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■U-23アジア選手権、選手レベルの問題点

  前回記事では、U-23アジア選手権における森保監督の采配について、その問題点を指摘しましたが、今回は日本の選手たちのプレー面での問題点について、具体的な改善策とともに述べていきたいと思います。

惨敗に終わったU-23アジア選手権では選手レベルで様々な問題点が噴出したのですが、それはJリーグというか日本サッカー界が育てた選手に共通する問題点とも言えるでしょう。

日本サッカー界が育てた選手にはもちろん良いところもいっぱいあるのですが、同じような失敗を何度も何度も繰り返してしまっています。

まずその一点目は例によって例のごとく、相手のボール保持者が前進すれば、その分ズルズル下がるだけのディフェンス。

サウジ戦の後半2分に奪われた失点は、相手が中盤でパスをつないで攻撃をビルドアップし、サウジのボール保持者がバイタルエリアに侵入してきた時、5対3で日本が数的優位にあったにもかかわらずズルズル下がるだけで、日本の5バックがペナルティエリア内に入って「もうこれ以上下がれないよ」というところで、相手にズドンとシュートを打たれた形からでした。

こういう守備の仕方は世界には通用しませんよと口を酸っぱくして言っているのですが、なかなか改善されませんね。

実は昨年11月に行われたU-17W杯に挑んだ森山ジャパンが決勝トーナメントのメキシコ戦で、やはり相手より数的優位にあったのにズルズル下がって失点しています。

どうしてこうなってしまうかと言えば、3バックや4バックのうち2センターバック+1サイドバックの3枚で相手のカウンターに応対する時の約束事を選手が知らないからです。その意味では日本の指導者の問題とも言えます。

カウンター攻撃を受けてバック3枚で後退しながら応対する時は、まず中央の選手が相手のボール保持者を見るようにし、残りの2枚は他の敵選手に注意しながら3枚で一直線に並びオフサイドラインを形成しながら後退、自分たちがペナルティエリアに入るまでに、相手の足からボールが大きく離れた瞬間など「いける」と判断した時に中央の選手が勇気を持ってボールを奪いに行きます。

そして中央の選手(下図のA)がボールを奪いに行った瞬間、残りの2枚(下図のBとC)は中央の選手の数mナナメ後方にカバリングのポジションを取って立ち止まり(これがコペルトゥーラの隊形)、もし中央の選手がボールを奪い返すことができず相手に抜かれた場合は、後方に控えた選手が相手がAの味方を抜くために足からボールを離した瞬間を狙って奪いに行くのが基本です。

コペルトゥーラ
(クリックで拡大)

中央の選手が相手のボール保持者にプレスをかけた瞬間、カバーする2枚の選手がその後方で1直線になって立ち止まるのは、DFラインのウラにランしてパスを受けようとする相手選手をオフサイドポジションに置くという目的もあります。

実はこうした守備戦術はトルシエ日本代表監督時代に「ストッピング」と呼ばれ、既に日本に導入済みだったのですが、今やすっかり忘れ去られてしまったようです。困ったものですね。

このようなシチュエーションにおける少人数グループの基本的な守備戦術なり役割分担なりが無いから、前述のサウジ戦のシーンでは、自分が抜かれることを恐れて5枚いるバックの誰もボールを奪いに行けずズルズル下がるだけで最後にはやられてしまうというわけです。

逆に選手たちが「ストッピング」という守備戦術を知識として持っていれば、誰がボールを奪いに行って誰がその後方でカバーに入るのか、DFラインのウラでパスを受けようとする相手選手をどうすべきか、選手たちの頭の中がスッキリと整理されるので勇気を持って適切に行動することができますし、カウンターから失点する確率をそれだけ下げることができます。

 日本人選手の問題その二点目は、いちいち審判の顔を見ながらサッカーをしてしまうこと。

サウジ戦の前半36分、小川選手のワンタッチのスルーパスに旗手選手がDFラインのウラへ抜け出してGKと一対一になったシーンが典型ですが、旗手選手は一度プレーを止め、線審の顔を見て自分がオフサイドではないことを確認してからプレーを続行したため、どんどんゴールの角度が無くなっていき、せっかくの決定機をシュートを打てないままミスミス逃してしまいました。

