りこぼしてしまい、グループリーグ敗退に終わってしまったことは残念でした。

よって、森保監督の采配を3段階で評価するなら「2」です。

チリに大敗したあと短時間でチームを立て直し、ウルグアイ戦を勝ちに等しい引き分けに持っていった森保監督の手腕は評価できます。

ただ、対戦相手が決まって相手チームの情報を収集し、選手にその試合に向けたトレーニングをさせる下準備の部分はともかくとしても、いざ実際にゲームが始まってから想定外のことが起こり、どうやってその問題を解決してチームの勝利につなげるかの“アドリブ能力”に物足りなさを感じますし、そうした能力が向上すれば森保さんはもっと良い監督になれます。

特に、自分のチームの今どこに問題が起こっているのかをベンチから速やかに把握し、選手交代などの適切な手段で問題解決を図るという部分に課題があるように思われます。

例えばチリ戦では、ボランチとして先発出場させた中山選手がボロボロの出来で、そこをチリに徹底的に突かれて4失点する原因となっていたにもかかわらず、彼を試合終了まで引っ張ってしまったのは疑問でしたし、エクアドルとのゲームでは右サイドバックで先発の岩田選手が空中戦に弱点を抱え、やはり相手からそこを狙われて同点ゴールを奪われる原因となってしまったのですが、最後まで彼を交代させることはありませんでした。

チリに4失点したことがあとあとまで響いて日本が決勝T進出を逃す原因となりましたし、もし岩田選手のところでエクアドルに2点目を奪われていれば、そこで日本の決勝T進出は完全に終わっていた可能性があります。

コパアメリカは若手の成長のために捨ててよい大会ではありませんし、中山・岩田両選手の出来はちょっとひどく、「若手の成長のために多少の失敗は我慢して経験を積ませる」どころのプレーではありませんでした。

ピッチという名の弱肉強食のフィールドの上を、傷ついた小鹿(中山選手や岩田選手のことですが弱点を抱えていたという意味で、彼らが実際にケガをしていたということではありません)がヨロヨロ歩いていたら、南米の“肉食獣”たちが見逃してくれるはずがありません。徹底的にそこを狙ってゴールを奪おうと襲いかかってきます。

監督は自分のチームの今どこに問題が起こっているのかをベンチから速やかに把握し、選手に指示を出してプレーを修正させるなり交代選手のカードを切るなりして、失点という目に見える形の失敗が起こる前にチームの穴をふさがなければなりませんし、どんなに遅くとも相手から何度も弱点を狙われていた選手が失点にからんだ時点で交代させ、傷口がそれ以上広がらないようにダメージコントロールをしなければなりません。

選手交代というカードを切る場合でも、森保監督のチョイスが今一つ効果的ではなかったように思えたのですが、それもやはり自分のチームの今どこに問題が起こっているのかを的確に分析できていなかったからではないでしょうか。

チリ戦では、後半に0-2とされた約10分後に前田選手にかえて三好選手、 中島選手にかえて安部選手を入れたのですが、選手交代というカードを切るなら0-1となったあとでもプレーを修正することができなかった中山選手にかえて別の選手をボランチに入れることでまず守備の立て直しを優先させるべきでしょうし、攻撃の選手をかえるのであれば、プロと戦う能力が不足していることが明らかな上田選手を交代させ、効いていた中島・前田両選手はポジションを変えても良いので残しておくべきだったように思います。

続くウルグアイ戦では、後半14分に2-1とリードしたあと、ウルグアイの猛反撃にあってチームがサンドバック状態になったのですが、そこでベンチがウオームアップを命じたのは上田選手で、その前にチームが耐え切れず、彼の投入は失点後となりましたが、この判断も疑問でした。

ウルグアイの猛攻に日本のDFはクリアするだけで精一杯になっていましたから、チームでボールをキープできるようにタメがつくれる選手、例えば久保選手のようなタイプの投入が望ましかったように思います。

エクアドル戦でも、何度もやられていた岩田選手のところを、まず手当するべきでした。立田選手を投入することはできなかったのでしょうか?