自分がオフサイドかどうかは主審があとからいくらでもホイッスルで知らせてくれるので、自分の判断でプレーを止めてしまうのではなく、最初から迷いなくゴールの角度が広くなるピッチ中央方向へ速やかにドリブルしていけば、最低でもシュートは打てていたはずです。

フル代表の選手でも、相手に倒されたときに「今のプレーどう?」「PKじゃない?どう?どう?」と真っ先に主審の顔を見てしまう選手がいるのですが、わざとらしいので止めた方が良いです。もらえるPKももらえなくなってしまいます。

ともかく主審の笛が鳴るまで自分の判断で勝手にプレーを止めないことです。

 最後に、問題というわけではありませんが、日本代表もJリーグ各クラブも優秀な国産GKが不足しているので、U-23代表の守護神・大迫選手の一層の成長を願って、彼のプレーから改善点をピックアップしてみます。

U-23選手権の3試合ともゴールを守った大迫選手ですが、相手のシュートに対するセービングは良かったのですが、GKの最大の見せ場ともいえる、相手選手との一対一でまだまだ経験不足のところがあります。

まずサウジ戦の2失点目のシーンを振り返ってみますと、古賀選手のバックパスがミスになって相手の19番に渡り、ゴールへ向かって一直線にドリブル、GK大迫選手とペナルティエリア内で一対一となった場面で、大迫選手がスライディングタックルをした瞬間、後ろから追いすがった岡崎選手の足がサウジの選手のかかとに当たってしまい転倒、これでPK献上となってしまいました。

大迫選手はこのシーンでスライディングタックルを選択しましたが、相手に先にボールをコントロールされて触ることができずかわされてしまっています。

GKが一度ピッチに寝てしまえば挽回はほとんど不可能ですので、フロントダイブやスライディングタックルをしたら最低限ボールには絶対に触れないといけません。

そうした意味でこの判断は失敗です。もし岡崎選手がサウジの選手を倒さなかったならば、そのまま抜かれてシュートを打たれ失点していた確率が高いです。

GKが相手選手と一対一になってしまった場合、最優先でやらなければならないのは、確率が低くても無理をしてイチかバチかのダイブでボールを奪うことではなく、できれば味方選手と協力しながら「相手が一番ゴール確率の低いシュートを打たざるを得ない状況」に意図的に追い込むことです。

このケースでは、サウジの19番と一対一になった時に大迫選手はすぐに倒れてしまうのではなく、ゴールへの角度が広い中央方向(大迫選手から見て左)を切り、ドリブルすればするほどゴールへの角度が狭くなっていく右へ右へサウジの選手を誘導するべきです。

相手選手と至近距離で一対一になった時は、股間をシュートで抜かれないように両足を肩幅よりやや狭めて立ち、両方の手のひらを相手に向けながら腰の両脇に置き、ヒザを軽く曲げ腰をやや落として体全体で「面」をつくりながら速やかに移動します。

至近距離で相手にシュートされたらまずキャッチはできないので、体全体を「面」にしてどこかに当てて防ぎます。

追走してきた岡崎選手は、サウジの選手が大迫選手と一対一になった瞬間にマークを受け渡し、そのままゴールのワク内に入って、もしサウジの選手のシュートが来たらクリアできるように備えます。

一番確率の低いシュートを打たざるを得ない状況に相手を追い込み、それでもゴールを決められてしまったら、それは相手を褒めるしかありません。そもそもGKとの一対一をつくられている時点で「負け」なのですから「失点してもともとだ」と、良い意味で精神的に開き直ることも冷静かつ適切な判断のもとでプレーするために重要なことです。

しかし、パニックになって成功確率の低いダイビングをすることで簡単にPKを与えてしまえば、自分たちで失点の確率を高めてしまったことになり、それは明らかに判断ミスです。