公式戦における森保監督の交代カードの切り方を見ていると、攻撃の選手同士の交代が多い気がしますが、効果が出ているとはいいがたいですね。

点差や試合の残り時間も関係してきますが、ゲーム中に守備と攻撃の両面でチームに問題があると分かった時、たとえば右SBやボランチが一対一で何度もやられていて、同時に攻撃の選手が機能せずFWや2列目の選手を交代させたいという状況の場合、私ならたとえ1点取って勝ちたくても、まず守備の立て直しの方を優先させます。

なぜなら守備の穴を放置しておくと、相手にそこを徹底的に突かれて守りの時間が長くなった分だけ、自分たちが攻撃する時間が削られてしまいますし、その穴が原因で先に失点してしまえば、同点に追いつきさらに逆転までもっていくために、0-0の時よりも何倍ものエネルギーを必要とするからです。

 対戦相手が決まりゲームがキックオフするまでの下準備の部分ではまずまずなのですが、森保監督の先発メンバーのチョイスでは、いくつかのミスがあったように思います。

チリ戦にボランチとして先発した前述の中山選手ですが、ゲームを見ていて「彼よりマシなボランチはいないの?」と何度も思ったのですが、次のウルグアイ戦に出場した板倉選手が出色の出来でしたから、チリ戦に彼が先発していればあの大敗は無かった可能性があり、森保監督はボランチのチョイスを誤ったのではないでしょうか。

ワントップのファーストチョイスが上田選手だったことも明らかでしたが、ケガで思うように起用できなかった面もあったのでしょうが、前田選手の方が現時点では能力的に上だったように見えました。

「練習では悪くなかったのに、実際にゲームに出してみたらひどい出来だった」という選手がいたのかもしれませんし、森保さんはフル代表と五輪代表を兼任していて、なかなかすべての選手を手元に置いてじっくり練習を見てやる時間がなかったのかもしれませんが、将来の伸びしろや各ポジションどうしのコンビネーションを考慮しつつも、現時点における選手間の実力差に基づいたベストな11人を先発としてピッチに送り出してやらなければなりませんし、そうした選択でのミスは許されません。

スタメンのチョイスを含め、この大会の入り方に失敗してしまったことはチリ戦の大敗を見ても明らかで、原因をしっかり分析してW杯の予選や本大会ではこのようなことがないようにして欲しいです。

 最後に、ウルグアイ戦やエクアドル戦でリードしても、それを保ったままゲームをクローズさせることができないという課題が出ましたし、チリやウルグアイのような攻撃力のあるチームに2試合で6失点してしまったり、ロシアW杯に続きこのコパアメリカでも大会を通じてクリーンシートで相手を抑えたゲームが1試合もなかったりと、主に守備面で問題がいくつも露呈しました。

森保ジャパンの発足からずっと指摘していることですが、中島選手や柴崎選手に象徴されるように攻撃力に比べて守備力が不足しており、一つのチームとして攻守のバランスが取れておらず、チームが攻撃に偏重しすぎているように思われます。

相手がアジアレベルの格下であれば、攻撃力がないのでさほど問題にならないのですが、ウルグアイやチリのような攻撃力の高いチームが相手だと、よくて点の取り合いでドロー、悪ければ大敗と、日本代表の守備の弱点がモロに顔をのぞかせます。

この大会にはU-22中心の急造チームで臨まなくてはならず戦術を煮詰める時間が無かったのかもしれませんが、どのレベルの相手でも同じようなスタメン・同じようなシステムで戦っており、ハリルジャパンのように、長期の強化戦略に従った一貫性というものがなく、1試合ごとにシステムもスタメンもとっかえひっかえというのも困りものなのですが、相手の強さや自分たちが置かれた状況(勝利が絶対条件なのか引き分けでも良いのか)に応じて、システムやスタメンを臨機応変に使い分けて戦うことができれば、自分たちが望む結果をもっと出しやすくなったのではないかと考えます。

当研究所が考える現時点での日本代表の基本システムは以下の通りです。


(4-2-3-1)


         大迫



  中島     南野      伊東
        (久保)    (堂安)
                (三好)
 
       板倉   柴崎  
      (遠藤)


  長友   冨安   吉田   酒井
 (杉岡) (植田) (昌子) (室屋)


         GK



川島・権田・シュミットら各選手の差はそれほどないので、正GKはまだ確定していない感じです。

コパアメリカで、植田選手が公式戦で使えるメドが立ったのは大きく、吉田・冨安・昌子選手らのうち調子のよい選手を使えば良いでしょう。

より守備的なボランチはこの大会で一番成長した板倉選手が、シントトロイデンの遠藤選手とあまり差のないところまで追い上げてきています。

大人のフットボーラーとしての肉体が完成してくれば、トップ下として久保選手が最有力候補になってきますし、右サイドハーフとして起用しても面白いと思います。


 対戦相手の攻撃力が高く、やや守備を重視したスタメンは以下の通りです。


(4-2-3-1)