Jリーグでは、相手との一対一というプレッシャーから早く逃れたいためか、簡単にダイブしてPKを献上してしまうGKが少なくありません。

もしかしたらJリーグ各クラブで、「相手と一対一になったらフロントダイブしてボールを奪いなさい」と教えているのかもしれませんが、相手のドリブルがミスになってボールを足から大きく離した場合を除きダイブは自重させるべきで、適切な指導ではないと考えます。

攻撃側の選手にとって簡単に倒れてくれるGKほど楽なものはなく、欧州四大リーグのトップオブトップのGKほど、簡単にはピッチに倒れないということを知っていて欲しいです。

次にシリア戦の2失点目のシーンを振り返ってみますと、カウンターからシリアの21番とGK大迫選手とがペナルティエリア内で一対一となり、相手の余裕を持った右足からのコントロールシュートで失点してしまいました。

このシーンでは、GKの頭の上を超す相手のループシュートを警戒して一度ゴールライン上に後退したところまでは正解ですが、そのまま立ち止まっていたのではシュートコースが大きく空いたままなので、相手がペナルティエリアに侵入するタイミングで勇気をもって前進することでシュートコースを消しにいかなければいけません。

さらに前進して相手と一対一になったら、やはり一番確率の低いシュートを打たざるを得ない状況に追い込むため、ファーポスト側へのドリブル突破やシュートを切り、ドリブルすればするほどゴールへの角度が狭くなっていく、大迫選手から見て右へ右へと誘導します。

あのシーンでは日本の選手2人がゴールのワク内に戻ってきていましたから、もし大迫選手が前進しながらシリアの21番を右方向へ誘導していれば、たとえシュートを打たれても味方がクリアできていたかもしれません。

もちろん相手と至近距離で一対一になった時は、前述のように体全体で「面」をつくって構えながら移動します。

サウジ戦の失点シーンもそうですが、大迫選手は相手との至近距離で正しい構えができていないことが多いです。

こうしたGKの基本プレーが出来ていれば、サウジ戦かシリア戦のどちらか一つは失点を防げたかもしれません。

GKにとって相手との一対一はやりがいのある最大の見せ場ですので、大迫選手もそうしたシチュエーションでいかに失点を防ぐのか何度も繰り返しトレーニングしたり、実戦で経験することで世界に通用するGKに成長してくれることを希望します。

ところで某大手サッカー雑誌では、U-23選手権3試合における大迫選手のプレーにA評価をつけてベタ褒めでしたが、GKのプレーの良し悪しを見極められるサッカー記者が日本にはまだまだ少ないようです。

またJリーグ各クラブでも、世界レベルの優秀なGKコーチが不足しているようで、そういったことも優れた日本人GKが育ちにくい理由なのかもしれません。

欧州、特にGK大国イタリアあたりから優秀なコーチを招聘した方が良いのではないでしょうか。ノイアーやテア・シュテーゲンを生み出したドイツあたりも良いですよね。

サッカーの他のポジションもそうですが、GKは特に反復練習が重要で、練習すればするほど、実際に試合でプレーすれはするほど上手くなっていくポジションなので、チームにたった一つしかないGKというポジションが外国人選手に占められてしまうと、日本人の若いGKが実戦経験を積んで成長する機会を奪われてしまいます。

これも口を酸っぱくして繰り返していますが、中国や韓国のリーグで外国人GKの獲得・起用が禁止されて以降、玉突き式に外国人GKがJリーグに殺到するようになってしまったので、Jリーグ各クラブの外国人GKの獲得・起用に何らかの制限をかけるべきです。




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■森保監督の解任やむなし

 タイでU-23アジア選手権を戦っていた日本代表ですが、1分2敗で早々とグループリーグ敗退が決まってしまいました。

A代表からアンダー世代まで、この10年日本がアジアの大会で決勝トーナメントにさえ進出できなかったというのはちょっと記憶になく、極めて深刻な事態だと言わざるを得ません。

「冨安・堂安・久保ら海外組が呼べないのでしょうがない」というのは、まったく言い訳になりません。

FIFAインターナショナルウインドウの設定がないこの大会に海外組を呼ぶことが難しいことは初めからわかっていたことで、もし2020年の五輪が自国開催でなかったならば、日本はたとえ国内組中心のチームであってもトップ3に入らなければ出場権が獲得できなかったからです。