         大迫



  中島     南野      伊東
        (柴崎)    (堂安)
        (久保)    (三好)
 

       板倉   遠藤  
       


  長友   冨安   吉田   酒井
 (冨安) (植田) (昌子) (室屋)


         GK


現時点において長友選手の守備力が不足しているということではないのですが、中島選手のサイドはどうしても守備が手薄になりますので、センターバック2枚は昌子もしくは植田選手を吉田選手と組ませ、攻撃参加を捨てても冨安選手を左SBに持ってきて守備の強化を図るという手もあるでしょう。

ダブルボランチは守備力を重視して、板倉・遠藤のコンビで。トップ下は得点力を優先させるなら南野選手、チャンスメーク能力を重視するなら柴崎選手で。


 さらに守備を重視してカウンター狙い、最悪引き分けでもOKだったり、120分戦って0-0のまま、格上相手にPK戦で決着をつけたいというゲームプランなら次のようなシステムはどうでしょうか。




(5-2-1-2)



             大迫      
        中島  (永井)
 

           柴崎
          (南野)
          (久保)

    
        板倉   遠藤


   
   長友  冨安  吉田  昌子  酒井
              (植田)

           GK

守備の負担が少ないセカンドストライカーに中島選手を、トップ下に柴崎選手をもってきてカウンター狙い。トップ下を中島選手にして、セカンドストライカーに南野選手を持ってくるプランも試す価値はありそうです。


 逆に、攻撃力の低い対戦相手にボールをポゼッションして点を取ってどうしても勝ちたいゲームプラン用の、攻撃力を重視したシステム。


(4-1-2-3)



         大迫


  中島             伊東
                (堂安)
                (三好)
      柴崎     久保 


         板倉     
        (遠藤)


  長友   冨安   吉田   酒井
 (杉岡) (植田) (昌子) (室屋)


         GK



 森保監督の代名詞ともいえる(3-4-2-1)ですが、コパアメリカで板倉選手が急成長を遂げたことは大きかったと思います。

ゲーム中に相手がフォーメーションを変えて、こちらも3バックから4バックに変えたくなった場合、板倉選手がボランチにあがり、柴崎選手をトップ下にすれば交代カードを切らずに4-2-3-1に変更することができます。

また両ウイングバックを、長友・酒井両選手にすれば守備重視、原口選手をいれれば攻撃重視にバリエーションの変化をつけることができます。



           大迫      
         

        中島   伊東
            (久保)       
            (堂安)
    
   長友  遠藤    柴崎   酒井
  (原口)           (原口)

   
       冨安  吉田  板倉  
                   


           GK


 公式戦でちゃんと機能するようにするためには、それなりの量の戦術トレーニングが必要でしょうが、対戦相手の強さや、絶対に勝利が求められるのか、それとも引き分けで十分なのか、ゲームプランによって複数の戦術システムや先発メンバーを上手く使い分けることができるようになれば、自分たちが望む結果を出すために、より戦いやすくなると思います。


    ☆       ☆       ☆


 というわけで、3回にわたってコパアメリカ2019における日本代表の戦いぶりを総括してきましたが、3試合で2分1敗のグループリーグ敗退という結果はとても残念でした。
 
ベストメンバーが招集できず、U-22世代が多いチームで臨んだのですが、それでも決勝T進出の可能性は十分あったのではないでしょうか。

それが達成できなかったのは、選手の経験不足であったり、ベテランが若手の経験不足を上手くフォローしてやれなかったり、森保監督のスタメンのチョイスや交代カードの切り方に改善すべき点があったことが原因だったように思います。

これは直接プレーとは関係ないことですが、日本サッカー界全体として世界を知らなさすぎたというか、ユーロやW杯に次ぐ世界で3番目にハイレベルの大会であるコパアメリカとトゥーロン国際など他の大会との区別がついておらず、「コパアメリカの重み」というものを良く理解していなかったように見えました。

それはコパアメリカ開催中もJリーグを中断せず、地上波でのTV中継が無かったことからも明らかです。

そのため、コパアメリカに臨む日本代表はU-22世代を中心にチームを組まざるを得なくなり、日本の初戦が始まる前に、ベストメンバーを招集したカタール代表が次回コパアメリカに連続招待され、日本が外された代わりにオーストラリアが初参加することが決まったのは、CONMEBOL(南米サッカー連盟)の日本サッカー協会に対する不快感の表明であったことは、これも明らかです。

チリとの初戦に大敗して「まるで大人と子供のサッカー」と南米マスコミから酷評されるなど、日本サッカー界への信頼がガタ落ちになりそうなところを救ってくれたのは、三好選手などウルグアイ戦で互角の戦いを見せてくれた若手選手たちでした。

海外組の選手を拘束する権利が無かったのはやむをえなかったとしても、Jリーグ機構やJ各クラブも含めた日本サッカー界全体がコパアメリカに参加する意味をよく理解し、コパアメリカ開催中はJリーグを中断して国内組の主力級選手、たとえばF東京の室屋・橋本選手や札幌の鈴木選手らをブラジルに連れていくことができれば、チリ戦のような失態は防げたと思いますし、決勝T進出の可能性もあったでしょう。

国内組の代表選手も本気の南米選手とガチンコ勝負を経験することで成長し、ひいては彼らが所属するクラブやJリーグ全体のレベルアップといった利益にもなったはずです。

ところが、日本サッカー界全体としてコパアメリカの重要性が理解できず、あらゆる面で準備不足のまま、大会にふわっとした入り方をして初戦で大敗を喫してしまったのはとても残念でした。

せめてもの救いが、板倉・久保ら若手選手のめざましい成長で、この失敗を決して無駄にしてはいけません。




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■日本代表のコパアメリカ総括(その2)

前回のつづき

 今回はコパアメリカ2019に出場した日本代表各選手のプレーの個別評価です。

評価は3段階でそれぞれの数字は、

1=素晴らしいプレー内容

2=プレー内容は及第点

3=不満の残るプレー内容

を意味しています。




GK

川島選手 2

 ウルグアイ戦の後半10分、カバーニとの一対一から決定的なシュートを止めるビッグセーブ。あれが決まっていたら試合結果がまったく違っていたものになっていたかもしれません。大会を通じてキャッチング・セービングともにまずまず良かったと思いますが、チームがリードしたあとのプレーに課題が残りました。
2-1とリードしてからウルグアイの猛攻にあってチームがサンドバック状態になっていた時、相手の攻撃時間をブツ切りにすることで味方に“息継ぎ”をさせゲームの流れをこちらへ引き戻すためにも、反則に注意しつつボールをキャッチしたらもっと長く時間をかけてからキックしても良かったように思いますし、相手と接触したら長めに時間をかけて治療を受けるのも一つの手です。
エクアドル戦でも1-0とリードしてからパスを細かくつなごうとしすぎて、ゴール前にいた味方へのパスが相手選手へのプレゼントボールとなって決定的なピンチを招き、相手に「いけるぞ」と思わせて反撃を呼び込む伏線となってしまいました。GKは一番後ろからピッチ内の状況が良く見えるでしょうから、「自陣深くでのパスが細かくなりすぎているし、相手にもそれを狙われているな」と思ったら、相手バックが後方にステップしながらヘッドせざるをえないようなロングボールを川島選手が蹴り(そうすることによって相手バックは強いヘディングがやりにくくなる)、味方のトップと競ったボールがバイタルエリアに落ちたところを2列目の選手に拾わせて攻めさせるとか、味方のバックやボランチにも「大きく蹴れ」とハッキリとしたジェスチャーでコーチングしてやって欲しいです。