つまり森保ジャパンは、自国開催でなければ2020年五輪出場権を失っていたということであり、だからこそ深刻な事態なのです。

3試合ともゲームを見ましたが、選手個々の能力を比較すれば、国内組中心とは言え日本の選手たちの方がサウジよりもやや上、カタールやシリアと比べれば完全に上だったように見え、戦力的に負けるような相手ではなかったと思います。

それでもチームを勝たせられなかった最大の原因は、森保監督にあると結論づけるよりほかありません。

(カタール戦だけは、例によって審判がカタールの12人目の選手になっていたことがドローに終わった原因だと思いますが、その話は後日に)

サウジ戦ではDFの個人的なミスから、シリア戦では試合終了間際のカウンターから決勝点を奪われグループリーグ敗退が決まったわけですが、もちろんそれも反省点には違いないものの、森保監督の采配で一番問題なのは、彼の代名詞とも言える3-4-2-1の攻撃戦術がほとんど機能していないことです。

サウジ・シリア戦の得点は、いずれも食野・相馬らが相手DFラインの前から個人技で決めたもので、どうやって局面局面で数的優位をつくり相手の守備組織を崩してゴールを奪うのか、再現性があり狙いをもった組織的な攻撃の形というものがまるで見えず、モタモタと攻めあぐねているうちに自滅のような凡ミスやカウンターから試合を決定づける失点をしてしまっています。

森保式3-4-2-1は攻撃時に両ウイングバック(WB)を前線まで押し上げて5トップみたいな形になるシーンが多いのですが、サウジはマークのズレが起こらないように日本と同じ3-4-2-1(瞬間的に5-2-2-1)で、カタールも同様に5-1-2-2、シリアは4-2-3-1から6バックのような形にして日本の“5トップ”に対応してきました。

これに対して森保ジャパンは1トップ2シャドーと、ボールを持った両WBとの距離が遠く連携・連動というものがほとんどないので、ある局面で数的優位をつくることで相手の5バックなり6バックの守備組織を崩して質の高いシュートチャンスをつくることができず、たった一つの攻め手らしきものは、WBがマッチアップしている相手を個の能力で抜いてゴール前中央に張っている1トップ2シャドーに向かって放り込むクロスなんですが、ウジャウジャとゴール前に密集している相手選手にクリアされるばかりでした。

もちろん相手選手がゴール前中央にウジャウジャ密集しているのは、日本の1トップ2シャドーが同じところで密集しているからなんですが、これが森保式3-4-2-1システムがもっている根本的な欠陥の一つめです。

こうなるとWBはクロスを入れるのをためらうようになり、後方で横パス・バックパスを繰り返しているうちにそれがミスになって失点したり、5トップという頭でっかち・尻つぼみのフォーメーションでボールの前に7人も8人も日本の選手が張っている状況でパスを引っ掛けられてカウンターを食らい、あっという間の2連敗となってしまいました。

攻撃をしている最中にボールを失い、ネガティブトランジションが起こっても失点しないための備えであったり戦術的な約束事を森保監督がまったく準備していなかったということであり、これが森保式3-4-2-1システムがもっている根本的な欠陥の二つめです。

こうしたことを「勝負勘が無かった」などと言って、この大会に招集された選手たちの責任に転嫁するのは酷というもので、森保監督のチーム戦術の方に問題があると見るべきです。

これは森保式3-4-2-1というシステムが根本的に抱えている構造的な弱点であって、我慢していればそのうち自然と改善されるといったような問題ではありません。

3-4-2-1というシステムがすべてダメというわけではありませんが、こうした森保式3-4-2-1のシステム的な欠点については予想できたことで、以前アップした記事で当研究所が既に“予言”済みです。

(当ブログ関連記事 日本代表、3-4-2-1のテストは不発(その2)) 

森保監督は広島時代にJリーグを3度優勝しているわけですが、森保サンフレッチェの3-4-2-1はJリーグという特殊な環境だからこそ成功できたのではないでしょうか。

森保サンフレッチェは守備時には自陣に引いてブロックをつくって守りましたが、Jリーグには広島の5-4-1の守備ブロックを組織的なパスサッカーで崩せるようなチームはほとんどなく、組織的なプレスをかけなくても自陣に引いてブロックをつくりスペースを埋めているだけで、かなりの程度守れてしまっていました。

そしてマイボールになったらボランチの森崎和がバックラインまで下がり両WBを押し上げて4-1-5みたいな、おなじみのフォーメーションに変化するわけですが、当時のJリーグにはパスコースを切りながら意図したところに相手を追い込みボールを奪うような洗練されたプレスディフェンスができるチームは皆無と言って良く、なんとなく広島のボール保持者を追いかけているだけなのでパスワークで相手のプレスをかわすのは容易で、バックやアンカーの青山から両サイドに大きく張ったWBにロングパスが通れば一気に攻撃の最終局面に突入、ミキッチ・柏の両WBからクロスをあげて、ゴール前に張っている1トップ2シャドーの佐藤寿人・ドウグラスらが個の能力で相手に勝ってゴールを決める。

これが森保サンフレッチェの攻守における得意な形だったように思います。

当時のJリーグ各チームは守から攻・攻から守へのトランジションが極めて緩慢で、レベルの高いプレッシングやゾーンディフェンスができるチームは皆無、守備ブロックをつくらせても、タテにも横にも間延びしたまま相手のボール保持者が前進した分ズルズル後退するだけで、ゴール前の空中戦で相手選手をつかまえるのもルーズ。

2015年に広島とチャンピオンシップを争った長谷川監督率いるガンバ大阪でさえそうで、だからこそJリーグで3度優勝できたのでしょうが、サンフレッチェでやっていたような森保式3-4-2-1システムをそのまんま日本代表にあてはめて、世界の強豪に勝とうとするのはかなり無理があるように思います。

実際欧州や南米の強豪どころか、E-1や今回のU-23アジア選手権で対戦したアジアレベルの相手にさえ、森保式3-4-2-1は結果を出せませんでした。

皮肉だったのはカタール戦で退場者が出て、後半に森保監督の意図に反して3-4-2-1からトップ下の無い4-2-2-1みたいなフォーメーションへの変更を余儀なくされてからパスがスムーズに回るようになり、小川選手の先制ゴールが生まれている点です。

森保式3-4-2-1が選手を助けるのではなく、重い足かせになっていたのは明白でしょう。

サウジに負けた後、WBと1トップ2シャドーをどう連携させて相手の守備組織を崩してゴールを奪うのか、森保監督が選手に「狙いとする攻撃の形」を指示して問題点を修正しておけば、次のシリア戦では攻撃を機能させられたはずですがそうではありませんでした。

機能しない3-4-2-1を断念して4-2-3-1に戻すという手もあったはずですが、それもせず。

U-23アジア選手権は若手の成長のために捨てて良いテストマッチではなく真剣勝負の公式戦である以上、森保監督があえて修正しなかったのではなく「監督としての能力が不足していて修正できなかった」と判断せざるを得ません。

森保監督のチーム戦術として、やろうとしている攻撃の形がしっかり見え、選手がそのタスクをこなせないだけということであれば、タスクがこなせるように選手を成長させるような具体的な指導ができるかどうか、続投させて様子を見るということもできるのですが、そうではありません。

そもそも森保式3-4-2-1は構造的な弱点を抱えていて、我慢していれば自然と解決されるような問題ではないということは前述した通りです。

これが現状における森保さんの指導者としての能力の限界ではないでしょうか。

森保さんが一番得意とするシステムで戦ってさえ、近年の日本サッカーで記憶に無いような惨敗に終わったわけですから、わずか半年後に迫った東京オリンピックや2022年カタールW杯で好成績を目指すと言われても、説得力がありません。

五輪サッカーはさほど競技レベルが高くないので、日本のU-23世代の選手はよりレベルの高い欧州各国リーグでのプレーを優先させた方が良いし、基本的にオーバーエイジも必要ないという立場ですが、今回は自国開催の五輪ですし、大会を盛り上げるためにもホスト国が決勝トーナメントに進出するのはMUSTだと考えます。