大迫敬選手 2.5

 チリ戦で4失点しましたが、GKとして最初の3点を防ぐチャンスは無かったように思います。ただし4失点目の場面は、少なくともゴールから離れて前へ出たら絶対に相手より先にボールに触らないといけませんし、相手は冨安選手と並走しながらシュートの角度が無い方向へドリブルしていましたから、あわてて飛び出すのは自重し、冨安選手にファーポスト側へのシュートコースを切ってもらった上で、自分はニアポスト側へのシュートを防ぐことに重点を置きつつ、どちらへシュートが来ても対応できるようにしておけば、あの失点は無かったかもしれません。
大迫選手がそうだというわけではないのですが、JリーグのGKは相手ボール保持者との一対一という状況になると、そのプレッシャーから早く逃れたいがために、軽率に前へ飛び出してしまう選手が多い気がします。そして両手を前方へ出して「今からフロントダイブをしまーす」と全身でアピールしながら相手選手の足元へ飛び込み、結局ボールに触れずに相手の足をなぎ払ってPK献上というマズいシーンも見かけます。攻撃側にとって簡単に倒れてくれるGKほど楽なものはないわけで、自分が本来行きたい方向とは逆へフェイントをかけてGKを寝かせてからシュートを打ったり、GKが自分の足元へ倒れこんできたらボールをチョンとつついて逃がしてやり、そのままGKの両手に突っ込んでいって倒されてやれば「PKゲット!」となるわけです。
先にボールに触れるという確信があれば前へ出ても構いませんが、そうでないときは自重し、相手がペナルティエリアに侵入する瞬間に思い切って前進して、相手をシュート角度が無い方向へ追い込み、その場合も、両方の手のひらを相手に向けながら腰の両脇に置き、腰をやや落として体全体で「面」をつくりながら速やかに前進するのが基本。
 同じくチリ戦の前半16分に味方からバックパスを受けた時、相手FWのプレスをフェイントでかわしたプレーですが、リスクマネジメントの面からGKとしては絶対に避けるべきプレーです。なぜなら相手FWをフェイントで抜いても1点にもなりませんが、もしミスしてボールを失えば確実に失点につながるハイリスク・ノーリターンのプレーだからです。
ともかく日本サッカー界は質の高いGKが不足していますので、経験を積んで良いゴーリーになって欲しいです。

DF

植田選手 2

 初戦のチリ戦では、相手ボール保持者に右サイドバックの原選手が応対している時、植田選手はゴール前中央に張ったままでスライドしないという、ゾーンディフェンス戦術におけるポジショニングのミスが見られましたが、次の試合以降はそれもなくなり、まずまず安定した出来でした。
ウルグアイ戦でカバーニにPKを献上してしまったプレーですが、あれは明らかにシミュレーションであって、気にする必要はありませんが、南米の選手はああいうずる賢さがあるということは覚えていて欲しいです。
空中戦では相変わらず強さを見せてくれましたが、地上戦での一対一には課題があるように思います。サークル・ブルッヘでのゲームを見ていても、うかつに飛び込んで抜かれてしまうシーンが散見されますが、スピードに強みがあるのかドリブルやフェイントなどの技術で抜いてくるのか、それとも強いフィジカルコンタクトとパワーを生かした重戦車系か、マッチアップしている相手のタイプによって適切な間合いを取って応対する駆け引きや読みの部分だったり、味方がボール保持者と応対している時に危険な相手選手やスペースをどうカバーするかといった部分の能力を向上させるともっと良いDFになれます。


冨安選手 2

 チリ戦で自分に当たったボールがゴールになってしまったのは不運でしたし、エクアドル戦でも対人守備は安定していました。
ただウルグアイ戦では、相手のCKからヒメネスとの一対一に敗れ同点ゴールを献上する原因に。たとえ自分の前に入られてしまったとしても体を相手に密着させて強いヘディングをさせないような守備の仕方はできなかったでしょうか。ヒメネスに競り負けたことも含めこの試合を通じて冨安選手はどういうわけか自信なさげにプレーしていて、マッチアップしたスアレス・カバーニを中心に相手選手へのマークが甘かったように見えました。接近しすぎると一発で抜かれてしまうので、あえて相手との距離を取っていたのかもしれませんが、それで相手を自由にプレーさせてしまっては意味がありません。GKにしろCBにしろ、悪いプレーをひきずってしまうと次のミスプレーを誘発して失点にからんでしまうことが良くありますから、常に安定したメンタルを持つことも重要です。
柴崎選手からの「無茶ぶり」のようなパスにも問題があったのですが、エクアドル戦では自らのバックパスが弱くなって相手に奪われ、あわや失点かというピンチを招き、相手を勢いづけてしまいました。「自陣深くでのパスが細かくなりすぎているし、相手にもそれを狙われているな」と思ったら相手バックが後方にステップしながらヘッドせざるをえないようなロングボールを蹴るなど、自らの判断で状況に応じたプレーが選択できるようになって欲しいです。