早くも次のU-23代表のテストマッチに海外組はもちろんオーバーエイジの招集さえ表明しているようですが、それでは森保監督が日本の優秀な若者を指導しているのではなくて、優秀な若者たちに森保監督がおんぶにだっこしてもらって東京オリンピックに連れていってもらうという、本末転倒の状態に見えます。

現在、ボローニャの冨安・レアルマドリードからマジョルカに武者修行に出されている久保・FCバルセロナBでプレーする安部ら若くて有望な日本人選手が続々と出現していますが、だからこそ優秀な代表監督のもとでプレーさせてやれば日本サッカーは加速度的に進歩発展していくことでしょう。

それに対し、森保さんは適任なのでしょうか?

 森保監督はご自身で進退を決めることはないそうなので、日本サッカー協会にはここで2つの選択肢があると思います。

一つ目は、森保さんを優秀な指導者として育てるために、五輪を捨ててもこのまま続投させ経験を積ませることです。

この場合、最悪のケースでは東京五輪で日本代表がグループリーグ敗退に終わることもあり得ます。森保さんがこのまま3-4-2-1にこだわり続けるなら、その確率は限りなく高くなるでしょう。

二つ目は、外国人を含めた優秀な指導者を新監督として招聘し、五輪を戦うという選択肢です。

森保さんより優秀な指導者を招聘できれば、東京五輪で日本代表が好成績をあげられ、日本のU-23世代の選手たちも目覚ましい成長を遂げられる確率は当然高くなります。

もし森保さんより優秀な指導者を確保できるなら、解任もやむなしと考えます。

後任監督としてふさわしいのは、日本人でも外国人でも良いので、日本人選手の長所・短所を理解し、日本人のストロングポイントを生かしたサッカーをピッチ上で実現できる人です。

具体的には、攻撃でも守備でも11人が高度に連携して協働し、パスワークで攻撃をビルドアップし、オフサイドにならずに相手DFラインのウラへ人とボールを送り込むことでGKとの一対一をつくってゴールを奪い、守備ではフィールドプレーヤー10人がコンパクトなブロックをつくってゾーンで守り、約束事に従ってプレスをかけてボールを奪い返し攻めに転じます。

攻撃をしている最中にボールを失い、ネガティブトランジションが起こっても簡単に失点しないようにするための備え、ポジショナルプレーの概念を自らの戦術に取り入れていることもW杯で好成績を残すために必須です。

まだ五輪本番まで半年あるので、田嶋会長なり関塚技術委員長なりが、次期監督候補をピックアップして面接し、ふさわしいと思われる人物に任せるべきです。

本番まで残り時間が少なくて適任者が見つからず、森保監督より指導者として優秀と思われるなら、横内昭展コーチを五輪代表監督に昇格させるという手もあります。その場合でも、森保式3-4-2-1は封印させるべきでしょう。

そもそもロシアW杯では4-2-3-1システムで戦い、乾・香川・柴崎・長友選手らが連携してトライアングルをつくることでボールをポゼッションし、それが決勝トーナメント・ベルギー戦の2点目、乾選手のあのゴラッソを生んだわけですよね。

同じくベルギー戦の1点目は、自陣でボールを奪って速攻に転じ、柴崎選手のスルーパスに抜け出した原口選手のシュートから生まれたように、ポゼッションとカウンターサッカーの使い分けも出来ていました。

残念ながら、ボールをロストした後の備えが無かったために「ロストフの14秒」でベルギーに屈したわけですが、そこはポジショナルプレーという概念を持たなかった西野ジャパン、ひいては日本サッカーの限界とも言え、次のW杯でベスト8以上を目指すなら、ロシアW杯で出来たことをベースに、出来なかったことを出来るように改善していかないといけません。

ところが「西野ジャパンの継承」として生まれたはずの森保ジャパンは攻撃面でほとんど連携・連動というものが見られず、いつのまにかロシアW杯でやったこともないような、3-4-2-1でWBが個の能力で相手を抜いてクロスをあげられるかどうかが唯一の攻撃手段みたいなチームになってしまっています。

西野ジャパンがロシアW杯で成功できたのは「監督が日本人だから」という理由ではなく、西野さんが日本人の長所を生かし、短所をカバーできるようなサッカーをやったからだったのに、突然「ジャパンズ・ウエイ」とか言いだして、最初から「日本人ありき」で後任監督を決めるから強化方針がブレブレになって、こういう結果を招いたのではないでしょうか。

 森保さんは五輪代表の監督でさえ結果を出せなかったのですから、当然フル代表の監督をこのまま任せるわけにはいきません。

2022W杯アジア2次予選は、日本とライバル国との選手の実力差が相当あり、森保さんが指揮しても突破はほぼ確実なので、2次予選だけは森保さんが指揮するとして(もちろんその場合でも、森保式3-4-2-1は禁止)、それで時間を稼いでいる間に前述のような条件で日本人に合ったサッカーができる指導者を、日本人・外国人のどちらでも良いので招聘するべきです。

もし2022年W杯で好成績を残したいならば。

今年の初夏に欧州各国リーグで2019/20シーズンが終われば、「掘り出しもの」の指導者がフリーになるかもしれないので、関塚委員長が中心となって後任候補をピックアップしておくべきです。

クレのはしくれとしては、ポゼッションサッカーをやる指導者で、ジョゼップ・グアルディオラの右にでる人物はこの世界にいないと考えますし、今はユーべを率いるサッリも魅力的ですが、彼らが日本にやって来るというのは当面現実的ではありません。

FCバルセロナのアカデミーで教育を受けた経験を持ち、今は無名でも将来の成功を狙う若くて野心的な戦略家がいないもんですかね...。

ちなみに四大リーグでは、戦術が高度に発達したスペインかイタリアで成功した実績を持つ指導者のほうが、日本サッカーに向いてると思います。(プレミアは、ペップらスペインやイタリアの指導者が高度な戦術を導入してからマシになった印象です)

ウエストハムでどういう指揮をしていたのか継続的にチェックしていないのですが、歳のせいで判断力が鈍っていなければ、以前日本代表の監督候補として名前が浮上したマヌエル・ペジェグリーニも検討する価値があるかもしれません。

ビジャレアルで成功しレアルマドリード・マラガ・マンチェスターCでも指揮をとった経験のある、言わずと知れたポゼッションサッカーの大家です。

もし森保さんが監督業を一から勉強しなおす意思がおありなら、コーチとして新監督をサポートしながら戦術や用兵術・トレーニング方法を研究したらよいと思います。

 昨年暮れの記事で、

(森保監督の問題は)事前に用意したゲームプランが上手くいっているうちは良いのですが、それが上手くいかなかったとき、ピッチ内の状況を見ながら速やかに修正するということができないことで、もしW杯アジア最終予選でつまづいたら最後、修正できずに低迷しっぱなしということもありえますので、日本サッカー協会は念のため、後任監督候補を調査し、何人かピックアップしておくべきでしょう。



と書いたのですが、やはり現実のものとなってしまいましたね。

特に攻撃は選手に丸投げで、森保監督の戦術に「狙いをもった組織的な攻撃の形」というものがまるで見えないのは致命的です。

森保さんのサッカーは選手頼みなので、「青い鳥」(=理想の選手)を探して、ひたすら視察ばかりしているのでしょうか。

しかし、選手をピッチ上に3-4-2-1に並べて「あとは何とかして」というだけなら、日本代表監督が森保さんでなければならない必然性はありません。

先発メンバーはもちろん、交代選手のチョイスも適切でないことが多く、しかも手遅れであることがほとんど。

サンフレッチェの後輩で、失点につながるミスを繰り返しフル代表でプレーする能力を持っているか極めて疑わしい選手を起用し続ける「情実人事」もフェアであるとは思えません。

森保監督の解任はやむなしと考えます。



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■謹賀新年

          謹賀新年

 あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い致します。

2020年もみなさまのサッカーライフが楽しく幸福なものとなりますよう、お祈りしております。




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