杉岡選手 2

 ウルグアイ戦では、結果的に彼のクロスがチームの2点目につながったのですが、まだクロスの精度や攻めあがるタイミングなどに改善の余地がありますし、守備面でも一対一、特にフィジカルコンタクトの闘いで体の大きさを生かし切れていない印象を受けます。体の使い方を覚えれば地上戦でも空中戦でも一対一の勝率はもっと上げられるはずです。
代表の左サイドバックは人材が不足していますし、個の能力が高い南米選手との戦いで、Jリーグではわからなかった課題に気づかされたところもあったと思うので、世界に通用する左SBになれるようにハードワークして欲しいです。


原選手 2

 チリ戦だけの出場でしたが、チームが防戦一方となる時間帯が多く、守備に奔走させられることが多かったため、攻撃参加もままならず、ほとんど印象に残るプレーはできませんでした。


岩田選手 3

 エクアドル戦の前半34分、ゴール前ファーサイドにいたミナにヘディングの競り合いに行ったところ、この試合二度目のかぶりで失点の原因に。DFとして世界と戦うには、フィジカルコンタクトも含めた対人守備での一対一にもっと強くなる必要がありますし、右サイドの地上戦でも相手のボール保持者に簡単に食いついてウラを取られ、クロスをあげられてしまうシーンも見られました。ボールの落下点を正確に見極めるトレーニングとしては、野球のボールを山なりに投げてもらってそれをキャッチするトレーニングが有効だと思います。

MF 

柴崎選手 2

 大会を通じて、中盤の底から攻撃をビルドアップしていく時に、バックからパスを引き出す動きが一試合ごとに良くなっていきましたし、長短の攻めのパスでシュートチャンスを創出することにも貢献していました。アジアカップ2019も含めて彼のプレーにはずっと不満を感じていたのですが、このレベルのインテンシティのプレーを毎試合コンスタントにできるのであれば、チームの攻撃はぐっとスムーズになります。ただ、代表のボランチという非常に重要なポジションを任されているわけですから、最低限これぐらいやってくれなければ困ります。
 チリ戦では柴崎選手のヘディングミスから最終的に4失点目につながるなど、彼なりに守備を精一杯やっているのですが、やはりボランチとして守備面で不安を抱えているのは相変わらずです。
エクアドル戦では、敵選手3人からプレスをかけられていた冨安選手の足元へパスをつけ、それが彼がミスパスをする伏線となって、あわや失点かという大ピンチを招くことになりましたが、自陣から細かくパスをつないで攻撃をビルドアップするのか、それともロングボールを使うべき局面なのか、自らのプレーで常に正しい選択をするとともにゲームキャプテンとして味方に大きな声やジェスチャーでハッキリと的確な指示を出してやって欲しいです。


板倉選手 2

 A代表デビューとなったウルグアイ戦の序盤にミスがあったものの、大会を通じてもっとも成長した選手の一人。
恵まれた体格を生かし、個の能力が高い南米の選手が相手でも地上戦・空中戦の両方で対人守備に強さを見せてくれましたし、エクアドル戦では冨安選手が前方へ引きずり出された瞬間、さっとバックラインまで下がってスペースを埋め、左センターバックの役割を一時的に引き継ぐなど、戦術理解や危険察知能力が高いところも好感が持てます。
 攻撃面でも、バックがボールを持っている時に積極的にパス受けの動きをしてサポートしてやり、足元の技術もしっかりしていて自らの正確なパスで攻撃をビルドアップしていくプレーも良いです。現時点では個の能力において、板倉選手>橋本選手(F東京)>守田選手(川崎)と当研究所は評価していますし、今ケガの状態がどうなっているのかわかりませんがシントトロイデンの遠藤選手とも大きな差はないところまで成長を見せてくれたのではないでしょうか。
エクアドル戦で1点リードしてから相手の猛攻にチーム全体がアップアップの状態になってしまったので、そういう時こそボランチがボールを奪い返した直後の味方をしっかりサポートし、パスコースをいくつも用意してやることで、クリアするだけで精一杯という苦しい状況を回避できるようになるとさらに良いですし、相手がパスカットを狙っているのであればロングボールを使うという判断があっても良いでしょう。


中山選手 3

 彼はこの大会に出る準備が出来ていたのか疑問。初戦のチリとのゲームに出場したのですが、試合勘がまったく無かったように見え、パスやトラップといったプレー面でのミスが目立ったのみならず、相手のボール保持者への寄せも遅くルーズで、自分がボール保持者に応対しなくてよい場合でも、どこへ行くべきかわからずピッチをさまっているような状態。相手CK時にジャンプするタイミングが遅れて競り負けたり、ゴール前での一対一で不用意にシュートコースを空けたり、浮き球の落下点の目測を誤ったりして、次々と失点の原因になっていました。
クラブでなかなか試合に出れないせいなのか、ボランチというポジションのことをまだ良く理解できていないのか、その両方なのか原因はわかりませんが、速やかに立て直しを。


久保選手 1.5

 チリ戦でのビダルとメデルをドリブルでかわしシュートを放ったプレーをあいさつ代わりに、南米各国のフル代表を相手にまったく物怖じしない堂々としたプレーでチームの攻撃をリード。エクアドル戦では中島選手や前田選手に決定的なパスを通して次々とゴールチャンスを演出するなど、自分の個人技でシュートまで持っていけるだけでなく、味方を使うプレーもハイレベルにこなせることを証明してみせました。現時点においては南野・堂安両選手よりもパスの精度やチャンスメーク能力で勝っています。狭いエリアで相手からプレッシャーを受けてもミスをせずにドリブルやパスができる正確な技術をもっていますし、俗に言う「サッカーIQ」が高く次にどういうプレーを選択するかの判断が早く的確なところも評価が高いです。
まだ大人のフットボーラーとしての肉体が完成されていないので、スピードやアジリティを落とさないよう注意しながらフィジカルコンタクトの闘いに負けないような体づくりをしたり、コンタクトスキルを身に着けて欲しいです。


三好選手 1.5

 ウルグアイ戦では、右サイドをドリブルで駆け上がるとラクサールを振り切り、GKムスレラの左肩上をブチ抜くファインゴールをゲット。杉岡選手のクロスをムスレラが前へはじく可能性を予測して絶妙のポジションを取り、相手選手に当てないように正確なシュートから2点目を決めてくれました。ラクサールが万全であれば文句なく「1」をつけられたのですが、直前に太もものウラをやっちゃったみたいだったので「1.5」としました。
絶対に勝ちたかった次のエクアドル戦ではあまり印象的なプレーはみられず、毎試合コンスタントにチームに貢献していくことが求められます。


中島選手 1.5

 エクアドル戦では、岡崎選手へのスルーパスがやや長くなりすぎましたが、相手GKがクリアしたボールがちょうど自分のところへこぼれてきて、見事なコントロールシュートで先制点をゲットしてくれました。
ただループシュートが外れた前半39分と後半ロスタイム3分のシュートのどちらかのチャンスは何としても決めて欲しかったところ。
この大会では久保選手のように周囲の味方を使うのが上手なプレーヤーがいたこともありますが、コンビネーションで相手の守備組織を崩していくプレーも一試合ごとに改善が見られました。自分の個人技で局面を打開するところと、無理をせず周囲の味方を使ってチームで相手の守備組織を崩していくところを上手く使い分けることができれば、ゴールやアシストなどの目に見える結果もどんどん残せるでしょうし、もっとサッカーが楽しくできるのではないでしょうか。
 守備面で課題があるのは相変わらずですが、中島選手がいなければこのチームの攻撃力はガクンと落ちてしまいますから、彼のサイドを狙われているからといって外せばいいという単純な話でもありません。理想は中島選手がウルグアイやコロンビアのような攻撃力の高いチームに攻められても耐えられる守備力を身に着けてくれることですが、「角を矯めて牛を殺す」ということもあります。対戦相手の攻撃力に応じて、中島選手を含めたチーム全体の攻撃力・守備力のバランスを考えたスタメンなりシステムなりを用意すべきでしょう。もし中島選手の攻撃力を最大化するために守備を免除するのであれば、ゴールやアシストなどチームの攻撃面でさらなる貢献が求められます。


安部選手 2

 ウルグアイ戦では前半9分の岡崎選手へのクロスや後半8分の三好選手へのラストパスなど、先輩たちがちゃんと決めてくれれば最低でも1アシストはついたはずで、チャンスメークのプレーは悪くなかったと思います。


FW 

前田選手 2

 チリ戦では、体を張った泥臭い守備でチームを助け、攻撃面でも自らのクロスで味方の決定機を作り出していました。エクアドル戦では後半45分に久保選手からスルーパスを受けて相手GKと一対一になった場面は決めたかったですね。自分の目の前にGKしかいないことがわかり、どのようにシュートを打つべきかに気をとられてトラップがおろそかになってしまったのか、それともまだケガの影響が残っていたのでしょうか。
股関節の負傷さえなかったら、このチームのセンターFWのファーストチョイスは彼だったように思います。


岡崎選手 3

 相手のパスコースを消しながらボールホルダーを追い込む前線の守備はさすがで、自分のプレスからボールを奪ってシュートまで持っていくなど彼らしい評価できるプレーもあったのですが、ゴールどころかアシストなど得点にからむプレーがゼロというのはさびしいかぎりです。
加齢によってスピードやアジリティが低下してしまうベテラン選手が多いのですが、岡崎選手は若い時と比べてそれほど顕著なスピードの低下は見られないので、シュートの精度を高める練習をしたり、豊富な経験を生かしてゴール前でフリーになれるポジショニングを取ることができれば、点が取れるFWとしてチームから信頼される選手になれる道はあると思います。


上田選手 3

 ポジショニングの取り方に光るものがありますし将来有望な若手選手ではありますが、いかんせん経験不足で相手選手にプレッシャーをかけられるとシュートをゴールから大きく外してしまうなど、現時点において技術・フィジカルコンタクト能力・スピードなど多くの部分でプロと戦う準備が出来ていないように見えます。
 チリ戦のエントリーで「大学サッカーが彼の成長にとって最善の場所なのか、今一度考える必要がある」と書きましたが、「プロの方がピッチやクラブハウスが整っている」などといったようなことを言いたかったのではありません。プロサッカー選手という職業は不安定ですし大卒という学歴を保険として持っておくという選択肢を否定しませんし、青春の楽しい思い出づくりで大学の仲間と同好会でプレーし、試合が終わったら居酒屋でワイワイやるのもいいでしょう。上田選手は時間軸を長くとって大器晩成型としてじっくり育てる予定で、来年の東京五輪に出場させるつもりはないというのであれば、あのようなことは書きません。
しかし日本サッカー界の目標として「東京五輪は金メダルを目指す」というのを聞いていますし、トゥーロン国際ではなくコパアメリカに招集されたのが東京五輪に臨む代表の主力と目されている選手たちだったはずです。
上田選手は五輪で金メダルを目標に戦うチームのエースFW候補としてブラジルに送り込まれたと考えざるをえないのですが、金メダルを目指すチームのFWとして必要な能力が不足しているように見えたからそう言ったのです。
欧州は五輪サッカーを重視していないのでどういうメンバーを送ってくるかわかりませんが、南米やアフリカの強豪は本気で金メダルを狙ってくるでしょうし、そうした国々のDFはすでに四大リーグかそれに準ずるレベルのリーグでプロとしてプレーしているはずです。ブラジルやアルゼンチンなどの強豪を打ち破って日本が五輪で金メダルを獲得するということが意味するのはそういうことであって、マレーシアやUAEのアンダー世代のバックからゴールを奪うのとはわけが違います。
FWとして結果さえ出してくれればどのカテゴリーでプレーしようが文句は無いのですが、東京五輪までたった1年しか時間が残されていない状況で、ウルグアイのゴディンやヒメネスといった四大リーグクラスのバックに子どものようにあしらわれて、ようやく危機感を覚えているようではいささか遅いのではないでしょうか。
JリーグではトップのCBだった昌子選手もフランスで徹底的に打ちのめされて、自分のどこが足りないのか初めて学び、それが成長につながっていますし、四大リーグとは言わないまでもせめてJリーグでなるべく早いうちにプレーを開始して、外国人を含む20代から30歳オーバーまでいろんな年齢層のDFと戦ってゴールをあげるという経験を積んだ方が、東京五輪を目指す上田選手のためになるのではないか、そういう意味で「大学サッカーが彼の成長にとって最善の場所なのか、今一度考える必要がある」と書いたのです。
いろいろと厳しいことを書きましたが、自分が目標とするべきハードルの高さを体感できたでしょうから、これを良い経験にしてFWとしての自らの能力に磨きをかけていって欲しいです。


名前のあがらなかった選手はプレー機会が少なく評価の対象外です。


 次回は森保監督の采配を振り返ることで、「日本代表のコパアメリカ総括」の締めくくりたいと思います。



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